JPH077780Y2 - 箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、所謂ミラーを利用し、
収納物が収納部の収納容量より多く収納されたり、又は
収納物が縮小されて収納されたりするような錯覚を与え
て、目で楽しめる預金箱，鉛筆立箱，その他の収納箱な
ど、または置物などの種々様々の箱に関するものであ
る。

【０００２】

【考案の目的】本考案の目的は、視覚で楽しめる預金
箱，鉛筆立箱，その他の収納箱などの種々様々の箱を提
供することにある。

【０００３】

【考案の構成】上述の目的を達成するために、本考案
は、中空形状をなす不透明な箱本体内に、任意の角度に
折り曲げられた２つの平面からなる仕切板を配置して、
前記箱本体内の空間を２個に仕切り、その箱本体のう
ち、前記仕切板の大きい折曲角度側の面に対向する部分
であって、前記仕切板の折曲線から仕切板の２つの平面
に対してそれぞれ垂直に延長させた２つの延長面との交
線の間の部分に、光透過性の窓を設け、前記仕切板の前
記窓に対向する面上に光反射領域を配設し、前記箱本体
内の窓を持たない空間内に物を収納したりすることがで
きる開口を設け、前記光反射領域側にカムフラージュ体
を、その光反射領域の折曲線を覆うようにして設け、そ
のカムフラージュ体の下部に収納部を設け、その収納部
及び前記カムフラージュ体のうち少なくとも前記収納部
と前記箱本体内の窓を持たない空間と連通するように切
欠を設け、前記収納部及び前記カムフラージュ体のうち
少なくとも前記収納部に、前記収納部及び前記箱本体内
の窓を持たない空間内を透視することができる開口部を
設けたことを特徴とする。

【０００４】また、本考案は、開口部に収納部及び箱本
体内の窓を持たない空間内を縮小させて透視させる光学
体を配設したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本考案は、上記の構成により、箱本体内の空間
が仕切板で２個に仕切られ、その一方の窓を持たない空
間（以下、収納用空間と称する。）が前記仕切板で隠蔽
され、他方の窓を持つ空間（以下、疑似空間と称す
る。）においては、その疑似空間の内面及びその疑似空
間側のカムフラージュ体及び収納部の外面が光反射領域
（以下、ミラーと称する。）に反射して写し出されるの
で、そのミラーに写し出された疑似空間側の内面及びカ
ムフラージュ体及び収納部の外面が恰も前記疑似空間側
と前記仕切板を挟んで反対側の前記収納用空間側の内面
及びカムフラージュ体及び収納部の外面として見えるた
め、窓から箱本体内を一見すると、恰も仕切板がない中
空状の箱の中にカムフラージュ体及び収納部が存在する
かのように見える錯覚を与えることができる。その結
果、窓を経て開口部から収納部内を見ていて、開口から
収納用空間中に物を入れると、その物は、実際には収納
用空間中に収納されているのであるが、恰も収納部中に
収納されているかのように見える。しかも、前記収納用
空間の収納容量のほうが前記収納部の収納容量より大で
あるから、前記物が収納部の収納容量より多い容量収納
されているかのように見え、物をただ単に収納するだけ
ではなく、目で見て楽しむことができる。さらに、収納
箱以外に置物としても楽しむことができる。

【０００６】また、本考案は、開口部に縮小用光学体を
設けたので、この光学体を通して収納部中を見ると、収
納部中の物が恰も縮小されて収納されているかのように
見え、さらに目で見て楽しむことができる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案に係る箱の一実施例を添付部面
を参照して説明する。この例は貯金箱に使用した例につ
いて説明する。図において、１は中空形状の正四角柱形
状をなす箱本体で、この箱本体１は同一の大きさの正四
角形の天板１０および底板１１と、同一の大きさの長方
形の４枚の側板１２とからなる。前記天板１０および底
板１１および４枚の側板１２は不透明の合成樹脂で成形
する。前記４枚の側板１２のうち１枚の側板１２にその
側板１２より１廻り小さい長方形の開口部を設け、その
開口の縁の内側に光透過性の合成樹脂、すなわち透明な
合成樹脂で成形した長方形の窓板２を固定して窓２を形
成する。前記天板１０に、後述する収納用空間４と連通
する細長いコイン投入口１３を設ける。

