JPH0770979A - 抄紙用水溶性フェノール樹脂 - Google Patents

抄紙用水溶性フェノール樹脂

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JPH0770979A
JPH0770979A JP21270493A JP21270493A JPH0770979A JP H0770979 A JPH0770979 A JP H0770979A JP 21270493 A JP21270493 A JP 21270493A JP 21270493 A JP21270493 A JP 21270493A JP H0770979 A JPH0770979 A JP H0770979A
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JP
Japan
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phenol resin
papermaking
water
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molecular weight
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JP21270493A
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Seiichi Yamaguchi
精一 山口
Shigeru Eimaeda
茂 栄前田
Shunsuke Otani
俊介 大谷
Masayuki Nakamura
昌之 中村
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New Oji Paper Co Ltd
Sumitomo Durez Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
Sumitomo Durez Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 製紙工程における抄紙時に歩留り向上剤とし
てポリエチレンオキサイドと併用されるフェノール樹脂
において、該フェノール樹脂がフェノール類とホルムア
ルデヒド類を、触媒として水酸化ナトリウムおよび水酸
化バリウムを用いて合成されてなり、そのフェノール樹
脂のpHが11.1、数平均分子量が600、メチロー
ル基数が0.72である抄紙用水溶性フェノール樹脂。 【効果】 ポリエチレンオキサイドと併用することによ
り、抄紙原料の歩留りと濾水性が顕著に向上するので、
抄紙における製造コスト及び排水処理費用の低減、更に
は生産性の向上に大幅に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙工程における抄紙
時の歩留り向上および濾水性向上を目的としてポリエチ
レンオキサイドと併用される抄紙用の水溶性フェノール
樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙工程における抄紙時の歩留り向上を
目的として、これまでに種々の薬剤が開発されてきた。
これらには、硫酸バンド,ポリエチレンイミン,カチオ
ン性ポリアクリルアマイドおよびカチオン化デンプンな
どのカチオン性物質、またアニオン性ポリアクリルアマ
イドに代表されるアニオン性物質があり、前者が単独で
使用されるか或いは前者と後者が併用されてきた。しか
し、これらの物質による歩留り向上方法では微細繊維な
どのアニオン性不純物が多量にパルプスラリー中に存在
していると良好な歩留りが得られなかったり、これらの
薬剤を多量に必要とする場合がある。歩留り向上剤を多
量に使用するとコスト高になるばかりでなく強い凝集力
のために紙の地合に悪影響を及ぼすこともある。
【0003】製紙メーカー及び製紙用薬品メーカーで
は、製造する紙の種類、原料および抄紙機の種類等個々
の状況に適する薬品を選択しているのが実情である。歩
留り向上剤としてのポリエチレンオキサイド(以下PE
Oと略称する)については、1950年頃から研究され
ており、Tappi Journal(7),115〜118(1987)にはPEO
と共にクラフトリグニン類、フェノールスルホン酸、フ
ェノール樹脂等の添加剤を使用する事が記載されてい
る。また Appita 42(5),373(1989) にはオ−ストラリア
新聞工場でPEOとフェノール樹脂を併用した事が紹介
されており、Appita 43(2),125〜129(1990) ではPEO
とフェノール樹脂の相互作用についての記載があり、さ
らに、Appita 45(2),118〜120(1992) ではPEO水溶液
