JP2007187775A - ホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置 - Google Patents
ホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007187775A JP2007187775A JP2006004461A JP2006004461A JP2007187775A JP 2007187775 A JP2007187775 A JP 2007187775A JP 2006004461 A JP2006004461 A JP 2006004461A JP 2006004461 A JP2006004461 A JP 2006004461A JP 2007187775 A JP2007187775 A JP 2007187775A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- hologram recording
- spatial
- phase modulation
- hologram
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Holo Graphy (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
- Optical Head (AREA)
Abstract
【課題】空間光変調器と、位相変調素子との相対位置決め精度の向上を図る。
【解決手段】空間光変調器13によって、空間変調が施された参照光15および信号光14を得て、倍率変換系を構成する凸レンズ16aおよび凸レンズ16bを通過した参照光31と信号光30を得て、参照光31または/および信号光31に位相変調素子17aないし位相変調素子17cのいずれかによって位相変調を施してホログラム記録媒体19に信号を記録し、ホログラム記録媒体19から再生光38を得る。倍率変換系によって、空間光変調器13と位相変調素子との位置ずれの許容量を大きなものとできる。
【選択図】図5
【解決手段】空間光変調器13によって、空間変調が施された参照光15および信号光14を得て、倍率変換系を構成する凸レンズ16aおよび凸レンズ16bを通過した参照光31と信号光30を得て、参照光31または/および信号光31に位相変調素子17aないし位相変調素子17cのいずれかによって位相変調を施してホログラム記録媒体19に信号を記録し、ホログラム記録媒体19から再生光38を得る。倍率変換系によって、空間光変調器13と位相変調素子との位置ずれの許容量を大きなものとできる。
【選択図】図5
Description
本発明はホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置に関する。
ホログラフイを用いてデータを記録するホログラム記録装置および記録方法が提案されている。すなわち、記録すべき情報(記録データ)によって変調された信号光と参照光とを同一のレーザ光源から生成し、ホログラム記録媒体に照射する。それによって、ホログラム記録媒体上で信号光と参照光とが干渉してホログラム記録媒体中に回折格子(ホログラム)が形成され、回折格子(ホログラム)の形状として記録データが記録される。
また、このようにして記録された回折格子(ホログラム)から記録データを再生するホログラム再生装置および再生方法が提案されている。すなわち、記録済みの記録媒体に形成された回折格子(ホログラム)に参照光を照射すると再生光(回折光)が発生する。この再生光を受光素子で検出して復号のための信号処理をおこない記録データを再生できる。
このような記録再生において、信号光と参照光をどのように発生させるかについては、二つの記録再生方式が提案されている。信号光の光路と参照光の光路とを全く別個に配する二光束干渉記録再生方式(以下、二光束方式と省略する)と、信号光と参照光とを同軸上に配し、光路を共有するコアクシャル記録再生方式(以下、コアクシャル方式と省略する)とである。コアクシャル方式においては、空間光変調器(SLM)の外周部に参照光用のパターンを形成するとともに空間光変調器の内周部に信号光用のパターンを形成して記録媒体に記録をし、空間光変調器の外周部に参照光用のパターンのみ形成し、記録された記録媒体から再生光を得て記録データを再生している(例えば、非特許文献1を参照)。
コアクシャル方式としては、米国の国家プロジェクトHDSSがおこなった構成の例としては、図7に示すものがあり、空間光変調器(液晶パネル)51の周りに位相マスク(位相変調素子)52を配置して瞳分割をおこなう方式が提案されている。すなわち、レーザ光源(図示しない)から出射されビームエキスパンダ等で平行光にされたレーザ光50が、記録情報に応じて空間光変調された空間光変調器51に入射して信号光70となり、フーリエ変換レンズ(対物レンズ)53に入射してホログラム記録媒体(例えば、ホトポリマー)54の記録スポット60に集光される。これと同時に、レーザ光50は、位相マスク52に入射してスペックル状の参照光90を発生させ、フーリエ変換レンズ53に入射してホログラム記録媒体54のスポット80に集光される。
これにより、信号光70と参照光90との干渉により生じる干渉縞がホログラム記録媒体54の記録スポット60に記録されるが、その際、スポット80を照射する参照光90はスペックル状で、その波面が複雑なため、僅かにシフトしただけで、元の参照光と移動した参照光との間で波面の不一致が生じ、シフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体54における記録密度を向上させることができる。
このような事情に鑑み本願の出願人は、図8の(A)に正面図を示し、図8の(B)に側面図を示す、参照光をスペックル状にする位相マスク(位相変調素子)として透明基板110の一面に透明な凸部111(又は凹部)を複数個配列した構成ものを用いることを提案した(特許文献1を参照)。このような位相マスク100はフォトリソグラフなどで容易に作成でき且つ、その際に凸部111(又は凹部)のサイズを容易にコントロールすることができる。それ故、信号光を強度変調する空間光変調器の画素サイズに対して、位相マスクの凸部111(又は凹部)のサイズを略等しいか、または必要なだけ小さく設定することが容易にできるため、参照光の集光スポットサイズが信号光のスポットサイズをカバーし且つ、無駄にホログラム記録媒体を露光させる部分を最小限にすることができるような位相マスクを容易に作成することができるものである。
日経エレクトロニクス2005年1月17日号P106〜114 特開2005−241773号公報
日経エレクトロニクス2005年1月17日号P106〜114
しかし、上述したホログラム記録再生において、(記録)信号パターン、あるいは参照光パターンまたは信号パターンおよび参照光パターンの両方に位相変調を施す場合、原パターンと位相変調素子との相対位置決め(ピクセルマッチング)精度が、原パターンの空間周波数(変調単位ピクセルサイズ)に律則されている。例えば、ピクセルマッチングの経時変化により、記録されたホログラムの信号劣化が発生し、または、記録されたホログラムからの情報の再生における信号劣化が生じ、安定したホログラム記録再生を行う上での障害となっていた。さらに、変調単位ピクセルサイズ(ピクセルピッチ)に較べて位相変調素子のピクセルサイズ(ピクセルピッチ)を同一または小さくして、大きな効果を得る場合には、変調単位ピクセルサイズの縮小に伴い、位相変調素子のピクセルサイズの加工精度を向上させる必要があった。
