JPH0775944A - 脆性材料の加工方法及びその装置 - Google Patents
脆性材料の加工方法及びその装置Info
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- JPH0775944A JPH0775944A JP6126388A JP12638894A JPH0775944A JP H0775944 A JPH0775944 A JP H0775944A JP 6126388 A JP6126388 A JP 6126388A JP 12638894 A JP12638894 A JP 12638894A JP H0775944 A JPH0775944 A JP H0775944A
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- B24—GRINDING; POLISHING
- B24B—MACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
- B24B13/00—Machines or devices designed for grinding or polishing optical surfaces on lenses or surfaces of similar shape on other work; Accessories therefor
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- B24B1/00—Processes of grinding or polishing; Use of auxiliary equipment in connection with such processes
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B24—GRINDING; POLISHING
- B24B—MACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
- B24B7/00—Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor
- B24B7/20—Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of the material of non-metallic articles to be ground
- B24B7/22—Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of the material of non-metallic articles to be ground for grinding inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain
- B24B7/228—Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of the material of non-metallic articles to be ground for grinding inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain for grinding thin, brittle parts, e.g. semiconductors, wafers
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 延性モード領域の研削加工を通常の研削加工
装置を用いて実現可能にする。 【構成】 保持基台上に付設された無数の砥粒からなる
砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に対して
所定圧力で押し当てつつ、被加工物との相対移動動作に
伴い前記被加工面の研削乃至研磨加工するため、無数の
砥粒の内、研削乃至研磨加工に関与する砥粒の被加工面
への切込深さdを、被加工物の脆性破壊が生じる最小の
切込深さの臨界切込深さdC 以下となるように所定圧力
を設定して研削乃至研磨加工を行う。
装置を用いて実現可能にする。 【構成】 保持基台上に付設された無数の砥粒からなる
砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に対して
所定圧力で押し当てつつ、被加工物との相対移動動作に
伴い前記被加工面の研削乃至研磨加工するため、無数の
砥粒の内、研削乃至研磨加工に関与する砥粒の被加工面
への切込深さdを、被加工物の脆性破壊が生じる最小の
切込深さの臨界切込深さdC 以下となるように所定圧力
を設定して研削乃至研磨加工を行う。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、セラミック
ス、結晶材料等の脆性材料を精密に定圧研削加工する方
法、特に、カメラ、ビデオ、顕微鏡等の光学機器に用い
られる脆性材料の研削加工方法及びその装置に関する。
ス、結晶材料等の脆性材料を精密に定圧研削加工する方
法、特に、カメラ、ビデオ、顕微鏡等の光学機器に用い
られる脆性材料の研削加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明で用いる「脆性材料」を、光学ガ
ラス、石英ガラス、アモルファスシリコン等の非晶質材
料と、蛍石、シリコン、KDP、KTP(KTiOPO
4 )、水晶等の結晶材料と、炭化珪素、アルミナ、ジル
コニア等のセラミックス材料であって、固くて脆い材料
として定義する。一般には、これらの材料は破壊靭性値
(臨界応力拡大係数)KICが10メガニュートン/m
3/2 以下である。
ラス、石英ガラス、アモルファスシリコン等の非晶質材
料と、蛍石、シリコン、KDP、KTP(KTiOPO
4 )、水晶等の結晶材料と、炭化珪素、アルミナ、ジル
コニア等のセラミックス材料であって、固くて脆い材料
として定義する。一般には、これらの材料は破壊靭性値
(臨界応力拡大係数)KICが10メガニュートン/m
3/2 以下である。
【0003】これらの「脆性材料」を研削加工する場合
に、加工表面下にクラック、チッピング等と呼ばれる脆
性破壊を伴なう「脆性モード領域」で加工されることが
多いが、このような「脆性材料」であっても、研削の切
り込み深さを十分に小さく設定して研削加工を行えば、
鉄、アルミ等の金属材料と同じように、クラック、チッ
ピングなどが発生しない「延性モード領域」で加工する
ことが可能であることが知られている。
に、加工表面下にクラック、チッピング等と呼ばれる脆
性破壊を伴なう「脆性モード領域」で加工されることが
多いが、このような「脆性材料」であっても、研削の切
り込み深さを十分に小さく設定して研削加工を行えば、
鉄、アルミ等の金属材料と同じように、クラック、チッ
ピングなどが発生しない「延性モード領域」で加工する
ことが可能であることが知られている。
【0004】上記の「脆性モード領域」となるか「延性
モード領域」となるかは、研削に用いられる砥石の砥粒
1個当たりの切り込み深さで決定され、切り込みをゼロ
から徐々に大きくしていった時に、脆性破壊が発生する
最小の切込深さは「臨界切込深さ」と呼ばれ、材料に固
有の値となる。
モード領域」となるかは、研削に用いられる砥石の砥粒
1個当たりの切り込み深さで決定され、切り込みをゼロ
から徐々に大きくしていった時に、脆性破壊が発生する
最小の切込深さは「臨界切込深さ」と呼ばれ、材料に固
有の値となる。
【0005】一方、ガラス、セラミックス、結晶材料等
の脆性材料を精密に定圧状態で研削加工する場合には、
一般に弾性があるレジンボンド等の微細砥粒の砥石が用
いられている。このレジンボンド砥石とは、フェノール
樹脂、ポリイミド樹脂等の粉末と砥粒とを混合して、加
圧成形後に焼成して形成されたものである。
の脆性材料を精密に定圧状態で研削加工する場合には、
一般に弾性があるレジンボンド等の微細砥粒の砥石が用
いられている。このレジンボンド砥石とは、フェノール
樹脂、ポリイミド樹脂等の粉末と砥粒とを混合して、加
圧成形後に焼成して形成されたものである。
【0006】従来の球面形状の総型砥石を用いた定圧状
態の研削加工で球面レンズを製造する場合の製造工程で
は、球面レンズ形状に成形されたプレス材を1〜2段階
の粗研削をした後に、精研削と呼ばれる精密研削加工を
行い、最後に1〜2回の遊離砥粒による研磨を行って、
球面形状を仕上げているが、この精研削と呼ばれる研磨
前仕上げ時に研削用工具として一般にレジンボンドの砥
石が用いられている。一方、近年いくつかの研究機関で
「延性モード研削」と呼ばれる定寸切込の精密検研削加
工方法が研究されている、この方法によれば、高精度の
ツルーイングによって砥石の砥粒の先端高さを揃えて、
高精度・高剛性な機械を用いて、被削材の臨界切込み深
さ(被削材に与える切込み深さを徐々に大きくしていっ
た時に、被削材の除去形態が延性モードから脆性モード
に移行する限界の切込み深さ)以下の微小な切込み量を
機械的に与えることにより、ガラス等の脆性材料でも、
金属等と同じように、延性モード領域で加工することが
可能であることが明らかになっている。また、特開平5
−16070号、特開平5−185372号公報によれ
ば、砥石の砥粒の先端高さを精密に揃えるツルーイング
による「延性モード領域研削」の技術に関して詳しく開
示されている。
態の研削加工で球面レンズを製造する場合の製造工程で
は、球面レンズ形状に成形されたプレス材を1〜2段階
の粗研削をした後に、精研削と呼ばれる精密研削加工を
