JP2001119963A - ピエゾアクチュエータ、ピエゾ制御弁、ピエゾインジェクタ - Google Patents

ピエゾアクチュエータ、ピエゾ制御弁、ピエゾインジェクタ

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JP2001119963A
JP2001119963A JP29025799A JP29025799A JP2001119963A JP 2001119963 A JP2001119963 A JP 2001119963A JP 29025799 A JP29025799 A JP 29025799A JP 29025799 A JP29025799 A JP 29025799A JP 2001119963 A JP2001119963 A JP 2001119963A
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Akikazu Kojima
昭和 小島
Yoshihiro Narahara
義広 楢原
Toshio Kondo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピエゾアクチュエータ(ピエゾスタック)と
弁体とを適正な当接力で当接させるために、ピッチの異
なる2つのネジを用いて、2つのネジのピッチの差だけ
ピエゾアクチュエータを移動させることで、精度良く初
期値の調整ができるようにしたピエゾアクチュエータ
1、ピエゾ制御弁、またはピエゾインジェクタ100の
提供。 【解決手段】 ピエゾスタック11の一方の端面を固定
壁40に、他方の端面を下部ピストン6にそれぞれ当接
して支持するとともに、調整ネジ5によって固定壁40
の軸方向の位置を調整可能としたピエゾアクチュエータ
1において、調整ネジ5は、ピッチの異なる2個のネジ
部を有し、一方のネジ部が固定壁40を有する支持体に
設けたネジ部と螺合し、他方のネジ部がピエゾスタック
11のケーシング10に設けたネジ部と螺合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピエゾスタック
に加える初期荷重の設定を正確にしたピエゾアクチュエ
ータ、該ピエゾアクチュエータを用いたピエゾ制御弁お
よび該ピエゾ制御弁を組み込んだ内燃機関のピエゾイン
ジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜状の電極の間に薄膜状に形成したピ
エゾ素子(圧電素子)を挟み、これを積層して棒状に成
形したピエゾスタックは、ピエゾ(圧電)アクチュエー
タとして使用されている。このピエゾアクチュエータの
変位を弁体に伝達して弁の開閉を行うピエゾ制御弁は、
ディーゼルなど内燃機関の燃料噴射弁に組み込まれてピ
エゾインジェクタに適用されており、特開平9−184
463号公報、アメリカ合衆国特許第5740969号
公報などに提案されている。
【0003】これらのピエゾアクチュエータ、ピエゾ制
御弁、ピエゾインジェクタは、ピエゾスタックの変位量
が微小であるため、組付けたときにピエゾアクチュエー
タと可動体または弁体(以下、弁体と称する)とが過不
足ない力で当接していることが重要である。当接力が不
足したり隙間がある場合には、ピエゾスタック(ピエゾ
アクチュエータ)の変位を正確に弁体など被動体に伝え
ることができない。また、当接力が過剰であれば、ピエ
ゾアクチュエータが変位する前に開弁の状態となり、閉
弁することが不可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ピエゾアクチュエータ
と弁体とを適正な当接力で当接させるために、調整ネジ
を使用することは、上記従来の技術文献にも記載がある
が実際には極めて困難である。当接力の調整は2μm以
下の精度を要するが、たとえばピッチ1mmのネジで
は、5度の回転でも14μmの軸方向の変位が生じてし
まい、微調整は不可能に近い。
【0005】この発明の目的は、ピエゾアクチュエータ
(ピエゾスタック)と弁体とを適正な当接力で当接させ
るために、ピッチの異なる2つのネジを用いて、2つの
ネジのピッチの差だけピエゾアクチュエータを移動させ
ることで、精度良く初期値の調整ができるようにしたピ
エゾアクチュエータ、ピエゾ制御弁、ピエゾインジェク
タを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】[請求項1について]調
