JPH0772520B2 - 圧電式燃料噴射弁 - Google Patents

圧電式燃料噴射弁

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JPH0772520B2
JPH0772520B2 JP2962487A JP2962487A JPH0772520B2 JP H0772520 B2 JPH0772520 B2 JP H0772520B2 JP 2962487 A JP2962487 A JP 2962487A JP 2962487 A JP2962487 A JP 2962487A JP H0772520 B2 JPH0772520 B2 JP H0772520B2
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piezoelectric
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、圧電式燃料噴射弁に係り、特に内燃機関の燃
料噴射装置用として好適な圧電式燃料噴射弁に関するも
のである。
〔従来の技術〕
内燃機関の燃料噴射装置を制御するための高速アクチユ
エータの駆動源として圧電素子を用いることは特開昭50
-60630号公報により提案されている。また、圧電素子を
積層してなる中空円筒状の積層圧電部材(以下円筒形圧
電素子という)は知られており、前記従来技術の圧電素
子の代りに積層圧電部材を利用するものすなわち、円筒
形圧電素子の中空部にニードルバルブを配設して、円筒
形圧電素子の機械的変位により直接燃料噴射孔のバルブ
を開閉する圧電式燃料噴射弁が考えられる。
このような圧電式燃料噴射弁において、電圧を印加した
際には、円筒形圧電素子には殆んど瞬間的に変位を生
じ、そのタイムラグは極めて短い。したがつて、かかる
圧電式燃料噴射弁は高速応答性に優れ、入力電圧信号に
応じて正確に燃料噴射量を制御できる。
この円筒形圧電素子は、一般に、圧電性材料からなる圧
電素子に係る例えば100枚程度のドーナツ状の薄い円盤
を積層して構成される。各円盤間には金属箔等からなる
薄い層間電極が挟まれる。これらの電極は一つおきにプ
ラスリード線とマイナスリード線に接続される。両電極
間に例えば約400Vの電圧を印加することにより前記の各
圧電性の円盤に電場をかければ、各円盤は厚さ方向に伸
長し、円筒形圧電素子の端部に40〜50μm程度の軸方向
変位が生ずる。この変位は、ニードルバルブに伝達さ
れ、燃料噴射孔の開閉動作に利用される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記説明の如く、円筒形圧電素子は薄い円盤を複数枚積
層し、各円盤間には金属箔等からなる層間電極が挟まれ
るため、個々の圧電性円盤に局部荷重が作用した場合に
は破壊しやすいという欠点がある。特に、円筒形圧電素
子、ニードルバルブおよびバルブガイド等を収容するバ
ルブケーシングの軸心に対して円筒形圧電素子が偏心し
た状態で取り付けられたり、円筒形圧電素子を支承する
面に対して当該圧電素子端面が平行になつていない場合
には、個々の圧電性円盤の周辺部には亀裂が発生した
り、円筒形圧電素子の変位量ひいてはニードルバルブの
変位量が不安定になるという問題があつた。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもの
で、常に正確なニードルバルブの変位量を得て安定した
燃料噴射量制御を行いうる圧電式燃料噴射弁を提供する
ことを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明に係る圧電式燃料噴
射弁の構成は、多数の圧電素子を積層してなる中空円筒
状の積層圧電部材と、バルブガイドに設けた燃料噴射孔
と当該燃料噴射孔に連通する燃料流入孔とを具備するバ
ルブケーシングと、前記バルブガイドと前記積層圧電部
材との両者に内接して配設されるニードルバルブとを備
え、前記積層圧電部材をアクチユエータとし、この積層
圧電部材の力、変位が前記ニードルバルブを駆動して前
記燃料噴射孔を開閉せしめるように構成した圧電式燃料
噴射弁において、前記ニードルバルブの一端に、このニ
ードルバルブと一体的に形成された軸受部材を設け、前
記バルブケーシング内に、その端面が支承されてなる前
記積層圧電部材の他面に、弾性部材の復元力によつて当
該積層圧電部材に押圧されるように素子プレートを設