本発明は、上述した課題を解決し、ホログラム記録再生において、空間光変調器の記録信号パターンに位相変調を施すときに、位相変調素子との相対位置決め精度の向上、及び経時相対位置ずれに対する許容度が向上し、品質の良いホログラム記録再生パターンを得ることができるようにして、安定したホログラム記録、及び再生信号検出ができるようにし、さらに、空間光変調器のピクセルサイズより位相変調素子のピクセルサイズを大きくすることで、位相変調素子の加工精度を相対的に低くすることができ、安価に製作することができる位相変調素子を備える光学装置およびこのような光学装置を用いるホログラム記録再生装置を提供するものである。
本発明のホログラム記録装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施す空間光変調器と、前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光を得る位相変調素子と、を具備する。
このホログラム記録装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムをホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置である。そして、空間光変調器と、リレー光学系と、位相変調素子と、を具備する。空間光変調器は、レーザ光源からの光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施し、リレー光学系は、空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生し、位相変調素子は、拡大した共役像の形成面に配置され、参照光に位相変調を施された参照光を得る。
また、別の本発明のホログラム記録装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて信号光に空間変調を施す空間光変調器と、前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された信号光を得る位相変調素子と、を具備する。
このホログラム記録装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムをホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置である。そして、空間光変調器と、リレー光学系と、位相変調素子と、を具備する。空間光変調器は、レーザ光源からの光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施し、リレー光学系は、空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生し、位相変調素子は、拡大した共役像の形成面に配置され、信号光に位相変調を施された信号光を得る。
さらに、別の本発明のホログラム記録装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施す空間光変調器と、前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光および信号光を得る位相変調素子と、を具備する。
このホログラム記録装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムをホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置である。そして、空間光変調器と、リレー光学系と、位相変調素子と、を具備する。空間光変調器は、レーザ光源からの光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施し、リレー光学系は、空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生し、位相変調素子は、拡大した共役像の形成面に配置され、参照光および信号光に位相変調を施す。
本発明のホログラム再生装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される参照光をホログラム記録媒体に照射することによって前記ホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置であって、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す空間光変調器と、前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、前記拡大した共役像の形成面に配置され、前記空間光変調器の変調単位に対して前記所定倍率を掛けた変調単位の位相変調を施された参照光を得る位相変調素子と、を具備する。
このホログラム再生装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される参照光をホログラム記録媒体に照射することによってホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置であって、空間光変調器と、リレー光学系と、位相変調素子と、を具備する。そして、空間光変調器は、レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光に空間変調を施し、リレー光学系は、拡大した共役像の形成面に配置され、参照光に位相変調を施された参照光を得る。
本発明の光学装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置または、前記参照光をホログラム記録媒体に照射することによって前記ホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置に用いる光学装置であって、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光または/および信号光に空間変調を施す空間光変調器と、前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光または/および信号光を得る位相変調素子と、を具備する。
この光学装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムをホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置または、参照光をホログラム記録媒体に照射することによって前記ホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置に用いる光学装置であり、空間光変調器と、リレー光学系と、を具備する。そして、空間光変調器は、レーザ光源からの光ビームを通過させて参照光または/および信号光に空間変調を施し、リレー光学系は、空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生し、位相変調素子は、拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光または/および信号光を得る。