行い、最後に1〜2回の遊離砥粒による研磨を行って、
球面形状を仕上げているが、この精研削と呼ばれる研磨
前仕上げ時に研削用工具として一般にレジンボンドの砥
石が用いられている。一方、近年いくつかの研究機関で
「延性モード研削」と呼ばれる定寸切込の精密検研削加
工方法が研究されている、この方法によれば、高精度の
ツルーイングによって砥石の砥粒の先端高さを揃えて、
高精度・高剛性な機械を用いて、被削材の臨界切込み深
さ(被削材に与える切込み深さを徐々に大きくしていっ
た時に、被削材の除去形態が延性モードから脆性モード
に移行する限界の切込み深さ)以下の微小な切込み量を
機械的に与えることにより、ガラス等の脆性材料でも、
金属等と同じように、延性モード領域で加工することが
可能であることが明らかになっている。また、特開平5
−16070号、特開平5−185372号公報によれ
ば、砥石の砥粒の先端高さを精密に揃えるツルーイング
による「延性モード領域研削」の技術に関して詳しく開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の研削方法には以下の問題点がある。即ち、レジン
ボンドのように弾性のあるボンドの砥石を用いた研削加
工の場合には、多数の微細砥粒がボンド自体の有する弾
性によって沈み込んでしまい、被削材に食い込む砥粒や
被削材表面の突起部に引っ掛かる砥粒により、微小量ず
つ被削材の除去が進行することになる。
従来の研削方法には以下の問題点がある。即ち、レジン
ボンドのように弾性のあるボンドの砥石を用いた研削加
工の場合には、多数の微細砥粒がボンド自体の有する弾
性によって沈み込んでしまい、被削材に食い込む砥粒や
被削材表面の突起部に引っ掛かる砥粒により、微小量ず
つ被削材の除去が進行することになる。
【0008】つまり、図11に示されるレジンボンド砥
石を用いて行った精研削の加工状態を模式的に示した断
面図において、砥粒3はボンド2中に沈み込む状態にな
っており、砥粒の先端高さがある程度揃うようになるた
めに、個々の砥粒の切り込み深さがある程度均一とな
る。そこで、砥粒径やボンドの弾性を適度に選定するこ
とによって、全ての砥粒の切り込み深さを臨界切込深さ
dc 以下にすることができ、見かけ上は延性モード領域
の精密研削加工を行うことができる場合がある。しかし
ながら、このレジンボンド砥石を用いると、個々の砥粒
3の砥粒先端の鋭利さの差、個々の砥粒の沈み込み量の
差などにより、1個1個の砥粒3の切り込み深さは微妙
に異なり、深く切り込んだ砥粒が臨界切込深さdc を越
えてしまい、被加工物である被削材4に脆性破壊である
クラックKを発生させることがあることから、安定した
延性モード領域の研削加工を行うことは結局はできな
い。また、レジンボンド砥石で行われる精密定圧研削に
おいては、研削加工が進行して、被削材4側の表面状態
が平滑度が高くなってくると、砥粒3の引っ掛かりが少
なくなり、研削のための材料除去に寄与しない砥粒が次
第に増加してゆくために、その後に加工時間をいくら長
くしても、除去量は7〜8ミクロン程度に収束してしま
い、それ以上の除去ができないという問題点がある。
石を用いて行った精研削の加工状態を模式的に示した断
面図において、砥粒3はボンド2中に沈み込む状態にな
っており、砥粒の先端高さがある程度揃うようになるた
めに、個々の砥粒の切り込み深さがある程度均一とな
る。そこで、砥粒径やボンドの弾性を適度に選定するこ
とによって、全ての砥粒の切り込み深さを臨界切込深さ
dc 以下にすることができ、見かけ上は延性モード領域
の精密研削加工を行うことができる場合がある。しかし
ながら、このレジンボンド砥石を用いると、個々の砥粒
3の砥粒先端の鋭利さの差、個々の砥粒の沈み込み量の
差などにより、1個1個の砥粒3の切り込み深さは微妙
に異なり、深く切り込んだ砥粒が臨界切込深さdc を越
えてしまい、被加工物である被削材4に脆性破壊である
クラックKを発生させることがあることから、安定した
延性モード領域の研削加工を行うことは結局はできな
い。また、レジンボンド砥石で行われる精密定圧研削に
おいては、研削加工が進行して、被削材4側の表面状態
が平滑度が高くなってくると、砥粒3の引っ掛かりが少
なくなり、研削のための材料除去に寄与しない砥粒が次
第に増加してゆくために、その後に加工時間をいくら長
くしても、除去量は7〜8ミクロン程度に収束してしま
い、それ以上の除去ができないという問題点がある。
【0009】このように、弾性のレジンボンド砥石で行
われる精密研削は、かなりの不安定要素があり、数多く
のノウハウを要するので実際的でない。
われる精密研削は、かなりの不安定要素があり、数多く
のノウハウを要するので実際的でない。
【0010】一方、上述の「延性モード領域研削」は、
高精度のツルーイングにより砥粒先端高さを揃えた砥石
を用いて、高い剛性を有する高い精度の専用機械を用い
て微小な切り込みを設定して、延性モードの領域でガラ
ス等の脆性材料を加工するものである。
高精度のツルーイングにより砥粒先端高さを揃えた砥石
を用いて、高い剛性を有する高い精度の専用機械を用い
て微小な切り込みを設定して、延性モードの領域でガラ
ス等の脆性材料を加工するものである。
【0011】図12は、「延性モード研削」の加工状態
を模式的に示した断面図であり、本図において、砥粒3
はツルーイングされており、その先端部は平滑な形状に
加工されている。この砥石の砥粒3を図示のように被加
工物4に切り込み量d分だけ正確に切り込ませるめに、
高い荷重をかけると共に、被加工物4に脆性破壊を起こ
させない範囲である臨界切込深さdc 内になるように位
置制御して研削する。すなわち、この延性モード領域研
削の研削方法においては、非常に高精度に切り込み量d
を制御設定する必要があり、剛性の高い専用研削加工機
とこれに付随する制御装置を準備しなければならないた
めに、加工コストが非常に高くなってしまうというとい
う欠点がある。
を模式的に示した断面図であり、本図において、砥粒3
はツルーイングされており、その先端部は平滑な形状に
加工されている。この砥石の砥粒3を図示のように被加
工物4に切り込み量d分だけ正確に切り込ませるめに、
高い荷重をかけると共に、被加工物4に脆性破壊を起こ
させない範囲である臨界切込深さdc 内になるように位
置制御して研削する。すなわち、この延性モード領域研
削の研削方法においては、非常に高精度に切り込み量d
を制御設定する必要があり、剛性の高い専用研削加工機
とこれに付随する制御装置を準備しなければならないた
めに、加工コストが非常に高くなってしまうというとい
う欠点がある。
【0012】したがって、本発明は、以上のような従来
の弾性のレジンボンド砥石を使った精密研削および、剛
性の高い専用研削加工機他を用いて行われる「延性モー
ド研削」に固有の問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、通常の研削装置を用いても延
性モード領域研削を十分に可能にすることができる脆性
材料の研削加工方法及びその装置を提供することにあ
る。
の弾性のレジンボンド砥石を使った精密研削および、剛
性の高い専用研削加工機他を用いて行われる「延性モー
ド研削」に固有の問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、通常の研削装置を用いても延
性モード領域研削を十分に可能にすることができる脆性
材料の研削加工方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】及び
【作用】本発明は、電着系またはメタルボンド系の硬質
ボンドの砥石を用いる定圧研削によって脆性材料を研削
加工する脆性材料の精密定圧研削加工方法において、研
削時の全荷重を制御して、研削砥石の砥粒のうち研削に
関与する砥粒(作用砥粒)全ての切り込み深さを脆性モ
ード研削が生じる最小の切り込み深さ(臨界切込深さd
C )以下として、研削を行うことを特徴とする脆性材料
の精密定圧研削加工込法を提供する。
ボンドの砥石を用いる定圧研削によって脆性材料を研削
加工する脆性材料の精密定圧研削加工方法において、研
削時の全荷重を制御して、研削砥石の砥粒のうち研削に
関与する砥粒(作用砥粒)全ての切り込み深さを脆性モ
ード研削が生じる最小の切り込み深さ(臨界切込深さd
C )以下として、研削を行うことを特徴とする脆性材料
の精密定圧研削加工込法を提供する。
【0014】本発明の方法では、上記の従来の問題点を
解決するために、脆性破壊が生じる最小の臨界荷重pc
を求め、実際の研削をその最小荷重値以下で行う。
解決するために、脆性破壊が生じる最小の臨界荷重pc
を求め、実際の研削をその最小荷重値以下で行う。
【0015】それには、図1、図2に示す2つの方法が
ある。
ある。
【0016】図1は発明の研削における加工状態の1例
を示す模式的断面図であり、砥粒3がボンド2で固定さ
れた砥石1を、砥石回転軸5回りに回転させ、被削材4
をワーク回転軸6回りに回転させながら、一定荷重Pで
砥石1に押し付ける。いわゆる定圧研削加工方法で、全
荷重Pの制御により作用砥粒3−1全ての被削材4に対
する切込深さが被削材の臨界切込深さdC よりも小さく
なっている図を示す。本図に示す例で用いる砥石1は、
一般に市販されている電着砥石(ニッケル、銅などのメ
ッキで砥粒を砥石台金上に固定したメッキ技術を利用し
た砥石)あるいはメタルボンド砥石(ニッケル、銅、鉄
等の金属粉末と砥粒を混合後、加圧成形および焼結を行
う粉末治金技術を利用した砥石)等の硬質ボンドの砥石
を用いるが、これらの砥石は、一般的に砥粒の先端高さ
が不揃いである。このため、図1に示す方法では、非作
用砥粒3−2のように、加工中に被削材4に接触してい
