JPH0777924A - ホログラフィ再生方法及び装置 - Google Patents

ホログラフィ再生方法及び装置

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JPH0777924A
JPH0777924A JP5248535A JP24853593A JPH0777924A JP H0777924 A JPH0777924 A JP H0777924A JP 5248535 A JP5248535 A JP 5248535A JP 24853593 A JP24853593 A JP 24853593A JP H0777924 A JPH0777924 A JP H0777924A
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hologram
light source
light
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JP5248535A
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English (en)
Inventor
Takashi Genma
隆志 玄間
Akihiro Goto
明弘 後藤
Yutaka Ichihara
裕 市原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホログラムの再生像に対するスペックルの発
生を防止しながら高光解像力が維持できるホログラフィ
再生方法及び装置を提供すること。 【構成】 ホログラムに再生波を照射して再生像を形成
する際に、空間コヒーレンスの低い光束を再生波として
用いること。レーザ光源からの光束を、光束の断面内各
部における位相がランダムとなるように位相変調させる
位相変調素子により空間コヒーレンスを下げて光源とし
て使用するもの。位相変調素子上のレーザ光の集光スポ
ットの大きさを可変に構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ホログラフィ技術に
おけるホログラムから再生像を形成するホログラム再生
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィ技術は、物体の画像を干渉
縞の形で記録し、この干渉縞に所定の再生波を照射して
物体の像を再生する技術である。このため、ホログラム
の記録時には、十分な可干渉性を持った光束が必要であ
り、一般にはレーザ光が用いられている。
【0003】そして、記録されたホログラムの情報(物
体の像等)を正確に再生するには、記録に用いたもの
と、同一波長で、同一の波面(或いは、それと共役な波
面)を有する光束を照射することが必要となるため、一
般には、再生時にも記録時に用いたレーザ光を用いてい
る。
【0004】ここで、図5を用いて、従来のホログラフ
ィの再生方式について説明する。従来のホログラフィ技
術に於いては、物体(図示せず)で回折された物体波A
5 と参照波B5 とをホログラム記録媒体51中で干渉さ
せ、この干渉縞をホログラム53として記録する。そし
て、このホログラム53から再生像を形成する際に、虚
像を再生するときは記録時に用いた参照光と全く同じ光
束C51を、実像を再生するときには参照光と共役な光束
52を各々再生光として用い、この再生光をホログラム
に照射していた。
【0005】又、ホログラフィ技術のうち3次元画像を
扱うホログラフィック・ディスプレイの分野では、レン
ズ等を用いて記録画像をホログラム形成面の近くに結像
させる(図4参照)ことで再生像への色収差の発生を抑
え、白色光で再生するイメージ・ホログラム技術も考案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ホログラフィ
技術では、一般にレーザという可干渉性の良い光源を用
いるためにスペックル・ノイズが生じることが避けられ
ない。このスペックルの問題は、虚像再生、実像再生に
共通の問題である。
【0007】スペックル・ノイズには、ホログラムの記
録時に既に発生しているものと、再生時に発生するもの
がある。記録時に発生するスペックルを防ぐには、ホロ
グラム記録材料を含む光学系の散乱を小さくすること、
ホログラムの形成面積を大きくして散乱光を含めた完全
な記録が出来る様にすること等の対策が考えられてい
る。
【0008】一方、再生時に生じるスペックルの最大の
発生源は、ホログラム並びにホログラム記録媒体自体で
ある。ホログラム記録材料として最も広く用いられてい
る銀塩記録材料では、特に記録材料での散乱がスペック
る発生原因としての問題となっている。近年では、DC
G(重クロム酸ゼラチン)やフォトポリマーなど、低散
