JPH0771790B2 - 電鋳薄刃砥石の製造方法 - Google Patents

電鋳薄刃砥石の製造方法

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JPH0771790B2 JP61068146A JP6814686A JPH0771790B2 JP H0771790 B2 JPH0771790 B2 JP H0771790B2 JP 61068146 A JP61068146 A JP 61068146A JP 6814686 A JP6814686 A JP 6814686A JP H0771790 B2 JPH0771790 B2 JP H0771790B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、特に高い精度を要求されるシリコンやフェ
ライト等の切断や溝加工に用いて好適な電鋳薄刃砥石の
製造方法に関する。
[従来の技術] 例えば、シリコン、GaAs、フェライト等の電子材料ある
いはセラミツクス、水晶、ガラス等の硬脆材料に、高い
精度による切断加工や溝加工を施す場合には、一般に金
属メツキ相内に超砥粒を分散させてなる電鋳薄刃砥石と
呼ばれる薄刃砥石が用いられている。
この電鋳薄刃砥石は、ステンレス鋼等からなる基板の表
面に、ダイヤモンドやCBN等の超砥粒を分散させたNi基
等を含む電気メツキ液によって電気メツキを施し、Niメ
ツキ相内に上記超砥粒を分散させた砥石層を電析させた
のち、さらに上記基板を取り除くことによって得られる
厚さ数十μm〜数百μmの輪環板状のものである。
そして、第5図に示すように、このようにして得られた
電鋳薄刃砥石1は、両側面に配設された一対の取付用フ
ランジ2、2間に挾まれたうえ、ナツト3により軸線回
りに回転する砥石軸4に締付け固定されて使用に供され
る。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、上記従来の電鋳薄刃砥石1は、通常上記砥石
軸4に固定後その使用に供される前に、一般の砥石を用
いたドレツシングプレートあるいはステイツクによって
ドレツシングと呼ばれる超砥粒の突き出しが行われる。
しかしながら、上記従来の電鋳薄刃砥石1においては、
その超砥粒の結合相を形成する金属メツキ相の強度や硬
度が極めて高いため、上述したような一般砥石によるド
レツシングを行ってもその外周切刃部の金属メツキ相か
らの上記超砥粒の突き出し量が極く僅かであった。加え
て、上記超砥粒の粒径が大きくなると一層これら超砥粒
を上記金属メツキ相から突出させることが難しくなり、
例えばその平均粒径が20〜30μmを超えるともはや上記
一般砥石を用いたドレツシングプレート等によっては上
記金属メツキ相から突出させることが殆どできないう欠
点があった。
したがって、この種の一般砥石を用いたドレツシングプ
レート等によりドレツシングしたものにあってはその切
れ味に劣り、このため被削材にチツピング(欠け)を発
生させたりあるいは研削抵抗が増加して一方向に曲がっ
てしまい上記被削材を直線状に切断できずに曲がって切
断してしまうという問題点があった。
[発明の目的] この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、研削開始
当初から切れ味に優れて被削材の被加工側面にチツピン
グを生じることがなく、しかも同時に高い加工精度を得
ることができる電鋳薄刃砥石を効率よく製造することが
できる方法を提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記課題を達成するために、本発明の特許請求の範囲第
1項に記載の電鋳薄刃砥石の製造方法は、Ni、Coおよび
これらの塩を主体とする電気メッキ液中において基板上
にメッキ相を形成しつつ、この金属メッキ相内に超砥粒
を分散させて砥石層を形成し、次いで形成された砥石層
のメッキ成長面側の面上に超砥粒を含まない電気メッキ
