JP3739141B2 - 電離真空計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電離真空計に関し、特に、被測定真空チャンバに設けられる他の荷電粒子源から到来する電子等の荷電粒子の流入を防ぎ圧力測定下限を改善した電離真空計に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5を参照して従来の代表的な電離真空計の構造と測定動作を説明する。図5では、被測定真空チャンバ10における真空計取付け部10aの部分が示されている。被測定真空チャンバ10の真空計取付け部10aに、電離真空計の真空計容器11が取付けられる。この電離真空計は一般的にラファティー型電離真空計(ラファティーゲージ)と呼ばれている。被測定真空チャンバ10の内部空間100の真空度(圧力)が電離真空計の測定対象となる。
【0003】
筒型の真空計容器11の内部には、電子の発生源であるフィラメント12と、フィラメント12を取り囲む円筒型アノード13が配置される。図示例では、フィラメント12が見えるように円筒型アノード13の一部を切り欠いて示している。真空計容器11の外側周囲には筒型のコイル状マグネット14が設置される。マグネット14は、円筒型アノード13の内部に、その軸線に平行な磁場を作る。円筒型アノード13の下端にはシールド電極15が配置され、上端にはイオンコレクタ電極16が配置される。17は円筒型アノード13を支持すると共に必要な電圧を印加する支持体である。また真空計容器11の下部には電流端子25が設けられる。
【0004】
筒型の真空計容器11の上端は開放されて開口部11aが形成されると共に、フランジ11bが形成される。フランジ11bは、被測定真空チャンバ10の真空計取付け部10aのフランジ部に結合される。この連結構造によって、真空計容器11の内部空間と被測定真空チャンバ10の内部空間100とがつながる。すなわち、イオンコレクタ電極16等と被測定真空チャンバ10の内部空間100とを通じさせる空間200が形成される。この空間200は、被測定真空チャンバ10の内部空間100から気体分子が到来する(飛来するまたは飛び込む)とき、気体分子の移動する通路となる。
【0005】
上記構造に対し、各電極部に必要な電圧を印加し、イオンコレクタ電極で検出した電流を測定するための電気回路部が設けられる。電気回路部は、円筒型アノード13内の蓄積電子の漏れを防ぐためのシールド電極電位電源20、フィラメント12から熱電子を発生させるフィラメント動作用電源21、フィラメント12の電位をイオンコレクタ電極16の電位よりも高くするフィラメント電位電源22、フィラメント12から放出される電子を考慮して気相ガスのイオン化に寄与する電子を蓄積させる円筒型アノード電位電源23、およびイオンコレクタ電極16に接続された電流計24から構成される。
【0006】
フィラメント12から発した電子は、電界で加速されて円筒型アノード13の方向に向かって走行する。このとき、円筒型アノード13の軸線方向にはマグネット14によって磁場が作られているので、電子は螺旋運動を行う。そのため、電子は、円筒型アノード13に達するまでに長い距離を走行し、この間に気体分子と衝突し、気体分子を電離してイオンを生じさせる。このようにして生成されたイオンはイオンコレクタ電極16によって収集される。イオンコレクタ電極16に集められたイオンは電流端子25を経由して真空計容器11の外側に導かれ、電流計24によってイオン電流として測定される。このイオン電流は真空内の圧力すなわち気体分子密度に比例するので、イオン電流を測定すれば被測定真空チャンバ10内の内部空間100の圧力を求めることができる。
【0007】
以上ではラファティー型電離真空計の例に基づいて電離真空計の構造と測定動作を説明したが、他のタイプの電離真空計、例えばB−Aゲージ、エクストラクタ型電離真空計、または、熱フィラメントを用いずに真空放電を気体の電離手段として使用したコールドカソードゲージなどにおいても、構造は異なるが、同様にして、気体の電離によって電極に流れる電流を測定し圧力に換算している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来の電離真空計では、測定されるイオン電流が極高真空では非常に小さな電流である。また従来の電離真空計では、図5に示すように、被測定真空チャンバ10の内部またはその近くに他の電子源26を備えることがある。このため、当該他の電子源26から発した電子27が、矢印のごとく、通路200を通ってイオンコレクタ電極16に飛び込み、見かけ上イオン電流が低く測定され、圧力が実際よりも低く表示されるという問題があった。
