JPH077683Y2 - 耕耘カバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、耕耘ロータリにおける耕耘カバー装置に関す
るものである。

従来の技術 従来、耕耘ロータリにおいては、作業中における土の飛
散を防止し、あるいは、土を飛ばす方向を制御するため
の耕耘カバー装置が設けられている。ここで、耕耘カバ
ー装置は、耕耘ロータリのロータリ部の上方を覆う上面
カバーと、上面カバーの外方端部に回動自在に連結され
た側面カバーとにより構成されている。

また、側面カバーは上下方向回動自在、及び、任意の回
動位置で固定自在に取付けられていることが一般的であ
り、例えば、実開昭63-101002号公報に記載されたよう
に菊座が用いられている。

考案が解決しようとする課題 菊座により取付けられた側面カバーの取付け角度は、菊
座の山と谷との噛み合いにより決定されるため、取付け
角度を微妙に調節することができない。

また、取付け角度を調節する場合には、菊座の締付け部
材を操作することにより菊座の山と谷との噛み合いを解
除し、ついで、側板を回動させ、ついで、菊座の締付け
部材を操作して菊座の山と谷とを噛み合わせなければな
らず、取付け角度の調節に手間がかかっている。

課題を解決するための手段 耕耘ロータリのロータリ部の上方を覆う上面カバーの外
方端部に側面カバーを回動自在に連結した耕耘カバー装
置における前記上面カバーと前記側面カバーとの連結部
において、前記上面カバーにプレートを固定するととも
にこのプレートに対向するプレートを前記側面カバーに
固定し、前記プレート同士の間に摩擦板を配設し、一方
の前記プレートを他方の前記プレートに向けて付勢する
付勢機構を設けた。

作用 側面カバーに固定されたプレートと上面カバーに固定さ
れたプレートとが付勢機構によって摩擦板に圧接され、
上面カバーに対する側面カバーの取付け角度が固定され
ている。側面カバーに回動方向の力を加えて回動させる
と、その回動した位置において側面カバーに固定された
プレートと上面カバーに固定されたプレートとが付勢機
構によって摩擦板に圧接され、側面カバーは回動した位
置で固定される。

実施例 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。移動農機
１のシャーシ２の前部にはエンジン３が搭載され、シャ
ーシ２の後部にはミッションケース４が固定されてい
る。また、前記移動農機１の後部には耕耘ロータリ５が
連結されている。

前記耕耘ロータリ５には、前記エンジン３からの動力が
伝達される作業用のミッションケース６が設けられてお
り、ミッションケース６の下部には耕耘軸７が設けられ
ている。そして、この耕耘軸７には、多数の耕耘爪（図
示せず）を配設したロータリ部８が取付けられている。

前後方向に延出する前記耕耘ロータリ５のフレーム９に
は前記ロータリ部８の上方を覆う上面カバー10が取付け
られている。前記上面カバー10の外方端部には、前方側
に位置するパイプ11と後方側に位置するパイプ12とがそ
れぞれ溶接されており、これらのパイプ11,12はともに
前後方向の軸心を有するとともに同一軸心上に配設され
ている。前方に位置する前記パイプ11にはボルト13が螺
合されるネジ14が切られており、後方に位置する前記パ
イプ12の前端部には円板状のプレート15が溶接されてい
る。

つぎに、前記上面カバー10の外方端部に取付けられる側
面カバー16が設けられており、この側面カバー16の取付
側の縁部中央には前後方向の軸心を有するパイプ17が溶
接されている。前記パイプ17の後端部には円板状のプレ
ート18が固定されている。そして、前記パイプ11,12の
間に前記パイプ17を位置させるとともにこれらのパイプ
11,12,17が同一軸心上に位置するように前記側面カバー
16を位置させ、前記パイプ11,12,17内にシャフト19を挿
入することにより前記側面カバー16の取付けが行われて
いる。

