JPH0776175A - 感熱転写記録材 - Google Patents

感熱転写記録材

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JPH0776175A
JPH0776175A JP5224419A JP22441993A JPH0776175A JP H0776175 A JPH0776175 A JP H0776175A JP 5224419 A JP5224419 A JP 5224419A JP 22441993 A JP22441993 A JP 22441993A JP H0776175 A JPH0776175 A JP H0776175A
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JP
Japan
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heat
resin
sheet
parts
pattern
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JP5224419A
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English (en)
Inventor
Yasunori Kimura
康典 木村
Motohiko Kashioka
元彦 柏岡
Yasukichi Ogasawara
安吉 小笠原
Taku Morikawa
卓 森川
Naoki Hasegawa
直樹 長谷川
Keizo Ogata
敬三 緒方
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Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多色表現性に富む任意の文字・図柄等を高級
感のある繊細緻密な下地模様付きプラスチックシート上
に感熱転写リボンを用いて任意の文字・図柄をパターニ
ングされた感熱転写記録材を提供すること。 【構成】 予め転写箔を用いて下地模様が形成してある
プラスチックシートの該下地模様形成面上に感熱転写リ
ボンを用いて任意の文字・図柄をパターニングすること
を特徴とする感熱転写記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックシートと感
熱転写リボンを用いた感熱転写記録材に関し、さらに詳
しくは予め転写箔にて下地模様を形成したプラスチック
シートを用いて下地模様の上にさらに感熱転写リボンに
て任意のパターニングを行う感熱転写記録材に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、強靱性と美粧性に富むポリエステ
ル樹脂やウレタン樹脂、並びに施工時に要求される適度
な腰の強さ、すなわち降伏応力1〜6kg/mm2 、フィル
ム膜厚約30〜150 μmであるようなポリ塩化ビニル樹脂
よりなるマーキングシートは、耐候性、寸法安定性等の
優れた特性を具備していることから、自動車のアクセン
トストライプや各種エンブレム、オートバイのタンクス
トライプや各種エンブレム、トラック・商業車等の車両
用マーキング、屋内・屋外広告等の表示用部材、各種案
内板、ウインドウディスプレイ等の装飾用表示材料とし
て一般に良く用いられている。このようなマーキングシ
ートは通常、パターニング手段としてカッティングマシ
ーンにより直接マーキングシートを切り抜いて文字・図
柄として用いるか、もしくは文字・図柄をマーキングシ
ート上にシルクスクリーン印刷等の印刷方法で設けるこ
とで表示物を作成していた。これらの加工手段の内、カ
ッティングマシーンによる図柄の切り抜き加工は、対象
とする文字・図柄を構成する最小切り抜き面積がカッテ
ィングマシーンの精度で制限されるため微細あるいは複
雑な文字・図柄の作成に限界が有ること、複数の色相か
ら成る大きな文字・図柄を被施工面に固定するのには色
相と同数のアプリケーションフィルムを使用するため不
経済で効率が悪いこと、さらにはアプリケーションフィ
ルムへの切り抜き文字・図柄の移し替え作業は煩雑で時
間が掛かること等の欠点があった。また、絵付け加工手
段として用いられるシルクスクリーン印刷は、複雑な文
字・図柄の作成は可能であるが、版下作成、校正、印刷
過程を経る為に即時性が劣ると同時に、特に版下作成、
校正の過程がコストの大半を占めるため少量枚数のみ必
要な場合でも安価に生産することは出来なかった。
【0003】近年、上記のパターニング手段としてのカ
ッティングとシルクスクリーン印刷における問題点であ
る、安価で多色表現が可能であり且つ即時性と微細な文
字・図柄を得るという要求への対応をはかるためインキ
ジェット記録方式によるマーキングシートへの絵付け加
工が施され実用に供されてきた。しかしながら、インキ
ジェット記録方式はドットにより画像を形成することか
ら中間調を有する図柄が得られ、安価且つ即時性という
点ではかなり改善された反面、現状では解像度が低く小
さな図柄や微小な文字表現には不向きであり、また、通
常のインキ着色材としては染料を用いるために経時での
変色、褪色が生じ易く、さらにはインキノズルが詰まり
やすいなどで保守・点検が煩雑である等の欠点があっ
た。本発明者らは、かかる問題に鑑み鋭意検討を進め、
特開平5−8550号公報および特開平5−24371
号公報に感熱転写方式を用いたマーキングシートへのパ
ターニング方法を提示し、感熱転写リボンと感熱転写受
容性を有するマーキングシートを用いることで感熱転写
インキの密着性、耐引掻性、耐擦過性等の各種耐性を飛
躍的に向上させうることを見出し、その技術を開示し
た。しかしながら、近年、各種表示物等も高級化が進ん
できており、任意のパターニングを施す対象となるマー
キングシートも単色無地から高級感、装飾性のより高い
ものが望まれてきている。このような点において、前記
技術は単色無地のマーキングシートへのパターニングに
は有用ではあるものの、装飾性の高い名板等に用いられ
る高級感のある木目調、大理石調等の下地模様を含むパ
ターニングを行なうためには下地模様が中間調の色相を
必要とするだけでなく非常に繊細緻密であることから前
述の技術を用いた感熱転写方式では到底実現不可能であ
った。
【0004】このため下地模様を形成するべく、従来公
知のシルクスクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷方式
を用いて予め印刷しておくことが考えられるが、シルク
スクリーン印刷は一般に高細精且つ中間調を含むフルカ
