JPH0772261B2 - 耐食性の良好な水性樹脂被覆用組成物 - Google Patents

耐食性の良好な水性樹脂被覆用組成物

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JPH0772261B2
JPH0772261B2 JP60078299A JP7829985A JPH0772261B2 JP H0772261 B2 JPH0772261 B2 JP H0772261B2 JP 60078299 A JP60078299 A JP 60078299A JP 7829985 A JP7829985 A JP 7829985A JP H0772261 B2 JPH0772261 B2 JP H0772261B2
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vinyl resin
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐食性の良好な水性樹脂被覆用組成物に関し、
さらに詳細には、分子中にエチレンオキサイド単位を含
む親水性基を有する特定のビニル樹脂と、さらにエポキ
シ樹脂とを必須の皮膜形成性成分として含んで成る、自
動車その他の車輛、およびその他の輸送機、機械部品、
家庭用器具などの如き各種金属製品に対する有用な被覆
用組成物として、とりわけ腐食防止のために利用できる
組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来の有機溶剤型塗料は揮発性の有機溶剤を含む処か
ら、環境汚染ならびに安全衛生の点で、その取り扱いに
は社会的な問題を抱えている。
また、従来のエマルジョン型塗料は比較的低分子量の、
いわゆる乳化剤ないしは分散剤を含む処から耐食性が不
十分である上に、粒子の安定性が十分でない処から機械
的な力に対して、または温度の変化に対しても不安定で
あるし、さらにはスプレー塗装性も悪いという欠点があ
った。
さらに、水溶性樹脂型塗料は酸価も高く、しかも分子量
の低い樹脂が用いられる処から、耐アルカリ性および耐
食性が不十分であるという欠点の他に、アミン類などの
中和剤が可成り含まれるために悪臭が強いという欠点を
も有している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、従来の被覆用組成物にあっては、下記せる
如き、多岐に亘る条件を悉く満たすものは見出されてい
ないというのが実状である。
i) 耐食性がすぐれていること、 ii) 環境を損わず、安全で衛生的であること、 iii) 悪臭が少ないこと、 iv) 耐アルカリ性が良好であること、 v) 機械的な力や、温度の変化に対して安定であるこ
と、および vi) スプレー塗装性が良好なること。
〔発明を解決するための手段〕
しかるに、本発明者らは上述した如き全条件を満足する
ような被覆組成物を求めて鋭意研究した結果、耐食性が
良好な、目指すべき水性樹脂被覆用組成物を見出すに及
んで、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、必須のモノマー成分として、三級
窒素原子含有ビニルモノマーの使用を欠如した形の、後
掲する一般式で示される特定の親水性モノマーを、特定
の割合で以て用いて得られる、エチレンオキサイド単位
を含む、親水性基を有するビニル樹脂を、エポキシ樹脂
と共に、水に分散させた水性樹脂分散物を、必須の成分
として含有することから成る、とりわけ、耐食性などの
良好なる、極めて実用性の高い水性樹脂被覆用組成物を
提供しようとするものである。
ここにおいて、上記した水性樹脂分散物とは、次の一般
〔ただし、式中のXは水素原子またはメチル基を表わす
ものとし、また、mは35〜350なる整数であり、nは0
または1〜20なる整数であるものとする。〕 あるいはまた、次の一般式 〔ただし、式中のXおよびnは、前出の通りであるもの
とし、また、EO/POは、エチレンオキサイドとプロピレ
ンオキサイドとのブロック共重合体を表わすものとし、
この場合にも、エチレンオキサイド単位は35〜350なる
範囲内にあるものとし、しかも、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドとのモル比は2.0以上であるもの
とする。〕 で示される特定の親水性モノマーをこそ、必須のモノマ
ー成分として用いるが、ただし、此の必須モノマー成分
としては、三級窒素原子含有ビニルモノマーの使用を欠
如した形の、一分子中に、エチレンオキサイド単位を、
必須のものとして含む親水性基を持った、特定のビニル
