JPH0717574A - 保存用容器 - Google Patents

保存用容器

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Publication number
JPH0717574A
JPH0717574A JP18322093A JP18322093A JPH0717574A JP H0717574 A JPH0717574 A JP H0717574A JP 18322093 A JP18322093 A JP 18322093A JP 18322093 A JP18322093 A JP 18322093A JP H0717574 A JPH0717574 A JP H0717574A
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JP
Japan
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isothiocyanate
container
film
ester
vapor
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Application number
JP18322093A
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English (en)
Inventor
Junichi Kuroki
潤一 黒木
Takuya Yamazaki
拓也 山崎
Kozo Mita
浩三 三田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本来品質保持の対象となる食品の品質(鮮
度)を保つとともに、開封時の不快な刺激臭を低減でき
る保存用容器を提供することにある。 【構成】 イソチオシアン酸エステル蒸気を発生させる
イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と、鮮度保持対
象である食品とを包装用容器に収納した保存用容器であ
って、前記包装用容器は、容器内部のイソチオシアン酸
エステル蒸気の濃度を低減させることができるイソチオ
シアン酸エステル濃度調整部を容器の一部または全部に
備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流通・保存時の生鮮食
品、加工食品の防黴、静菌を目的としたイソチオシアン
酸エステルを用いた食品の保存用袋体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品や加工食品は、これらのものが
生産現場から消費者に到達するまでに多くの時間を要
し、その間に黴の発生や微生物の増殖による商品の低下
が問題になっている。
【0003】従来、黴発生の防止あるいは微生物の増殖
抑制方法として、エタノール発生剤を用いる方法、脱酸
素剤を用いる方法が検討、実施されている。また、食品
に混入させた使用する多くの防黴剤や抗菌剤が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エタノ
ール発生剤を用いる方法は、アルコール醗酵によりアル
コールや二酸化炭素を発生する酵母に対して効果が薄い
という問題がある。また、脱酸素剤を用いる方法は、ボ
ツリヌス菌に代表される嫌気性菌に対する効果が全くな
いという問題点や、酵母に代表される通性嫌気性菌に対
しては、効果が薄いという問題点がある。また、食品に
混入して使用する防黴剤や抗菌剤はそれ自体人体に対し
て毒性を有するものであり、その使用には厳しい制約を
受ける。
【0005】ところで、従来、抗菌作用を有する天然物
は数多く知られており、特にワサビは優れた殺菌作用を
有することが知られている。また、ワサビの抗菌作用の
主成分であるイソチオシアン酸エステルを用いて、食品
の殺菌作用を行うことも公知である。例えば、特開昭5
7−99182号にはイソチオシアン酸エステルを油に
溶解させた溶液を乳化剤の存在下で水中に乳化分散させ
た水性エマルジョン組成物が開示されている。しかしな
がら、この水性エマルジョン組成物は食品に混入して使
用されるため、食品の風味を損なう可能性があり好まし
くない。
【0006】また、特開昭58−63348号には、イ
ソチオシアン酸エステルをゼオライトに吸着させたもの
を青果物容器内に封入し、青果物を保存する方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、容器に残存す
るイソチオシアン酸エステルの濃度については何ら考慮
されておらず、開封時の刺激臭の問題、あるいは食品へ
の臭いの移行に関する問題が生じていた。
【0007】本発明はこのような実情に基づいて創案さ
れたものであり、本発明の目的は本来品質保持の対象と
なる食品の品質(鮮度)を保つとともに、開封時の不快
な刺激臭を低減できる保存用袋体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明者らは種々研究を重ねた結果、容器内部
のイソチオシアン酸エステル蒸気を低減させることがで
きるイソチオシアン酸エステル濃度調整部を容器の一部
または全部に備える包装容器に食品とイソチオシアン酸
エステル蒸気発生部材を同封することによって、刺激臭
による悪影響を与えることなく包装された食品の鮮度を
良好に維持することが可能であることを知見し、本発明
に想到した。
