JPH0776083B2 - 高密度ガラス状カーボン材の製造方法 - Google Patents

高密度ガラス状カーボン材の製造方法

Info

Publication number
JPH0776083B2
JPH0776083B2 JP2160280A JP16028090A JPH0776083B2 JP H0776083 B2 JPH0776083 B2 JP H0776083B2 JP 2160280 A JP2160280 A JP 2160280A JP 16028090 A JP16028090 A JP 16028090A JP H0776083 B2 JPH0776083 B2 JP H0776083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide resin
sheet
glassy carbon
carbon material
glass transition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2160280A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0450108A (ja
Inventor
敏治 上井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP2160280A priority Critical patent/JPH0776083B2/ja
Publication of JPH0450108A publication Critical patent/JPH0450108A/ja
Publication of JPH0776083B2 publication Critical patent/JPH0776083B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、厚さ7mm程度までの高密度でシート形状を備
えるガラス状カーボン材の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ガラス状カーボン材は、ガラス状の外観ならびに破断面
を呈する硬質で緻密組織の炭素質物で、通常のカーボン
材料に比べて気体不透過性、化学的安定性などの面で優
れているため、電子、機械、化学をはじめ多様の分野で
実用されている。
従来、ガラス状カーボン材は、フラン系樹脂またはフェ
ノール系樹脂のような炭化残留率の高い熱硬化性樹脂を
所望の形状に成形したのち、非酸化性雰囲気下で焼成炭
化する方法により製造されてきたが、より薄膜状で高密
度組織を有するガラス状カーボン材料を効率よく製造す
る手段として原料樹脂に芳香族ポリイミド樹脂のフィル
ムを用いる方法が本出願人によって開発されている(特
願平1−149984号、同1−303542号)。
このうち特願平1−303542号の発明は、高密度ガラス状
カーボンフィルムを製造するにあたり、ガラス転移温度
(Tg)が300℃以上の芳香族ポリイミド樹脂のフィルム
を炭素質押え板により挟圧した状態で焼成炭化処理する
ことを特徴としており、この構成により焼成段階におい
てポリイミド樹脂フィルムが押え板へ融着する現象が効
果的に防止され、組織破損のない薄膜の高密度ガラス状
ガーボンを得ることが可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の先行技術は0.2mmを下廻る薄膜フ
ィルムのガラス状カーボン材を製造する方法としては有
効であるが、1mm以上の一定厚さをもつシート形状のガ
ラス状カーボン材を製造する手段としては適切ではな
い。その理由は、一定厚さのガラス状カーボン材料を得
るには原料となるポリイミド樹脂を相当の厚手シートに
成形する必要があるが、ポリイミド樹脂シートはガラス
転移温度(Tg)が300℃以上の樹脂成分を用いるときに
は加熱融着による一体化が進行せず、成形化することが
できなくなるためである。
本発明はポリイミド樹脂フィルムを原料として一定厚シ
ート形状のガラス状カーボン材を製造する条件について
研究を重ねた結果開発されたもので、発明の目的は厚さ
7mm程度までの高密度で優れた機能性状を有するガラス
状カーボン材を収率よく製造する方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明による高密度ガラス
状カーボン材の製造方法は、300℃未満のガラス転移温
度(Tg)を有するポリイミド樹脂の薄膜フィルムを積層
熱圧して一定厚さのシートに成形し、このシート面に前
記成形工程と同時にもしくは後工程として300℃以上の
ガラス転移温度(Tg)を有するポリイミド樹脂の外層を
形成したのち、非酸化性雰囲気中800〜2100℃の温度で
焼成炭化処理することを構成上の特徴とする。
一定厚さのポリイミド樹脂シートを成形する工程は、ガ
ラス転移温度(Tg)が300℃未満、好ましくは250〜295
℃の芳香族ポリイミド樹脂で形成された厚さ0.02〜0.13
mmの薄膜フィルムを多数枚積層し、熱圧する方法でおこ
なわれる。熱圧条件は、温度を250〜450℃の範囲に保持
し、圧力を5kg/cm2以上に設定することが望ましい。こ
の条件により、厚さ0.1〜9mmの一体に融着した組織のポ
リイミド樹脂シートを成形することができる。
成形されたポリイミド樹脂シート面には、前記成形工程
と同時にもしくは後工程として300℃以上のポリイミド
樹脂による外層が形成される。
この外層を成形工程と同時に形成するには、成形工程に
おいてガラス転移温度(Tg)300℃未満の積層フィルム
の両面にガラス転移温度(Tg)が300℃以上の芳香族ポ
リイミド樹脂フィルムを配置して同時に熱圧する方法が
採られる。また、成形工程の後工程として形成するに
は、積層熱圧して成形されたポリイミド樹脂シートの面
にイミド化後のガラス転移温度(Tg)が300℃以上にな
るようなポリアミック酸のワニス(ポリイミド樹脂の前
駆体)を塗布し、乾燥、イミド化する方法が採られる。
塗布手段としては、ドクターブレード法、ディッピング
法、スプレー法、刷毛塗り法など種々の方法を適用する
ことができる。乾燥処理は、溶媒成分(通常、N−メチ
ル−2−ピロリドンまたはN,N−ジメチルアセトアミ
ド)が揮散する60〜120℃範囲の温度でおこない、イミ
ド化は120〜400℃の温度域でおこなうことが好適であ
る。
焼成炭化処理は、窒素、アルゴンなどの非酸化性雰囲気
に保持された炉を用い、800〜2100℃の温度に加熱する
ことによっておこなわれる。
前記した本発明の工程で得られるポリイミド樹脂体はあ
る程度の厚さを有する硬質のシートであるため、焼成に
際して必ずしも炭素質押え板により挟圧した状態で炉に
充填する必要はなく、そのまま炉内にセットすることが
できる。
焼成炭化処理を経て製造されるガラス状カーボン材は、