乱な記録材料が開発されてきてはいるが、これらでも完
全に散乱を防ぐことはできないため、スペックル発生要
因は除去できていない。
【0009】これらの再生時の散乱を低減する方法とし
ては、再生に白色光などのインコヒーレントな光を用い
る方法がある。しかし、インコヒーレントな光源で再生
を行う場合には、光源が大きさを持つこと(空間コヒー
レンス)の影響と波長広がりを持つこと(時間コヒーレ
ンス)の影響を2重に受ける。
【0010】時間コヒーレンスが低い光で再生すること
の影響は、再生像への色収差となって現れる。更に、再
生時に記録時と同じ光源を用いることが多いので、再生
光に波長域の広い(時間コヒーレンスの低い)光束を要
求しても、波長の広がりは光源により決まっているた
め、調整することは難しい。
【0011】また、先に述べたように白色光で再生する
イメージ・ホログラムでは、再生像への色収差は低減さ
れるが、レンズなどを用いるため再生像の解像力が低下
してしまう問題がある。
【0012】特に、ホログラフィ技術は、画像の高密度
記録(画像メモリー)や、微細パターンの記録再生(リ
ソグラフィ)等に応用されており、いずれに於いても、
高い横分解能を保ったままスペックル・ノイズのない画
像を再生する技術が必要とされているが、上記のイメー
ジホログラム技術の解像力では実現できない問題とな
る。
【0013】即ち、再生光に波長域の広い光束を用いる
場合、再生光の波面が参照光と完全に共役であっても再
生像はボケてしまう。これは、ホログラムでの回折角が
波長によって異なるためである。この色収差の影響は、
再生像がホログラムから遠ざかるほど大きくなるため、
色収差を低減するには再生像の位置をホログラム形成面
に近づければよい。
【0014】ここで、記録物体をレンズを用いてホログ
ラム上に結像することにより、色収差を低減するのがイ
メージ・ホログラムであるが、イメージ・ホログラムで
はレンズで物体を結像しているので、解像力はレンズの
NAで制限されてしまい、高解像は期待できない。
【0015】再生像をホログラムに近づける別の方法と
して、ホログラム記録媒体内での全反射光を利用する所
謂全反射ホログラフィ技術がある。この方法では、参照
光がホログラム記録媒体内面で全反射されて物体側には
達しないので、2次元物体であればホログラムの極めて
近傍(100 μm程度)に再生像形成位置を配置すること
もできる。
【0016】さらに、全反射ホログラフィ技術では、極
めて大きな回折角の光もホログラム面に達するので、解
像力が非常に高く、これを半導体や液晶パターン露光用
のリソグラフィに用いることが提案されている。なお、
全反射ホログラフィ技術の解像力に関し、文献では、0.
4 μmL/S パターンを解像したと報告されている。
【0017】しかし、物体(パターンの描かれたマスク
等)をホログラム形成面の近くに置いてホログラムを記
録すると、ホログラム自体の解像力は向上するが、ホロ
グラム記録媒体からの散乱光の強度は増えてしまう。特
に、銀塩ホログラム記録材料を用いている場合には、散
乱光の影響が大きくなり、スペックルの問題も深刻とな
る。
【0018】ここで、全反射ホログラムを波長に幅のあ
る光源で再生すると、スペックルノイズは平均化されて
低減されるが、解像力は大幅に低下する。例えば、水銀
ランプi線を干渉フィルターで選択したものを再生光と
した場合、ホログラムと再生像の距離が100 μm程度で
あっても色収差は無視できず、0.4 μmL/S パターンの
解像は不可能になる。
【0019】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ホログラムの再生像に対するスペック
ルの発生を防止しながら高解像力が維持できるホログラ
フィ再生方法及び装置を提供することを目的とするもの
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
願請求項1に記載した発明では、ホログラフィ技術にお
いてホログラムに再生波を照射して再生像を形成する際
に、空間コヒーレンスの低い光束を再生波として用いる
ことを特徴とするホログラフィ再生方法を提供する。
【0021】本願請求項2に記載した発明では、光束の
断面内各部における位相がランダムとなるように位相変
調させる位相変調素子と、光源からの光束を前記位相変
調素子に導く光源光学系と、前記位相変調素子により位
相変調された光束を再生波としてホログラムに導く再生
波照射光学系と、を備えていることを特徴とするホログ
ラフィ再生装置を提供する。
【0022】本願請求項3に記載した発明では、照射光
から散乱光を生じさせる拡散板からなる位相変調素子
と、レーザ光源からなる光源手段と、光源からの光束を
前記位相変調素子に導く光源光学系と、光源からの光束