本発明によれば、空間光変調器と、位相変調素子との相対位置決め精度の向上、及び経時相対位置ずれに対する許容度が向上し、品質の良いホログラム記録再生パターンを得ることができるようにして、安定したホログラム記録、及び再生信号検出ができ、また、空間光変調器のピクセルサイズよりも位相変調素子のピクセルサイズを大きくすることによって、位相変調素子の加工精度を相対的に低くすることができ、安価に製作することができる光学装置およびこのような光学装置を用いるホログラム記録再生装置を提供する。
(位相変調素子の作用の説明)
本実施形態の位相変調素子(位相マスク)およびこれを用いたホログラム記録再生装置(記録装置または再生装置、記録および再生装置)の説明に先立ち、図1に沿って、ホログラム記録再生装置の構成例を簡単に説明し、さらに、位相変調素子の作用を説明する。
本実施形態の位相変調素子(位相マスク)およびこれを用いたホログラム記録再生装置(記録装置または再生装置、記録および再生装置)の説明に先立ち、図1に沿って、ホログラム記録再生装置の構成例を簡単に説明し、さらに、位相変調素子の作用を説明する。
図1に示すのはコアクシャル方式のホログラム記録再生装置である。まず記録の原理を説明する。レーザ光源11から出射し、コリメートレンズ12を通過した光ビームが空間光変調器13に入射する。空間光変調器13は、アレイ状に空間分割された領域(ピクセルサイズ)ごとに光ビームの透過と遮蔽を制御することができる素子である。空間光変調器13により、信号光14と、参照光15とに領域分割されて強度変調された光ビームがリレーレンズ系16を通過し、リレーレンズ系16の出射側の焦点面に強度変調パターンの共役像が結像する。位相変調素子(位相マスク)17は、リレーレンズ系16の出射側の焦点面、すなわち、共役像の結像位置に設置する。位相変調素子17により位相変調された信号光および参照光は、対物レンズ18により、ホログラム記録媒体19内に集光され、信号光と参照光とが干渉することにより、ホログラム記録媒体19内の記録層に干渉縞、すなわちホログラムを形成する。以上がコアクシャル方式ホログラムにおける信号記録の過程である。
次に、コアクシャル方式における再生の過程を説明する。レーザ光源11を出射し、コリメートレンズ12を通過した光ビームが空間光変調器13に入射する。再生の場合、信号光14の領域は遮蔽され光量ゼロとなり、参照光15のみが記録時と同一の強度パターンとして変調される。参照光15のみが変調された光ビームは、リレーレンズ系16、位相変調素子17、対物レンズ18を通過し、ホログラム記録媒体19内のホログラム上に集光される。参照光によるホログラム記録媒体19内のホログラムでの回折光が集光レンズ20により再生ホログラムの光強度パターンとして、アレイ型光検出器21の撮像面に結像する。このアレイ型光検出器21として、CCDやCMOSなどの撮像素子が使われる。
図2の(A)に示すのは、位相変調素子17により信号光14および参照光15に位相変調を施さない場合のホログラム記録媒体19内での光ビームの強度分布であり、図2の(B)に示すのは、位相変調を施した場合のホログラム記録媒体19内での光ビームの強度分布である。位相変調素子17により、原パターンの1ピクセル、あるいは複数ピクセル単位で位相変調がおこなわれた場合、そのフーリエ変換像の強度ピークが低減し、強度分布範囲が広がる。このことにより、ホログラム記録媒体19のホログラム中心位置での集中的なメディア消費が緩和され、記録媒体の使用効率が向上する。また、上述したコアクシャル方式ホログラム記録の場合、信号光と参照光との干渉領域が拡大することにより、記録効率が向上し、その結果として、再生信号の品質も向上する。
図3には、位相変調素子の作成例を示す。この例では、SiO2基板にピクセルピッチ(ピクセルサイズ)でランダムにパターニングしたマスクを用いてエッチング処理を施したものである。エッチング深さは、最大で光ビームの波長の1/2程度の深さとされる。このエッチング深さは、光ビームの波長の1/2程度の深さに限定されるものではなく、強度分布範囲との関係で、適宜、選択が可能なものである。
図4は、図3に一例として示す位相変調素子17を用いて、上述する光学系を構成した場合の透過信号の特性を示すものである。ここで、図4に示すグラフの横軸は、原パターンと位相変調素子17との間の相対位置ずれ量を示し、図4に示すグラフの縦軸は、エラーレートを示すものである。この場合は、空間光変調器13の変調ピクセルピッチと位相変調素子17の変調ピクセルピッチは等しい倍率となっている。
図4から明らかなように、位相変調素子の位置ずれ量が20〜30%の範囲においては、ほとんどエラーレートの悪化が生ぜず、位相変調素子の位置ずれ量が約40%以上となると急激にエラーレートが悪化しはじめ、位相変調素子の位置ずれ量が約50%程度になると、極端にエラーレートが悪化し、情報の記録再生が困難となることを示している。
この図4をもとに、相対位置ずれの許容値を求める。例えば、原パターンのピクセルピッチが10μmであるとすると、原パターンと位相変調素子との相対位置ずれは、10μmの20〜30%の範囲である±2〜3μm以内である必要があるといえる。
(実施形態の説明)
図5を参照して、このような位相変調素子を用いる特徴あるホログラム記録再生用の光学装置およびホログラム記録再生装置について説明する。図5に示すのは、参照光と信号光とが共通の光路、すなわち、共通の光学部品によって作用を受けるコアクシャル方式であって、かつホログラム記録媒体を光ビームが透過する透過型のホログラム記録再生装置である。参照光と信号光とが別光路を通過する二光束方式のホログラム記録再生装置、ホログラム記録媒体で光ビームが反射する反射型のホログラム記録再生装置、およびこれらの組み合わせのホログラム記録再生装置についても実施形態として成立し得るものであるが、まず、代表例として、コアクシャル方式であって、かつホログラム記録媒体を光ビームが透過する透過型のホログラム記録再生装置について説明する。
図5を参照して、このような位相変調素子を用いる特徴あるホログラム記録再生用の光学装置およびホログラム記録再生装置について説明する。図5に示すのは、参照光と信号光とが共通の光路、すなわち、共通の光学部品によって作用を受けるコアクシャル方式であって、かつホログラム記録媒体を光ビームが透過する透過型のホログラム記録再生装置である。参照光と信号光とが別光路を通過する二光束方式のホログラム記録再生装置、ホログラム記録媒体で光ビームが反射する反射型のホログラム記録再生装置、およびこれらの組み合わせのホログラム記録再生装置についても実施形態として成立し得るものであるが、まず、代表例として、コアクシャル方式であって、かつホログラム記録媒体を光ビームが透過する透過型のホログラム記録再生装置について説明する。
図5に示すホログラム記録再生装置においては、図1に示すホログラム記録再生装置に対する構成の特徴点は以下の点である。図1に示すリレーレンズ系16に替えて、凸レンズ16aと凸レンズ16bとからなるリレーレンズ系は、倍率変換系とされている点、図1に示す位相変調素子17と異なり、位相変調素子17aのサイズおよび配置位置が異なる点である。
ここで、図5に示すホログラム記録再生装置は、ホログラム記録装置およびホログラム再生装置として動作するものである。ホログラム記録装置としては、レーザ光源11からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムをホログラム記録媒体19に記録するホログラム記録装置であるが、後述する位相変調素子17aないし位相変調素子17cのいずれかを含むものであり、位相変調素子の構成に応じてホログラム記録装置としての態様には以下の3つが有る。
