JPH0770021B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH0770021B2
JPH0770021B2 JP62190687A JP19068787A JPH0770021B2 JP H0770021 B2 JPH0770021 B2 JP H0770021B2 JP 62190687 A JP62190687 A JP 62190687A JP 19068787 A JP19068787 A JP 19068787A JP H0770021 B2 JPH0770021 B2 JP H0770021B2
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JP
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magnetic
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case
magnetic head
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公平 荒川
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Nikkiso Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は磁気ヘッドに関し、さらに詳しく言うと、固
定材を用いて磁気コアをケース内に固定してなるもので
あってテープ鳴き現象等が容易に発生せず、たとえばテ
ープレコーダー、ビデオテープレコーダー等の記録再生
装置に好適に利用することのできる磁気ヘッドに関す
る。
[従来の技術およびその問題点] 磁気テープ等の磁気記録媒体上に、各種の情報を表わす
電気信号を磁気信号に変換して、記録、再生、消去作用
を行なう電気磁気変換器である磁気ヘッドは、たとえば
テープレコーダ、ビデオテープレコーダ、各種データレ
コーダ、電子計算機等の分野に広く用いられている。
この磁気ヘッドとしては、たとえばパーマロイ薄板を、
所定の形状にプレス加工してから磁性焼鈍を行なって磁
性薄板とし、この磁性薄板を数枚用いて接着剤により層
間絶縁を確保しながら積層してなる左右一対の半素子を
磁気ギャップを設けて突き合わせることにより磁気コア
とし、この磁気コアにコイル等の他の構成部品を装着し
てから、前記磁気ギャップをケースの磁気記録媒体摺接
面に開設した窓部に臨ませ、さらにケース内に固定材を
充填して磁気コアを固定してなるものが広く用いられて
いる。
ここで、固定材としては、たとえばエポキシ等の樹脂に
炭酸カルシウム、シリカ、タルク、SiO2、微粉末、ガラ
ス状カーボン等の無機充填剤を添加してなるものが知ら
れており、無機充填剤は樹脂の熱膨張係数と吸水率とを
小さくし、固定材の温度や湿度に対する安定性を向上さ
せることにより磁気ヘッドの耐環境安定性を向上させる
ことを目的に使用されている。
そして、この固定材はケースの磁気記録媒体摺動面に開
設した窓部において、磁気コアとともに臨むものであ
る。
しかしながら、従来より用いられている固定材は、その
表面の摩擦係数が比較的に大きいので、窓部に臨んだ固
定材部分の面の摩擦係数も比較的に大きくなって、記録
再生時のこの部分と磁気テープ等の磁気記録媒体間の摺
動摩擦も大きいものであり、たとえば長時間にわたって
記録再生を行なって磁気テープを摺動させた場合に、摺
接部の温度上昇による磁気テープの磁性層中の未硬化樹
脂が軟化する現象が起こり易かった。
その結果、従来の磁気ヘッドには、磁気テープの磁性
粉等のゴミが磁気ヘッド側に付着する、磁気テープの
摺動にむらが生じて円滑な摺動が行なわれなくなる、
記録再生出力に雑音が入るいわゆるテープ鳴き現象が発
生し易い等の問題があった。
[発明の目的] この発明の目的は、前記問題点を解消し、耐摩耗性に優
れるとともに、低い摩擦係数および良好な潤滑性を有
し、磁気記録媒体の摺動時におけるテープ鳴き現象等を
防止することのできる磁気ヘッドを提供することにあ
る。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するために、この発明者が鋭意検討を重
