JPH0769561A - エレベータガイドレールの芯出し用マニピュレータ - Google Patents

エレベータガイドレールの芯出し用マニピュレータ

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JPH0769561A
JPH0769561A JP21834793A JP21834793A JPH0769561A JP H0769561 A JPH0769561 A JP H0769561A JP 21834793 A JP21834793 A JP 21834793A JP 21834793 A JP21834793 A JP 21834793A JP H0769561 A JPH0769561 A JP H0769561A
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JP
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frame
guide rail
car
centering
manipulator
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JP21834793A
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English (en)
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Masamichi Tomita
正道 富田
Akihiko Sakai
昭彦 酒井
Kazuo Honma
和男 本間
Harumoto Matsuda
晴基 松田
Ryoetsu Kanayama
良悦 金山
Masatoshi Ota
正寿 太田
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B19/00Mining-hoist operation
    • B66B19/002Mining-hoist operation installing or exchanging guide rails

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  • Lift-Guide Devices, And Elevator Ropes And Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】フレーム1と、昇降路11内でフレーム1を昇
降させる機構2と、ガイドレール10の可動部を把持す
る機構3と、フレーム1の位置と姿勢を検出する機構4
と、クロスヘッド46から垂下されてフレーム1の位置
と姿勢を補正するマニピュレータ48を有する補正機構
5と、補正の際にガイドレール10から受ける反力を昇
降路11に対し固定された部材に伝えてフレーム1を支
える機構6とを乗りかご7に付設したガイドレールの自
動芯出し装置。 【効果】芯出し自動化によりガイドレール10の位置・
姿勢の高精度化,作業品質安定化ができる。また、乗り
かご7等の本設部品を多数使用するので、芯出し装置の
搬入・組立・解体・撤去の手間が少なく、工期を短縮で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータガイドレー
ルを昇降路内に据付ける作業において使用する、エレベ
ータガイドレールを自動的に鉛直に芯出しするためのマ
ニピュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エレベータの昇降路内でガイドレ
ールを芯出し(位置決め)して固定する作業は、位置合
わせ治具を使用した作業者の手作業によって実施されて
いた。
【0003】ここにガイドレールの芯出しとは、仕様に
基づいて所定の間隔を保って設定された何らかの基準鉛
直線に対して平行な姿勢で、かつ相互に所定の間隔を保
って対向するように、所定の位置に一対のガイドレール
の位置及び姿勢を補正することを意味する。
【0004】例えば、第一,第二,第三の公知例とし
て、特開昭61−127583号公報,特開昭63−92591 号公
報,特開平3−152077 号公報に記載のように、昇降路上
