JPH0768395B2 - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法Info
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- JPH0768395B2 JPH0768395B2 JP2036768A JP3676890A JPH0768395B2 JP H0768395 B2 JPH0768395 B2 JP H0768395B2 JP 2036768 A JP2036768 A JP 2036768A JP 3676890 A JP3676890 A JP 3676890A JP H0768395 B2 JPH0768395 B2 JP H0768395B2
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- pat
- foaming
- water
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造
方法に関するものである。
方法に関するものである。
(従来の技術) 熱可塑性ポリエステル系樹脂(以下、これをPATとい
う)は、ポリスチレンやポリエチレンには見られない優
れた性質を持つている。例えば、PATは剛性が大きく形
状安定性がよくて、200℃に耐えるほどの優れた耐熱性
を持つている。そこで、PATを発泡させて、耐熱性の良
好な強靭な断熱材や緩衝材や包装容器などを作ろうと企
図された。ところがPATは、ポリスチレンやポリエチレ
ンと違つてこれを発泡させることが容易でなかつた。か
りに、発泡させ得たとしても、発泡体が低い発泡倍率を
持つに過ぎなかつた。
う)は、ポリスチレンやポリエチレンには見られない優
れた性質を持つている。例えば、PATは剛性が大きく形
状安定性がよくて、200℃に耐えるほどの優れた耐熱性
を持つている。そこで、PATを発泡させて、耐熱性の良
好な強靭な断熱材や緩衝材や包装容器などを作ろうと企
図された。ところがPATは、ポリスチレンやポリエチレ
ンと違つてこれを発泡させることが容易でなかつた。か
りに、発泡させ得たとしても、発泡体が低い発泡倍率を
持つに過ぎなかつた。
PATを発泡させるのが困難な理由は、PATが結晶性のもの
であつて、溶融時に発泡に適した粘度を持つように保つ
ことが困難だからである。詳述すれば、PATは、これを
加熱して行くと、或る温度で急激に軟化して粘度の低い
液体となるからである。すなわち、PATは、発泡に適し
た粘度を示すのが極めて狭い温度に限られるので、丁度
発泡に適した温度に保つことが困難だからであり、また
粘度の低い液体になると発泡剤として働くガスをすぐに
放出してしまうからである。従つて、PATは、発泡させ
たとしても低い発泡倍率にとどまり、高倍率に発泡した
低密度の発泡体とすることが困難であつた。
であつて、溶融時に発泡に適した粘度を持つように保つ
ことが困難だからである。詳述すれば、PATは、これを
加熱して行くと、或る温度で急激に軟化して粘度の低い
液体となるからである。すなわち、PATは、発泡に適し
た粘度を示すのが極めて狭い温度に限られるので、丁度
発泡に適した温度に保つことが困難だからであり、また
粘度の低い液体になると発泡剤として働くガスをすぐに
放出してしまうからである。従つて、PATは、発泡させ
たとしても低い発泡倍率にとどまり、高倍率に発泡した
低密度の発泡体とすることが困難であつた。
この困難を解決するために種々の工夫がなされた。その
多くは、PATに種々のものを混合するというものであ
る。例えば、PATにエポキシ化合物を混合したり、周期
律表の第Ia族の金属や第IIa族の金属を混合するという
提案であつた。しかし、これらの提案によつては、高倍
率に発泡した大型発泡体を得ることはできなかつた。ま
た、特開昭59−135237号公報は、PAT発泡体を作るの
に、発泡剤として高分子量の鎖状芳香族ポリカーボネー
トを使用することを奨めている。しかし、これによつて
も高い発泡倍率に発泡したものは得られなかつた。事
