JPH0769379A - 保存用容器 - Google Patents
保存用容器Info
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- JPH0769379A JPH0769379A JP34233293A JP34233293A JPH0769379A JP H0769379 A JPH0769379 A JP H0769379A JP 34233293 A JP34233293 A JP 34233293A JP 34233293 A JP34233293 A JP 34233293A JP H0769379 A JPH0769379 A JP H0769379A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本来品質保持の対象となる食品の品質(鮮
度)を保つとともに、開封時の不快な刺激臭を低減で
き、さらには耐衝撃性に優れる保存用容器を提供するこ
とにある。 【構成】 イソチオシアン酸エステル蒸気を含有する気
体と、鮮度保持対象である食品とを包装用容器内に密封
した保存用容器であって、前記包装用容器は、その内面
にイソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント層
を備えており、前記イソチオシアン酸エステル蒸気吸着
性のシーラント層の最内層の形成材料がポリオレフィン
系樹脂を含有するように構成する。
度)を保つとともに、開封時の不快な刺激臭を低減で
き、さらには耐衝撃性に優れる保存用容器を提供するこ
とにある。 【構成】 イソチオシアン酸エステル蒸気を含有する気
体と、鮮度保持対象である食品とを包装用容器内に密封
した保存用容器であって、前記包装用容器は、その内面
にイソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント層
を備えており、前記イソチオシアン酸エステル蒸気吸着
性のシーラント層の最内層の形成材料がポリオレフィン
系樹脂を含有するように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流通・保存時の生鮮食
品、加工食品の防黴、静菌を目的としたイソチオシアン
酸エステルを用いた食品の保存用袋体に関するものであ
る。
品、加工食品の防黴、静菌を目的としたイソチオシアン
酸エステルを用いた食品の保存用袋体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品や加工食品は、これらのものが
生産現場から消費者に到達するまでに多くの時間を要
し、その間に黴の発生や微生物の増殖による商品の低下
が問題になっている。
生産現場から消費者に到達するまでに多くの時間を要
し、その間に黴の発生や微生物の増殖による商品の低下
が問題になっている。
【0003】従来、黴発生の防止あるいは微生物の増殖
抑制方法として、エタノール発生剤を用いる方法、脱酸
素剤を用いる方法が検討、実施されている。また、食品
に混入させて使用する多くの防黴剤や抗菌剤が知られて
いる。
抑制方法として、エタノール発生剤を用いる方法、脱酸
素剤を用いる方法が検討、実施されている。また、食品
に混入させて使用する多くの防黴剤や抗菌剤が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エタノ
ール発生剤を用いる方法は、アルコール醗酵によりアル
コールや二酸化炭素を発生する酵母に対して効果が薄い
という問題がある。また、脱酸素剤を用いる方法は、ボ
ツリヌス菌に代表される嫌気性菌に対する効果が全くな
いという問題点や、酵母に代表される通性嫌気性菌に対
しては、効果が薄いという問題点がある。また、食品に
混入して使用する防黴剤や抗菌剤はそれ自体人体に対し
て毒性を有するものであり、その使用には厳しい制約を
受ける。
ール発生剤を用いる方法は、アルコール醗酵によりアル
コールや二酸化炭素を発生する酵母に対して効果が薄い
という問題がある。また、脱酸素剤を用いる方法は、ボ
ツリヌス菌に代表される嫌気性菌に対する効果が全くな
いという問題点や、酵母に代表される通性嫌気性菌に対
しては、効果が薄いという問題点がある。また、食品に
混入して使用する防黴剤や抗菌剤はそれ自体人体に対し
て毒性を有するものであり、その使用には厳しい制約を
受ける。
【0005】ところで、従来、抗菌作用を有する天然物
は数多く知られており、特にワサビは優れた殺菌作用を
有することが知られている。また、ワサビの抗菌作用の
主成分であるイソチオシアン酸エステルを用いて、食品
の殺菌作用を行うことも公知である。例えば、特開昭5
7−99182号にはイソチオシアン酸エステルを油に
溶解させた溶液を乳化剤の存在下で水中に乳化分散させ
た水性エマルジョン組成物が開示されている。しかしな
がら、この水性エマルジョン組成物は食品に混入して使
用されるため、食品の風味を損なう可能性があり好まし
くない。
は数多く知られており、特にワサビは優れた殺菌作用を
有することが知られている。また、ワサビの抗菌作用の
主成分であるイソチオシアン酸エステルを用いて、食品
の殺菌作用を行うことも公知である。例えば、特開昭5
7−99182号にはイソチオシアン酸エステルを油に
溶解させた溶液を乳化剤の存在下で水中に乳化分散させ
た水性エマルジョン組成物が開示されている。しかしな
がら、この水性エマルジョン組成物は食品に混入して使
用されるため、食品の風味を損なう可能性があり好まし
くない。
【0006】また、特開昭58−63348号には、イ
ソチオシアン酸エステルをゼオライトに吸着させたもの
を青果物容器内に封入し、青果物を保存する方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、容器に残存す
るイソチオシアン酸エステルの濃度については何ら考慮
されておらず、開封時の刺激臭の問題、あるいは食品へ
の臭いの移行に関する問題が生じていた。
ソチオシアン酸エステルをゼオライトに吸着させたもの