方の機械室床等から垂下されたピアノ線の位置を所定の
目印等に一致させる芯出治具を用いて下段のレールか
ら、順次、上段のレールへと位置決めしていく手動芯出
法が行われていた。
【0005】また、第四に、特開平3−33607号公報に記
載の、光または音声によってピアノ線の位置信号を発す
る芯出補助用治具が提案されている。
【0006】さらに第五に、特開昭58−193876号公報に
記載の、自力昇降式レール芯出しロボットがあった。
【0007】このロボットは、ピット床に設置されたレ
ーザ発振器から上方に照射されたレーザビームを鉛直基
準直線として、かご枠を位置決めし、かご枠に固定され
たガイドレールを芯出しするものである。芯出しロボッ
トはすべて仮設の部材によって構成されていた。
【0008】ここに「仮設」の部材とは、据付け作業が
完了した後には撤去されて、実稼働時に使用されない部
材を意味している。一方「本設」の部材とは、エレベー
タの据付け作業が完了した後の実稼働時にも使用される
部材を意味している。
【0009】一方、第六,第七の公知例として、特開平
4−55276号公報、及び特開平4−354779号公報に記載の
ように、昇降路内にガイドレール芯出し位置決め治具を
備えた作業台を昇降可能に設置して、位置決め治具が昇
降路壁を押すことによってガイドレールの芯出しをする
装置も考案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第一,第二,第三の公
知例では、作業者が手動でガイドレールを芯出ししてい
たので、芯出し精度にばらつきがあった。またこの作業
は、訓練に基づく微妙な調整能力と健全な視力を要する
困難な作業という一面とともに、長時間を要して下段レ
ールから順次位置決めしては固定していく単調な繰り返
し作業の一面もあって、エレベータの据付け工期を長く
する原因ともなっていた。
【0011】第四の公知例によれば、作業者が光または
音声による位置信号の補助を受けることができるが、や
はり手動作業に変りは無く、芯出し精度に同様の問題が
あった。
【0012】第五の公知例によれば、ガイドレールの自
動的な芯出し作業が可能ではあったが、芯出しロボット
の大物構造部品に仮設部材を多用したことにより、仮設
品の搬入・組立・解体・撤去と本設乗りかご部材等の搬
入・組立の手間が大きくなるという弊害があった。全工
程の真の省力化,短工期化を達成するためにはこの弊害
を排除する必要があった。
【0013】第六,第七の公知例によれば、ガイドレー
ルの自動的な芯出し作業が可能と見られるが、やはり仮
設の作業台を昇降路内に設置するため、搬入・組立・解
体・撤去と本設乗りかご部材等の搬入・組立の手間が大
きくなるという弊害がある。
【0014】自動的な芯出し装置には、ガイドレール把
持機構に対して固定されたフレームの水平二方向位置
と、鉛直軸まわりの姿勢角と、両レールの鉛直軸まわり
のねじれ角の決定が最低限要求されるので、フレームは
両レールを所定の姿勢で把持して、符号付きの適切な3
変数を適切な精度で獲得する必要がある。ここでフレー
ムとは、レール把持機構と検出機構と補正機構とを固定
している、レール位置決め部の架台である。
【0015】本発明の目的は、ガイドレールの自動的な
芯出し作業を短時間に正確に実行できるマニピュレータ
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では、フレームと、エレベータの昇降路内
でフレームを昇降させる昇降機構と、フレームに固定さ
れてガイドレールの位置決めすべき部分を把持するレー
ル把持機構と、フレームに固定されてフレームの基準直
線に対する相対位置・姿勢と上下方向変位とを検出する
検出機構と、フレームの位置と姿勢を補正する補正機構
と、補正の際にガイドレールから受ける反力をガイドレ
ールの固定済部分に伝えてフレームを高い剛性を持って
支える支持機構とからなる芯出し装置の、前記昇降機構
として、本設の乗りかごの一部と巻上機とを使用し、ま
た上記補正機構として、本設の乗りかご枠の上部にある
クロスヘッドを基部としてその下方に垂下されたマニピ
ュレータを使用するものである。
【0017】昇降機構に本設の乗りかごを使用すること
によって、仮設品の解体・撤去と本設乗りかご部材等の
搬入・組立の手間を軽減しつつ、ガイドレールの自動的