【0009】すなわち、本発明は、イソチオシアン酸エ
ステル蒸気を発生させるイソチオシアン酸エステル蒸気
発生部材と、鮮度保持対象である食品とを包装用容器に
収納した保存用容器であって、前記包装用容器は、容器
内部のイソチオシアン酸エステル蒸気の濃度を低減させ
ることができるイソチオシアン酸エステル濃度調整部を
容器の一部または全部に備えており、前記イソチオシア
ン酸エステル濃度調整部は、イソチオシアン酸エステル
吸着部、イソチオシアン酸エステル透過部、通気部のい
ずれか1種であるように構成した。
【0010】
【作用】包装用容器の中に収納されたイソチオシアン酸
エステル蒸気発生部材からイソチオシアン酸エステル蒸
気が発せられ、包装用容器の中はイソチオシアン酸エス
テル蒸気で充満されるが、この蒸気の一部は包装用容器
に形成されたイソチオシアン酸エステル濃度調整部によ
り除去され、包装用容器の中は適度なイソチオシアン酸
エステル蒸気濃度になる。従って、食品の品質(鮮度)
が保てることはもとより、開封時の刺激臭の問題や食品
への臭いの移行の問題は回避される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の保存用容器1を図面を参照し
て詳細に説明する。
【0012】図1には、保存用容器1の一実施例を示す
縦断面図が示される。
【0013】本発明の保存用容器1は、包装用容器50
と、この包装用容器50の中に収納されるイソチオシア
ン酸エステル蒸気発生部材10と、鮮度保持対象である
食品20とを備えている。
【0014】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材1
0(以下単に、発生部材10と称す)は、イソチオシア
ン酸エステル蒸気を発生できる形態でありさえすれば特
に限定されるものではないが、通常、発生部材10は、
図2に示されるように固形状の鮮度保持剤7と、該鮮度
保持剤7を包装するための小袋体8とを備えている。本
実施例における小袋体8は、2枚のフィルム(シート)
11,13を対置させ、その周縁部をヒートシール部1
5で融着することにより形成されており、その内部スペ
ースE内に鮮度保持剤7が収納される(図3)。
【0015】鮮度保持剤7は、抗菌性を備えるイソチオ
シアン酸エステルを含有させるための担持体7aと、こ
の担持体7aに含有されたイソチオシアン酸エステルを
有する。
【0016】本発明におけるイソチオシアン酸エステル
としては、イソチオシアン酸の脂肪族系および芳香族系
の各種エステルが用いられ、中でも特に好ましくはイソ
チオシアン酸エステル(CH2=CHCH2NCS)や、イソチオシ
アン酸アルキルエステル(RNCS、R: アルキル基)が用い
られる。
【0017】本発明においては、簡易な方法としてカラ
シ油をそのまま、あるいは油性液体に溶解させた形態で
用いることができる。
【0018】このようなイソチオシアン酸エステルを含
有せしめる担持体7aとしては、各種の多孔質粉末、粘
土鉱物、紙、不織布、セルロースマット等が例示される
が、イソチオシアン酸エステルを含有せしめ得る素材で
あれば特に限定されるものではない。
【0019】このような担持体7a(鮮度保持剤7)の
形状には特に制限はなく、粒状、シート状、マット状、
塊状、練り込んでブロック状の所定形状に固めたもの等
種々の形態が採択できる。
【0020】このような担持体7aに含有されるイソチ
オシアン酸エステルの含有量は、保存対象である食品の
種類、量、包装体積、パウチ面積、鮮度保持期間により
最適な含量が変動するために特に規定されないが、設定
の目安として鮮度保持剤1個当たり0.1〜100mg
の範囲とすることが特に好ましい。
【0021】このイソチオシアン酸エステルの含有量が
0.1mg未満となると、イソチオシアン酸エステル蒸
気の発生量が少なく鮮度保持効果が期待できず、この一
方で、イソチオシアン酸エステルの含有量が100mg
を越えても鮮度保持効果は増大せず、100mgを越え
る使用は経済性に欠ける。
【0022】このようなイソチオシアン酸エステルと、
このものを保持する担持体7aを備える鮮度保持剤7
は、通常の形態として小袋体8に収納されているので、
小袋体8には、鮮度保持剤7から発せられたイソチオシ
アン酸エステル蒸気が透過する形態ないしは材質が必要
となる。
【0023】小袋体8からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させる方法として、小袋体8を構成するフィル
ムに複数の小さな通気孔を穿設し、この通気孔からイソ
チオシアン酸エステル蒸気を透過させたり、あるいは、
小袋体8を構成するフィルムを、イソチオシアン酸エス
テル蒸気が透過可能な易透過性のフィルム材質とし、こ
の面からイソチオシアン酸エステル蒸気を透過させるよ
うにしてもよい。
【0024】易透過性のフィルム材質としては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重
合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム、アイオノマーフィルム、塩化ビニルフィル
ム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィ
ルムの1種以上のフィルム、あるいはそれらの1種以上
と通気性包装材料である紙、不織布、微細連通加工を施
したプラスチックフィルム、無機フィラーを添加し延伸
加工を施したプラスチックフィルムの1種以上との貼合