を青果物容器内に封入し、青果物を保存する方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、容器に残存す
るイソチオシアン酸エステルの濃度については何ら考慮
されておらず、開封時の刺激臭の問題、あるいは食品へ
の臭いの移行に関する問題が生じていた。
【0007】また、耐衝撃性(特に寒冷雰囲気中での)
に優れた容器の提案も要望されている。すなわち、容器
内に比較的重量のある内容物、例えば生餅等を収納し、
搬送中に容器を不注意に落下させたり、あるいは打撃し
た場合であっても、容器に亀裂等が生じることなく、内
容物の品質保証ができる容器の提案も要望されている。
に優れた容器の提案も要望されている。すなわち、容器
内に比較的重量のある内容物、例えば生餅等を収納し、
搬送中に容器を不注意に落下させたり、あるいは打撃し
た場合であっても、容器に亀裂等が生じることなく、内
容物の品質保証ができる容器の提案も要望されている。
【0008】本発明はこのような実情に基づいて創案さ
れたものであり、本発明の目的は本来品質保持の対象と
なる食品の品質(鮮度)を保つとともに、開封時の不快
な刺激臭を低減できる保存用容器を提供することにあ
る。さらには耐衝撃性に優れた容器を提供することにも
ある。
れたものであり、本発明の目的は本来品質保持の対象と
なる食品の品質(鮮度)を保つとともに、開封時の不快
な刺激臭を低減できる保存用容器を提供することにあ
る。さらには耐衝撃性に優れた容器を提供することにも
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明者らは種々研究を重ねた結果、容器内部
のイソチオシアン酸エステル蒸気を低減させることがで
きるイソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント
を具備する包装容器に食品とイソチオシアン酸エステル
蒸気を含有する気体を密封することによって、刺激臭に
よる悪影響を与えることなく包装された食品の鮮度を良
好に維持することが可能であることを知見し、本発明に
想到した。
るために本発明者らは種々研究を重ねた結果、容器内部
のイソチオシアン酸エステル蒸気を低減させることがで
きるイソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント
を具備する包装容器に食品とイソチオシアン酸エステル
蒸気を含有する気体を密封することによって、刺激臭に
よる悪影響を与えることなく包装された食品の鮮度を良
好に維持することが可能であることを知見し、本発明に
想到した。
【0010】すなわち、本発明は、イソチオシアン酸エ
ステル蒸気を含有する気体と、鮮度保持対象である食品
とを包装用容器内に密封した保存用容器であって、前記
包装用容器は、その内面にイソチオシアン酸エステル蒸
気吸着性のシーラント層を備えており、前記イソチオシ
アン酸エステル蒸気吸着性のシーラント層の最内層の形
成材料がポリオレフィン系樹脂を含有するように構成し
た。
ステル蒸気を含有する気体と、鮮度保持対象である食品
とを包装用容器内に密封した保存用容器であって、前記
包装用容器は、その内面にイソチオシアン酸エステル蒸
気吸着性のシーラント層を備えており、前記イソチオシ
アン酸エステル蒸気吸着性のシーラント層の最内層の形
成材料がポリオレフィン系樹脂を含有するように構成し
た。
【0011】また、前記ポリオレフィン系樹脂が、低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、カミンスキー触媒を用
いて重合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のいずれかであるように構成し
た。
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、カミンスキー触媒を用
いて重合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のいずれかであるように構成し
た。
【0012】
【作用】包装用容器内のイソチオシアン酸エステル蒸気
は、一部または全部がポリオレフィン系樹脂よりなるシ
ーラント層に吸着・除去され、包装用容器の中は適度な
イソチオシアン酸エステル蒸気濃度になる。
は、一部または全部がポリオレフィン系樹脂よりなるシ
ーラント層に吸着・除去され、包装用容器の中は適度な
イソチオシアン酸エステル蒸気濃度になる。
【0013】従って、食品の品質(鮮度)が保てること
はもとより、開封時の刺激臭の問題や食品への臭いの移
行の問題は回避される。また、ポリオレフィン系樹脂を
ポリエチレン系樹脂とすることにより耐衝撃性に優れた
ものとなる。
はもとより、開封時の刺激臭の問題や食品への臭いの移
行の問題は回避される。また、ポリオレフィン系樹脂を
ポリエチレン系樹脂とすることにより耐衝撃性に優れた
ものとなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の保存用容器1を図面を参照し
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
【0015】図1には、保存用容器1の一実施例を示す
縦断面図が示される。
縦断面図が示される。
【0016】本発明の保存用容器1は、包装用容器50
と、鮮度保持対象である食品20とを備えている。さら
に、包装用容器50(保存用容器1)の中にはイソチオ
シアン酸エステル蒸気を含有する気体が封入されてい
る。
と、鮮度保持対象である食品20とを備えている。さら
に、包装用容器50(保存用容器1)の中にはイソチオ
シアン酸エステル蒸気を含有する気体が封入されてい
る。
【0017】保存用容器50内にイソチオシアン酸エス
テル蒸気を存在せしめる手段としては、特に限定されな
いが、本発明においては、例えば下記の方法を選択する
ことができる。 (1)イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材10を包
装用容器50内に収納する方法(図1に示される)。 (2)イソチオシアン酸エステル蒸気を含有する気体を