ラー印刷は非常に困難であり、また印刷部分のインキ膜
厚が厚いために下地模様を印刷した後の印刷面は感熱転
写を行うには凹凸が著しく、感熱転写受容性は著しく低
い。一方、グラビア印刷では上記のようなシルクスクリ
ーン印刷での欠点をほぼ解消してはいるが、精密グラビ
ア印刷を施す場合、特にマーキングシートとして好まし
いポリ塩化ビニル系樹脂からなるマーキングシートにお
いては、柔軟性を付与するために通常一般に添加される
添加剤、特に熱安定剤や可塑剤の表面へのブリードによ
りグラビア印刷適性が低く、印刷面の泳ぎ、ピンホー
ル、レベリング不良等が生じ、精密印刷が困難であり、
さらには残留溶剤によるブロッキング、印刷時のテンシ
ョンによる伸び等の問題があった。他の手段としては、
一般にプラスチック基材等への木目調、大理石調等の下
地模様形成には転写箔が通常用いられるが、屋内・屋外
公告等の表示部材、各種案内板、ウインドーディスプレ
ー等の装飾用表示部材として一般に用いられるマーキン
グシートへの転写箔による下地模様形成、さらには転写
箔による下地模様形成後のマーキングシートに感熱転写
記録方法を用いて任意のパターニングを行うことに関し
ては何ら示唆するものはなく、また、上記に挙げたよう
な従来の方法では装飾性の高い名板等に用いられる高級
感のある非常に繊細緻密な木目調、大理石調等の下地模
様を含むパターニングは到底実施できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる問
題に鑑み、鋭意検討を進めた結果、転写箔を用いて予め
下地模様を形成したプラスチックシートに感熱転写記録
方式のプリンターで感熱転写記録することにより、多色
表現性に富む任意の文字・図柄等を高級感のある繊細緻
密な下地模様付きプラスチックシート上に簡便かつ安価
に即時性をもって形成できることを見出し、本発明に至
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め転写箔を
用いて下地模様が形成してあるプラスチックシートの該
下地模様形成面上に感熱転写リボンを用いて任意の文字
・図柄をパターニングすることを特徴とする感熱転写記
録材を提供する。本発明においては、下地模様付きプラ
スチックシートの下地模様形成面と感熱転写リボンの熱
溶融性インキ面を重ね合わせた状態で、感熱転写リボン
の熱溶融性インキ面の反対面からサーマルヘッド等の加
熱手段を用いて熱溶融性インキ層を転写し、該プラスチ
ックシートの下地模様の上に直接、文字・図柄等の画像
を形成する。また、本発明の感熱転写記録方法により得
られる感熱転写記録材は、具体的には保守の簡便な感熱
転写プリンターを使用して作成することができ、サーマ
ルヘッドの発熱素子密度に応じた解像度で所望の文字・
図柄等の画像を高級感のある装飾性の高い下地模様付き
プラスチックシート上に安価で即時性を以て得ることが
できるので非常に有用である。さらに、色相の異なる感
熱転写リボンで多数回転写を施すことで表現力に優れた
記録物を得ること、ならびにシルクスクリーン印刷等既
存の画像形成手段と併用したり、感熱転写記録した後に
カッティングを施し任意の形状に裁断したり、透明のプ
ラスチックフィルムで記録面をラミネート加工すること
も勿論可能である。
【0007】次に、本発明に用いる構成部材について詳
細に説明する。本発明に用いる下地模様付きプラスチッ
クシートは、予めプラスチックシートに転写箔を加熱ロ
ールや加熱プレート等を用いて転写することにより下地
模様が形成されていることを特徴とし、転写箔による下
地模様の形成はプラスチックシートの全面もしくは一部
分のいずれに施してあってもよい。さらには、転写箔に
よる下地模様形成部分の密着性を向上させるため、プラ
スチックシート中に熱接着性樹脂を含有させる、もしく
は熱接着性樹脂を主成分とする転写受像層を設けたプラ
スチックシートに転写箔を用いて下地模様を形成しても
よい。さらには、転写箔による下地模様の形成を部分的
にしか行わない場合、あるいは転写箔が下地模様形成後
の感熱転写記録特性を考慮していない従来の転写箔を用
いた場合には、プラスチックシートの下地模様形成面上
に熱接着性樹脂を主成分とする感熱記録受像層をさらに
設けることが好ましい。
【0008】プラスチックシートとしては、例えば、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ナイロン、ポリイミド、ポリビニル系樹脂等の少なくと
も1種の樹脂からなるものを挙げることができる。なか
でも、降伏応力1〜6kg/mm2 、厚みが30〜150 μmの
ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂からなるシートが好ましく、特に、柔軟性が高く
曲面あるいは粗面への貼着適性に優れるポリ塩化ビニル
系樹脂シートは好適である。ポリ塩化ビニル系樹脂とし
ては、重合度が300〜2000、好ましくは 600〜1500で、
ポリ塩化ビニル樹脂単体、および塩化ビニルと、オレフ
ィン系モノマー、ジエン系モノマー、ハロゲン化ビニル
系モノマー、アクリル酸エステル系モノマー、メタクリ
ル酸エステル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、
ビニルエーテル系モノマー、スチレン系モノマー等の各
種モノマーとを共重合させて得られる樹脂が挙げられ
る。さらに具体的には、エチレン/塩化ビニル樹脂、塩
化ビニル/酢酸ビニル樹脂、エチレン/塩化ビニル/酢
酸ビニル樹脂、ウレタン/塩化ビニル樹脂等が挙げられ
る。特に、熱軟化温度が 180℃以下のポリ塩化ビニル系
樹脂は、転写箔および感熱転写リボンの転写密着性の向
上に寄与が認められる。上記ポリ塩化ビニル系樹脂は単
独もしくは複数種併用しても構わない。プラスチックシ
ート中に転写箔による下地模様の転写性を向上させるた
めに熱接着性樹脂を含有させてなるシートは、プラスチ
ックシートで例示した樹脂 100重量部に対して、1〜40
重量部の熱接着性樹脂を含有させてなる樹脂組成物を、
公知の押し出し法、カレンダー法、溶液キャスト法、ゾ
ルキャスト法、セミゾルキャスト法等でシート成形する
ことにより製造できる。なかでも、樹脂組成物が熱接着
性樹脂を含有することから、シート成型時に熱ロール加
工を伴わないゾルキャスト法もしくはセミゾルキャスト
法が適している。また、プラスチックシートをカレンダ
ー法等の加熱成形加工により製造する場合のシートの貼
り付きを防止したり、本発明の感熱転写記録材の施工時
に要求される適度な柔軟性を確保するためには、 5〜2
0重量部の範囲で熱接着性樹脂を含有させることが好ま