第1態様は、空間光変調器13によって、空間変調が施された参照光15および信号光14、または、少なくとも空間変調が施された信号光14を得て、倍率変換系を通過した参照光31と信号光30を得て、参照光31のみに位相変調素子17aによって位相変調を施して参照光33を得て、信号光30には、位相変調素子17aによって位相変調を施すことなく、信号光32を得る場合である。ここで、位相変調素子17aによる位相変調作用は、例えば、変調ピクセル間の光路長の差を利用した光学素子で得られるものであるが、上述したように、参照光31のみに位相変調を施すためには、参照光31の通過する領域のみに光路長の差を利用した光学素子を配し、信号光30の通過する領域には、開口部を設けて部材を配置しないか、位相素子の機械的な強度を確保するために位相変調特性を有しない透過性の良い材料によって形成される位相変調素子17aを用いるものである。
第2態様は、空間光変調器13によって、空間変調が施された参照光15および空間変調が施された信号光14を得て、倍率変換系を通過した参照光31と信号光30を得て、信号光30のみに位相変調素子17bによって位相変調を施して信号光32を得て、参照光31には、位相変調素子17bによって位相変調を施すことなく、参照光33を得る場合である。この場合には、上述したような作用を有する位相変調素子として、信号光30の通過する領域のみに光路長の差を利用した光学素子を配し、参照光31の通過する領域には、部材を配置しない位相変調素子17bを用いるものである。
第3態様は、空間光変調器13によって、空間変調が施された参照光15および空間変調が施された信号光14を得て、倍率変換系を通過した参照光31と信号光30を得て、参照光31および信号光30の両方に位相変調素子17cによって位相変調を施して参照光33および信号光32を得る場合である。この場合には、この場合には、上述したような作用を有する位相変調素子として、参照光31および信号光30の通過する領域に光路長の差を利用した光学素子を配する位相変調素子17cを用いるものである。
まず、上述した第1態様の、参照光31のみに位相変調素子17aによって位相変調を施して参照光33を得る場合について図5を参照して説明する。
第1態様のホログラム記録装置は、レーザ光源11からの光ビームを通過させて空間変調を施した参照光15および信号光14を得る空間光変調器13と、この空間光変調器13の光学的共役面に所定倍率(例えばα倍)の拡大した共役像を発生する凸レンズ16aおよび凸レンズ16bとからなるリレーレンズ系と、この拡大された共役像の形成面に配置してスペックル状とされた参照光33を得る位相変調素子17aと、を有する光学装置を具備するものである。
また、制御部22を具備しており、制御部22は、レーザ光源11からの光ビームの光量を制御し、記録すべき情報に応じて空間光変調器13を制御して所望の空間変調を施した信号光14を発生させる。また、空間光変調器13の参照光が透過する領域についても、空間光変調器13を制御して所望のピクセルサイズpの空間光変調をおこない参照光15を発生させる。
ここで、空間光変調器13は、ピクセルサイズ(ピクセルピッチ)pとして形成されており、空間光変調器13を出射した信号光14および参照光15が、凸レンズ16bと凸レンズ16aとを通過する。この凸レンズ16bの焦点距離はLであり、凸レンズ16aの焦点距離はαLであり、両方が等しいNA(Numerical Aperture)のレンズで構成されている。この場合、出射側焦点位置に結像する共役像は、変調ピッチがα×pとなる。よって、空間光変調器13出射側の共役像形成面に位相変調素子17aを配置し、参照光31の通過部の位相変調素子の変調単位はα×pとなるものとしている。
このように空間光変調器13によって空間変調された参照光15を、凸レンズ16aと凸レンズ16bとからなるリレーレンズ系を通過させ参照光31として参照光信号パターンを拡大し、位相変調素子17aによってスペックル状とした参照光33を得て、対物レンズ18を通過した参照光35と信号光34とをホログラム記録媒体19に照射する場合には、上述したようにシフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体19における記録密度を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、信号光34と参照光35との干渉領域が拡大することにより、記録効率、すなわち、記録信号の品質が向上する。
また、上述したように、相対位置ずれ許容量は位相変調素子のピクセルピッチに律則されるため、このような、倍率変換系においては、図1に示す等倍の共役像を生成するリレーレンズ系と比較した場合には、原パターンと位相変調素子との相対位置ずれに対する許容量がα倍となる。ここで、位相変調素子の変調単位は、かならずしも、α×pとするものに限らず、空間光変調器13の変調単位よりも位相変調素子の変調単位が大きいものであれば、相対位置ずれの許容量は大きくできるものであるが、一例としては、空間光変調器13の変調単位に対して位相変調素子の変調単位の倍数であるαが3.93付近である場合には球面収差の最小化という観点からも性能向上が図れるものである。すなわち、この拡大倍率αはレンズ単体での球面収差が最小である、平凸レンズ、あるいは平凹レンズ2枚を組み合わせて用いる場合の焦点距離と球面収差係数とから決まる、拡大光学系全体の球面収差を零とする条件から決定することもできるものである。
コアクシャル方式では、シフト多重方式によるホログラムの多重を行う場合、信号光と参照光との干渉領域を拡大させるために参照光に位相変調を施す技術は有効なものである。
すなわち、このように、シフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体19における記録密度を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、参照光信号パターンを拡大したうえ位相変調を施すことにより、経時相対位置ずれに対する許容度が向上する。このことにより、品質の良いホログラム記録パターンを得ることができるようになり、安定的にホログラム記録ができるようになる。
また、空間光変調器のピクセルサイズpに対して、位相変調素子の変調ピクセルサイズは、α倍のαpとすることができるので、位相変調素子17aの加工精度トレランスが大きくなり、製造コスト化を低下させることができるようになる。
第2態様のホログラム記録装置は、レーザ光源11からの光ビームを通過させて空間変調を施した参照光15および信号光14を空間光変調器13から得た後に、リレー光学系を通過させ、共役像の形成面に配置してスペックル状とされた信号光32を得る位相変調素子17bと、を有する光学装置を具備するものである。上述した第1態様のホログラム記録装置とは、位相変調を施されるのが参照光33に替えて信号光32である点が異なるが、その他については同様であるので、各部の説明は省略する。
このようにして、シフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体19における記録密度を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、信号光信号パターンを拡大したうえで位相変調を施すことにより、空間光変調器13と位相変調素子17bとの相対位置決め精度が図1に示すものに較べてα倍向上する。また、経時相対位置ずれに対する許容度が向上する。このことにより、品質の良いホログラム記録パターンを得ることができるようになり、安定的にホログラム記録できるようになる。
