JPH0774164A - 半導体メモリ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体メモリ装置及びその製造方法

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JPH0774164A
JPH0774164A JP6173157A JP17315794A JPH0774164A JP H0774164 A JPH0774164 A JP H0774164A JP 6173157 A JP6173157 A JP 6173157A JP 17315794 A JP17315794 A JP 17315794A JP H0774164 A JPH0774164 A JP H0774164A
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oxide film
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isolation region
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JP6173157A
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Inventor
Hideo Miura
英生 三浦
Makoto Ogasawara
誠 小笠原
Hiroo Masuda
弘生 増田
Jun Murata
純 村田
Noriaki Okamoto
紀明 岡本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、素子分離領域を有する半導体
装置において該素子分離領域をシリコン基板の熱酸化で
作製する場合の転位発生を防止する半導体装置内部の素
子形成領域及び素子分離領域の寸法を規定した装置構造
及びその製造方法を提供することにある。 【構成】半導体基板1上において、素子分離領域を熱酸
化膜で形成する場合に素子形成領域を保護する窒化珪素
膜幅L及び素子形成領域を取り囲む素子分離領域幅S
を、熱酸化前の窒化珪素膜のパターニング時にシリコン
基板表面に形成される浅溝深さDに応じて規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体メモリ装置に代
表される半導体装置とその製造方法及び設計手法に係
り、特に高集積半導体装置に好適な半導体装置とその製
造方法及び設計手法に関する。
【0002】
【従来の技術】高集積半導体装置の開発においては、隣
接した素子形成領域を電気的に絶縁分離する素子分離領
域をいかに小さく作り込むかが重要な課題となってい
る。
【0003】この素子分離領域の形成には熱酸化膜が一
般によく用いられている。熱酸化膜を局所的に形成する
ためには、素子形成領域表面に窒化珪素膜を堆積した後
に熱酸化反応を進行させる。この熱酸化反応は、酸化種
すなわち酸素或いは水蒸気の拡散と酸化膜/半導体基板
界面における反応で進行する。
【0004】酸化種の拡散は、3次元的に進行するた
め、酸化膜を形成したくない窒化珪素膜下側でも進行し
てしまう。この窒化珪素膜下の酸化膜の成長形状は鳥の
くちばし形となるためバーズビークと呼ばれる。このバ
ーズビークの成長は素子形成領域の面積を削減してしま
うため、成長を抑制することが高集積化のための重要な
課題となる。
【0005】このバーズビーク成長を抑制するために、
従来、窒化珪素膜端部近傍の半導体基板に溝を形成し、
その溝内壁を酸化することにより素子分離領域を形成す
るという技術が発明されていた。この具体的な方法は、
例えば特開平3ー96249号公報、特開平4ー127
433号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】酸化防止膜として使用
されている窒化珪素膜は一般に大きな内部応力を持って
いる。このため、半導体基板表面近傍にも高い応力が発
生し、結晶のすべり面方向(Si結晶の場合は(11
1)結晶面)のせん断応力成分(分解せん断応力成分)
が限界値以上となると転位が発生してしまい、素子の電
気特性を著しく劣化させてしまう。
【0007】特に熱酸化工程が実施される1000℃近
傍では半導体基板の強度が室温近傍と比較すると著しく
低下してしまうため、転位が発生し易い状況にあり、応
力の制御が重要な課題となる。
【0008】通常の熱酸化工程では窒化珪素膜の内部応
力から半導体基板を守ることを目的として、薄い熱酸化
膜(パッド酸化膜と以下称する)を半導体基板表面に形
成した上に窒化珪素膜を堆積する。このパッド酸化膜の
膜厚を制御することで窒化珪素膜端下部の半導体基板に
発生する分解せん断応力の値を転位発生限界以下に抑え
ることができ、転位発生を防止することが可能となる。
【0009】しかし、バーズビークの成長を抑制するこ
とを目的に基板表面に溝を形成すると、基板表面近傍に
発生する応力のバランスが変化してしまい、一般に分解
せん断応力の値が形成した溝の深さに応じて増加してし
まう。
【0010】この基板表面に形成した溝の深さと発生応
力の関係の解析例を図2に示す。図の横軸は溝深さ(す
なわち基板オ−バ−エッチ量D)、縦軸は最大応力(す
なわちマスク端最大応力)である。
【0011】尚、縦軸は溝形成前の応力値で規格化して
ある。溝を形成することにより発生応力が増加すること
がわかる。これは、溝形成前は窒化珪素膜端のみに応力
集中場が発生していたが、応力集中場が形成された溝下
端部にも発生して、この二つの応力集中場の相互干渉に
より溝側壁においてすべり面方向の分解せん断応力成分
が増加することになる。
【0012】この場合、溝を形成する前の応力値が転位
発生限界値以下でも、溝形成に伴い発生応力が転位発生
限界値を超えてしまう場合がある。また、この応力増加
現象には後の項で述べるようにパターン寸法依存性があ
る。従って、半導体基板表面に溝を形成する場合には、
増加した応力が転位発生限界値を超えないように対策を
施す必要がある。
【0013】本発明の目的は、半導体基板表面に溝を形
成する場合(特に熱酸化工程において)に、発生応力が
転位発生限界応力以下となるような装置構造或いは溝形
成方法を提供することにある。また本発明の他の目的
は、半導体製造工程における熱酸化工程で結晶欠陥が発
生しないような半導体装置構造及びその製造方法と設計
手法を提供することにある。
【0014】尚、転位限界応力とは、応力値がその値を
超えるとシリコン単結晶内に転位が発生する応力の値で
ある。ここで使用される応力とはシリコン単結晶の(1
11)すべり面方向の剪断応力が使用され、一般に分解
剪断応力と呼ばれる。この応力値は、結晶の製造方法や
不純物濃度或いは温度で変化するため、実際に使用する
材質或いは温度に対応した値を使用しなければならな
い。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、素子形成領域と該素子形成領域に隣接し
た素子分離領域の幅寸法の比が発生応力が転位発生限界
値以下となるように規定された値以下を保つように構造
寸法を規定したものである。
【0016】素子形成領域幅寸法Lが規定された場合に
は、所定の溝深さに対応して該素子形成領域を取り囲む
素子分離領域幅寸法Sを(L/S)の値が所定の値以下
となるようにS寸法を十分大きくとる、或いはS寸法の
最小値が規定されている場合には、該素子分離領域に隣
接した素子形成領域の幅寸法Lを、(L/S)の値が所
定の値以下となるように小さくするため、素子形成領域
を小さくするか或いは分割することで(L/S)の値が
所定の値以下となるように構造設計を行う。
【0017】構造設計は有限要素法を使用した応力解析
を行うことで実施可能であり、応力解析(予測)値が転
位発生限界応力よりも小さくなるようにL或いはS寸法
を規定する。
【0018】一般に半導体素子例えばメモリ素子は図1
6に示したようにメモリ部と周辺回路部から構成され
る。メモリ部は1μm程度の微小でかつ同一形状の素子
形成領域が素子分離領域を挾んで周期的に配列されてい
る。このメモリ部ではL,Sの値は共に1μm程度或い
はそれ以下の値となることが多い。
【0019】一方、周辺回路部では大きな素子形成領域