品が挙げられる。なお、易透過性のフィルム材質のもの
のみで小袋体8全体を構成しても良いし、また、その一
部、例えば片側フィルム面(例えば、11面)のみ易透
過性のフィルム材質としてもよい。後者の場合は他方の
面(例えば、13面)をイソチオシアン酸エステル蒸気
難透過性のフィルムとし、この面側を食品に向ければ、
抗菌作用を有するイソチオシアン酸エステルの食品への
移行を極力防止することができ得る。
【0025】さらに、他の小袋体8(発生部材10’)
の形態としては、図4に示されるようにヒートシール部
分16に複数の線状の未接着部分16aを設け、これを
通気孔とし、この部分からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させるようにしてもよい。
【0026】このような未接着部分16aは、ヒートシ
ールに際して、融着すべく包装材料間に接着されない部
分が生じるようにヒートシール熱板に適宜、連通のため
の溝を備えたものを用いれば容易に形成できる。
【0027】なお、図4において、Kはフィルム折り返
し部分であり、S1は、通気性のないヒートシール部を
示す。
【0028】本発明における包装用容器50は、例えば
図1に示されるようにイソチオシアン酸エステル蒸気濃
度を低減させることができる調整部としてのイソチオシ
アン酸エステル吸着部51を備えた形態をとることがで
きる。
【0029】図1に示されるイソチオシアン酸エステル
吸着部51は、具体的にはポリエチレン、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ア
イオノマー、塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリメチル
ペンテンの1種以上を含む材料により形成されている。
【0030】このようなイソチオシアン酸エステル吸着
部51は単層でもよいし、あるいは積層体構造とし、最
内層のみを上記のイソチオシアン酸エステル吸着部51
としてもよい。ここで、イソチオシアン酸エステル吸着
部51が単層構造である場合には、吸着されたイソチオ
シアン酸エステルの一部は容器外部に透過し得ることは
言うまでもない。
【0031】この一方で、対向して配置されている包装
材料53は、上記イソチオシアン酸エステル吸着部51
と同様な材質とすることもできるし、あるいは、イソチ
オシアン酸エステル難吸着性のフィルムとすることもで
きる。
【0032】ここで包装用容器50の形態としては、パ
ウチ形状、トレー+フィルムの形状、トレー+蓋材の形
状、トレー+ラップフィルムの形状、トレー+蓋材+ラ
ップフィルム形状、紙カートン形状、等任意の形態が可
能である。
【0033】これらの包装用容器50や上記の発生部材
10等の設定は以下の条件を目安にして行われることが
好ましい。まず、鮮度保持効果の目安としては、内容物
(食品20)を同封しない包装容器50を用いて、容器
内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時間以内に5
ppm(V/V)以上、その最大値が10ppm(V/
V)以上となるように設定する。ここで、包装容器50
の空間(空気体積)は、食品20を同封した時と同等と
する必要がある。また、開封時のワサビ臭の目安として
は、食品を同封した状態で、480時間以内に10pp
m(V/V)以下となるように設定する。上記イソチオ
シアン酸エステル濃度の調整・設定は、空間率、容器面
積、容器材料、イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材
10中のイソチオシアン酸エステル含有量、イソチオシ
アン酸エステル透過性の包装材料等を適宜選択すること
により行われる。
【0034】ここで、内容物を同封しない包装容器50
内のイソチオシアン酸エステル濃度が48時間以内に5
ppm(V/V)以上の濃度に達しない場合には、鮮度
保持効果が発現する前に微生物が増殖してしまう恐れが
あり好ましくない。また、イソチオシアン酸エステル濃
度の最大値が10ppm(V/V)未満であると、微生
物の増殖抑制効果が薄れるため、鮮度保持効果が期待で
きず好ましくない。
【0035】また、内容物を同封する包装容器50内の
イソチオシアン酸エステル濃度が480時間以内に10
ppm(V/V)以下の濃度にならない場合には、開封
時のワサビ臭が問題となる場合があり好ましくない。
【0036】ここで、鮮度保持効果に関するイソチオシ
アン酸エステル濃度の設定が、内容物を同封しない空容
器を基準とするのは、内容物(食品20)によってイソ
チオシアン酸エステル吸着量が異なるため、食品同封下
でのイソチオシアン酸エステル濃度の推移が基準と成り
得ないためである。なお、食品20を収納する包装用容
器50とイソチオシアン酸エステル蒸気発生部材10と
によって、商品である保存容器40が形成される。
【0037】さらに、包装用容器50’の変形例とし
て、図5に示されるようにイソチオシアン酸エステル吸
着部51の外側に、さらに酸素バリア層57を形成した
包装容器50’の形態を取ることにより、包装容器5
0’に酸素バリア性を付与することも可能である。この
場合、包装容器50’の他の部分も酸素バリア性の包装
材料とすることが必須であり、包装容器50’中に脱酸
素剤を封入することや各種不活性ガス包装充填すること
が可能となる(ただし、脱酸素剤使用の場合には、脱酸
素剤へのイソチオシアン酸エステル吸着も考慮する必要
がある)。