包装用容器50内に封入する方法。
テル蒸気を存在せしめる手段としては、特に限定されな
いが、本発明においては、例えば下記の方法を選択する
ことができる。 (1)イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材10を包
装用容器50内に収納する方法(図1に示される)。 (2)イソチオシアン酸エステル蒸気を含有する気体を
包装用容器50内に封入する方法。
【0018】前記(1)の方法において、イソチオシア
ン酸エステル蒸気発生部材10(以下単に、発生部材1
0と称す)は、イソチオシアン酸エステル蒸気を発生で
きる形態でありさえすれば特に限定されるものではない
が、例えば、発生部材10は、図2に示されるように固
形状の鮮度保持剤7と、該鮮度保持剤7を包装するため
の小袋体8とを備えた形態とすることができる。本実施
例における小袋体8は、2枚のフィルム(シート)1
1,13を対置させ、その周縁部をヒートシール部15
で融着することにより形成されており、その内部スペー
スE内に鮮度保持剤7が収納される(図3)。
ン酸エステル蒸気発生部材10(以下単に、発生部材1
0と称す)は、イソチオシアン酸エステル蒸気を発生で
きる形態でありさえすれば特に限定されるものではない
が、例えば、発生部材10は、図2に示されるように固
形状の鮮度保持剤7と、該鮮度保持剤7を包装するため
の小袋体8とを備えた形態とすることができる。本実施
例における小袋体8は、2枚のフィルム(シート)1
1,13を対置させ、その周縁部をヒートシール部15
で融着することにより形成されており、その内部スペー
スE内に鮮度保持剤7が収納される(図3)。
【0019】鮮度保持剤7は、抗菌性を備えるイソチオ
シアン酸エステルを含有させるための担持体7aと、こ
の担持体7aに含有されたイソチオシアン酸エステルを
有する。
シアン酸エステルを含有させるための担持体7aと、こ
の担持体7aに含有されたイソチオシアン酸エステルを
有する。
【0020】一方、前記(2)の方法においては、例え
ば、イソチオシアン酸エステルを含有せしめた液化炭酸
ガスが好適に利用できる。
ば、イソチオシアン酸エステルを含有せしめた液化炭酸
ガスが好適に利用できる。
【0021】本発明におけるイソチオシアン酸エステル
としては、イソチオシアン酸の脂肪族系および芳香族系
の各種エステルが用いられ、中でも特に好ましくはイソ
チオシアン酸エステル(CH2=CHCH2NCS)や、イソチオシ
アン酸アルキルエステル(RNCS、R: アルキル基)が用い
られる。
としては、イソチオシアン酸の脂肪族系および芳香族系
の各種エステルが用いられ、中でも特に好ましくはイソ
チオシアン酸エステル(CH2=CHCH2NCS)や、イソチオシ
アン酸アルキルエステル(RNCS、R: アルキル基)が用い
られる。
【0022】本発明においては、簡易な方法としてカラ
シ油をそのまま、あるいは油性液体に溶解させた形態で
用いることができる。
シ油をそのまま、あるいは油性液体に溶解させた形態で
用いることができる。
【0023】このようなイソチオシアン酸エステルを含
有せしめる担持体7aとしては、各種の多孔質粉末、粘
土鉱物、紙、不織布、セルロースマット等が例示される
が、イソチオシアン酸エステルを含有せしめ得る素材で
あれば特に限定されるものではない。
有せしめる担持体7aとしては、各種の多孔質粉末、粘
土鉱物、紙、不織布、セルロースマット等が例示される
が、イソチオシアン酸エステルを含有せしめ得る素材で
あれば特に限定されるものではない。
【0024】このような担持体7a(鮮度保持剤7)の
形状には特に制限はなく、粒状、シート状、マット状、
塊状、練り込んでブロック状の所定形状に固めたもの等
種々の形態が採択できる。
形状には特に制限はなく、粒状、シート状、マット状、
塊状、練り込んでブロック状の所定形状に固めたもの等
種々の形態が採択できる。
【0025】このような担持体7aに含有されるイソチ
オシアン酸エステルの含有量は、保存対象である食品の
種類、量、包装体積、パウチ面積、鮮度保持期間により
最適な含量が変動するために特に規定されないが、設定
の目安として鮮度保持剤1個当たり0.1〜100mg
の範囲とすることが特に好ましい。
オシアン酸エステルの含有量は、保存対象である食品の
種類、量、包装体積、パウチ面積、鮮度保持期間により
最適な含量が変動するために特に規定されないが、設定
の目安として鮮度保持剤1個当たり0.1〜100mg
の範囲とすることが特に好ましい。
【0026】このイソチオシアン酸エステルの含有量が
0.1mg未満となると、イソチオシアン酸エステル蒸
気の発生量が少なく鮮度保持効果が期待できず、この一
方で、イソチオシアン酸エステルの含有量が100mg
を越えても鮮度保持効果は増大せず、100mgを越え
る使用は経済性に欠ける。
0.1mg未満となると、イソチオシアン酸エステル蒸
気の発生量が少なく鮮度保持効果が期待できず、この一
方で、イソチオシアン酸エステルの含有量が100mg
を越えても鮮度保持効果は増大せず、100mgを越え
る使用は経済性に欠ける。
【0027】このようなイソチオシアン酸エステルと、
このものを保持する担持体7aを備える鮮度保持剤7
は、通常の形態として小袋体8に収納されているので、
小袋体8には、鮮度保持剤7から発せられたイソチオシ
アン酸エステル蒸気が透過する形態ないしは材質が必要
となる。
このものを保持する担持体7aを備える鮮度保持剤7
は、通常の形態として小袋体8に収納されているので、
小袋体8には、鮮度保持剤7から発せられたイソチオシ
アン酸エステル蒸気が透過する形態ないしは材質が必要
となる。
【0028】小袋体8からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させる方法として、小袋体8を構成するフィル
ムに複数の小さな通気孔を穿設し、この通気孔からイソ
チオシアン酸エステル蒸気を透過させたり、あるいは、
小袋体8を構成するフィルムを、イソチオシアン酸エス
テル蒸気が透過可能な易透過性のフィルム材質とし、こ
の面からイソチオシアン酸エステル蒸気を透過させるよ