また、空間光変調器のピクセルサイズpに対して、位相変調素子の変調ピクセルサイズは、α倍のαpとすることができるので、位相変調素子17aの加工精度トレランスが大きくなり、製造コスト化を低下させることができるようになる。
第3態様のホログラム記録装置は、レーザ光源11からの光ビームに空間変調を施した参照光15および信号光14を空間光変調器13から得た後に、リレー光学系を通過させ、共役像の形成面に配置してスペックル状とされた参照光33および信号光32を得る位相変調素子17cと、を有する光学装置を具備するものである。上述した第1態様のホログラム記録装置とは、参照光31に位相変調を施して参照光33を得るのみならず、信号光30にも位相変調を施して信号光32を得る点が異なるが、その他については同様であるので、各部の説明は省略する。
すなわち、このように、参照光または信号光のいずれか一方にのみ位相変調を施す場合に較べて、記録効率がさらに向上して、さらにシフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体19における記録密度を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、参照光信号パターンおよび信号光信号パターンを拡大したうえ位相変調を施すことにより、空間光変調器13と位相変調素子17cとの相対位置決め精度が図1に示すものに較べてα倍向上する。経時相対位置ずれに対する許容度が向上する。このことにより、品質の良いホログラム記録パターンを得ることができるようになり、安定的にホログラム記録できるようになる。
また、空間光変調器のピクセルサイズpに対して、位相変調素子の変調ピクセルサイズは、α倍のαpとすることができるので、位相変調素子17aの加工精度トレランスが大きくなり、製造コスト化を低下させることができるようになる。
図5に示すホログラム記録再生装置は、レーザ光源からの光ビームに基づき発生される参照光をホログラム記録媒体に照射することによって前記ホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置としても動作をするものである。以下、図5に示すホログラム記録再生装置のホログラム再生装置としての説明をおこなう。
図5に示すホログラム再生装置は、レーザ光源11からの光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す空間光変調器13と、空間光変調器13の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生する凸レンズ16aおよび凸レンズ16bとからなるリレー光学系と、この拡大された共役像の形成面に配置してスペックル状とされた参照光33を得る位相変調素子17aと、を有する光学装置を具備するものである。
また、制御部22を具備しており、制御部22は、レーザ光源11からの光ビームの光量を制御し、空間光変調器13を制御して信号光の透過をゼロとする空間変調をおこない信号光14の光量をゼロとする。また、空間光変調器13を制御して所望のピクセルサイズpの空間光変調をおこない参照光15を発生させる。また、アレイ型光検出器21によって再生光38に基づく再生電気信号を検出し、この再生電気信号より、ホログラムに記録された情報を再生する。この場合にホログラムとして記録される情報は上述した3つの態様のホログラム記録装置のいずれかによってホログラム記録媒体に記録されたものである。
ここで、空間光変調器13は、ピクセルピッチpとして形成されており、空間光変調器13では、信号光14の透過率はゼロ、すなわち照射されないものとされており、信号光32、信号光34もまた発生することがないものである。一方、空間光変調器13を出射した参照光15が、凸レンズ16bと凸レンズ16aとを通過する。この凸レンズ16bの焦点距離はLであり、凸レンズ16aの焦点距離はαLであり、両方が等しいNAのレンズで構成されている。この場合、出射側焦点位置に結像する共役像は、変調ピッチがα×pとなる。よって、空間光変調器13出射側の共役像形成面に位相変調素子17aを配置し、参照光31の通過部の位相変調素子の変調単位はα×pとなるものとしている。
このように空間光変調器13によって空間変調された参照光15を、凸レンズ16aと凸レンズ16bとからなるリレーレンズ系を通過させ参照光31として参照光信号パターンを拡大し、位相変調素子17aによってスペックル状とした参照光33を得て、対物レンズ18を通過した参照光35をホログラム記録媒体19に照射する場合には、上述したように、再生時におけるシフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体19からの再生信号の品質を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、参照光35との交差領域が拡大することにより、再生効率、すなわち、再生信号の品質(S/N比等)が向上する。
また、上述したように、相対位置ずれ許容量は位相変調素子のピクセルピッチに律則されるため、このような、倍率変換系においては、図1に示す等倍の共役像を生成するリレーレンズ系と比較した場合には、原パターンと位相変調素子との相対位置ずれに対する許容量がα倍となる。ここで、位相変調素子の変調単位は、かならずしも、α×pとするものに限らず、空間光変調器13の変調単位よりも位相変調素子の変調単位が大きいものであれば、相対位置ずれの許容量は大きくできるものであるが、一例としては、空間光変調器13の変調単位に対して位相変調素子の変調単位の倍数であるαが3.93付近である場合には球面収差の最小化という観点からも性能向上が図れるものである。すなわち、この拡大倍率αはレンズ単体での球面収差が最小である、平凸レンズ、あるいは平凹レンズ2枚を組み合わせて用いる場合の焦点距離と球面収差係数とから決まる、拡大光学系全体の球面収差を零とする条件から決定することもできるものである。
すなわち、このように、参照光信号パターンを拡大したうえで位相変調を施すことにより、空間光変調器13と位相変調素子17aとの相対位置決め精度が図1に示すものに較べてα倍向上する。また、経時相対位置ずれに対する許容度が向上する。このことにより、品質の良い再生光を得ることができるようになり、安定的にホログラムから情報を再生できるようになる。
また、空間光変調器のピクセルサイズpに対して、位相変調素子の変調ピクセルサイズは、α倍のαpとすることができるので、位相変調素子17aの加工精度トレランスが大きくなり、製造コスト化を低下させることができるようになる。
(実施形態の変形例)
上述した、リレーレンズを用いた倍率変換系は、凸レンズ16aと凸レンズ16bとしていずれも凸レンズを用いるものであったが、図6に示すように、倍率変換系は凹レンズ16dと凸レンズ16cとを用いるものであっても良いものである。この場合においても、出射側の共役像形成面に位相変調素子を配置し、位相変調素子の変調単位はα×pとなるものとしている。このような構成によって、図5に示す2つの凸レンズを用いる場合と同様の効果が得られる。なお、図5におけると同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