整ネジは、ピッチの異なる2個のネジ部を有し、一方の
ネジ部が固定壁を有する支持体に設けたネジ部と螺合
し、他方のネジ部がピエゾスタックのケーシングに設け
たネジ部と螺合している。たとえば、一方のネジ部のピ
ッチを1.0mm、他方のネジ部のピッチを0.9mm
とすると、ボルト1回転に対し0.1mmの差だけ移動
する。すなわち5度の回転に対して1.4μmだけ移動
する。これにより、適正な初期値の調整が容易にできる
ピエゾアクチュエータ、ピエゾ制御弁、ピエゾインジェ
クタが得られる。
【0007】[請求項2について]支持体に軸方向スリ
ットを設け、該スリットと係合するキー、ピン、ビスに
より固定壁の軸方向の変位を許容しながら回り止めを行
うことができる。
【0008】[請求項3について]支持体の調整ネジ側
の面に溝を形成するとともに調整ネジに軸方向の貫通孔
を設け、調整ネジを挿通させたドライバー様の工具また
は治具を溝に係合させることにより、調整ネジを締め込
む際の支持体の回り止めを行うことができる。
【0009】[請求項4について]ピエゾ制御弁は、請
求項1〜3のいずれかに記載のピエゾアクチュエータの
他の端面に当接する可動体により弁の開閉を行うことが
できる。
【0010】[請求項5について]ピエゾインジェクタ
は、請求項4に記載のピエゾ制御弁によって、ノズルニ
ードルの背圧室に導入した高圧流体を排出することによ
り、ノズルニードルをリフトさせることができ、燃料噴
射装置に好適である。
【0011】[請求項6について]ピエゾインジェクタ
は、請求項4に記載のピエゾ制御弁が、請求項5に記載
のノズルニードル背圧室を低圧源または高圧源のいずれ
かへの導通を選択的に切替えするための三方弁である。
部品点数が少なく、構成が簡単であり、燃料噴射装置に
好適である。
【0012】[請求項7について]ピエゾインジェクタ
は、ピエゾアクチュエータに電荷を注入した状態におい
て、三方弁に所定の着座力が得られるように調整ネジに
より固定壁の位置を調整する構成である。このため、ピ
エゾアクチュエータの初期位置を容易に設定することが
できる。
【0013】[請求項8について]ピエゾインジェクタ
は、ピエゾアクチュエータに電荷を注入した状態におい
て、ピエゾアクチュエータの電圧が所定値になるように
調整ネジによって固定壁の位置を調整する構成である。
このため、ピエゾアクチュエータの初期位置を正確に設
定することができる。
【0014】[請求項9について]ピエゾインジェクタ
において、調整ネジは、ピッチの異なる2個のネジ部を
有し、一方のネジ部が固定壁を有する支持体に設けたネ
ジ部と螺合し、他方のネジ部がピエゾアクチュエータの
ケーシングに設けたネジ部と螺合している。これによ
り、ピエゾアクチュエータの初期位置を、容易、且つ精
密に設定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、ディーゼル機関の燃料噴
射に用いられるピエゾインジェクタ100を示す。ピエ
ゾインジェクタ100は、ピエゾアクチュエータ1、三
方弁2および燃料噴射ノズル3を同軸的に連結した構造
を有する。ピエゾアクチュエータ1と三方弁2とは、ピ
エゾアクチュエータ1によって開閉されるピエゾ弁20
0を構成している。
【0016】ピエゾアクチュエータ1は、円筒状のケー
シング10内の下部に同軸的に円柱状のピエゾスタック
11が収容されている。ケーシング10またはピエゾス
タック11は円以外の断面を有する筒体または柱体であ
ってもよい。ケーシング10内の上部には、ピエゾスタ
ック11の支持体であり、下端面がピエゾスタック11
の上端面1Aに当接して固定壁40となっている上部ピ
ストン4が軸方向に摺動自在に嵌め込まれている。上部
ピストン4(支持体)の上のケーシング10内にはボル
ト状の調整ネジ5が嵌め込まれている。ピエゾスタック
11の下には、上端面がピエゾスタック11の下端面1
Bに当接して可動体となる下部ピストン6が配されてい
る。
【0017】調整ネジ5には、2個のネジ部として、こ
の実施例では上部に大径外ねじ51、下部に同じ向きの
小径外ねじ52が設けられている。ケーシング10の上
端部には内ねじ12が設けられており、上部ピストン4
(支持体)の上面には、内ねじ41付き穴42が形成さ
れている。大径外ネジ51は内ねじ12と螺合し、小径
外ネジ52は、内ねじ41に螺合している
【0018】大径外ネジ51のピッチは小径外ネジ52
のピッチより僅かに大きく、たとえば大径外ネジ51の