ねた結果、少なくとも特定の部位の固定材に特定の充填
材を含有させた場合には、耐摩耗性に優れるとともに、
低い摩擦係数および良好な潤滑性を実現し、テープ鳴き
現象が容易に発生しない磁気ヘッドが得られることを見
出して、この発明に到達した。
すなわち、この発明の概要は、ケース内に収容した磁気
コアの磁気ギャップを、ケースの磁気記録媒体摺接面に
開設した窓部に臨ませるとともに、ケース内に充填した
固定材により磁気コアを固定してなる磁気ヘッドにおい
て、少なくとも前記窓部に臨んだ部分の固定材がグラフ
ァイトウィスカおよび/または気相成長炭素繊維を含有
することを特徴とする磁気ヘッドである。
前記磁気コアは、従来の磁気コアと同様の構成を有する
ものであり、たとえば78%Ni-Fe合金、79%Ni-4%Mo-Fe
合金、80%Ni-Fe-Nb合金、80%Ni-Fe-Ti合金、5%Al-1
0%Si-Fe合金、Co-Fe系非晶質合金、Mn-Zn系フェライト
などの金属薄板を所要の形状にプレス加工し、磁性焼鈍
を行なって得られる金属磁性材料の薄板を所定の枚数用
いて、たとえばエポキシ系接着剤により層間絶縁を確保
しながら積層して左右一対の半素子を形成し、この左右
一対の半素子を突き合わせてなるものである。
前記磁気ギャップは、前記磁気コアにおける磁性記録媒
体摺動面に設けた磁気系空隙であり、前記磁気コアを構
成する半素子の突き合わせ面を、ラップ加工等により平
面に仕上げ、記録媒体と摺接する先端部分に、たとえば
Be、Cu、Ti等の箔を挟み込んでなる構成は従来と同様で
ある。
この発明の磁気ヘッドにおいては、従来の磁気ヘッドと
同様に、前記磁気ギャップを形成してなる前記磁気コア
をケースに収容して外部誘導磁界を遮断する。
前記ケースは、たとえば78%Ni-Fe合金、79%Ni-4%Mo-
Fe合金などのパーマロイからなり、磁気テープ等の磁気
記録媒体と相対する面には前記磁気ギャップを臨ませる
窓部を開設するとともに、この面を円筒形または双曲線
状に形成し、通常、粗度が0.2μm以下の鏡面に仕上げ
たものである。
前記固定材は、前記ケース内に充填することにより前記
磁気コアをケース内に固定するものであり、たとえばダ
イマー酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエ
ステル変性物、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエ
ーテル、アルキルフェノール誘導体グリシジルエーテル
などのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を好適に用いるこ
とができる。
この発明において重要な点は、少なくとも前記ケースの
窓部に臨む部分の固定材にグラファイトウィスカおよび
/または気相成長炭素繊維を含有させることにある。
前記グラファイトウィスカは、炭素原子のSP2混成軌道
によって構成される結晶で、正六角形の頂点に炭素原子
が配置するハニカム状の網平面の積層構造を有するグラ
ファイトのうち、一次元構造のものを言い、たとえばグ
ラファイト電極の直流アーク放電によって得ることがで
きるが、後述する気相成長炭素繊維をアルゴン等の不活
性ガス中で2000℃以上に加熱することによっても好適に
得ることができる。
この発明において使用に供するグラファイトウィスカの
好ましい特性は、直径0.01〜5.0μm、アスペクト比2
〜30000である。
前記気相成長炭素繊維(以下、VGCFと言うことがあ
る。)は、遷移金属の超微粒子を触媒として、約1000℃
の温度下に炭化水素ガスを気相熱分解することにより得
られるものであり、生成段階においては単結晶ではない
ものの、易黒鉛化性を有し、約2800℃以上の温度で熱処
理することにより容易にグラファイト構造をとるもので
ある。
前記VGCFは、たとえばシード(Seed)法(特開昭58-181
515号公報等参照)、流動気相法(特開昭60-54998号公
報、特開昭60-54999号公報、特開昭60-185818号公報等
参照)などの製造方法により得られるものを用いること
ができる。
ここで、シード法および流動気相法について簡単に説明
する。
すなわち、シード法はセラミックス等の基板上にスプレ
ーした酸化鉄の超微粒子(直径100Å〜300Å)等を繊維