ない砥粒も砥石1内に存在している。
を示す模式的断面図であり、砥粒3がボンド2で固定さ
れた砥石1を、砥石回転軸5回りに回転させ、被削材4
をワーク回転軸6回りに回転させながら、一定荷重Pで
砥石1に押し付ける。いわゆる定圧研削加工方法で、全
荷重Pの制御により作用砥粒3−1全ての被削材4に対
する切込深さが被削材の臨界切込深さdC よりも小さく
なっている図を示す。本図に示す例で用いる砥石1は、
一般に市販されている電着砥石(ニッケル、銅などのメ
ッキで砥粒を砥石台金上に固定したメッキ技術を利用し
た砥石)あるいはメタルボンド砥石(ニッケル、銅、鉄
等の金属粉末と砥粒を混合後、加圧成形および焼結を行
う粉末治金技術を利用した砥石)等の硬質ボンドの砥石
を用いるが、これらの砥石は、一般的に砥粒の先端高さ
が不揃いである。このため、図1に示す方法では、非作
用砥粒3−2のように、加工中に被削材4に接触してい
ない砥粒も砥石1内に存在している。
【0017】そこで、全荷重Pの決定方法は、臨界切込
深さの切込量を定寸で与えた時に砥石と被削材の接触面
積内に存在する作用砥粒数(NMAX )および砥粒1個当
たり荷重(臨界荷重;pc )を測定して、臨界切込深さ
での研削における全荷重をN MAX ・pC で算出する。砥
粒1個に加わる荷重pが、p<pC を満たせば延性モー
ドでの研削が可能であるが、その条件下では同時に、砥
石の砥粒の先端高さが不揃いであれば、作用砥粒数Nは
減少してNMAX 以下、すなわちN≦NMAX となる。従っ
て、p<pC が満たされる場合には、N・p<NMAX ・
pC も成り立つ。ここでN・pは、研削時の全荷重
(P)を表わすことから延性モード研削を行うためには
下記の式1に示すように加工時の全荷重を制御すればよ
い。
深さの切込量を定寸で与えた時に砥石と被削材の接触面
積内に存在する作用砥粒数(NMAX )および砥粒1個当
たり荷重(臨界荷重;pc )を測定して、臨界切込深さ
での研削における全荷重をN MAX ・pC で算出する。砥
粒1個に加わる荷重pが、p<pC を満たせば延性モー
ドでの研削が可能であるが、その条件下では同時に、砥
石の砥粒の先端高さが不揃いであれば、作用砥粒数Nは
減少してNMAX 以下、すなわちN≦NMAX となる。従っ
て、p<pC が満たされる場合には、N・p<NMAX ・
pC も成り立つ。ここでN・pは、研削時の全荷重
(P)を表わすことから延性モード研削を行うためには
下記の式1に示すように加工時の全荷重を制御すればよ
い。
【0018】 P<NMAX ・pc (式1) そこで、以下に およびNMAX の測定方法を示す。
【0019】臨界荷重pc の測定 ある荷重(p)を与えられた時に、砥粒1個が被削材に
対して切り込む深さ(d)は、 1)砥粒1個に加わる荷重(p) 2)砥粒の鋭利さ、硬度などの性質によって決まる因子
(R)、 3)被削材の硬度、弾性率などの性質によって決まる因
子(H)、 4)加工時の砥粒と被削材の相対速度(V) の関数となり、d=F(p、R、H、V)と表すことが
できる。
対して切り込む深さ(d)は、 1)砥粒1個に加わる荷重(p) 2)砥粒の鋭利さ、硬度などの性質によって決まる因子
(R)、 3)被削材の硬度、弾性率などの性質によって決まる因
子(H)、 4)加工時の砥粒と被削材の相対速度(V) の関数となり、d=F(p、R、H、V)と表すことが
できる。
【0020】そこで、実際に脆性材料を砥石により研削
加工を行う前に、研削加工時に使用する砥石に含まれて
いる砥粒と同じ種類の砥粒1個を取り付けた単粒モデル
工具を用いて実際に加工される脆性材料と同じ材質のモ
デルワークを、研削加工時と同じ相対速度で、加工シュ
ミレーションを行い、砥粒1個の荷重pと切り込み量d
の関係を予め測定する。
加工を行う前に、研削加工時に使用する砥石に含まれて
いる砥粒と同じ種類の砥粒1個を取り付けた単粒モデル
工具を用いて実際に加工される脆性材料と同じ材質のモ
デルワークを、研削加工時と同じ相対速度で、加工シュ
ミレーションを行い、砥粒1個の荷重pと切り込み量d
の関係を予め測定する。
【0021】この加工シュミレーションは、単粒モデル
工具のモデルワークに対する切込量(d)を変化させ
て、ある切込量(d)で加工している時の単粒モデル工
具とモデルワーク間に加わる荷重(p)を測定すること
により、ある1個の砥粒の切込量(d)対荷重(p)の
関係をグラフ化する。また、同時に、脆性破壊が発生す
る最小の切込深さを、加工後の観察により判断し、これ
をこの脆性材料の臨界切込深さ(dC )として決定す
る。
工具のモデルワークに対する切込量(d)を変化させ
て、ある切込量(d)で加工している時の単粒モデル工
具とモデルワーク間に加わる荷重(p)を測定すること
により、ある1個の砥粒の切込量(d)対荷重(p)の
関係をグラフ化する。また、同時に、脆性破壊が発生す
る最小の切込深さを、加工後の観察により判断し、これ
をこの脆性材料の臨界切込深さ(dC )として決定す
る。
【0022】このような加工シュミレーションを複数の
単粒モデル工具について行って、d対pの曲線を砥粒の
性質によって決まる因子Rについて平均化したd対p曲
線から、臨界切込深さdc だけ切り込んだ時の砥粒1個
当たり荷重、すなわち、砥粒1個当たりの臨界荷重pc
を求める。
単粒モデル工具について行って、d対pの曲線を砥粒の
性質によって決まる因子Rについて平均化したd対p曲
線から、臨界切込深さdc だけ切り込んだ時の砥粒1個
当たり荷重、すなわち、砥粒1個当たりの臨界荷重pc
を求める。
【0023】砥石と被削材の接触面積内に存在する作用
砥粒数最大値NMAX の測定 作用砥粒数の測定は、実際に脆性材料を加工する砥石と
同じ仕様(ボンド、砥粒)の平面形状のモデル砥石を用
いて、アクリル樹脂などの平面形状のダミーワークに傷
を付け、この傷の数を計数する。作用砥粒数最大値N
MAX は、モデル砥石とダミーワークの最初の接触点か
ら、実際に加工する脆性材料の臨界切込深さ(dC )だ
け切り込んだ後、モデル砥石とダミーワークを切り込み
と直角方向に相対的に微小量移動させて、ダミーワーク
に傷を付け、取り外したダミーワークを顕微鏡などによ
り観察して単位面積当たりの傷の数を計数する。この単
位面積当たりの傷の数と、実際に加工する被削材と砥石
の接触面積との積を作用砥粒最大値NMAX とする。
砥粒数最大値NMAX の測定 作用砥粒数の測定は、実際に脆性材料を加工する砥石と
同じ仕様(ボンド、砥粒)の平面形状のモデル砥石を用
いて、アクリル樹脂などの平面形状のダミーワークに傷
を付け、この傷の数を計数する。作用砥粒数最大値N
MAX は、モデル砥石とダミーワークの最初の接触点か
ら、実際に加工する脆性材料の臨界切込深さ(dC )だ
け切り込んだ後、モデル砥石とダミーワークを切り込み
と直角方向に相対的に微小量移動させて、ダミーワーク
に傷を付け、取り外したダミーワークを顕微鏡などによ
り観察して単位面積当たりの傷の数を計数する。この単
位面積当たりの傷の数と、実際に加工する被削材と砥石
の接触面積との積を作用砥粒最大値NMAX とする。
【0024】以上のようにしてNMAX 及びpc を測定し
て、加工時の全荷重Pの範囲を決定することで、研削砥
石の砥粒のうち研削に関与する砥粒(作用砥粒)全ての
切り込み深さを脆性モード研削が生じる最小の切り込み
深さ(臨界切込深さdC )以下として、研削を行う脆性
材料の精密定圧研削加工方法と、この方法による精密定
圧研削加工装置が提供されることになる。
て、加工時の全荷重Pの範囲を決定することで、研削砥
石の砥粒のうち研削に関与する砥粒(作用砥粒)全ての
切り込み深さを脆性モード研削が生じる最小の切り込み
深さ(臨界切込深さdC )以下として、研削を行う脆性
材料の精密定圧研削加工方法と、この方法による精密定
圧研削加工装置が提供されることになる。
【0025】次に、図2は、本発明の研削における加工
状態のもう1つの例を示す模式断面図である。図2に示
す方法は、加工方法の概略は図1に示す方法と同じであ
るため詳細な説明は省略するが、図2に示す方法では砥
石1として、予めその製造工程において、砥粒3の先端
高さが被削材4の臨界切込深さdC 値よりも十分小さい
レベルで精度よく揃えられた砥石を用いるものである。
この方法では砥粒3の切り込み深さは全ての砥粒につい
て同等であり、図1に示した非作用砥粒3−2のような
ものは存在しない。
状態のもう1つの例を示す模式断面図である。図2に示
す方法は、加工方法の概略は図1に示す方法と同じであ
るため詳細な説明は省略するが、図2に示す方法では砥
石1として、予めその製造工程において、砥粒3の先端
高さが被削材4の臨界切込深さdC 値よりも十分小さい
レベルで精度よく揃えられた砥石を用いるものである。
この方法では砥粒3の切り込み深さは全ての砥粒につい
て同等であり、図1に示した非作用砥粒3−2のような
ものは存在しない。
【0026】このような、予め砥粒先端高さが揃った砥
石を製造するためには、例えば、本発明者らの考案によ
る特願平5−96040号(製造すべき砥石の研削面形
状を表裏反転した形状の金型を用いて、この金型の表面
異砥粒を分散し、砥粒を覆って金属メッキ等の結合剤層
を形成し、砥石基材表面に接着した後、金型から剥離
し、金型の形状を表裏反転した面の結合剤層をエッチン
グして砥粒を結合層から突き出させる)等の砥石製造方
法を用いることができる。
石を製造するためには、例えば、本発明者らの考案によ
る特願平5−96040号(製造すべき砥石の研削面形
状を表裏反転した形状の金型を用いて、この金型の表面
異砥粒を分散し、砥粒を覆って金属メッキ等の結合剤層
を形成し、砥石基材表面に接着した後、金型から剥離
し、金型の形状を表裏反転した面の結合剤層をエッチン
