JPH0772219B2 - 置換イミド変性低分子量ポリオレフィンおよび芳香族系重合体の滑性または離型性の改良用添加剤 - Google Patents

置換イミド変性低分子量ポリオレフィンおよび芳香族系重合体の滑性または離型性の改良用添加剤

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JPH0772219B2
JPH0772219B2 JP61084303A JP8430386A JPH0772219B2 JP H0772219 B2 JPH0772219 B2 JP H0772219B2 JP 61084303 A JP61084303 A JP 61084303A JP 8430386 A JP8430386 A JP 8430386A JP H0772219 B2 JPH0772219 B2 JP H0772219B2
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孝 上田
康史 山田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の変性低分子量ポリオレフインと該変性低
分子量ポリオレフインからなる芳香族系共重合体の滑性
または離型性の改良用添加剤に関する。
〔従来の技術〕
ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂などの熱可塑性芳香族
系重合体は、射出成形、中空成形、押出成形、その他種
々の成形方法により成形されている。これらの芳香族系
重合体は分子量が大きくなると一般に溶融粘度が増大す
るようになり、溶融成形時の流動性が低下するようにな
り、滑性が劣るようになる。また、芳香族系重合体の成
形の際に成形品を全型から取出す際には、離型し易いよ
うに通常均型に抜き勾配を設けたり、金型に離型剤を塗
布したりしている。ところが、成形品を精密機械や電気
器具部品などに応用する場合には、しばしば抜き勾配を
設けることは許されない。その結果成形品の形状が複雑
である場合には、突出ビンの位置、大きさなどが制約さ
れているために、成形品を取り出す際に無理が生じ、成
形品を破損する頻度が多くなるという欠点がある。これ
らの芳香族系重合体の成形の際の滑性効果または離型性
を改良しようとする試みも種々提案されている。たとえ
ば、芳香族系重合体に高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、流動パラフ
イン、ワツクスなどを配合したり、金型にシリコーンオ
イルなどの離型剤を塗布する方法が提案されている。し
かしながら、芳香族系重合体に前記滑剤を配合する方法
では、離型性を改良するためには多量の配合が必要とな
り、その結果芳香族系重合体組成物の機械的強度の低下
をもたらすなどの難点があつた。また、離型剤を塗布す
る方法では成形操作が繁雑になつたり、成形品の外観お
よびウエルド強度などを損ねたりすることが多いなどの
難点がある。
このような課題に対し、本出願人は先に特開昭57−1475
33号、特開昭59−47258号、特開昭60−188463号の各公
報にある如くスチレン系化合物グラフトポリオレフイン
ワツクス等を芳香族系熱可塑性樹脂に配合することを提
案しているが、配合した芳香族系熱可塑性樹脂の耐熱性
の一層向上が望ましい。このように近年、前述の熱可塑
性芳香族系樹脂は、自動車等の耐熱性を強く要求される
用途への進出に伴い、耐熱性向上の指向が強くなつた。
このような指向に対し樹脂の耐熱性を向上させる様にモ
ノマー種を変えて分子設計を行う方法もあるが、一般に
耐熱性が向上するにつれ成形性が著しく低下することが
多い。このため、耐熱性の低下を来さないで前記課題を
解決する一層優れた配合剤が要求されている。
本発明者らは上記の如き現状に鑑み、配合剤について更
に検討した結果、特定の変性低分子量ポリオレフインが
新規であり、かつこれを配合することが問題解決に有効
であることを見い出し、本発明を完成するに至つた。
なお特開昭55−790号公報には、熱可塑性プラスチツク
の成形加工用滑剤として不飽和α−オレフイン−マレイ
ン酸イミドコポリマーを用いる態様が提案されている
が、本発明のグラフト変性物とは異なる二元共重合体で
あり、共重合成分単位も本発明のものとは異なる。また
該共重合体は芳香族系熱可塑性樹脂に添加した際、樹脂
の耐熱性を低下させるという欠点があつた。
また特公昭51−43055号公報等には、本願発明とは異な
る用途であるナイロンとポリオレフインの接着層に変性
