JP3369020B2 - 超小型走査電子顕微鏡 - Google Patents

超小型走査電子顕微鏡

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面観察や表面分析装置
(以下、表面分析装置等)に組み込めるようにした超小
型走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】表面観察や分析のために走査電子顕微鏡
(SEM)が用いられているが、高空間分解能が求めら
れるため高い加速電圧を必要とし、また、操作性を良く
するための付属装置が必要となるなど、装置全体として
大型化する傾向がある。このような高空間分解能のSE
Mの電子銃として、高輝度が得られるため電界放射電子
銃(FEG)が用いられている。図4はこのようなFE
Gユニットを説明する図である。ガンチャンバー11と
鏡筒20とはフィラメントの交換のために箇所Aで分離
出来る構造になっている。ガンチャンバー11内には、
放電対策を容易にするため、碍子12上に高電圧(負電
位)が印加されるフィラメント13、サプレサー電極1
4、引出し電極15がまとめて組み立てられている。一
方、放出された電子を加速するための陽極16(アース
電位)は鏡筒20に組み込まれる。このように、FEG
ユニット10は、全体として2つのユニットの組み合わ
せにより構成されるため大型化してしまう。また、高分
解能SEMでは、図5に示すように、電子銃ユニット1
0から放出される電子ビームを金属製のライナーチュー
ブ21を通して試料22に照射している。電子ビームが
金属製筒内を通るため、磁界型レンズ24を使用してお
り、レンズ、偏向系を構成するコイル23は大気側に配
置されている。大気側に配置することでコイルの真空対
策は考える必要はない。また、排気はライナーチューブ
内のみ行うことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】表面観察や表面分析に
用いられるESCA(電子分光法を利用した化学分
析)、STM(走査トンネル顕微鏡)、LEED(低エ
ネルギ電子回折装置)等の分野では、追加でSEMを組
み込みたいとする要請がある。しかし、これらの分野
は、それぞれの分析技術を中心に装置が設計されている
ため、SEMを組み込もうとしても、SEMが大型のた
めに組み込むことができないか、或いは組み込もうとす
ると、動作距離を長くして組み込まざるを得ず、専用の
SEMに比較して性能が悪くなってしまう。また、SE
Mを分析室に組み込んだ場合、分析室内は超高真空に維
持する必要があるが、SEMの偏向器、レンズを構成し
ているコイルからの放出ガスが多いため超高真空までの
排気ができず、また、ライナーチューブは細いパイプで
あるため、パイプ長が長くなると、ポンプの排気能力が
低下して、パイプの内側を超高真空に排気できない場合
もある。そのため、表面分析装置等に、従来のSEMと
同じ方式の装置を組み込むことは困難であった。本発明
は上記課題を解決するためのもので、表面分析装置等に
組み込むことができ、かつ超高真空対応の構造にした超
小型走査電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は真空下の表面分
析/観察装置分析室内に組み込まれるように電子銃がフ
ランジに取り付けられた超小型走査電子顕微鏡であっ
て、電子銃ユニットに電子銃室内を外部雰囲気と連通さ
せて排気するための孔を設け、電子銃室の排気を前記表
面分析/観察装置分析室の排気手段により行い得るよう
にしたことを特徴とする。また本発明は、低加速電界放
射電子銃ユニットの全ての電極を碍子上に組み立てると
ともに、走査用偏向器を静電型とし、磁界型レンズのコ
イルをアルミナ又はシリカ等の被覆線材で形成したこと
を特徴とする。
【0005】
【作用】本発明は、電子銃ユニットに外部雰囲気と連通
させて排気するための孔を設けて表面分析/観察装置分
析室内に組み込み、電子銃室の排気を表面分析/観察装
置分析室の排気装置により排気できるようにしたので、
電子銃排気用の排気ポンプを省略することができる。ま
た、FEGユニットの全ての電極を碍子上に組み立てる
ことで、組み立て精度の向上、小型化を図り、磁界レン
ズを構成するコイルにアルミナ又はシリカ等を被覆した
線材を用いてコイルからの放出ガスを減少させることで