ここで、前記プレート15,18同士が対向され、これらの
プレート1,18同士の間には摩擦板20が配設されている。
なお、これらのプレート5,18及び摩擦板20の中央部には
前記シャフト19が挿通される挿通穴21が形成されてい
る。また、前記シャフト19はスプリングピン22によって
前記パイプ17に固定されている。さらに、前記パイプ11
内には一端を前記ボルト13の端面に当接させるとともに
他端を前記シャフト19の一端に当接させて前記シャフト
19を後方に向けて付勢するスプリング23が挿入されてお
り、前記ボルト13はロックナット24によりロックされて
いる。そして、これらのシャフト19、スプリングイン2
3、パイプ17、スプリング等により前記プレート18を前
記プレート15に向けて付勢する付勢機構25が構成されて
いる。

このような構成において、側面カバー16はパイプ17及び
シャフト19とともにシャフト19の軸心回りに回動自在で
あり、回動することによって上面カバー10に対する取付
け角度が変化する。一方、スプリング23の付勢力によっ
てシャフト19が後方に向けて付勢されており、スプリン
グピン22によりシャフト19に固定されたパイプ17及びパ
イプ17に溶接された側面カバー16も同様に後方に付勢さ
れている。そして、プレート18が摩擦板20を介してプレ
ート15に圧接されており、プレート18と摩擦板20との間
の摩擦力、及び、摩擦板20とプレート15との間の摩擦力
によって側面カバー16は回動操作した位置で固定されて
いる。

ここで、第３図に示すように、側面カバー16自体の重量
と側面カバー16に付着した土の重量との合計重量を“W"
とし、シャフト19から合計重量“W"の重心までの距離を
“l"とすると、側面カバー16をシャフト19の軸心回りに
回動させようとするモーメントは側面カバー16が水平状
態のときに最大となり、その値は“Wl"となる。一方、
プレート15,18間の圧縮力を“F"、プレート15,18の面積
を“A"、その間の摩擦係数を“μ”とすると、側面カバ
ー16の回動を阻止しようとする力は“FAμ”で表され
る。従って、“Wl＜FAμ”となるように圧縮力“F"、面
積“A"、摩擦係数“μ”を設定することにより、側面カ
バー16は上面カバー10に対して任意の角度で固定され
る。

つぎに、側面カバー16の取付け角度を変更する場合は、
側面カバー16を回動させる方向にそって、“Wl＋Ｐ＞FA
μ”となるような外力“P"を加える。これにより、側面
カバー16はシャフト19の軸心回りに回動し、任意の角度
に変更される。

考案の効果 本考案は、上述のように上面カバーの外方端部に側面カ
バーを回動自在に連結し、上面カバーに固定したプレー
トと側面カバーに固定したプレートとの間に摩擦板を配
設し、一方のプレートを他方のプレートに向けて付勢す
る付勢機構を設けたことにより、プレートと摩擦板との
間の摩擦力によって側面カバーを任意の取付け角度で固
定することができ、従って、側面カバーの取付け角度の
微調節を行って最も作業に適した状態に維持することが
でき、さらに、取付け角度を変更する場合には回動させ
る方向に向けて側面カバーを押すだけでよく、取付け角
度の変更を手間をかけず簡単に行うことができる等の効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は耕耘カ
バー装置の一部を断面にして示す平面図、第２図は移動
農機及び耕耘ロータリの全体を示す側面図、第３図は耕
耘カバー装置の一部を示す背面図である。 ５……耕耘ロータリ、８……ロータリ部、10……上面カ
バー、15……プレート、16……側面カバー、18……プレ
ート、20……摩擦板、25……付勢機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】耕耘ロータリのロータリ部の上方を覆う上
   面カバーの外方端部に側面カバーを回動自在に連結した
   耕耘カバー装置における前記上面カバーと前記側面カバ
   ーとの連結部において、前記上面カバーにプレートを固
   定するとともにこのプレートに対向するプレートを前記
   側面カバーに固定し、前記プレート同士の間に摩擦板を
   配設し、一方の前記プレートを他方の前記プレートに向
   けて付勢する付勢機構を設けたこと特徴とする耕耘カバ
   ー装置。