JPH0137896Y2

JPH0137896Y2 -

Info

Publication number: JPH0137896Y2
Application number: JP1983132298U
Authority: JP
Priority date: 1983-08-29
Filing date: 1983-08-29
Publication date: 1989-11-14
Also published as: JPS6042565U

Description

【考案の詳細な説明】〈技術分野〉本考案は、組付部品に締付ボルト、ナツト等を
締付けるナツトランナに関するものである。

〈従来技術〉ナツトランナを用いたボルト、ナツトの締結時
に六角ソケツトとボルト、ナツトの六角頭とが喰
い着き、締結終了後にソケツトを六角頭から引き
離せないことがしばしば発生している。これは、
六角ソケツト穴と六角頭とには隙間があり、この
ため両者は面接触はなく線接触となつて両者の隙
間が大きい程影響も大で楔状に喰い込み、局部的
な弾性変形を伴つて密着するからである。従つ
て、ナツトランナを僅かでも逆転させない限りソ
ケツトを軸方向に引き離すことができない。そね
ため、従来では逆転切替装置を備えたものがあ
る。

〈考案が解決しようとする課題〉しか、従来のように逆転切替装置を備えたもの
では、逆転切替装置の設備は勿論のこと、逆転角
度を喰い着きが解除されるに必要限度で設定させ
なければ締付けたボルト、ナツトが緩むことにな
る。また逆転動作も要するので、それだけ締付け
作業の能率に影響を及ぼす問題がある。

〈課題を解決するための手段〉本考案は上記した問題を解決するためのもの
で、ソケツトをソケツト支持体に回転並びに軸線
方向に摺動可能に装着し、前記ソケツト又はソケ
ツト支持体の一方にソケツト支持体の回転軸線に
対し後端が前記ボルト、ナツト等を締付ける回転
方向に傾斜したリード溝を設け、他方にリード溝
に係合し、ソケツトの前進位置を規制する係合ピ
ンをソケツト支持体の軸線と交差する軸線方向で
植設し、前記ソケツトの後端面に当接しソケツト
の後退位置を調整する調整ナツトを前記ソケツト
支持体に螺合したものである。

〈作用〉ボルト、ナツトとソケツトの喰い着き状態によ
つて、調整ナツトを回してソケツトの後退位置を
調整する。こののち、ボルト、ナツトとソケツト
を引き離すべくソケツト支持体を上昇させると、
ソケツトとソケツト支持体が軸線方向に相対移動
する。ソケツトは、調整ナツトに当接する後退位
置から係合ピンがリード溝に当接する前進端まで
調整ナツトによつて設定された距離だけ移動し、
これによつて係合ピンとリード溝が所定量相対移
動してソケツトが逆回転し、ボルト、ナツトとソ
ケツトの喰い着きが解除される。

〈実施例〉以下本考案の実施例について図面により説明す
る。第１図において、１はナツトランナ本体、２
は図略の駆動モータに連結している駆動軸であ
る。この駆動軸２の先端に第３図で明らかなよう
に角断面の係合軸部４が設けられ、この係合軸部
４に円軸のソケツト支持体３を嵌合して連結ピン
５により回転伝達状態で一体的に結合されてい
る。

さらに、前記ソケツト支持体３に六角穴７を先
端に有する筒状のソケツト６が回転並びに軸線方
向に摺動可能に装着されている。このソケツト６
にはソケツト支持体３の回転軸線に対し、後端が
ボルト、ナツトを締付ける方向、すなわち正回転
方向に傾斜したリード溝８が形成され、前記駆動
軸２と一体をなすソケツト保持体３に、駆動軸２
の軸線と交差する軸線方向で植設した係合ピン９
が前記リード溝８に係合したものである。尚１３
は前記係合ピン９の固定ねじを示す。

また、前記ソケツト保持体３の外周の一部には
ねじ１０を刻設し、これにソケツト６の後端面が
当接する調整ナツト１１と、この調整ナツト１１
をロツクするロツクナツト１２が螺合されてい
る。