な芯出しを達成する。
【0018】補正機構にはリンクの長さを伸縮させる複
数個のアクチュエータを配置して、かご枠のクロスヘッ
ドに固定された基端に対して、フレームに連結された出
力端に位置姿勢の自由度を発生させるパラレルマニピュ
レータを使用する。
【0019】さらに、補正の際にガイドレールから受け
る反力を昇降路に対し固定された部材に伝えてフレーム
を高い剛性を持って支えるための支持機構が、ガイドレ
ールの既に芯出し固定済みの部分を支持するように構成
した。
【0020】さらに、芯出し装置の水平方向変位を測定
する検出機構として、鉛直基準の一対の線(ピアノ線な
どの金属線)の各々につき、少なくとも一点で、金属線
とフレームとの相対変位を検出するようにした。
【0021】
【作用】上述のガイドレールの芯出し装置と作業者とに
よる動作を説明する。
【0022】まず、昇降路内で一対の金属線を位置決め
し、機械室内に機器を据付け、配線配管をする。作業者
は最下部の一対のガイドレールを手動的に位置決めし
て、各々二段のブラケットを用いてピット床に立設す
る。次に、かご枠とカウンタウエイトを組み立てる。ロ
ープをかごとカウンタウエイトとにセットしガイドレー
ルを吊り下げた後、マニピュレータを含む芯出し装置を
エレベータのかご枠内に組み立てる。本芯出し装置は、
一体に連結され昇降路内に概ね鉛直にして垂下され、さ
らに最下部の一段目のガイドレールに連結された二段目
から最上部までのガイドレールを、順次、芯出ししてい
く。
【0023】マニピュレータとセンサの電源を入れる。
支持機構で両側のガイドレールの固定済み部分各一箇所
を支持する。支持機構として、乗りかごの床下に仮設品
を付加して使用する他に、セイフティーキャッチを流用
することや、下部ガイドシューを流用することも可能で
ある。支持機構として下部ガイドシューを流用する場
合、本工程では下部ガイドシューのクリアランスを狭め
て剛性を高めて使用することができる。また、セイフテ
ィーキャッチを流用する場合、セイフティーキャッチの
ガイドレールに接する部分の部品(摺動部材)を、本工
程ではより大きな面積でレールに接する形状の部品に交
換して使用し、ガイドレールの損傷を防ぐことも可能で
ある。
【0024】レール把持機構は芯出しすべき位置(即ち
レールブラケットより上方)で、一対のガイドレールの
左右二箇所を把持する。マニピュレータが検出機構の発
する変位信号に基づいて位置サーボ動作をして、ガイド
レールを金属線に対して正しく芯出しする。
【0025】作業者は、芯出しされたガイドレールを、
その芯出しされた高さより下方の部位、即ち、芯出しさ
れた部位と前工程までに固定済みの部分との中間に当る
任意の適切な部位において、レールブラケットを介して
ボルト締めや溶接等の連結手段により昇降路の壁面また
は鋼材に固定する。芯出し装置を昇降機構によって下方
から上方の芯出し位置へと順次移動させていき、芯出し
作業を繰り返す。
【0026】個々の芯出し位置における検出・補正動作
を詳述する。検出機構が各測定点について測定した各変
位値から、補正機構内の制御装置がフレームの位置と姿
勢角の偏差を計算して、制御装置がフレームの位置と姿
勢角の偏差から補正機構の各アクチュエータへの指令動
作量を演算し、昇降路に対し固定された部材に対してフ
レームを動作させ、保持する。
【0027】作業者は、乗りかご床上に立つ。あるいは
乗りかご床の上方でかつフレーム(レール位置決め部)
の下方の位置に仮設作業床を備えて、作業者はこの作業
床上に立つ。作業者は昇降路の鋼材にブラケットをボル
ト締め溶接等の手段により固定し、または昇降路の壁面
にハンドドリル等を用いてボルト孔をあけて、ボルト締
めと溶接等の手段によりブラケットを固定し、自動位置
決めが完了し芯出し装置に保持されているレールにブラ
ケットを連結固定する。
【0028】
【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
本実施例において、芯出し装置は図1に示したように、
フレーム1と、昇降機構2と、レール把持機構3と、検
出機構4と、補正機構5と、支持機構6とから構成され
る。ここに、芯出し装置の昇降機構2は本設の乗りかご
7の一部と機械室床8に設置した本設の巻上機9とを使
用する。
【0029】以下に、本工法で乗りかご用のメインガイ