が素子分離領域を挾んで配列している。この場合、隣接
した素子形成領域の形状は必ずしも同一ではない。本発
明で述べているL,Sは隣接した素子分離領域のS値が
最も小さくなる方向、すなわち素子形成領域の長辺或い
は短辺寸法で表され、対角線方向は使用しない(例えば
図16、L1,L2或いはS1,S2,S3,S4)。
周辺回路部ではLは数μm以上になることが多いが、S
はメモリ部と同等であることが多い為、一般に応力値は
メモリ部よりも周辺回路部で高くなる。
【0020】発生応力の値は窒化珪素膜の内部応力及び
厚さ、パッド酸化膜厚、溝形成深さ及びL/S寸法に従
い異なる。窒化珪素膜の内部応力はシリコン基板の反り
変形挙動から測定可能であり、パッド酸化膜厚も測定で
きる。
【0021】溝形成深さ及びL/S寸法は設計値として
与えられるものであるので、構造解析が可能となる。解
析は溝形成深さを所定の値に固定してL/S寸法を規定
しても差し支えないし、L/S寸法から溝形成深さ及び
形状を規定しても差し支えない。
【0022】窒化珪素膜の内部応力は製造工程において
常時測定しても差し支えないし、データベースとして保
管した値を使用しても差し支えない。窒化珪素膜の厚さ
も常時測定しても差し支えないし膜作製条件から決定さ
れる値をデータベース化し、その値を使用しても差し支
えない。
【0023】また更には、パッド酸化膜厚についても常
時測定した値を使用しても差し支えないし、膜形成条件
で決定される設計(予測)値をデータベースとして使用
しても差し支えない。
【0024】溝形成深さはエッチング条件で規定される
が、作用の項で述べるようにナノメータオーダーの寸法
(溝形状)変化で応力値が大きく変化する場合があるの
で、常時測定値を使用することが好ましいが、エッチン
グ条件で予測される値をデータベース化し、その値を使
用しても差し支えない。
【0025】構造解析は製造前の設計段階で行ってもよ
く、製造過程で測定値を得るごとに次の製造工程におけ
る寸法規定を行ってもよい。解析結果として得られる応
力値は半導体基板の強度データと比較され、発生(予
測)応力値が強度を越えないように設計L、S寸法を調
整したり形成溝形状を調整する。
【0026】尚、解析値と比較される強度データは、実
験データベースでも差し支えないし、過去の不良データ
(転位発生事例)から解析値と比較検討された経験値を
使用しても差し支えない。
【0027】酸化プロセス条件、例えば窒化珪素膜の厚
さ及び内部応力、パッド酸化膜厚、溝形状等が固定され
ている場合には、予めL、S寸法に応じて発生応力を解
析することが可能となる。この場合には転位が発生する
ことが予測されるL、S寸法領域が明かとなるので、事
前に転位発生領域を示す設計チャートの作製を行い、設
計段階でこのチャート上の危険領域を避けるようにL、
S寸法を選択決定することも可能である。
【0028】以下、本発明の特徴につきカテゴリ−別に
説明する。◆ (半導体メモリ−装置)本発明による半導体メモリ−装
置は、半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分とを形
成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした素子分
離領域と素子形成領域とを備えて成るものであって、次
のいずれかを特徴とする。
【0029】前記周辺回路部分における隣接した素子
分離領域幅寸法Sと素子形成領域幅寸法Lとの比L/S
の値が、半導体メモリ装置内部の転位発生臨界応力値で
規定される上限値以下とし、かつSは0.1μm以上で
ある。
【0030】尚、Sが大きくなると、上限値は下がる。
Sの下限を0.1μm以上としたのは、1ギガDRAM
の最小加工寸法限界を考慮したものである(以下同
様)。若しSの下限を0とすると、素子分離領域が無く
なってしまう。
【0031】ここで、周辺回路部分とは、メモリ装置に
おけるデ−タを記憶しないところを言う(以下同様)。
この周辺回路部分は電流容量を大きくするのにLを極力
大きくしたいというニ−ズと、これとは逆にチップサイ
ズ全体を小さくしたいというニ−ズとの双方に答えるよ
う配置する必要がある。
【0032】前記周辺回路部分における隣接した素子
分離領域幅寸法Sと素子形成領域幅寸法Lとの比L/S
の値が50以下であり、かつSは0.1μm以上であ
る。50については図4参照。
【0033】前記周辺回路部分における隣接した素子
分離領域幅寸法Sと素子形成領域幅寸法Lとの比L/S
の値が2以上である。もともとメモリは極力最小加工寸
法としたい。それ故、従来はSが例えば1μmで加工で
きるなら、敢えてLを2μmにする必然性が無かった。
これに対し本発明では、Sを小さくしても転移発生が防
止されるようにL/Sの値を2以上とすることを提案す
るものである。
【0034】前記周辺回路部分における素子形成領域
を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域の
幅寸法が、素子形成領域の幅寸法と半導体メモリ装置内
部の転位発生限界応力値の関係とで規定される下限値以
上である。
【0035】前記周辺回路部分における素子形成領域
を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域の
幅寸法が0.1μm以上であることが望ましい。
【0036】前記周辺回路部分における素子形成領域
を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域で
囲まれた素子形成領域の幅寸法が、隣接した素子分離領
域の幅寸法と半導体メモリ装置内部の転位発生限界応力
値の関係とで規定される上限値以下であることが望まし
い。
【0037】前記周辺回路部分における素子形成領域
を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域で
囲まれた素子形成領域の幅寸法が5μm以下である。
【0038】ここで幅Lの素子領域に隣接した分離領域
はLの周囲に存在するが、短い方のSを採用すべきであ
る。素子形成領域の対角線上に存在するS幅は考慮に値
しない。素子形成領域を囲む一番短い寸法で決まるから
である。
【0039】尚、窒化珪素膜は、熱酸化の前に素子形成
領域上に酸化防止の為に形成しておく膜であり、後の工
程にて除去される対象である。
【0040】半導体基板、前記半導体基板内の素子形
成領域上に形成され、0.1〜125μmの間の幅を有
する複数の回路領域、前記半導体基板上で前記複数の回
路領域を互いに分離するように形成され0.05〜2.
5μmの間の幅を有する素子分離領域、を備えた半導体
装置において、前記素子分離領域の幅と前記素子分離領
域に隣接する前記複数の回路領域の幅との比が2〜50
までの値を有することを特徴とする。この場合におい
て、前記素子分離領域は前記半導体基板表面に形成され
たパッド酸化膜及び前記パッド酸化膜上に形成された窒
化膜のうち前記素子分離領域上にある部分をエッチング
により前記半導体基板内に形成された溝であって、前記
半導体基板上の前記パッド酸化膜の位置から測った前記
溝の深さは0〜10nmの間の値を有することが望まし
く、また前記溝は熱酸化により形成された熱酸化膜を有
しており、前記比の値をL/S、前記パッド酸化膜の厚
さtp、前記窒化膜の厚さtn、前記溝の前記深さDと
して前記互いに隣接する前記素子形成領域と前記素子分
離領域における熱酸化に伴う転位発生臨界応力値に関す
る式
【0041】
【数2】が成立することが望ましく、前記熱酸化により
前記溝近傍に発生する応力は、前記窒化膜の厚さ及び内
部応力、前記パッド酸化膜の厚さ、前記溝の深さ、前記
素子分離領域の幅、前記素子分離領域に隣接する前記素
子形成領域の幅とから数値解析を含む有限要素法により
解析されることが好ましく、更に、前記素子形成領域上
に形成されたメモリー回路と、前記素子形成領域上に形
成され前記メモリー回路と接続される周辺回路を有し、
前記素子分離領域の幅と前記素子分離領域に隣接する前
記複数の回路領域の幅との比は前記周辺回路における値
であることが望ましい。
【0042】また、前記周辺回路における前記素子形成
領域の幅は5μm以下であること、前記素子分離領域の
幅は3μm以上であって、前記素子形成領域の幅は0.