上述した、リレーレンズを用いた倍率変換系は、凸レンズ16aと凸レンズ16bとしていずれも凸レンズを用いるものであったが、図6に示すように、倍率変換系は凹レンズ16dと凸レンズ16cとを用いるものであっても良いものである。この場合においても、出射側の共役像形成面に位相変調素子を配置し、位相変調素子の変調単位はα×pとなるものとしている。このような構成によって、図5に示す2つの凸レンズを用いる場合と同様の効果が得られる。なお、図5におけると同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、このように、参照光または信号光のいずれか一方またはその両方に位相変調を施す場合はシフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体19における記録密度を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、再生光パターン若しくは信号光信号パターンまたはその両方を拡大したうえ位相変調を施すことにより、空間光変調器13と位相変調素子17cとの相対位置決め精度が図1に示すものに較べてα倍向上する。経時相対位置ずれに対する許容度が向上する。このことにより、品質の良いホログラム記録パターンを得ることができるようになり、安定的にホログラム記録できるようになる。
また、空間光変調器のピクセルサイズpに対して、位相変調素子の変調ピクセルサイズは、α倍のαpとすることができるので、位相変調素子17aの加工精度トレランスが大きくなり、製造コスト化を低下させることができるようになる。なお、上述したように、位相変調素子の変調単位は、特に限定されるものではなく、変調単位をpよりも大きく設定するばあいには、相対位置決め精度が向上し、経時相対位置ずれに対する許容度が向上するという効果が得られる。さらに、一例としては、空間光変調器13の変調単位に対して位相変調素子の変調単位の倍数であるαが3.93付近である場合には球面収差の最小化という観点からも性能向上が図れるものである。
なお、上述の説明は透過型のコアクシャル方式のホログラム記録再生装置についておこなったが、透過型に限らず、ホログラム記録媒体を反射型(図示せず)として、ホログラム記録媒体に照射する光ビームが透過したと同一の対物レンズ(図5においては対物レンズ18に相当する)を再生光38が再び透過するようにして、対物レンズと位相変調素子(図5においては、対物レンズ18と位相変調素子17aないし位相変調素子17cに相当する)との間に設けられたビームスプリッタ(図示せず)によって、対物レンズ側に戻った再生光を分離し、その再生光をアレイ型光検出器によって再生光に基づく再生電気信号を検出し、この再生電気信号より、ホログラムに記録された情報を再生するものとしてもよいものである。この場合においても、透過型におけると同様の効果を生じるものである。
また、さらに、コアクシャル方式のホログラム記録再生装置に限ることなく、信号光と参照光とを独立の光ビームとし、ホログラム記録媒体内で干渉させてホログラム記録を行う二光束方式の光学装置(図示せず)を用いるホログラム記録再生装置(図示せず)であっても同様の効果を得ることができる。
従来技術として公知の二光束方式のホログラム記録装置の場合においては、空間光変調器は、同一のレーザ光源からの光ビームを、例えば、ビームスプリッタ等で、参照光ビームと信号光ビームとの光路を分離して、異なる光学部品によって光学的な作用を受けるような光路の設計をおこない、レーザ光源からの参照光と、レーザ光源からの信号光とをホログラム記録媒体に照射するものである。
本発明を二光束方式に適用する場合の実施形態の一例としては、以下に示す構成を取ることとなる。レーザ光源からの参照光の光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す第1空間光変調器およびレーザ光源からの信号光の光ビームを通過させて信号光に空間変調を施す第2空間光変調器を有し、また、リレー光学系については、第1空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系として、位相変調素子については、この拡大した共役像の形成面に配置し、空間光変調器の変調単位に対して所定倍率とした変調単位の位相変調を施された参照光を得るものとして、このような2つの光路を通過した各々の光ビームをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムをホログラム記録媒体に記録するものとすることができる。
ここで、所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系としては、図5に示すような凸レンズを2つ組み合わせたもので構成しても、図6に示すような凹レンズと凸レンズとを組み合わせて構成するものであっても良いものである。また、第1空間光変調器および第2空間光変調器の各々は図5に示す空間光変調器13と同様の構成とされ、制御部によって、その動作が制御されるものである。位相変調素子については、各々の光路に対応した形状とされ、その基本的な部分の構造は図5に示す位相変調素子と同一の構造を有するものとされている。
すなわち、このように、参照光の光路と信号光の光路の各々に位相変調を施すことによって、二光束方式においても、シフト選択性を鋭くすることができ、その分、ホログラム記録媒体における記録密度を向上させることができるという位相変調素子を用いることによる基本的な効果に加え、信号光信号パターンを拡大したうえで位相変調を施すことにより、空間光変調器と位相変調素子との相対位置決め精度がα倍向上し、また、経時相対位置ずれに対する許容度が向上し、このことにより、品質の良いホログラム記録パターンを得ることができるようになり、安定的にホログラム記録できるようになるという効果を得られるものである。
上述した実施形態の二光束方式の場合においては、空間光変調器は、レーザ光源からの参照光の光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す第1空間光変調器および、レーザ光源からの信号光の光ビームに空間変調を施す第2空間光変調器を有し、リレー光学系としては、第1空間変調器からの参照光を通過させる第1リレー光学系および第2空間変調器からの信号光を通過させる第2リレー光学系を有し、位相変調素子としては、第1リレー光学系からの参照光を通過させる第1位相変調素子および第2リレー光学系からの信号光を通過させる第2位相変調素子を有するようにしたが、このような態様に限るものではない。
例えば、二光束方式の場合においては、信号光の光ビームのみに空間変調を施す空間光変調器を具備し、この空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系を具備し、この拡大した共役像の形成面に配置され、空間光変調器の変調単位に対してこの所定倍率とした変調単位の位相変調を施された信号光を得る位相変調素子を具備するものとしても良いものである。
また、二光束方式のホログラム再生装置の場合においては、レーザ光源からの光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す空間光変調器と、空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、拡大した共役像の形成面に配置され、空間光変調器の変調単位に対して所定倍率とした変調単位の位相変調を施された参照光を得る位相変調素子と、を具備する光学装置を備え、このようにしてレーザ光源からの光ビームに基づき発生される参照光をホログラム記録媒体に照射することによってホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置とすることができるものである。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、その発明の技術的思想の範囲内で様々に変形し、組み合わせて実施することが可能である。
