JPH077780U - トマト等の果菜自動選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない人数で効率よく箱詰め作業ができ、設
置にあまり場所をとらないようにする。 【構成】 果菜１を搬送する搬送体２の横に、同搬送体
２から排出される果菜１を規格別に収容する果菜受体３
が２以上配置されてなる果菜自動選別装置において、各
果菜受体３に果菜送出口４を設け、これら果菜受体３の
横にはそれらの配列方向に沿って往復走行可能で且つ果
菜受体３から送出される果菜１を搬送可能な往復搬送体
５を配置する。前記果菜受体３に、その内部の果菜１を
果菜送出口４側に移動させるための振動付加装置６を取
り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トマト等の果菜を大きさ（サイズ）別、重量別などに自動的に選別 してより分ける果菜自動選別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりトマト等の果菜を大きさ、重量等の規格に基づいて自動的に選別する 装置はあった。この選別装置は図４に示すように、平行な２本のチェーンＡ間に 果菜Ｂを１つ１つ載せて運搬するコンテナＣが多数取り付けられ、これらコンテ ナＣが図示されていない駆動源でチェーンＡを駆動させることにより図中の矢印 Ｘ方向に移動可能となっている。

【０００３】 前記コンテナＣは、２本のチェーンＡの間に連結固定された移動台Ｄと、その 上に取り付けられてトマトやりんご等の果菜Ｂを載せることができるようにした 秤量バケットＥとから構成され、同秤量バケットＥは移動台Ｄの上部に横方向（ 図中の矢印Ｔ方向）に傾斜自在になっている。

【０００４】 前記コンテナＣが移動する移動路の途中には、移動路の下側に配置されてその 上を通過するコンテナＣの上の果菜Ｂの重量を測定する電子天秤Ｈと、その先の 移動路の下側に配置されてその上を通過するコンテナＣの秤量バケットＥを横方 向に傾斜させるバケット駆動装置Ｊと、傾斜した秤量バケットＥから果菜Ｂを受 け取る果菜受体Ｇとが備え付けられている。前記果菜受体Ｇは仕切板Ｎによって Ｓ、Ｍ、Ｌ、ＬＬの順にサイズ別に区分けされている。

【０００５】 そして各コンテナＣの秤量バケットＥに果菜Ｂを１個づつ手で載せ、コンテナ ＣをチェーンＡにより図中の矢印Ｘ方向にゆっくりと移動させると、コンテナＣ に載せられた果菜Ｂが次々と電子天秤Ｈによって重量測定される。そして各コン テナＣの位置とその各コンテナＣに載っている果菜Ｂの重量データとが図示され ていない制御装置によって管理され、また同制御装置によって前記の測定された 重量データと予め同制御装置にセットされている選別のための重量データとが比 較され、その結果を基に前記制御装置がバケット駆動装置Ｊを作動させて、コン テナＣを傾斜させ、その上の果菜Ｂをその重さ（サイズ）と対応した果菜受体Ｇ のＳ、Ｍ、Ｌ、ＬＬのいずれかの規格に選別しながら落としていくものである。

【０００６】 この果菜選別装置では、サイズ別に区分けされている果菜受体Ｇの手前側に一 人づつ作業員が立ち、夫々の果菜受体Ｇに落ちてくる果菜Ｂを１個づつ手で取っ て用意されている箱に詰める。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

図４に示した果菜自動選別装置は大変に優れた装置であるが、選別する果菜Ｂ が一部の規格だけが多い場合には次のような問題があった。

【０００８】 多い規格の果菜受体Ｇに果菜Ｂが集中してしまい、その果菜Ｂを箱詰めする作 業員だけが集中して忙しくなる。このような状況は作業員にとって好ましい状態 でないばかりか、あまり集中度が激しい場合は箱詰め作業が間に合わなくなり、 ラインの選別スピードを落とさなければならず、箱詰め作業の能率が低下する虞 もある。