1〜1.0μmであること、前記素子分離領域は前記半
導体基板表面に形成されたパッド酸化膜及び前記パッド
酸化膜上に形成された窒化膜の内前記素子分離領域上に
ある部分をエッチングにより前記半導体基板内に形成さ
れた溝であって、前記半導体基板上の前記パッド酸化膜
の位置から測った前記溝の深さは0〜10nmの間の値
を有することが好ましい。
【0043】(半導体装置の応力解析方法)本発明の応
力解析方法においては、窒化珪素膜の内部応力及び厚
さ、パッド酸化膜の厚さ及び素子分離領成領域に形成す
る溝の深さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域
の隣接する素子形成領域の幅寸法から溝形成領域近傍に
発生する応力を数値解析手法を使用して解析する。ここ
で数値解析手法は有限要素法であることが好ましい(以
下同様)。
【0044】酸化応力解析のフローの概要を図17に示
す。◆初期基板(ウエハ)上にパット酸化膜を熱酸化法
で形成し(71)、その上に窒化珪素膜をCVD法(7
2)で堆積する。このとき、応力解析では窒化珪素膜の
内部応力(σi)も考慮する。次に、素子分離領域と素
子形成領域の寸法S,Lに応じてパターニング(73)
を行う場合の応力変動を解析する。この場合には、エッ
チング加工時に生じる基板のオーバーエッチ深さのDも
考慮して解析を行う。この状態が酸化の初期形状とな
る。この後酸化温度まで、全体が昇温(74)された場
合の熱応力解析を経て、酸化応力解析(75)を行う。
【0045】応力解析に使用する、粘弾性モデルに基づ
く構成方程式を数1に示す。ここでσは応力、ε,ε
θ,εvは夫々歪、熱歪、塑性歪である。Dは剛性マト
リクス、βは粘弾性モデルにおけるばね定数比、σiは
薄膜の真性応力である。
【0046】
【数1】 (半導体装置の応力分布チャート)本発明にとって有効
な応力分布チャートは、窒化珪素膜の内部応力及び厚
さ、パッド酸化膜の厚さ及び素子分離領域形成領域に形
成する溝の深さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離
領域の隣接する素子形成領域の幅寸法から数値解析手法
を使用して求めた溝形成領域近傍に発生する応力を、素
子分離領域及び素子形成領域をパラメータとして表した
ものである。
【0047】応力分布チャートは、各プロセス仕様につ
いてL,Sをパラメータとして解析した結果の応力値を
直接図19のように縦軸或いは横軸をL,Sとしたグラ
フ上に書き込んだものである。チャート内には応力の値
を数字情報として書き込んでも構わないし、図に示した
ように等高線表示をしても構わない。等高線表示は線情
報でも構わないし、図に示したように、所定の値を超え
た領域を色或いは図柄表示しても構わない。
【0048】(半導体装置の設計チャート)設計チャー
トは図19の下図2つに示すように上記応力値を転位発
生限界応力値で除して、値が1を超えた領域を表示した
ものである。該表示領域では転位発生が予測されるた
め、該チャートを使用する設計者は、L,Sの設計寸法
(の組合せ)が該領域内に入らないように、寸法設計を
行うか、該領域に入る寸法を使用したい場合には、該寸
法が転位発生予測領域に入らないようにプロセス使用を
変更する。設計チャートの表示方法は、図に示したよう
に、各プロセス仕様ごとに個別に表示しても構わない
し、複数の仕様をまとめて表示しても構わない。ここで
σ/σcの算出式は、例えば数2で表すことができる。
【0049】図4は、窒化珪素膜の内部応力及び厚さ、
パッド酸化膜の厚さ及び素子分離領域形成領域に形成す
る溝の深さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域
の隣接する素子形成領域の幅寸法から数値解析手法を使
用して求めた溝形成領域近傍に発生する応力Aを酸化工
程最高温度における半導体基板の転位発生限界応力Bで
規格化(A/B)し、素子分離領域及び素子形成領域の
夫々の幅寸法をパラメータとして規格値が1を越え転位
発生が予測される領域を明示した設計チャートを示す。
この場合、パッド酸化膜の後退量をパラメータとして転
位発生予測領域を示すことが望ましい。また数値解析手
法は有限要素法が有効である。
【0050】(半導体製造装置)本発明の第1の半導体
製造装置は、パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその内
部応力を夫々測定する装置と、該測定値と素子形成領域
幅及び該素子形成領域に隣接する素子分離領域幅の設計
値を使用して数値解析を行う演算装置、並びに前記の設
計チャートを表示する表示装置若しくは紙等の情報表示
物を備えて成り、選択酸化前の窒化珪素膜除去時の基板
溝形成深さを決定し、形態は1パッケ−ジの装置であっ
ても各機能が単品のシステムの形態であっても良い。
【0051】本発明の第2の半導体製造装置は、パッド
酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその内部応力を夫々測定す
る装置と、該測定値と素子形成領域幅及び該素子形成領
域に隣接する素子分離領域幅を測定する装置と、選択酸
化前の窒化珪素膜除去時に基板表面に形成された溝深さ
を測定する装置と、以上の測定結果を使用して応力解析
を行う演算装置と、設計強度データ(設計チャート或い
は応力分布チャート)を保存する記憶装置と、解析結果
と該強度データを比較して選択酸化時に転位発生が生じ
ないパッド酸化膜の後退量(図2のB寸法参照)を決定
表示する装置とを備えて成る。
【0052】(半導体装置の設計方法)本発明による半
導体装置の設計方法においては、パッド酸化膜厚、窒化
珪素膜厚及びその内部応力及び酸化前の窒化珪素膜除去
時の基板溝形成深さを用いて応力解析を行い、酸化工程
において転位を発生させることのない素子形成領域幅
及び該素子形成領域に隣接する素子分離領域幅及び/ま
たは形成溝深さを決定する。
【0053】第1の態様は、半導体基板の表面に形成さ
れたパッド酸化膜の厚さ及び、前記パッド酸化膜の上に
形成された窒化膜の厚さを測定するステップ、前記窒化
膜の内部応力を測定するステップ、前記半導体基板上に
形成された素子形成領域の幅及び前記素子形成領域に隣
接する素子分離領域の幅を測定するステップ、前記パッ
ド酸化膜上に形成された窒化膜のうち前記素子分離領域
上にある部分をエッチングすることにより前記半導体基
板内に形成された溝の深さを測定するステップ、前記厚
さ、前記幅、前記深さ及び前記内部応力を用いて応力解
析を行って前記溝の近傍において熱酸化により発生する
と想定される内部応力を得るステップ、前記応力を、熱
酸化により転位発生が起こる転位発生臨界応力で割った
値が1を越える領域を前記素子形成領域の幅、及び前記
素子分離領域の幅をパラメータとして表示した設計チャ
ートを作成するステップ、前記設計チャートを用いて、
転位発生が生じない素子形成領域の幅と素子分離領域の
幅の値を半導体基板の設計に際して設定するステップを
備えたことを特徴とする。
【0054】この場合において、前記溝は熱酸化により
形成された熱酸化膜を有しており、前記比の値をL/
S、前記パッド酸化膜の厚さtp、前記窒化膜の厚さt
n、前記溝の前記深さDとして前記互いに隣接する前記
素子形成領域と前記素子分離領域における熱酸化に伴う
転位発生臨界応力値に関する式
【0055】
【数2】が成立するように前記設計チャートのデータを
与えるステップを有することが望ましい。
【0056】また、前記設計チャートを用いて、転位発
生が生じないパッド酸化膜の後退量を決定するステッ
プ、及び前記パッド酸化膜を前記後退量だけ前記半導体
基板表面と平行な方向にエッチング除去するステップを
有することを特徴とすることが望ましい。
【0057】第2の態様は、半導体基板の表面に形成さ
れたパッド酸化膜の厚さ及び、前記パッド酸化膜の上に
形成された窒化膜の厚さを測定するステップ、前記窒化
膜の内部応力を測定するステップ、前記半導体基板上に
形成された素子形成領域の幅及び前記素子形成領域に隣
接する素子分離領域の幅を測定するステップ、前記パッ
ド酸化膜上に形成された窒化膜のうち前記素子分離領域
上にある部分をエッチングすることにより前記半導体基
板内に形成された溝の深さを測定するステップ、前記厚
さ、前記幅、前記深さ及び前記内部応力を用いて応力解
析を行って前記溝の近傍において熱酸化により発生する
と想定される内部応力を得るステップ、前記応力が、熱
酸化により転位発生が起こる転位発生臨界応力を越える
領域を前記素子形成領域の幅、及び前記素子分離領域の
幅をパラメータとして示した応力ぶんぷチャートを作成
するステップ、前記応力分布チャートを用いて、転位発
生が生じない素子形成領域の幅と素子分離領域の幅の値
を半導体基板の設計に際し設定するステップ、を有する