【0009】
この現象例を表すデータを図6に示す。このデータは、同じ被測定真空チャンバ内にラファティー型電離真空計と、他の電離真空計、例えばエクストラクタ型電離真空計を設置し、両者を同時に動作させ、両者の測定圧力を比較したものである。図6で、横軸は圧力(Pa)、縦軸はコレクタ電流(A(アンペア):イオンコレクタ電流に対応)を意味する。破線A(中間部は2つの圧力特性が重なっているので実線で示される)はエクストラクタ型電離真空計による測定圧力の特性を示し、実線Bはラファティー型電離真空計による測定圧力の特性を示す。ラファティー型電離真空計の動作条件は、円筒型アノード13の電圧:+350V(ボルト)、フィラメント12の電圧:+45V、シールド電極15の電圧:+15V、イオンコレクタ電極16の電圧:0V、エミッション電流:100nA、マグネット13の磁場:290Gauss 、導入ガス:N2 である。
【0010】
上記エクストラクタ型電離真空計では、その構造上イオンコレクタ電極が他の電極で隠されているので、他の荷電粒子源からの荷電粒子がイオンコレクタ電極に飛び込みにくい構造となっている。従って、その測定圧力特性Aから明らかなように、直線的な測定結果が得られ、測定しようとする圧力とコレクタ電流が比例関係にあることが分かる。これに対してラファティー型電離真空計の測定圧力特性Bでは、エクストラクタ型電離真空計の測定圧力特性Aに比較して、ほぼ4×10-9Pa以下の低い圧力部分で、コレクタ電流が、圧力が低くなるほど測定圧力特性Aを表す直線からはずれることが分かる。このことは、エクストラクタ型電離真空計のフィラメントから発した電子がラファティー型電離真空計のイオンコレクタ電極に飛び込み、その結果、イオン電流が実際よりも低く測定されるからである。以上の比較で明らかなように、上記の圧力特性Aは、ラファティー型電離真空計において、外から荷電粒子の飛び込みがないと仮定した場合の測定圧力の特性とみなすことができる。
【0011】
前述の例は他の電離真空計の電子源からの電子が正確な圧力測定を妨げる例であったが、被測定真空チャンバには電離真空計以外にも質量分析計など、通常、正確な圧力測定を妨げる多くの電子源または荷電粒子源が付設される。他の荷電粒子源からの電子等の荷電粒子の飛び込みは、特に、極高真空を測定する電離真空計にとって圧力測定の大きな誤差要因であり、測定可能な圧力範囲の下限を制限する大きな要因となっていた。
【0012】
本発明の目的は、上記の問題を解決することにあり、被測定真空チャンバに設けられた他の荷電粒子源から到来する荷電粒子の飛び込みを防ぎ、極高真空測定範囲の下限を改善した電離真空計を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電離真空計(請求項1に対応)は、上記の目的を達成するため、被測定真空チャンバに連結されており、フィラメントからアノードへ向けて電子を発し、当該電子で気体分子を電離させ、イオンコレクタ電極に流れるイオン電流を電流計で測定して被測定真空チャンバの内部空間の圧力を測定する構成を有し、さらに、イオンコレクタ電極と被測定真空チャンバの内部空間とを通じさせる空間の一部を遮蔽しかつ−10Vより低い負の電位に保持された荷電粒子遮蔽電極を設け、この荷電粒子遮蔽電極で作られる電界の斥力によって、他の電子源または荷電粒子源から到来する負電荷の荷電粒子が真空計容器の内部に進入するのを妨げるように構成される。
【0014】
本発明による電離真空計では、イオンコレクタ電極と被測定真空チャンバの内部空間とをつなげる空間の一部を遮蔽し、加えて負電位に保持された荷電粒子遮蔽電極を設けたため、当該荷電粒子遮蔽電極の作る電界の斥力によって、被測定真空チャンバに設けられた他の電子源から到来する電子が、電離真空計の容器の内部に進入することを妨げることができる。これにより、例えばラファティー型電離真空計で、極高真空においても正確な測定ができる。
【0015】
本発明に係る電離真空計(請求項2に対応)は、第1の発明の構成において、好ましくは、荷電粒子遮蔽電極が、イオンコレクタ電極と被測定真空チャンバの内部空間とを通じさせる通路を部分的に遮蔽するように設けられたことを特徴とする。被測定真空チャンバに設けられた他の電子源からイオンコレクタ電極へ荷電粒子が到来することを可能にする通路であれば、任意の箇所に荷電粒子遮蔽電極を設けることができる。