を前記位相変調素子上に予め定めた大きさのスポットに
集光させる集光手段と、光軸上の前記集光スポット位置
に焦点を有するコリメータレンズを有し、前記集光スポ
ットからの光束を再生波としてホログラムに導く再生波
照射光学系と、を備えたことを特徴とするホログラフィ
再生装置を提供する。
【0023】本願請求項4に記載した発明では、請求項
3に記載したホログラフィ再生装置において、集光スポ
ットの大きさを変更する調整手段を備えていることを特
徴とするものである。
【0024】
【作用】本発明は上記のように構成されているため、以
下の作用を奏する。まず、本願にかかる発明では空間コ
ヒーレンスの低い光束を再生波として利用していること
が特徴である。
【0025】空間コヒーレンスの低い光束を用いること
により、(干渉性が低いため)スペックルノイズの発生
が防止される。このため、波長域の狭い光束を再生波と
して利用できるので、時間コヒーレンスの低い光束、即
ち波長域の広い光束をそのまま用いると生ずる色収差の
問題が解消できることとなり、解像度も失われることが
ないものとなる。
【0026】なお、このような空間コヒーレンスの低い
光束を生じさせる光源手段であれば、以下に記載した本
発明にかかる装置を利用することなく本発明にかかる方
法を実施できる。
【0027】ここで、請求項2に記載した発明では、位
相変調素子を用いているので、光源が空間コヒーレンス
の高い光束を生じさせるものであっても、空間コヒーレ
ンスの低い光束に変換して再生波として利用するものと
なっている。
【0028】このため、元々干渉性の高い光束が要求さ
れる物体光や参照光の光源からの光束を位相変調素子を
介すことにより、空間コヒーレンスの低い光束に変換す
ることができるので、従来の装置に簡単な改造で本発明
を応用することが可能となると共に、光源の共用により
製造コストの低減を図ることができるものとなってい
る。
【0029】この発明における位相変調素子は、空間コ
ヒーレンスを下げる効果のある手段であれば良く、光束
の断面内各部における位相がランダムとなるように位相
変調させる素子であれば、特に限定されるものではな
い。一例を挙げれば、拡散板や音響工学素子、導波路デ
バイス等の応用手段が考えられるが、拡散板を利用する
場合には、光束断面内全域での等しい散乱特性等を考慮
して回転拡散板を用いることが好ましい。
【0030】請求項3に記載した発明では、光源として
レーザ光源を用いているため、本来的な光源光束(一次
光源光束)は極めて干渉性の高い光束であり、空間コヒ
ーレンスも時間コヒーレンスも高いものである。この一
次光束を位相変調素子を介することにより空間コヒーレ
ンスのみを下げ、再生波として利用する。
【0031】言い換えると、位相変調素子上の集光スポ
ットを二次光源として利用するものであり、波長域はレ
ーザ光の発振波長同様に狭いものでありながら、空間コ
ヒーレンスのみが低い光源となる。この二次光源からの
光束を再生波に利用することにより、スペックル並びに
色収差の発生は防止されると共に解像度も維持できるも
のとなる。
【0032】そして、本発明では位相変調素子として拡
散板を応用しており、集光スポットからの光束は散乱光
となるので射出角度がランダムとなる。この集光スポッ
トからの散乱光束は、再生波照射光学系によりホログラ
ムに導かれるが、集光スポットを有限の大きさを持つも
のとし、集光スポット位置に焦点を有するコリメーター
レンズを介して散乱光束をホログラムに導くことによ
り、ホログラムに照射される再生波は、角度幅を持つも
のとなる。
【0033】本発明の集光スポットは、ピンスポットで
はなく有限の大きさを持つものでることが好ましく、そ
の大きさはホログラムの大きさや要求される解像度等に
より異なるものである。そして、この集光スポット上の
各点から散乱光が生じるが、この集光スポットが点光源
の集団からなる二次光源と考えることができる。
【0034】このため、ホログラムに照射される再生波
は、二次光源の各点光源からの照射光束の集団となるの
で、照射角度がまちまちであり、角度幅は集光スポット
の大きさに依存することとなる。
【0035】再生波照射光学系は、集光スポット位置に
焦点が位置合わせされたコリメータレンズを備えている
ので、所謂ケーラー照明系を構成する。このため、集光
スポットからの光束は、光軸を再生像形成のための照射
角度に合致させることで、再生波の入射角度(再生像形
成のための照射角度)を中心として角度幅を持つ光束と
なる。
【0036】ここで、ホログラムに対し単純に再生波の
入射角度を変更すると、スペックルパターンも移動する
だけでスペックルノイズ自体は除去できない。しかし、
再生波が角度幅を持って照射されれば、個々の入射角度
に対するスペックルパターンが平均化され、結果として