ピッチを1.0mm、小径外ネジ52のピッチを0.9
mmとしている。上部ピストン4は、外周の下部に形成
した周溝43にOリング44が嵌め込まれており、該O
リング44によりケーシング10の内周壁との気密が保
持されている。なお、気密の保持は、他のシール手段を
用いてもよい。
【0019】調整ネジ5の頭にはマイナスまたはプラス
溝54が設けてあり、ドライバ等の工具でこの調整ネジ
5を締め込んで行くと、1回転で調整ネジ5は下方に1
mm沈み、上部ピストン4は調整ネジ5に対して0.9
mm持ち上がる。よって上部ピストン4はケーシング1
0の中に0.1mm沈み込み、固定壁40の微調整が可
能になる。
【0020】このとき、上部ピストン4の回転を防止す
る手段として、上部ピストン4の外周の上部にスリット
45を設けるとともに、ケーシング10の半径方向から
ねじ込んだビス46の先端がスリット45内に嵌まり込
むようにしている。上部ピストン4の回転防止手段は、
上部ピストン4の軸方向の移動を許容し回転を阻止でき
るものであれば他の機構が採用できることは当然であ
る。
【0021】バルブボディ20は、上部ボディ20Aお
よび下部ボディ20Bとからなる。下部ボディ20Bと
ノズルボディ30は、円筒状のノズルホルダ20Cに外
嵌され、ノズルホルダ20Cの上端部に形成された内ね
じが上部ボディ20Aの下端に設けられた外ねじに螺着
されることにより上部ボディ20Aに締結されている。
三方弁2はバルブボディ20の内部に設けた油圧制御室
(弁室)21内に球状の弁体22を収容している。
【0022】上部ボディ20Aは、上部に径大孔23、
中間部に径中孔24、下部に径小孔25を有し、下端に
前記油圧制御室(弁室)21の上部を形成する円錐状の
凹所が設けられている。下部ボディ20Bは、上端に前
記油圧制御室(弁室)21の下部を形成する逆円錐状の
凹所が設けられている。
【0023】下部ピストン(可動体)6は、前記径大孔
23および径中孔24に摺動自在に嵌め込まれた大径部
61および中径部62と、前記径小孔25を挿通して弁
室21内の球状の弁体22に当接するプッシュロッド6
3からなる。下部ピストン6は、大径部61と、バルブ
ボディ20の径中孔24との間に介装された皿バネ13
により上方へ付勢されている。
【0024】ピエゾスタック11は、円柱状または角柱
状で100V〜200Vの電圧を印加することによって
電荷を注入され、軸方向に伸長する。電圧をゼロにする
事によって電荷が放出され軸方向に収縮して元の長さに
戻る。ピエゾスタック11は、リード線14によって外
部のコントローラ(図示せず)から電荷の注入、放出が
制御される。ピエゾスタック11の伸長、収縮による変
位はピエゾスタック11の下端面1Bで生じ、上端面1
Aは上部ピストン4の固定壁40によって固定位置に保
たれる。
【0025】下部ピストン6の大径部61と径大孔23
とのクリアランスは5μmから15μmと比較的大きく
設定してあり、ピエゾスタック11をドライに保つため
のシールとして周溝64を形成するとともにOリング6
5を嵌め込んでいる。中径部62と径中孔24とのクリ
アランスは、1〜4μmと比較的に小さく、プッシュロ
ッド63の軸心が確保できるようにしている。プッシュ
ロッド63の下端は、油圧制御室21内においてボール
状の弁体22と当接している。
【0026】油圧制御室21は、上端にスピルポート2
A、下端に高圧ポート2B、側部に背圧ポート2Cの3
つのポートを有し、スピルポート2Aと高圧ポート2B
はテーパーシート2a、2bを有している。弁体22
は、テーパーシート2aに着座してスピルポート2Aを
閉塞し、テーパーシート2bに着座して高圧ポート2B
を閉塞する。スピルポート2Aは、下部ピストン6の中
径部62とプッシュロッド63とで形成される肩部66
に設けられるスピル室26と導通しており、スピル室2
6はドレーン通路27と導通している。
【0027】ドレーン通路27は、上部ボディ20Aに
外部への開口2Dを有し、外部の低圧源(例えば燃料タ
ンク)と導通している。また、径大孔23の下端部、す
なわち下部ピストン6の肩部67もドレーン通路27と
導通している。高圧ポート2Bは高圧通路28と導通し
ており、高圧通路28は上部ボディ20Aの外部への開
口2Eを有し、外部の高圧源(たとえばコモンレールと
呼ばれる高圧燃料リザーバやサプライポンプ)と導通し
ている。
【0028】燃料噴射ノズル3は、ノズルボディ30内
にノズルニードル31と、該ノズルニードル31を駆動