しい。なお、特にプラスチックシートをポリ塩化ビニル
系樹脂オルガノゾルまたはウレタン樹脂溶液等の塗工液
を用いるキャスト法で製造する場合には、熱接着性樹脂
は、使用する有機溶剤種に溶解するものが用いられ、完
全不溶解性のものは使用できないが、プラスチックシー
トで例示した樹脂 100重量部に対して、1〜40重量部、
好ましくは5〜40重量部の範囲で溶解するものが良く、
一部膨潤した不溶解物を含んでいても差し支えない。例
えば、キャスト法を利用してポリ塩化ビニル系シートに
熱接着性樹脂を含有させてなるシートを製造する場合に
は、まずポリ塩化ビニル系樹脂、熱接着性樹脂、可塑
剤、さらに適当な溶媒、例えばブタノール、酢酸ブチ
ル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、ジイ
ソブチルケトン、キシロール、シクロヘキサノン、芳香
族石油ナフサ、ソルベントナフサ、トリクレン等の有機
溶媒を単独もしくは複数種類混合したゾル用溶媒と、必
要に応じて上記の各種添加剤とを混合攪拌しペースト状
のゾル状高粘度塗工液を作成し、離型性を有する支持
体、例えばシリコン含有離型性工程紙や表面を離型処理
したステンレス板等の上に流延させた後、約 160〜220
℃、約 1〜10分の条件で加熱溶融させ、目的とする厚さ
30〜150 μmのプラスチックシートを得ることができ
る。プラスチックシート上に熱接着性樹脂を主成分とす
る転写受像層を設けることで、転写箔による下地模様の
転写性を向上させたシートは、転写受像層を構成する組
成物を溶剤あるいは水に溶解または分散した塗工液をコ
ーティングした後乾燥させるソルベントコーティング
法、または受像層を構成する組成物を加熱溶融させてコ
ーティングするホットメルトコーティング法等により製
造できる。転写受像層の膜厚は 0.1〜10μm 程度が好ま
しく、 0.2〜2 μm 程度に設けるのがより好ましい。転
写受像層は、上記熱接着性樹脂を主成分とするが、必要
に応じて上記の各種添加剤、例えば可塑剤、着色材、紫
外線吸収剤、帯電防止剤等を含有させることができる。
【0009】上記プラスチックシートには、公知の各種
添加剤、例えば可塑剤、着色材、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を併用できる。可塑剤と
しては、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、
トリメリット酸、オレイン酸等のカルボン酸類と1価も
しくは多価のアルコール化合物との低分子量エステル系
可塑剤や、ポリエステル系可塑剤、アルキッド系可塑
剤、エポキシ系可塑剤等が挙げられるが、耐候性、柔軟
保持性を向上させる点で分子量が1000〜10000 、さらに
好ましくは1500〜5000のポリエステル系可塑剤、アルキ
ッド系可塑剤、エポキシ系可塑剤がよい。着色材として
は、従来印刷インキに用いられてきた有色の有機顔料、
無機顔料、さらには流動性改良、熱溶融性インキの投錨
効果等を付与させることを目的として無色もしくは白色
の体質顔料等を用いることができる。熱安定剤として
は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸鉛、亜硫酸鉛、亜リン酸鉛、ジブチルスズ
ジマレート、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズメ
ルカプチド、ジオクチルスズマレート系安定剤、ジオク
チルスズラウレート系安定剤、ジオクチルスズメルカプ
ト系安定剤、スズ・ジオール誘導体及びこれらの複合体
を挙げることができる。紫外線吸収剤としては、 290〜
400nm の波長の光を吸収する化合物であり、例えば、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フ
ェニルエステル系、シアノアクリレート系、桂皮酸系、
アミノブタジエン系化合物等を挙げることができる。さ
らには、紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、亜
鉛華、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化鉄等の
微粒子を挙げることができる。帯電防止剤としては、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキル
アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アル
キルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ア
ルキルサルフェート、アルキルホスフェート、第四級ア
ンモニウムサルフェート等が挙げられ、これらを添加す
ることにより特に感熱転写記録における転写抜け不良の
原因となる静電気による塵の付着防止に効果が認められ
る。
【0010】下地模様の形成に用いる転写箔は従来公知
の構成からなるものを用いることができるが、下地模様
の形成部分における感熱転写記録方法に対する感熱転写
受容性を向上させたい場合には、転写箔の転写インキ層
に熱接着性樹脂を含有させることが好ましく、転写イン
キ層が多層構成の場合は転写後に最表層となる転写イン
キ層に該熱接着性樹脂を含有させることが好ましい。
【0011】本発明で用いる熱接着性樹脂としては、例
えば、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/
アクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸
エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン
/アクリル酸エステル共重合体、α−オレフィン/無水
マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン
酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリカプ
ロラクトン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹
脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ショ糖エステル、ロジンも
しくはその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹
脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポ
リビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エ
チレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ポリエステル樹
脂等を挙げることができる。なかでも、常温では硬質な
固体であり、あるいは粘着性を持たない樹脂が好適で、
そのような樹脂は一般にガラス転移温度(以下、Tgと
いう)が−30〜80℃、あるいは軟化点または融点が40〜
180 ℃の範囲にあり、好ましくはTgが−10〜30℃、あ
るいは軟化点または融点が50〜150 ℃の樹脂が良い。こ
の範囲より低いTg、軟化点もしくは融点のものは、一
般に常温で粘着性あるいは流動性を示し、ブロッキング
などのトラブルの原因と成り易く、屋外で使用した場合
にその粘着性のため大気中の煤煙を沈着し表面が汚れ易
い等の不都合を生じる。また、この範囲より高いTg、
軟化点もしくは融点のものは熱感度が低いため、転写箔
および感熱転写リボンに対する転写受容性の向上には寄
与しない。
【0012】上述の好ましい熱接着性樹脂の中でも種々
検討を重ねた結果、高い結晶性あるいは部分結晶性を有
する樹脂が特に好ましく、下記一般式(1) で示されるポ
リカプロラクトン(融点約60℃)、結晶性ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ショ糖エステルが良好であり、中
でも下記一般式(1) で示されるポリカプロラクトン(融
点約60℃)、ショ糖エステル類が有効であることを発見
した。
【0013】
【化1】
【0014】特にショ糖エステル類の内、ショ糖オクタ
安息香酸エステル(融点78℃)およびショ糖オクタ酢酸
エステル(融点72℃)は、先に挙げた常温で硬質固体で
あり、粘着性を持たないという条件を満たした上に、感
熱転写で重要な特性である熱感度を、シャープな融点と
ワックスに類似した低溶融粘度により満足させ、さらに
ショ糖オクタ安息香酸エステルにおいては耐候性の向上
にも効果があり、非常に好適である。ショ糖オクタ安息
香酸エステルは単独で用いると成膜強度がやや弱いた
め、他の成膜強度の高い樹脂と併用することでより一層
好適に用いることができる。この場合のショ糖オクタ安
息香酸エステルの比率は10〜90重量%が好ましく、30〜
90重量%がより好ましい。さらに耐ブロッキング性、耐
煤煙汚染性を向上させるために上記熱接着性樹脂に、フ
ッ素含有化合物あるいはシリコン変性樹脂を併用しても
よい。フッ素含有化合物としては、フッ素樹脂の主鎖に
アクリルの側鎖を配したグラフトポリマーやポリフルオ
ロ基含有のビニルモノマーと他のビニルモノマーとの共
重合樹脂等のフッ素含有共重合樹脂や各種フッ素系界面
活性剤、含フッ素ワックス等が用いられる。シリコン変
性樹脂としては、ベースポリマー主鎖中あるいは側鎖に
ポリオルガノシロキサンを導入したもので、中でも主鎖
にポリオルガノシロキサン鎖を有するシリコン変性ポリ
ウレタン樹脂、または側鎖にポリオルガノシロキサン鎖
を有するシリコン変性アクリル樹脂が好ましい。また、
熱接着性樹脂には、必要に応じてその他の樹脂を併用す
ることもできる。
【0015】下地模様付きプラスチックシートへの感熱
転写記録特性を高める目的で、プラスチックシートに転
写箔による下地模様の形成後に感熱記録受像層を設ける
ことが好ましいが、その手段としては該受像層を構成す
る組成物を溶剤あるいは水に溶解または分散した塗工液
をコーティングした後乾燥させるソルベントコーティン
グ法、または該受像層を構成する組成物を加熱溶融させ
てコーティングするホットメルトコーティング法等が通
常用いられる。感熱記録受像層の膜厚は 0.1〜10μm 程
度が好ましく、 0.2〜2 μm 程度に設けるのがより好ま
しい。また、感熱記録受像層を設けた感熱転写記録材の
屋外耐候性、耐煤煙汚染性をさらに向上させるために
は、下地模様付きプラスチックシート上に、Tgが−30
〜30℃、あるいは軟化点または融点が40〜80℃の熱接着
性樹脂を主成分とする高い熱感度を有する第1感熱記録
受像層を設け、その上にTgが30〜80℃、あるいは軟化
点または融点が80〜180 ℃の熱接着性樹脂を主成分とす
る、あるいは熱接着性樹脂にフッ素含有化合物またはシ
リコン変性樹脂を含有させてなる、耐候性、耐汚染性に
優れた第2感熱記録受像層を順次積層しても良い。但
し、この場合には、最表層となる第2感熱記録受像層は
感熱転写リボンの転写受容性を低下させないためにでき
るだけ薄い方が好ましく、およそ 0.5μm以下、さらに
好ましくは 0.1μm以下がよい。感熱記録受像層は、上
記熱接着性樹脂を主成分とするが、必要に応じて上記の
各種添加剤、例えば可塑剤、着色材、紫外線吸収剤、帯
電防止剤等を含有させることができる。
【0016】本発明に用いる下地模様付きプラスチック
シートの、感熱転写記録方法によりパターニングされる
面の裏側には、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、
ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等の粘着剤を10〜200
μmの厚さで設け、さらに粘着剤離型基材を積層させる
ことができる。被着体の材質と表面状態に応じて、接着
力が通常1000〜5000gr/25mm幅(JIS-Z0237 粘着テープ
・粘着シート試験方法)の粘着剤を使用するが、使用済
みとなった貼付感熱転写記録材を不要な粘着剤を被着体
表面に残留させることなく、且つ感熱転写記録材の破断
強度を越えるような剥離力を必要とせず容易に剥離可能
な再剥離性を付与するには、特に接着力を50〜1500gr/
25mm幅にすることが好ましく、より好ましくは 500〜90
0 gr/25mm幅にすればよい。
【0017】本発明に用いる感熱転写リボンとしては、
基材に熱溶融性インキ層を一層設けてなる単層型、ある
いは組成および機能の異なる層を複数積層してなる多層
型の従来公知のものが使用できるが、多層型が好まし
く、中でも基材に熱溶融性インキ層として剥離層と、耐
候性、密着性、耐擦過性等の特性を向上させるため、こ
れら諸特性に悪影響を与える一般ワックス類を含まず、
実質的に着色材と樹脂からなる着色インキ層を順に積層
した構成のものがより好ましい。また、さらに転写密着
性を向上させる目的で着色インキ層の上に接着層を設け
てもよい。基材としては、耐熱性、機械強度に優れたポ
リエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート,ポ