け、前記ニードルバルブの軸受部材と前記素子プレート
との両者の間に、前記素子プレート側とは面接触し、前
記ニードルバルブの軸受部材側とは線接触して連結しう
る運動自在のスペーサを介設せしめたものである。
なお、より詳しく本発明の圧電式燃料噴射弁の構成を説
明すれば、バルブケーシング内でその一端面を支持固定
される積層圧電部材に係る円筒形圧電素子とこの円筒形
圧電素子の支承面に対する圧電素子の端面側に設けられ
る素子プレートと、前記バルブケーシングの上端部を閉
鎖する上部ケーシング側板と前記素子プレートとの間に
配設され当該素子プレートを円筒形圧電素子の端面に押
圧固定するための弾性部材に係る圧縮ばねと、前記バル
ブケーシング及び圧電素子の中空部内に配設されるバル
ブガイドと、このバルブガイドと同一軸心に収納され軸
方向に摺動するニードルバルブと、このニードルバルブ
のその一方端には、円筒形圧電素子の支承面に対する端
面より突き出て適宜延長され円筒形圧電素子の変位、力
を受けるニードルバルブの軸受部材と、この軸受部材と
前記上記ケーシング側板の軸方向でその位置調整が可能
なスプリングアジヤスタ間に配設され、その復元力によ
つて前記ニードルバルブを前記バルブガイドに押圧する
弾性部材に係る別なる圧縮ばねと、前記ニードルバルブ
の軸受部材と前記圧電素子の端面に設けられた素子プレ
ートとの間に、この素子プレート側が面接触にて、この
軸受部材側が線接触にて連結結合され、しかも両者間で
その位置が自在に調整される如く運動可能な可動スペー
サとから構成されるものである。
〔作用〕
円筒形圧電素子に高電圧が印加されると、この円筒形圧
電素子は、圧縮ばねの復元力に抗して瞬時的に軸方向に
変位し、この際に素子プレートとニードルバルブの軸受
部材との間で瞬時に連絡結合される可動スペーサが同軸
方向に変位する。これによつて前記ニードルバルブの先
端部がバルブガイドから離脱する。そこで、既に加圧供
給されている燃料が燃料噴射孔から外部へ噴射されると
いうものである。
この発明の特徴とするところは、前記素子プレートと前
記ニードルバルブの軸受部材との間で別に拘束されず運
動自在なる前記可動スペーサが、円筒形圧電素子や上記
各部材の偏心を自己修正する機能を有するものである。
すなわち、前記ニードルバルブは、高い精度でもつてバ
ルブガイドに同一軸心上に収納されており、このニード
ルバルブに一体的に形成された軸受部材を基準として可
動スペーサが偏心を修正すべく運動する。例えば、円筒
形圧電素子が偏心した状態やバルブケーシング内に支持
固定された円筒形圧電素子の支承面に対する端面が平行
なつていない状態で取り付けられたとすると、可動スペ
ーサがニードルバルブの軸受部材面に沿つて、その偏心
状態、傾き状態に応じて移動するものである。したがつ
て、円筒形圧電素子に局部荷重が加わることも少なく、
しかも安定した変位量が得られて的確な噴射量制御を行
うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の各実施例を第1図および第2図を参照し
て説明する。
まず、第1図は、本発明の一実施例に係る圧電式燃料噴
射弁の縦断面図である。
第1図において、1は同筒状のバルブケーシング、2は
バルブケーシング1の大径部1aに挿入固定された上部ケ
ーシング側板、3はバルブケーシング1の小径部1bに固
定スペーサ4を介して挿入固定されたバルブガイド、5
はこのバルブガイド3内で極めて高精度に同一軸心上を
摺動するための案内部5a,5bを有するニードルバルブ、
6は、このニードルバルブ5の一方端に一体的に形成さ
れた半球面状の軸受部材、7は、バルブケーシング1内
に配設される多数の圧電素子を積層してなる中空円筒状
の積層圧電部材に係る円筒形圧電素子である。
8は、バルブケーシング1内に、その端面がバルブケー
シング1の支承面1cに支承されてなる円筒形圧電素子7
の他の端面7aに密着固定される素子プレートである。
そして9は、この素子プレート8と半球面状の軸受部材
6との間に運動自在に挿入された可動スペーサで、この
可動スペーサ9は、素子プレート8側が面接触で、半球
面状の軸受部材6側が線接触で連絡結合されている。10
は、上部ケーシング側板2と素子プレート8との間に配
設される弾性部材に係るコイル状ばねで、素子プレート
8は、このコイル状ばね10の復元力によつて円筒形圧電
素子7に密着固定される。すなわち、円筒形圧電素子7