超高真空対応とし、また、偏向器として静電偏向器を用
いることでコイルを不要として表面分析装置等の分析室
に取り付け可能とすることができる。
【0006】
【実施例】図1は本発明の超小型低加速走査電子顕微鏡
の一実施例を示す図である。本実施例においては、取付
フランジ2(70φ、国際規格)にサポート1(直径2
6φ)を取付け、これに全長142mmに設計した走査
電子顕微鏡本体が保持されている。取付フランジ2には
電源接続フランジ3が接続されて走査電子顕微鏡本体へ
の電力供給がなされるようになっている。このような超
小型の構成にして表面分析装置等の分析室(図示せず)
に組み込む。なお、組み込む装置により動作距離が異な
るので、その場合は適宜サポートの長さを変更して取り
付けるようにする。
【0007】FEGユニット10は、図2に示すよう
に、フィラメント13、サプレサー電極14、引出し電
極15、陽極16全てを碍子12上に組み立て、これら
各電極を貫通する孔Hを設けて電子銃ユニットの電子銃
室を外部雰囲気と連通させる構成となっている。表面分
析装置等では高加速電圧での観察よりも、表面の情報を
多くとるためには5KV以下での観察が有利となる。但
し、低加速FEGでは、磁界による影響を除くため磁気
シールドが必要となるが、表面分析装置等では、分析室
の内部または外部に磁気シールドが施されているため、
FEG専用の磁気シールドは必要ない。また、低加速電
圧となるため、FEGの電極構造は絶縁が容易になり、
碍子上に4つの電極を組み立ててユニット化しても放電
等の問題は生じない。
【0008】また、FEGを動作させるためには、超高
真空(10-10 Torr)を必要とし、従来のFEGで
は、超高真空とするために大きな排気速度のSIP(ス
パッタ・イオン・ポンプ)を必要としていた。従来のF
EGユニットは大きく、SIPをFEGユニットに接続
することができたが、図1に示した長さ20mm程度の
FEGユニットにSIPを接続することはできない。そ
こで、本発明においては、図2に示すように、電子銃ユ
ニットに電子銃室を貫通する孔Hを設け、分析室を超高
真空(10-10 Torr)に排気する排気ポンプにより
孔Hを通して電子銃室を真空引きする。このため、全長
が短い超小型FEG走査電子顕微鏡のFEGユニットを
超高真空に排気することができ、高分解能の走査電子顕
微鏡像を得ることができる。なお、熱電子放出型の電子
銃においては、FEGのように超高真空を必要としない
が、高真空を必要とする。そこで、熱電子放出型電子銃
を備えた超小型熱電子放出型走査電子顕微鏡において、
電子銃ユニットに電子銃室を貫通する孔を設けると、分
析室を排気する排気ポンプにより孔を通して電子銃室を
高真空に排気することができ、高分解能の走査電子顕微
鏡像を得ることができる。このように低加速電圧となる
ため碍子上に4つの電極を組み立ててユニット化できる
こと、専用の磁気シールドが不要となること、排気ポン
プが不要となること等からFEGユニットを小型化で
き、又、4つの電極を組み込んだ状態で組み立て精度の
チェックができるため、動作時の光軸を正確に得ること
ができる。
【0009】直径26φ、全長142mmの鏡筒20内
には、電子銃アライメント(光軸調整用)30、コンデ
ンサレンズ40、コンデンサレンズアライメント(光軸
調整用)50、アパーチャー(絞り)60、偏向器7
0,71、非点補正器80,81、対物レンズ90が組
み込まれている。前述したように、低加速電圧であるた
めコイル等は小さくても動作し、磁界レンズを小型化す
ることができる。ただし、分析室は超高真空であるた
め、磁界レンズのコイル材料からの放出ガスが問題とな
る。従来のポリイミド被覆の線材では放出ガスが多く、
超高真空まで排気することができない。そこで、本発明
ではコンデンサレンズ40、対物レンズ90の磁界型レ
ンズのコイルとして、アルミナ(Al2 3 )又はシリ
カ等を被覆した線材(銅線)を用い、図3に示すように
超高真空(UHV)側に配置する。このような被覆線材
を用いることにより放出ガスを減少させて超高真空まで
排気することができる。
【0010】また、従来のように、ライナーチューブを
用いないので偏向器70,71として静電型の偏向器を
用いることができる。静電型の偏向器とすることによ
り、コイルは不要となり、超高真空下でも問題がなく、
