JPH077847Y2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧用コンパクトに係るものである。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 扁平な身と蓋とを後部で枢着するとともに、前部で閉蓋
係止手段を講じ、身の中にパンケーキ等の固形化化粧料
を収容したドラムを納めて成る化粧用コンパクトは、既
によく知られている。

この場合、固形化化粧料は、外部からの機械的ショック
等により亀裂を生じ易く、一旦亀裂が発生すると、利根
商品価値が著しく低下するばかりでなく、使用上にも不
都合を来す。

斯様な不都合を解消する手段に、身の内周に嵌合固定さ
せる額縁の下部内周に、多数の縦リブ状の衝撃吸収部を
一体に形成し、これらの衝撃吸収部にて、装入したドラ
ムを抱持するようにしたものがある（実開昭58-167607
号公報）。

しかし、この場合、衝撃吸収部が額縁と一体のため、適
切な柔軟性を確保できず、十分なショックを吸収させる
ことができない欠点がある。つまり、衝撃吸収部に十分
に柔軟性をもたせるようにすると、該額縁の身への嵌め
込みに座屈や捩れ等を伴い、嵌着が容易に行えないだけ
でなく、外れ易くもなるからである。そして、柔軟性に
欠ける衝撃吸収部は、固形化化粧料を収容した上記ドラ
ムの嵌め込みに当たり、却って、その固形化化粧料に損
傷を与える虞があって、好ましくない。

また、身の中に皿状等のクッション材を内装し、該クッ
ション材にドラムを抱持させることが考えられる。

しかし、単にクッション材を内装しただけでは、クッシ
ョン材が全体的に圧縮されるために、その弾力によって
ドラムが浮き上がってしまう。

本考案は、これらの問題点を解決しようとするものであ
る。

「課題を解決するための手段」 上記目的達成のため、本考案は、扁平な身１と蓋２とを
後部で枢着するとともに、前部で閉蓋係止手段３を講
じ、身１の中に皿状乃至環状クッション材４を介して化
粧料入りドラム６を内装し、そのクッション材４には、
周壁41を数箇所にて内側に膨出させて、これらの膨出部
42をドラム６の周壁61に圧接させ、また、そのクッショ
ン材４を身１の内縁に嵌着した額縁５で押えたことを特
徴とする。

「作用」 如上の構成であるから、クッション材４が化粧料入りド
ラム６を抱持して、外部から加わる機械的ショック等を
緩衝し、ドラム６内の固形化化粧料Ａの亀裂を防止す
る。また、クッション材４は、ドラム６の周壁61に圧接
させた膨出部42によりドラム６を浮き上がらせることな
く支持する。

「実施例」 第１図乃至第３図は、本考案の実施の一例を示してい
る。

図示の化粧用コンパクトは、扁平な身１と蓋２とを後部
で軸７により枢着するとともに、前部で閉蓋係止手段３
を講じ、かつ、該閉蓋係止手段に添えて解除用押釦８を
設け、身１の中に環状のクッション材４を介して固形化
化粧料Ａ入りドラム６を内装している。なお、ドラム６
と軸７とを金属製とする他は、各部材を適宜合成樹脂に
より成形して成る。

身１は、周壁11の内周面において、前後左右４カ所に突
出部12を設けて、クッション材４を内側へ圧迫するよう
にし、周壁11の内周縁に段部13を形成して、該段部にク
ッション材４を押さえる額縁５を嵌合させて超音波接着
し、底壁14に通気孔15を穿設している。

蓋２は、内面に鏡９を貼着している。

閉蓋係止手段３は、身１の前面中央部に窪み31を形成す
るとともに、該窪みの上縁に係合突条32を横設し、蓋２
の内面前部から該係合突条32と係合する弾性係合片33を
垂設して、離脱可能に係合させている。

解除用凹押釦８は、上記窪み31に可動に内装し、押し込
みに伴い上記弾性係合片33を突き上げ可能に身１に枢着
している。

クッション材４は、スポンジにより身１り内周に適合す
る断面Ｌ字状でかつ環状に形成し、周壁41の内面に、身
１の周壁にある各突出部12で押し出された４つの膨出部
42を有して、これらの膨出部を、内装したドラム６の周
壁61に圧接して、ドラム６を支持している。

第４図は、他の実施例を示し、この場合は、前例のもの
において、身１の周壁にある突出部12を排し、クッショ
ン材４自体の内周面に直接膨出部42を突設させて成る。
その他は、前例と同じにつき省略する。

「考案の効果」 本考案によれば、クッション材４が額縁５と別体である
から、適切な柔軟性を確保でき、十分にショックを吸収
させることができる。勿論、適切な柔軟性を有するクッ
ション材４は、ドラム６との嵌合にもドラム内の固形化
化粧料に損傷を与えることはない。したがって、固形化
化粧料Ａの亀裂を回避でき、商品価値の低下や使用上の
不都合を除去できる。

また、ドラム６の支持には、クッション材４の周壁41に
ある複数の膨出部42をドラム６の周壁61へ圧接させ、か
つ、そのクッション材４を身１に嵌着した額縁５で押え
るので、ドラム６が浮き上がることもなければ、クッシ
ョン材４が見苦しくはみ出ることもない。

そして、クッション材４と別体の額縁５には、所要の硬
度を適正に確保できるので、身１への嵌着を支障なく容
易かつ確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は、実施の一例を示し、第１図は、縦
断側面図、第２図は、第１図の要部拡大断面図、第３図
は、要部の截断平面図、第４図は、他の例を示す要部の
截断平面図である。 １…身、２…蓋 ３…閉蓋係止手段、４…クッション材 ５…額縁、６…ドラム ７…軸、８…解除用押釦 ９…鏡、11…周壁 12…突出部、13…段部 14…周壁、15…通気孔 31…窪み、32…係合突条 33…弾性係合片、41…周壁 42…膨出部、61…周壁 Ａ…固形化化粧料

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】扁平な身１と蓋２とを後部で枢着するとと
   もに、前部で閉蓋係止手段３を講じ、身１の中に皿状乃
   至環状のクッション材４を介して化粧料入りドラム６を
   内装し、そのクッション材４には、周壁41を数箇所にて
   内側に膨出させて、これらの膨出部42をドラム６の周壁
   61に圧接させ、また、そのクッション材４を身１の内縁
   に嵌着した額縁５で押えたことを特徴とする化粧用コン
   パクト。