の調整方法と性能についての記載がある。紙パルプ技術
タイムス(7),10 (1990) では抄紙用の他、排水処理用に
も有効である事が記載されている。しかし、従来の技術
ではPEOとフェノール樹脂のような添加物を併用した
系での歩留り向上効果が充分に満足できるレベルではな
く、またフェノール樹脂についての研究、改良が充分に
成されていなかった。そこで、製紙メ−カ−からはより
歩留り向上効果の高いフェノール樹脂の開発が望まれて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フェノール樹脂は、フ
ェノール類とアルデヒド類の重縮合物であり、ノボラッ
ク型とレゾール型に大別する事が出来るがフェノール
類、アルデヒド類の種類および触媒の種類、さらに反応
条件などによって、分子量、水酸基およびメチロール基
の異なる様々な化合物が得られる。一方、抄紙時の歩留
り向上剤として使用するためには、フェノール樹脂は、
水溶性もしくは微小径のエマルジョンである必要があ
り、またPEOおよび/またはパルプ繊維と結合し易い
化合物である必要がある。本発明者等は、レゾール型フ
ェノール樹脂の水酸基およびメチロール基とPEOのエ
−テル結合がセルロースパルプの水酸基と水素結合する
ことがパルプの歩留りを向上させる上で効果的であると
いう知見に基づき,鋭意研究開発を進めた結果、特定の
範囲のフェノール樹脂の水溶液中でのpH、分子量及び
メチロール基数がパルプの歩留り向上に顕著な作用効果
があることを見出し、本発明を完成させるに至った。本
発明の目的とするところは、パルプを原料として抄紙す
る際に、PEOと併用してパルプ歩留り及び濾水性に顕
著な効果が得られるフェノール樹脂を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、製紙工程にお
ける抄紙時に歩留り向上剤としてポリエチレンオキサイ
ドと併用されるフェノール樹脂において、該フェノール
樹脂がフェノール類とホルムアルデヒド類を、触媒とし
てアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アン
モニア、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミ
ンの中から選ばれた塩基性化合物の1種または2種以上
を用いて合成されてなり、そのフェノール樹脂のpHが
10.0〜13.0、数平均分子量が400〜800、
メチロール基数が0.50〜0.90であることを特徴
とする抄紙用水溶性フェノール樹脂に関するものであ
る。
【0006】本発明の紙処理用水溶性フェノール樹脂に
おいて、歩留り向上を効果的に得るためにはフェノール
樹脂中のフェノール性の水酸基とメチロール基のバラン
スが重要である。本発明におけるフェノール樹脂として
は、pHが10.0〜13.0、好ましくは11.0〜
12.0、数平均分子量が400〜800、好ましくは
500〜700、メチロール基数が0.50〜0.9
0、好ましくは0.60〜0.80、かつ水溶性を有す
るものが好ましい。
【0007】pHが10.0未満の場合は、水溶性が不
十分となり、また13.0を越えると紙の品質が低下す
る。数平均分子量は、400未満の場合は一分子当たり
のフェノール核が少なく、フェノール性の水酸基の数が
少なくなり、水素結合の結合手が少なくなる。また数平
均分子量が800を越えると水溶性が低下するために歩
留り向上効果の発現が不十分になる。樹脂中に含まれる
メチロール基数に関しては、0.90を越えると経時安
定性が悪くなって実用上好ましくない。一方、メチロー
ル基数が0.50未満の場合はメチロール基としての水
素結合に関与する結合手が少なくなって歩留り向上効果
は小さくなる。ここで、数平均分子量とは単位体積中に
Miなる分子量の分子がNi個存在するとすれば、数平
均分子量(Mn)=ΣMiNi/ΣNiで表されるもの
である。また、メチロール基数はフェノール核1モル当
たりのメチロール基のモル数である。
【0008】本発明の紙処理用水溶性フェノール樹脂
は、樹脂化触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウムや水酸
化バリウムなどのアルカリ土類金属化合物、アンモニ
ア、モノメチルアミンやモノエチルアミンなどの第1級
アミン、ジメチルアミンやジエチルアミンなどの第2級
アミンおよびトリメチルアミン、トリエチルアミンやト
リエタノールアミンなどの第3級アミンといった塩基性
化合物のうちから選ばれた1種または2種以上を使用し
て合成したレゾール型水溶性フェノール樹脂である。こ
の液状レゾール型水溶性フェノール樹脂を生産するため
には、原料としてフェノール類、アルデヒド類、および
上記の塩基性化合物が必要である。