させるコマンドピストン32を配した構造を有する。コ
マンドピストン32の上部は、下部ボディ20Bに設け
られたシリンダ29内に摺動可能に収納されており、シ
リンダ29内に於けるコマンドピストン32の上部空間
が背圧室33を形成している。背圧ポート2Cは、燃料
噴射ノズル3のコマンドピストン32の頂部に設けられ
た背圧室33と常に導通している。
【0029】コマンドピストン32の下端にはフランジ
34が形成されており、ノズルボディ30の上部に設け
たスプリング室35内にて配設されたスプリング36に
より下方に付勢されている。スプリング室35はドレー
ン通路27と導通している。コマンドピストン32の下
端面は、スプリング室35内においてノズルニードル3
1の上端面に当接しており、背圧室33の油圧とスプリ
ング36の付勢力により、ノズルニードル31を下方に
付勢し、ノズルニードル31が噴射口37を閉じるよう
に働く。
【0030】ノズルニードル31は、ノズルボディ30
の下部に設けた油溜38内にて直径が上部径大から下部
径小に変わり、その肩部39には油溜38の油圧が上向
きに作用する。ノズルニードル31のいずれの直径もコ
マンドピストン32の直径より小さく設定されている。
油溜38は、ノズルボディ30、下部ボディ20B、上
部ボディ20Aを貫通して設けた高圧通路28と導通し
ている。
【0031】つぎに、ピエゾインジェクタ100の作用
を説明する。始動時においてはピエゾスタック11には
電荷が注入されておらず、収縮の状態にあり、プッシュ
ロッド63の先端は油圧制御室21から上方に引っ込ん
でいる。弁体22は自重によりテーパーシート2bに着
座し、高圧ポート2Bを閉塞している。高圧通路28に
外部の高圧源から高圧の燃料油が供給されると、その高
圧燃料は高圧ポート2Bより油圧制御室21に流入し、
その際に弁体22をテーパーシート2aに押し付けてス
ピルポート2Aを閉塞する。
【0032】このとき、プッシュロッド63の先端が弁
体22に当接した状態になる。油圧制御室21の高圧燃
料は、背圧ポート2Cを介して背圧室33に流入し、コ
マンドピストン32に下向きの力として作用する。高圧
通路28の高圧燃料は、油溜38にも流入し、ノズルニ
ードル31の肩部39に作用してこれを上昇させようと
働くが、肩部39の面積よりもコマンドピストン32の
面積の方が大きいため、ノズルニードル31は下端に位
置して噴射口37を閉塞状態に維持する。
【0033】燃料噴射は、つぎのようになされる。ピエ
ゾスタック11に電圧を印加し、これに電荷を注入する
と、ピエゾスタック11は伸長し、プッシュロッド63
が弁体22をテーパーシート2aから押し下げてテーパ
ーシート2bに押し付ける。これにより、油圧制御室2
1はドレーン通路27と導通し、高圧通路28との導通
を遮断される。よって、油圧制御室21は低圧となり、
背圧室33も低圧となってコマンドピストン32の下方
への付勢力は低下して、ノズルニードル31は上昇し噴
射口37を油溜38に対して開放するため、噴射口37
から外部に対しての燃料噴射が開始される。
【0034】燃料噴射の停止は、つぎの様になされる。
ピエゾスタック11の電荷を放出させるとピエゾスタッ
ク11は収縮し、プッシュロッド63の先端は油圧制御
室21から引っ込む。この結果、弁体22は高圧ポート
2Bから流入する燃料圧によってテーパーシート2bを
離れ、テーパーシート2aに押し付けられてスピルポー
ト2Aを閉塞する。よって、制御油圧室21の油圧は高
圧通路28と同じ値まで上昇し、同時に背圧室33の油
圧も上昇するのでコマンドピストン32は下降し、ノズ
ルニードル31に噴射口37を閉塞させるので燃料噴射
は停止する。
【0035】この動作において上部ピストン4の位置は
重要である。もし、ピエゾスタック11の電荷が放出さ
れ、収縮の状態にあるときに、上部ピストン4の位置が
下すぎた場合、プッシュロッド63は油圧制御室21内
に突き出して弁体22をテーパーシート2aに着座させ
ず、油圧制御室21をドレーン通路27に導通させたま
まとなる。このため、過度の場合は燃料噴射を停止させ
ることができず、そうでなくても高圧燃料のドレーン通
路27への流出、すなわちエネルギーロスの増大を招
く。
【0036】もしピエゾスタック11の電荷が供給され
伸長の状態にあるときに、上部ピストン4の位置が上過
ぎた場合、プッシュロッド63の油圧制御室21内への
突出量が不足して弁体22をテーパーシート2bに着座
させることができず、油圧制御室21を高圧通路28に