うにしてもよい。
気を透過させる方法として、小袋体8を構成するフィル
ムに複数の小さな通気孔を穿設し、この通気孔からイソ
チオシアン酸エステル蒸気を透過させたり、あるいは、
小袋体8を構成するフィルムを、イソチオシアン酸エス
テル蒸気が透過可能な易透過性のフィルム材質とし、こ
の面からイソチオシアン酸エステル蒸気を透過させるよ
うにしてもよい。
【0029】易透過性のフィルム材質としては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重
合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム、アイオノマーフィルム、塩化ビニルフィル
ム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィ
ルムの1種以上のフィルム、あるいはそれらの1種以上
と通気性包装材料である紙、不織布、微細連通加工を施
したプラスチックフィルム、無機フィラーを添加し延伸
加工を施したプラスチックフィルムの1種以上との貼合
品が挙げられる。なお、易透過性のフィルム材質のもの
のみで小袋体8全体を構成しても良いし、また、その一
部、例えば片側フィルム面(例えば、11面)のみ易透
過性のフィルム材質としてもよい。後者の場合は他方の
面(例えば、13面)をイソチオシアン酸エステル蒸気
難透過性のフィルムとし、この面側を食品に向ければ、
抗菌作用を有するイソチオシアン酸エステルの食品への
移行を極力防止することができ得る。
ば、ポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重
合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム、アイオノマーフィルム、塩化ビニルフィル
ム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィ
ルムの1種以上のフィルム、あるいはそれらの1種以上
と通気性包装材料である紙、不織布、微細連通加工を施
したプラスチックフィルム、無機フィラーを添加し延伸
加工を施したプラスチックフィルムの1種以上との貼合
品が挙げられる。なお、易透過性のフィルム材質のもの
のみで小袋体8全体を構成しても良いし、また、その一
部、例えば片側フィルム面(例えば、11面)のみ易透
過性のフィルム材質としてもよい。後者の場合は他方の
面(例えば、13面)をイソチオシアン酸エステル蒸気
難透過性のフィルムとし、この面側を食品に向ければ、
抗菌作用を有するイソチオシアン酸エステルの食品への
移行を極力防止することができ得る。
【0030】さらに、他の小袋体8(発生部材10’)
の形態としては、図4に示されるようにヒートシール部
分16に複数の線状の未接着部分16aを設け、これを
通気孔とし、この部分からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させるようにしてもよい。
の形態としては、図4に示されるようにヒートシール部
分16に複数の線状の未接着部分16aを設け、これを
通気孔とし、この部分からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させるようにしてもよい。
【0031】このような未接着部分16aは、ヒートシ
ールに際して、融着すべく包装材料間に接着されない部
分が生じるようにヒートシール熱板に適宜、連通のため
の溝を備えたものを用いれば容易に形成できる。
ールに際して、融着すべく包装材料間に接着されない部
分が生じるようにヒートシール熱板に適宜、連通のため
の溝を備えたものを用いれば容易に形成できる。
【0032】なお、図4において、Kはフィルム折り返
し部分であり、S1は、通気性のないヒートシール部を
示す。
し部分であり、S1は、通気性のないヒートシール部を
示す。
【0033】本発明における包装用容器50は、図1に
示されるようにイソチオシアン酸エステル蒸気濃度を低
減させることができるイソチオシアン酸エステル蒸気吸
着性のシーラント層57(以下、単にシーラント層57
と称す)を任意の基材層52の上(内側)に備えてい
る。ここで、シーラント層57は、ヒートシールにより
包装用容器50を密封する機能と、包装用容器50の内
部のイソチオシアン酸エステル蒸気を吸着することによ
るイソチオシアン酸エステル蒸気濃度の低減作用とを備
える。
示されるようにイソチオシアン酸エステル蒸気濃度を低
減させることができるイソチオシアン酸エステル蒸気吸
着性のシーラント層57(以下、単にシーラント層57
と称す)を任意の基材層52の上(内側)に備えてい
る。ここで、シーラント層57は、ヒートシールにより
包装用容器50を密封する機能と、包装用容器50の内
部のイソチオシアン酸エステル蒸気を吸着することによ
るイソチオシアン酸エステル蒸気濃度の低減作用とを備
える。
【0034】本発明において、前記シーラント層57の
最内層の形成材料はポリオレフィン系樹脂を含有するよ
うに構成される。
最内層の形成材料はポリオレフィン系樹脂を含有するよ
うに構成される。
【0035】ポリオレフィン系樹脂としては、まずポリ
プロピレンが挙げられる。すなわち、シーラント層57
はポリプロピレンを含有するポリプロピレン含有体の単
層構造としたり、あるいは最内層のみをポリプロピレン
含有体から構成する積層体構造としてもよい。
プロピレンが挙げられる。すなわち、シーラント層57
はポリプロピレンを含有するポリプロピレン含有体の単
層構造としたり、あるいは最内層のみをポリプロピレン
含有体から構成する積層体構造としてもよい。
【0036】ここでポリプロピレン含有体としては、プ
ロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレ
ン−ブテン共重合体の1種または2種以上を50〜10
0重量%含有するものを挙げることができる。ポリプロ
ピレン含有体の含有率が50重量%未満となると、イソ
チオシアン酸エステル蒸気を適度に程よく吸着すること
ができなくなる。
ロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレ
ン−ブテン共重合体の1種または2種以上を50〜10
0重量%含有するものを挙げることができる。ポリプロ
ピレン含有体の含有率が50重量%未満となると、イソ
チオシアン酸エステル蒸気を適度に程よく吸着すること
ができなくなる。
【0037】ポリオレフィン系樹脂としては、さらにポ
リエチレン系樹脂が挙げられる。
リエチレン系樹脂が挙げられる。
【0038】ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、カミンスキー触媒を用いて重
合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体のいずれかが用いられる。
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、カミンスキー触媒を用いて重
合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体のいずれかが用いられる。
【0039】ここで、シーラント層の最内層の形成材料
が、ポリオレフィン系樹脂以外のもの、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを
シーラント層の最内面に用いた場合には、包装用容器内
のイソチオシアン酸エステル蒸気濃度の低下が遅く、開
封時の臭いが問題となる場合や、内容物への着香が問題
となる場合があり好ましくない。
が、ポリオレフィン系樹脂以外のもの、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを
シーラント層の最内面に用いた場合には、包装用容器内
のイソチオシアン酸エステル蒸気濃度の低下が遅く、開
封時の臭いが問題となる場合や、内容物への着香が問題
となる場合があり好ましくない。
【0040】なお、上記任意の基材層52の材質は特に
制限はなく、包装材料として用いられる公知の種々の材
料から形成される。また、基材層52を用いずに、前記
シーラント層57のみで包装容器50を形成することも
勿論可能である(例えば、ポリオレフィン系樹脂よりな
るパウチ形態やポリオレフィン系樹脂のトレー・カップ
形態を採用する場合等)。
制限はなく、包装材料として用いられる公知の種々の材
料から形成される。また、基材層52を用いずに、前記
シーラント層57のみで包装容器50を形成することも
勿論可能である(例えば、ポリオレフィン系樹脂よりな
るパウチ形態やポリオレフィン系樹脂のトレー・カップ
形態を採用する場合等)。
【0041】また、任意の基材層52を酸素バリア性の
包装材料とし、包装容器50に酸素バリア性を付与する
ことも可能である。この場合、包装容器50中に脱酸素
剤を封入することや各種不活性ガス包装充填することが
可能となる。酸素バリア性の包装材料としては、ポリ塩
化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィ
ルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物フィルム、
アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、無機物蒸着フィルム
(例えば、Al2 O3 ,SiOX 等の無機物をフィルム
に蒸着したもの)等が挙げられる。
包装材料とし、包装容器50に酸素バリア性を付与する
ことも可能である。この場合、包装容器50中に脱酸素
剤を封入することや各種不活性ガス包装充填することが
可能となる。酸素バリア性の包装材料としては、ポリ塩
化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィ
ルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物フィルム、
アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、無機物蒸着フィルム
(例えば、Al2 O3 ,SiOX 等の無機物をフィルム
に蒸着したもの)等が挙げられる。
【0042】本発明におけるイソチオシアン酸エステル
蒸気濃度の調整・設定は、以下の条件を目安にして行わ
れることが好ましい。まず、鮮度保持効果の目安として
は、内容物(食品20)を同封しない包装容器50を用
いて、容器内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時
間以内に5ppm(V/V)以上、その最大値が10p
pm(V/V)以上となるように設定する。ここで、包
装容器50の空間(空気体積)は、食品20を同封した
時と同等とする必要がある。また、開封時のワサビ臭の
目安としては、食品を同封した状態で、480時間以内
に10ppm(V/V)以下となるように設定する。上
記イソチオシアン酸エステル濃度の調整・設定は、適
宜、空間率、容器面積、イソチオシアン酸エステル蒸気
発生部材10のイソチオシアン酸エステル含有量、封入
するイソチオシアン酸エステル蒸気量等の選択により行
われる。
蒸気濃度の調整・設定は、以下の条件を目安にして行わ
れることが好ましい。まず、鮮度保持効果の目安として
は、内容物(食品20)を同封しない包装容器50を用
いて、容器内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時
間以内に5ppm(V/V)以上、その最大値が10p
pm(V/V)以上となるように設定する。ここで、包
装容器50の空間(空気体積)は、食品20を同封した
時と同等とする必要がある。また、開封時のワサビ臭の
目安としては、食品を同封した状態で、480時間以内
に10ppm(V/V)以下となるように設定する。上
記イソチオシアン酸エステル濃度の調整・設定は、適
宜、空間率、容器面積、イソチオシアン酸エステル蒸気
発生部材10のイソチオシアン酸エステル含有量、封入
するイソチオシアン酸エステル蒸気量等の選択により行
われる。