ドレール10を自動芯出しして昇降路11に対して固定
するまでの工程を概説する。
【0030】(1) まず昇降路11内に資材を搬入し、荷
揚げする。
【0031】(2) 次に機械室の床8に上部テンプレート
12を設置し、テンプレート12の二個の孔13から一
対の金属線14に錘15をつけて垂らして、金属線14
を基準階の基準位置に対して正しく芯出しする。
【0032】(3) 次に巻上機9などの機器を機械室内に
据え付ける。
【0033】(4) 金属線14の下端を固定しこれを基準
にして最下部の一対のガイドレール16を立設、位置決
めする。
【0034】(5) かご枠17のプラットフォーム18と
マニピュレータとカウンタウエイト19を組立てる。
【0035】(6) 全行程のガイドレール10を連結す
る。
【0036】(7) カウンタ側のロープをセットする。
【0037】(8) カウンタウエイトを吊り上げて固定す
る。
【0038】(9) かご側のロープをセットする。この
際、巻上機9にロープ21を掛けて、芯出し装置の昇降
機構2とする。
【0039】(10)二段目から最上部までのガイドレール
10に関しては、本発明の芯出し装置によって下から、
順次、ガイドレール10を自動芯出しして、作業者がレ
ールブラケット22を取付け、固定していく。
【0040】芯出し装置は、工程(10)において、図2に
示すように、レール把持機構3により2本のガイドレー
ル10を両端に把持して、乗りかご7下部の支持機構6
がガイドレール10の既に芯出し固定済みの部分23を
支持した状態で、検出機構4が2本の金属線14の水平
面内の変位を三箇所で連続的に測定する。
【0041】レール把持機構3の構造を図3に模式的に
示す。工程(5)で、駆動装置3Aによりリンク機構3B
を動作させて、一対の爪3Cによってガイドレール10
を引き寄せ(または押し拡げ)、可動式グリッパ3Dと
固定式グリッパ3Eとでガイドレール10の首部分を掴
み、フレーム1とガイドレール10とを所定の位置関係
に保つ。工程(10)で、乗りかご7とマニピュレータとを
上昇させるときは、ガイドレール10が爪3Cから外れ
ないように固定している。
【0042】金属線14上の一点においてほぼ水平な二
方向変位を測る検出機構ユニット25は、図4に示すよ
うに、ほぼ水平面内に光軸26を有する集光レンズ27
と一次元のPSD素子(Position Sensitive Device,半
導体位置検出素子)28と、光学フィルタ(干渉フィル
タ)29とからなる直交配置された二組の受光系30,
31と、両受光系の間にあって所定の金属線測定域32
を照射する光源装置33と、から構成したものである。
本実施例で光源装置33は、複数のLED63と、LEDを
フレーム1に固定するホルダと、電源とから成る(図示
せず)。左右合計二個以上の各検出機構ユニット25を
連結している部分には、(図4では省略したが)後に詳
しく述べる補正機構5が装備される。
【0043】なお、一次元のPSD素子28に代えて、
二次元のPSD素子、または適切な画素数を持つ一次元
ないし二次元のCCD撮像素子などとしても原理的には
同様に扱える。また、光源装置33は必ずしもこの構成
のようなLED63でなくとも良い。必要に応じて、光
源の波長特性と受光素子の感光特性に従い適切な種類の
光学フィルタを使用する。あるいは、その他の構成の光
学的ないし非光学的な検出機構ユニット25を用いて金
属線のほぼ水平面内のフレームとの相対変位を検出して
も、その後の演算は同様にできる。
【0044】補正機構5は制御装置37とマニピュレー
タ48とから成る。図5に示すように、制御装置37
は、得られた各点の略水平方向変位x,yとフレームの
略上下方向変位zからフレーム1の金属線14A,14
Bに対する相対変位,姿勢を、逐次、演算し、クロスヘ
ッド46を基部としてその下方に垂下するように設置さ
れたマニピュレータ48の各アクチュエータ38に動作
量を指令し、フレーム1の位置と姿勢を制御してレール
10を鉛直に位置決めする。
【0045】上記各点変位計算の式は、例えば、以下の
ように与えられる。第i組(i=1,2;第一組の光軸
がY軸方向,第二組の光軸がX軸方向)の光学系の集光
レンズLi の第一共やく距離をai,第二共やく距離を
iとするとき、検出された金属線像の撮像素子PSDi