厚さ1〜7mmの極めて高密度組織を備える無定形結晶構
造を呈している。
〔作 用〕
本発明によれば、主材となる内層のシート部分を融点の
低いガラス転移温度(Tg)300℃未満のポリイミド樹脂
フィルムを積層熱圧によって成形し、そのシート面に融
点の高いガラス転移温度(Tg)300℃以上のポリイミド
樹脂で構成された外層を形成して原料樹脂体とする。し
たがって、内層シートの成形時にはポリイミド樹脂フィ
ルムの積層熱圧を介して容易に所望厚の一体に融着化し
たシートの成形ができ、該シートは表面に形成された高
融点ポリイミド樹脂の外層によって被覆固定化される。
この構造において外層を形成するガラス転移温度(Tg)
300℃以上のポリイミド樹脂層は、融点より熱分解温度
が低い性状を有しているため焼成炭化工程における昇温
段階で軟化変形したり、他部材と融着する現象を生じる
ことはない。
このような作用によって、常に焼成前のシート形状を保
った状態で円滑に焼成炭化され、組織損傷のない完全な
ガス不透過性の均質かつ高密度のガラス状カーボン材に
転化する。
また、焼成炭化以前の工程で硬化剤その他の第3成分を
添加する必要がないから、得られるガラス状カーボンの
材質純度は頗る高い。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1 下記の分子構造式(1)を有するガラス転移温度(Tg)
285℃のポリイミド樹脂フィルム〔宇部興産(株)製
“ユーピレックスR"、厚さ0.125mm〕を20枚積層し、温
度300℃、圧力10kg/cm2の熱圧条件でプレスして厚さ2.5
mmのシートに成形した。
ついで、このシート面に、イミド後においてガラス転移
温度(Tg)500℃の下記分子構造式(2)を有するポリ
イミド樹脂に転化する性状の前駆体ポリアミック酸ワニ
ス〔宇部興産(株)製“U−ワニスS"、濃度20%〕を膜
厚が約50μmになるように均一に刷毛塗りした。
塗布後のシートを、70℃および120℃の温度で各1時間
乾燥したのち、200℃および300℃の温度に各2時間加熱
して塗布樹脂を硬化させてイミド化した。
このようにして外層を形成した樹脂シートを窒素ガス雰
囲気に保持された焼成炉に移し、1500℃の温度で焼成炭
化処理した。
得られたガラス状カーボン材は、厚さ2mmの無定形結晶
構造を呈しており、各種特性を測定したところ表1に示
す結果を得た。なお、比較のためにフラン樹脂を原料に
して製造された市販のガラス状カーボン材〔東海カーボ
ン(株)製、GC20〕の特性を表1に併載した。
表1の結果から、実施例によるガラス状カーボン材は従
来製品に比べて高密度で優れた強度特性を示す機能性状
を備えていることが認められる。
実施例2 ピロメリット酸無水物と4,4−ジアミノジフェニルエー
テルとをN−メチル−2−ピロリドン溶媒中で12時間撹
拌してポリアミック酸ワニス(濃度20%)を調製した。
このポリアミック酸ワニスは、イミド化するとガラス転
移温度(Tg)420℃を有する下記の分子構造式(3)の
ポリイミド樹脂に転化するものである。
このポリアミック酸ワニスに実施例1と同一条件により
成形したポリイミド樹脂(ガラス転移温度285℃)のシ
ートを浸漬して表面に均一に付着させたのち、実施例1
と同様に乾燥、イミド化および焼成炭化処理を施した。
上記の工程により10枚のガラス状カーボンシートを製造
し、焼成炭化過程における割れ、変形等の状況を調査し
た。その結果を表2に示した。
実施例3 実施例1と同一のポリイミド樹脂フィルム(ガラス転移
温度285℃)を18枚積層し、その両外面にガラス転移温
度(Tg)500℃を有する厚さ0.125mmのポリイミド樹脂フ
ィルム〔分子構造式(2)〕を重ねた状態で、温度300
℃、圧力10kg/cm2の熱圧条件でプレスし、厚さ2.5mmの
積層ポリイミドシートを成形した。
このシートを実施例1と同様にして焼成炭化処理し、10
枚のガラス状カーボンシートを製造した。この場合の焼
成炭化過程における割れ、変形等の状況を調査し、結果
を表2に併載した。
比較例1 実施例1と同一条件で成形したポリイミド樹脂(ガラス
転移温度285℃)のシートを、そのまま窒素ガス雰囲気
中で1500℃の温度で焼成炭化処理して10枚のガラス状カ
ーボンシートを製造した。この場合の焼成炭化過程にお
ける割れ、変形等の状況を調査し、その結果を表2に併
載した。
比較例2 ガラス転移温度(Tg)500℃を有する厚さ0.125mmのポリ
イミド樹脂フィルム〔分子構造式(2)〕を20枚積層
し、300℃および400℃の温度で10kg/cm2の圧力をかけて
プレスした。しかし、この場合には樹脂フィルムが軟
化、融着せず、一体成形することができなかった。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明によればガラス転移温度(Tg)が
300℃未満のポリイミド樹脂シートの外面に300℃以上の
ポリイミド樹脂層を形成した構造の原料樹脂体を焼成炭
化することにより、厚さ7mm程度までのシート状を有
し、高密度で優れた機能性状を具備するガラス状カーボ
ン材を収率よく製造することができる。したがって、高
度のガス透過性、耐熱性、化学的安定性などが同時に要
求される用途部材として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】300℃未満のガラス転移温度(Tg)を有す
    るポリイミド樹脂の薄膜フィルムを積層熱圧して一定厚
    さのシートに成形し、このシート面に前記成形工程と同
    時にもしくは後工程として300℃以上のガラス転移温度
    (Tg)を有するポリイミド樹脂の外層を形成したのち、
    非酸化性雰囲気中800〜2100℃の温度で焼成炭化処理す
    ることを特徴とする高密度ガラス状カーボン材の製造方
    法。
JP2160280A 1990-06-18 1990-06-18 高密度ガラス状カーボン材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0776083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2160280A JPH0776083B2 (ja) 1990-06-18 1990-06-18 高密度ガラス状カーボン材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2160280A JPH0776083B2 (ja) 1990-06-18 1990-06-18 高密度ガラス状カーボン材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0450108A JPH0450108A (ja) 1992-02-19
JPH0776083B2 true JPH0776083B2 (ja) 1995-08-16