グして砥粒を結合層から突き出させる)等の砥石製造方
法を用いることができる。
【0027】そこで、延性モード領域の研削を行うため
には、砥粒1個に加わる荷重(p)が臨界荷重未満、す
なわち、p<pC となるようにすればよい。
には、砥粒1個に加わる荷重(p)が臨界荷重未満、す
なわち、p<pC となるようにすればよい。
【0028】図2に示した様に、この砥石では砥粒先端
の高さが揃っているため、いずれの砥粒の切り込み深さ
も同等である。従って、作用砥粒数をNとした場合、P
=p・Nであることから、下記の式2の範囲でP(加工
時の全荷重)を設定することによって、砥粒1個に加わ
る荷重pは、臨界荷重pc 未満となり、従来の定圧研削
加工機を用いて延性モードにて研削を行うことができ
る。
の高さが揃っているため、いずれの砥粒の切り込み深さ
も同等である。従って、作用砥粒数をNとした場合、P
=p・Nであることから、下記の式2の範囲でP(加工
時の全荷重)を設定することによって、砥粒1個に加わ
る荷重pは、臨界荷重pc 未満となり、従来の定圧研削
加工機を用いて延性モードにて研削を行うことができ
る。
【0029】 P<pC ・N (式2)
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例について、添付の図面
を参照して、特に通常の研削装置を用いても延性モード
領域研削を十分に可能にできる諸条件を得るための具体
例について述べる。 まず、図3は砥石を構成する砥粒
の1個分を用いて臨界荷重、臨界切り込み量を測定する
第1の装置200の正面図(a)、第1の装置200の
部分Zの拡大図(b)である。本図に示す装置は、上下
位置決めスライド55に支持された、エアベアリング5
2に工具を取り付け、テーブル59の移動により被削材
57を加工する装置である。上下位置決めスライド55
は、コラム56に取り付けられ、ボールネジ53、モー
タ54により位置決めされる。
を参照して、特に通常の研削装置を用いても延性モード
領域研削を十分に可能にできる諸条件を得るための具体
例について述べる。 まず、図3は砥石を構成する砥粒
の1個分を用いて臨界荷重、臨界切り込み量を測定する
第1の装置200の正面図(a)、第1の装置200の
部分Zの拡大図(b)である。本図に示す装置は、上下
位置決めスライド55に支持された、エアベアリング5
2に工具を取り付け、テーブル59の移動により被削材
57を加工する装置である。上下位置決めスライド55
は、コラム56に取り付けられ、ボールネジ53、モー
タ54により位置決めされる。
【0031】エアベアリング52はモータ51で回転さ
れ、他端には工具ホルダ64が取り付けられている。
れ、他端には工具ホルダ64が取り付けられている。
【0032】テーブル59は定盤60に取りつけられエ
アシリンダ61で駆動される。更にテーブル上には、加
工時の荷重測定用の荷重計58が取り付けられ、アンプ
62で出力を増幅した後、記録計63で記録される。
アシリンダ61で駆動される。更にテーブル上には、加
工時の荷重測定用の荷重計58が取り付けられ、アンプ
62で出力を増幅した後、記録計63で記録される。
【0033】荷重pと切込量dの関係を測定する方法
は、実際に研削加工に使用する砥石に含まれるものと同
じ種類、粒径の砥粒66をろう付けした工具シャンク6
5を工具ホルダ64に取り付け、上下位置決めスライド
55で切込量d分だけ、被削材57に砥粒66が切り込
む位置に位置決めした後、工具1回転当たり送り量Hの
スピードでエアシリンダ61によりテーブル59を移動
させることにより、被削材57に切削溝67が螺旋状に
断続的に加工され、加工時に被削材57に加わる力が荷
重計58によって検出される。
は、実際に研削加工に使用する砥石に含まれるものと同
じ種類、粒径の砥粒66をろう付けした工具シャンク6
5を工具ホルダ64に取り付け、上下位置決めスライド
55で切込量d分だけ、被削材57に砥粒66が切り込
む位置に位置決めした後、工具1回転当たり送り量Hの
スピードでエアシリンダ61によりテーブル59を移動
させることにより、被削材57に切削溝67が螺旋状に
断続的に加工され、加工時に被削材57に加わる力が荷
重計58によって検出される。
【0034】このような加工を、切込量dの量を変えて
数回分けて行うか、あるいは切込量dを1回の加工中に
連続して変化させることにより、切込量d対荷重pの関
係が求められ、例えば図4に示す荷重−切込深さ相関図
のグラフを描くことができる。また、切込量dが大きく
なるにつれて、切削溝67がクラックのない延性モード
の状態から、溝の底あるいは周辺にクラック発生を伴な
う脆性モード破壊の状態に変化していくが、脆性モード
破壊が発生する時の切込量dを読み取ることにより、こ
の被削材57の臨界切込深さdcを測定することができ
る。
数回分けて行うか、あるいは切込量dを1回の加工中に
連続して変化させることにより、切込量d対荷重pの関
係が求められ、例えば図4に示す荷重−切込深さ相関図
のグラフを描くことができる。また、切込量dが大きく
なるにつれて、切削溝67がクラックのない延性モード
の状態から、溝の底あるいは周辺にクラック発生を伴な
う脆性モード破壊の状態に変化していくが、脆性モード
破壊が発生する時の切込量dを読み取ることにより、こ
の被削材57の臨界切込深さdcを測定することができ
る。
【0035】実際に1例として、図3の第1の装置20
0を用い、同一材質の粒径の等しい砥粒A、BおよびC
を用い、dを変化させながらpを測定し、その結果を図
4のグラフに示した。この場合砥粒の粒径は100μm
で、被削材は(株)オハラ製クラウン系ガラスBSL7
である。
0を用い、同一材質の粒径の等しい砥粒A、BおよびC
を用い、dを変化させながらpを測定し、その結果を図
4のグラフに示した。この場合砥粒の粒径は100μm
で、被削材は(株)オハラ製クラウン系ガラスBSL7
である。
【0036】図4からわかるように、粒径の等しい砥粒
で加工した場合でも、砥粒の性質としての砥粒エッジの
丸み、砥粒の方向などにより、砥粒A、B、C間でd−
p曲線は大きく異なる。従って、臨界荷重を決定するた
めには、いくつかの異なる砥粒について測定を行って、
その平均を求める必要がある。例えば、この場合の臨界
切込深さが0.5μmであるとすれば、図4に示した砥
粒A、B、Cの平均曲線から、pc は0.078N(8
gf)であることがわかる。以上から、砥粒1個による
臨界切込量dc と、このときの荷重pc を得ることがで
きた。
で加工した場合でも、砥粒の性質としての砥粒エッジの
丸み、砥粒の方向などにより、砥粒A、B、C間でd−
p曲線は大きく異なる。従って、臨界荷重を決定するた
めには、いくつかの異なる砥粒について測定を行って、
その平均を求める必要がある。例えば、この場合の臨界
切込深さが0.5μmであるとすれば、図4に示した砥
粒A、B、Cの平均曲線から、pc は0.078N(8
gf)であることがわかる。以上から、砥粒1個による
臨界切込量dc と、このときの荷重pc を得ることがで
きた。
【0037】次に、最大作用砥粒数は図5に示される第
2の装置300を用いて測定する。図5に示される装置
は、上下位置決めライド75に支持された、エアベアリ
ング72に工具を取り付け、テーブル79の移動により
被削材77を加工する装置である。上下位置決めスライ
ド75は、コラム76に取り付けられ、ボールネジ7
3、モータ74により位置決めされる。
2の装置300を用いて測定する。図5に示される装置
は、上下位置決めライド75に支持された、エアベアリ
ング72に工具を取り付け、テーブル79の移動により
被削材77を加工する装置である。上下位置決めスライ
ド75は、コラム76に取り付けられ、ボールネジ7
3、モータ74により位置決めされる。
【0038】エアベアリング72はモータ71で回転さ
れるが、図示しないモータ内に内蔵された角度検出器
(エンコーダ)により、微小角度の位置決めを行うこと
もできる。
れるが、図示しないモータ内に内蔵された角度検出器
(エンコーダ)により、微小角度の位置決めを行うこと
もできる。
【0039】テーブル79は定盤80に取りつけられボ
ールネジ81、モータ82により移動、位置決めされ
る。
ールネジ81、モータ82により移動、位置決めされ
る。
【0040】最大作用砥粒数を測定する方法は、図5の
装置のエアベアリング72に実際に加工に使う砥石と同
じ仕様及び製造方法で平面形状に製作した砥石83を取
り付け、テーブル79にワーク台78を介して平面形状
のアクリル樹脂等のダミー被削材77を取り付け、ダミ
ー被削材77が砥石83の下方に位置するようにテーブ
ル79を位置決めした後、上下位置決めスライド75を
下降させて、砥石83がダミー被削材77と最初に接触
した位置から加工する脆性材料の臨界切込深さdc分だ
け更に下降させて、上下位置決めスライド75を停止す
る。
装置のエアベアリング72に実際に加工に使う砥石と同
じ仕様及び製造方法で平面形状に製作した砥石83を取
り付け、テーブル79にワーク台78を介して平面形状
のアクリル樹脂等のダミー被削材77を取り付け、ダミ
ー被削材77が砥石83の下方に位置するようにテーブ
ル79を位置決めした後、上下位置決めスライド75を
下降させて、砥石83がダミー被削材77と最初に接触
した位置から加工する脆性材料の臨界切込深さdc分だ
け更に下降させて、上下位置決めスライド75を停止す
る。
【0041】この位置でエアベアリング72をモータ7
1で微小角度αである例えば1°〜10°回転させて、
上下位置決めスライド75を上昇させると、ダミー被削
材77には、例えば図6に見られるような傷が残る。
1で微小角度αである例えば1°〜10°回転させて、