リエチレンナフタレート等),ポリアミドフィルム(ナ
イロン等),ポリオレフィンフィルム(ポリプロピレン
等),セルロース系フィルム(トリアセテート等),ポ
リカーボネートフィルム等が挙げられる。ポリエステル
フィルムは、特に耐熱性、機械強度、引張強度、引張安
定性などが優れ最も好ましい。基材は薄いほど熱伝導性
はよいが、強度や熱溶融性インキ層の塗工のしやすさか
ら 3〜50μmが最も好ましい。また,基材の熱溶融性イ
ンキ層の反対面に耐熱性の樹脂からなるバックコート層
を設けても良い。
【0018】熱溶融性インキ層は、有機顔料、無機顔料
等の色材および植物系、動物系、鉱物系石油系等の天然
ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸誘導
体、軟化点 200℃以下の樹脂等のビヒクルから構成され
る。また、下地模様付きプラスチックシートの表面に感
熱受像層を設ける、あるいは下地模様の絵付けに用いる
転写箔のインキ層に熱接着性樹脂を含有させてある場合
には感熱転写リボンの該熱溶融性インキ層の下地模様付
きプラスチックシートの密着性を著しく向上させること
ができるが、さらに転写後の記録部分の表面強度、屋外
耐候性を高めるには、基材にワックスを含有する剥離層
を介して実質的に着色材と樹脂から構成され、ワックス
類を含まない着色インキ層を設けた感熱転写リボンを使
用することが好ましい。実際に着色インキ中にワックス
が含まれる場合は記録物の高温環境下(およそ40℃近
辺)での耐性、特に耐擦過性、密着性に影響を及ぼし、
着色インキ中5%程度だとワックスを含有しない場合に
比べて若干低下し、着色インキ中20重量%程度だと明
らかに低下し、特に耐擦過性の低下が著しく、着色イン
キ中50%以上だと上記各耐性は半分以下に低下する。
【0019】着色インキ層の着色材/樹脂重量比は、特
に下地隠蔽性、色濃度、解像度に対し影響を及ぼし、有
機顔料の場合は 0.5〜4 が好ましく、無機顔料の場合は
比重が大きいため 0.5〜6 が好ましい。この範囲より小
さいと隠蔽性、色濃度が低下し、着色インキ層の成膜強
度が高くなり転写時のキレすなわち解像度が低下する。
この範囲より大きいと密着性、耐摩擦性が低下する。着
色インキ層には、顔料分散剤等の従来公知の各種添加剤
は、固形分構成比で5重量%以下であれば必要性が有る
場合のみ添加しても良い。着色インキ層の厚さは 0.3〜
5 μmが好ましく、 0.5〜3 μmがより好ましい。剥離
層は、ワックス、樹脂からなるが、その他従来公知の着
色材、顔料分散剤、帯電防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤
等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。剥離層
の厚さは転写性に影響を与え、 0.1〜3 μmが好まし
く、 0.3〜2μmがより好ましい。
【0020】熱溶融性インキ層に使用する樹脂として
は、軟化点 200℃以下の樹脂であり、例えば、ポリ酢酸
ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸
ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、α−
オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィ
ン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリス
チレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含
有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合
体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリアミ
ド、繊維素系樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケト
ン樹脂、石油樹脂、ロジンもしくはその誘導体、クマロ
ンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、ス
チレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニト
リルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等
の合成ゴム、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、セ
ルロース誘導体、ショ糖エステルなどが挙げられる。な
かでも、炭素原子数6以上のα−オレフィン、無水マレ
イン酸および(メタ)アクリル酸エステルを共重合して
得られる樹脂およびショ糖エステルの一種であるショ糖
オクタ安息香酸エステルおよびショ糖オクタ酢酸エステ
ルは、その優れた感熱特性から熱溶融性インキ層に特に
好適である。熱溶融性インキ層を基材に設けるには、通
常一般に用いられる塗工方法、すなわちホットメルトコ
ーティング法あるいはより好ましくはグラビアコーティ
ング法が用いられる。
【0021】
【実施例】以下,実施例により,本発明を更に詳細に説
明する。本発明を説明する為に、順に、感熱転写記録材
料として用いたシート、転写箔ならび感熱転写リボン、
及び感熱転写プリンターによる画像記録方法について述
べ、さらにこれらを用いた感熱転写記録方法を挙げる。
尚、実施例中の部数は重量部を表す。
【0022】<下地模様付きシート>シートA 下記シート原材料からなる100μm厚の白色プラスチ
ックシート基材を作成し、一方の面に離型処理をした1
00μm厚の両面ポリエチレンラミネート紙の離型面に
原材料からなる、初期接着力が1200gr/25mm幅
(JIS−Z0237粘着テープ・粘着シート試験方
法)で65℃、80%RH、168時間後の経時接着力
が1500gr/25mm幅となる粘着剤層を設け、先の
プラスチックシート基材にラミネートしてシートを得
た。これに25μm厚のポリエチレンテレフタレートフ
ィルム基材上にアクリル系樹脂からなる剥離層、ポリエ
ステル系樹脂を主成分とする着色インキを用いて大理石
模様をグラビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔
を用いて、加熱ロールによりシート上に大理石模様を転
写させ、さらにその上に下記原材料からなる感熱記録受
像層塗液を乾燥後の膜厚が0.5μmとなるようにバー
コーターにて塗布したのち乾燥させることにより感熱記