液を用いて電気メッキを施し、前記メッキ成長側の金属
メッキ相表面からの超砥粒の突出し量をその平均粒径の
1/5〜2/3とし、次いで上記基板を取り除いて薄肉板状の
砥石層を得た後、次いで得られた薄肉板状の砥石層の前
記基板側に位置していた金属メッキ相の表面を化学的あ
るいは電気化学的に溶解して前記金属メッキ相の表面か
ら超砥粒をこれら超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3突出した
後、この薄肉板状の砥石層に円形加工を施して円盤状の
砥石形状に成形して電鋳薄刃砥石を得た後、次いでこの
電鋳薄刃砥石の金属メッキ相の外周切刃部の表面を化学
的あるいは電気化学的に溶解して上記金属メッキ相の表
面から上記超砥粒をこれら超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3
突出させてなることを特徴とする。
また、本発明の特許請求の範囲第2項に記載の電鋳薄刃
砥石の製造方法は、特許請求の範囲第2項に記載の電鋳
薄刃砥石の製造方法に関して、上記金属メッキ相の表面
を電気化学的に溶解する溶液がリン酸あるいはスルフア
ミン酸を主成分とする溶液であることを特徴とする。
また、本発明の特許請求の範囲第3項に記載の電鋳薄刃
砥石の製造方法は、特許請求の範囲第2項または第2項
に記載の電鋳薄刃砥石の製造方法に関して、上記金属メ
ッキ相の外周切刃部を溶解するに際して上記外周切刃部
の両縁部を中央部より多く溶解して上記中央部が突出す
る円滑な凸面形状に成形することを特徴とする。
また、本発明の特許請求の範囲第4項に記載の電鋳薄刃
砥石の製造方法は、Ni、Coおよびこれらの塩を主体とす
る電気メッキ液中において基板上にメッキ相を形成しつ
つ、この金属メッキ相内に超砥粒を分散させて砥石層を
形成し、次いで形成された砥石層のメッキ成長面側の面
上に超砥粒を含まない電気メッキ液を用いて電気メッキ
を施し、前記メッキ成長側の金属メッキ相表面からの超
砥粒の突出し量をその平均粒径の1/5〜2/3とし、次いで
上記基板を取り除いて薄肉板状の砥石層を得た後、次い
で得られた薄肉板状の砥石層の基板側に位置していた金
属メッキ相の表面を化学的あるいは電気化学的に溶解し
て前記金属メッキ相の表面から超砥粒をこれら超砥粒の
平均粒径の1/5〜2/3突出させた後、製造する電鋳薄刃砥
石の外形形状を有する一対のマスキング部材により前記
砥石層を挟持するようにマスキングし、次いでマスキン
グが施された前記砥石層を化学エッチングし、前記砥石
層の前記マスキング部材により覆われていない部分の金
属メッキ相を溶解させることにより所望の形状の電鋳薄
刃砥石を得ると同時に、この電鋳薄刃砥石の外周切刃部
における前記超砥粒を前記金属メッキ相の表面から前記
超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3突出させることを特徴とす
る。
[作用] 本発明の特許請求の範囲第1項に記載の電鋳薄刃砥石の
製造方法によれば、超砥粒が金属メッキ相の表面から超
砥粒の平均粒径の1/5〜2/3突出した電鋳薄刃砥石を効率
よく製造することができる。
また、本発明の特許請求の範囲第2項に記載の電鋳薄刃
砥石の製造方法によれば、Ni、Co等からなる金属メッキ
相の表面を電気化学的に好適に溶解することができる電
鋳薄刃砥石の製造方法を提供することができる。」 また、本発明の特許請求の範囲第3項に記載の電鋳薄刃
砥石の製造方法によれば、被削材を深切り込み若しくは
早送り切断加工する際に、外周切刃部が生じる中凹摩耗
を防止することができる電鋳薄刃砥石の製造方法を提供
することができる。
また、本発明の特許請求の範囲第4項に記載の電鋳薄刃
砥石の製造方法によれば、所望の形状の電鋳薄刃砥石を
得ると同時に、外周切刃部の超砥粒が金属メッキ相の表
面から超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3突出させることがで
