JPH077857Y2 - 化粧筆付き液体容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、眉墨や口紅等の液状化粧料を収納する化粧筆
付き液体容器に関する。

「従来の技術」 化粧具の一つとして、全体を筆ペン形の形状とし、尾端
の押釦を指先で押込むたびに少量ずつ先端の化粧筆に液
状化粧料を供給する、いわゆるノック式の化粧筆付き液
体容器は周知である。

第１図は本考案に係わるものであるが、従来のものも基
本的には同様なので、便宜上この第１図を借用して従来
技術を説明する。この液体容器は、中央部の加圧室イ形
成用のシリンダー13を下半部筒２と上半部筒３とに分離
し、この両筒2,3をそれらの間に介挿した復帰ばね15に
抗して相対的に押込み可能とし、下半部筒２側には容器
体１を、上半部筒３側には化粧筆４と把持筒６を設け、
そして下半部筒２には吸込み弁11を、上半部筒３には吐
出弁５を内装したもので、化粧時には容器体１尾端の押
釦21を介し下半部筒２側を上半部筒３側に押込むもので
ある。すると、加圧室イ内の化粧液が加圧され、この加
圧化粧液が弾性体16に抗し弁体17を上方に押上げ、この
弁体17を弁座18から離間させて吐出弁５を開弁するの
で、化粧液が化粧筆４に供給され化粧可能となる。な
お、化粧液供給で加圧室イ内が負圧化すると、吸込み弁
11が開弁して容器体１内の化粧液が加圧室イ内に吸上げ
られ、この吸上げて容器体１内が負圧化すると底蓋８が
上昇して負圧を解消する。

「考案が解決しようとする課題」 この種化粧筆付き液体容器では、押込む操作ばかりでな
く、回動操作しても同様に使用できることがのぞまれて
いる。

本考案は、加圧室形成用のシリンダーの上半部筒側と下
半部筒側を相対的に押込む手段のほか、把持筒を適宜角
度回動しても同様に化粧液を化粧筆に供給できる兼用操
作形の化粧筆付き液体容器を得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の化粧筆付き液体容器は、胴部８に上下にスライ
ド可能な底蓋９を内嵌した容器体１と、下半部を縮径し
て中間部外面に下向き段部10を形成し、下端開口部に吸
込み弁11を内装し、かつ上部外面に突子12を突出して前
記容器体１口部から上方に一体的に延設された加圧室イ
形成用シリンダー13の下半部筒２と、この下半部筒２に
内外接する２重筒壁3a,3bを有し、かつ外部筒壁3b下部
に前記突子10を係合させて下半部筒２を回り止めする縦
溝14を切欠き、前記下半部筒２に対し、この下半部筒２
との間に介挿した復帰ばね15に抗し相対的に押込み可能
に配設されたシリンダー13の上半部筒３と、この上半部
筒３上端開口から上方に延びた化粧筆４と、上下方向に
変形する弾性体16下端の弁体17を前記上半部筒３内面の
弁座18に圧接させてこの上半部筒３開口を閉塞している
吐出弁５と、前記上半部筒３の外部筒壁3bに回動可能に
外嵌されて前記容器体１外囲を垂下した把持筒６と、前
記下向き段部10とこの下向き段部10に対面する把持筒６
内面のいずれか一方に設けられた上方に弯曲する波形面
19及び、他方に設けられたこの波形面19に係合する係合
子20とで形成され、把持筒６回動で下半部筒２側を上方
に押上げる押上げ機構７とで構成している。

「作用」 上記にて、常時は復帰ばね15により押下げられている下
半部筒２側は、押上げ機構７の係合子20が波形面19の谷
部ロ位置にあり、また突子12が縦溝14下端縁に係止し、
この下半部筒２側は下限位置で安定状態にある。

ここで押釦21を介し容器体１とシリンダー下半部筒２側
を復帰ばね15に抗しシリンダー上半部筒３側に押込む
と、加圧室イ内の化粧液が加圧され、この加圧化粧液が
弾性体16に抗し弁体17を上方に押上げ、弁座18から離間
させて吐出弁５を開弁するので、化粧液が化粧筆４に供
給され、化粧が可能となる。この化粧液供給で加圧室イ
内が負圧化すると吸込み弁11が開弁し、容器体１内の化
粧液が加圧室イ内に吸上げられ、これに応じ底蓋９が上
方に移動する。