本考案は上記の通りの構造であるから、駆動軸
２の回転は一体回転するソケツト保持体３から係
合ピン９及びリード溝８を介してソケツト６に伝
達され、六角穴７に係合するボルト、ナツトに締
付トルクを付与する。このボルト、ナツトの締付
時にはソケツト支持体３とソケツト６とは軸線方
向で相対移動され、ソケツト６は後退移動し係合
ピン９はリード溝８の先端部に位置している。従
つて、ボルト、ナツトの締結終了後にソケツト６
をボルト、ナツトから引き離す際に、ボルト、ナ
ツトに喰い着いているソケツト６とソケツト保持
体３とは軸線方向に相対移動する。このソケツト
保持体３の相対移動により係合ピン９はリード溝
８の傾斜面に衝当し、この衝撃と共にリード溝８
の傾斜面によつてソケツト６を逆回転の作用が働
き、ソケツト６の喰い着きを解除するのである。

ソケツト保持体３に螺合している調整ナツト１
１は、駆動軸２の軸動による前記ソケツト６の逆
回転角を調整するものである。すなわち、ソケツ
ト６をボルト、ナツトに係合して締結する際のソ
ケツト保持体３とソケツト６との軸線方向の相対
変位量は、ソケツト６の後端面が調整ナツト１１
に当接することによつて定まり、その相対変位量
に基いて、ソケツト引き離しの際の係合ピン９と
リード溝８とによる逆回転角が定められる。従つ
て、調整ナツト１１を前進、後退調整することに
より前記相対変位量が小、大と変更し、逆回転角
が小、大と調整されるのである。なお上記実施例
ではソケツト支持体３に係合ピン９を植設し、ソ
ケツト６にリード溝８を形成したが、これに限ら
れるものでなく、ソケツト支持体３にリード溝８
を形成し、ソケツト６に係合ピン９を植設しても
よい。

〈効果〉以上のように本考案は、ソケツトとソケツト支
持体をボルト、ナツトの締付け方向に傾斜したリ
ード溝と係合ピンで係合したので、ソケツト支持
体をソケツトに対して上昇させる動作でもつてソ
ケツトに逆回転が与えられ、ソケツトとボルト、
ナツトの喰い着きの解除を簡単な構成でしかも短
時間で行える利点がある。また、ソケツトの後端
面に当接しソケツトの後退位置を調整する調整ナ
ツトを前記ソケツト支持体に螺合したことによ
り、係合ピンがリード溝内を移動する移動量、す
なわち逆転角度が調整できるため、ソケツトとボ
ルト、ナツトの喰い着き状態に応じて喰い着きを
解除するのに必要な最小の逆転角度に設定するこ
とができ、締結したボルト、ナツトを緩めること
なくソケツトとボルト、ナツトの喰い着きを解除
することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部断面正面図、第２図はソ
ケツトの側面図、第３図は第１図−線断面図
である。１……ナツトランナ本体、２……駆動軸、３…
…ソケツト支持体、６……ソケツト、８……リー
ド溝、９……係合ピン、１１……調整ナツト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ボルト、ナツト等に係合するソケツトを備えた
ナツトランナにおいて、前記ソケツトをソケツト
支持体に回転並びに軸線方向に摺動可能に装着
し、前記ソケツト又はソケツト支持体の一方にソ
ケツト支持体の回転軸線に対し後端が前記ボル
ト、ナツト等を締付ける回転方向に傾斜したリー
ド溝を設け、他方にリード溝に係合し、ソケツト
の前進位置を規制する係合ピンをソケツト支持体
の軸線と交差する軸線方向で植設し、前記ソケツ
トの後端面に当接しソケツトの後退位置を調整す
る調整ナツトを前記ソケツト支持体に螺合したこ
とを特徴とするナツトランナ。