11レーザ光源、12 コリメートレンズ、13 空間光変調器、14、30、32、34 信号光、15、31、33、35 参照光、16 リレーレンズ系、16a、16b、16c 凸レンズ、16d 凹レンズ、17、17a、17b、17c 位相変調素子、18 対物レンズ、19 ホログラム記録媒体、20 集光レンズ、21 アレイ型光検出器、22 制御部、38 再生光
Claims (16)
- レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、
前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施す空間光変調器と、
前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、
前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光を得る位相変調素子と、
を具備するホログラム記録装置。 - 前記空間光変調器は、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施す共通の空間光変調器であり、前記リレー光学系は、前記共通の空間光変調器からの参照光および信号光を通過させる共通のリレー光学系であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録装置。
- 前記空間光変調器は、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す第1空間光変調器および前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて信号光に空間変調を施す第2空間光変調器を有し、前記リレー光学系は、前記第1空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録装置。
- レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、
前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて信号光に空間変調を施す空間光変調器と、
前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、
前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された信号光を得る位相変調素子と、
を具備するホログラム記録装置。 - レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、
前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施す空間光変調器と、
前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、
前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光および信号光を得る位相変調素子と、
を具備するホログラム記録装置。 - 前記空間光変調器は、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光および信号光に空間変調を施す共通の空間光変調器であり、前記リレー光学系は、前記共通の空間変調からの参照光および信号光を通過させる共通のリレー光学系であり、前記位相変調素子は、前記共通のリレー光学系からの参照光および信号光を通過させる共通の位相変調素子であることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録装置。
- 前記空間光変調器は、前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す第1空間光変調器および信号光に空間変調を施す第2空間光変調器を有し、前記リレー光学系は、前記第1空間変調器からの参照光を通過させる第1リレー光学系および前記第2空間変調器からの信号光を通過させる第2リレー光学系を有し、前記位相変調素子は、前記第1リレー光学系からの参照光を通過させる第1位相変調素子および前記第2リレー光学系からの信号光を通過させる第2位相変調素子を有することを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録装置。
- 前記位相素子は、前記空間光変調器の変調単位に対して前記所定倍率を掛けた変調単位の位相変調を施すことを特徴とする請求項1、請求項4または請求項5の1項に記載のホログラム記録装置。
- 前記リレー光学系は、同一のNAを有し、焦点距離が異なる2つの凸レンズで構成されることを特徴とする請求項1、請求項4または請求項5の1項に記載のホログラム記録装置。
- 前記リレー光学系は、凹レンズと凸レンズで構成されることを特徴とする請求項1、請求項4または請求項5の1項に記載のホログラム記録装置。
- レーザ光源からの光ビームに基づき発生される参照光をホログラム記録媒体に照射することによって前記ホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置であって、
前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光に空間変調を施す空間光変調器と、
前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、
前記拡大した共役像の形成面に配置され、位相変調を施された参照光を得る位相変調素子と、
を具備するホログラム再生装置。 - 前記位相素子は、前記空間光変調器の変調単位に対して前記所定倍率である変調単位の位相変調を施すことを特徴とする請求項11に記載のホログラム再生装置。
- 前記リレー光学系は、同一のNAを有し、焦点距離が異なる2つの凸レンズで構成されることを特徴とする請求項11に記載のホログラム再生装置。
- 前記リレー光学系は、凹レンズと凸レンズとで構成されることを特徴とする請求項11に記載のホログラム再生装置。
- レーザ光源からの光ビームに基づき発生される信号光と参照光とをホログラム記録媒体に照射することによって生じるホログラムを前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置または、前記参照光をホログラム記録媒体に照射することによって前記ホログラム記録媒体に形成されたホログラムに応じた再生信号を得て記録された情報を再生するホログラム再生装置に用いる光学装置であって、
前記レーザ光源からの前記光ビームを通過させて参照光または/および信号光に空間変調を施す空間光変調器と、
前記空間光変調器の光学的共役面に所定倍率の拡大した共役像を発生するリレー光学系と、
前記拡大した共役像の形成面に配置され、前記空間光変調器の変調単位に対して前記所定倍率とした変調単位の位相変調を施された参照光または/および信号光を得る位相変調素子と、