きる電鋳薄刃砥石の製造方法を提供することができる。
[実施例] 第1図は、本発明の電鋳薄刃砥石の製造方法により製造
される電鋳薄刃砥石の一例を示すもので、そのメツキ層
の表面(基板側表面、メツキ層成長側表面あるいは外周
切刃部)の拡大断面図である。
第1図において、この例の電鋳薄刃砥石においては、両
側の表面および外周切刃部の各部の金属メツキ相10の表
面10aから、超砥粒11…がそれぞれ図中符号Hで示す量
だけ突出させられている。ここでこの突出量Hは、これ
ら超砥粒11…の平均粒径の1/5以上であり、さらに1/5〜
2/3の範囲内に設定すれば一層好ましい。
すなわち、上記超砥粒11…の上記突出量Hが1/5に満た
ないと、超砥粒11〜の突出量が少な過ぎて十分な切れ味
の向上作用を得ることができないからである。また、2/
3を超えると金属メツキ相10による超砥粒11…の保持力
が低下するためこれら超砥粒11…の比較的早い時期にお
ける脱落を招き、これにより砥石厚さの減少等を招いて
加工精度が低下してしまうため、好ましくないからであ
る。
次に、本発明の電鋳薄刃砥石の製造方法を具体的に説明
する。
先ず、ステンレス等の金属からなる基板の表面に、ダイ
ヤモンド等の超砥粒を分散させたNi基、Co基あるいはこ
れらの合金を含む電気メツキ液を用いて電気メツキを施
し、これらNi、Coおよびこれらの合金のうちの一種以上
の金属からなる金属メツキ相内に上記超砥粒を分散させ
た厚さ寸法が数十μm〜数百μmの砥石層を形成する。
引き続いて、このようにして形成された砥石量のメツキ
成長側の面上に、超砥粒を含まないNi等の電気メツキを
施し、上記メツキ成長側の金属メツキ相表面からの超砥
粒の突出量を、その平均粒径の1/5〜2/3にする。そし
て、次ぎに上記基板にブラツシング等を含む水洗処理を
施した後、この基板から上記砥石層を剥離する。
ついで、得られた薄肉板状の砥石層の基板側に位置して
いた金属メツキ相の表面を、化学的あるいは電気化学的
に溶解して上記金属メツキ相の表面から超砥粒をこれら
超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3だけ突出させる。
そして、このようにして得られた薄肉板状の砥石層か
ら、この発明に係る電鋳薄刃砥石を製作するのに際し
て、以下に挙げるの2種類の方法が好適に採用され得
る。
すなわち、第1の方法としては、先ず上記砥石層をパン
チング加工等により円形の砥石形状に成形した後、さら
に真円に加工して電鋳薄刃砥石を得る。次いで、この電
鋳薄刃砥石の外周切刃部以外の表面にマスキングを施
し、露出している上記外周切刃部の金属メツキ相の表面
を電気化学的あるいは化学的に溶解することにより、上
記金属メツキ相表面から超砥粒をその平均粒径の1/5〜2
/3突出させてこの発明に係る電鋳薄刃砥石を得る。
ここで、上記外周切刃部の金属メツキ相の表面の電気化
学的な溶解方法としては、電解エツチングや電解研摩法
等があり、さらに上記電解研摩液としてはリン酸あるい
はスルフアミン酸を主成分とする溶液が好適である。
この電気化学的な溶解方法によれば、金属メツキ相の溶
解量が通電量に比例するためその管理が容易であり、そ
のため化学的な溶解方法と比較して上記金属メツキ相を
より一層均一に溶解することができるという利点がある
い。また、上記電解研摩法にあっては、例えばその電解
研摩液にグリセリン等の増粘性物質やクロム酸等の酸化
剤、さらにはアルコール等のインヒビダ等を添加すれ
ば、さらに一層上記金属メツキ相の溶解の均一性を向上
させることができる。
また、上記金属メツキ相の外周切刃部の表面を溶解する
に際しては、第2図に示すように、金属メツキ相10の上
記外周切刃部の表面10aの両縁部21、21をその中央部22
より多く溶解することにより、上記外周切刃部の表面10
aの形状をその中央部22が突出するとともにその両縁部2
1、21にいわゆるアール状の面取り加工が施された、円