樹脂を、エポキシ樹脂と共に水中に分散せしめた形のも
のを指称するが、当該水性樹脂分散物中には、皮膜形成
性成分として、該ビニル樹脂と該エポキシ樹脂とが含ま
れる場合もあれば、これらの両樹脂と、さらに両樹脂間
の反応生成物とが含まれる場合もあり、それぞれの場合
において、該ビニル樹脂と該エポキシ樹脂との存在比率
としては30〜99重量%、好ましくは50〜90重量%に対し
て70〜1重量%、好ましくは50〜10重量%となる割合で
あるのが適当である。
ビニル樹脂が99重量%を超えるか、エポキシ樹脂が1重
量%未満である場合には耐食性が十分ではなくなり、逆
にビニル樹脂が30重量%未満であるか、あるいはエポキ
シ樹脂が70重量%を超える場合には当該水性樹脂分散物
の安定性が十分でなくなるので、いずれも好ましくな
い。
また、このビニル樹脂の酸価は0〜30、好ましくは0〜
15なる範囲内が適当である。酸価が30を超えると、耐ア
ルカリ性が悪くなるので好ましくない。
さらに、このビニル樹脂の数平均分子量としては2,000
〜200,000、好ましくは5,000〜100,000なる範囲内が適
当である。数平均分子量が2,000未満である場合には耐
食性やエリクセンなどの物性が十分なる塗膜は得られ難
くなるし、逆に200,000を超える場合には水への分散化
が困難となるので、いずれも好ましくない。
さらにまた、このビニル樹脂は、35〜350個、好ましく
は、70〜250個のエチレンオキサイド単位を含む親水性
基を有するし、しかも、さらに、重合性のビニル基、つ
まり、エチレン性不飽和結合をも有する、前掲した一般
式〔I〕または〔II〕で示される特定の親水性モノマー
を、0.5〜20重量%なる範囲内で、好ましくは、1〜10
重量%なる範囲内で有するような形のものが適切であ
る。
エチレンオキサイド単位が35個未満である場合には分散
化が難しく、したがって目的とする水性樹脂分散物を得
るのが困難であるし、逆に350個を超える場合には、こ
の親水性モノマーの共重合性が十分ではなく、同様に分
散化が難しくなるので、いずれも好ましくない。
また、ビニル樹脂中における親水性モノマーの存在率が
0.5重量%未満である場合には水性樹脂分散物を得るの
が難しくなるし、逆に20重量%を超える場合には塗膜の
耐水性が悪くなるので好ましくない。
本発明において用いられる、斯かる親水性モノマーとし
ては、勿論、基本的には、それぞれ、前掲した一般式
〔I〕または〔II〕で示される形の構造を有するもので
あることが、是非とも、必要である。
他方、前記したエポキシ樹脂としては数平均分子量が50
0〜10,000、好ましくは800〜8,000なる範囲内にある、
ビスフェノールAおよびビスフェノールF型高分子量エ
ポキシ樹脂、つまり、たとえばビスフェノールAおよび
/またはビスフェノールFとエピクロルヒドリンとを反
応させ、次いでかくして得られるビスフェノールAおよ
び/またはビスフェノールFのジグリシジルエーテル
に、さらに多価フェノール類を反応せしめて得られるよ
うなものが望ましい。
このエポキシ樹脂の数平均分子量が500未満の場合に
は、十分な耐食性をもった塗膜を得ることが難しくなる
し、逆に10,000を超える場合には塗膜が脆くなるので、
いずれも好ましくない。
前記した如き、エチレンオキサイド単位を含む親水性基
と重合性ビニル基(エチレン性不飽和結合)とを併せ有
する親水性モノマーとして代表的なものを例示すれば、
β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルアクリレートまたはβ−ヒドロキシエチルメタク
リレートの如きヒドロキシル基含有ビニルモノマーに、
エチレンオキサイドを付加させて合成されるような化合
物、あるいはC1〜C10なるアルコキシル基を末端として3
5〜350個のエチレンオキサイドを重合させ、次いでアク
リル酸もしくはメタクリル酸の如き重合性ビニル基(エ
チレン性不飽和結合)含有カルボン酸モノマーを用いて
エステル化反応せしめて得られるような化合物、または
上記の如くして得られるエチレンオキサイド重合体をア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸プロ
ピルもしくはアクリル酸ブチルの如き重合性ビニル基
(エチレン性不飽和結合)含有エステル型モノマーとエ
ステル交換反応せしめて得られるような化合物などであ
る。さらには、エチレンオキサイド重合体の代わりに、
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロッ
クまたはランダム共重合体を用いることもできるが、そ
の場合にはエチレンオキサイドのプロピレンオキサイド