実、この公報は、得られた発泡体の一例として、0.83g/
ccの密度のものを挙げるに過ぎない。
多くは、PATに種々のものを混合するというものであ
る。例えば、PATにエポキシ化合物を混合したり、周期
律表の第Ia族の金属や第IIa族の金属を混合するという
提案であつた。しかし、これらの提案によつては、高倍
率に発泡した大型発泡体を得ることはできなかつた。ま
た、特開昭59−135237号公報は、PAT発泡体を作るの
に、発泡剤として高分子量の鎖状芳香族ポリカーボネー
トを使用することを奨めている。しかし、これによつて
も高い発泡倍率に発泡したものは得られなかつた。事
実、この公報は、得られた発泡体の一例として、0.83g/
ccの密度のものを挙げるに過ぎない。
別の試みとして、特開昭55−2045号公報は、押出機から
押し出した直後の発泡剤含有の高温PATを、減圧された
帯域に導いて減圧下で発泡させて、低密度の発泡体を得
る方法を記載している。しかし、発泡剤含有の高温PAT
は、一般に発泡によつて表面に凹凸を生じ、不規則な外
形を持つに至るから、このような高温PATを連続的に通
過させるような減圧帯域を構成することは、容易でな
い。とくに、発泡体取出口の減圧シールを充分なものと
することは困難である。従つて、この方法は実施が容易
でないという欠点があつた。
押し出した直後の発泡剤含有の高温PATを、減圧された
帯域に導いて減圧下で発泡させて、低密度の発泡体を得
る方法を記載している。しかし、発泡剤含有の高温PAT
は、一般に発泡によつて表面に凹凸を生じ、不規則な外
形を持つに至るから、このような高温PATを連続的に通
過させるような減圧帯域を構成することは、容易でな
い。とくに、発泡体取出口の減圧シールを充分なものと
することは困難である。従つて、この方法は実施が容易
でないという欠点があつた。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、高倍率に発泡したPAT発泡体を得ようとす
るものである。さらに詳述すれば、この発明は、均一微
細な気泡を持つて発泡した低密度のPAT発泡体を、容易
に製造できる方法を提供しようとしてなされたものであ
る。
るものである。さらに詳述すれば、この発明は、均一微
細な気泡を持つて発泡した低密度のPAT発泡体を、容易
に製造できる方法を提供しようとしてなされたものであ
る。
(課題解決のための手段) この発明者は、PATの発泡を複数回にわたつて行い、し
かも各回ごとに異なつた手段を採ると、PATを高倍率に
発泡させ得ることを見出した。詳述すれば、初めの発泡
すなわち一次発泡は、どのような手段で発泡させてもよ
いが、ここで得られた発泡体を急冷して結晶化度を30%
以下に低く抑えた発泡体を得て、そのあとでこの発泡体
に実質的に常圧下で60℃以上の水又は水蒸気を直接接触
させて加熱すると、この発泡体はさらに発泡し、その後
引き続き又は一旦冷却後に、この発泡体を水以外の加熱
媒体に接触させて100℃以上に加熱すると、ここに高倍
率に発泡したPAT発泡体の得られることを見出した。こ
の発明は、このような知見に基づいてなされたものであ
る。
かも各回ごとに異なつた手段を採ると、PATを高倍率に
発泡させ得ることを見出した。詳述すれば、初めの発泡
すなわち一次発泡は、どのような手段で発泡させてもよ
いが、ここで得られた発泡体を急冷して結晶化度を30%
以下に低く抑えた発泡体を得て、そのあとでこの発泡体
に実質的に常圧下で60℃以上の水又は水蒸気を直接接触
させて加熱すると、この発泡体はさらに発泡し、その後
引き続き又は一旦冷却後に、この発泡体を水以外の加熱
媒体に接触させて100℃以上に加熱すると、ここに高倍
率に発泡したPAT発泡体の得られることを見出した。こ
の発明は、このような知見に基づいてなされたものであ
る。
この発明は、結晶化度が30%以下のPAT発泡体を、実質
的に常圧下で60℃以上の水又は水蒸気に接触させて加熱
し、発泡させて結晶化度を30%以下に維持し、次いでこ
の発泡体を100℃以上の温度にある水以外の加熱媒体に