【0038】酸素バリア性のフィルム(膜)57の材質
としては、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体鹸化物、、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、無
機物蒸着フィルム(例えば、Al23 ,SiOX 等の
無機物をフィルムに蒸着したもの)等が挙げられる。
【0039】さらに、包装用容器50''の変形例が図6
に示される。このものが図1に示される包装用容器50
と異なるのは、容器内のイソチオシアン酸エステル蒸気
濃度を低減させることができる調整部としてのイソチオ
シアン酸エステル吸着部51をイソチオシアン酸エステ
ル透過部52に変えた点にある。この場合には、このイ
ソチオシアン酸エステル透過部52を介してイソチオシ
アン酸エステル蒸気を容器外に透過させ、容器内のイソ
チオシアン酸エステル濃度調整を図ることができる。
【0040】イソチオシアン酸エステル透過部52の材
質としては、例えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アイオ
ノマー、塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリメチルペン
テンから選択される1種以上のフィルムまたはシート、
あるいはそれらの1種以上と通気性包装材料である紙、
不織布、微細連通加工を施したプラスチックフィルム、
無機フィラーを添加し延伸加工を施したプラスチックフ
ィルムの1種以上との貼合品が挙げられる。
【0041】この一方で、対向して配置されている包装
材料53は、イソチオシアン酸エステル透過部52と同
様な包装材料とすることもできるが、特に限定されるも
のではない。
【0042】これらの包装用容器50''や上記の発生部
材10等の設定は上述と同様な条件を目安にして行われ
る。
【0043】さらに、包装用容器50''' の変形例が図
7に示される。このものが図1に示された包装容器50
と異なるのは、容器内のイソチオシアン酸エステル蒸気
濃度を低減させることができる調整部としてのイソチオ
シアン酸エステル吸着部51を通気部54に変えた点に
ある。この場合には、この通気部54よりイソチオシア
ン酸エステル蒸気を容器外に排出させ、容器内のイソチ
オシアン酸エステル濃度調整を図ることができる。
【0044】通気部54の形態としては、容器に穿設さ
れた連通孔、ヒートシール部分に設けられた連通孔(い
わゆるシール抜け)、かぶせ蓋と容器本体との隙間、等
の形態が可能である。これらの包装容器50''' や上記
の発生部材10等の設定も上述と同様な条件を目安に行
われる。
【0045】ここで、イソチオシアン酸エステル濃度調
整部は、イソチオシアン酸エステル吸着部、イソチオシ
アン酸エステル透過部、通気部の単独である必要はな
く、併用することも当然可能である。
【0046】以下、具体的実験例を示し本発明をさらに
詳細に説明する。
【0047】実施例サンプルの作製 イソチオシアン酸アリルエステル1重量部をコーン油9
9重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを10mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
【0048】この鮮度保持剤7を2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
【0049】次いで、イソチオシアン酸エステル吸着性
を有する包装用容器50として、2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリエステル(厚さ30μ
m)からなる大きさ200mm×300mmの包装用容
器50(パウチ形状)を作製した。
【0050】このような包装用容器50の中に、40m
m×60mm×15mmの切り餅を10個入れ、さらに
前記イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封し、
開口部をヒートシール密封した。包装用容器50の全体
積は、1000mlであった。
【0051】比較サンプルの作製 前記イソチオシアン酸エステル発生部材10を用いなか
った以外は、前記実施例サンプルと同様にして比較サン
プルを作製した。
【0052】これらの実施例サンプルおよび比較サンプ
ルを22℃の環境下に4週間保存した。保存期間中、実
施例サンプル包装内のイソチオシアン酸アリルエステル
濃度の変化をガスクロマトグラフにて測定した。
【0053】また、保存テストの評価は、保存終了後の
黴の発生の度合いで評価した。
【0054】保存テスト結果および、その間におけるイ
ソチオシアン酸アリルエステル濃度の推移を、それぞれ
表1および表2に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】 また、さらに、イソチオシアン酸エステル発生部材10
を収納しているものの、あまり好適でない種々の包装用
容器を作製した。すなわち、容器内のイソチオシアン酸
エステル濃度が48時間以内に5ppm(V/V)に到
達しないもの、480時間以内に10ppm(V/V)
以下にならないもの、イソチオシアン酸エステル濃度の
最大値が10ppm(V/V)以上にならないもの等の
サンプルを作製して上記と同様な実験を試みたところ、
鮮度保持効果が十分でなかったり、開封時の強いワサビ
臭が認められるなどの不都合が生じることも確認され