ポリオレフインが使用され、該変性ポリオレフインの一
例としてN−フエニルマレイミドグラフトポリオレフイ
ン等が例示されているが、推奨されるグラフト量が本願
発明のものにくらべ少なく、後述のようにこのようなも
のは本願発明には使用できないものである。
〔本発明の概要〕
本発明はN−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミドを
低分子量ポリオレフインにグラフトしてなる変性低分子
量ポリオレフインであつて、該変性低分子量ポリオレフ
イン中のN−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミド成
分単位の含有量が5ないし90重量%の範囲にあり、かつ
極限粘度〔η〕が0.06dl/gないし、1.2dl/gの範囲にあ
る置換イミド変性低分子量ポリオレフイン、および該置
換イミド変性低分子量ポリオレフインからなる芳香族系
重合体の滑性または離型性の改良用添加剤をその要旨と
する。
〔原料の低分子量ポリオレフイン〕
本発明の置換イミド変性低分子量ポリオレフインは低分
子量ポリオレフインに特定のモノマーをグラフト重合さ
せた特定の変性低分子量ポリオレフイン(以下グラフト
変性低分子量ポリオレフインともいう。)である。グラ
フト重合に供される低分子量ポリオレフインは、その極
限粘度〔デカリン溶媒中で135℃で測定したもの〕が1.2
dl/g以下の範囲にあることが好ましい。反応条件、原料
低分子量ポリオレフインの種類にもよるが、一般に、上
記のモノマーをグラフトさせることにより、グラフト変
性低分子量ポリオレフインの極限粘度は原料低分子量ポ
リオレフインのそれよりも増大する場合が多い。従つて
1.2dl/g以上の原料低分子量ポリオレフインを用いると
グラフト変性低分子量ポリオレフインの極限粘度が1.2d
l/g以上となり後述する様な不都合を生じる。また、極
限粘度の下限については、変性量にもよるが、一般には
0.06dl/g以上が望ましい。
ここで、該低分子量ポリオレフインは、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−デセンなどのα−オレフインの単独重合
体または2種以上のα−オレフインの共重合体であつて
極限粘度が前述の範囲にあるものである。たとえば、高
圧法ポリエチレンの熱分解によつて得られるポリエチレ
ンワツクス、高圧でエチレンをラジカル重合して得られ
る高圧重合ポリエチレンワツクス、エチレンまたはエチ
レンと前記α−オレフインとを遷移金属化合物触媒の存
在下に中・低圧重合することによつて得られるポリエチ
レンワツクスまたはエチレンとα−オレフインを共重合
させたワツクス状あるいは液状の重合体、ポリプロピレ
ンワツクス、ポリ−1−ブテンワツクス、ポリ4−メチ
ル−1−ペンテンワツクス、ポリプロピレン・4−メチ
ル−1−ペンテン共重合ワツクスなどを例示することが
できる。なおここでいう低分子量ポリオレフインには、
低分子量ポリオレフインの酸化物も含まれる。この場合
の酸素含量は通常10重量%以内である。
〔変性低分子量ポリオレフインの製法〕
本発明の変性低分子量ポリオレフインは前記の低分子量
ポリオレフインにN−炭化水素基置換不飽和カルボン酸
イミド(モノマー)をグラフトすることによつて製造す
ることができる。該モノマーを構成する基となる不飽和
カルボン酸としては、例えばマレイン酸、テトラヒドロ
フタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジツク酸
(エンドジエス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボン酸)等を挙げることができ、中で
もマレイン酸が好ましい。同様に炭化水素基としては、
炭素数1ないし20の直鎖状もしくは分枝状アルキル基、
炭素数4ないし8のシクロアルキ基、炭素数6ないし26
のアリール基もしくはアラルキル基であり、中でもアリ
ール基であることが好ましい。該アリール基としてはフ
エニル基、トルイル基類、キシリル基類などを例示で
き、中でもフエニル基であることが好ましい。従つて、
好ましいモノマーとしてはN−フエニルマレイミドを挙
げることができる。なお、これらのモノマーは一種のみ
ならず二種以上混合して用いることもできる。
グラフト反応は従来から公知の方法に従つて行うことが
できる。例えば、前記低分子量ポリオレフインと前記の
モノマー、例えば好ましいモノマーとして例示したN−