接触させて加熱し、さらに発泡させることを特徴とす
る、PAT発泡体の製造方法を提供するものである。
的に常圧下で60℃以上の水又は水蒸気に接触させて加熱
し、発泡させて結晶化度を30%以下に維持し、次いでこ
の発泡体を100℃以上の温度にある水以外の加熱媒体に
接触させて加熱し、さらに発泡させることを特徴とす
る、PAT発泡体の製造方法を提供するものである。
(各要件の説明) この発明において、原料とされるPAT発泡体は、結晶化
度が30%以下のものである。このような発泡体を作るに
は、PATを加熱して軟化させておき、加圧下で発泡剤を
混入し、こうして得た組成物を低圧領域に移して発泡さ
せ、発泡した直後のPAT発泡体をPATのガラス転移点以下
に急冷すればよい。
度が30%以下のものである。このような発泡体を作るに
は、PATを加熱して軟化させておき、加圧下で発泡剤を
混入し、こうして得た組成物を低圧領域に移して発泡さ
せ、発泡した直後のPAT発泡体をPATのガラス転移点以下
に急冷すればよい。
この発明で用いられるPATは、芳香族のジカルボン酸に
二価アルコールを反応させて得られた高分子量の鎖状エ
ステルである。ジカルボン酸としては、テレフタル酸が
最も多く用いられているが、イソフタル酸、2、6−ナ
フタレンジカルボン酸を用いることもできる。その他、
ジフエニルエーテルジカルボン酸、ジフエニルスルホン
ジカルボン酸、ジフエノキシジカルボン酸を用いること
もできる。また、二価アルコールとしては、エチレング
リコールが主として用いられるが、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジ
メチロール、トリシクロデカンジメチロール、2、2−
ビス−(4−β−ヒドロキシエトキシフエニル)プロパ
ン、4−4′−ビス−(β−ヒドロキシエトキシ)ジフ
エニルスルホン、ジエチレングリコールを用いることも
できる。このようなPATは市販されている。この発明で
は市販されているPATを用いることができる。
二価アルコールを反応させて得られた高分子量の鎖状エ
ステルである。ジカルボン酸としては、テレフタル酸が
最も多く用いられているが、イソフタル酸、2、6−ナ
フタレンジカルボン酸を用いることもできる。その他、
ジフエニルエーテルジカルボン酸、ジフエニルスルホン
ジカルボン酸、ジフエノキシジカルボン酸を用いること
もできる。また、二価アルコールとしては、エチレング
リコールが主として用いられるが、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジ
メチロール、トリシクロデカンジメチロール、2、2−
ビス−(4−β−ヒドロキシエトキシフエニル)プロパ
ン、4−4′−ビス−(β−ヒドロキシエトキシ)ジフ
エニルスルホン、ジエチレングリコールを用いることも
できる。このようなPATは市販されている。この発明で
は市販されているPATを用いることができる。
上述のPATのうち、この発明で用いるのに適したもの
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートエラストマー、
非晶性ポリエステル、ポリシクロヘキサンテレフタレー
トなどである。また、上述のPATは、単独で又は混合し
て用いることができる。上述のPATは、これに他の樹脂
を混合して用いることもできる。他の樹脂を混合する場
合には、他の樹脂はPATよりも少なくする必要がある。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートエラストマー、
非晶性ポリエステル、ポリシクロヘキサンテレフタレー
トなどである。また、上述のPATは、単独で又は混合し
て用いることができる。上述のPATは、これに他の樹脂
を混合して用いることもできる。他の樹脂を混合する場
合には、他の樹脂はPATよりも少なくする必要がある。
PATは、一般に、高温で加水分解しやすい樹脂であるか
ら、これを発泡させる場合には、予めこれを乾燥するこ
とが望ましい。乾燥には、例えば除湿乾燥機を用いるの