【０００９】 この問題を解決するため従来は図５に示すように、数が集中する箇所の果菜受 体Ｇを他の箇所の果菜受体Ｇより長くし、その長くした果菜受体Ｇの所に箱詰め 作業員Ｑを複数人配置して箱詰めしている。この場合、その長い果菜受体Ｇに集 中的に多くの作業員Ｑを配置しなければならず、その様にすると他の箇所が手薄 になり、箱詰めが大変であった。この問題を解決するためにはより多数の作業員 が必要となる。また、選別能力並びに箱詰め能力を上げるために、同じ果菜自動 選別装置を同図に仮想線で示すように２機以上横に並べて配置すると、かなり広 い設置スペース（作業場）が必要となるという問題があった。

【００１０】 本考案の目的は、少ない人数で効率よく箱詰め作業ができ、設置にあまり場所 をとらないトマト等の果菜自動選別装置を提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案のうち請求項１のトマト等の果菜自動選別装置は図１、２に示すように 、トマト等の果菜１を搬送する搬送体２の横に、同搬送体２から排出される果菜 １を規格別に収容する果菜受体３が２以上配置されてなる果菜自動選別装置にお いて、前記の各果菜受体３に果菜送出口４を設け、これら果菜受体３の横にはそ れらの配列方向に沿って往復走行可能で且つ果菜受体３から送出される果菜１を 搬送可能な往復搬送体５を配置してなることを特徴とするものである。

【００１２】 本考案のうち請求項２のトマト等の果菜自動選別装置は、前記果菜受体３に、 その内部の果菜１を果菜送出口４側に移動させるための振動付加装置６を取り付 けたことを特徴とするものである。

【００１３】

【作用】

本考案のうち請求項１のトマト等の果菜自動選別装置では、果菜受体３毎にそ の中の果菜１を外に送り出すための果菜送出口４が設けられ、これら果菜受体３ の横にはそれらの配列方向に沿って往復走行可能で且つ果菜受体３から送出され る果菜１を搬送可能な往復搬送体５が設けられている。このため、例えば果菜１ が同じ規格のものを数多く含んでいて、その規格の果菜受体３に果菜１が集中し 、同果菜受体３での箱詰め作業が間に合わなくなる場合には、その果菜受体３の 果菜送出口４から果菜１を往復搬送体５へと移し替え、同往復搬送体５を果菜１ の集中していない方の果菜受体３側に移動させれば、そちら側でも箱詰め作業を 行うことができる。従って、特定の作業員だけに箱詰め作業の負担が集中すると か、その他の作業員が暇を持て余すとかいった作業の無駄をなくすことができ、 効率的な箱詰め作業が行える。

【００１４】 本考案のうち請求項２のトマト等の果菜自動選別装置では、前記果菜受体３に 、その内部の果菜１を果菜送出口４側に移動させるための振動付加装置６が取り 付けられているため、果菜受体３にある果菜１がスムーズに果菜送出口４に移動 させられ、往復搬送体５への果菜１の移し替えがスムーズになる。

【００１５】

【実施例１】 本考案のトマト等の果菜自動選別装置の第一の実施例を図１に示す。 同図に示す１はトマト等の果菜である。

【００１６】 同図に示す２は果菜１を一つづつ載せて搬送する搬送体である。同搬送体２は ２本のチェーン１０の間に連結固定された移動台１１と、その上に取り付けられ て果菜１を載せることができるようにした秤量バケット１２とから構成され、同 秤量バケット１２は移動台１１の上部に移動方向横向き（図中の矢印Ｔ方向）に 傾斜自在になっている。なお、秤量バケット１２は予めその重量が正確に測定さ れており、どれも皆同じ重量になっている。

【００１７】 前記搬送体２が移動する移動路の途中には、移動路の下側に配置されてその上 を通過する搬送体２の上の果菜１の重量を測定する電子天秤１３と、その先の移 動路の下側に配置されてその上を通過する搬送体２の秤量バケット１２を傾斜さ せるバケット駆動装置１４と、同バケット駆動装置１４により傾斜させられた秤 量バケット１２より転げ落ちる果菜１を受け取る果菜受体３とが取り付けられて いる。この果菜受体３は搬送体２の移動路の横に同移動路に沿って選別する規格 （Ｓ、Ｍ、Ｌ、ＬＬ）毎に複数取り付けられている。

【００１８】 前記電子天秤１３は、その上を通過する搬送体２の上の果菜１の重量を秤量バ ケット１２ごと測定することができるようになっており、測定した重量から前記 秤量バケット１２の重量を引くことで果菜１の正確な重量が求められるようにな っている。