【0043】ここで、内容物を同封しない包装容器50
内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時間以内に5
ppm(V/V)以上の濃度に達しない場合には、鮮度
保持効果が発現する前に微生物が増殖してしまう恐れが
あり好ましくない。また、イソチオシアン酸エステル濃
度の最大値が10ppm(V/V)未満であると、微生
物の増殖抑制効果が薄れるため、鮮度保持効果が期待で
きず好ましくない。
内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時間以内に5
ppm(V/V)以上の濃度に達しない場合には、鮮度
保持効果が発現する前に微生物が増殖してしまう恐れが
あり好ましくない。また、イソチオシアン酸エステル濃
度の最大値が10ppm(V/V)未満であると、微生
物の増殖抑制効果が薄れるため、鮮度保持効果が期待で
きず好ましくない。
【0044】また、内容物を同封する包装容器50内の
イソチオシアン酸エステル濃度が480時間以内に10
ppm(V/V)以下の濃度にならない場合には、開封
時のワサビ臭が問題となる場合があり好ましくない。
イソチオシアン酸エステル濃度が480時間以内に10
ppm(V/V)以下の濃度にならない場合には、開封
時のワサビ臭が問題となる場合があり好ましくない。
【0045】ここで、鮮度保持効果に関するイソチオシ
アン酸エステル濃度の設定が、内容物を同封しない空容
器を基準とするのは、内容物(食品20)によってイソ
チオシアン酸エステル吸着量が異なるため、食品同封下
でのイソチオシアン酸エステル濃度の推移が基準と成り
得ないためである。
アン酸エステル濃度の設定が、内容物を同封しない空容
器を基準とするのは、内容物(食品20)によってイソ
チオシアン酸エステル吸着量が異なるため、食品同封下
でのイソチオシアン酸エステル濃度の推移が基準と成り
得ないためである。
【0046】以下、具体的実験例を示し本発明をさらに
詳細に説明する。 〔実験例1〕実施例サンプル1の作製 イソチオシアン酸アリルエステル1重量部をコーン油9
9重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを10mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
詳細に説明する。 〔実験例1〕実施例サンプル1の作製 イソチオシアン酸アリルエステル1重量部をコーン油9
9重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを10mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
【0047】この鮮度保持剤7を2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
【0048】次いで、包装用容器50として、2軸延伸
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン
(東京セロファン紙社製、トーセロOP−SC、厚さ3
0μm)のフィルムを200mm×300mmにカッテ
ィングし、3方をヒートシールし、包装用容器50(パ
ウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラント
層:無延伸ポリプロピレン)を作成した。
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン
(東京セロファン紙社製、トーセロOP−SC、厚さ3
0μm)のフィルムを200mm×300mmにカッテ
ィングし、3方をヒートシールし、包装用容器50(パ
ウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラント
層:無延伸ポリプロピレン)を作成した。
【0049】内容物としては、市販の無菌切り餅(40
mm×60mm×15mm)表面に黒黴胞子を塗布した
ものを用いた(餅1個当たり、黒黴胞子を100ケ塗
布)。黒黴胞子の餅への塗布は、下記手順に従って行っ
た。
mm×60mm×15mm)表面に黒黴胞子を塗布した
ものを用いた(餅1個当たり、黒黴胞子を100ケ塗
布)。黒黴胞子の餅への塗布は、下記手順に従って行っ
た。
【0050】黒黴胞子を無菌水に懸濁し、適宜希釈
し、1ml当たり約102 個の黒黴胞子を含有する菌液
を作成する。 上記菌液0.1mlを餅1個の表面全体に均一に塗布
する。
し、1ml当たり約102 個の黒黴胞子を含有する菌液
を作成する。 上記菌液0.1mlを餅1個の表面全体に均一に塗布
する。
【0051】菌液塗布後の餅を無菌エアーで乾燥す
る。
る。
【0052】上記方法で作成した餅10個を前記包装用
容器50の中に入れ、さらに前記イソチオシアン酸エス
テル蒸気発生部材10を同封し、開口部をヒートシール
密封した。包装用容器50の全体積は、1000mlで
あった。
容器50の中に入れ、さらに前記イソチオシアン酸エス
テル蒸気発生部材10を同封し、開口部をヒートシール
密封した。包装用容器50の全体積は、1000mlで
あった。
【0053】比較サンプル1の作成 シーラント層として、ポリエチレンテレフタレート系シ
ーラントフィルム(積水工業社製、エスティナP32
0、厚さ30μm)を用いた以外は、前記実施例サンプ
ルと同様にして比較例サンプル1を作成した。
ーラントフィルム(積水工業社製、エスティナP32
0、厚さ30μm)を用いた以外は、前記実施例サンプ
ルと同様にして比較例サンプル1を作成した。
【0054】これらの実施例サンプルおよび比較サンプ
ルの各々20袋(餅200個分)を22℃の環境下に8
週間保存した。
ルの各々20袋(餅200個分)を22℃の環境下に8
週間保存した。
【0055】保存テストの評価は、保存中の包装容器内
のイソチオシアン酸エステル濃度および黴の発生の度合
いで評価した。
のイソチオシアン酸エステル濃度および黴の発生の度合
いで評価した。
【0056】結果を下記表1ならびに図5および図6に
示す。
示す。