上下位置決めスライド75を上昇させると、ダミー被削
材77には、例えば図6に見られるような傷が残る。
【0042】この傷は、砥石83内の砥粒がダミー被削
材を削り取った痕跡であり、この傷の数を数えることに
より、ダミー被削材の面積S0 内で、最も突出した砥粒
から臨界切込深さdcの高さの範囲にある砥粒数(N
MAX )を測定することができる。最大作用砥粒NMAX
は、実際に加工する被削材が砥石と接触する面積Sに基
づき、NMAX =(NMAX )×S/S0 により、これを最
大作用砥粒数NMAX とする。
材を削り取った痕跡であり、この傷の数を数えることに
より、ダミー被削材の面積S0 内で、最も突出した砥粒
から臨界切込深さdcの高さの範囲にある砥粒数(N
MAX )を測定することができる。最大作用砥粒NMAX
は、実際に加工する被削材が砥石と接触する面積Sに基
づき、NMAX =(NMAX )×S/S0 により、これを最
大作用砥粒数NMAX とする。
【0043】以上を図7の延性モード研削条件決定のフ
ローチヤートにまとめた。図7において、延性モード研
削条件決定のために、先ず、上記の第1の装置200を
用いてステップS1において実際に使用される砥石の砥
粒1個を固定し、ステップS2で実際に研削される被研
削材57を固定し、ステップS3において切込量dを増
加しつつ荷重pを測定し、ステップS7で溝67の切削
加工を行い、クラックKの発生がある時点における臨界
切込深さdC とそのときの圧力pc をステップS6にお
いて測定する。また、図4の相関図を得る。
ローチヤートにまとめた。図7において、延性モード研
削条件決定のために、先ず、上記の第1の装置200を
用いてステップS1において実際に使用される砥石の砥
粒1個を固定し、ステップS2で実際に研削される被研
削材57を固定し、ステップS3において切込量dを増
加しつつ荷重pを測定し、ステップS7で溝67の切削
加工を行い、クラックKの発生がある時点における臨界
切込深さdC とそのときの圧力pc をステップS6にお
いて測定する。また、図4の相関図を得る。
【0044】次に、ステップS7に進み、第2の装置3
00を用いて、上記の砥粒の無数個数分を支持台上に固
定した砥石83を固定し、ステップS8でダミ−77を
固定し、ステップS9で臨界切込深さdC 分ダミー77
側に下降し、ステップS10で角度α分回動し、ステッ
プS11でキズの本数を計数する。そして、被削材が砥
石と接触する面積Sに基づき、NMAX =(NMAX )×S
/So から最大作用砥粒数NMAX を得る(ステップS1
2)。以上で、延性モード研削条件がステップS13に
おいて求まる。
00を用いて、上記の砥粒の無数個数分を支持台上に固
定した砥石83を固定し、ステップS8でダミ−77を
固定し、ステップS9で臨界切込深さdC 分ダミー77
側に下降し、ステップS10で角度α分回動し、ステッ
プS11でキズの本数を計数する。そして、被削材が砥
石と接触する面積Sに基づき、NMAX =(NMAX )×S
/So から最大作用砥粒数NMAX を得る(ステップS1
2)。以上で、延性モード研削条件がステップS13に
おいて求まる。
【0045】図8は、以上のようにして求めた延性モー
ド研削条件による研削と、従来のレジンボンド研削の除
去量と、加工時間の比較図である。本図から分かるよう
に、従来のレジンボンド研削によれば、約14秒までの
除去量は、延性モード研削条件の研削より上回るが、こ
れ以降は飽和してしまい、ほぼリニアに除去量が増加す
る延性モード研削条件研削のほうが除去量が多くなるこ
とが確認された。
ド研削条件による研削と、従来のレジンボンド研削の除
去量と、加工時間の比較図である。本図から分かるよう
に、従来のレジンボンド研削によれば、約14秒までの
除去量は、延性モード研削条件の研削より上回るが、こ
れ以降は飽和してしまい、ほぼリニアに除去量が増加す
る延性モード研削条件研削のほうが除去量が多くなるこ
とが確認された。
【0046】また、研削途中での砥粒脱落を防止するた
めには、電着系あるいはメタル系のより好ましくは、結
合材のビッカース硬度が300以上の硬質ボンドの砥石
を用いるのが有効であり、それによって長時間安定して
延性モードの領域で脆性材料を加工することが可能であ
る。
めには、電着系あるいはメタル系のより好ましくは、結
合材のビッカース硬度が300以上の硬質ボンドの砥石
を用いるのが有効であり、それによって長時間安定して
延性モードの領域で脆性材料を加工することが可能であ
る。
【0047】図9は、球面形状の砥石を用いた定圧研削
加工で球面レンズを製造する場合の製造工程を示したフ
ローチヤートの1例である。この球面レンズ製造では、
プレス材から1〜2段階の粗研削の後、精研削と呼ばれ
る精密研削加工を行い、最後に1〜2回の遊離砥粒によ
る研磨を行って、球面形状を仕上げている。この時、精
研削を呼ばれる研磨前仕上げには、研削工具としてレジ
ンボンド砥石が用いられていたが、この工程を従来のレ
ジンボンド砥石ではなく、硬度が高いニッケル系メタル
ボンドの総型球面形状砥石を用いて行った。砥石の砥粒
は平均粒径50μmのダイヤモンド砥粒である。
加工で球面レンズを製造する場合の製造工程を示したフ
ローチヤートの1例である。この球面レンズ製造では、
プレス材から1〜2段階の粗研削の後、精研削と呼ばれ
る精密研削加工を行い、最後に1〜2回の遊離砥粒によ
る研磨を行って、球面形状を仕上げている。この時、精
研削を呼ばれる研磨前仕上げには、研削工具としてレジ
ンボンド砥石が用いられていたが、この工程を従来のレ
ジンボンド砥石ではなく、硬度が高いニッケル系メタル
ボンドの総型球面形状砥石を用いて行った。砥石の砥粒
は平均粒径50μmのダイヤモンド砥粒である。
【0048】図10は、球面レンズの精密定圧研削加工
を行うための、球心揺動型球面加工機の一例の一部を破
断した概略構成図である。その構成を簡単に説明する
と、上下位置決めスライド91にはワーク軸ハウジング
93が上下方向に移動自在に取り付けられている。ワー
ク軸ハウジング93は、被加工物回転スピンドル94を
回転自在、および上下方向移動自在に支持している。被
加工物回転スピンドル94は、ワーク軸ハウジング93
に固定された被加工物回転用モータ96の出力軸との間
に伝達ベルト97が架け回されており、被加工物回転用
モータ96を駆動することで、被加工物回転スピンドル
94が回転される。このスピンドル94は図示していな
いが、中空となっており、スピンドル94上端に取り付
けられた図示しないロータリーシールを真空ホースを介
して真空ポンプ(不図示)に配管されている。
を行うための、球心揺動型球面加工機の一例の一部を破
断した概略構成図である。その構成を簡単に説明する
と、上下位置決めスライド91にはワーク軸ハウジング
93が上下方向に移動自在に取り付けられている。ワー
ク軸ハウジング93は、被加工物回転スピンドル94を
回転自在、および上下方向移動自在に支持している。被
加工物回転スピンドル94は、ワーク軸ハウジング93
に固定された被加工物回転用モータ96の出力軸との間
に伝達ベルト97が架け回されており、被加工物回転用
モータ96を駆動することで、被加工物回転スピンドル
94が回転される。このスピンドル94は図示していな
いが、中空となっており、スピンドル94上端に取り付
けられた図示しないロータリーシールを真空ホースを介
して真空ポンプ(不図示)に配管されている。
【0049】被加工物回転スピンドル94の図示下端に
は、チャック99が固定され、このチャック99に接触
部材100を介して被加工物101が取り付けられ、真
空ポンプから発生した負圧によって被下降物101がス
ピンドル94下端に吸着される。接触部材100は、研
削加工時における被加工物101の振動を吸収するため
に設けられ、ゴムなどからなるものである。加工液供給
ノズル110は、被加工物101への加工液を供給する
ために近傍上方に設けられる。
は、チャック99が固定され、このチャック99に接触
部材100を介して被加工物101が取り付けられ、真
空ポンプから発生した負圧によって被下降物101がス
ピンドル94下端に吸着される。接触部材100は、研
削加工時における被加工物101の振動を吸収するため
に設けられ、ゴムなどからなるものである。加工液供給
ノズル110は、被加工物101への加工液を供給する
ために近傍上方に設けられる。
【0050】また、被加工物回転スピンドル94の中間
部には、フランジ94aが形成され、一方ワーク軸ハウ
ジング93の図示上端部には被加工物回転スピンドル9
4が貫通する加圧設定用ねじ95が螺合され、フランジ
94でとねじ95の間に加圧用コイルバネ98が設けら
れている。これにより、被加工物回転スピンドル94
は、図示下向きに付勢されるが、非研削加工時、すなわ
ちワーク軸ハウジング94が図示上方に移動している時
には、フランジ94aが、ハウジング93ないに設けら
れたストッパ93aに当接し、被加工物回転スピンドル
94の位置が規制される。
部には、フランジ94aが形成され、一方ワーク軸ハウ
ジング93の図示上端部には被加工物回転スピンドル9
4が貫通する加圧設定用ねじ95が螺合され、フランジ
94でとねじ95の間に加圧用コイルバネ98が設けら
れている。これにより、被加工物回転スピンドル94
は、図示下向きに付勢されるが、非研削加工時、すなわ
ちワーク軸ハウジング94が図示上方に移動している時
には、フランジ94aが、ハウジング93ないに設けら
れたストッパ93aに当接し、被加工物回転スピンドル
94の位置が規制される。
【0051】一方、研削加工時には、回転する研削砥石
102に被加工物101が当接することにより、被加工