フエニルマレイミドとを溶液状態あるいは溶融状態で加
熱下に反応させる方法が採用され、ここで反応は必要に
応じてラジカル開始剤の存在下に反応させる方法が採用
され、ここで反応は必要に応じてラジカル開始剤の存在
下に実施する方法を示すことができる。
上記反応に用いるラジカル開始剤としては有機ペルオキ
シド、有機ペルエステル、たとえばベンゾイルペルオキ
シド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン
−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ラウリロイルペルオキシド、tert−ブチ
ルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチル
ベンゾエート、tert−ブチルペルフエニルアセテート、
tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−
sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、ク
ミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルア
セテート、その他のアゾ化合物、たとえばアゾビス−イ
ソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートがあ
る。これらのうちではジクミルペルオキシド、ジ−tert
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert
−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビ
ス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンな
どのジアルキルペルオキシドが好ましい。反応の際の温
度は通常130ないし300℃、好ましくは135ないし250℃の
範囲である。
本発明の変性低分子量ポリオレフインは前記した不飽和
カルボン酸又はそれらの無水物、例えばマレイン酸又は
無水マレイン酸をグラフトした低分子量ポリオレフイン
に前記した炭化水素基を有する第一級アミン、例えばア
ニリン等を反応させることによつても製造することがで
きる。この場合、前段のグラフト反応は前記モノマーの
グラフト反応の場合と同様に行うことができ、第二段の
反応は、該低分子量ポリオレフインのグラフトに用いた
不飽和カルボン酸又はそれらの無水物のモノマーに対
し、該第1級アミンをモル比で0.8〜3.0倍量、好ましく
は1.1〜2.0倍量を加え、加熱反応させることで製造でき
る。反応の際の温度は130〜250℃、好ましくは140〜220
℃の範囲である。
なお未反応のカルボキシル基又はカルボン酸無水基が変
性低分子量ポリオレフイン分子中に残つていてもかまわ
ない。
前記いずれの場合においても、グラフト反応の際には他
のビニル単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、酢酸ビニルな
どを共に用いてもよい。これらの他のビニル単量体単位
の含有量は通常変性低分子量ポリオレフイン全体あたり
60重量%以下である。
〔変性低分子量ポリオレフインの性状等〕
本発明の変性低分子量ポリオレフイン中のN−炭化水素
基置換不飽和カルボン酸イミド成分単位の含有量(グラ
フト量)は該変性低分子量ポリオレフインに対し5ない
し90重量%の範囲にあることが必要であり、さらに7な
いし60重量%の範囲にあることが好ましい。該グラフト
量が5重量%よりも小さくなると芳香族系樹脂に添加し
た際、該樹脂の耐熱性低下が著しくなりまた逆に90重量
%よりも大きくなると該変性低分子量ポリオレフインの
軟化点が樹脂の成形温度より高くなるため、樹脂との混
練が難しくなり、滑剤としての効果がなくなるので上記
範囲にあることが必要である。
なお、本発明の変性低分子量ポリオレフインにおいて
は、N−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミド成分単
位は低分子量ポリオレフインの主鎖炭素に対し、位置的
にランダムにグラフトしている。
本発明の変性低分子量ポリオレフインの極限粘度〔η〕
〔デカン溶媒中で135℃で測定したもの〕は0.06ないし
1.2dl/gの範囲にあることが必要であり、好ましくは0.0
7ないし1.1dl/gの範囲である。
該グラフト変性低分子量ポリオレフインの極限粘度が0.
