JPH0771981A - アナログ検出信号とリファレンス信号間の自動位相補正方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はアナログ検出信号とリファレンス信
号間の自動位相補正方法に関し、特に、アナログ検出信
号に含まれるリファレンス成分からリファレンス位相を
検出し、アナログ検出信号の位相と同期した位相差ゼロ
のリファレンス信号を得ることを特徴とする。 【構成】 本発明によるアナログ検出信号とリファレン
ス信号間の自動位相補正方法は、アナログ検出信号(1a)
内のリファレンス成分よりリファレンス成分位相(3bA)
を検出し、位相差(△ω)を検出してこの位相差(△ω)で
のエッジを検出してアナログ検出信号(1a)とリファレン
ス信号(3)の立上りと立下りを同期させ、この位相差(△
ω)を零とする構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アナログ検出信号とリ
ファレンス信号間の自動位相補正方法に関し、特に、ア
ナログ検出信号自体に含まれるリファレンス成分よりリ
ファレンス位相を検出して、アナログ検出信号の位相と
同期した位相差ゼロのリファレンス信号を得るための新
規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種のアナログ
検出信号とリファレンス信号間の位相補正方法として
は、一般に、図３で示す構成が採用されている。すなわ
ち、図３において符号１で示されるものは、レゾルバ又
はシンクロからなる回転検出器であり、この回転検出器
１にはリファレンス発生器２からの励磁信号としてのsi
nωｔからなるリファレンス信号３が入力されている。
このリファレンス信号３はＣＲ移相器４からなる移相手
段を介してsin（ωｔ＋△ω）からなる移相後の補正リ
ファレンス信号３ａとして、Ｒ／Ｄ又はＳ／ＤのＡ／Ｄ
変換器５に入力されている。

【０００３】さらに、前記検出器１からのsinθ・sin
（ωｔ＋△ω）とcosθ・sin（ωｔ＋△ω）よりなるア
ナログ回転検出信号１ａは前記Ａ／Ｄ変換器５に入力さ
れている。すなわち、アナログ回転検出信号１ａとリフ
ァレンス信号３に位相差を生じる場合は、前記ＣＲ移相
器４にて、リファレンス信号３の位相をその位相差に見
合う量だけ移相させることにより、位相差を零とするよ
うにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の位相補正方法
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、回転検出器自体に存在する
位相差、ケーブル等の伝送路インピーダンスによる位相
差、環境条件の変化（特に温度変化）による位相変化等
があるため、その位相差を検出してＣＲ移相器で調整を
しなければならず、この位相差が種々変化した場合には
その都度ＣＲ移相器による調整をしなければならなかっ
た。

【０００５】本発明は以上のような課題を解決するため
になされたもので、特に、アナログ検出信号自体に含ま
れるリファレンス成分よりリファレンス位相を検出し
て、アナログ検出信号の位相と同期した位相差ゼロのリ
ファレンス信号を得るようにしたアナログ検出信号とリ
ファレンス信号間の自動位相補正方法を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によるアナログ検
出信号とリファレンス信号間の自動位相補正方法は、リ
ファレンス信号とアナログ検出信号との間に存在する位
相差を補正するようにしたアナログ検出信号とリファレ
ンス信号間の自動位相補正方法において、前記アナログ
検出信号自体に含まれるリファレンス成分よりリファレ
ンス成分位相を検出し、前記リファレンス信号と前記ア
ナログ検出信号との位相差を検出すると共に、前記アナ
ログ検出信号の立上り及び立下りのエッジを検出して前
記リファレンス信号の立上り及び立下りを同期させる方
法である。

【０００７】さらに詳細には、前記アナログ検出信号
は、回転検出器からのアナログ回転検出信号とした方法
である

【０００８】

【作用】本発明によるアナログ検出信号とリファレンス
信号間の自動位相補正方法においては、アナログ検出信
号自体に含まれるリファレンス成分よりリファレンス位
相を検出し、前記リファレンス信号と前記アナログ検出
信号との位相差を検出すると共に、前記アナログ検出信
号の立上り及び立下りのエッジを検出して前記リファレ
ンス信号の立上り及び立下りを同期させることにより、
常に位相差を零に自動調整することができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面と共に本発明によるアナログ検出
信号とリファレンス信号間の自動位相補正方法の好適な
実施例について詳細に説明する。図１は本発明による自
動位相補正方法を示すブロック図、図２は波形図であ
る。