滑な凸曲面状に形成することが望ましい。
他方、この発明に係る電鋳薄刃砥石を得る第2の方法
は、先ず基板から剥離した後の上記砥石層の両側面に、
第3図に示すように、その外周部30と内周部31の余分寸
法となる部分を除いた正規の砥石形状の部分に輪環状の
マスキング32を施す。そして次ぎに、これを適性濃度の
H2SO4+H2O2溶液、HNO3溶液、あるいは塩化第二鉄+HCl
等の酸性溶液を用いた化学エツチングにより上記砥石層
の上記マスキング32によりマスキングされていない部分
を溶解し、次いでこれを水洗および乾燥した後上記マス
キングを除去する。これにより、円形状の砥石形状をな
し、かつ同時に上記金属メツキ相の外周切刃部の表面か
ら超砥粒をこれら超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3だけ突出
させたこの発明に係る電鋳薄刃砥石を得る。
したがって、この第2の方法によれば、薄肉板状の砥石
層の砥石形状への成形と、その外周切刃部表面からの超
砥粒の突出しとを同時に行なうことができる。
しかして、このような製造方法によって得られた上記電
鋳薄刃砥石にあっては、その金属メツキ相10の外周切刃
部の表面10aから超砥粒11…を、それらの平均粒径の1/5
〜2/3突出させているので、研削開始当初から優れた切
れ味を得ることができる。このため、この電鋳薄刃砥石
の基板側表面およびメツキ層成長側表面とも被削剤の被
加工表面にチツピングやムシリを発生させることがな
い。しかも、これら超砥粒11…は充分に上記金属メツキ
相10に保持されているので、この金属メツキ相10から早
期に脱落することがなく、よって高い加工精度を得るこ
とができる。
また、上記電鋳薄刃砥石を製造するに際して、その外周
切刃部の表面10aを電気化学的に溶解して超砥粒11…を
突出させる第1の方法によれば、上記金属メツキ相10の
溶解量の管理が容易であるため上記金属メツキ相10を均
一に溶解することができ、これにより高い製品品質を得
ることができる。
さらに、その外周切刃部の表面10aの両縁部21、21をそ
の中央部22より多く溶解することにより、上記外周切刃
部の表面10aをその中央部22が突出する円滑な凸曲面状
に形成すれば、一層その切れ味を向上させることがで
き、よって被削材をより高い精度でかつ確実に直線状に
切断することができる。
他方、上記外周切刃部の表面10aを化学エツチングによ
り溶解して超砥粒を突出させる第2の方法によれば、円
形の砥石形状への成形と、その外周切刃部の表面10aか
らの超砥粒の突出しとを同時に行なうことができるた
め、その製造工程の合理化を図ることができる。
[実験例] 先ず、不働態化皮膜が形成されたステンレス鋼からなる
基板の表面に、砥石原型形状をなす部分を残してマスキ
ングをしたのち、通常の脱脂等による正常化処理を施し
た。次ぎに、ダイヤモンド砥粒を分散させたスルフアミ
ン酸Nメツキ液を用いて上記基板の表面に電気メツキを
施し、Niメツキ相内に上記ダイヤモンド砥粒を分散させ
た砥石層を形成した。この場合における上記電気メツキ
の条件を以下に示す。
(イ) 電気メツキ液の組成 スルフアミン酸Ni:450g/ 塩化Ni:10g/、硼酸:30g/、 ピツト防止剤、光沢剤:各少量、PH:4、 分散超砥粒の種類:ダイヤモンド粒、 分散砥粒の粒度:20〜30μm、 分散砥粒の濃度:100g/。
(ロ) 電気メツキ条件 浴温度:50℃、メツキ時間:160分、 陰極電流密度:5A/dm2
次ぎに、上記基板を分散メツキ槽から取り出してブラツ
シング等を含む水洗処理を施した後、引き続き上記基板
表面の砥石層のメツキ成長側の面上に、ダイヤモンド砥
粒を含まないスルフアミン酸Niメツキを用いて厚さ約8
μmの電気メツキを施し、上記メツキ成長側の金属メツ
キ相表面からのダイヤモンド砥粒の突出量を、その平均
粒径の1/2とした。
次ぎに、上記基板を分散メツキ層から取り出し、水洗し
た後上記基板から上記砥石層を剥離した。そして、上記