【０００８】図において、３は不透明の合成樹脂で成形
した仕切板で、この仕切板３は長辺が前記箱本体１の側
板１２および２の長辺より若干（天板１０および底板１
１の厚さ分）小さく、かつ短辺が前記箱本体１の側板１
２の短辺の約２分のルート２の長方形の２枚の板を、例
えば９０°（２７０°）の角度に折り曲げてなる。すな
わち、この仕切板３は、９０°（２７０°）の角度に折
り曲げられた２つの長方形の平面からなる。この仕切板
３を前記箱本体１内に設置して、その箱本体１内の空間
を２個の空間に仕切る。すなわち、仕切板３の折曲線３
０を箱本体１の中心軸に合わせ、かつ仕切板３の左右両
側辺を箱本体１の背面側の２つの角部にそれぞれ合わ
せ、さらに仕切板３の大きい折曲角度（２７０°）側の
面を前記箱本体１の窓２に対向させて、仕切板３を箱本
体１内に設置する。この結果、箱本体１内の空間が仕切
板３で２個の空間、すなわち窓２を持たない空間（以
下、収納用空間と称する。）４と、窓２を持つ空間（以
下、疑似空間と称する。）４０とに仕切られることとな
る。

【０００９】前記仕切板３の折曲線３０の部分の下部に
切欠３１を設ける。この切欠３１は、その高さが前記仕
切板３の高さの約３分の１であり、その横が前記仕切板
３の横の約２分の１である大きさをなす。この結果、前
記仕切板３の切欠３１を介して、収納用空間４と疑似空
間４０、すなわち後述する収納部７内とが連通すること
となる。

【００１０】そして、前記箱本体１のうち、前記仕切板
３の大きい折曲角度（２７０°）側の面に対向する部分
（側板）であって、前記仕切板３の折曲線３０から仕切
板３の２つの平面に対してそれぞれ垂直に延長させた２
つの延長面３３との交線３４の間の部分（側板１２）
に、上述の窓２を設ける。ここで、上述の仕切板３の大
きい折曲角度は２７０°であり、かつ仕切板３の２つの
平面と２つの延長面３３とのなす角度はそれぞれ９０°
であり、この結果２つの延長面３３の間のなす角度は９
０°となる。一方、正四角形の中心角と辺との関係にお
いて、中心角９０°と１つの辺とは対応している。この
結果、前記２つの延長面３３のなす角度で、前記正四角
柱形状の箱本体１の中心角９０°と、前記正四角柱形状
の箱本体１の１枚の側板とは、対応することとなる。従
って、前記１枚の側板１２のその側板１２より１廻り小
さい開口部を窓２とすることは、上述の条件を十分に満
足するものであり、特に問題はない。すなわち、窓２が
２つの延長面３３の間より大きい場合、前記延長面３３
より外側の窓２より箱本体１内を見ると、窓２の外が後
述するミラー５に反射して見えてしまうので、本考案の
箱としては好ましくない。従って、窓２は２つの延長面
３３の間に設ける必要がある。

【００１１】図において、５は前記仕切板３の前記窓２
に対向する表面上に、ほぼ全域に配設した光反射領域、
所謂ミラーで、このミラー５は例えばフレキシブルな合
成樹脂製の薄板の表面にアルミ箔を接着（又はアルミを
蒸着）したものである。このミラー５を前記仕切板３の
前記窓２に対向する表面上に接着して（あるいは、別個
にして）重ねる。なお、この光反射領域は、前記仕切板
３の前記窓２に対向する表面に直接アルミ箔を接着した
り、またはアルミを蒸着したりしても良い。

【００１２】図において、６はカムフラージュ体であ
る。このカムフラージュ体６は、板形状で、しかも上辺
が大で、かつ下辺が小の正面から見て漏斗形状をなし、
さらに高さが前記箱本体１の高さの約３分の２である形
状をなす。また、前記カムフラージュ体６は、光不透過
性の材質、例えば合成樹脂等からなり、そのカムフラー
ジュ体６の背面の中央にＶ字形溝６０を上辺から下辺ま
で設ける。このカムフラージュ体６のＶ字形溝６０を、
前記仕切板３の折曲角度の大きい側、すなわちミラー５
側の折曲線３０に嵌合し、かつその折曲線３０を覆うよ
うにして固定する。また、このカムフラージュ体６の上
辺を前記箱本体１の天板１０の内面に当接させ、かつカ
ムフラージュ体６の下辺を前記仕切板３の切欠３１の上
縁に合わせる。

【００１３】図において、７は収納部である。この収納
部７は、光不透過性の材質からなり、高さ及び横が前記
仕切板３の切欠３１の高さ及び横とほぼ等しいか若干小
さい直方体の中空状の箱形状をなす。前記収納部７の後
部を前記仕切板３の切欠３１に挿入して、その収納部７
により前記切欠３１を閉塞すると共に、前記収納部７の
前部から後部にかけて前記疑似空間４０側に突出させ
て、この収納部７を箱本体１内に固定する。この結果、
前記収納部７は前記漏斗形のカムフラージュ体６の下部
に一体に設けらることとなる。そして、この収納部７内
と箱本体１の収納用空間４内とが、上述の仕切板３の切
欠３１を介して連通することとなる。前記収納部７の収
納用空間４側の背面板及び平面板に開口部を設ける。