を具備する光学装置。 - 前記位相変調素子は、変調ピクセル間の光路長の差を利用して位相変調をおこなうことを特徴とする請求項15に記載の光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006004461A JP2007187775A (ja) | 2006-01-12 | 2006-01-12 | ホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006004461A JP2007187775A (ja) | 2006-01-12 | 2006-01-12 | ホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007187775A true JP2007187775A (ja) | 2007-07-26 |
Family
ID=38343002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006004461A Pending JP2007187775A (ja) | 2006-01-12 | 2006-01-12 | ホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007187775A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009048681A (ja) * | 2007-08-15 | 2009-03-05 | Sony Corp | ホログラム記録再生装置 |
EP2169674A1 (en) | 2008-09-08 | 2010-03-31 | Sony Corporation | Recording/playback apparatus, recording apparatus, playback apparatus, recording/playback method, recording method, and playback method |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001194626A (ja) * | 1990-09-21 | 2001-07-19 | Seiko Epson Corp | 光学装置 |
-
2006
- 2006-01-12 JP JP2006004461A patent/JP2007187775A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001194626A (ja) * | 1990-09-21 | 2001-07-19 | Seiko Epson Corp | 光学装置 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009048681A (ja) * | 2007-08-15 | 2009-03-05 | Sony Corp | ホログラム記録再生装置 |
EP2169674A1 (en) | 2008-09-08 | 2010-03-31 | Sony Corporation | Recording/playback apparatus, recording apparatus, playback apparatus, recording/playback method, recording method, and playback method |
CN101673561B (zh) * | 2008-09-08 | 2012-01-04 | 索尼株式会社 | 记录/再现设备、记录设备以及再现设备 |
US8189250B2 (en) | 2008-09-08 | 2012-05-29 | Sony Corporation | Recording/playback apparatus, recording apparatus, playback apparatus, recording/playback method, recording method, and playback method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4696890B2 (ja) | ホログラム記録方法及びホログラム記録装置 | |
JP4379402B2 (ja) | ホログラム記録再生装置および記録再生用光学装置 | |
JP2006276666A (ja) | ホログラム記録装置 | |
JP2006194969A (ja) | ホログラム記録再生装置 | |
US7952975B2 (en) | Optical reproduction device, optical recording/reproduction device, and optical reproduction method | |
JP4748043B2 (ja) | 光記録装置、光記録方法、記録媒体及び再生方法 | |
JPWO2004013706A1 (ja) | ホログラム記録再生方法及びホログラム記録再生装置 | |
JP2005322382A (ja) | ホログラム記録装置、およびホログラム記録方法 | |
JP4358602B2 (ja) | 多層ホログラフィック記録再生方法、多層ホログラフィックメモリ再生装置及び多層ホログラフィック記録再生装置 | |
JP2014098797A (ja) | ホログラム記録再生装置及び方法 | |
JP4479282B2 (ja) | 記録媒体キュアー方法及びホログラム記録装置 | |
US7876482B2 (en) | Method for wavelength mismatch compensation in a holographic storage system | |
JP2006220933A (ja) | ホログラフィを利用した光学的情報記録方法及び装置 | |
JP2019053793A (ja) | ホログラム再生方法およびホログラム再生装置 | |
JP2009020483A (ja) | ホログラム素子、ホログラム素子作製装置、ホログラム素子作製方法、偏向光学ユニット、情報記録装置および情報再生装置 | |
JP2007286621A5 (ja) | ||
JP2007187775A (ja) | ホログラム記録再生装置およびそれに用いる光学装置 | |
JP2005099324A (ja) | ホログラフィック記録方法、その装置及びホログラフィック記録再生装置 | |
JPWO2007096972A1 (ja) | ホログラフィック記録装置 | |
JP2006301465A (ja) | ホログラム記録再生装置 | |
JP2005165033A (ja) | ホログラム記録再生装置 | |
JP2006154603A (ja) | ホログラム記録装置 | |
JP2005352097A (ja) | ホログラム記録方法、ホログラム再生方法、ホログラム記録装置、ホログラム再生装置、及びホログラム記録媒体 | |
JP2008275817A (ja) | ホログラム記録装置 | |
JP2008175925A (ja) | 光情報記録再生装置および光記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110405 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111004 |