【００１０】図１において符号１ａで示されるものは回
転検出器１からのリファレンス成分sin（ωｔ＋△ω）
を有するアナログ回転検出信号からなるアナログ検出信
号であり、このアナログ検出信号１ａは絶対値比較器１
０に入力されると共に、スイッチ手段１１の第１、第２
端子１２，１３に接続されている。

【００１１】前記スイッチ手段１１の切換片１１ａに
は、立上りと立下りのエッジを検出するためのエッジ検
出器１４が接続されており、このエッジ検出器１４のエ
ッジ出力１４ａは同期化回路１５に入力されている。

【００１２】前記回転検出器１に励磁信号として供給さ
れるリファレンス信号は、図３の従来例と同様にこの回
転検出器１に入力されており、sinωｔからなるリファ
レンス信号３は、９０°・２７０°信号発生器１６及び
位相調整領域設定器１７に入力されている。

【００１３】前記位相調整領域設定器１７からの出力１
７ａは同期化回路１５に入力され、この同期化回路１５
からは前記リファレンス信号３のsinωｔを△ω分だけ
移相したsin（ωｔ＋△ω）の補正後の新規リファレン
ス信号３ａが得られる。

【００１４】次に、実際に自動位相補正する場合につい
て述べる。まず、図２に示されるように、リファレンス
信号３を波形成形してリファレンス位相を確認し、９０
°・２７０°信号発生器１６から９０°トリガ１６ａ及
び２７０°トリガ１６ｂが出力され、位相調整領域設定
器１７にて極性信号２０が形成されると共に、アナログ
検出信号１ａのトリガ出力１４ａと位相差△ωを検出す
る。なお、このアナログ検出信号１ａを波形成形するこ
とによりアナログ検出信号位相（リファレンス成分位
相）３ｂＡが得られる。

【００１５】このトリガ出力１４ａによって同期化され
たリファレンス信号３ａが得られ、このリファレンス信
号３ａを励磁信号として用いることにより、アナログ検
出信号１ａとリファレンス信号３ａとの同期を取ること
ができ、回転検出器自体あるいは温度変化等により発生
する位相差△ωを自動的に補正することができる。

【００１６】また、前述の位相差△ωを自動補正する場
合、この位相差△ωが±９０°以内の場合に、例えば、
リファレンス周波数４００Ｈｚ、同期化クロックを１Ｍ
Ｈｚとすると、位相差（同期化誤差）は±０.１４４度
であり、位相調整可能範囲としては、旨ね位相差±９０
度の範囲にわたって可能である。なお、前述の実施例で
は、回転検出信号を用いた場合について述べたが、例え
ば、同期整流回路等における搬送波を含む振幅変調信号
とリファレンス信号との位相調整に適用することもでき
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明によるアナログ検出信号とリファ
レンス信号間の自動位相補正方法は、以上のように構成
されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、アナログ検出信号とリファレンス信号との間
に存在する位相差を自動補正することができるため、環
境変化等に左右されないアナログ検出信号に同期したリ
ファレンス信号を得ることができ、常に、高精度かつ安
定な、例えば、Ｒ／ＤやＳ／ＤのＡ／Ｄ変換を実現する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動位相補正方法を示すブロック
図である。

【図２】波形図である。

【図３】従来構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 回転検出器 １ａ アナログ検出信号 △ω 位相差 ３ リファレンス信号 ３ｂＡ アナログ検出信号位相 （リファレンス成分位相）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リファレンス信号(3)とアナログ検出信
   号(1a)との間に存在する位相差(△ω)を補正するように
   したアナログ検出信号とリファレンス信号間の自動位相
   補正方法において、前記アナログ検出信号(1a)自体に含
   まれるリファレンス成分よりリファレンス成分位相を検
   出し、前記リファレンス信号(3)と前記アナログ検出信
   号(1a)との位相差(△ω)を検出すると共に、前記アナロ
   グ検出信号(1a)の立上り及び立下りのエッジを検出して
   前記リファレンス信号(3)の立上り及び立下りを同期さ
   せるようにしたことを特徴とするアナログ検出信号とリ
   ファレンス信号間の自動位相補正方法。
2. 【請求項２】 前記アナログ検出信号(1a)は、回転検出
   器(1)からのアナログ回転検出信号であることを特徴と
   するアナログ検出信号とリファレンス信号間の自動位相
   補正方法。