物回転スピンドル94のフランジ94aがハウジング9
3内のストッパ93aからはずれ、加圧用コイルバネ9
8が圧縮されることにより被加工物101が研削砥石1
02に向かって全荷重Pで加圧される。全荷重Pの設定
方法は、加圧設定用ねじ95の調整により、加圧用コイ
ルバネ98の初期縮み量l1 を設定し、加工時のハウジ
ング93の位置調整により、加工縮み量l2 を設定し、
コイルバネ98のバネ定数Kから、P=Kx(l1 +l
2 )により求められる。
102に被加工物101が当接することにより、被加工
物回転スピンドル94のフランジ94aがハウジング9
3内のストッパ93aからはずれ、加圧用コイルバネ9
8が圧縮されることにより被加工物101が研削砥石1
02に向かって全荷重Pで加圧される。全荷重Pの設定
方法は、加圧設定用ねじ95の調整により、加圧用コイ
ルバネ98の初期縮み量l1 を設定し、加工時のハウジ
ング93の位置調整により、加工縮み量l2 を設定し、
コイルバネ98のバネ定数Kから、P=Kx(l1 +l
2 )により求められる。
【0052】一方、ワーク軸スピンドル94の図示下方
には、揺動プレート107を介して、砥石回転用スピン
ドル104が取り付けられ、揺動プレート107に取り
付けられた砥石回転用モータ105の出力軸との間に伝
達ベルトが架け回され、モータ105を駆動することに
より、スピンドル104が回転される。
には、揺動プレート107を介して、砥石回転用スピン
ドル104が取り付けられ、揺動プレート107に取り
付けられた砥石回転用モータ105の出力軸との間に伝
達ベルトが架け回され、モータ105を駆動することに
より、スピンドル104が回転される。
【0053】揺動プレート107は、図示しない揺動軸
まわりに、図示しない揺動軸駆動モータにより回転で
き、加工時には設定された揺動範囲内で揺動することが
できる。
まわりに、図示しない揺動軸駆動モータにより回転で
き、加工時には設定された揺動範囲内で揺動することが
できる。
【0054】研削砥石102の球面の中心、いわゆる球
心位置が、図示しない揺動軸の中心軸とワーク軸回転用
スピンドル104の中心軸との交点に位置するように、
砥石取り付け部材103の厚さを調整して、研削砥石1
02を図示しないねじによりスピンドル104に取り付
ける。
心位置が、図示しない揺動軸の中心軸とワーク軸回転用
スピンドル104の中心軸との交点に位置するように、
砥石取り付け部材103の厚さを調整して、研削砥石1
02を図示しないねじによりスピンドル104に取り付
ける。
【0055】上記構成に基づき、研削加工を行う際に
は、まず上下位置決めスライド91によりハウジング9
3を図示上方に移動してチャック99を研削砥石102
から十分離した状態にしておき、被加工物101を接触
部材100を介してチャック99に取り付け、真空ポン
プ(不図示)の負圧により吸着する。次いで、上下位置
決めスライドにより、ハウジング93を図示下方に移動
し、被加工物101を研削砥石102に接近させる。被
加工物101が研削砥石102に当接した後も、更に、
ハウジング93を下方に移動すると、前述のようにフラ
ンジ94aがストッパaから離れ、被加工物101が研
削砥石102に向かって加圧される。フランジ94aが
ストッパaから前述の加工縮み量l2 だけ離れた位置で
ハウジング93の移動を止め、この状態で研削液供給装
置で、被加工物101および研削砥石102にむけて研
削液を噴射しながら、被加工物回転用モータ96および
砥石回転用モータ105を駆動して被加工物101の研
削加工を行う。
は、まず上下位置決めスライド91によりハウジング9
3を図示上方に移動してチャック99を研削砥石102
から十分離した状態にしておき、被加工物101を接触
部材100を介してチャック99に取り付け、真空ポン
プ(不図示)の負圧により吸着する。次いで、上下位置
決めスライドにより、ハウジング93を図示下方に移動
し、被加工物101を研削砥石102に接近させる。被
加工物101が研削砥石102に当接した後も、更に、
ハウジング93を下方に移動すると、前述のようにフラ
ンジ94aがストッパaから離れ、被加工物101が研
削砥石102に向かって加圧される。フランジ94aが
ストッパaから前述の加工縮み量l2 だけ離れた位置で
ハウジング93の移動を止め、この状態で研削液供給装
置で、被加工物101および研削砥石102にむけて研
削液を噴射しながら、被加工物回転用モータ96および
砥石回転用モータ105を駆動して被加工物101の研
削加工を行う。
【0056】被加工物101の研削加工の際には、研削
砥石102の偏摩耗を防止するため、必要に応じて図示
しない揺動軸回り、すなわち研削砥石102の球面の中
心回りに研削砥石を揺動させてもよい。
砥石102の偏摩耗を防止するため、必要に応じて図示
しない揺動軸回り、すなわち研削砥石102の球面の中
心回りに研削砥石を揺動させてもよい。
【0057】本実施例で用いた被加工物の球面レンズ
は、φ10、R30凸面で材質は(株)オハラ製重フリ
ントガラスPBH6である。
は、φ10、R30凸面で材質は(株)オハラ製重フリ
ントガラスPBH6である。
【0058】球面レンズの加工を実際に行う前に、以下
の測定および計算を行った。
の測定および計算を行った。
【0059】(1)PBH6硝材の臨界切込み深さdC
および臨界加重pC の測定 図3に示す第1の装置200で、平均粒径50μmのダ
イヤモンド砥粒を用いて、臨界切込み深さを求め、図4
と同様のd対p曲線を求めた。その結果、PBH6硝材
では、臨界切込み深さdC =約0.8μmで、その時の
荷重pC は平均で0.049N(0.005kgf)で
あることがわかった。
および臨界加重pC の測定 図3に示す第1の装置200で、平均粒径50μmのダ
イヤモンド砥粒を用いて、臨界切込み深さを求め、図4
と同様のd対p曲線を求めた。その結果、PBH6硝材
では、臨界切込み深さdC =約0.8μmで、その時の
荷重pC は平均で0.049N(0.005kgf)で
あることがわかった。
【0060】(2)最大作用砥粒数(NMAX )の測定 使用する球面砥石と同じ仕様(ニッケルボンド、平均粒
径50μmダイヤモンド)の平面形状砥石を製作し、図
5に示す作用砥粒数測定用の第2の装置300を用いて
切込み0.8μm(上記のpC 測定値)を与えてアクリ
ル樹脂に傷をつけ、1cm2 当たりの最大作用砥粒数を
測定し、約500個/cm2 という値を得た。
径50μmダイヤモンド)の平面形状砥石を製作し、図
5に示す作用砥粒数測定用の第2の装置300を用いて
切込み0.8μm(上記のpC 測定値)を与えてアクリ
ル樹脂に傷をつけ、1cm2 当たりの最大作用砥粒数を
測定し、約500個/cm2 という値を得た。
【0061】球面レンズの表面積Mは、下記の式で表わ
される。
される。
【0062】 M=2πR[R−{R2 −(d/2)2 }1/2 (式3) (式中、Rは曲率半径、dは外径である。) 従って、この式に値を代入すると、外径φ10、R30
の球面では、M=0.79cm2 となる。よって、研削
に関与する砥石面の最大作用砥粒数(NMAX )は、50
0×0.79=395(個)となる。
の球面では、M=0.79cm2 となる。よって、研削
に関与する砥石面の最大作用砥粒数(NMAX )は、50
0×0.79=395(個)となる。
【0063】以上の結果から、臨界切込み深さでの全荷
重は、395×0.005=1.975(kgf)とな
る。よって、加工時の全荷重Pを 1.975(kgf)
未満としながら研削を行えば、d<dC となって、延性
モードでの研削ができる。
重は、395×0.005=1.975(kgf)とな
る。よって、加工時の全荷重Pを 1.975(kgf)
未満としながら研削を行えば、d<dC となって、延性
モードでの研削ができる。
【0064】そこで、下記の加工条件で球面レンズ(P
BH6、φ10、R30凸面)の定圧研削を行った。
BH6、φ10、R30凸面)の定圧研削を行った。
【0065】全荷重P:1.5kgf 砥石回転数:6000rpm レンズ回転数:1000rpm 揺動角:5°〜15° 研削液:JISK2241のW2種2号に定められたソ
リュブルタイプの水溶性研削液100倍希釈 この結果、研削後の被削材の表面は、表面粗さRmax が
0.1μm以下の延性モード研削面であり、被削材除去
量(レンズ中心肉厚減耗量)は、加工時間30秒で10
μmであった。
リュブルタイプの水溶性研削液100倍希釈 この結果、研削後の被削材の表面は、表面粗さRmax が
0.1μm以下の延性モード研削面であり、被削材除去
量(レンズ中心肉厚減耗量)は、加工時間30秒で10
μmであった。
【0066】また、この条件で500個のレンズを加工
し、その間、安定した表面粗さと除去量が得られ、砥石
の砥粒摩耗は認められなかった。
し、その間、安定した表面粗さと除去量が得られ、砥石
の砥粒摩耗は認められなかった。
【0067】第2実施例 図9のフローチャートは第2実施例に係るものであり、
精研削を、従来のレジンボンド砥石ではなく、予め全て
のと砥粒先端高さが精度0.1μmに揃い、作用砥粒数
約3000個とした球面形状の電着系ボンド砥石を用い
て行った。作用砥粒数の測定は、顕微鏡などにより直接
砥石面を観察して、一定面積内の砥粒を数え、砥石とレ
ンズの接触面積に換算して作用砥粒数とした。
精研削を、従来のレジンボンド砥石ではなく、予め全て
のと砥粒先端高さが精度0.1μmに揃い、作用砥粒数
約3000個とした球面形状の電着系ボンド砥石を用い
て行った。作用砥粒数の測定は、顕微鏡などにより直接
砥石面を観察して、一定面積内の砥粒を数え、砥石とレ
ンズの接触面積に換算して作用砥粒数とした。