つぎに、把持筒６をシリンダー上半部筒３に対し回動操
作すると、押上げ機構７の係合子20が波形19の山部ハに
移動してシリンダー下半部筒２と容器体１の一体物を復
帰ばね15に抗し上方に押上げ、これにより加圧室イ内の
化粧液を加圧するので、前記操作と同様化粧液供給が可
能となる。

「実施例」 以下第１図、第２図を参照して一実施例を説明するに、
本考案では加圧室イ形成用シリンダー13の上半部筒３と
下半部筒２を相対的に押込む手段のほか、把持筒６を適
宜角度回動操作しても同様に化粧液を化粧筆４に供給で
きる兼用操作形とした点に特徴を有する。

容器体１は直筒状の胴部８の上端から口頚部22を立設
し、また下端開口部に押釦21を内嵌装着し、そして胴部
８に上下にスライドする底蓋９を液密に内嵌している。

シリンダー13の下半部筒２は、下部を前記口頚部22に内
嵌固定して上方に延び、そして下半部を縮径して中間部
外面に下向き段部10を形成し、この下向き段部面を両側
がゆるやかに上方に弯曲する波形面19に切欠き形成し、
また上部外面両側に突子12,12を突出し、下端開口部に
吸込み弁11を内装し、また軸芯部には調整棒23を立設し
ている。

シリンダー13の上半部筒３は、下半を逆Ｕ字形の内部筒
壁3aと外部筒壁3bの２重形とし、これら内、外部筒壁3
a,3bを前記下半部筒２上部にスライド可能に内外接させ
ており、内部筒壁3aの下半部を段形に縮径させてこの段
部内面に吐出弁５の弁座18を形成し、また下部内面に、
下部のスカート状弾性部が下半部筒２内面に圧接する封
止筒24を内嵌固定し、さらに外部筒壁3bの下部両側に前
記突子12,12が係合する縦溝14,14を切欠き、下半部筒２
が上下方向にはスライドするが回動はしない回り止め機
構が設けてある。

復帰ばね15は、シリンダー13の下半部筒２上端段部と上
半部筒３の内、外部筒壁3a,3b間溝部との間に介挿さ
れ、この両筒2,3を所定限位置までに離反方向に付勢し
ている。

化粧筆４は、押え筒25で下半部外面を押えて上半部筒３
上端部から上方に延び、この状態を上半部筒３上部外面
に嵌着した保持筒26で保持固定され、また軸芯部の筒芯
27がこの化粧筆４下面部の連通筒28を介して上半部筒３
に連通している。

吐出弁５の弁体17は、前記上半部筒３上部に内嵌固定し
たリング状の上下方向に変形可能な弾性体16下端に形成
された逆円錐台形状のもので、弾性体16により下方に押
圧され常時弁座18に上方から圧接して上半部筒３開口を
閉塞している。

把持筒６は直筒状のもので、上部部分は別部材として螺
合により一体としてあり、上端内面の係合凹溝を前記上
半部筒３の外部筒壁3b外面の係合突条に係合して回動可
能に外嵌装着され、前記容器体１の胴部８外面との間に
隙間を設けてその外囲を押釦21部迄垂下されており、上
部内面両側から前記波形面19に係合する係合子20,20を
突出している。この把持筒６は、下端一側をカットし押
釦21の操作を便なるようにしてもよい。

押上げ機構７は、下半部筒２の下向き段部10に、両側を
なだらかに上方に弯曲するよう切欠いた前述の波形面19
と、把持筒６の上部内面両側から波形面19を介し下半部
筒２を支えるように突出された前記係合子20,20とで形
成しており、その形状から常時係合子20,20は波形面19
の谷部ロに位置し、従って下半部筒２側は最下限位置で
安定状態にある。