導通させたままとなる。このため、過度の場合は燃料噴
射を開始させることができず、そうでなくても高圧燃料
のドレーン通路27への流出、すなわちエネルギーロス
の増大を招く。
【0037】上部ピストン4の最適位置は、ピエゾスタ
ック11が伸長した状態で、テーパーシート2bへの着
座力が所定値に確保されることであって、この調整は高
圧通路28の燃料圧がゼロの時に行うことができる。こ
れの調整を図2により説明する。ピエゾスタック11に
駆動電圧V1 より所定量低い電圧V2 を印加して電荷を
注入し、電気的にオープン状態で調整ネジ5を締め込ん
で行くと、上部ピストン4は下降し、弁体22をテーパ
ーシート2bに押し付けてゆく。
【0038】押し付け力の発生するネジ締め込み量がθ
1 であって、θ1 まではピエゾスタック11の電圧はV
2 を維持する。ネジ込み量がθ1 を越えると着座力Fに
比例してピエゾスタック11の電圧も上昇し、駆動電圧
V1 に達したところで所定の着座力F1 が得られるよう
に予め電圧V2 が設定してある。駆動電圧V1 に達する
まで調整ネジ5を締め込むことにより、上部ピストン4
の位置を最適に設定することが可能になる。
【0039】初期設定を行っても、調整ネジ5が緩むこ
ともあるため、調整ネジ5に接着剤の塗布を行ってから
前記調整を行うか、調整後に調整ネジ5の外部への突出
し部をかしめるか、またはスポット溶接をする等の緩み
止め手段を講じることが望ましい。またケーシング10
とピエゾスタック11との熱膨張差により、前記着座力
が変化するために、ケーシング10にはインバー等の低
熱膨張材を用いることが望ましい。
【0040】図3はピエゾインジェクタ100の第2実
施例を示す。この実施例では、上部ピストン(支持体)
4の上端から外ネジ47を延設するとともに、調整ネジ
5は、締め込むための手掛かりである六角部5Aを有
し、内ねじ55付き貫通穴56を設けている。また、上
部ピストン4の回り止めとして、上部ピストン4の頂面
に溝48を設け、該溝48に貫通穴56を挿通してドラ
イバなど差し込み、調整ネジ5を締め込む際の上部ピス
トン4の回転阻止を行う。
【0041】図4はピエゾインジェクタ100の第3実
施例を示す。この実施例では、図1に示す上部ピストン
4を袋ナット状の支持体7に形成している。ピエゾスタ
ック11の上端は袋ナット状の支持体7で固定されてお
り、リード線14はこの支持体7の頂面を貫通して外部
に取り出されている。調整ネジ8はリング状で外ねじ8
1、内ねじ82を有し、締め込むための手掛かりとして
下部に六角部83が設けてある。
【0042】調整ネジ8の外ねじ81は支持体7の内ね
じ71と、調整ネジ8の内ねじ82はケーシング10の
雄ねじ19とそれぞれ螺合する。内ねじ82は外ねじ8
1より僅かにピッチが大きく、調整ネジ8を支持体7側
に締め込んで行くと支持体7は徐々に下方に移動する。
尚ピッチは外ねじ81が内ねじ82よりも大きくてもよ
く、その場合は調整ネジ8をケーシング10側に締め込
んで行くと、支持体7は徐々に下方に移動する。支持体
7とケーシング10の気密のためにOリング72が用い
られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のピエゾインジェクタの断面図であ
る。
【図2】ネジ締め込み量とピエゾ電圧または着座力の特
性グラフである。
【図3】第2実施例のピエゾインジェクタの断面図であ
る。
【図4】第3実施例のピエゾインジェクタの断面図であ
る。
【符号の説明】
100 ピエゾインジェクタ 200 ピエゾ弁 1 ピエゾアクチュエータ 10 ケーシング 11 ピエゾスタック 2 三方弁 20 バルブボディ 3 燃料噴射ノズル 30 ノズルボディ 31 ノズルニードル 4 上部ピストン 40 固定壁 45 スリット 46 ビス 48 溝 5 調整ネジ 51 大径外ねじ(一方のネジ部) 52 小径外ねじ(他方のネジ部) 6 下部ピストン(可動体) 7 支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F16K 11/044 F16K 11/044 Z 31/02 31/02 A 51/00 51/00 Z (72)発明者 楢原 義広 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 近藤 利雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AD12 BA57 BA58 CC06T CC08T CC57 CC64T CC67 CC68U CE13 CE27 3H062 AA02 AA13 BB04 BB33 CC07 DD03 EE06 FF41 HH03 HH10 3H066 AA01 BA21 3H067 AA02 CC44 CC60 DD05 DD12 DD32 DD43 ED20 FF17 GG14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状のピエゾスタックの一方の端面を固