ことを特徴とする。
【0058】(半導体装置の製造方法)本発明の製造方
法は、次のいずれかを特徴とする。
【0059】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
内部応力と、素子形成領域幅寸法及び該素子形成領域に
隣接する素子分離領域幅寸法と、選択酸化前の窒化珪素
膜除去時に基板表面に形成された溝深さを使用して応力
解析を行うステップと、選択酸化時に転位発生が生じな
いパッド酸化膜の後退量を決定しパッド酸化膜を後退さ
せるエッチングを行うステップを有する。
【0060】熱酸化工程前にパッド酸化膜を4nm以
上後退させることが望ましい。◆ パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその内部応力と、
素子形成領域幅寸法及び該素子形成領域に隣接する素子
分離領域幅寸法を使用して応力(数値)解析を行い選択
酸化前の窒化珪素膜除去時の基板溝形成深さを決定する
ことができる。
【0061】窒化珪素膜の内部応力及び厚さ、パッド
酸化膜の厚さ及び素子分離形成領域に形成する溝の深さ
及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域の隣接する
素子形成領域の幅寸法から数値解析手法を使用して求め
た溝形成領域近傍に発生する応力が転位発生限界強度以
下となるように該素子分離領域幅寸法或いは該素子形成
領域幅寸法を決定する。
【0062】素子形成領域を取り囲む熱酸化膜を主構
成材料とした素子分離領域の幅寸法が、窒化珪素膜厚及
びその内部応力、パッド酸化膜厚、基板表面に形成する
溝深さと、素子形成領域の幅寸法と半導体装置内部の転
位発生限界応力値の関係で規定される下限値以上とす
る。
【0063】熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領
域で囲まれた素子形成領域の幅寸法が、窒化珪素膜厚及
びその内部応力、パッド酸化膜厚、基板表面に形成する
溝深さと、隣接した素子分離領域の幅寸法と半導体装置
内部の転位発生臨界応力値の関係で規定される上限値以
下とする。
【0064】(半導体製造装置)本発明の半導体製造装
置は、パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその内部応力
を夫々測定する装置と、該測定値と素子形成領域幅及び
該素子形成領域に隣接する素子分離領域幅の設計値を使
用して数値解析を行う演算装置、並びに選択酸化により
素子分離溝周辺に生じる内部応力が臨界値を越える領域
を前記膜厚と前記幅をパラメータとして示した設計チャ
ートを表示する表示手段を備えて成り、選択酸化前の窒
化珪素膜除去時の基板溝形成深さを決定することを特徴
とする。
【0065】(半導体装置)本発明の半導体装置におい
ては、特に、幅寸法が4μm以上である素子形成領域を
有し、素子形成領域を取り囲む熱酸化膜を主構成材料と
した素子分離領域の幅寸法が1μm以上であることが望
ましい。
【0066】
【作用】S寸法が小さく、L寸法が大きいほど発生応力
が増加する傾向にある。例えば図3に示す例ではS寸法
が2μmの場合、L寸法が2μm以上の領域で発生応力
が転位発生限界応力を越えてしまう。一方、S寸法が4
μmの場合には発生応力が転位発生限界を越えるのはL
寸法が4μm以上の場合である。
【0067】従って、素子分離領域と素子形成領域の寸
法配置を設計する場合にはL寸法或いはS寸法のいずれ
か一方を定めた後で他方を転位が発生することのない寸
法領域に設計すればよい。
【0068】上記した各本発明は、この観点から、素子
形成領域とこの領域に隣接する素子分離領域の幅寸法の
比を、発生応力が転位発生限界値以下となるようにする
ものである。
【0069】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。まず、本発明の原理説明をする。◆図3に
示すようにシリコン単結晶(100)面方位基板1上に
熱酸化前に<110>結晶軸と平行方向に幅sの溝を形
成する場合を考える。溝形成深さを例えば10nm、窒
化硅素膜4の内部応力を1500MPa、厚さを150
nm、パッド酸化膜3の厚さを10nmと仮定した場合
に、熱酸化膜2を形成したときの発生応力の予測値を、
素子領域寸法L、S寸法をパラメータとして解析した例
を図3に示す。
【0070】図3の横軸はL寸法(単位:μm)、縦軸
はシリコン単結晶基板のすべり面方向である(111)
結晶面方向の分解せん断応力成分の溝近傍最大値を示
す。但し、縦軸は1000ーC℃におけるシリコン基板
の転位発生限界強度で規格化してある。
【0071】一般に、S寸法が小さく、L寸法が大きい
ほど発生応力が増加する傾向にある。本解析例において
は、S寸法が2μmの場合、L寸法が2μm以上の領域
で発生応力が転位発生限界応力を越えてしまうことがわ
かる。一方、S寸法が4μmの場合には発生応力が転位
発生限界を越えるのはL寸法が4μm以上の場合であ
る。 従って、素子分離領域と素子形成領域の寸法配置
を設計する場合にはL寸法或いはS寸法のいずれか一方
を定めた後で他方を転位が発生することのない寸法領域
に設計すればよい。但し、場合によっては薄膜の加工が
困難な領域に寸法が設定される場合も有り得るので、そ
の場合には全体的に寸法のバランスを調整する必要があ
る。
【0072】更に、発生応力は図2で説明したように溝
形成深さでも変化するので、L寸法或いはS寸法の調整
が困難な場合には、溝形成深さを浅くすることが好まし
い。これにより転位発生領域を縮小させることが可能と
なり、設計可能領域を広げることができる。
【0073】本解析例を使用して転位発生を防止するた
めの好適な設計に使用する設計チャート作成例を図4に
示す。図の横軸はS寸法であり、縦軸はL寸法である。
図中、転位発生が予測される領域を斜線で示している。
本図は、溝形成深さをパラメータとして解析した例であ
り、溝形成深さが10nmから20nmに増加すると、
転位発生パターン領域が拡大していくことがわかる。
【0074】このチャートを使用すると、溝形成深さが
固定されている場合には、転位が発生しないようなL/
S寸法の組み合わせを選定して設計を行なえばよく、逆
にL/S寸法が固定されている場合にはその寸法で転位
が発生しないような溝深さをプロセス設計値として採用
すればよい。
【0075】製造プロセスが固定されている場合には、
このような設計チャートを作成しておくことで製品パタ
ーン設計段階であらかじめ隣接した素子形成領域と素子
分離領域のL寸法及びS寸法を転位が発生しないような
値の組み合わせに設計することが可能となり、製造段階
での転位発生を防止することが可能となり、製品の製造
歩留りの低下を防止することができる。
【0076】以上のような応力解析、或いは設計チャー
トの作成は、実際の製品製造プロセスで使用される熱酸
化プロセスの製造条件(例えば窒化硅素膜の内部応力及
び厚さ、パッド酸化膜厚、溝形成深さなど)が明らかに
なっていれば実行可能である。しかし、実際の製造工程
を考えると、必ず製造ばらつき(公差)が存在すること
が一般に知られている。従って、設計段階ではこの製造
ばらつきを考慮して、ある程度の余裕(プロセスマージ
ン)を持たせた設計が必要になる。
【0077】更に、製造現場においては、製造工程を追
いながら実際の値を測定しながら次の工程の設計値を変
更或いは修正していくことが可能である。すなわち、ま
ずパッド酸化膜厚の測定を行い、設計値との差の有無を
確認する。パッド酸化膜厚が設計値よりも厚い場合には
応力に対する設計マージンが増えるので特に大きな問題
は無いが、薄い場合には発生応力が増加するため、酸化
を追加して膜厚を所定の値に修正するか、以降の工程に
注意を促す。
【0078】次に窒化硅素膜堆積後に内部応力を例えば
ウエハの反り変形から測定し、初期設計段階での設定値
(予測値)との差を把握する。測定値が設定値よりも低
い場合は応力に対する設計マージンが増えるので特に問
題はない。◆しかし、内部応力が高い場合には、前の工
程のパッド酸化膜厚のデータを含めて溝を形成する場合
に発生する応力の増加量の見直しを行う必要がある。
【0079】評価結果に応じて次の溝形成深さの修正を
行うことになる。これにより、転位発生を防止すること
が可能になり、製造現場においても本発明が有効に適用
できることになる。
【0080】尚、溝深さの修正値が、応力以外の理由で
不適当となる場合も有り得るので、その場合には窒化硅
素膜を一度除去し、再堆積を行うか、窒化硅素膜を一部
除去して膜厚を薄くするか、或いはそのロットは製造中
止としてしまうなどの対策が必要になる。どの対策を実
施するかは製造コスト等を考慮して決定すればよい。い
ずれの場合にも無駄に転位を発生させることなく製造を