砥石層のメツキ成長側の金属メツキ相表面にマスキング
を施し、電解研摩液を用いて上記砥石層の基板側の金属
メツキ相表面に電解研摩を施して、この表面からのダイ
ヤモンド砥石の突出量をその平均粒径の1/2とした。こ
の場合における上記電解研摩条件を以下に示す。
(イ) 電解研摩液の組成 リン酸:700g/、グリセリン:40g/、 (ロ) 電解研摩条件 浴温度:40℃、電解時間:4分、 陽極電流密度:20A/dm2
次いで、上記砥石層を電解研摩槽から取り出して水洗
し、さらに上記マスキングを剥離した後乾燥させた。
そして、このようにして得られた上記薄肉板状の砥石層
を、放電加工等により円形の砥石形状に成形して電鋳薄
刃砥石薄刃砥石を得た後、その外周切刃部およびその近
傍以外の部分にマスキングを施した。
そして次ぎに、露出している表面を脱脂清浄化した後
に、この表面に電解研摩を施してその金属メツキ相表面
からのダイヤモンド砥粒の突出量をその平均粒径の1/2
とした。この場合における電解研摩条件は、陽極電流密
度が80A/dm2でかつその電解時間が1分である以外は、
上記基板側表面に対する電解研摩条件と同様であった。
以上により、この発明に係る電鋳薄刃砥石である本発明
例1で示す電鋳薄刃砥石を得た。
また、上記本発明例1の電鋳薄刃砥石と同様の方法によ
り、それぞれ基板側およびメツキ成長側の金属メツキ相
表面からダイヤモンド砥粒をその平均粒径の1/5突出さ
せた薄肉板状の砥石層を作成し、これらに以下の2種類
の処理を施して、それぞれこの発明に係る電鋳薄刃砥石
である本発明例2および本発明例3の2種類の電鋳薄刃
砥石を作成した。
本発明例2; 上記薄肉板状の砥石層を、レーザ切断で円形に加工した
後、第5図に示すようにその両側面に配設した塩化ビニ
ル製のマスク板40、40を間に介して回転軸41で挾持し
た。そして、上記回転軸41を回転させながら上記本発明
例1用いたものと同様の電解研摩液を用いて、上記砥石
層のマスク板40、40から露出している金属メツキ相の外
周切刃部の表面を溶解して、この表面からのダイヤモン
ド砥粒の突出量をその平均粒径の7/10以上とした。
この場合において、得られた電鋳薄刃砥石の外周切刃部
の形状は、その両縁部が中央部より一層溶解されたこと
により、第2図に示すようなその中央部が突出した円滑
な凸曲面状になった。
本発明例3; 上記薄肉板の砥石層に、第3図に示すようにその外周部
30と内周部31の余分となる部分を除いた正規の砥石形状
となるべき部分に輪環状のマスキング32を施した。そし
て次ぎに、これに塩化第二鉄が400g/、HClが100l/
からなる化学エツチング液を噴射して上記マスキング32
がない部分を溶解し、正規寸法とされた円形の電鋳薄刃
砥石を得るとともに、これと平行してその金属メツキ相
の外周切刃部表面からのダイヤモンド砥粒の突出量を、
その平均粒径の7/10以上とした。
他方これらとは別に、従来の電鋳薄刃砥石として、略同
様の金属メツキ相と超砥粒からなり、かつ上述した超砥
粒の突出処理が施されていないものを作成した。
第1表は、以上によって得られたこの発明に係る3種類
の電鋳薄刃砥石、および従来の電鋳薄刃砥石の各々の寸
法、組成等並びにそれぞれの試験結果を示すものであ
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の電鋳薄刃砥石の製造方法
によれば、優れた切れ味と高い加工精度を有するととも
に、被加工材にチッピングを生じさせることが無い電鋳
薄刃砥石を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はこの発明の電鋳薄刃砥石およびその製
造方法を説明するためのもので、第1図はこの発明の電
鋳薄刃砥石の一実施例を示すメツキ層表面の拡大断面
図、第2図はこの発明の製造方法の一実施例を用いて形
成される電鋳薄刃砥石の外周切刃部の形状を示す概略断
面図、第3図はこの発明の製造方法の他の実施例におけ