スペックルノイズが生じないものとなる。
【0037】本願請求項4に記載した発明では、集光ス
ポットの大きさを変更する変更手段を備えている。これ
は、ホログラムの特性、例えば形成時の使用波長、大き
さ要求される制度等に応じてスペックルパターンの形成
特性も変化するので、装置の調整や使用するホログラム
に合わせて集光スポットの大きさ又は照射する再生波の
角度幅等を変更調整するためである。
【0038】いったん調整されたものの連続処理や、過
去の試料を再使用する等の場合には従来の実績を加味し
て、予め定めた大きさに決定できるが、特に新規なホロ
グラムを作成した場合には、そのホログラムの特性に合
わせて微調整できる本機構を備えていることが好まし
い。
【0039】なお、集光スポット(2次光源の大きさ)
は、スペックル・ノイズと像の分解能を考慮して変える
ことが望ましく、ノイズの影響を受けずに所望の解像度
の再生像を得ることが出来る点が本発明の最大の効果で
ある。また、本発明のように空間コヒーレンスを制限す
ることは、結像のNAの制限をもたらし、結果的に焦点
深度を向上させる作用もある。
【0040】
【実施例】以下、実施例を通じ本発明をさらに詳しく説
明する。なお、以下の実施例では、ホログラムからの実
像再生を例にとって説明するが、虚像再生でも全く同じ
効果が得られることは言うまでもない。
【0041】図1に、本発明の一実施例にかかるホログ
ラム再生装置の概略構成を示す。この実施例では、ホロ
グラム記録媒体1中に形成されたホログラムに対し、再
生波Cを照射して再生像をウエハ2に形成し、物体(回
路パターン等)の像を転写するホログラフィックリソグ
ラフィ装置に組み込んだものを示している。
【0042】又、この装置では、ホログラム記録媒体1
がプリズム3上に配設され、プリズムを介して照射され
る再生波C(参照波も)は、ホログラム記録媒体1内で
全反射されるものであり、所謂全反射ホログラフィ技術
を応用するものである。
【0043】再生波Cは、レーザ光源10からの光束
を、集光レンズ12を介して、回転拡散板16上に所定
の大きさに集光し、この集光スポット14を二次光源と
して、ここからの光束をコリメーターレンズ18を介し
てホログラムに導かれる。なお、コリメータレンズ18
の前側焦点は、回転拡散板16(集光スポット14)に
位置合わせされている。
【0044】この実施例では、再生波の照射角度の幅を
利用してスペックルの平均化を図ることによりスペック
ルノイズを防止する手段を利用するものである。前述し
たように、再生波の入射角が変化するとスペックルパタ
ーンが移動するが、スペックルパターンを相関長以上に
動かして平均化すれば、スペックルノイズは低減される
ことになる。
【0045】この再生角の変化は、ホログラムからみる
と点光源が移動することに相当するので、角度幅を再生
波の入射角の変化量と考えた場合に、大きさを持った空
間コヒーレンスの低い2次光源を用いることで、一度に
再生角を変化させて平均化するのと同じ効果が得られる
ものとなっている。
【0046】この実施例では、コヒーレント光束を生じ
させるレーザ光源10からの出射光を集光レンズ12を
用いて回転拡散板16上に集光させている。集光スポッ
ト14の大きさは、集光レンズ12と拡散板16の距離
によって変化するものであり、集光レンズ12の光軸方
向の移動手段(図示せず)により、スポット径を変化さ
せることができる。なお、拡散板16が集光レンズ12
の像側焦点面上にあるとき、スポット径は最小になる。
【0047】回転拡散板16上の集光スポット14内で
は、拡散板の散乱効果により位相がランダムに乱されて
おり、この集光スポット14を二次光源とすると、空間
的にインコヒーレントな光源とみなすことができる。こ
の2次光源からの光束を、コリメータ・レンズ18で波
面を平行にしてホログラムに照射すれば、空間的にイン
コヒーレントな再生波でホログラムを再生することがで
きる。
【0048】この再生波のコヒーレンス度は2次光源の
大きさで決まるが、その大きさは既に述べたように集光
レンズ12の拡散板16からの距離を変えることで調整
できる。集光レンズ12の収差が十分に補正されていれ
ば、2次光源の大きさを回折限界にまで小さくすること
ができ、この場合には2次光源からの出射光は空間的に
コヒーレントであるとみなすことができる。
【0049】2次光源を大きくしていくと、再生波Cの
ホログラムへの入射角の幅が大きくなるので、スペック
ルパターンが平均化されてスペックルノイズは減少して
いくが、再生像の解像度は次第に落ちていく。しかし、
2次光源がある大きさ以上になると、解像度はそれ以上
落ちず、スペックルノイズだけが減少していく。これ
は、ホログラムの回折効率に再生光の入射角依存性があ
るためである。
【0050】ここで、図2に回折効率の角度依存性(図