継続できるので製品製造の歩留り低下を防止することが
でき製造コスト上昇を抑えることができる。
【0081】ところで、本願明細書にいう熱酸化膜は2
通りあるので、これについて説明すると、各請求項に登
場する熱酸化膜は最終的に半導体装置に形成されるもの
である。まず、半導体基板(Siウエハ)上にうすいパ
ッド酸化膜3を熱酸化(加熱して酸化性雰囲気に曝して
全面に酸化膜をつける)で形成した後、窒化珪素膜を一
様に堆積させ、その後、局所的にパッド酸化膜の一部を
窒化珪素膜の一部と共に選択的に除去する。この時、同
時にシリコン基板の一部も除去される(図13)。次い
で、残ったパッド酸化膜3のみをエッチングにより後退
させ(図13)、その後、肉厚の酸化膜2を図3に示す
ように基板1の溝部上に形成する。この酸化膜2の形成
工程により行い、よって得られる膜は熱酸化膜となる。
【0082】(第1実施例)図1、図2、図3、図4、
図5は本発明の第1実施例を説明するものである。図1
は本実施例である半導体装置の素子分離構造を採用した
MOSトランジスタ構造を示したものである。本実施例
では素子分離領域がストライプ状に形成されている。図
5は素子分離領域の形成時における初期形状断面を示し
たものである。図2は初期形状形成時の溝深さと、窒化
硅素膜下端近傍の基板に発生する応力の最大値との関係
解析例を示したものである。図4は素子分離領域幅寸法
Sと窒化硅素膜幅寸法Lの組み合わせで発生する応力を
溝形成深さをパラメータとして解析し、基板強度との関
係から転位発生領域を示した設計チャート例である。
【0083】本実施例においては、素子分離構造を形成
する領域内のシリコン基板表面に図5に記載したように
浅溝が形成される。本溝は故意に形成するものであって
も窒化硅素膜を除去する際に止むを得ず形成されるもの
であっても差し支えない。窒化硅素膜厚、パッド酸化膜
厚はそれぞれ150nm、15nmを仮定しているが必
ずしもこの組み合わせである必要はない。
【0084】このような浅溝が形成されると、溝の深さ
に応じて図2に示したように窒化硅素膜端近傍のシリコ
ン基板表面の応力が増加する。図2においては溝形成深
さが約6nmを越えると、発生応力の値が素子分離酸化
膜形成温度における転位発生限界応力を越えてしまうこ
とを示している。この現象は、任意の素子分離形成領域
幅L寸法及びその間隔S寸法の組み合わせに依存して生
じるが、応力の増加状況はL、S寸法依存性を持つ。そ
の解析例を図3に示す。
【0085】図3は素子分離領域幅を2μmと仮定した
場合と4μmと仮定した場合の解析例を示したものであ
る。例えば素子分離領域の幅が2μmの場合には溝深さ
が2μm以上の領域で発生応力の値が素子分離酸化膜形
成温度における転位発生限界応力を越え、幅が4μmの
場合には4μm以上の溝が形成されると発生応力が転位
発生応力を越えてしまう。
【0086】このような解析を任意のL寸法(素子形成
領域寸法)或いはS寸法(素子分離領域の幅)の組み合
わせで行い、転位発生が予測される領域を示したのが図
4である。図4の横軸はS寸法、縦軸はL寸法であり、
斜線の領域が発生応力が素子分離酸化膜形成温度におい
て転位発生限界応力を越えると予測される領域である。
【0087】従って、図1の構造においては、L寸法と
S寸法の組み合わせが図4の斜線領域に入らないように
選択されている。S寸法が規定される場合にはL寸法が
斜線領域に入らないように選択され、L寸法が規定され
る場合にはS寸法が斜線領域に入らないような適当な値
に選択される。
【0088】また、L寸法、S寸法が希望の範囲に入ら
ない場合には溝形成深さを調整する。すなわち、転位発
生領域は溝形成深さ(10μm)を浅くするほど狭くな
るので、L、S寸法の適用範囲を広げることが可能とな
る。
【0089】本実施例においては、製品パターン設計段
階で予め隣接した素子形成領域と素子分離領域のL寸法
及びS寸法を転位が発生しないような値の組み合わせに
設計することが可能となり、製造段階での転位発生を防
止することが可能となり、製品の製造歩留りの低下を防
止することができる。
【0090】(第2実施例)本発明の第2実施例を図
6、図7、図8、図9、図15を使用して説明する。図
6は本実施例の半導体装置の素子分離酸化膜形成領域を
示した平面図であり、図7は図6のCーC’線に沿った
断面図、図8は図6のBーB’線図に沿った断面図、図
9は図6のAーA’線に沿った断面図、図15はBー
B’線に沿った領域に対応する素子分離酸化膜形成例を
示したものである。
【0091】本実施例においては、図6に示したように
素子分離領域が素子形成領域を取り囲むように形成され
ている。尚、本実施例においては素子分離領域が楕円形
状で示されているが該領域は楕円形状である必要は必ず
しも無く、任意形状であっても差し支えない。
【0092】また、図6では4個の素子形成領域が示さ
れているが、素子形成領域数は4個に限るものではなく
任意の個数であっても差し支えない。更に、各素子形成
領域の形状は必ずしも同一である必要もないし配置(素
子形成領域の間隔や互いの位置関係)も特に規定される
ものではない。
【0093】本実施例においては、図7と図8の断面図
を比較すると、S寸法が同一で、L寸法は図7、すなわ
ち図6におけるCーC’線に沿った位置の方が大きいこ
とがわかる。
【0094】従って、素子分離領域を形成する場合に作
製される溝(第一の実施例においても述べたように本溝
は故意に形成するものでも止むを得ず形成されるものの
どちらでも差し支えない)の深さが図6の平面領域で一
定の場合には、図3から明らかなようにこの二つの断面
においてはS寸法が一定のため、L寸法の大きいAー
A’線図に沿った領域の発生応力がBーB’線図に沿っ
た領域の発生応力よりも大きくなる。
【0095】一方、図9に示したCーC’線に沿った断
面図と図7に示したAーA’線図に沿った断面図を比較
すると、CーC’線図に沿った断面の方がS寸法が大き
く、L寸法が小さい。従って、以上の3個の断面におい
てはAーA’線に沿った位置における発生応力が最大に
なることが図3或いは図4からわかる。
【0096】それ故、本実施例においては、AーA’線
に沿った断面における発生応力が、転位発生限界応力以
下となるように素子分離構造寸法を決定すれば、他の領
域で発生する応力は必ずこの値より小さくなるので、素
子分離工程における転位発生の心配はなくなる。従っ
て、溝形成深さに応じて、第一の実施例で述べた手順で
図3或いは図4に示したような設計チャートを作成し、
転位が発生しない領域で適当なL、S寸法を選択すれば
よい。
【0097】また、所定の溝深さで望みのL、S寸法を
得られない場合には、溝形成深さを浅くして、希望の
L、S寸法の組み合わせ領域が転位発生領域がいとなる
ようにすればよい。
【0098】素子分離領域が任意の形状或いは任意の個
数存在する場合でも同様にして隣接した素子形成領域幅
Lと素子分離領域幅Sの組み合わせの中から発生応力が
最も大きくなる位置を明らかにし(基本的にはL/Sの
比が最も大きな位置)その位置での発生応力が転位発生
応力以下となるようにS寸法、L寸法、或いは溝形成深
さを設計すればよい。
【0099】尚、図15に示したように素子形成領域幅
寸法Lと素子分離領域幅Sの設計値と実際の値は異な
り、L寸法は小さく、S寸法は大きくなる。これは、酸
化反応が酸化種の3次元的な拡散を経て進行するため窒
化硅素膜下でも酸化反応が進行してしまうためである。
【0100】本発明は図15,図7〜9に示したように
窒化硅素膜幅寸法をL、隣接した窒化硅素膜間隔Sを規
定するものではあるが、実質的に酸化種の3次元拡散に
よる寸法変化例えば0.1μm程度の変化を許容する
L’、S’寸法まで含めるものとする。本実施例におい
ては、製品パターン設計段階で予め隣接した素子形成領
域と素子分離領域のL寸法及びS寸法を転位が発生しな
いような値の組み合わせに設計することが可能となり、
製造段階での転位発生を防止することが可能となり、製
品の製造歩留りの低下を防止することができる。
【0101】(第3実施例)次に本発明の第3実施例を
図10、図11、図12、図13、図14を使用して説
明する。
【0102】図10は本発明の第1実施例或いは第2実
施例において述べた転位発生を防止する素子形成領域幅
L(窒化硅素膜幅L)と該素子形成領域に隣接する素子
分離酸化膜形成領域11の幅S及び素子分離酸化膜を形
成する領域に予め形成される溝12深さBの決定手順を
フローチャートで表したものであり、図11は該フロー
チャートに沿って設計された構造を、図20に示す酸化
81及び酸化工程終了82の工程を経て、実際に製造し
た段階における断面形状を表したものである。
【0103】図12は溝形成深さが設計値よりも大きく
なってしまった場合の応力緩和対策となるパッド酸化膜
の後退量と溝端部近傍における発生応力の関係を解析し