【0016】
本発明に係る電離真空計(請求項3に対応)は、第2の発明の構成において、好ましくは、荷電粒子遮蔽電極が、上記通路の開口部を部分的に遮蔽するように設けられる。この構成では、被測定真空チャンバにつながる通路の開口部の一部を覆う構成とし、負電位が印加された荷電粒子遮蔽電極を設けたため、当該荷電粒子遮蔽電極の作る電界の斥力によって、他の電子源から到来した電子を、通路の入り口の箇所で真空計容器内に入るのを排除できる。
【0017】
本発明に係る電離真空計(請求項4に対応)は、第1の発明の構成において、好ましくは、荷電粒子遮蔽電極が、イオンコレクタ電極に近付けて配置され、イオンコレクタ電極を覆うように設けられたことを特徴とする。イオンコレクタイ電極と荷電粒子遮蔽電極をコンパクトに作ることができる。
【0018】
本発明に係る電離真空計(請求項5に対応)は、上記の各発明の構成において、好ましくは、ラファティー型の構造を有し、かつ荷電粒子遮蔽電極が−100Vよりも絶対値で大きな値となる負の電位に保持されることを特徴とする。かかる絶対値で大きな値となる負電位によって、超高真空において誤差のない有効な圧力測定が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明の第1の実施形態を示し、被測定真空チャンバの一部と、これに取り付けられた電離真空計の要部の内部構造を部分的な断面で示している。本実施形態はラファティー型電離真空計への適用例を示す。
【0021】
図1に示す基本構成は図5で示した従来の電離真空計と同じであり、実質的に同一の要素には同一の符号を付している。全体の構成を概説する。上方が開口部11aによって開き、下方が電流端子25で閉じられた筒型の真空計容器11の内部に、電子の発生源であるフィラメント12と、フィラメント12を取り囲む円筒型アノード13が配置される。開口部11aの外側周囲には、フランジ11bが形成される。円筒型アノード13は支持体17で支持され所定の電圧が印加される。円筒型アノード13の図中右側部は切り欠いている。真空計容器11の外側周囲には筒型のコイル状マグネット14が設置される。このマグネット14は円筒型アノード13の内部にその軸線に平行な磁場を作る。円筒型アノード13の下端にはシールド電極15が配置され、上端にはイオンコレクタ電極16が配置される。また上記構造に対して電気回路部が設けられる。この電気回路部は、円筒型アノード13内の蓄積電子の漏れを防ぐためのシールド電極電位電源20、フィラメント12から熱電子を発生させるフィラメント動作用電源21、フィラメント12の電位をイオンコレクタ電極16の電位よりも高くするフィラメント電位電源22、フィラメント12から放出される電子を考慮して気相ガスのイオン化に寄与する電子を蓄積させる円筒型アノード電位電源23、およびイオンコレクタ電極16に接続された電流計24から構成される。
【0022】
上記構成を有する電離真空計の真空計容器11は、上端開口部11aの周囲のフランジ11bが被測定真空チャンバ10の真空計取付け部10aに結合されることにより、被測定真空チャンバ10に取り付けられる。かかる取付け構造によって、真空計容器11の内部と被測定真空チャンバ10の内部空間100とがつながり、イオンコレクタ電極16等と被測定真空チャンバ10の内部空間100とを通じさせる空間(通路)200が形成される。被測定真空チャンバ10の内部空間100から飛来する気体分子は、通路である空間200を通して真空計容器11内へ入る。
【0023】
次に、本実施形態の特徴的構成を説明する。被測定真空チャンバ10に電離真空計が取り付けられた状態で、被測定真空チャンバ10の上記空間200の開口部200aの近くに、当該開口部200aを部分的に覆うように板状の荷電粒子遮蔽電極31が配置される。この荷電粒子遮蔽電極31にはDC電源32によって所要の負の電圧が印加され、荷電粒子遮蔽電極31は負電位に保持されている。荷電粒子遮蔽電極31の形状には、被処理真空チャンバ10側の通路開口部200aの一部を覆う円板、または矩形の板など任意の形が考えられる。ただし、開口部200aを覆うことによる被測定真空チャンバ10の内部空間100と真空計容器11の間の気体流通のコンダクタンスが大きく妨げられないように、覆う面積や配置位置を最適に選ぶことが必要である。また、荷電粒子遮蔽電極31をメッシュ状にすることもできる。メッシュ形態にすれば、気体の流通の妨げを防止する効果がある。
【0024】
