JPH0776750A - 超硬合金及びその製造方法 - Google Patents

超硬合金及びその製造方法

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JPH0776750A
JPH0776750A JP5224824A JP22482493A JPH0776750A JP H0776750 A JPH0776750 A JP H0776750A JP 5224824 A JP5224824 A JP 5224824A JP 22482493 A JP22482493 A JP 22482493A JP H0776750 A JPH0776750 A JP H0776750A
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JP
Japan
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cemented carbide
carbonitride
cutting
powder
carbide
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JP5224824A
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English (en)
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Shogo Inada
昭吾 稲田
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 靱性を低下させることなく、耐摩耗性、耐熱
性を向上させる。 【構成】 WC,Co粉末に、固溶体の(Ti,W)C
Nを添加する。更に、Taを炭化物、窒化物、炭窒化物
等の形で単独添加して、弱窒化雰囲気で焼結して、超硬
合金を得る。得られた超硬合金は、固溶体からなる(T
i,Ta,W)CN粒子中の各元素について、粒子中心
部の各濃度に対する周辺部の各濃度比率を、Taは10
0%を越えるようにし、Ti,W,C,Nはそれぞれ5
0〜150%の範囲内にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性と耐熱性に優
れていて、例えば切削工具等に用いて好適な超硬合金に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】超硬合金は、その優れた耐摩耗性と靱性
により、切削工具や耐摩耗工具等やその他の材料として
様々な産業分野で用いられている。例えば、一般に切削
工具等に用いられる超硬合金は、その用途の特性からし
て、耐摩耗性と靱性に加えて耐熱性(さらには耐溶着
性、耐酸化性)を兼ね備える必要がある。そのために、
その組成中にTiCやTaCが含有されている。しかし
ながら、TiCやTaCを含有することによって、超硬
合金の靱性が低下する傾向にある為に、炭窒化物を添加
して超硬合金の靱性を向上させる試みがなされている。
【0003】このような試みがなされた超硬合金の一例
として、特公昭56ー17423号公報に記載されたも
のがある。この超硬合金は、WC,炭窒化物及びFe族
金属を混合して、所望形状の圧粉体を真空焼結すること
により、スピノーダル分解を起こさせることで、Ti,
Hf,Nb,Ta,V及びNに富む相が、W,Mo,C
rに富むがNに乏しい相に包囲された構造を有する炭窒
化物を含有するものとなっている。この超硬合金は、炭
窒化物粒子の周辺部のNの量が少ないために結合材であ
るFe族元素との濡れ性が良く、そのために靱性が向上
するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な超硬合金で製造された切削工具は優れた切削性能を有
するが、近年ますます高速切削が要求されており、この
ような高度な切削条件のもとでは、耐摩耗性や耐熱性が
依然として不十分であった。なぜなら、この超硬合金
は、Ti,Hf,Nb,Ta,Vに富む相が炭窒化物粒
子の中心部にあるために、Ti,Hf,Nb,Ta,V
の持つ耐摩耗性や耐熱衝撃性を十分に発揮できない。し
かも、この超硬合金の炭窒化物粒子の周辺部は上述のよ
うにW,Mo,Crに富むがNに乏しい相で包囲されて
いるために、靱性には富むが、耐摩耗性や耐熱性に富む
特性を有するTiやTaの濃度が低いために、その耐摩
耗性や耐熱性が不十分であるという問題点があった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みて、靱性
を劣化させることなく優れた耐摩耗性や耐熱性を備えた
超硬合金を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は、
高速切削等にも耐え得る、耐摩耗性及び耐熱性に優れた
超硬合金を得ることについて鋭意研究努力した結果、次
のような知見を得るに至った。即ち、超硬合金の原料粉
末として、WC,Coに対して、炭化物、窒化物を固溶