【0068】砥粒は平均粒径100μmのダイヤモンド
砥粒である。加工装置は実施例1と同様の球心揺動型球
面加工機であり、一定圧力で加工する方式のものであ
る。被加工物の球面レンズは、φ10、R30凹面で、
材質は(株)オハラ製クラウンガラスBSL7硝材であ
る。
砥粒である。加工装置は実施例1と同様の球心揺動型球
面加工機であり、一定圧力で加工する方式のものであ
る。被加工物の球面レンズは、φ10、R30凹面で、
材質は(株)オハラ製クラウンガラスBSL7硝材であ
る。
【0069】球面レンズの加工を実際に行う前に、実施
例1同様にpc を測定したところ、pc は0.078N
(8gf)であることがわかった。その結果、荷重がそ
の値未満となるように設定した。すなわち、加工時に砥
石にかける全荷重を98N(10kgf)とし、砥粒1
個当たりの荷重が約0.033N(3.4gf)となる
様にしながら、他の条件は下記の通りとして加工を行っ
た。
例1同様にpc を測定したところ、pc は0.078N
(8gf)であることがわかった。その結果、荷重がそ
の値未満となるように設定した。すなわち、加工時に砥
石にかける全荷重を98N(10kgf)とし、砥粒1
個当たりの荷重が約0.033N(3.4gf)となる
様にしながら、他の条件は下記の通りとして加工を行っ
た。
【0070】砥石回転数:5000rpm レンズ回転数:1000rpm 揺動角:5°〜15° 研削液:JISK2241のW2種2号に定められたソ
リュブルタイプの水溶性研削液100倍希釈 この結果、用いた砥石のボンドが電着系であり、しかも
平均粒径100μmという大きい粒径の砥石を用いてい
るにもかかわらず、従来のレンジボンドによる精研削よ
りも短時間で良好な粗さを得ることができた。すなわ
ち、得られた粗さはRmax 0.1μm以下(レンジボン
ド砥石では0.5μm)であり、レンズ全面にわたって
延性モードの研削面であった。また、砥粒先端高さが揃
って、高荷重条件で加工できるため、精研削工程自体の
除去スピードも高く、加工時間10秒で15μmの除去
量(レンズ中心肉厚減耗量)を得られた。また、砥粒先
端高さが揃って、多数の砥粒で加工を行っているため、
砥粒の摩耗は少なく、5000個以上のレンズを安定的
に研削加工できた。
リュブルタイプの水溶性研削液100倍希釈 この結果、用いた砥石のボンドが電着系であり、しかも
平均粒径100μmという大きい粒径の砥石を用いてい
るにもかかわらず、従来のレンジボンドによる精研削よ
りも短時間で良好な粗さを得ることができた。すなわ
ち、得られた粗さはRmax 0.1μm以下(レンジボン
ド砥石では0.5μm)であり、レンズ全面にわたって
延性モードの研削面であった。また、砥粒先端高さが揃
って、高荷重条件で加工できるため、精研削工程自体の
除去スピードも高く、加工時間10秒で15μmの除去
量(レンズ中心肉厚減耗量)を得られた。また、砥粒先
端高さが揃って、多数の砥粒で加工を行っているため、
砥粒の摩耗は少なく、5000個以上のレンズを安定的
に研削加工できた。
【0071】以上説明した通り、各実施例に述べた研削
により、従来法による精研削よりも高能率で、良好な表
面粗さを得ることができ、その結果工程短縮も可能とな
る。また、精研削に硬質ボンドである電着系砥石あるい
はメタルボンド砥石を用いることにより、砥石形状の変
化や砥石の切れ味の劣化がなく、多数の脆性材料を安定
して加工することができた。
により、従来法による精研削よりも高能率で、良好な表
面粗さを得ることができ、その結果工程短縮も可能とな
る。また、精研削に硬質ボンドである電着系砥石あるい
はメタルボンド砥石を用いることにより、砥石形状の変
化や砥石の切れ味の劣化がなく、多数の脆性材料を安定
して加工することができた。
【0072】また、各実施例における研削は、従来の
「延性モード研削」とは本質的に異なり、延性モード研
削に特別に設計された高価な専用機械を用いることな
く、従来の定圧研削加工機などの安価な研削機械を用い
て、従来の「延性モード研削」に匹敵するだけの高精度
かつ高安定で加工を行うことができる。従って、従来に
比して、脆性材料加工の製造コストを低くすることがで
きる。
「延性モード研削」とは本質的に異なり、延性モード研
削に特別に設計された高価な専用機械を用いることな
く、従来の定圧研削加工機などの安価な研削機械を用い
て、従来の「延性モード研削」に匹敵するだけの高精度
かつ高安定で加工を行うことができる。従って、従来に
比して、脆性材料加工の製造コストを低くすることがで
きる。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、通常
の研削装置を用いても延性モード領域研削を十分に可能
にすることができる脆性材料の研削加工方法及びその装
置を提供することができる。
の研削装置を用いても延性モード領域研削を十分に可能
にすることができる脆性材料の研削加工方法及びその装
置を提供することができる。
【図1】本発明の研削における加工状態の1例を示す模
式的断面図である。
式的断面図である。
【図2】本発明の研削における加工状態の他の例を示す
模式的断面図である。
模式的断面図である。
【図3】(a)砥粒の切込み深さおよび荷重の測定する
第1の装置200の正面図である。(b)は第1の装置
200のZ部の拡大図である。
第1の装置200の正面図である。(b)は第1の装置
200のZ部の拡大図である。
【図4】砥粒の切込み深さと荷重との相関例を示すグラ
フである。
フである。
【図5】作用砥粒数を測定する第2の装置300の正面
図である。
図である。
【図6】図5の装置を用いてアクリル樹脂上に付けた砥
石による傷の図である。
石による傷の図である。
【図7】延性モード研削条件決定のフローチヤートであ
る。
る。
【図8】延性モード研削条件研削と、レジンボンド砥石
研削の除去量−時間対比図である。
研削の除去量−時間対比図である。
【図9】球面レンズ製造の工程のフローチャートであ
る。
る。
【図10】球心揺動型球面加工機の模式的断面図であ
る。
る。
【図11】従来のレジンボンド砥石による研削の加工状
態を示す模式的断面図である。
態を示す模式的断面図である。
【図12】従来の「延性モード研削」の加工状態を示す
模式的断面図である。
模式的断面図である。
1 砥石 2 ボンド 3−1 作用砥粒 3−2 非作用砥粒 4 被削材 5 砥石回転軸 6 ワーク回転軸 51 モータ 52 エアベアリング 53 ボールネジ 54 モータ 55 上下位置決めスライド 56 コラム 57 被削材 58 荷重計 59 テーブル(リニアエアベアリング) 60 定盤 61 エアシリンダ 62 アンプ 63 記録計 64 工具ホルダ 65 工具シャンク 66 砥粒 67 切削溝 71 モータ 72 エアベアリング 73 ボールネジ 74 モータ 75 上下位置決めスライド 76 コラム 77 ダミー(アクリル樹脂製被削材) 78 ワーク台 79 位置決めテーブル(リニアエアベアリング) 80 定盤 81 ボールネジ 82 モータ 83 砥石 91 上下位置決めスライド 93 ワーク軸ハウジング 93a ストッパ 94 被加工物回転スピンドル 94a フランジ 95 加圧設定用ネジ 96 被加工物回転用モータ 97 伝達ベルト 98 加圧用コイルばね 99 チャック 100 接触部材 101 被加工物(レンズ) 102 研削砥石 103 砥石取付部材 104 砥石回転スピンドル 105 砥石回転用モータ 106 伝達ベルト 107 揺動プレート 200 第1の装置 300 第2の装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今成 徹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山本 碩徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内
Claims (18)
- 【請求項1】 保持基台上に付設された無数の砥粒から
なる砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に対
して所定圧力で押し当てつつ、被加工物との相対移動動
作により前記被加工面を研削乃至研磨加工する脆性材料
の加工方法において、 前記無数の砥粒の内、前記研削乃至研磨加工に関与する
砥粒の前記被加工面への切込深さdを、前記被加工物に
脆性破壊が生じる最小の切込深さの臨界切込深さである
dC 以下となるように前記所定圧力を設定して研削乃至
研磨加工を行うことを特徴とする脆性材料の加工方法。 - 【請求項2】 保持基台上に付設された無数の砥粒から
なる砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に対
して全荷重Pで押圧しつつ、被加工物との相対移動動作
により前記被加工面を研削乃至研磨加工する脆性材料の
加工方法において、 前記無数の砥粒の内、前記研削乃至研磨加工に関与する
作用砥粒の前記被加工面への切込深さdを、前記被加工
物に脆性破壊が生じる最小の切込深さの臨界切込深さで
あるdC となるように切り込ませたときの前記砥石と前
記被加工物との接触面積内に存在する作用砥粒数最大値
をNMAX とし、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重をpc と
して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させて研削乃至研磨加工
を行うことを特徴とする脆性材料の加工方法。 - 【請求項3】 前記被加工物は、破壊靱性値(臨界応力
拡大係数)KICが、10メガミリニュートン/m3/2 以