【0009】フェノール類としては、フェノール、オル
ソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾル
シン、ハイドロキノン、プロピルフェノール、ブチルフ
ェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなど
から選ばれた1種または2種以上である。アルデヒド類
としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、
トリオキサン、アセトアルデヒドなどが挙げられ、これ
らの中から適宜選択して1種または2種以上が用いられ
る。ここでフェノール類(P)とアルデヒド類(F)の
配合モル比(F/P)は、0.9〜3.0であるが、好
ましくは1.2〜2.0である。モル比が0.9未満の
場合は水溶性を持たせること自体が困難であり、モル比
が3.0を越える場合は樹脂中の遊離ホルムアルデヒド
が多くなり環境上好ましくない。
【0010】本発明のフェノール樹脂をPEOと併用す
る際の比率は、絶乾固形分比でフェノール樹脂:PEO
が0.5:1〜10:1、好ましくは2:1〜7:1で
ある。PEOの比率が0.5:1未満では歩留り向上効
果が得られず、比率が10:1以上の時はそれ以上の効
果が期待できないので工業上無駄である。本発明のフェ
ノール樹脂は、PEOと併用して、酸性抄紙法、中性抄
紙法及びアルカリ抄紙法に適用でき、フェノール樹脂の
添加量は、絶乾パルプ重量当り0.0025〜0.5重
量%、好ましくは0.01〜0.14重量%である。ま
た、フェノール樹脂は、抄紙工程のミキシングボック
ス、ファンポンプ入口等にPEOと一緒に或いは別々に
抄紙原料中に添加する事もできるが、フェノール樹脂を
前工程で添加し、PEOを後工程即ち抄紙機に近い工程
で添加する事によって所望の効果を得る事ができる。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明は実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例、比較例に記載されている「部」および
「%」は「重量部」および「重量%」を示す。
【0012】《レゾール型水溶性フェノール樹脂の合
成》 [合成例1]撹拌機、熱交換器、温度計の付いた反応装
置にフェノール1,000部、80%パラホルムアルデ
ヒド140部、37%ホルマリン735部、25%水酸
化ナトリウム400部、水酸化バリウム80部を仕込
み、100℃還流下で90分間反応させ、その後30t
orrの減圧下で脱水し、粘度5.0ポイズ/25℃、
不揮発分55%、pH11.1、水溶性5,000%以
上の液状レゾール型フェノール樹脂(A1)を得た。本
樹脂の数平均分子量およびメチロール基数を高速液体ク
ロマトグラフィー(GPC)およびフーリエ変換核磁気
共鳴装置(FT−NMR)によって測定したところ、数
平均分子量600、メチロール基数0.72であった。
【0013】[合成例2]撹拌機、熱交換器、温度計の
付いた反応装置にフェノール800部、ビスフェノール
A200部、37%ホルマリン990部、25%水酸化
ナトリウム500部、25%水酸化リチウム300部を
仕込み、100℃還流下で120分間反応させ、粘度
3.0ポイズ/25℃、不揮発分45%、pH10.
5、水溶性5,000%以上の液状レゾール型フェノー
ル樹脂(A2)を得た。本樹脂の数平均分子量およびメ
チロール基数をGPCおよびFT−NMRによって測定
したところ、数平均分子量760、メチロール基数
0.50であった。
【0014】[合成例3]撹拌機、熱交換器、温度計の
付いた反応装置にフェノール500部、オルソクレゾー
ル500部、80%パラホルムアルデヒド400部、3
7%ホルマリン500部、25%水酸化ナトリウム80
0部を仕込み、100℃還流下で70分間反応させ、粘
度5.0ポイズ/25℃、不揮発分50%、pH12.
2、水溶性5,000%以上の液状レゾール型フェノー
ル樹脂(A3)を得た。本樹脂の数平均分子量およびメ
チロール基数をGPCおよびFT−NMRによって測定
したところ、数平均分子量420、メチロール基数0.
75であった。
【0015】[合成例4]撹拌機、熱交換器、温度計の
付いた反応装置にビスフェノールA1,000部、37
%ホルマリン710部、水酸化バリウム150部、25
%水酸化カリウム280部を仕込み、100℃還流下で
30分間反応させ、30torrの減圧下で脱水し、粘
度7.0ポイズ/25℃、不揮発分60%、pH11.
4、水溶性5,000%以上の液状レゾール型フェノー
ル樹脂(A4)を得た。本樹脂の数平均分子量およびメ
チロール基数をGPCおよびFT−NMRによって測定
したところ、数平均分子量550、メチロール基数0.