録受像層を設けて大理石模様付きシートAを得た。 −プラスチックシート基材− 酸化チタン(石原産業製 タイペークCR80) 30部 液状ポリエステル可塑剤(旭電化工業製 アデカサイザーPN260) 20部 液状フタル酸エステル可塑剤(チッソ製 DOP) 15部 熱接着性樹脂(ジョンソンポリマー製 JONCRYL611 軟化点105 ℃ スチレン−アクリル樹脂) 20部 熱安定剤(勝田化工製 BZ100C) 3部 紫外線吸収剤(チバガイギー製 チヌビン326) 2部 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製 ゼオン24 重合度1300)100部 −粘着剤− アクリル系粘着剤(東洋インキ製造製 オリバインBPS4089B) 100部 イソシアネート系硬化剤(東洋インキ製造製 オリバインBHS4089B) 0.87部 −感熱記録受像層− 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン200 Tg67℃ ポリエステル樹脂 ) 5部 熱接着性樹脂(第一工業製薬製 モノペットSB 融点78℃ ショ糖オクタ 安息香酸エステル) 5部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0023】シートB 下記シート原材料からなる80μm厚のプラスチックシ
ート基材を作成し、前述のシートAの粘着材を用いて全
く同様の粘着材加工およびラミネートを施してシートを
得た。これに25μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルム基材上にアクリル系樹脂からなる剥離層、ポリ
エステル系樹脂を主成分とする着色インキを用いて木目
模様をグラビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔
を用いて、加熱ロールによりシート上に木目模様を転写
させ、さらにその上に下記原材料からなる感熱記録受像
層塗液を乾燥後の膜厚が0.5μmとなるようにバーコ
ーターにて塗布したのち乾燥させることにより感熱記録
受像層を設けて木目模様付きシートBを得た。 −プラスチックシート基材− 酸化チタン(石原産業製 タイペークCR80) 30部 液状ポリエステル可塑剤(旭電化工業製 アデカサイザーPN260) 20部 液状フタル酸エステル可塑剤(チッソ製 DOP) 15部 熱接着性樹脂(第一工業製薬製 モノペットSB 融点78℃ ショ糖オクタ 安息香酸エステル) 20部 熱安定剤(勝田化工製 BZ100C) 3部 紫外線吸収剤(チバガイギー製 チヌビン326) 2部 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製 ゼオン24 重合度1300)100部 −感熱記録受像層− 熱接着性樹脂(ダイセル化学工業製 プラクセルH7 融点60℃ ポリカプ ロラクトン) 10部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0024】シートC 市販の80μm厚の透明塩化ビニルシート基材に下記原
材料からなる0.5μm厚の転写受像層を形成させて、
下記原材料からなる再剥離容易性を有する、初期接着力
が500gr/25mm幅(JIS−Z0237粘着テー
プ・粘着シート試験方法)で65℃、80%RH、16
8時間後の経時接着力が750gr/25mm幅となる粘
着材を用いて前述のシートAと同様の粘着材加工および
ラミネートを施してシートを得た。これに25μm厚の
ポリエチレンテレフタレートフィルム基材上にアクリル
系樹脂とショ糖オクタ安息香酸エステルを6/4の比率
で混合したものからなる剥離層、ポリエステル系樹脂を
主成分とする着色インキを用いて水玉模様をグラビア印
刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹
脂からなる接着層を順に設けた転写箔を用いて、加熱ロ
ールによりシート上に水玉模様を転写させて水玉模様付
きシートCを得た。 −転写受像層− 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン200 Tg67℃ ポリエステル樹脂 ) 8部 熱接着性樹脂(第一工業製薬製 モノペットSB 融点78℃ ショ糖オクタ 安息香酸エステル) 2部
【0025】シートD 市販の100μm厚の白色ウレタンシート基材に下記原
材料からなる0.5μm厚の転写受像層を形成させて前
述のシートCの粘着材を用いて全く同様の粘着材加工お
よびラミネートを施してシートを得た。これに25μm
厚のポリエチレンテレフタレートフィルム基材上にアク
リル系樹脂とショ糖オクタ安息香酸エステルを6/4の
比率で混合したものからなる剥離層、ポリエステル系樹
脂を主成分とする着色インキを用いて御影石模様をグラ
ビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔を用いて、
加熱ロールによりシート上に御影石模様を転写させて御
影石模様付きシートDを得た。 −転写受像層− 熱接着性樹脂(ダイセル化学工業製 プラクセルH7 融点60℃ ポリカプ ロラクトン) 10部 熱接着性樹脂(第一工業製薬製 モノペットSB 融点78℃ ショ糖オクタ 安息香酸エステル) 2部シートE 市販の厚さ100μmの白色塩化ビニルシート基材にシ
ートAと同様の粘着剤加工およびラミネートを施し、こ
れに25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム
基材上にアクリル系樹脂からなる剥離層、ポリエステル
系樹脂を主成分とする着色インキを用いて木目模様をグ
ラビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔を用い
て、加熱ロールによりシート上に木目模様を転写させ、
さらにその上に下記原材料からなる感熱記録受像層塗液
を乾燥後の膜厚が0.5μmとなるようにバーコーター
にて塗布したのち乾燥させることにより感熱記録受像層
を設けて木目模様付きシートEを得た。 −感熱記録受像層− 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン103 軟化点155℃ ポリエステル 樹脂) 10部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0026】シートF 感熱記録受像層原材料を下記に変更した以外は前述のシ