生成核とし、炭化水素ガスの熱分解を行なうことによ
り、この基板上に、長さ数cm、直径数μm〜10μmのVG
CFを生成させる方法である。
一方、流動気相法は原料の炭素源ガスと触媒の有機金属
化合物とキャリヤーガスとの混合ガスを連続的に反応管
内に送り込み、たとえば600〜1300℃の温度に加熱し
て、直径0.05μm〜数μm、長さ数μm〜数1000μmの
微細なVGCFを、反応管から煙状のまま連続的に取り出す
方法である。
この発明において使用に供するVGCFとして、好ましいの
は流動気相法によって得られるVGCFである。また、VGCF
の好ましい特性は、直径0.01〜0.5μm、アスペクト比
2〜30000である。
この発明においては、前記固定材のうち、少なくとも前
記窓部に臨む部分に前記グラファイトウィスカおよび/
または前記気相成長炭素を含有させる。
前記固定材100重量%に対する前記グラファイトウィス
カおよび/または前記気相成長炭素の混合割合は、通
常、0.2〜40重量%、好ましくは2〜25重量%である。
この割合が0.2重量%よりも少ないと、固定材の耐摩耗
性の十分な向上が図れないとともに、摩擦係数を十分に
低減することができない。一方、40重量%よりも多く用
いても、それに相当する効果は得られない。
なお、固定材には、前記VGCFやグラファイトウィスカー
以外の公知の固体潤滑剤も、その量が前記VGCFやグラフ
ァイトウィスカーの量よりも少ないのであれば、含有し
ても良い。そのような固体潤滑剤としては、二硫化モリ
ブデン、黒鉛粉末、弗素樹脂等を挙げることができる。
[作用] この発明の磁気ヘッドにおいて、ケースは、磁気コアお
よびコイル等の磁気ヘッドの内部構成部品を収容、支持
するものであり、その磁気記録媒体摺接面(以下、単に
摺接面という。)には、窓部が開設してある。
一方、磁気コアには磁気ギャップが所定の間隔に形成し
てある。
この発明においては、磁気コアを、この磁気ギャップが
窓部に臨む状態でケース内に装填する。
磁気ギャップを窓部に臨ませてケース内に装填した磁気
コアは、ケース内に充填した固定材により固定される。
すなわち、摺接面の窓部には磁気ヘッド頭部とともに固
定材も臨むこととなる。
この発明においては、固定材の少なくとも窓部に臨む部
分にグラファイトウィスカおよび/または気相成長炭素
繊維が含有してある。このグラファイトウィスカおよび
気相成長炭素繊維は、固定材に用いられている樹脂の摩
擦係数を低減するとともに、高い熱伝導性により熱の放
散が速やかに起こるので、テープ等の磁気記録媒体の摺
動時における局部的な発熱を防止して未硬化樹脂の軟化
現象を防止する。
したがって、たとえば磁気テープの磁性粉等のゴミが磁
気ヘッド側に付着したり、磁気テープの摺動にむらが生
じて円滑な摺動が行なわれなくなってテープ鳴き現象が
発生するといった未硬化樹脂の軟化現象に起因する不都
合は生じない。
[発明の効果] この発明によると、 (1) 磁気記録媒体に摺接する部位の固定材に、低い
摩擦係数を有するとともに、良好な熱伝導性を有して放
熱作用に有れたグラファイトウィスカおよび/または気
相成長炭素を含有させてあるので、磁気記録媒体の摺接
時の発熱を防止して未硬化樹脂の軟化現象の発生を防止
することができ、 (2) 磁気テープ等の磁性粉等のゴミが磁気ヘッド側
に付着することがなく (3) 磁気テープ等の摺動にむらが生じないので、円
滑な摺動が行なわれる、 (4) 記録再生出力に雑音が入るいわゆるテープ鳴き
現象が容易に発生しない、 等の種々の利点を有する磁気ヘッドを提供することがで
きる。
[実施例] 次に、この発明の実施例および比較例を示し、この発明
についてさらに具体的に説明する。
第1図は、この発明の磁気ヘッドの一例を示す摺接面側
正面図である。
第1図に示すように、磁気コア1の磁気ギャップ2が、
ケース3に開設した窓部4に臨むように、磁気コア1を
ケース3に収容した。ここで磁気コア1には、79%Ni-4
%Mo-Fe合金からなる磁気コアを用い、ケース3には79
%Ni-4%Mo-Fe合金からなるケースを用いた。
次いで、このケース3内に固定材5を充填し、磁気コア
1をケース3内に固定して磁気ヘッドとした。
(実施例1) 第1図に示した磁気ヘッドにおいて、エポキシ樹脂[商