55であった。
【0016】[合成例5]撹拌機、熱交換器、温度計の
付いた反応装置にフェノール1,000部、37%ホル
マリン2,150部、25%水酸化ナトリウム400部
を仕込み、85℃で120分間反応させ、30torr
の減圧下で脱水し、粘度2.0ポイズ/25℃、不揮発
分60%、pH10.3、水溶性5,000%以上の液
状レゾール型フェノール樹脂(A5)を得た。本樹脂の
数平均分子量およびメチロール基数をGPCおよびFT
−NMRによって測定したところ、数平均分子量44
0、メチロール基数1.00であった。
【0017】[合成例6]撹拌機、熱交換器、温度計の
付いた反応装置にフェノール800部、ビスフェノール
F200部、37%ホルマリン1,520部を仕込み、
25%水酸化ナトリウム300部、水酸化カルシウム5
0部を仕込み、85℃で90分間反応させ、粘度0.5
ポイズ/25℃、不揮発分55%、pH10.1、水溶
性5,000%以上の液状レゾール型フェノール樹脂
(A6)を得た。本樹脂の数平均分子量およびメチロー
ル基数をGPCおよびFT−NMRによって測定したと
ころ、数平均分子量350、メチロール基数0.82で
あった。ここで、合成例1〜4で得られたA1〜A4は
本発明のために好ましいフェノール樹脂であり、合成例
5〜6で得られたA5〜A6は本発明のためには不適な
フェノール樹脂である。
【0018】本発明においてフェノール樹脂の数平均分
子量は、高速液体クロマトグラフィー(GPC,(株)
東ソー製,型式:HLC−802A)を用い、メチロー
ル基数についてはフーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−
NMR,日本電子(株)製,型式:JNM−EX90)
を用いて13C−NMRを測定することで求めた。pH、
水溶性および不揮発分の測定方法については JIS K 683
3 「フェノール系樹脂接着剤」によった。
【0019】[実施例1]歩留り向上剤として合成例1
で試作した液状レゾール型水溶性フェノール樹脂(A
1)と平均分子量400〜500万のPEOを使用し、
さらにA1/PEO=3/1で、かつA1の添加量を
0.015,0.03,0.06,0.120%(対パ
ルプ)とした、即ち薬剤トータル添加量を各々0.0
2,0.04,0.08,0.16%とした時の歩留り
および濾水性をショッパーリグラー型のリテンションテ
スターを使用して測定した。
【0020】[実施例2]フェノール樹脂として合成例
2で試作した液状レゾール型水溶性フェノール樹脂(A
2)を使用する事以外は実施例1と同条件で実施した。
【0021】[実施例3]フェノール樹脂として合成例
3で試作した液状レゾール型水溶性フェノール樹脂(A
3)を使用する事以外は実施例1と同条件で実施した。
【0022】[実施例4]フェノール樹脂として合成例
4で試作した液状レゾール型水溶性フェノール樹脂(A
4)を使用する事以外は実施例1と同条件で実施した。
【0023】[比較例1]フェノール樹脂として合成例
5で試作した液状レゾール型水溶性フェノール樹脂(A
5)を使用する事以外は実施例1と同条件で実施した。
【0024】[比較例2]フェノール樹脂として合成例
6で試作した液状レゾール型水溶性フェノール樹脂(A
6)を使用する事以外は実施例1と同条件で実施した。
【0025】[比較例3]歩留り向上剤としてPEOを
単独使用し、その添加量を0.020,0.040,
0.080,0.160%(対パルプ)とした時の歩留
りおよび濾水性を測定した。
【0026】[比較例4]歩留り向上剤としてカチオン
性ポリアクリルアマイド(カチオン性PAA)を使用す
る事以外は、比較例3と同条件で実施した。
【0027】なお、本測定における紙原料としては、針
葉樹半漂白パルプ(NSBKP:フリーネス630m
l)15%、サーモメカニカルパルプ(TMP:フリー
ネス85ml)40%、新聞故紙の脱墨パルプ(DI
P:フリーネス125ml)45%の混合パルプに硫酸
バンド1%、タルク1%、ホワイトカーボン1%(各々
対パルプ)添加して、新聞用紙を製造中の抄紙機のスト
ックインレット原料を用いた。(白水が混合され、ワイ
ヤーに供給される直前の原料:濃度1.0%、灰分1
5.0%、pH5.0)その他、試験に用いた薬品は、
以下の通りである。 PEO:PEO−18、住友精化(株)製 カチオン性ポリアクリルアマイド:オルガノポール、ア
ライドコロイド社製 アニオン性ポリアクリルアマイド:パーコール47、協
和産業(株)製
【0028】また、歩留りは初期濾水50cc中の紙料
濃度(紙料歩留り)および灰分(填料歩留り)を測定す
る事により、また濾水性については濾水量150ccに
達するまでの時間(秒)を測定する事により求めた。実