上記のごとく荷電粒子遮蔽電極31を設けることによって、被処理真空チャンバ10の他の箇所に存在する他の電子源26から電子27がフィラメント12に向かって飛来しても、これを遮ることができる。
【0025】
上記実施形態では、被測定真空チャンバ10に電離真空計を取り付けた構成において、被測定真空チャンバ10の内部空間100と真空計容器11の内部とをつなぐ通路としての空間200における被測定真空チャンバ側の開口部200aに荷電粒子遮蔽電極31を設けている。従って、被測定真空チャンバと電離真空計との組合せの構造に荷電粒子遮蔽電極31に組み込むようにしている。
【0026】
上記の実施形態において、荷電粒子遮蔽電極31の配置位置は、通路としての空間200または当該空間200の近くの場所である。被測定真空チャンバ10の内部空間100と真空計容器11の内部とをつなげる空間であれば、任意の箇所に配置することができる。また空間200において、真空計容器11内に位置する場所に荷電粒子遮蔽電極31を設けるようにすれば、荷電粒子遮蔽電極31およびこれに負電位を与えるDC電源32に関する構造部分を電離真空計にのみ組み込めるので、電離真空計のみのユニットして構成することができる。
【0027】
図2に、荷電粒子遮蔽電極31の印加電圧に応じてイオンコレクタ電極16に流れるコレクタ電流(イオンコレクタ電流)の特性を示す。この特性Cは、荷電粒子遮蔽電極31に印加される負電圧に応じて遮蔽効果がどのように異なるかを示している。この測定データでは、同じ、被測定真空チャンバにヌード型B−Aゲージ(ヌード型電離真空計)を取り付けて動作させ、一方、ラファティー型電離真空計のフィラメントは点火しない状態で測定を行った。ラファティー型電離真空計の内部では気体分子の電離が起きていないので、イオンコレクタ電極に流れ込んで測定された電流は、すべて、外部のヌード型B−Aゲージから飛来する電子に由来する電流である。
【0028】
上記の測定で、動作条件の設定は次の通りである。ラファティー電離真空計に関して、円筒型アノード13の電圧:+350V、フィラメント12の電圧:+45V、シールド電極15の電圧:+15V、イオンコレクタ電極16の電圧:0V、エミッション電流:0A(フィラメントOFF)、マグネット13の磁場:290Gauss である。また、測定圧力は4×10-10 Pa、ヌード型電離真空計に関してエミッション電流4mAである。
【0029】
図2で明らかなように、荷電粒子遮蔽電極31へ印加される負の電位を高くする(絶対値で)に従って、イオンコレクタ電極16へ流入する電子電流(負の電流)の値は減少する。特に、マイナス数十Vまたはそれより大きい(絶対値で)負電位を印加すると流入電子電流は急激に減少を始め、遮蔽効果が顕著に現れることが分かった。ラファティー型電子真空計で10−10Pa以下を測定するには10−13A以下のイオン電流の測定が必要なので、図2によれば、荷電粒子遮蔽電極31へ印加される負の電位は−100Vまたはそれより大きい(絶対値で)負の電位にすることが必要であることが分かる。
【0030】
図3は、図1に示した構成を有するラファティー型電離真空計と、エクストラクタ型電離真空計を同じ被測定真空チャンバに取り付け、同時に動作させ、エクストラクタ型電離真空計の測定圧力と、ラファティー型電離真空計のイオンコレクタ電極におけるコレクタ電流(イオン電流)の関係を測定したデータである。この測定では、荷電粒子遮蔽電極31に−300Vを印加した。その他の動作条件は、次の通りである。ラファティー電離真空計に関して、円筒型アノード13の電圧:+350V、フィラメント12の電圧:+45V、シールド電極15の電圧:+15V、イオンコレクタ電極16の電圧:0V、エミッション電流:100nA、マグネット13の磁場:290Gauss 、導入ガス:N2 である。
【0031】
図3に示した測定データによる特性Dと、従来のラファティー電離真空計による測定データによる特性Bを示した図6と比較すると、本実施形態による荷電粒子遮蔽電極31を備えた電離真空計によれば、直線性が改善される。すなわち、荷電粒子遮蔽電極31に基づく荷電粒子の遮蔽効果によって、より低い圧力まで測定できる範囲が延長される。
【0032】
図4は本発明の他の実施形態を示し、図1と同様な図である。本実施形態では、荷電粒子遮蔽電極31が、イオンコレクタ電極16の近くの場所に対向させて設置される。DC電源32による荷電粒子遮蔽電極31への負電圧の印加は、他の電極へ電圧を印加するために設けられた電流端子25の一極を利用して行われる。この構成によれば、荷電粒子遮蔽電極31を備えた、コンパクトで、かつ取付け・取り外しの容易な電離真空計を実現することができる。