06dl/gより小さくなると、これを、芳香族系重合体に配
合しても、該配合物の滑性効果および離型性効果は優れ
るが、成形体の外観収縮率が劣るようになる。
また、該変性低分子量ポリオレフインの極限粘度が1.2d
l/gより大きくなると、これを、芳香族系重合体に配合
しても、該配合物の滑性効果および離型性効果が認めら
れなくなり、成形性の改良が見られない。
〔芳香族系重合体〕
本発明の変性低分子量ポリオレフインを滑剤又は離型剤
として添加して使用し得る芳香族系重合体としては、例
えばポリスチレン、ABSなどのスチレン系樹脂、たとえ
ばビスフエノールAとホスゲンから得られるポリカーボ
ネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、(変性)ポリフエニレンオキサイド樹脂などを挙
げることができる。これらの中ではスチレン系樹脂、と
くにABSに用いることが好ましい。
〔添加方法〕
本発明の変性低分子量ポリオレフインはそれ単独で芳香
族系重合体に添加してもよいし、他の成分、例えば合成
樹脂に添加する後述の如き安定剤や充てん剤、着色剤と
共に添加してもよい。さらに未変性の低分子量ポリオレ
フインと共に添加してもよい。
本発明のグラフト変性低分子量ポリオレフインを芳香族
系重合体に添加(配合)する場合の添加割合は、前記芳
香族系重合体100重量部に対して0.05ないし30重量部の
範囲になることが好ましく、さらには0.1ないし20重量
部の範囲にあることがとくに好ましい。該グラフト変性
低分子量ポリオレフインの前記芳香族系重合体(A)10
0重量部に対する添加割合が0.05重量部より少なくなる
と該組成物の滑性効果および離型性効果の改良効果が認
められなくなり30重量部より多くなると成形物は層状剥
離が著しくなり機械的強度と衝撃強度のバランスが失わ
れるようになる。本発明の変性低分子量ポリオレフイン
を用いる際に、本発明の目的を損わない範囲において他
の添加剤、たとえば染料、顔料、ガラス繊維、カーボン
ブラツク、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、難燃
剤、炭酸カルシウム、タルク、SBR、NBR、スチレン・マ
レイン酸共重合ポリマーなどを同時に添加配合すること
ができる。
本発明の変性低分子量ポリオレフインからなる滑性また
は離型性の改良用添加剤を芳香族系重合体に配合する方
法としては、グラフト変性低分子量ポリオレフインおよ
び必要に応じてその他の添加物からなる混合物を、芳香
族系重合体と共にヘキシエルミキサー、V−ブレンダ
ー、リボンブレンダーを用いて混合した後直接使用した
りさらに押出機等で混練造粒を行う方法、バンバリーミ
キサー、単軸または多軸押出機、ニーダー等で溶融混練
造粒したり、成形する方法等を採用することができる。
〔発明の効果〕
本発明の変性低分子量ポリオレフインを配合した芳香族
系重合体は、射出成形のみならず、中空成形、射出中空
成形、圧縮成形、押出成形、回転成形等において金型、
ダイ、ロール等への粘着が減少し、作業能率を向上せし
め、また流動性も改良されるので外観、寸法精度の優れ
た成形品が得られ、一方耐熱性や機械的強度にも優れて
いるので工業用部品、電気器具部ひに有用である。
〔実施例〕
実施例 1 極限粘度0.08dl/gの高密度ポリエチレンワツクス(商品
名三井ハイワツクス110P:三井石油化学工業(株)製)3
50gを1のガラス製反応器に仕込み、140℃にて溶解し
た。次いで加熱溶解したN−フエニルマレイミド300gお
よびジ−tert−ブチルペルオキシド(以下DTBPMと略
す)12.0gとを添加し6時間加熱反応させた後溶融状態
のまま5mmHg真空中で1時間脱気処理して揮発分を除去
し、その後冷却した。得られたN−フエニルマレイミド
グラフトポリエチレンワツクス(以下GR−Iと呼ぶ)に
おけるN−フエニルマレイミドのグラフト量は100gのN
−フエニルマレイミドグラフトポリエチレンワツクス中
に44gであつた。またGR−Iの極限粘度は0.33dl/gであ
つた。次いで得られたGR−Iと耐熱ABS(商品名スタイ
ラツク−185、旭化成工業(株)製)とを第1表に示す
割合でドライブレンドした後25mmφ押出器(設定温度22
0℃)で造粒した。造粒した試料を圧縮成形機に200×20
0×1mmの角板を成形した。
また、射出成形機(射出圧1000kg、シリンダー温度260
℃)でそれぞれの目的に応じた試験片を成形した。以下
の方法で性能評価を行つた。結果を第1表に示す。
(1) 流動特性:スパイラルフローを測定し、流動特
性の評価とした。
条件:射出圧1000kg、シリンダー温度280℃、金型温度5
0℃ (2) 熱変形温度:ASTM D 648の方法により測定した
(荷重66psi、試験片厚6.4cm)。
(3) 機械的特性: 引張強度;ASTM D 638の方法により測定した。
曲げ強度;ASTM D 790の方法により測定した。
アイゾツト衝撃強度 ;ASTM D 256の方法により測定した。
(4) 離型性:成形角板を金枠から取り出す際の状態
により、抵抗なく角板を金型から取り出せる状態を5、
剃刀などにより角板と金枠との間を強制剥離しないと取
り出せない状態を1として、その中間を3段階に分け
て、5段階評価により行つた。
実施例 2 実施例1で極限粘度0.08dl/gのポリエチレンワツクスの
代わりに極限粘度0.41dl/gの高密度ポリエチレンワクツ
クスを用い、N−フエニルマレイミドの量を50g、DTBPO
の量を2.0g、反応時間を1時間とするほかは実施例1と
同様に行つた。得られたN−フエニルマレイミドグラフ
トワツクス(以下GR−IIと呼ぶ)におけるN−フエニル
マレイミドのグラフト量は、100gのN−フエニルマレイ
ミドグラフトワツクス中に12gであつた。またGR−IIの
極限粘度は0.52dl/gであつた。
実施例 3 実施例1のN−フエニルマレイミドの量を150gとし、同
時にスチレンモノマー150gを添加することとし、DTBPO
の量を10.0gとするほかは実施例1と同様に行つた。
〔得られたN−フエニルマレイミドとスチレンの共グラ
フトワツクス(以下GR−IIIと呼ぶ)におけるN−フエ
ニルマレイミドのグラフト量は100gの該グラフトワツク
ス中に20g、スチレンのグラフト量は、100gの該グラフ
トワクス中に21gであつた。またGR−IIIの極限粘度は0.