施例1〜4および比較例1〜4で得られた紙料歩留りの
測定結果は表1と図1、填料歩留りの測定結果は表2と
図2に示す通りであった。また、実施例1〜4および比
較例1〜4で得られた濾水時間の測定結果は表3と図3
に示す通りであった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】表1〜表3および図1〜図3から明らかな
様に比較例3や比較例4の従来の歩留り向上剤と比較し
て、実施例1〜4の様にフェノール樹脂として数平均分
子量が400〜800でかつ一分子中のメチロール基数
が0.5〜0.9の範囲を満足する高分子水溶性レゾー
ル型フェノール樹脂を使用した場合は紙料歩留りおよび
填料歩留りが大幅に向上する。これにより、大幅な原料
の節約ができ、且つ排水処理において汚濁負荷が大幅に
低減されるので、排水処理薬品費の節約が可能となる。
【0033】比較例1の様に数平均分子量は440と本
発明の範囲には入っていてもメチロール基数が1.00
と本発明の範囲を外れるもの及び比較例2の様に数平均
分子量が350と比較的低分子のレゾール型フェノール
樹脂を使用した場合は、その歩留り向上効果が乏しい。
【0034】また、濾水性については比較例4(カチオ
ン性ポリアクリルアマイド使用の場合)と比較して、実
施例1〜4は濾水時間が非常に短縮される。これにより
抄紙機においては脱水能力がかなり改善されるので湿紙
の水分を減少させることができ、抄紙機のドライヤーに
おける乾燥負荷を低減することになるので、生産速度の
増加、ひいては生産量の増加及びエネルギーコストの低
減が可能となる。しかし、比較例1および比較例2の場
合は、比較例4とほぼ同様である。濾水時間が短いとい
う事は、微細な繊維や填料などを凝集状態にせしめた事
を示すもので、歩留り向上を裏付ける指標ともなるし、
さらにワイヤー上で脱水される際に紙料および填料等の
少ない(即ち低濃度の)白水がワイヤーの目から流れる
事になるので紙の地合向上の指標とも言える。
【0035】
【発明の効果】本発明の水溶性フェノール樹脂は、PE
Oと併用することにより、抄紙原料の歩留りと濾水性が
顕著に向上するので、抄紙における製造コスト及び排水
処理費用の低減、更には生産性の向上に大幅に寄与する
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で得られた紙料歩留りの測
定結果を示すグラフ
【図2】実施例および比較例で得られた填料歩留りの測
定結果を示すグラフ
【図3】実施例および比較例で得られた濾水時間の測定
結果を示すグラフ
フロントページの続き (72)発明者 大谷 俊介 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 住 友デュレズ株式会社内 (72)発明者 中村 昌之 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 住 友デュレズ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙工程における抄紙時に歩留り向上剤
    としてポリエチレンオキサイドと併用されるフェノール
    樹脂において、該フェノール樹脂がフェノール類とホル
    ムアルデヒド類を、触媒としてアルカリ金属化合物、ア
    ルカリ土類金属化合物、アンモニア、第1級アミン、第
    2級アミンおよび第3級アミンの中から選ばれた塩基性
    化合物の1種または2種以上を用いて合成されてなり、
    そのフェノール樹脂のpHが10.0〜13.0、数平
    均分子量が400〜800、メチロール基数が0.50
    〜0.90であることを特徴とする抄紙用水溶性フェノ
    ール樹脂。
JP21270493A 1993-08-27 1993-08-27 抄紙用水溶性フェノール樹脂 Pending JPH0770979A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204624A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Dainippon Ink & Chem Inc 水性フェノール樹脂組成物及びバインダー

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204624A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Dainippon Ink & Chem Inc 水性フェノール樹脂組成物及びバインダー

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