た。
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。
【0057】すなわち、本発明の保存用容器は、イソチ
オシアン酸エステル蒸気を発生させるイソチオシアン酸
エステル上記発生部材と、鮮度保持対象である食品とを
包装用容器に収納した保存用容器であって、前記包装用
容器は、イソチオシアン酸エステル蒸気濃度を低減させ
ることができるイソチオシアン酸エステル濃度調整部を
備えるように構成しているので、イソチオシアン酸エス
テル蒸気発生部材より発生したイソチオシアン酸エステ
ルの有する殺菌効果および静菌効果により、微生物の増
繁殖が抑制されるため、食品の鮮度保持を図ることがで
きる。また、発生したイソチオシアン酸エステルは包装
容器に吸着、あるいは容器外に排出されるため、開封時
の不快な刺激臭も低減されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】1ユニットの鮮度保持用袋体と食品とを共に包
装用容器に収納した状態を模式的に示す本発明の保存容
器の断面図である。
【図2】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材の一実
施例を示す平面図である。
【図3】図2のIII-III 断面矢視図である。
【図4】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材の他の
実施例を示す平面図である。
【図5】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と食品
とを共に包装用容器に収納した状態を模式的に示す本発
明の他の保存容器の断面図である。
【図6】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と食品
とを共に包装用容器に収納した状態を模式的に示す本発
明の他の保存容器の断面図である。
【図7】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と食品
とを共に包装用容器に収納した状態を模式的に示す本発
明の他の保存容器の断面図である。
【符号の説明】
1…保存容器 7…鮮度保持剤 8…小袋体 10…イソチオシアン酸エステル発生部材 20…食品 50…包装用容器 51…イソチオシアン酸エステル蒸気吸着部 52…イソチオシアン酸エステル蒸気透過部 53…包装材料 54…通気部 S1…ヒートシール部分 E…内部スペース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソチオシアン酸エステル蒸気を発生さ
    せるイソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と、鮮度保
    持対象である食品とを包装用容器に収納した保存用容器
    であって、 前記包装用容器は、容器内部のイソチオシアン酸エステ
    ル蒸気の濃度を低減させることができるイソチオシアン
    酸エステル濃度調整部を容器の一部または全部に備えて
    おり、 前記イソチオシアン酸エステル濃度調整部は、イソチオ
    シアン酸エステル吸着部、イソチオシアン酸エステル透
    過部、通気部のいずれか1種であることを特徴とする保
    存用容器。
  2. 【請求項2】 前記イソチオシアン酸エステル吸着部の
    形成材料が、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重
    合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アイオノマー、
    塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンの1
    種以上を含むものであることを特徴とする請求項1に記
    載の保存用容器。
  3. 【請求項3】 前記イソチオシアン酸エステル吸着部の
    外側には、さらに酸素バリア層が形成されており、容器
    全体として酸素バリア性が付与されていることを特徴と
    する請求項2に記載の保存用容器。
  4. 【請求項4】 前記イソチオシアン酸エステル透過部
    が、ポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重
    合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
    フィルム、アイオノマーフィルム、塩化ビニルフィル
    ム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィ
    ルムの1種以上のフィルム、あるいはそれらの1種以上
    と通気性包装材料との貼合品であることを特徴とする請
    求項1に記載の保存用容器。
  5. 【請求項5】 前記通気性包装材料が、紙、不織布、微
    細連通加工を施したプラスチックフィルム、無機フィラ
    ーを添加し延伸加工を施したプラスチックフィルムの1
    種以上であることを特徴とする請求項4に記載の保存用
    容器。
  6. 【請求項6】 前記通気部が、容器に穿設された1以上
    の通気孔であることを特徴とする請求項1に記載の保存
    用容器。
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