るマスキングの状態を示す平面図、第4図は第2図に示
す外周切刃部形状を形成する際に用いられる回転治具の
一例を示す概略構成図、第5図は従来の電鋳薄刃砥石を
砥石軸に固定した状態を示す概略側断面図である。 10……金属メツキ相、10a……表面、 11……超砥粒、 21……縁部、22……中央部、 32……マスキング、40……マスク板、 H……金属メツキ相からの超砥粒の突出量。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni、Coおよびこれらの塩を主体とする電気
    メッキ液中において基板上にメッキ相を形成しつつ、こ
    の金属メッキ相内に超砥粒を分散させて砥石層を形成
    し、次いで形成された砥石層のメッキ成長面側の面上に
    超砥粒を含まない電気メッキ液を用いて電気メッキを施
    し、前記メッキ成長側の金属メッキ相表面からの超砥粒
    の突出し量をその平均粒径の1/5〜2/3とし、次いで上記
    基板を取り除いて薄肉板状の砥石層を得た後、次いで得
    られた薄肉板状の砥石層の前記基板側に位置していた金
    属メッキ相の表面を化学的あるいは電気化学的に溶解し
    て前記金属メッキ相の表面から超砥粒をこれら超砥粒の
    平均粒径の1/5〜2/3突出した後、この薄肉板状の砥石層
    に円形加工を施して円盤状の砥石形状に成形して電鋳薄
    刃砥石を得た後、次いでこの電鋳薄刃砥石の金属メッキ
    相の外周切刃部の表面を化学的あるいは電気化学的に溶
    解して上記金属メッキ相の表面から上記超砥粒をこれら
    超砥粒の平均粒径の1/5〜2/3突出させてなることを特徴
    とする電鋳薄刃砥石の製造方法。
  2. 【請求項2】上記金属メッキ相の表面を電気化学的に溶
    解する溶液がリン酸あるいはスルフアミン酸を主成分と
    する溶液であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の電鋳薄刃砥石の製造方法。
  3. 【請求項3】上記金属メッキ相の外周切刃部を溶解する
    に際して上記外周切刃部の両縁部を中央部より多く溶解
    して上記中央部が突出する円滑な凸面形状に成形するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項または第3項に記
    載の電鋳薄刃砥石の製造方法。
  4. 【請求項4】Ni、Coおよびこれらの塩を主体とする電気
    メッキ液中において基板上にメッキ相を形成しつつ、こ
    の金属メッキ相内に超砥粒を分散させて砥石層を形成
    し、次いで形成された砥石層のメッキ成長面側の面上に
    超砥粒を含まない電気メッキ液を用いて電気メッキを施
    し、前記メッキ成長側の金属メッキ相表面からの超砥粒
    の突出し量をその平均粒径の1/5〜2/3とし、次いで上記
    基板を取り除いて薄肉板状の砥石層を得た後、次いで得
    られた薄肉板状の砥石層の基板側に位置していた金属メ
    ッキ相の表面を化学的あるいは電気化学的に溶解して前
    記金属メッキ相の表面から超砥粒をこれら超砥粒の平均
    粒径の1/5〜2/3突出させた後、製造する電鋳薄刃砥石の
    外形形状を有する一対のマスキング部材により前記砥石
    層を挟持するようにマスキングし、次いでマスキングが
    施された前記砥石層を化学エッチングし、前記砥石層の
    前記マスキング部材により覆われていない部分の金属メ
    ッキ相を溶解させることにより所望の形状の電鋳薄刃砥
    石を得ると同時に、この電鋳薄刃砥石の外周切刃部にお
    ける前記超砥粒を前記金属メッキ相の表面から前記超砥
    粒の平均粒径の1/5〜2/3突出させることを特徴とする電
    鋳薄刃砥石の製造方法。
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