【0057】表1には黴の発生度合いが、図5および図
6には実施例および比較例のイソチオシアン酸エステル
濃度の推移が示される。
6には実施例および比較例のイソチオシアン酸エステル
濃度の推移が示される。
【0058】
【表1】 これらの結果より、本発明の保存容器は、鮮度保持効果
が十分で、開封時に強いワサビ臭も認められず、極めて
良好な特性を備えることが分かる。これに対して、比較
サンプル1のものは、鮮度保持効果は十分であるもの
の、開封時に強いワサビ臭が認められた。 〔実験例2〕実施例サンプル2の作製 イソチオシアン酸アリルエステル3重量部をコーン油9
7重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを30mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
が十分で、開封時に強いワサビ臭も認められず、極めて
良好な特性を備えることが分かる。これに対して、比較
サンプル1のものは、鮮度保持効果は十分であるもの
の、開封時に強いワサビ臭が認められた。 〔実験例2〕実施例サンプル2の作製 イソチオシアン酸アリルエステル3重量部をコーン油9
7重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを30mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
【0059】この鮮度保持剤7を2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
【0060】次いで、包装用容器50として、2軸延伸
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/ポリエチレン(タマポ
リ社製、タマポリ・ポリエチレンフィルムV−1、厚さ
30μm)のフィルムを200mm×300mmにカッ
ティングし、3方をヒートシールし、包装用容器50
(パウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラン
ト層:ポリエチレン)を作成した。
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/ポリエチレン(タマポ
リ社製、タマポリ・ポリエチレンフィルムV−1、厚さ
30μm)のフィルムを200mm×300mmにカッ
ティングし、3方をヒートシールし、包装用容器50
(パウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラン
ト層:ポリエチレン)を作成した。
【0061】内容物としては、市販の無菌切り餅(40
mm×60mm×15mm)表面に黒黴胞子を塗布した
ものを用いた(餅1個当たり、黒黴胞子を100ケ塗
布)。黒黴胞子の餅への塗布は、下記手順に従って行っ
た。
mm×60mm×15mm)表面に黒黴胞子を塗布した
ものを用いた(餅1個当たり、黒黴胞子を100ケ塗
布)。黒黴胞子の餅への塗布は、下記手順に従って行っ
た。
【0062】黒黴胞子を無菌水に懸濁し、適宜希釈
し、1ml当たり約103 個の黒黴胞子を含有する菌液
を作成する。 上記菌液0.1mlを餅1個の表面全体に均一に塗布
する。
し、1ml当たり約103 個の黒黴胞子を含有する菌液
を作成する。 上記菌液0.1mlを餅1個の表面全体に均一に塗布
する。
【0063】菌液塗布後の餅を無菌エアーで乾燥す
る。
る。
【0064】上記方法で作成した餅10個を前記包装用
容器50の中に入れ、さらに前記イソチオシアン酸エス
テル蒸気発生部材10を同封し、開口部をヒートシール
密封した。包装用容器50の全体積は、1000mlで
あった。
容器50の中に入れ、さらに前記イソチオシアン酸エス
テル蒸気発生部材10を同封し、開口部をヒートシール
密封した。包装用容器50の全体積は、1000mlで
あった。
【0065】実施例サンプル3の作成 シーラント層として、無延伸ポリプロピレン(東京セロ
ファン紙社製、トーセロCP−SC、厚さ30μm)を
用いた以外は、前記実施例サンプル2と同様にして実姉
例サンプル3を作成した。
ファン紙社製、トーセロCP−SC、厚さ30μm)を
用いた以外は、前記実施例サンプル2と同様にして実姉
例サンプル3を作成した。
【0066】比較サンプル2の作成 シーラント層として、ポリエチレンテレフタレート系シ
ーラントフィルム(積水工業社製、エスティナP32
0、厚さ30μm)を用いた以外は、前記実施例サンプ
ル2と同様にして比較例サンプル2を作成した。
ーラントフィルム(積水工業社製、エスティナP32
0、厚さ30μm)を用いた以外は、前記実施例サンプ
ル2と同様にして比較例サンプル2を作成した。
【0067】これらの実施例サンプル2,3および比較
サンプルの各々20袋(餅200個分)を22℃の環境
下に8週間保存した。
サンプルの各々20袋(餅200個分)を22℃の環境
下に8週間保存した。
【0068】保存テストの評価は、黴の発生の度合いお
よびワサビ臭の有無で評価した。
よびワサビ臭の有無で評価した。
【0069】結果を下記表2および表3に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】 また、これらの実施例サンプル2,3および比較サンプ
ル2について、以下の条件下で耐衝撃性試験を行った。
ル2について、以下の条件下で耐衝撃性試験を行った。
【0072】試験条件 餅表面に黒黴を塗布することなく、上記と同様に作製し
たサンプル各20袋を、3℃の冷蔵室にて高さ1mのと
ころから落下させて、破袋数を測定した。
たサンプル各20袋を、3℃の冷蔵室にて高さ1mのと
ころから落下させて、破袋数を測定した。
【0073】結果を下記表4に示す。
【0074】
【表4】 これらの実験を行った結果、本発明の保存容器(実施例
サンプル)は、8週間保存後も黴の発生は確認されず鮮
度保持効果が十分で、開封時に強いワサビ臭も認められ
ず、極めて良好な特性を備えていた。また、耐衝撃性試
験の結果はポリエチレン系樹脂のものが特に良好であっ
た。