体である炭窒化物(Ti,W)CNの形で添加し、これ
に加えてTaを炭化物、窒化物、炭窒化物等の形で単独
に、即ち固溶体でない物質として添加することとする。
そして、このような原料粉末を、弱窒化雰囲気で焼結す
ると、得られる炭窒化物粒子の周辺部に、Taが中心部
よりも富んだ相が形成されることになる。その結果とし
て、このようなTa富化相を周辺部に持つ炭窒化物粒子
を含有する超硬合金は、靱性を劣化させることなく、優
れた耐摩耗性と耐熱性を有するということを認識でき
た。
【0007】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものである。即ち、本発明による超硬合金は、WC,
Co及び有芯構造を持つTi,Ta,Wの炭窒化物固溶
体からなる組織を有する超硬合金において、(Ti,T
a,W)CNの粒子中の中心部に対する周辺部の濃度比
率が、Taは100%を越え、Ti,W,C,Nの各元
素は、それぞれ平均で50〜150%の範囲内にあるこ
とを特徴とするものである。
【0008】又、本発明による超硬合金の製造方法は、
WC,Co及び(Ti,W)CNの炭窒化物固溶体に、
Taを炭化物、窒化物又は炭窒化物等として(固溶体で
なく)単独で添加し、弱窒化雰囲気で焼結することで、
得られる超硬合金が、(Ti,Ta,W)CNの炭窒化
物を固溶体の形状で含むものとなり、しかもこの粒子中
の中心部に対する周辺部の濃度比率が、Taは100%
を越え、Ti,W,C,Nの各元素は、それぞれ平均で
50〜150%の範囲内にあるようにしたことを特徴と
するものである。
【0009】この場合、WC粉末の粒度は、通常切削用
超硬合金で使用されるWC粉末の粒度範囲でよく、好ま
しくは1.0〜5μmの範囲である。又、上述のTa
の、炭窒化物粒子中心部に対する周辺部の濃度比率が1
00%以下では、所望の耐摩耗性及び耐熱性の向上は認
められない。更に、上述のTi,W,C,Nの、炭窒化
物粒子中心部に対する周辺部の各濃度比率が、それぞれ
平均で50%未満では耐摩耗性及び耐熱性の向上は認め
られず、又それぞれ平均で150%を越えると靱性が低
下してしまうことになり、いずれも好ましくない。又、
本発明による超硬合金を製造するための焼結雰囲気とし
ては、弱窒化雰囲気が用いられ、窒化圧力は5〜100
torrに制御される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
本実施例においては、超硬合金の原料粉末として、平均
粒径3.0μmのWC粉末、平均粒径2.0μmの固溶
体である(Ti,W)CN粉末(その濃度比はwt%
で、WC/TiC/TiN=56/24/20とする。
これを粉末Aとする。)、同様に、平均粒径2.0μm
の固溶体である(Ti,W)CN粉末(その濃度比はw
t%で、WC/TiC/TiN=73/25/2とす
る。これを粉末Bとする。)、平均粒径2.0μmのT
aC粉末、平均粒径1.6μmのTaN粉末、平均粒径
1.8μmのTaCN粉末(その濃度比はwt%で、T
aC/TaN=80/20とする)、平均粒径1.8μ
mの(Ti,Ta,W)CN粉末(その濃度比はwt%
で、WC/TiC/TaC/TiN=42/25/31
/2とする)、平均粒径2.0μmの(W,Ti)C粉
末(その濃度比はwt%で、WC/TiC=70/30
とする)、平均粒径1.8μmの(Ti,Ta,W)C
粉末(その濃度比はwt%で、WC/TiC/TaC=
42/25/33とする)、そして平均粒径1.2μm
のCo粉末を用意した。
【0011】そして、これらの粉末から、表1における
本発明超硬合金1乃至9に示すように、各粉末の組成と
配合割合(wt%)をそれぞれ選択し、表2に示す焼結
条件でそれぞれ焼結し、本発明超硬合金1〜9を製造し
た。尚、表1の(Ti,W)CNの項でA,Bとあるの
は、それぞれ濃度比の異なる粉末A,Bの別を指す。
又、比較のために、上述の原料粉末を用いて、本発明の
配合組成条件から外れた表1に示すような配合組成を有
する超硬合金を比較超硬合金として選択し、表2に示す
焼結条件でそれぞれ焼結して、比較超硬合金1〜5を製
造した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】次いで、これら本発明超硬合金1〜9と比
較超硬合金1〜5の組織中の、(Ti,Ta,W)CN
における炭窒化物粒子の中心部と周辺部のTi,Ta,
W,C,Nの各量をそれぞれ分析し、その粒子中の各元
素の中心部に対する周辺部のTi,Ta,W,C,Nの
各濃度比率(wt%)を演算して、表3に示した。尚、
分析は次のように行なった。先ず、分析に対するCoの
影響を除くために、試料を鏡面研磨後、5%硝酸溶液に
て15分間処理した。その後、電子線マイクロアナライ
ザーを用いて各元素の定量分析を行なった。測定は組織
中の任意の3点で行い、3点の測定値からその平均値を
算出して各濃度比率を得た。その結果が表3に示されて
いる。
【0015】
【表3】
【0016】次に、これら本発明超硬合金1〜9と比較