た図であり、図13は実際に発生応力を転位発生限界以
下に緩和するためパッド酸化膜を後述のエッチングによ
り後退させた後の断面構造図を表したものである。
【0104】図14は溝形成深さが設計とは異なってし
まった場合を考慮した素子形成領域幅L(窒化硅素膜幅
L)と該素子形成領域に隣接する41素子分離酸化膜形
成領域の幅S及び素子分離酸化膜を形成する領域に予め
形成される42溝深さB及び対策としてパッド酸化膜を
後退させる43場合のパッド酸化膜後退量の決定手順を
フローチャートで表したものである。
【0105】第1実施例或いは第2実施例で示したよう
に素子形成領域と該素子形成領域に隣接する素子分離酸
化膜領域の幅寸法は図10に示したフローチャートに沿
って寸法配置を決定することによって転位を発生させな
い条件で設計可能である。しかし、実際の製造工程にお
いては加工公差が存在し、製造装置の特性が使用環境に
より経年変化するなど、実際に製造現場では必ずしも設
計寸法通りには加工されない場合もある。
【0106】図11はその例として実際に製造過程で形
成した溝深さが設計値よりも大きくなってしまった半導
体装置の断面構造を示したものである。これまでの製造
方法ではこのまま酸化工程を継続すると必ず転位が発生
してしまうという問題があり、溝深さ測定段階で実際の
溝深さが設計値を越えた場合には該製造過程品を滅却す
るしかなかった。しかし、新たな応力緩和対策としてパ
ッド酸化膜を一部後退させることで転位発生を防止でき
ることが明らかとなった。
【0107】図12にパッド酸化膜の後退量と溝端部に
おける最大応力の関係の解析例を示す。本例では溝形成
深さの設計値が10nmであったのに対して実際には1
5nm形成されてしまった場合の解析例を示しており、
図の横軸はパッド酸化膜の後退量、縦軸は溝端部近傍に
おける最大応力を示している。
【0108】溝形成深さが15nmとなってしまったた
めに発生応力は転位発生限界応力値を越えてしまうが、
パッド酸化膜を後退させることで応力集中場所を分散さ
せることにより応力緩和を達成することができる。すな
わちパッド酸化膜を後退させるとパッド酸化膜端が窒化
硅素膜の応力を支える点となるため形成した溝上端部近
傍は窒化硅素膜からの応力から開放され応力はゼロとな
る。
【0109】またパッド酸化膜端と溝下端の応力集中場
の距離も離れるため相互干渉の影響が小さくなり、結果
的に溝側壁近傍に形成される応力集中の度合いが小さく
なり応力緩和が達成されることになる。
【0110】本実施例ではパッド酸化膜を4nm程度後
退させることで発生応力を再び転位発生限界以下に制御
できることがわかる。具体的にパッド酸化膜を後退させ
た場合の断面構造例を図13に示す。以上の設計及び対
策方法決定手順を図14のフローチャートに示す。パッ
ド酸化膜の後退はフッ酸系のエッチング液で実現可能で
ある。後退量はエッチングレートを予め測定しておくこ
とによりエッチング時間で制御することが可能である。
【0111】図12から明らかなようにパッド酸化膜は
後退させるほど応力緩和が達成されるのでエッチング時
間は応力緩和が達成させるぎりぎりの時間(本実施例で
は4nm後退させる)とするよりはマージンをもたせて
少し長めに設定する(例えば後退量を6nm以上にす
る)とよい。
【0112】尚、パッド酸化膜の後退量は溝深さに依存
するので、本実施例で示した4nmが必ずしも最適では
なく、実際の構造寸法に応じて最適寸法を決定する必要
がある。本実施例においては、製品パターン設計段階で
予め隣接した素子形成領域と素子分離領域のL寸法及び
S寸法を転位が発生しないような値の組み合わせに設計
することが可能となるとともに、実際の製造段階で溝形
成深さが設計深さよりも深くなってしまった場合でもパ
ッド酸化膜を適量後退させるエッチングを追加すること
で、製造段階での転位発生を防止することが可能とな
り、製品の製造歩留りの低下を防止することができる。
【0113】
【発明の効果】本発明を用いると、半導体装置におい
て、製品パターン設計段階で予め隣接した素子形成領域
と素子分離領域のL寸法及びS寸法を転位が発生しない
ような値の組み合わせに設計することが可能となり、製
造段階での転位発生を防止することが可能となり、製品
の製造歩留りの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元LOCOS形状の模式図である。
【図2】本発明の実施例に係る溝形成時の応力増加状況
の解析例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例に係る発生応力のL/S寸法依
存性の解析例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る設計チャートである。
【図5】本発明の実施例に係る素子分離工程断面寸法を
示す断面模式図である。
【図6】本発明の実施例に係る素子分離領域形成の平面
図である。
【図7】図6のAーA’線断面図である。
【図8】図6のBーB’線断面図である。
【図9】図6のCーC’線断面図である。
【図10】本発明の実施例に係る素子形成領域或いは素
子分離領域幅寸法決定方法フロー図である。
【図11】本発明の実施例に係る溝形成後の半導体装置
断面構造を示す模式図である。
【図12】本発明の実施例に係るパッド酸化膜後退量と
溝端部近傍最大応力との関係を説明する特性図である。
【図13】本発明の実施例に係るパッド酸化膜の後退後
の装置断面構造を示す模式図である。
【図14】本発明の実施例に係る溝形成深さを考慮した
素子形成領域或いは素子分離領域幅寸法決定方法フロー
図である。
【図15】本発明の実施例に係る素子分離領域形成例を
示す半導体の結晶構造の顕微鏡写真である。
【図16】半導体メモリーデバイス中の周辺回路におけ
るS寸法とL寸法を示す説明図である。
【図17】応力解析のステップを示す説明図である。
【図18】応力解析に用いる粘弾性モデルを示す説明図
である。
【図19】応力分布チャート及び設計チャートを示す図
である。
【図20】応力解析を用いた半導体の設計と製造工程を
示す図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…素子分離用熱酸化膜、3…パッド
酸化膜、4…窒化硅素膜、5…ゲート電極、6…ゲート
酸化膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/108 7210−4M H01L 27/10 325 S (72)発明者 村田 純 東京都青梅市今井町2326番地 株式会社日 立製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 岡本 紀明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における隣接した素
    子分離領域幅寸法Sと素子形成領域幅寸法Lとの比L/
    Sの値が、半導体メモリ装置内部の転位発生臨界応力値
    で規定される上限値以下とし、かつSは0.1μm以上
    であることを特徴とする半導体メモリ装置。
  2. 【請求項2】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における隣接した素
    子分離領域幅寸法Sと素子形成領域幅寸法Lとの比L/
    Sの値がを50以下であり、かつSは0.1μm以上で
    あることを特徴とする半導体メモリ装置。
  3. 【請求項3】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における隣接した素
    子分離領域幅寸法Sと素子形成領域幅寸法Lとの比L/
    Sの値が2以上であることを特徴とする半導体メモリ装
    置。
  4. 【請求項4】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における素子形成領
    域を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域
    の幅寸法が、素子形成領域の幅寸法と半導体メモリ装置
    内部の転位発生臨界応力値の関係とで規定される下限値
    以上であることを特徴とする半導体メモリ装置。
  5. 【請求項5】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における素子形成領
    域を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域
    の幅寸法が0.1μm以上であることを特徴とする半導
    体メモリ装置。
  6. 【請求項6】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における素子形成領