ートEと全く同様にして木目模様付きシートFを得た。 −感熱記録受像層− 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン130 Tg15℃ ポリエステル樹脂 ) 12部 フッ素系共重合樹脂(旭硝子製 FT−1030 軟化点95℃) 3部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 85部シートG 市販の厚さ100μmの白色塩化ビニルシート基材にシ
ートCと同様の粘着剤加工およびラミネートを施し、こ
れに25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム
基材上にアクリル系樹脂からなる剥離層、ポリエステル
系樹脂を主成分とする着色インキを用いて大理石模様を
グラビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔を用い
て、加熱ロールによりシート上に大理石模様を転写さ
せ、さらに下記感熱記録受像層原材料(1) からなる塗液
をバーコーターを用いて乾燥後の膜厚が0.5μmとな
るように塗布したのち乾燥させて感熱記録受像層(1) を
設け、なお且つその上に下記感熱記録受像層原材料(2)
からなる塗液を用いて感熱記録受像層(1) と同様に0.
1μm厚の感熱記録受像層(2) を設けて大理石模様付き
シートGを得た。 −感熱記録受像層(1) − 熱接着性樹脂(東レ製 ケミットR99 Tg−19℃ ポリエステル樹脂) 10部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部 −感熱記録受像層(2) − 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン200 Tg67℃ ポリエステル樹脂 ) 10部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0027】シートH 市販の厚さ100μmの白色塩化ビニルシート基材に、
25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム基材
上にアクリル系樹脂とショ糖オクタ安息香酸エステルを
6/4の比率で混合したものからなる剥離層、ポリエス
テル系樹脂を主成分とする着色インキを用いて大理石模
様をグラビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔を
用いて、加熱ロールによりシート上に大理石模様を転写
させ大理石模様付きシートHを得た。シートI 感熱記録受像層原材料を下記に変更した以外は前述のシ
ートEと全く同様にして木目模様付きシートIを得た。 −感熱記録受像層− 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン103 軟化点155℃ ポリエステル 樹脂) 8部 シリコン変性ウレタン樹脂(大日精化工業製 ダイアロマーSP2105 軟 化点95℃) 2部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0028】シートJ 市販の厚さ100μmの白色塩化ビニルシート基材にシ
ートCと同様の粘着剤加工およびラミネートを施し、こ
れに25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム
基材上にアクリル系樹脂からなる剥離層、ポリエステル
系樹脂を主成分とする着色インキを用いて木目模様をグ
ラビア印刷してなる絵柄層、塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体樹脂からなる接着層を順に設けた転写箔を用い
て、加熱ロールによりシート上に木目模様を転写させて
木目模様付きシートJを得た。シートK 市販の100μm厚の白色ウレタンシート基材にシート
Aと全く同様の加工を施して大理石模様付きシートKを
得た。
【0029】<感熱転写リボン>感熱転写リボン 下記組成の剥離層用原材料をボールミルにて十分に分散
混合してなる剥離層用塗液を、片面に耐熱バックコート
層を設けてある4.5μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムのバックコート層の反対面にグラビアコーテ
ィング法により乾燥後の膜厚が1μmとなるように塗工
した。さらに剥離層の上に、下記の着色インキ層用原材
料をサンドミルにて十分に分散混合してなる着色インキ
層用塗液を、先と同様にグラビアコーティング法にて乾
燥後の膜厚が1μmとなるように塗工して着色インキ層
を設け、感熱転写リボンを作成した。 −剥離層− エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル エバフレック ス V577−2) 5部 カルナバワックス 20部 トルエン 50部 イソプロピルアルコール 25部 −着色インキ層− ポリエステル樹脂(東洋紡績製 バイロン200) 4部 ショ糖オクタ安息香酸エステル(第一工業製薬製 モノペットSB)6部 カーボンブラック 10部 分散剤 0.5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部感熱転写リボン 着色インキ層の原材料を下記の組成に変更した以外は感
熱転写リボンと全く同様にして感熱転写リボンを作
成した。 −着色インキ層− ポリエステル樹脂(東洋紡績製 バイロン103) 10部 カーボンブラック 10部 分散剤 0.5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0030】感熱転写リボン 着色インキ層の原材料を下記の組成に変更した以外は感
熱転写リボンと全く同様にして感熱転写リボンを作
成した。 −着色インキ層− アクリル樹脂(三菱レイヨン製 ダイヤナールBR112) 7部 ショ糖オクタ安息香酸エステル(第一工業製薬製 モノペットSB)3部 カーボンブラック 10部 分散剤 0.5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部感熱転写リボン 着色インキ層の原材料を下記の組成に変更した以外は感
熱転写リボンと全く同様にして感熱転写リボンを作
成した。 −着色インキ層− α-オレフィン/無水マレイン酸/ブチルメタクリレート共重合樹脂(モル比=1/1/1、Mw=50000) 12部 カーボンブラック 8部 分散剤 0.5部 メチルイソブチルケトン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0031】感熱転写リボン 着色インキ層の原材料を下記の組成に変更した以外は感