【００１９】 前記バケット駆動装置１４は、その上を通過する搬送体２の秤量バケット１２ を下から押して傾斜させる（図示されていない）プッシュロッドを搬送体２の移 動路に沿って複数本備えており、任意のプッシュロッドを上方に突出させること により各搬送体２上の果菜１を前記果菜受体３の希望する場所に落とすことがで きるようになっている。

【００２０】 前記果菜受体３はその表面がなだらかに傾斜しており、前記搬送体２からこの 果菜受体３に果菜１が落とされると、同果菜１が果菜受体３の表面を滑りながら 下側の縁板１７のところに溜るようになっている。この縁板１７は図示されてい ないスイッチを操作することにより図示されたように開閉させることができ、開 口した部分（果菜送出口４）から果菜１を滑落させて排出させることができるよ うになっている。

【００２１】 前記果菜受体３の下側には同果菜受体３を振動させてその上に載っている果菜 １を縁板１７側に滑り落とさせる振動付加装置６を設けてある。同振動付加装置 ６は図示されていないボリューム等により振幅、振動数等を任意に調整すること ができるようになっており、例えば果菜１が濡れて同果菜１が果菜受体３を滑り 落ちにくくなっている時に作動させると便利である。

【００２２】 前記果菜受体３の果菜送出口４側には各果菜送出口４を連絡するようにベルト コンベア（往復搬送体）５が配置されている。このベルトコンベア５は図示され ていない操作スイッチにより図中の矢印ａ方向に回転させたり、矢印ｂ方向に回 転させたり、停止させたりすることができるようになっている。

【００２３】 この果菜自動選別装置では、各搬送体２の秤量バケット１２に果菜１を１個づ つ手で載せ、搬送体２をチェーン１０により図中の矢印Ｘ方向にゆっくりと移動 させると、搬送体２に載せられた果菜１が次々と電子天秤１３によって重量測定 され、そして各搬送体２の位置と各搬送体２に載っている果菜１の重量データと が図示されていない制御装置によって管理され、また同制御装置によって前記の 測定された重量データと予め同制御装置にセットされているサイズ別の重量デー タとが比較され、その結果を基に前記制御装置がバケット駆動装置１４を作動さ せて、搬送体２の秤量バケット１２を傾斜させ、その上の果菜１をその重さ（サ イズ）と対応した果菜受体３のＳ、Ｍ、Ｌ、ＬＬのいずれかの規格に選別しなが ら振り分けていく。

【００２４】 またこの果菜自動選別装置では、各果菜受体３の手前側に作業員が立ち、夫々 の果菜受体３に落ちてくる果菜１を１個づつ手で取って用意されている箱に詰め 。この箱詰めの際、特定の果菜受体３に果菜１が集中して落とされ、その果菜受 体３での箱詰め作業が間に合わなくなる場合には、その果菜受体３の果菜送出口 ４の縁板１７を開かせ、中にある果菜１を往復搬送体５へと移し替え、同往復搬 送体５を果菜１の集中していない方の果菜受体３側（手のあいている作業員の方 に）に移動させれば、そちら側でも箱詰め作業を行うことができる。

【００２５】 この果菜自動選別装置では、果菜受体３の横にそれらの配列方向に沿ってベル トコンベア５が１本配置されるだけなので、例えば図３に示すように搬送体２が 果菜１を搬送する搬送ライン２５を４列にし、また内側の２本の搬送ライン２５ を外側の２本の搬送ライン２５より長くして、各搬送ライン２５の横にサイズ別 に２Ｌ、２Ｌ、Ｍ、Ｍ、２０Ｌ、Ｌ、Ｌ、３Ｌ、Ｓと９つの果菜受体３を配置し 、果菜受体３の横にはその配列方向に沿って往復自在なベルトコンベア５を配置 しても装置の横幅がさほど広くならない。