は、コイル状ばね10の復元力によつてバルブケーシング
1の支承面1cに密着固定されるものである。11は、上部
ケーシング側板2内に設けたスプリングアジヤスタ12と
ニードルバルブ5の半球面状の軸受部材6の端面6aとの
間に設けられた別なる弾性部材に係るコイル状ばねで、
ニードルバルブ5の先端部5cはバルブガイド3の弁座3a
にコイル状ばね11の復元力により押圧されている。
バルブガイド3の弁座3aの先には燃料噴射孔3bを形成す
る隙間があり、ニードルバルブ5の先端部5cの変位によ
つて燃料噴射孔3bが開閉されるように構成されている。
ここに、積層圧電部材に係る円筒形圧電素子7は、チタ
ン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電性材料からなる圧
電素子、すなわち厚さ0.1〜0.5mmのドーナツ状薄板(図
示せず)を多数枚積層することにより構成されており、
個々の薄板の両端に数百ボルトの電圧を加えたときには
約50μm程度の軸方向変位を生ずるものである。周知の
ように、圧電性薄板の間にはプラス電極箔とマイナス電
極箔(共に図示せず)が交互に挟持されており各々リー
ド線13,14に接続されている。各各のリード線13,14は上
部ケーシング側板2に設けたリード線取出口15,16から
共に弁外に導かれ図示しない電気回路に接続される。17
はフユエルキヤツプで、バルブケーシング1にかしめ固
定される。18は、フユエルキヤツプ17に溶接等により固
定された燃料パイプ接続管、19は、バルブケーシング1
に設けられた燃料流入孔、20はバルブガイド3に設けら
れた別なる燃料通路孔、21は、バルブケーシング1の小
径部1bとバルブガイド3との間に設けられたOリング弁
外への燃料漏れを阻止する。22は、バルブケーシング1
内に挿入されたバルブガイド3に設けられたOリングで
円筒形圧電素子7側への燃料漏れを阻止する。23は、バ
ルブガイド3とニードルバルブ5との間に設けられたO
リングで、同じく円筒形圧電素子7側への燃料漏れを阻
止する。24,25は、バルブケーシング1とフユエルキヤ
ツプ17との間に設けられたOリングで弁外への燃料漏れ
を阻止するものである。
かかる構成において、円筒形圧電素子7に電圧が印加さ
れていない場合、ニードルバルブ5の半球面状の軸受部
材6と可動スペーサ9との間には僅かな隙間が確保され
ている。この隙間はニードルバルブ5の変位量(リフト
量)を調節するために設けられるもので、その調節はバ
ルブケーシング1とバルブガイド3との間に設けられた
固定スペーサ4の厚みを変更することによつてなされ
る。したがつて、可動スペーサ9は半球面状の軸受部材
6と素子プレート8との間で別に拘束されず運動自在に
保持される。すなわち、円筒形圧電素子7が偏心した状
態に取り付けられたり、あるいは円筒形圧電素子7を支
承するバルブケーシング1の支承面1cに対して円筒形圧
電素子7の端面7aが平行になつていない状態で取り付け
られた場合に、可動スペーサ9が素子プレート8上を移
動し、前記状態を修正するものである。
次に、円筒形圧電素子7に電圧が印加された場合の弁の
動作について説明する。図示しない制御回路からリード
線13,14にパルス状の高電圧が印加されると、パルス電
圧がONのときに円筒形圧電素子7がコイル状ばね10の復
元力に抗して変位する。この円筒形圧電素子7の変位
は、素子プレート8を介して可動スペーサ9、さらにニ
ードルバルブ5の半球面状の軸受部材に伝播される。こ
の際、可動スペーサ9と軸受部材6との間のごく僅かな
隙間が連絡結合されるが、瞬時のうちに可動スペーサ9
が移動して、前記した如く偏心や傾きを修正する。可動
スペーサ9が軸受部材6に連絡結合されると、さらに円
筒形圧電素子7の変位は別なるコイル状ばね11の復元力
に抗してニードルバルブ5を上方に押し上げる。このと
き、バルブガイド3の弁座3aからニードルバルブ5の先
端部5cが離脱し、燃料の通過を許す隙間すなわち燃料噴
射孔3bが開く。この隙間は、バルブケーシング1とバル
ブガイドとの間に設けた固定スペーサ4により調整され
るものである。言う換えれば、このスペーサ4の厚みの
調整によつて、軸受部材6と可動スペーサ9との間のご
く僅かな隙間を調整するものである。一方、燃料は、図
示しない燃料ポンプにより燃料パイプ接続管18を経てフ
エエルキヤツプ17に入る。さらに燃料は、バルブケーシ
ング1に設けた燃料流入孔19を経て固定スペーサ4の透