熱転写リボンと全く同様にして感熱転写リボンを作
成した。 −着色インキ層− ポリエステル樹脂(東レ製 ケミットSQ1370) 14部 カーボンブラック 6部 分散剤 0.1部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部感熱転写リボン 感熱転写リボンの着色インキ層のうえに下記の組成か
らなる接着層用塗液をグラビアコーティング法により乾
燥後の厚さが0.5μmとなるように塗工して接着層を
設け、感熱転写リボンを作成した。 −接着層− α-オレフィン/無水マレイン酸/ブチルメタクリレート共重合樹脂(モル比=1/1/1、Mw=50000) 10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部
【0032】感熱転写リボン 着色インキ層の原材料を下記の組成に変更した以外は感
熱転写リボンと全く同様にして感熱転写リボンを作
成した。 −着色インキ層− テルペン樹脂(安原油脂工業製 ポリスターT100) 5部 カルナバワックス 12部 カーボンブラック 3部 分散剤 0.1部 トルエン 80部感熱転写リボン 下記組成の熱溶融性インキ層用原材料を3本ロールにて
加熱溶融しながら十分に分散混合してなる熱溶融性イン
キ組成物を、片面に耐熱バックコート層を設けてある
4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのバ
ックコート層の反対面にホットメルトコーティング法に
より膜厚が4μmとなるように塗工して、熱溶融性イン
キ層を設け、感熱転写リボンを作成した。 −熱溶融性インキ層− エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル エバフレック ス V577−2) 8部 カーボンブラック 20部 分散剤 2部 カルナバワックス 60部 パラフィンワックス(融点155 0F) 10部
【0033】<感熱転写記録方法>先に作成した下地模
様付きシートと感熱転写リボンを種々組み合わせて、富
士ゼロックス製の感熱転写複写機パレットEC−10を
用いて文字および図形のパターニングを行った。 実施例1〜11 表1に実施例とそれに用いた上記の下地模様付きシート
と感熱転写リボンの組合せをまとめた。
【0034】
【表1】
【0035】<各種耐性評価>上記の実施例の転写性、
密着性、耐擦過性、再剥離性について評価して、結果を
表2にまとめた。転写性 感熱転写記録による記録部の解像度、記録の鮮明性を評
価した。密着性 記録部にセロハンテープ(ニチバン製 18mm幅セロ
テープ)を貼り付け、一瞬に剥離させて記録部のテープ
側への取られ程度を評価した。耐擦過性 記録部を学振型染色堅牢度試験(JIS L−082
3)により評価した。再剥離性 実施例のそれぞれを表面平滑なステンレス板に貼り付
け、2Kgのローラーにて圧着させる。これを65℃、
80%RHの環境で168時間放置後に取り出し、続い
て、23℃、65%RHの環境で24時間放置後、手で
剥離して、ステンレス板への残留粘着剤の有無で評価し
た。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明により、高級感、装飾性の高い繊
細緻密な下地模様付きシートへ文字・絵柄等の画像を鮮
明且つ簡便に形成することができるため、複雑な加工処
理工程を経ることなく、安価で即時生産性の高いパター
ニング加工が容易に実現できる。また、本発明により得
られる画像記録物は、感熱転写材施工で必要とされる柔
軟性、表面平滑性、寸法安定性、耐候性等を保持してお
り、充分実用に耐え得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 卓 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 長谷川 直樹 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 緒方 敬三 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め転写箔を用いて下地模様が形成して
    あるプラスチックシートの該下地模様形成面上に感熱転
    写リボンを用いて任意の文字・図柄をパターニングする
    ことを特徴とする感熱転写記録材。
  2. 【請求項2】 下地模様形成用転写箔の転写インキ層
    が、熱接着性樹脂を含有することを特徴とする請求項1
    記載の感熱転写記録材。
  3. 【請求項3】 下地模様形成面上にさらに熱接着性樹脂
    を主成分とする感熱記録受像層を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の感熱転写記録材。
  4. 【請求項4】 熱接着性樹脂のガラス転移点が−30〜
    80℃、あるいは軟化点または融点が40〜180℃で
    あることを特徴とする請求項2または3記載の感熱転写
    記録材。
  5. 【請求項5】 プラスチックシートがポリ塩化ビニル系
    樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし4記載の
    感熱転写記録材。
  6. 【請求項6】 熱接着性樹脂の一部または全部がショ糖
    エステルもしくはポリカプロラクトンであることを特徴
    とする請求項2ないし5記載の感熱転写記録材。
  7. 【請求項7】 下地模様形成面と反対面に粘着剤層と離
    型基材を有することを特徴とする請求項1ないし6記載
    の感熱転写記録材。
JP5224419A 1993-09-09 1993-09-09 感熱転写記録材 Pending JPH0776175A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1124574A (ja) * 1997-07-03 1999-01-29 Syst Sain:Kk サインシートの製造方法
JP2006224451A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Seiko Epson Corp アイロン転写テープ、これを収容したテープカートリッジおよびテープ印刷装置
JP2019059039A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 大日本印刷株式会社 熱転写シート

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