    定壁に、他方の端面を可動体にそれぞれ当接して支持す
    るとともに、調整ネジによって前記固定壁の軸方向の位
    置を調整可能としたピエゾアクチュエータにおいて、 前記調整ネジは、ピッチの異なる2個のネジ部を有し、
    一方のネジ部が前記固定壁を有する支持体に設けたネジ
    部と螺合し、他方のネジ部が前記ピエゾスタックのケー
    シングに設けたネジ部と螺合していることを特徴とする
    ピエゾアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のピエゾアクチュエータ
    において、前記支持体に軸方向スリットを設け、該スリ
    ットと係合するキー、ピン、ビスにより前記固定壁の軸
    方向の変位を許容しながら回り止めを行うことを特徴と
    するピエゾアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のピエゾアクチュエータ
    において、前記支持体の調整ネジ側の面に溝を形成する
    とともに前記調整ネジに軸方向の貫通孔を設け、前記調
    整ネジを挿通させたドライバー様の工具または治具を前
    記溝に係合させることにより、前記調整ネジを締め込む
    際の前記支持体の回り止めを行うとしたことを特徴とす
    るピエゾアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のピエゾ
    アクチュエータの他の端面に当接する可動体により弁の
    開閉を行うピエゾ制御弁。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のピエゾ制御弁によっ
    て、ノズルニードルの背圧室に導入した高圧流体を排出
    することにより、前記ノズルニードルをリフトさせるこ
    とを特徴とするピエゾインジェクタ。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のピエゾ制御弁が、請求
    項5に記載のノズルニードル背圧室を低圧源または高圧
    源のいずれかへの導通を選択的に切替えするための三方
    弁であることを特徴とするピエゾインジェクタ。
  7. 【請求項7】 調整ネジによってその位置が調整可能な
    固定壁に一端を固定されたピエゾスタックの他端に当接
    する可動体を有するピエゾアクチュエータと、該可動体
    により駆動される三方弁とからなるピエゾ制御弁とを備
    え、該三方弁によってノズルニードルの背圧室が高圧源
    または低圧源のいずれかへ導通を選択的に切替されるピ
    エゾインジェクタにおいて、 前記ピエゾアクチュエータに電荷を注入した状態におい
    て、前記三方弁に所定の着座力が得られるように前記調
    整ネジにより前記固定壁の位置を調整することを特徴と
    するピエゾインジェクタ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のピエゾインジェクタに
    おいて、前記ピエゾアクチュエータに電荷を注入した状
    態において該ピエゾアクチュエータの電圧が所定値にな
    るように前記調整ネジによって固定壁の位置を調整する
    ことを特徴とするピエゾインジェクタ。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載のピエゾインジ
    ェクタにおいて、前記調整ネジは、ピッチの異なる2個
    のネジ部を有し、一方のネジ部が前記固定壁を有する支
    持体に設けたネジ部と螺合し、他方のネジ部がピエゾア
    クチュエータのケーシングに設けたネジ部と螺合してい
    ることを特徴とするピエゾインジェクタ。
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