に対するモル比は2.0以上とするのが望ましい。このモ
ル比が2.0未満である場合には親水性が不十分となっ
て、安定した水性樹脂分散体が得られない。
かかるエチレンオキサイド単位を含む親水性基をもった
ビニル樹脂を調製するに当って、上掲した如き各種の親
水性モノマーと共重合さすべき他の重合性ビニルモノマ
ーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−3−
クロロプロピルもしくは(メタ)アクリル酸グリシジル
エーテルの如きアクリル酸またはメタクリル酸の各種エ
ステル類;(メタ)アクリルアミドもしくはN−メチル
アクリルアミドの如き各種アミド類;アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き各種のカ
ルボキシル基含有モノマー類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デンもしくはふっ化ビニリデンの如き、各種のハロゲン
化ビニルまたはハロゲン化ビニリデン類;スチレン、α
−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き各種芳
香族ビニル化合物類;酢酸ビニルもしくはプロピオン酸
ビニルの如き各種ビニルエステル類;ブタジエンもしく
はイソプレンの如き各種共役ジエン類;無水マレイン酸
または無水イタコン酸のエステル類;あるいはエチレ
ン、プロピレンもしくはブテンの如き各種の脂肪族モノ
オレフィン類などのエチレン性不飽和結合含有化合物が
挙げられる。
ただし、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートも
しくはジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの
如きジアルキルアミノ基含有単量体などで以て代表され
るような、いわゆる三級窒素原子含有ビニルモノマー
は、必須のモノマー成分たり得ないが、本発明の目的を
逸脱しない範囲内で以て、あるいは本発明の効果を損ね
ないような範囲内で以て、適宜、併用成分として用いる
ことが出来るのは、勿論である。
以上に掲げられたような諸原料を用いて、前記したエチ
レンオキサイド単位を含む親水性基をもったビニル樹脂
を調製するに当っての重合反応は、親水性有機溶剤中で
行なうことができる。
かかる有機溶剤として代表的なものは、n−ブタノー
ル、2−ブタノール、プロピレングリコール、メタノー
ルもしくはエタノールの如き各種アルコール類;エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノ
エチルエーテルの如き各種グリコールモノエーテル類;
またはメチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケ
トンの如きケトン類などがある。
そして、かかる親水性有機溶剤の使用量は特に限定され
るものではないが、通常、共重合さすべきモノマーの10
0重量部当り10〜100重量部なる範囲内で用いられるのが
適当である。
また、前記したビニル樹脂を調製するに当っての重合反
応は、ラジカル重合開始剤を用いて行なうことができる
が、かかるラジカル重合開始剤として代表的なものには
過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエート、te
rt−ブチルパーオクトエートもしくはアセチルパーオキ
サイドの如き有機過酸化物類;または2,2′−アゾビス
イソブチロニトリルもしくは2,2′−アゾビスイソバレ
ロニトリルの如きアゾ化合物などがある。
而して、本発明組成物を構成する必須成分としての前記
水性樹脂分散物、つまり水分散性ビニル樹脂溶液の調製
方法は特に限定されるものではないが、たとえば前掲し
た如き親水性モノマーを含む親水性有機溶剤溶液を加熱
撹拌しながら、ラジカル重合開始剤と共重合さすべき各
種のモノマーとの混合物を滴下してもよいし、あるいは
親水性有機溶剤を加熱撹拌しながらラジカル重合開始剤
と親水性モノマーとの混合物を滴下してもよいし、さら
には親水性有機溶剤、ラジカル重合開始剤、親水性モノ
マーおよび共重合さすべき他のモノマーをそれぞれ、同
時に並行滴下してもよいし、さらにまた親水性有機溶剤
中に各種モノマー類とラジカル重合開始剤とを滴下の途
中から、あるいは滴下終了後に前掲した如き親水性モノ
マーを滴下して部分的に共重合させてもよい。こうした
場合における共重合反応は、エポキシ樹脂の存在下ない
しは不存在下のいずれでもよい。
いずれにしても、かかる加熱変性は、ラジカル重合開始
剤の存在下において行われる。