Family

ID=15711581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2160280A Expired - Lifetime JPH0776083B2 (ja) 1990-06-18 1990-06-18 高密度ガラス状カーボン材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0776083B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5252562B2 (ja) * 2009-01-07 2013-07-31 住友電気工業株式会社 放熱シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0450108A (ja) 1992-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4119693B2 (ja) 絶縁材付グラファイトフィルムおよびその製造方法
JPH0231033B2 (ja)
WO2020151079A1 (zh) 聚酰亚胺厚膜和量子碳基膜、及其制备方法
TW201819294A (zh) 用於捲燒式石墨化之聚醯亞胺膜及石墨膜製造方法
CN114437349A (zh) 聚酰亚胺膜、其制备方法和石墨膜
CN114605153A (zh) 一种高导热石墨膜的制备方法
KR102151506B1 (ko) 무지향성 고분자 사슬을 포함하는 폴리이미드 필름, 이의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 그라파이트 시트
JP2004299919A (ja) グラファイト及びその製造方法
JPH0776083B2 (ja) 高密度ガラス状カーボン材の製造方法
CN114516959B (zh) 聚酰胺膜、其制备方法和石墨膜
JP4419337B2 (ja) 高配向グラファイト層状シ−ト物及びその製造方法
JPH03247504A (ja) 炭素薄板及びその製造方法
TWI751776B (zh) 石墨片用之聚醯亞胺膜、其製備方法及由此製得之石墨片
JPS6145511B2 (ja)
JPH0776084B2 (ja) 高密度ガラス状カーボンフィルムの製造方法
KR20210018110A (ko) 그라파이트 시트용 다층 폴리이미드 필름, 이의 제조방법 및 이로부터 제조된 그라파이트 시트
JPH0367534B2 (ja)
JPH07138070A (ja) ガラス状炭素被覆炭素質材料の製造方法
JPH01168865A (ja) 銅膜形成物品の製造法
JP3043573B2 (ja) ガラス状炭素被覆層を有する炭素材およびその製造方法
JPS6052640B2 (ja) 炭素振動板
JP2011122085A (ja) ポリイミド複合材料及びその製造方法
WO2021192893A1 (ja) グラファイト薄膜の製造方法
EP0464371A1 (en) Polyamic acid structures, and methods of fabrication thereof
JPS63206376A (ja) 炭素材の製造方法