超硬合金1〜5から、ISO規格でSPGN12030
8なる形状のスローアウェイチップをそれぞれ製作し、
これを用いて下記の条件で切削試験を行なった。 (1)乾式フライス切削試験 被削材:SCM440(HB300) 切削速度:180m/min 送り:0.3mm/刃 切込み:1.5mm 切削時間:20分 (2)湿式フライス切削試験 被削材:SCM440(HB300) 切削速度:180m/min 送り:0.3mm/回転 切込み:1.5mm
【0017】各チップについて、上述の乾式フライス切
削試験では、すくい面摩耗量及び逃げ面摩耗量を測定
し、湿式フライス切削試験では、切刃が欠損を起こすま
での時間を測定した。そして、得られた結果を表4に示
す。尚、湿式フライス切削は、ワークの切削位置で冷却
液がかけられた高速切削状態と、切削が一時中断されて
切削位置から離れた空転状態とを交互に行い、切削時間
を合計することで欠損に至るまでの時間を測定した。
【0018】
【表4】
【0019】乾式フライス切削試験によるすくい面摩耗
は、本発明超硬合金1〜9では、13〜80μmの摩耗
量であったが、比較超硬合金1〜5では摩耗量が90〜
200μmとなった。又、逃げ面摩耗については、本発
明超硬合金1〜9では、0.03〜0.12mmであ
り、比較超硬合金1〜5では、0.14〜0.45mm
となり、いずれの摩耗も本発明超硬合金1〜9の方が摩
耗量が小さかった。又、湿式フライス切削試験での欠損
を生じるまでの時間は、本発明超硬合金1〜9では4
3.1分〜58.5分であるのに対し、比較超硬合金1
〜5では2.5分〜20.6分でしかなかった。従っ
て、これらの試験結果から、本発明超硬合金によるスロ
ーアウェイチップは比較超硬合金によるものと比較し
て、耐摩耗性、耐熱衝撃性及び耐熱性が高かった。特に
湿式フライス切削試験では、高速切削状態と空転状態と
を交互に行なうことで熱衝撃を受けるが、本発明超硬合
金1〜9の場合、耐熱衝撃性が、比較超硬合金1〜5と
比較してかなり高いことが理解できる。そのため、切削
工具として高速切削に十分対応できるような超硬合金が
得られることになる。
【0020】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る超硬合金
は、(Ti,Ta,W)CNの粒子中の中心部に対する
周辺部の濃度比率が、Taは100%を越え、Ti,
W,C,Nの各元素は、それぞれ平均で50〜150%
の範囲内にあるようにしたから、靱性を低下させること
なく、耐摩耗性と耐熱性を向上させることができる上
に、耐熱衝撃性を向上させることができて、超硬合金の
特性とその製品寿命を向上させることができる。又、本
発明に係る超硬合金の製造方法は、WC,Co及び(T
i,W)CNの炭窒化物固溶体に、Taを炭化物、窒化
物又は炭窒化物として単独で添加し、弱窒化雰囲気で焼
結することで、得られる超硬合金が、(Ti,Ta,
W)CNの粒子中の中心部に対する周辺部の濃度比率
が、Taは100%を越え、Ti,W,C,Nの各元素
は、それぞれ平均で50〜150%の範囲内にあるよう
にしたから、靱性を低下させることなく、耐摩耗性と耐
熱性を向上させることができる上に、耐熱衝撃性を向上
させた超硬合金を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】WC,Co及びTi,Ta,Wの炭窒化物
    固溶体からなる組織を有する超硬合金において、(T
    i,Ta,W)CNの粒子中の中心部に対する周辺部の
    濃度比率が、Taは100%を越え、Ti,W,C,N
    の各元素は、それぞれ平均で50〜150%の範囲内に
    あることを特徴とする超硬合金。
  2. 【請求項2】WC,Co及び(Ti,W)CNの炭窒化
    物固溶体に、Taを炭化物、窒化物又は炭窒化物として
    単独で添加し、弱窒化雰囲気で焼結することで、得られ
    る超硬合金が、(Ti,Ta,W)CNの粒子中の中心
    部に対する周辺部の濃度比率が、Taは100%を越
    え、Ti,W,C,Nの各元素は、それぞれ平均で50
    〜150%の範囲内にあるようにした、超硬合金の製造
    方法。
JP5224824A 1993-09-09 1993-09-09 超硬合金及びその製造方法 Pending JPH0776750A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111434792A (zh) * 2019-01-14 2020-07-21 嘉兴鸷锐新材料科技有限公司 基于碳化钨碳化钛碳化钽固溶体制备硬质合金的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111434792A (zh) * 2019-01-14 2020-07-21 嘉兴鸷锐新材料科技有限公司 基于碳化钨碳化钛碳化钽固溶体制备硬质合金的方法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020521