ここにおいて、分子中にエチレンオキサイド単位を含む
親水基をもった前記ビニル樹脂が、他方の前記エポキシ
樹脂中のエポキシ基と反応しうる官能基、たとえばカル
ボキシル基またはアミノ基を何ら有しない場合には、単
にこれらビニル樹脂とエポキシ樹脂との両樹脂を混合せ
しめるだけで目的とする水性樹脂分散物が得られるのに
対し、このビニル樹脂が官能基を有する場合には、ビニ
ル樹脂とエポキシ樹脂との反応生成物、つまり付加変性
樹脂が混在した形の、つまりビニル樹脂とエポキシ樹脂
と、さらにこれら両樹脂の反応生成物(付加変性樹脂)
との混合物として目的とする水性樹脂分散物が得られ
る。
そのうち、このビニル樹脂がカルボキシル基を有する場
合には、アルカリまたは三級アミンの如き各種のエポキ
シ基付加反応触媒を加えることにより、かかる反応を促
進せしめることができ、そのさいの反応温度としては50
〜120℃なる範囲内が適当である。
50℃より低い温度では反応が遅くなるし、逆に120℃を
超える場合にはカルボキシル基とエポキシ基との反応以
外の反応、つまり副反応が進むようになるので、いずれ
も好ましくない。
またこのビニル樹脂が、たとえば三級アミノ基を有する
場合には、特に触媒を加える必要はなく、反応温度とし
ては50〜100℃なる範囲内が望ましい。
かくして得られる水性樹脂分散物中の皮膜形成性成分た
る前記したそれぞれビニル樹脂とエポキシ樹脂との両者
混合物、あるいはビニル樹脂とエポキシ樹脂と反応生成
物(エポキシ樹脂変性ビニル樹脂)との三者混合物が酸
基を有する場合には、アンモニア、トリエチルアミンま
たはモルホリンの如き公知慣用の各種塩基性物質で、こ
の酸基の一部あるいは全部を中和することができる。
このさい、中和は水性樹脂分散物、つまり水分散性ビニ
ル樹脂溶液中に、かかる塩基性物質を混合した水を加え
る方法を採ってもよいし、あるいは水性樹脂分散物(水
分散性ビニル樹脂溶液)の調製後に塩基性物質を添加す
る方法を採ってもよいことは勿論である。
かくして得られるビニル樹脂とエポキシ樹脂との二者混
合物の溶液、さらにはエポキシ樹脂変性ビニル樹脂との
三者混合物の溶液に対して単に水を加えることにより容
易に水中へ分散化せしめることができ、目的とする水性
樹脂分散物が得られる。
このさいの水分散化は、水中に撹拌しながら樹脂混合物
溶液を徐々に添加して行なってもよいし、逆にこの付加
変性樹脂溶液、つまりエポキシ樹脂変性ビニル樹脂の溶
液に水を徐々に添加して転相乳化(相転換)させてもよ
いことは勿論である。
一般には、かかる変性ビニル樹脂溶液を約50〜100℃な
る範囲に加熱し、よく撹拌しながら水を徐々に加えて転
相乳化(相転換)させるという方法によるのが、微細な
粒径を有する安定な水分散液が得られ易い処から、特に
推奨される方法である。
かくして得られた水性樹脂分散物を必須の成分として含
んで成る本発明の水性樹脂被覆用組成物に対しては、さ
らに必要に応じて、無機および/または有機顔料を加え
てもよいことは勿論であり、そのさいにはアルミニウ
ム、銅もしくは亜鉛の粉末ないしはフレーク;または弁
柄、二酸化チタン、クレーもしくは炭酸カルシウムの如
き無機顔料を、他方、シアニンブルー、シアニングリー
ン、ハンザイエローもしくはマゼンタの如き有機顔料を
代表的なものとして用い、当該顔料成分の使用量として
はPWCが1〜60%となるような範囲内が適当である。
〔発明の効果〕
前述した如く、従来の有機溶剤型、エマルジョン型、あ
るいは水溶性型の各樹脂を用いた被覆用組成物に比し
て、本発明の水性樹脂被覆用組成物は次に掲げられるよ
うな数多くの利点を有する。
i) 耐食性がすぐれていること、 本発明組成物はエポキシ樹脂を含む処から、耐食性が良
好である。従来型エマルジョンと異なり、小分子ないし
はイオン性の乳化剤や分散剤を使用していない処から、
耐食性が良好である。
ii) 環境を損わず、しかも安全で衛生的であること、 本発明組成物に存在する分散媒は主として水であるし、
また使用される有機溶剤にしても比較的少量であり、か
つトルエンやキシレンの如き揮発性で毒性の強いもので
はなく、エチレングリコールモノエチルエーテルやエチ
レングリコールモノブチルエーテルの如き揮発性ならび
に毒性の弱いものを主体とする処から、環境を損わず、
しかも安全で衛生的である。
iii) 悪臭が少ないこと、 本発明組成物は従来の水溶性樹脂型のものとは異なり、
アンモニアやアミン類を全く含まないか、殆んど含まな
い処から、アンモニア臭やアミン臭は実質的に問題とは
ならない。他方、分散媒に関しても、上記ii)で触れた
ように、従来の有機溶剤型のものに比して遥かに低臭性
である。
iv) 耐アルカリ性であること、 本発明組成物は、前記iii)でも触れたように、従来の