下の物性値を有してなり、前記被加工面が前記砥石と被
加工物との相対移動動作に伴い研削乃至研磨加工される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脆性
材料の加工方法。 - 【請求項4】 保持基台上に付設された無数の砥粒から
なる砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に対
して全荷重Pで押圧しつつ、被加工物との相対移動動作
により前記被加工面を研削乃至研磨加工する脆性材料の
加工方法において、 前記被加工物に脆性破壊が生じる最小の切込深さの臨界
切込深さdC を測定し、 該臨界切込深さdC 分切り込ませたときの前記砥石と前
記被加工物との接触面積内に存在する作用砥粒数最大値
であるNMAX を計数し、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重であるp
c を測定して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させて研削乃至研磨加工
を行うことを特徴とする脆性材料の加工方法。 - 【請求項5】 第1の装置により、前記砥粒の1個をリ
テイナーに固定し、前記被加工物に対して前記臨界切込
深さdc まで次第に切り込み、このときの前記作用砥粒
1個当たりの臨界荷重であるpc を測定し、 第2の装置により、前記無数の砥粒からなる砥石を前記
被加工物のダミーに対して前記臨界切込深さdC まで切
り込ませてから、前記ダミーを所定角度回転してキズを
刻み、該キズの本数を計数して前記砥石と前記被加工物
との接触面積内に存在する前記作用砥粒数最大値のN
max を得て、 前記P<NMAX ・pc の条件を得ることを特徴とする請
求項4に記載の脆性材料の加工方法。 - 【請求項6】 保持基台上に付設された無数の砥粒から
なる砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に対
して全荷重のPで押圧しつつ、被加工物との相対移動動
作により前記被加工面を研削乃至研磨加工する脆性材料
の加工方法において、 前記被加工物に脆性破壊が生じる最小の切込深さである
臨界切込深さdC を測定し、 該臨界切込深さdC 分切り込ませたときの前記砥石と前
記被加工物との接触面積内に存在する前記作用砥粒数最
大値のNMAX を計数し、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重であるp
c を測定して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させて研削乃至研磨加工
を行うために、 第1の装置により、前記砥粒の1個をリテイナーに固定
し、前記被加工物に対して前記臨界切込深さであるdC
まで次第に切り込み、このときの前記砥粒1個当たりの
臨界荷重のpc を測定し、 第2の装置により、前記無数の砥粒からなる砥石を、前
記被加工物のダミーに対して前記臨界切込深さdC まで
切り込ませてから、前記ダミーを所定角度回転してキズ
を刻み、該キズの本数を計数して前記砥石と前記被加工
物との接触面積内に存在する前記作用砥粒数最大値のN
MAX を得て、 前記P<NMAX ・pc の条件を得ることを特徴とする脆
性材料の加工方法。 - 【請求項7】 前記砥石は前記保持基台上に付設された
無数の砥粒の先端高さが、前記臨界切込深さdC 以下の
範囲に精度良く揃えられているものを使用することを特
徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の脆性
材料の加工方法。 - 【請求項8】 前記砥石は、砥粒の平均粒径が20ミク
ロンメートル以上であり、保持材の硬度がビッカース硬
度300以上のものを使用することを特徴とする請求項
1から請求項7のいずれかに記載の脆性材料の加工方
法。 - 【請求項9】 前記被加工物は、ガラス、結晶材料、セ
ラミックス材料のいずれかから形成されることを特徴と
する請求項1から請求項8のいずれかに記載の脆性材料
の加工方法。 - 【請求項10】 前記被加工物は、光学レンズ、光学ミ
ラー、光学プリズムのいずれかであることを特徴とする
請求項9に記載の脆性材料の加工方法。 - 【請求項11】 前記被加工物の前記被加工面は、平面
または所定曲率を有する球面であることを特徴とする請
求項9に記載の脆性材料の加工方法。 - 【請求項12】 保持基台上に付設された無数の砥粒か
らなる砥石の、前記無数の砥粒の先端の包絡線形状が球
面形状であって、その曲率半径が、被加工物の被加工面
に沿う曲率半径の目標値を凹凸反転して曲率半径を有す
る総型砥石を揺動機構に設けられた砥石軸に設け、 また前記被加工物を被加工物加圧機構に設けられた保持
部に保持し、 前記被加工物に脆性破壊が生じる最小の切込深さである
臨界切込深さdC となるように切り込ませたときの前記
砥石と前記被加工物との接触面積内に存在する作用砥粒
数最大値をNMAX とし、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重をpc と
して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させつつ、前記被加工物
と前記砥石とを相対回転並びに揺動運動して研削乃至研
磨加工を行うことを特徴とする脆性材料の加工方法。 - 【請求項13】 前記被加工物の形状は、直径Dと曲率
半径R(ただし、絶対値)とを有し、その表面積Mが、 M=2πR[R−{R2 −(D/2)2 }1/2 ]で規定
される球面レンズであって、 前記作用砥粒数最大値のNMAX を前記表面積Mあたり3
000個以下にし、 前記被加工物の臨界切込深さdC 以下で前記被加工物と
前記砥石とを相対回転並びに揺動運動して研削乃至研磨
加工を行うことを特徴とする請求項12に記載の脆性材
料の加工方法。 - 【請求項14】 被加工物を最終完成形状にする脆性材
料からなるブランクの被加工面を1〜2回の研削加工に
より略目標とする形状に加工する工程と、 保持基台上に付設された無数の砥粒からなる砥石を、前
記被加工物の被加工面に対して全荷重Pで押圧しつつ、
被加工物との相対移動動作により前記被加工面を研削乃
至研磨加工するために、 前記無数の砥粒の内、前記研削乃至研磨加工に関与する
作用砥粒の前記被加工面への切込深さdを、前記被加工
物の脆性破壊が生じる最小の切込深さの臨界切込深さで
あるdC となるように切り込ませたときの前記砥石と前
記被加工物との接触面積内に存在する作用砥粒数最大値
をNMAX とし、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重をpc と
して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させて研削乃至研磨加工
を行う工程と、 遊離砥粒による仕上げ研磨を行う工程と、 を含むことを特徴とする脆性材料の加工方法。 - 【請求項15】 前記被加工物は、光学素子であること
を特徴とする請求項16に記載の脆性材料の加工方法。 - 【請求項16】 保持基台上に付設された無数の砥粒か
らなる砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に
対して所定圧力で押し当てつつ、被加工物との相対移動
動作により前記被加工面を研削乃至研磨加工する脆性材
料の加工装置において、 前記無数の砥粒の内、前記研削乃至研磨加工に関与する
砥粒の前記被加工面への切込深さdを、前記被加工物に
脆性破壊が生じる最小の切込深さである臨界切込深さd
C 以下となるように前記所定圧力を設定して研削乃至研
磨加工を行うことを特徴とする脆性材料の加工装置。 - 【請求項17】 保持基台上に付設された無数の砥粒か
らなる砥石を、脆性材料からなる被加工物の被加工面に
対して全荷重Pで押圧しつつ、被加工物との相対移動動
作により前記被加工面を研削乃至研磨加工する脆性材料
の加工装置において、 前記無数の砥粒の内、前記研削乃至研磨加工に関与する
作用砥粒の前記被加工面への切込深さdを、前記被加工
物に脆性破壊が生じる最小の切込深さである臨界切込深
さdC となるように切り込ませたときの前記砥石と前記
被加工物との接触面積内に存在する前記作用砥粒数最大
値をNMAX とし、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重をpc と
して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させて研削乃至研磨加工
を行うことを特徴とする脆性材料の加工装置。 - 【請求項18】 保持基台上に付設された無数の砥粒か
らなる砥石の、前記無数の砥粒の先端の包絡線形状が球
面形状であって、その曲率半径が、被加工物の被加工面
に沿う曲率半径の目標値を凹凸反転して曲率半径を有す
る総型砥石を揺動機構に設けられた砥石軸に設け、 また前記被加工物を被加工物加圧機構に設けられた保持
部に保持し、 前記被加工物の脆性破壊が生じる最小の切込深さである
臨界切込深さdC となるように切り込ませたときの前記
砥石と前記被加工物との接触面積内に存在する作用砥粒
数最大値をNMAX とし、 前記砥粒1個が前記臨界切込深さdC で前記被加工面に
切り込んだときの、砥粒1個当たりの臨界荷重をpc と
して、 P<NMAX ・pc の条件を満足させつつ、前記被加工物
と前記砥石とを相対回転並びに揺動運動して研削乃至研
磨加工を行うことを特徴とする脆性材料の加工装置。
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