【００１４】図において、８は前記収納部７の正面板に
設けた開口部である。この開口部８は前記収納部７の正
面板より１廻り小さい形状をなす。この開口部８を介し
て、前記窓２から前記収納部７内を透視することができ
る。８０は前記開口部８に固定した光学体としてのフレ
ネルレンズである。このフレネルレンズ８０は、前記収
納部７内及び収納用空間４内を縮小して見せるものであ
る。

【００１５】図において、９は受部である。この受部９
は、前記収納部７の後部の開口部の縁から一体に形成し
てなり、前記箱本体１の収納用空間４内に固定する。こ
の受部９は、高さが前記仕切板３の切欠３１や前記収納
部７の高さとほぼ等しいか若干小さく、かつ上から見て
ほぼ台形状の中空状の箱形状をなす。この受部９は、そ
の空間部が前記収納部７の空間部と連通し、かつその平
面板に切欠を前記収納部７の平面板の切欠と連続して設
ける。なお、この受部９は、フレネルレンズ８０を介し
て収納部７及び収納用空間４側の受部９内を見た際に、
その収納用空間４側の受部９内が恰も上述の直方体形状
の収納部７内の一部に見えるように、カムフラージュす
るものである。

【００１６】この実施例における本考案の箱（貯金箱）
は、中空正四角柱形状の箱本体１内の空間が仕切板３で
収納用空間４と疑似空間４０とに仕切られ、その一方の
収納用空間４が仕切板３で隠蔽されている。他方の疑似
空間４０においては、図６及び図７に示すように、Ｅ・
Ｐの位置から窓２を介して箱本体１内を見ると、その疑
似空間４０の内面及びカムフラージュ体６の外面及び収
納部７の外面がミラー５に反射して写し出される。この
ため、そのミラー５に写し出された疑似空間４０の内面
及びカムフラージュ体６の外面及び収納部７の外面が恰
も前記疑似空間４０と前記仕切板３を挟んで反対側の前
記収納用空間４の内面及びカムフラージュ体６の外面及
び収納部７の外面として見える。この結果、図２に示す
ように、窓２から箱本体１内を一見すると、恰も仕切板
３がない中空状の箱の中に漏斗形状のカムフラージュ体
６及び直方体形状の収納部７が存在するかのように錯覚
を与えることができる。その結果、窓２を経て開口部８
及びフレネルレンズ８０から収納部７内を見ていて、投
入口１３からコイン１４を箱本体１内に投入する。する
と、図３乃至図５に示すように、そのコイン１４は、実
際には箱本体１内の仕切板３により仕切られている収納
用空間４側の受部９に収容されているのであるが、恰も
収納部７中に収納されているかのように見える。特に、
この実施例においては、収納部７の開口部８に縮小用の
フレネルレンズ８０を設けたので、このフレネルレンズ
８０を通して収納部７中を見ると、収納部７中のコイン
１４が、恰も漏斗形状のカムフラージュ体６を通る間に
縮小されて収納部７内に収納されたかのように見え、コ
イン１４をただ単に収納するだけではなく、目で見て楽
しむことができる。また、収納箱以外に置物としても楽
しむことができる。

【００１７】なお、上述の実施例においては、収納部７
の開口部８に縮小用のフレネルレンズ８０を設けたもの
であるが、このフレネルレンズ８０を設けずに、開口部
８を素通しのままであっても良い。この場合、上述の実
施例と同様に、窓２を経て開口部８から収納部７内を見
ていて、投入口１３からコイン１４を箱本体１内に投入
すると、そのコイン１４は、実際には箱本体１内の仕切
板３により仕切られている収納用空間４側の受部９に収
容されているのであるが、恰も収納部７中に収納されて
いるかのように見える。しかも、前記収納用空間４の収
納容量のほうが前記収納部７の収納容量より大であるか
ら、前記コイン１４が収納部７の収納容量より多い容量
収納されているかのように見え、物をただ単に収納する
だけではなく、目で見て楽しむことができる。