2a)と再生波の角度分布(図2b)との関係を示す。
ここでは,2次光源の明るさは一様であるとして、再生
に関与する光の角度分布を、角度依存性と角度分布の積
(図2c)で表している。この図に示すように、再生波
の角度分布の大きさが、ホログラムの再生角度選択幅よ
りも大きくなると、ホログラムの再生に寄与する光はホ
ログラムの角度選択性だけに依存するようになる。一
方、再生波の角度幅が大きくなるほどスペックルパター
ンの平均化の度合いは大きくなる。
【0051】また、図2の類推から、2次光源の明るさ
が一様ではなく周辺ほど暗いとすると、再生波の強度は
中心となる入射角での強度が最高となるような角度分布
を持つ(図3参照)ので、これを利用して再生に寄与す
る光の角度選択幅を狭めることができる。
【0052】このように、2次光源となる集光スポット
14の大きさは、再生像の解像度とスペックルノイズへ
の影響度の両方を考慮して決定すれば良い。仮に、2次
光源の大きさを点光源とみなせる程度に小さくすれば、
空間的にコヒーレントな光束が生ずるため、解像度は最
も良くなるが、スペックルノイズも多くなる。逆に、2
次光源が十分に大きいと、スペックルは平均化される
が、解像度はホログラムの角度選択性で決まる値まで落
ちてしまう。
【0053】図1に示した実施例では、集光レンズ12
を移動させるだけで簡単に2次光源の大きさを変更でき
るので、再生像の解像度とノイズの必要度に応じた最適
な大きさに調整することにより、容易に結像特性の最適
化を図ることができるものとなっている。
【0054】さらに、このような2次光源の大きさのコ
ントロールは、同時に焦点深度のコントロールをも意味
する。2次光源が点光源であるときには、再生波はホロ
グラムで回折され、ホログラム記録時のマスクからの回
折光の共役光(物体波)となる。マスクパターンからの
回折光(物体波)が、0次、±1次、±2次光であれ
ば、再生時にはこれらの次数の共役光が再生され、0次
光と±1次光、0次光と±2次光が干渉することにより
マスクパターンの像が再生される。なお、±1次光と±
2次光の干渉は、一般に微弱なため通常無視して考え
る。
【0055】2次光源が点光源ではなく大きさを持つと
きには、2次光源上の各点光源により再生されたマスク
パターンの像が、インコヒーレントに足し合わされるこ
とになる。これを回折光の次数毎に分解して考えると、
各点光源による0次光と±1次光の干渉パターン像と各
点光源による0次光と±2次光の干渉パターン像に分け
られる。
【0056】このとき、0次光と±2次光による干渉パ
ターン像は、より微細なパターンであるため、2次光源
が大きさを持つと、微細パターン像の重ね合わせ現象が
生じて平均化され易い。従って、2次光源がある大きさ
以上になると、再生像に対する0次と±2次光の干渉の
影響は無視でき、0次と±1次光の干渉パターンだけが
再生されることになる。
【0057】このことは、低次の回折光のみを選択的に
再生させることができることを意味するものであり、こ
れは、再生のNAを制限することを同時に意味する。焦
点深度zは、一般に次式で表されることが知られてお
り、この式からNAの制限が焦点深度の増大をもたらす
のが明かである。
【0058】z=k・λ/(NA)2
【0059】ところで、ホログラム上での照明ムラが問
題となる場合には、2つの解決方法が考えられる。1つ
は照明方法をケーラー照明にする方法であり本実施例に
採用されている。なお、その他の手段を用いてケーラー
照明系を構成してもよい。
【0060】照明ムラを解決するもう一つの手段は、ホ
ログラムより小さな光束径のビームを用いてホログラム
を部分的に再生し、そのビームをスキャンすることによ
り全体の再生を像を得る方法である。この方式では、ビ
ーム自体に強度ムラがあっても、スキャンをすることに
より照度ムラは平均化されることになる。スキャンの方
法としては、ビームを固定してホログラムを移動する方
法、ホログラムを固定してビーム・ エキスパンダーを平
行移動する方法等が考えられるがその他の手段を用いて
もよい。
【0061】図6に、ビーム・ エキスパンダーを平行移
動することによりホログラムをスキャンする位置実施例
を示す。この実施例では、回転拡散板616の集光スポ
ット614からの光束をコリメータレンズ618を介し
て平面波とした後、ビームエキスパンダ630を光軸と
直行する方向に移動させることにより、再生波の照射位
置を平行移動させるものとなっている。
【0062】図に示すように、ビームエキスパンダ63
0を実線部から点線部に移動させると、照射位置も再生
波C61から再生波C62の位置に移動することとなる。な
お、ビームエキスパンダ630の移動量をx、倍率をβ
とすると、再生波の移動量はβxで示される。