【００２６】 なお、果菜受体３がサイズ別に２Ｌ、２Ｌ、Ｍ、Ｍ、２０Ｌ、Ｌ、Ｌ、３Ｌ、 Ｓ、或はＳ、３Ｌ、Ｌ、Ｌ、２０Ｌ、Ｍ、Ｍ、２Ｌ、２Ｌと分けたために、果菜 １（トマト）の効率的な選別、箱詰め作業が行えるようになっている。また、ベ ルトコンベア５は１本で９つの果菜受体３をカバーしようとすると全作業員が同 コンベア５上の果菜１の状態を把握することができなくなる虞もあるので、２Ｌ 、２Ｌ、Ｍ、Ｍ（或はＳ、３Ｌ、Ｌ、Ｌ）に対して１本、Ｌ、Ｌ、３Ｌ、Ｓ（或 はＭ、Ｍ、２Ｌ、２Ｌ）に対して１本と、２本に分ける構成とした。

【００２７】 また前記した４列の搬送ライン２５で構成される果菜自動選別装置をさらに横 に２列並べると、更に大量の果菜１を選別、箱詰めできるようになる。しかもこ の場合、各果菜自動選別装置の横幅はあまり広くないので、比較的狭い場所でも 問題なく設置することができる。

【００２８】 この他本考案のトマト等の果菜自動選別装置は図２に示すような構成にしても 良い。この果菜自動選別装置は本件出願人が先に考案して出願した自動選別装置 （実願平４−３９１８２）の選別用の果菜受体３に図１の果菜受体３と同じ様に スイッチで開閉自在な縁板１７を設けて果菜送出口４を形成し、果菜送出口４側 には各果菜送出口４を連絡するようにベルトコンベア（往復搬送体）５を配置す る。このベルトコンベア５も図示されていない操作スイッチにより図中の矢印ａ 方向に回転させたり、矢印ｂ方向に回転させたり、停止させたりすることができ るようになっている。

【００２９】 なお、図２における１はトマト等の果菜、２はベルトコンベア式の搬送体、３ ０は搬送される果菜１の大きさを測定する測定器であり、各搬送体２に果菜１を １個づつ手で載せ、搬送体２をチェーン１０により図中の矢印Ｘ方向にゆっくり と移動させると、搬送体２に載せられた果菜１の大きさが次々と測定器３０によ って測定され、そして各搬送体２の位置とその搬送体２が載せている果菜１の大 きさのデータとが図示されていない制御装置によって管理され、また同制御装置 によって前記測定された大きさのデータと予め同制御装置にセットされているサ イズ別の大きさのデータとが比較され、その結果を基に前記制御装置が任意の搬 送体２のコンベアを任意の所で図中の矢印ｃ方向回転させて果菜１をその重さ（ サイズ）と対応した果菜受体３にＳ、Ｍ、Ｌ、ＬＬと分別しながら振り分けてい くものである。

【００３０】

【考案の効果】

本考案のトマト等の果菜自動選別装置を使用すれば、少ない人数で効率よく箱 詰め作業をできるようになり、また装置自体の幅も広くないので狭いスペースで も複数果菜自動選別装置を横並べして設置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のトマト等の果菜自動選別装置の一実施
例を示す斜視図。

【図２】本考案のトマト等の果菜自動選別装置の他の実
施例を示す斜視図。

【図３】図１のトマト等の果菜自動選別装置の応用例を
示した説明図。

【図４】従来のトマト等の果菜自動選別装置の一例を示
す斜視図。

【図５】図４の果菜自動選別装置における問題点を説明
する平面図。

【符号の説明】

１ 果菜 ２ 搬送体 ３ 果菜受体 ４ 果菜送出口 ５ 往復搬送体 ６ 振動付加装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トマト等の果菜（１）を搬送する搬送体
   （２）の横に、同搬送体（２）から排出される果菜
   （１）を規格別に収容する果菜受体（３）が２以上配置
   されてなる果菜自動選別装置において、前記の各果菜受
   体（３）に果菜送出口（４）を設け、これら果菜受体
   （３）の横にはそれらの配列方向に沿って往復走行可能
   で且つ果菜受体（３）から送出される果菜（１）を搬送
   可能な往復搬送体（５）を配置してなることを特徴とす
   るトマト等の果菜自動選別装置。
2. 【請求項２】 前記果菜受体（３）に、その内部の果菜
   （１）を果菜送出口（４）側に移動させるための振動付
   加装置（６）を取り付けたことを特徴とする請求項１の
   トマト等の果菜自動選別装置。