また磁界タイプの偏向器よりもほぼ半分のリード線です
ませることができ、偏向器を小型化することができる。
なお、アルミナ等の被覆線材を用いて磁界型の偏向器と
することも考えられるが、偏向器のコイルは小型(10
mmφ程度)のため、アルミナ等の被覆線材を巻くと、
コイル半径が5mmとなり、被覆が破れて絶縁不良とな
り、偏向器用などの小型コイルとしては好ましくない。
【0011】このように、装置全体を小型化したため、
磁界レンズを動作させるためのコイルの電流密度は制限
を受けるが、全体の外形がφ26の場合で、電子銃の電
圧は5KVまで動作可能であり、最大5KVの制限を受
けたとしても、電子銃のソースとしてFEGを用いるこ
とで、低加速電圧でも十分にSEMとしての機能を保持
することができる。なお、このサイズのFEGで加速電
圧130eVで、輝度は107 A/cm2 ・str が得ら
れている。
【0012】なお、上記実施例では、FEGユニットを
国際規格の70mmφに組み込むようにしたが、取り付
けフランジは、目的の装置に合わせて変更してもよい。
また、レンズ構成としては、コンデンサレンズを組み込
むようにしているが、これは電流密度可変のモードを持
たせ、大きい電流密度を必要とするAES(オージェ電
子分光計)などの分析用にも対応するためであり、もし
SEMモードのみで利用する場合には、コンデンサレン
ズを省略して対物レンズのみにしても機能させることが
でき、一層小型化を図ることができる。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子銃ユ
ニットに外部雰囲気と連通させる孔を設けて電子銃室の
排気を、組み込んだ表面分析装置等の排気装置により排
気できるようにしたので、超小型の電子銃ユニットに排
気装置を接続することなく電子銃室を排気することがで
き、高分解能の走査電子顕微鏡像を得ることができる。
また、FEGユニットの4つの電極を全て碍子上に組み
立ててユニット化し、専用の磁気シールド、排気ポンプ
を不要とすることでFEGユニットを小型化でき、ま
た、磁界レンズ等を構成するコイルにアルミナ被覆の線
材を用いてコイルからの放出ガスを減少させることで超
高真空に対応でき、また、偏向器として静電偏向器を用
いることでコイルを不要として装置全体を超小型化して
表面分析装置等への組み込みが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超小型低加速走査電子顕微鏡の構成
を示す図である。
【図2】 本発明の電子銃ユニットを説明する図であ
る。
【図3】 本発明の磁界型レンズを説明する図である。
【図4】 従来の電子銃ユニットを示す図である。
【図5】 従来のSEMの磁界型レンズを説明する図で
ある。
【符号の説明】
1…サポート、2…取り付けフランジ、3…電源接続フ
ランジ、10…電子銃ユニット、12…碍子、13…フ
ィラメント、14…サプレサー電極、15…引出し電
極、16…陽極、20…鏡筒、30…電子銃アライメン
ト、40…集光レンズ、50…集光レンズアライメン
ト、60アパーチャ、70,71…偏向器、80,81
…非点補正器、90…対物レンズ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空下の表面分析/観察装置分析室内に
    組み込まれるように電子銃がフランジに取り付けられた
    超小型走査電子顕微鏡であって、電子銃ユニットに電子
    銃室内を外部雰囲気と連通させて排気するための孔を設
    け、電子銃室の排気を前記表面分析/観察装置分析室
    排気手段により行い得るようにしたことを特徴とする超
    小型走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 真空下の表面分析/観察装置分析室内に
    組み込まれるように電子銃がフランジに取り付けられた
    超小型走査電子顕微鏡であって、低加速電界放射電子銃
    ユニットの全ての電極を碍子上に組み立てるとともに、
    走査用偏向器を静電型とし、磁界型レンズのコイルをア
    ルミナ又はシリカ等の被覆線材で形成したことを特徴と
    する超小型走査電子顕微鏡。
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