品名;「LY556」、チバ・ガイギー社製]100重量%に対
して、グラファイトウィスカ[商品名;「グラスカ
ー」、日機装(株)製:直径0.2μm、長さ30μm]10
重量%を混合した固定材を用いてなる磁気ヘッドについ
て、動摩擦係数およびテープ鳴きの評価を行なった。
結果を第1表に示す。
なお、評価方法は次のとおりである。
動摩擦係数;摩擦係数測定機により、動摩擦係数を測定
した。
テープ鳴き;温度55℃、湿度50%の条件下に、磁気テー
プを連続して摺動させ、摺動開始からテープ鳴き発生ま
での時間を測定した。
(実施例2) 前記実施例1において、グラファイトウィスカ10重量%
を含有する固定材に代えて、グラファイトウィスカ20重
量%を含有する固定材を用いたほかは、前記実施例1と
同様にして、動摩擦係数およびテープ鳴きの評価を行な
った。
結果を第1表に示す。
(実施例3) 前記実施例1において、グラファイトウィスカ10重量%
を混合してなる固定材に代えて、グラファイトウィスカ
0.5重量%を混合してなる固定材を用いたほかは、前記
実施例1と同様にして、動摩擦係数およびテープ鳴きの
評価を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例4) 前記実施例1において、グラファイトウィスカ10重量%
を混合してなる固定材に代えて、VGCF[直径0.3μm、
長さ50μm]15重量%を混合してなる固定材を用いたほ
かは、前記実施例1と同様にして、動摩擦係数およびテ
ープ鳴きの評価を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例5) 前記実施例1において、グラファイトウィスカ10重量%
を混合してなる固定材に代えて、グラファイトウィスカ
10重量%およびVGCF10重量%を混合してなる固定材を用
いたほかは、前記実施例1と同様にして、動摩擦係数お
よびテープ鳴きの評価を行なった。結果を第1表に示
す。
(比較例1) 前記実施例1において、グラファイトウィスカ10重量%
を混合してなる固定材に代えて、SiO2微粉末[平均粒子
径5μm]30重量%を混合してなる固定材を用いたほか
は、前記実施例1と同様にして、動摩擦係数およびテー
プ鳴きの評価を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例2) 前記実施例1において、グラファイトウィスカ10重量%
を混合してなる固定材に代えて、ガラス状カーボン微粉
末[平均粒子径5μm]30重量%を混合してなる固定材
を用いたほかは、前記実施例1と同様にして、動摩擦係
数およびテープ鳴きの評価を行なった。
結果を第1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の磁気ヘッドの一例を示す正面図であ
る。 1……磁気コア、2……磁気ギャップ、3……ケース、
4……窓部、5……固定材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケース内に収容した磁気コアの磁気ギャッ
    プを、ケースの磁気記録媒体摺接面に開設した窓部に臨
    ませるとともに、ケース内に充填した固定材により磁気
    コアを固定してなる磁気ヘッドにおいて、少なくとも前
    記窓部に臨んだ部分の固定材がグラファイトウィスカお
    よび/または気相成長炭素繊維を含有することを特徴と
    する磁気ヘッド。
JP62190687A 1987-07-30 1987-07-30 磁気ヘッド Expired - Lifetime JPH0770021B2 (ja)

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JPS5984325A (ja) * 1982-11-04 1984-05-16 Kao Corp 垂直磁気記録方式の磁気ヘツド
JPS60111305A (ja) * 1983-11-22 1985-06-17 Tdk Corp 磁気ヘツド
JPS60119609A (ja) * 1983-11-30 1985-06-27 Kao Corp 垂直磁気記録方式の磁気ヘツド

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