上での変位量uiから、測定域32内での金属線14の
変位の値(x,y)は次式で求められる。
【0046】
【数1】 x=u1(b21−u22)/(b12−u12) …(数1)
【0047】
【数2】 y=u2(b12−u11)/(b12−u12) …(数2) 上式で求めた各点変位と各測定点の幾何学的配置とか
ら、フレーム1の金属線14に対する相対変位,姿勢は
逐次計算される。さらに、アクチュエータ38の幾何学
的配置に基づいて、各アクチュエータ38への指令動作
量40が演算され、伝達される。
【0048】本実施例では、六個のアクチュエータ38
を、図6に示すように並列に並べて直動型パラレルマニ
ピュレータ48として配置する。これらの各直動型アク
チュエータ38は、その一端(基端)が、乗りかご7の
構成部品であるクロスヘッド46に固定された同一平面
51内の同一円周52上の所定の位置に回転自在に連結
され、その他端(出力端)が、フレーム1に固定された
同一平面53内の同一円周54上の所定の位置に回転自
在に連結され、乗りかご7に対してフレーム1の位置と
姿勢を変更させる。
【0049】本実施例のアクチュエータ群の配置をさら
に詳述する。アクチュエータ群はそれらの基端を円周5
2上に、それぞれ中心角を φC,120°−φC,φC,120°−φC,φC,12
0°−φC と分割し、出力端を円周54上に、中心角を φF,120°−φF,φF,120°−φF,φF,12
0°−φF と分割して連結する。ここに、φCとφF値はほぼ、 0°≦φC≦30°,0°≦φF≦30° の範囲で適切に設定する。
【0050】本実施例で使用している形状のパラレルマ
ニピュレータ48に関しては、一般に、可動部であるフ
レーム1の通電開始時のかご枠に対する初期位置と初期
姿勢を各リンクの長さの信号だけから求めることもでき
る。上下方向(Z方向)変位指令値を一定に保つ方法で
ガイドレール10の芯出し制御が可能である。
【0051】次に、金属線14の相対変位とアクチュエ
ータの変位とからフレーム1の位置と姿勢とを演算す
る。即ち、三個の検出機構ユニット25の出力信号,
(x1,y1),(x2,y2)、及び(x3,y3)から、ク
ロスヘッド46に固定された座標系でのフレーム1の中
心の位置姿勢を一般化座標ベクトルLとして求める。
【0052】
【数3】 L=(tx,ty,tz,φ,θ,ψ) …(数3) 但し、tx,ty,tz は直交座標値であり、φ,θ,ψ
はオイラー角である。このときクロスヘッド46は金属
線14に対して正立しているとみなして演算を行う。本
実施例ではマニピュレータ48の出力端における位置信
号を直接検出しているので、近似処理によっても結果的
に高精度な芯出しが可能となる。
【0053】フレーム1の相対的目標位置と相対的目標
姿勢とから各アクチュエータ38に指令すべき目標変位
ベクトルlを下記のようにして求める。
【0054】
【数4】 l=(l1,l2,l3,l4,l5,l6) …(数4)
【0055】
【数5】 l=G(L) …(数5) 但し、Gは逆座標変換である。
【0056】パラレルマニピュレータ48の6本の各ア
クチュエータ38は、目標変位ベクトルlに基づいて位
置制御される。
【0057】作業者は作業床41の上に立って、芯出し
装置を作動させてガイドレール10を位置決めし、ハン
ドドリル等を用いて昇降路11の建材(または昇降路壁
の部材)42にボルト孔をあけて、フレーム1と支持機
構6との中間の高さにおいてレールブラケット22を建
材42に固定し、レールブラケット22の可動板の位置
を調整して自動位置決めの完了したガイドレール10に
固定する。また、作業者はこの作業床41上で乗りかご
部材の溶接などの他の作業も行うことができる。
【0058】本実施例によれば、芯出し作業を自動的に
行えるので前記の公知例と比較して、芯出し位置,姿勢
の高精度化,作業品質安定化の効果が得られる。
【0059】また第四の公知例と比較して、本発明では
芯出し装置の大物部材として、乗りかご7のかご床2
0,かご枠17,巻上機9等の本設部品を多く使用する
ので、芯出し装置の仮設品の解体・撤去と本設乗りかご
部品等の搬入・組立の手間を大幅に省くことができ、短
工期化の効果が得られる。
【0060】また、下方のガイドレールの固定済部分2