水溶性樹脂型のものとは異なり、酸基が全くないか、極
く少ない処から、耐アルカリ性にすぐれている。
v) 機械的な力や温度の変化に対して安定であるこ
と、 本発明組成物は従来のエマルジョン型のものとは異な
り、樹脂それ自体の水分散化能に伴なって、通常、加熱
下に機械的撹拌により分散化がはかれる処から、機械的
な力や温度の変化に対して頗る安定である。
vi) スプレー塗装性が良好であること、 本発明組成物は、v)において触れた如く、従来のエマ
ルジョン型のものとは異なり、圧力のかかるスプレー塗
装を行なっても、特に問題はない。
さらに、従来の有機溶剤型のものや水溶性樹脂型のもの
に比してチクソ性が高く、したがって、“タレ”が起こ
りにくい処から、スプレー塗装性が良好である。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により一層
具体的に説明するが、以下において部および%は特に断
りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1(エチレンオキサイド単位を含む親水性基をも
ったビニル樹脂の調製例) 第1表に示されるような原料仕込み割合で混合物(イ)
を反応器内で撹拌して100℃に加熱し、そこへ混合物
(ロ)の1/5を加え、次いで1時間後に混合物(ロ)の4
/5を滴下し始め、3時間かけて滴下を終了し、さらに30
分後に混合物(ハ)を滴下し始め、30分かけて滴下を終
了し、しかるのち同温度に15時間保持して反応を終了さ
せた。かくして得られたビニル樹脂溶液の25℃における
ガードナー粘度(以後も同様)はZ6である。以下、これ
をビニル樹脂(VR−1)と略記する。
参考例2(同上) 第2表に示されるような原料仕込み割合に変更した以外
は、参考例1と同様にして目的とするビニル樹脂の溶液
を得た。以下、これをビニル樹脂(VR−2)と略記する
が、このものの粘度はZ6であった。
参考例4(同上) 第4表に示されるような原料仕込み割合に変更した以外
は、参考例1と同様にして目的ビニル樹脂の溶液を得
た。以下、これを樹脂(VR−4)と略記するが、このも
のの粘度はZ5であった。
参考例5(同上) 第5表に示されるような原料仕込み割合に変更した以外
は、参考例1と同様にして目的ビニル樹脂の溶液を得
た。以下、これを樹脂(VR−5)と略記するが、このも
のの粘度はZ8であった。
参考例6(ビニル樹脂とエポキシ樹脂とを用いた水性樹
脂分散物の調製例) 参考例1で得られたVR−1の100部と「エピコート100
7」(オランダ国シェル社製のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂)の26部とを反応容器内に仕込んで、撹拌下に
70℃に加熱し、その3時間後に水の94部を滴下し始め、
3時間かけて滴下を終了し、さらに1時間後に25℃に降
温して分散を終了させた。かくして得られた水性樹脂分
散物の25℃におけるブルック・フィールド粘度(以後も
同様)は350cps(12rpm)で、かつpHは6.8であった。
参考例7(同上) VR−1の代わりに参考例2で得られたVR−2を用いるよ
うに変更した以外は、参考例6と同様にして分散を行な
った。得られた水性樹脂分散物の粘度は380cps(12rp
m)で、かつpHは6.7であった。
参考例8(同上) VR−1の代わりに参考例3で得られたVR−3を用いるよ
うに変更した以外は、参考例6と同様にして分散を行な
った。得られた水性樹脂分散物の粘度は440cps(12rp
m)で、かつpHは4.0であった。
参考例9(同上) 参考例4で得られたVR−4の100部、「エピコート100
7」の2.6部およびトリエチルアミンの0.9部を反応容器
内に仕込んで、撹拌下に80℃に加熱して同温度に2時間
保持した。次いで30分後に70℃に降温して水の94部を滴
下し始め、3時間かけて滴下を終了し、さらに1時間後
に25℃に降温させて分散を終了せしめた。ここに得られ
た水性樹脂分散物の粘度は450cps(12rpm)で、かつpH
は10.7であった。
参考例10(同上) VR−4の代わりに参考例5で得られたVR−5を用いるよ
うに変更した以外は、参考例9と同様にして粘度が2,80
0cps(12rpm)で、かつpHが10.5なる目的分散物を得
た。
参考例11(同上) 「エピコート1007」の代わりに「エピコート1001」(オ
ランダ国シェル社製の、ビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテル)を用いるように変更した以外は、参考例8
と同様にして粘度が2,200cps(12rpm)で、かつpHが11.