【0033】
前述の各実施形態では、ラファティー型電離真空計への適用例を説明したが、本発明は、その他の電離真空計、例えばB−A型電離真空計やエクストラクタ型電離真空計、または熱フィラメントを用いないコールドカソードゲージなどにも同様に適用できる。なおエクストラクタ型電離真空計は、前述の実施形態では、外部からの荷電粒子の影響を受けにくい構造を有し、ラファティー型電離真空計と比較してより低い圧力まで高い精度で測定でき、荷電粒子遮蔽電極を設ける必要がないと考えられる。しかしながら、将来的に圧力計測下限がさらに改善された場合、エクストラクタ型電離真空計でも問題となるおそれあるので、そのような場合にはエクストラクタ型電離真空計に本発明に係る荷電粒子遮蔽電極を設けることによっていっそうの改善を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、被測定真空チャンバに設けられた電離真空計のイオンコレクタ電極に関して、当該イオンコレクタ電極と被測定真空チャンバの内部空間とを通じさせる空間に、または当該イオンコレクタ電極に接近させて荷電粒子遮蔽電極を設けるようにしたため、同じ被測定真空チャンバに付設された他の荷電粒子源から到来する荷電粒子のイオンコレクタ電極への進入を防止することができ、これにより、電離真空計における極高真空圧力の測定下限の範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、ラファティー型電離真空計に適用した例であり、一部を断面で示した構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る電離真空計において、荷電粒子遮蔽電極に印加する負電圧を変化させたときの遮蔽効果の変化を測定したグラフである。
【図3】第1の実施形態に係る電離真空計において圧力測定範囲が極高真空側に延長された測定データを示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態を示し、一部を断面で示した構成図である。
【図5】従来の電離真空計を示し、一部を断面で示した構成図である。
【図6】従来の電離真空計における問題点を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
10 被測定真空チャンバ
10a 真空計取付け部
11 真空計容器
12 フィラメント
13 円筒型アノード
14 マグネット
15 シールド電極
16 イオンコレクタ電極
17 支持体
24 電流計
25 電流端子
26 他の電子源
31 荷電粒子遮蔽電極
32 DC電源
100 被測定真空チャンバの内部空間
200 空間(通路)

Claims (5)

  1. 被測定チャンバに連結され、フィラメントからアノードへ向けて電子を発し、当該電子で気体分子を電離させ、イオンコレクタ電極に流れるイオン電流を電流計で測定して前記被測定真空チャンバの内部空間の圧力を測定する電離真空計において、 前記イオンコレクタ電極と前記被測定真空チャンバの前記内部空間とを通じさせる空間の一部を遮蔽しかつ−10Vより低い負の電位に保持された荷電粒子遮蔽電極を設け、この荷電粒子遮蔽電極で作られる電界の斥力によって、他の電子源または荷電粒子源から到来する負電荷の荷電粒子が真空計容器の内部に進入するのを妨げることを特徴とする電離真空計。
  2. 前記荷電粒子遮蔽電極は、前記イオンコレクタ電極と前記被測定真空チャンバの前記内部空間とを通じさせる通路を部分的に遮蔽するように設けられたことを特徴とする請求項1記載の電離真空計。
  3. 前記荷電粒子遮蔽電極は、前記通路の開口部を部分的に遮蔽するように設けられたことを特徴とする請求項2記載の電離真空計。
  4. 前記荷電粒子遮蔽電極は、前記イオンコレクタ電極に近付けて配置され、前記イオンコレクタ電極を覆うように設けられたことを特徴とする請求項1記載の電離真空計。
  5. ラファティー型の構造を有し、前記荷電粒子遮蔽電極は−100Vよりも絶対値で大きな値となる負の電位に保持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電離真空計。
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