【００１８】なお、上述の実施例において、カムフラー
ジュ体６は漏斗形状をなし、かつ収納部７は直方体形状
をなすものであるが、前記カムフラージュ体６及び収納
部７の形状は特に限定しない。例えば、カムフラージュ
体及び収納部を一体の壺形状となし、その壺形状の首部
をカムフラージュ体となし、かつ壺形状の底部を収納部
となしても良い。また、上述の実施例においては、収納
部７に開口部８を設けたものであるが、カムフラージュ
体６にも開口部を設けても良い。さらに、カムフラージ
ュ体６の空間部と収納用空間４と連通する切欠を設けて
も良い。さらにまた、上述の実施例において、箱本体１
の疑似空間４０の内面、カムフラージュ体６の外面、収
納部７の外面のうち、少なくとも何れか一に、模様、又
は装飾物、若しくは模様及び装飾物を施しても良い。こ
の場合、箱本体１内に配設した仕切板３およびミラー５
の縁をカムフラージュすることができ、また装飾効果を
高めることができる。なお、この実施例において、図面
では省略したが、収納用空間４を構成する箱本体１の一
部、例えば窓２を構成する側板２と対向する側板１２
（背面板）をロック機構（図示せず）を介して着脱可能
に構成すれば、収納用空間４に収納したコイン１４をそ
の収納用空間４から取り出すことができる。また、上述
の実施例において、図面では省略したが、収納用空間４
中に、コイン１４を投入口１３から収納用空間４に投入
すると作動するオルゴールなどを、内蔵すると、コイン
１４を投入する度にオルゴールが作動し、さらに耳でも
楽しむことができる。さらに、上述の実施例において
は、箱本体１の形状は、上述の中空正四角柱形状以外
に、多角形柱や円形柱や楕円形柱、または錐形や台形で
あっても良い。また、仕切板３の２つの平面のなす角度
は任意である。さらに、窓２は２つの延長面３３の間の
部分であれば、大きさ形状を特に限定しない。また、そ
の窓２は透明な板を用いずに開口状態のままでも良い。
ミラー５は仕切板３の前面に亘って設ける必要はない。

【００１９】

【考案の効果】以上から明らかなように、本考案の箱
は、窓を経て開口部から収納部内を見ていて、開口から
収納用空間中に物を入れると、その物は、実際には収納
用空間中に収納されているのであるが、恰も収納部中に
収納されているかのように見える。しかも、前記収納用
空間の収納容量のほうが前記収納部の収納容量より大で
あるから、前記物が収納部の収納容量より多い容量収納
されているかのように見え、物をただ単に収納するだけ
ではなく、目で見て楽しむことができる。さらに、収納
箱以外に置物としても楽しむことができる。

【００２０】また、本考案は、開口部に光学体を設けた
ので、この光学体を通して収納部中を見ると、収納部中
の物が恰も縮小されて収納されているかのように見え、
さらに目で見て楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示した分解斜視図

【図２】同じく正面図

【図３】図２におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図

【図４】図２におけるＩＶ−ＩＶ線断面図

【図５】図２におけるＶ−Ｖ線断面図

【図６】同じく本考案の一実施例の原理作用を示した説
明図

【図７】同じく本考案の一実施例の原理作用を示した説
明図であって、図６におけるＶＩＩ−ＶＩＩ線断面図

【符号の説明】

１…箱本体、１３…コイン投入口、２…窓、３…仕切
板、３０…折曲線、３１…切欠、３３…延長面、３４…
交線、４…収納用空間、４０…疑似空間、５…ミラー、
６…カムフラージュ体、７…収納部、８…開口部、８０
…フレネルレンズ、９…受部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空形状をなす不透明な箱本体と、 任意の角度に折り曲げられた２つの平面からなり、前記
   箱本体内に設置して、その箱本体内の空間を２個に仕切
   る仕切板と、 前記箱本体のうち、前記仕切板の大きい折曲角度側の面
   に対向する部分であって、前記仕切板の折曲線からその
   仕切板の２つの平面に対してそれぞれ垂直に延長させた
   ２つの延長面と交差する交線の間の部分に設けた光透過
   性の窓と、 前記仕切板の前記窓に対向する表面上に配設した光反射
   領域と、 前記箱本体内の窓を持たない空間に物を収納したりする
   ことができる開口と、 前記光反射領域側の折曲線を覆うようにして設けたカム
   フラージュ体と、 そのカムフラージュ体の下部に設けた収納部と、 その収納部及び前記カムフラージュ体のうち少なくとも
   前記収納部と前記箱本体内の窓を持たない空間とが連通
   するように設けた切欠と、 前記収納部及び前記カムフラージュ体のうち少なくとも
   前記収納部に設け、前記収納部及び前記箱本体内の窓を
   持たない空間内を透視することができる開口部と、 を備えたことを特徴とする箱。
2. 【請求項２】 開口部に収納部及び箱本体内の窓を持た
   ない空間内を縮小させて透視させる光学体を配設したこ
   とを特徴とする請求項１に記載の箱。