8なる目的分散物を得た。
参考例12(黒塗料用ミルベースの調製例) 「ウォーターゾールS352」〔大日本インキ化学工業
(株)製の水溶性樹脂〕の32部と「ASP 400P」(米国エ
ンジェルハード・ミネラルズ社製のタルク)の15部とを
サンドミルで1時間混練後、「デイスパーズ・ブラック
SR−901」〔大日本インキ化学工業(株)製のカーボン
ブラック分散体〕の20部を加え、さらに10分間混練して
目的とするミルベースを得た。
実施例1〜6 参考例6〜11で得られたそれぞれの水性樹脂分散物の20
0部と、参考例12で得られたミルベースの33.5部とを各
別に混合し、さらに水/エチレングリコールモノブチル
エーテル=8/2(重量比)なる希釈シンナーにてスプレ
ー適性粘度に調整して各種の水性樹脂被覆用組成物を得
た。
比較例1 スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/n−ブチルメ
タクリレート/フマル酸=60/28/11/1(重量%比)より
なり、重量平均分子量が約10万なる、NVが50%で、かつ
粘度がYなる有機溶剤型樹脂のトルエン溶液の160部
と、この有機溶剤型樹脂の15部、「ASP 400P」の7.5部
および「カーボンM−100」〔三菱化成工業(株)製の
カーボンブラック分散体〕を用いるように変更した以外
は、参考例12と同様にして得られたミルベースの23.5部
とを混合し、さらにキシレンにてスプレー適性粘度に調
整して対照用の有機溶剤型黒塗料を得た。
比較例2(水溶性樹脂型黒塗料の調製例) スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/n−ブチルメ
タクリレート/メタクリル酸=50/25/10/15(重量%
比)よりなり、重量平均分子量が約1万なる、NVが50%
で、かつ粘度がTなる水溶性樹脂のエチレングリコール
モノエチルエーテル溶液であって、しかもアンモニアで
中和されたものの160部と、参考例12で得られたミルベ
ースの33.5部とを混合し、さらに水/エチレングリコー
ルモノブチルエーテル=8/2(重量比)なる希釈シンナ
ーにてスプレー適性粘度に調整して対照用の水溶性樹脂
型黒塗料を得た。
比較例3(エマルジョン型黒塗料の調製例) スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/n−ブチルメ
タクリレート=60/28/12(重量%比)よりなる、かつ乳
化剤として「エマルゲン950」〔花王石鹸(株)製のポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル〕/「ハイテ
ノールN−08」〔第一工業製薬(株)製のポリオキシエ
チレンドデシルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニ
ウム〕/「レベノールWZ」〔花王石鹸(株)製のポリオ
キシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸エステルナ
トリウム〕=2/0.5/0.5(重量比)よりなる混合物を用
いて得られる、重量平均分子量が約30万で、NVが45%
で、粘度が400cps(12rpm)で、かつpHが6.8なるエマル
ジョンの200部と、参考例12で得られたミルベースの33
部とを混合し、さらに水にてスプレー適性粘度に調整し
て対照用のエマルジョン型黒塗料を得た。
比較例4(エポキシ樹脂による変性を何ら施していない
水性樹脂分散物を用いた水性分散樹脂型黒塗料の調製
例) 参考例1で得られたビニル樹脂溶液(VR−1)に単に水
を加えて分散化させるのみで中和処理をも施していない
NVが45%で、粘度が720cps(12rpm)で、かつpHが3.9な
る水性樹脂分散物の200部と、参考例12で得られたミル
ベースの33.5部とを混合し、さらに水/エチレングリコ
ールモノブチルエーテル=8/2(重量比)なる希釈シン
ナーにてスプレー適性粘度に調整して対照用の水性分散
樹脂型黒塗料を得た。
以上の各実施例および比較例で得られたそれぞれの塗料
を、厚さが0.8mmなる軟鋼板に乾燥塗膜厚が35μm程度
になるようにスプレーで塗装し、20分間セッティングし
てから80℃で20分間強制焼付けを行なって各種の硬化塗
膜を得た ここで、それぞれの塗料について臭気、安定性およびス
プレー塗装性を比較検討し、他方、それぞれの硬化塗膜
について耐食性および耐アルカリ性を評価した処を、ま
とめて第6表に示す。
第6表の結果からも明らかなように、本発明の水性樹脂