3でかご枠17を支持して金属線14を基準にフレーム
1と上方のガイドレール10を位置決めするので、昇降
路11の建材などでかご枠17を支持して位置決めする
場合と比較して、全長と動作ストロークの短いアクチュ
エータ38を使用することができる。このため、芯出し
装置を小型,軽量、かつ安価に構成することができ、そ
の昇降路11内への搬入・組立と一部解体・撤去を迅速
かつ容易に行える。短ストローク化により各アクチュエ
ータ38の変位検出器50の分解能を高めることができ
るので、芯出し位置を高精度化できる。
【0061】また、補正機構5にパラレルマニピュレー
タ48を使用しているので、アクチュエータ38がマニ
ピュレータ48の構造部材を兼ねることができ、多関節
型や直交型等の直列式のマニピュレータを使用する場合
と比較して、ある一個のアクチュエータの自重を他のア
クチュエータで保持する必要が無いため、より小型の補
正機構5でより大きな操作力・操作トルクを発生するこ
とができる。またアクチュエータ38からなる各リンク
の配置がクロスヘッド46のX−Z平面とY−Z平面に
関して対称的であるから、操作力・操作トルクの等方性
に勝っている。即ち、現在位置からの動作に際して、各
方向に向けてほぼ等しい力やトルクを発生することがで
きる。
【0062】さらに、補正機構5にクロスヘッド46か
ら垂下させる構造のパラレルマニピュレータ48を使用
しているので、クロスヘッド46の上方にフレーム1を
保持するようにパラレルマニピュレータ48を設置する
構造と較べても、第一にマニピュレータ48のストロー
クをより短くできて、装置のより一層の小型化・軽量化
が達成されるとともに、第二にかごの下方に設けられた
支持機構6から芯出し装置の上端までの上下寸法がより
小さくなるため、昇降路内の最上段のガイドレール、な
いしは最上段に近いガイドレールまでも芯出し作業の適
用対象に含めることが可能になり、第三に芯出し時に作
業者がクロスヘッド46の上、またはクロスヘッド46
の周辺に作業床を仮設してその上に乗るという必要が生
じないので、安全性と作業性が良くなり工数低減が図れ
る。
【0063】また本実施例の配置によれば、各アクチュ
エータ38の変位が概ね等しくなるような、パラレルマ
ニピュレータ48の原点位置・姿勢付近を動作領域・姿
勢として使用できるため、動作領域内にパラレルマニピ
ュレータ48の動作自由度が増加する特異点を含まない
ので、その制御性を良くできる。
【0064】第二の実施例として、図7に示すように、
5本の直動型アクチュエータ62による可変長リンク6
4と、1本の長さ不変のリンク65でパラレルマニピュ
レータ48を構成することもできる。この芯出し装置で
は、フレーム1の上下方向(Z方向)の微調整機能が不
要なので、マニピュレータ48の水平面内二方向変位
(例えば直交二方向X,Y変位)と、必要に応じて最大
3軸まわりの姿勢とを制御可能である。
【0065】本実施例によれば、自由度を減少させるこ
となく制御すべき軸数を節減できるので、本装置の変位
検出機構の機能に好適であり、コンパクトで軽量な装置
を安価に構成できる。
【0066】一方、上述のようにして一対のメインガイ
ドレール10を芯出しして固定したのち、ガイドレール
10の芯出し精度を検査する作業に、本発明の芯出し装
置をそのまま使用することもできる。下部の支持機構6
を開放した状態で、昇降機構2により乗りかご7を上昇
または下降させながら、検出機構4の変位信号を連続的
に使用して、乗りかご7の金属線14からの水平変位を
求め、間接的にガイドレール10の変位を測定する。変
位の最大値もしくは平均値等の何らかの代表値と仕様値
とを比較して、芯出し精度の合否を判定する。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、芯出し作業を自動的に
行えるので第一,第二の公知例や、第三の公知例と比較
して、ガイドレールの芯出し位置,姿勢の高精度化,作
業品質安定化の効果が得られる。
【0068】また第四の公知例と比較して、本発明では
芯出し装置の大物部材として、乗りかごのかご床20,
かご枠17,巻上機9等の本設部品を多く使用するの
で、芯出し装置の仮設品の搬入・組立・解体・撤去と本
設乗りかご部品等の搬入・組立の手間を大幅に省くこと
ができ、エレベータの据付け工事を短工期化する。