【0063】以上に説明したように、本実施例では位相
変調素子として回転拡散板を利用しているが、集光スポ
ット内の位相をランダムに乱す素子であれば他のもので
も構わない。なお、再生波のコヒーレンス度は、使用す
る拡散板の特性によっても変化する。
【0064】また、位相変調素子上の集光スポットを2
次光源として応用しているが、この方式の光源手段に限
定されるものではなく、空間コヒーレンスの低い光束が
得られる光源手段であれば、他の手段を用いることによ
り本発明が実施できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる方法
によれば、再生波に空間コヒーレンスの低い光束を用い
ているので、スペックルノイズの発生が防止される。そ
して、波長域の狭い光束を再生波として利用できるの
で、色収差の問題が解消できることとなり、解像度も失
われることがないものとなる。
【0066】また、請求項2に記載した発明では、位相
変調素子を用いて空間コヒーレンスの低い光束を得るも
のとしている。このため、空間コヒーレンスの高い光束
を生じさせる光源であっても本発明に応用できるので、
元々干渉性の高い光束が要求される物体光や参照光の光
源を利用することで、光源の共用により製造コストの低
減を図ることができる。さらに、従来の装置で干渉性の
良い光源を使用している場合であっても、位相変調素子
などを組み込む等の簡単な改造で本発明を応用できる利
点もある。
【0067】請求項3に記載した発明では、レーザ光を
用いているので、時間コヒーレンスが高いため、色収差
の問題は生じない。さらに、回転拡散板上の集光スポッ
トを2次光源としているので、再生波の空間コヒーレン
スが下がり、スペックル・ノイズが低減される。
【0068】請求項4に記載された発明では、集光スポ
ットの大きさを変更する変更手段を備えているので、2
次光源の大きさを、スペックル・ノイズと像の分解能を
考慮して変えることができる利点がある。このため、ホ
ログラムの特性や要求される制度などを考慮して、個別
ホログラムに合わせた解像度でスペックルノイズのない
再生像を得ることができる。
【0069】さらに、二次光源を大きくすることによ
り、再生の際の焦点深度が向上するという効果も得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるホログラフィ再生装
置の概略構成を示す説明図である。
【図2】ホログラムからの再生光に対する角度選択性を
示す線図である。
【図3】ホログラムからの再生光に対する角度選択性を
示す線図である。
【図4】イメージ・ホログラムの形成原理を示す説明図
である。
【図5】従来のホログラムの再生方法を説明する説明図
である。
【図6】本発明の他の実施例にかかるビーム・ エキスパ
ンダを用いたビームスキャン手段を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
1…ホログラム記録媒体、2…ウエハ、3…プリズム、
10…レーザ光源、12…集光レンズ、14…集光スポ
ット、16…回転拡散板、18…コリメーターレンズ、
A…物体波、B…参照波、C…再生波 630…ビームエキスパンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホログラフィ技術においてホログラムに
    再生波を照射して再生像を形成する際に、空間コヒーレ
    ンスの低い光束を再生波として用いることを特徴とする
    ホログラフィ再生方法。
  2. 【請求項2】 光束の断面内各部における位相がランダ
    ムとなるように位相変調させる位相変調素子と、光源か
    らの光束を前記位相変調素子に導く光源光学系と、前記
    位相変調素子により位相変調された光束を再生波として
    ホログラムに導く再生波照射光学系と、 を備えていることを特徴とするホログラフィ再生装置。
  3. 【請求項3】 照射された光束から散乱光を生じさせる
    拡散板からなる位相変調素子と、レーザ光源からなる光
    源手段と、光源からの光束を前記位相変調素子に導く光
    源光学系と、光源からの光束を前記位相変調素子上に予
    め定めた大きさのスポットに集光させる集光手段と、光
    軸上の前記集光スポット位置に焦点を有するコリメータ
    レンズを有し、前記集光スポットからの光束を再生波と
    してホログラムに導く再生波照射光学系と、 を備えたことを特徴とするホログラフィ再生装置。
  4. 【請求項4】 集光スポットの大きさを変更する調整手
    段を備えていることを特徴とする請求項3に記載したホ
    ログラフィ再生装置。
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