    域を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域
    で囲まれた素子形成領域の幅寸法が、隣接した素子分離
    領域の幅寸法と半導体メモリ装置内部の転位発生臨界応
    力値の関係とで規定される上限値以下であることを特徴
    とする半導体メモリ装置。
  7. 【請求項7】半導体基板上に、記憶部分と周辺回路部分
    とを形成し、夫々の部分が熱酸化膜を主構成材料とした
    素子分離領域と素子形成領域とを備えて成る半導体メモ
    リ装置において、前記周辺回路部分における素子形成領
    域を取り囲む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域
    で囲まれた素子形成領域の幅寸法が5μm以下であるこ
    とを特徴とする半導体メモリ装置。
  8. 【請求項8】窒化珪素膜の内部応力及び厚さ、パッド酸
    化膜の厚さ及び素子分離領域形成領域に形成する溝の深
    さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域の隣接す
    る素子形成領域の幅寸法から溝形成領域近傍に発生する
    応力を数値解析手法を使用して解析することを特徴とす
    る半導体装置の応力解析方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記数値解析手法が有
    限要素法であることを特徴とする半導体装置の応力解析
    方法。
  10. 【請求項10】窒化珪素膜の内部応力及び厚さ、パッド
    酸化膜の厚さ及び素子分離領域形成領域に形成する溝の
    深さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域の隣接
    する素子形成領域の幅寸法から数値解析手法を使用して
    求めた溝形成領域近傍に発生する応力を、素子分離領域
    及び素子形成領域をパラメータとして表したものである
    ことを特徴とする半導体装置の応力分布チャート。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記数値解析手法
    が有限要素法であることを特徴とすることを特徴とする
    半導体装置の応力分布チャート。
  12. 【請求項12】窒化珪素膜の内部応力及び厚さ、パッド
    酸化膜の厚さ及び素子分離領域形成領域に形成する溝の
    深さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域の隣接
    する素子形成領域の幅寸法から数値解析手法を使用して
    求めた溝形成領域近傍に発生する応力Aを酸化工程最高
    温度における半導体基板の転位発生限界応力Bで規格化
    (A/B)し、素子分離領域及び素子形成領域の夫々の
    幅寸法をパラメータとして規格値が1を越え転位発生が
    予測される領域を明示したものであることを特徴とする
    半導体装置の設計チャート。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記パッド酸化膜
    の後退量をパラメータとして転位発生予測領域を示した
    ものであることを特徴とする半導体装置の設計チャー
    ト。
  14. 【請求項14】請求項12または13において、前記数
    値解析手法が有限要素法であることを特徴とすることを
    特徴とする半導体装置の設計チャート。
  15. 【請求項15】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力を夫々測定する装置と、該測定値と素子形成領
    域幅及び該素子形成領域に隣接する素子分離領域幅の設
    計値を使用して数値解析を行う演算装置、並びに請求項
    12、13若しくは14で示した設計チャートを表示す
    る表示装置若しくは紙等の情報表示物を備えて成り、選
    択酸化前の窒化珪素膜除去時の基板溝形成深さを決定す
    ることを特徴とする半導体製造装置。
  16. 【請求項16】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力を夫々測定する装置と、該測定値と素子形成領
    域幅及び該素子形成領域に隣接する素子分離領域幅を測
    定する装置と、選択酸化前の窒化珪素膜除去時に基板表
    面に形成された溝深さを測定する装置と、以上の測定結
    果を使用して応力解析を行う演算装置と、設計強度デー
    タを保存する記憶装置と、解析結果と強度データを比較
    して選択酸化時に転位発生が生じないパッド酸化膜の後
    退量を決定表示する装置とを備えて成ることを特徴とす
    る半導体製造装置。
  17. 【請求項17】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力及び酸化前の窒化珪素膜除去時の基板溝形成深
    さを用いて応力解析を行い、酸化工程において転位を発
    生させることのない素子形成領域幅及び該素子形成領域
    に隣接する素子分離領域幅を決定することを特徴とする
    半導体装置の設計方法。
  18. 【請求項18】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力及び酸化前の窒化珪素膜除去時の基板溝形成深
    さを用いて応力解析を行い、酸化工程において転位を発
    生させることのない形成溝深さを決定することを特徴と
    する半導体装置の設計方法。
  19. 【請求項19】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力と、素子形成領域幅寸法及び該素子形成領域に
    隣接する素子分離領域幅寸法と、選択酸化前の窒化珪素
    膜除去時に基板表面に形成された溝深さを使用して応力
    解析を行い、選択酸化時に転位発生が生じないパッド酸
    化膜の後退量を決定しパッド酸化膜を後退させるエッチ
    ングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】熱酸化工程前にパッド酸化膜を4nm以
    上後退させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力と、素子形成領域幅寸法及び該素子形成領域に
    隣接する素子分離領域幅寸法を使用して応力(数値)解
    析を行い選択酸化前の窒化珪素膜除去時の基板溝形成深
    さを決定する半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】窒化珪素膜の内部応力及び厚さ、パッド
    酸化膜の厚さ及び素子分離領域形成領域に形成する溝の
    深さ及び該素子分離領域幅寸法と該素子分離領域の隣接
    する素子形成領域の幅寸法から数値解析手法を使用して
    求めた溝形成領域近傍に発生する応力が転位発生限界強
    度以下となるように該素子分離領域幅寸法或いは該素子
    形成領域幅寸法を決定する半導体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】素子形成領域を取り囲む熱酸化膜を主構
    成材料とした素子分離領域の幅寸法が、窒化珪素膜厚及
    びその内部応力、パッド酸化膜厚、基板表面に形成する
    溝深さと、素子形成領域の幅寸法と半導体装置内部の転
    位発生臨界応力値の関係で規定される下限値以上とする
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領
    域で囲まれた素子形成領域の幅寸法が、窒化珪素膜厚及
    びその内部応力、パッド酸化膜厚、基板表面に形成する
    溝深さと、隣接した素子分離領域の幅寸法と半導体装置
    内部の転位発生臨界応力値の関係で規定される上限値以
    下とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  25. 【請求項25】幅寸法が4μm以上である素子形成領域
    を有する半導体装置において、該素子形成領域を取り囲
    む熱酸化膜を主構成材料とした素子分離領域の幅寸法
    が、1μm以上であることを特徴とする半導体装置。
  26. 【請求項26】半導体基板、前記半導体基板内の素子形
    成領域上に形成され、0.1〜125μmの間の幅を有
    する複数の回路領域、前記半導体基板上で前記複数の回
    路領域を互いに分離するように形成され0.05〜2.