孔4aからバルブガイド3に設けた別なる燃料通路孔20に
至る。ここで予め開孔された隙間、すなわち燃料噴射孔
3bを経て弁外へ噴射供給される。
一方、円筒形圧電素子7に印加されるパルス電圧がOFF
になると、円筒形圧電素子7は速やかに縮む。これにと
もなつて、素子プレート8がコイル状ばね10の復元力に
よつて速やかに押し下げられ、ニードルバルブ5の軸受
部材6と素子プレート8との間に隙間が生ずるが、同時
に別なるコイル状ばね11の復元力によりニードルバルブ
5は速やかに押し下げられ、バルブガイド3の弁座3aに
着座し、燃料噴射孔3bが閉じられて燃料の噴射供給が止
まる。
本実施例によれば、円筒形圧電素子7や各部材が偏心し
た状態であつたり、支承面1cに対する円筒形圧電素子7
の端面7aが傾斜した状態で組み立てられたとしても、運
転自在な可動スペーサ9がこれを修正し、円筒形圧電素
子7に加わる局部荷重を排除し高い信頼性をもつて弁を
駆動できること、また、ニードルバルブ5の往復動作を
安定した状態に保ち、的確な噴射量制御を行うことが可
能となるものである。
次に、本発明の他の実施例を第2図を参照して説明す
る。
第2図は、本発明の他の実施例に係る圧電式燃料噴射弁
の可動スペーサ部を示す部分断面図であり、図示しない
部分は第1図と同等である。また図中、第1図と同一符
号のものは、第1図の実施例と同一部品であるから、重
複する説明は省略する。
第2図の実施例は、第1図の実施例とは別なるニードル
バルブ50を配設し、このニードルバルブ50に一体的に形
成された軸受部材60が、傾斜部60a,60bを有するもので
ある。また、この軸受部材60と線接触する如く球面部90
aを有する可動スペーサ90が配設されるものである。す
なわち、軸受部材60の傾斜部60a,60bの交点(線接触
部)を基準にして可動スペーサ90が円筒形圧電素子7や
各部材の偏心、傾きを修正すべく運動するものである。
第2図の実施例によれば、先の第1図の実施例と同様の
効果が期待される。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、常に正確なニード
ルバルブの変位量を得て安定した燃料噴射量制御を行い
うる圧電式燃料噴射弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る圧電式燃料噴射弁の
縦断面図、第2図は、本発明の他の実施例に係る圧電式
燃料噴射弁の可動スペーサ部を示す部分断面図である。 1……バルブケーシング、1c……支承面、3……バルブ
ガイド、3a……弁座、3b……燃料噴射孔、5……ニード
ルバルブ、5c……先端部、6……軸受部材、7……円筒
形圧電素子、7a……端面、8……素子プレート、9……
可動スペーサ、10,11……コイル状ばね、19,20……燃料
導入孔、50……ニードルバルブ、60……軸受部材、90…
…可動スペーサ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の圧電素子を積層してなる中空円筒状
    の積層圧電部材と、バルブガイドに設けた燃料噴射孔と
    当該燃料噴射孔に連通する燃料流入孔とを具備するバル
    ブケーシングと、前記バルブガイドと前記積層圧電部材
    との両者に内接して配設されるニードルバルブとを備
    え、前記積層圧電部材をアクチユエータとし、この積層
    圧電部材の力、変位が前記ニードルバルブを駆動して前
    記燃料噴射孔を開閉せしめるように構成した圧電式燃料
    噴射弁において、前記ニードルバルブの一端に、このニ
    ードルバルブと一体的に形成された軸受部材を設け、前
    記バルブケーシング内に、その端面が支承されてなる前
    記積層圧電部材の他面に、弾性部材の復元力によつて当
    該積層圧電部材に押圧されるように素子プレートを設
    け、前記ニードルバルブの軸受部材と前記素子プレート
    との両者の間に、前記素子プレート側とは面接触し、前
    記ニードルバルブの軸受部材側とは線接触して連結しう
    る運動自在のスペーサを介設せしめたことを特徴とする
    圧電式燃料噴射弁。
JP2962487A 1987-02-13 1987-02-13 圧電式燃料噴射弁 Expired - Lifetime JPH0772520B2 (ja)

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