29dl/gであつた。〕性能評価を第1表に示す。
実施例 4 実施例1のポリエチレンワツクスの代わりに極限粘度0.
13dl/gのポリプロピレンワツクスを用い、反応温度を17
0℃としたほかは実施例1と同様にして行つた。得られ
たN−フエニルマレイミドグラフトワツクス(以下GR−
IVと呼ぶ)におけるN−フエニルマレイミドのグラフト
量は、100gのN−フエニルマレイミドグラフトワツクス
中に45gであつた。またGR−IVの極限粘度は0.43dl/gで
あった。性能評価を第1表に示す。
実施例5 極限粘度0.21dl/gの無水マレイン酸変性ポリエチレンワ
ツクス(無水マレイン酸含量10重量%)350gを1のガ
ラス製反応器に仕込み、140℃にて溶解した。次いでア
ニリン65gを1時間かけて滴下した。さらに温度を200℃
に上げ3時間加熱反応した後、200℃のまま5mmHg真空中
で1時間脱気処理して水分と過剰のアニリンを除去し
た。得られた生成物(以下GR−Vと呼ぶ)におけるN−
フエニルマレイミド基の含量は100gのGR−V中に16gで
あつた。またGR−Vの極限粘度は0.22dl/gであつた。GR
−Vを実施例1と同様の方法でABSと配合後性能評価を
行つた。結果を第1表に示す。
比較例 1 ABSに配合する添加剤として実施例1のGR−Iの代わり
に三井ハイワツクス110Pを用いるほかは実施例1と同様
に性能評価を行つた。結果を第1表に示す。
比較例 2 ABSに配合する添加剤として実施例1のGR−Iの代わり
にエチレンビスステアリン酸アミド(商品名:スリツパ
ツクスE;日本化成(株)製)を用いるほかは実施例1と
同様に性能評価を行つた。結果を第1表に示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミ
    ドを低分子量ポリオレフインにグラフトしてなる変性低
    分子量ポリオレフインであって、該変性低分子量ポリオ
    レフイン中のN−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミ
    ド成分単位の含有量が5ないし90重量%の範囲にあり、
    かつ極限粘度〔η〕が0.06dl/gないし1.2dl/gの範囲に
    ある置換イミド変性低分子量ポリオレフイン。
  2. 【請求項2】N−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミ
    ドを低分子量ポリオレフインにグラフトしてなる変性低
    分子量ポリオレフインであって、該変性低分子量ポリオ
    レフイン中のN−炭化水素基置換不飽和カルボン酸イミ
    ド成分単位の含有量が5ないし90重量%の範囲にあり、
    かつ極限粘度〔η〕が0.06dl/gないし1.2dl/gの範囲に
    ある置換イミド変性低分子量ポリオレフインからなる芳
    香族系重合体の滑性または離型性の改良用添加剤。
JP61084303A 1986-04-14 1986-04-14 置換イミド変性低分子量ポリオレフィンおよび芳香族系重合体の滑性または離型性の改良用添加剤 Expired - Fee Related JPH0772219B2 (ja)

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