サンプル)は、8週間保存後も黴の発生は確認されず鮮
度保持効果が十分で、開封時に強いワサビ臭も認められ
ず、極めて良好な特性を備えていた。また、耐衝撃性試
験の結果はポリエチレン系樹脂のものが特に良好であっ
た。
【0075】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。
ある。
【0076】すなわち、本発明の保存用容器は、イソチ
オシアン酸エステル蒸気を含有する気体と、鮮度保持対
象である食品とを包装用容器内に密封した保存用容器で
あって、前記包装用容器は、その内面にイソチオシアン
酸エステル蒸気吸着性のシーラント層を備えており、前
記イソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント層
の最内層の形成材料がポリオレフィン系樹脂を含有する
ように構成したので、イソチオシアン酸エステルは包装
容器に適度に程よく吸着され、品質保持の対象となる食
品の品質(鮮度)を保つことができることはもとより、
開封時の不快な刺激臭を低減されるという効果を奏す
る。また、ポリオレフィン系樹脂の中で、特にポリエチ
レン系樹脂のものを用いれば耐衝撃性に優れる。
オシアン酸エステル蒸気を含有する気体と、鮮度保持対
象である食品とを包装用容器内に密封した保存用容器で
あって、前記包装用容器は、その内面にイソチオシアン
酸エステル蒸気吸着性のシーラント層を備えており、前
記イソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント層
の最内層の形成材料がポリオレフィン系樹脂を含有する
ように構成したので、イソチオシアン酸エステルは包装
容器に適度に程よく吸着され、品質保持の対象となる食
品の品質(鮮度)を保つことができることはもとより、
開封時の不快な刺激臭を低減されるという効果を奏す
る。また、ポリオレフィン系樹脂の中で、特にポリエチ
レン系樹脂のものを用いれば耐衝撃性に優れる。
【図1】鮮度保持用袋体と食品とを共に包装用容器に収
納した状態を模式的に示す本発明の保存容器の断面図で
ある。
納した状態を模式的に示す本発明の保存容器の断面図で
ある。
【図2】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材の一実
施例を示す平面図である。
施例を示す平面図である。
【図3】図2のIII-III 断面矢視図である。
【図4】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材の他の
実施例を示す平面図である。
実施例を示す平面図である。
【図5】実施例および比較例の包装容器内のイソチオシ
アン酸エステル濃度の推移を示すグラフである。
アン酸エステル濃度の推移を示すグラフである。
【図6】実施例および比較例の包装容器内のイソチオシ
アン酸エステル濃度の推移を示すグラフである。
アン酸エステル濃度の推移を示すグラフである。
1…保存容器 7…鮮度保持剤 8…小袋体 10…イソチオシアン酸エステル発生部材 20…食品 50…包装用容器 52…任意の基材層 57…シーラント層
Claims (3)
- 【請求項1】 イソチオシアン酸エステル蒸気を含有す
る気体と、鮮度保持対象である食品とを包装用容器内に
密封した保存用容器であって、 前記包装用容器は、その内面にイソチオシアン酸エステ
ル蒸気吸着性のシーラント層を備えており、 前記イソチオシアン酸エステル蒸気吸着性のシーラント
層の最内層の形成材料がポリオレフィン系樹脂を含有す
ることを特徴とする保存用容器。 - 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂が、プロピレ
ンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合体、プロ
ピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテ
ン共重合体の1種または2種以上を50〜100重量%
含有することを特徴とする請求項1に記載の保存用容
器。 - 【請求項3】前記ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、カミンスキー触媒を用いて重
合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体のいずれかであることを特徴とする請
求項1に記載の保存用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34233293A JPH0769379A (ja) | 1993-06-30 | 1993-12-13 | 保存用容器 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18322893 | 1993-06-30 | ||
JP5-183228 | 1993-06-30 | ||
JP34233293A JPH0769379A (ja) | 1993-06-30 | 1993-12-13 | 保存用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0769379A true JPH0769379A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=26501751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34233293A Pending JPH0769379A (ja) | 1993-06-30 | 1993-12-13 | 保存用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0769379A (ja) |
-
1993
- 1993-12-13 JP JP34233293A patent/JPH0769379A/ja active Pending
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