被覆用組成物は耐食性にすぐれ、悪臭も少なく、したが
って環境を損わずに安全で衛生的であり、耐アルカリ性
も良好であり、機械的な力や温度の変化に対しても安定
であり、しかもスプレー塗装性にすぐれるものであると
いう利点を有することが知れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−10575(JP,A) 特開 昭57−115403(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須のモノマー成分として、三級窒素原子
    含有ビニルモノマーの使用を欠除する、一般式 〔ただし、式中のXは水素原子またはメチル基を表わす
    ものとし、また、mは35〜350なる整数であり、nは0
    または1〜20なる整数であるものとする。〕 あるいは次の一般式 〔ただし、式中のXおよびnは、前出の通りであるもの
    とし、また、EO/POは、エチレンオキサイドとプロピレ
    ンオキサイドとのブロック共重合体を表わすものとし、
    この場合にも、エチレンオキサイド単位は35〜350なる
    範囲内にあるものとし、しかも、エチレンオキサイドと
    プロピレンオキサイドとのモル比は2.0以上であるもの
    とする。〕 で示される親水性モノマーを、目的ビニル樹脂を構成す
    る成分として、0.5〜20重量%なる範囲内で用いて得ら
    れる、エチレンオキサイド単位を含む親水性基を有する
    上記ビニル樹脂を、エポキシ樹脂と共に、水に分散させ
    た水性樹脂分散液を、必須の成分として含有することを
    特徴とする、水性樹脂被覆用組成物。
  2. 【請求項2】前記した水性樹脂分散物が、前記したエチ
    レンオキサイド単位を含む親水性基を有するビニル樹脂
    と、エポキシ樹脂との、二つの必須皮膜形成成分から成
    る混合物である、特許請求の範囲第1項に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】前記した水性樹脂分散物が、前記したエチ
    レンオキサイド単位を含む親水性基を有するビニル樹脂
    と、エポキシ樹脂とを、前者樹脂対後者樹脂の割合とし
    て、30〜99重量%対70〜1重量%となるように含有する
    ものである、特許請求の範囲第1項または2項に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】前記したビニル樹脂が、0〜30なる範囲内
    の酸価を有し、しかも、2,000〜20,000なる範囲内の数
    平均分子量を有するものである、特許請求の範囲第1〜
    3項のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記したビニル樹脂が、エチレンオキサイ
    ドおよびプロピレンオキサイドの共重合物と、アクリル
    酸および/またはメタクリル酸との、末端に1〜20なる
    炭素原子を有するアルキル基を有するエステルであっ
    て、しかも、エチレンオキサイドの、プロピレンオキサ
    イドに対するモル比が2.0以上なる親水性モノマーを用
    いて得られるものである、特許請求の範囲第1〜4項の
    いずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記したエポキシ樹脂が、500〜10,000な
    る範囲内の数平均分子量を有する、ビスフェノールAお
    よび/またはビスフェノールF型高分子量エポキシ樹脂
    である、特許請求の範囲第1項または2項に記載の組成
    物。
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US4285849A (en) * 1979-11-27 1981-08-25 Ppg Industries, Inc. Amidation reaction products of polyamines and polycarboxyl containing materials and coating compositions containing same
NL8203599A (nl) * 1982-09-17 1984-04-16 Philips Nv Hoofdeinde en ontvanger voor een signaaldistributiesysteem.

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