前記波形面19の谷部ロから山部ハの頂部までの高さは押
釦21で押込む場合の押込み量に相当する高さに整定され
ている。

従って、この実施例によれば、常時は復帰ばね15により
押下げられる下半部筒２側は、係合子20,20が波形面19
の両側の谷部ロ，ロにあって下限位置に安定し、この状
態で押釦21を介し下半部筒２側を上方の上半部筒３側に
押込めば、前述の作用のように化粧液の供給ができ、ま
た安定状態から把持筒６を上半部筒３に対し半周回動す
ると、90度回動位置で下半部筒２側は、係合子20,20を
介し波形面19の山部ハにより前記押込み操作の押込み位
置まで上方に押上げられるので、同様に、化粧液が供給
でき、その後の90度回動で係合子20,20は反対側の谷部
ロに達して常態の安定状態に戻り、押込みと回動のいず
れの操作でも化粧液の供給が可能となる。

図で29はキャップで、30は把持筒６上部外面の外装筒
で、キャップ29は化粧筆４の乾燥を防ぐ内キャップ31を
設けている。外装筒30は金属筒とし、他部材は合成樹脂
材で成形製作しているが、外装筒30も合成樹脂材で形成
してもよい。

尚、上記押上げ機構７で、上方になだらかに弯曲する波
形面19を把持筒６側に、一方この波形面19に係合する係
合子20,20を下半部筒２側に形成しても同様に作用させ
ることができる。第３図、第４図はこの場合を示したも
ので、把持筒６上部内面に上方に波形に弯曲する突条を
突設し、下半部筒２の下向き段部10の両側には波形面19
に乗る下向き突子形の係合子20,20を垂設している。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、シリンダー13の分割した上半
部筒３と下半部筒２とを尾端の押釦21を介し相対的に押
込むノック式の化粧筆付き液体容器において、下半部筒
２外面部と把持筒６内面部に、一方には上方に弯曲する
波形面19を、他方には波形面19に係合する係合子20を設
けた押上げ機構７を形成し、把持筒６を回動操作しても
この押上げ機構７により下半部筒２側をノック式同様に
上方に押込むことができるようにしたので、押込み及び
回動のいずれの操作でも化粧筆４に化粧液を供給するこ
とができ便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧筆付き液体容器の一実施例の半部縦
断面図、第２図a,bは同実施例のシリンダー下半部筒の
外形図と把持筒上部部材の半部縦段正面図、第３図と第
４図a,bは他実施例の前記第１図、第２図a,bに対応した
図である。 １…容器体、２…シリンダーの下半部筒 ３…シリンダーの上半部筒、４…化粧筆 ５…吐出弁、６…把持筒 ７…押上げ機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部８に上下にスライドする底蓋９を内嵌
   した容器体１と、下半部を縮径して中間部外面に下向き
   段部10を形成し、下端開口部に吸込み弁11を内装し、か
   つ上部外面に突子12を突出して前記容器体１口部から上
   方に一体的に延設された加圧室イ形成用シリンダー13の
   下半部筒２と、この下半部筒２に内外接する２重筒壁3
   a,3bを有し、かつ外部筒壁3b下部に前記突子12を係合さ
   せて下半部筒２を回り止めする縦溝14を切欠き、前記下
   半部筒２に対し、この下半部筒２との間に介挿した復帰
   ばね15に抗し相対的に押込み可能に配設されたシリンダ
   ー13の上半部筒３と、この上半部筒３上端開口から上方
   に延びた化粧筆４と、上下方向に変形する弾性体16下端
   の弁体17を前記上半部筒３内面の弁座18に圧接させてこ
   の上半部筒３開口を閉塞している吐出弁５と、前記上半
   部筒３の外部筒壁3bに回動可能に外嵌されて前記容器体
   １外囲を垂下した把持筒６と、前記下向き段部10とこの
   下向き段部10に対面する把持筒６内面のいずれか一方に
   設けられた上方に弯曲する波形面19及び、他方に設けら
   れたこの波形面19に係合する係合子20とで形成され、把
   持筒６回動で下半部筒２側を上方に押上げる押上げ機構
   ７とからなる化粧筆付き液体容器。