【0069】また第四の公知例と比較して、本発明では
昇降路壁42に対してかご枠17を位置決めさせる代わ
りに、かご枠17に対してフレーム1を位置決めさせる
ことによってガイドレール10の芯出しを達成するの
で、より短ストロークのアクチュエータ38が使用でき
る。さらに本発明では、クロスヘッド46の下方の乗り
かごのかご枠内部にマニピュレータ48を設置するの
で、作業性が良くなるとともに、一層短ストロークで小
型,軽量なガイドレール芯出し装置を構成できる。
【0070】したがって、芯出し装置の小型化と軽量化
ができる。短ストローク化により各アクチュエータ38
の変位検出器50の分解能を高めることができるので、
芯出し位置を高精度化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の芯出し装置を適用する
エレベータ昇降路内の斜視図。
【図2】本発明の第一の実施例の芯出し装置の斜視図。
【図3】本発明の第一の実施例の装置のレール把持機構
の斜視図。
【図4】本発明の第一の実施例の装置の検出機構の説明
図。
【図5】本発明の第一の実施例の装置の動作方法を表す
ブロック図。
【図6】本発明の第一の実施例の装置のパラレルマニピ
ュレータの斜視図。
【図7】本発明の第二の実施例の装置のパラレルマニピ
ュレータの斜視図。
【符号の説明】
1…フレーム、2…昇降機構、3…レール把持機構、4
…検出機構、5…補正機構、6…支持機構、7…本設の
乗りかご、8…機械室床、9…本設の巻上機、10…メ
インガイドレール、11…昇降路、12…上部テンプレ
ート、13…孔、14…金属線、15…錘、16…最下
部のガイドレール、17…乗りかご枠、18…プラット
フォーム、19…カウンタウエイト、20…乗りかご
床、21…ロープ、22…レールブラケット、23…ガ
イドレールの芯出し固定済みの部分、37…制御装置、
46…クロスヘッド、48…マニピュレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 和男 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 松田 晴基 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 金山 良悦 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 太田 正寿 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレベータの乗りかご用ガイドレールを芯
    出しする装置において、フレームと、昇降路内で前記フ
    レームを昇降させる昇降機構と、前記フレームに固定さ
    れて前記乗りかご用ガイドレールの位置決めすべき部分
    を把持するレール把持機構と、前記フレームに固定され
    て基準直線に対する前記フレームの相対位置と姿勢を検
    出する検出機構と、前記乗りかご上部のクロスヘッドを
    基部としてその下方に垂下されたマニピュレータにより
    前記フレームの位置と姿勢を補正する補正機構と、補正
    の際に前記ガイドレールから受ける反力を前記ガイドレ
    ールの固定済部分に伝えて前記フレームを高い剛性を持
    って支える支持機構とを備えたことを特徴とするエレベ
    ータガイドレールの芯出し用マニピュレータ。
JP21834793A 1993-09-02 1993-09-02 エレベータガイドレールの芯出し用マニピュレータ Pending JPH0769561A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19536994A1 (de) * 1995-10-04 1997-04-10 Wittur Aufzugteile Gmbh & Co Aufzugsystem und Verfahren zur Montage des Aufzugsystems
KR101298529B1 (ko) * 2011-08-05 2013-08-22 주식회사 포스코 버킷 견인 장치 및 이를 이용한 버킷 견인 방법

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