    5μmの間の幅を有する素子分離領域、を備えた半導体
    装置において、前記素子分離領域の幅と前記素子分離領
    域に隣接する前記複数の回路領域の幅との比が2〜50
    までの値を有することを特徴とする半導体装置。
  27. 【請求項27】請求項26において、前記素子分離領域
    は前記半導体基板表面に形成されたパッド酸化膜及び前
    記パッド酸化膜上に形成された窒化膜のうち前記素子分
    離領域上にある部分をエッチングにより前記半導体基板
    内に形成された溝であって、前記半導体基板上の前記パ
    ッド酸化膜の位置から測った前記溝の深さは0〜10n
    mの間の値を有することを特徴とする半導体装置。
  28. 【請求項28】請求項27において、前記溝は熱酸化に
    より形成された熱酸化膜を有しており、前記比の値をL
    /S、前記パッド酸化膜の厚さtp、前記窒化膜の厚さ
    tn、前記溝の前記深さDとして前記互いに隣接する前
    記素子形成領域と前記素子分離領域における熱酸化に伴
    う転位発生臨界応力値に関する式 【数2】 が成立することを特徴とする半導体装置。
  29. 【請求項29】請求項28において、前記熱酸化により
    前記溝近傍に発生する応力は、前記窒化膜の厚さ及び内
    部応力、前記パッド酸化膜の厚さ、前記溝の深さ、前記
    素子分離領域の幅、前記素子分離領域に隣接する前記素
    子形成領域の幅とから数値解析を含む有限要素法により
    解析されることを特徴とする半導体装置。
  30. 【請求項30】請求項26において、前記素子形成領域
    上に形成されたメモリー回路と、前記素子形成領域上に
    形成され前記メモリー回路と接続される周辺回路を有
    し、前記素子分離領域の幅と前記素子分離領域に隣接す
    る前記複数の回路領域の幅との比は前記周辺回路におけ
    る値であることを特徴とする半導体装置。
  31. 【請求項31】請求項30において、前記周辺回路にお
    ける前記素子形成領域の幅は5μm以下であることを特
    徴とする半導体装置。
  32. 【請求項32】請求項26において、前記素子分離領域
    の幅は3μm以上であって、前記素子形成領域の幅は
    0.1〜1.0μmであることを特徴とする半導体装
    置。
  33. 【請求項33】請求項32において、前記素子分離領域
    は前記半導体基板表面に形成されたパッド酸化膜及び前
    記パッド酸化膜上に形成された窒化膜の内前記素子分離
    領域上にある部分をエッチングにより前記半導体基板内
    に形成された溝であって、前記半導体基板上の前記パッ
    ド酸化膜の位置から測った前記溝の深さは0〜10nm
    の間の値を有することを特徴とする半導体装置。
  34. 【請求項34】半導体基板の表面に形成されたパッド酸
    化膜の厚さ及び、前記パッド酸化膜の上に形成された窒
    化膜の厚さを測定するステップ、前記窒化膜の内部応力
    を測定するステップ、前記半導体基板上に形成された素
    子形成領域の幅及び前記素子形成領域に隣接する素子分
    離領域の幅を測定するステップ、前記パッド酸化膜上に
    形成された窒化膜のうち前記素子分離領域上にある部分
    をエッチングすることにより前記半導体基板内に形成さ
    れた溝の深さを測定するステップ、前記厚さ、前記幅、
    前記深さ及び前記内部応力を用いて応力解析を行って前
    記溝の近傍において熱酸化により発生すると想定される
    内部応力を得るステップ、前記応力を、熱酸化により転
    位発生が起こる転位発生臨界応力で割った値が1を越え
    る領域を前記素子形成領域の幅、及び前記素子分離領域
    の幅をパラメータとして表示した設計チャートを作成す
    るステップ、前記設計チャートを用いて、転位発生が生
    じない素子形成領域の幅と素子分離領域の幅の値を半導
    体基板の設計に際して設定するステップを備えたことを
    特徴とする半導体装置を設計する方法。
  35. 【請求項35】請求項34において、前記溝は熱酸化に
    より形成された熱酸化膜を有しており、前記比の値をL
    /S、前記パッド酸化膜の厚さtp、前記窒化膜の厚さ
    tn、前記溝の前記深さDとして前記互いに隣接する前
    記素子形成領域と前記素子分離領域における熱酸化に伴
    う転位発生臨界応力値に関する式 【数2】が成立するように前記設計チャートのデータを
    与えるステップを有することを特徴とする半導体装置を
    設計する方法。
  36. 【請求項36】請求項34において、前記設計チャート
    を用いて、転位発生が生じないパッド酸化膜の後退量を
    決定するステップ、及び前記パッド酸化膜を前記後退量
    だけ前記半導体基板表面と平行な方向にエッチング除去
    するステップを有することを特徴とする半導体装置を設
    計する方法。
  37. 【請求項37】半導体基板の表面に形成されたパッド酸
    化膜の厚さ及び、前記パッド酸化膜の上に形成された窒
    化膜の厚さを測定するステップ、前記窒化膜の内部応力
    を測定するステップ、前記半導体基板上に形成された素
    子形成領域の幅及び前記素子形成領域に隣接する素子分
    離領域の幅を測定するステップ、前記パッド酸化膜上に
    形成された窒化膜のうち前記素子分離領域上にある部分
    をエッチングすることにより前記半導体基板内に形成さ
    れた溝の深さを測定するステップ、前記厚さ、前記幅、
    前記深さ及び前記内部応力を用いて応力解析を行って前
    記溝の近傍において熱酸化により発生すると想定される
    内部応力を得るステップ、前記応力が、熱酸化により転
    位発生が起こる転位発生臨界応力を越える領域を前記素
    子形成領域の幅、及び前記素子分離領域の幅をパラメー
    タとして示した応力ぶんぷチャートを作成するステッ
    プ、前記応力分布チャートを用いて、転位発生が生じな
    い素子形成領域の幅と素子分離領域の幅の値を半導体基
    板の設計に際し設定するステップ、を有することを特徴
    とする半導体装置を設計する方法。
  38. 【請求項38】パッド酸化膜厚、窒化珪素膜厚及びその
    内部応力を夫々測定する装置と、該測定値と素子形成領
    域幅及び該素子形成領域に隣接する素子分離領域幅の設
    計値を使用して数値解析を行う演算装置、並びに選択酸
    化により素子分離溝周辺に生じる内部応力が臨界値を越
    える領域を前記膜厚と前記幅をパラメータとして示した
    設計チャートを表示する表示手段を備えて成り、選択酸
    化前の窒化珪素膜除去時の基板溝形成深さを決定するこ
    とを特徴とする半導体製造装置。
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