がよい。その場合の乾燥は、例えば露点が−30℃の空気
を160℃に加熱しておき、この空気中にPATを約4時間露
出するという程度で足りる。
ら、これを発泡させる場合には、予めこれを乾燥するこ
とが望ましい。乾燥には、例えば除湿乾燥機を用いるの
がよい。その場合の乾燥は、例えば露点が−30℃の空気
を160℃に加熱しておき、この空気中にPATを約4時間露
出するという程度で足りる。
発泡剤としては、色々なものを用いることができる。大
別すると、PATの軟化点以上の温度で分解してガスを発
生する固体化合物や、加熱するとPAT内で気化する液体
や、加圧下でPATに溶解させ得る不活性な気体などに分
かれるが、その何れをも用いることができる。固体化合
物は、例えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、ヒドラゾカルボンアミド、重炭酸
ナトリウムなどである。気化する液体は、例えばヘキサ
ン、ペンタン、ブタンのような飽和脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素、塩化メチレ
ン、フレオン(商標)のようなハロゲン化炭化水素であ
る。不活性な気体は、例えば二酸化炭素、窒素などであ
る。その他発泡剤としては、特開昭59−135237号公報が
教えるように、高分子量の鎖状芳香族ポリカーボネート
を用いることもできる。
別すると、PATの軟化点以上の温度で分解してガスを発
生する固体化合物や、加熱するとPAT内で気化する液体
や、加圧下でPATに溶解させ得る不活性な気体などに分
かれるが、その何れをも用いることができる。固体化合
物は、例えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、ヒドラゾカルボンアミド、重炭酸
ナトリウムなどである。気化する液体は、例えばヘキサ
ン、ペンタン、ブタンのような飽和脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素、塩化メチレ
ン、フレオン(商標)のようなハロゲン化炭化水素であ
る。不活性な気体は、例えば二酸化炭素、窒素などであ
る。その他発泡剤としては、特開昭59−135237号公報が
教えるように、高分子量の鎖状芳香族ポリカーボネート
を用いることもできる。
PATに発泡剤を含ませるには、発泡剤が液状であるとき
には、PATを常圧下で発泡剤中に浸漬するだけで足りる
場合もあるが、含浸を容易にするためには、発泡剤の蒸
発を防ぎつつ加温して浸漬させることが必要とされ、従
つて加温加圧下で浸漬を行わなければならないこととな
る。加温加圧下で含浸させるには、予めPATを溶融して
おいて、この溶融物中に発泡剤を圧入するのが好まし
い。このためには、押出機を用いてPATを溶融してお
き、押出機の途中から発泡剤を圧入するのが有利であ
る。また、押出機を用いると、PATに発泡剤を圧入する
と同時に、そのまま押出成形することができ、さらに同
時に発泡させることができるので、便利である。こうし
て行われる発泡が一次発泡であり、ここで得られた発泡
体がこの発明方法の出発原料とされる発泡体である。
には、PATを常圧下で発泡剤中に浸漬するだけで足りる
場合もあるが、含浸を容易にするためには、発泡剤の蒸
発を防ぎつつ加温して浸漬させることが必要とされ、従
つて加温加圧下で浸漬を行わなければならないこととな
る。加温加圧下で含浸させるには、予めPATを溶融して
おいて、この溶融物中に発泡剤を圧入するのが好まし
い。このためには、押出機を用いてPATを溶融してお
き、押出機の途中から発泡剤を圧入するのが有利であ
る。また、押出機を用いると、PATに発泡剤を圧入する
と同時に、そのまま押出成形することができ、さらに同
時に発泡させることができるので、便利である。こうし
て行われる発泡が一次発泡であり、ここで得られた発泡
体がこの発明方法の出発原料とされる発泡体である。
PATは、一次発泡によつては低い倍率にしか発泡しな
い。その発泡倍率は、通常の押出発泡では2倍程度であ
り、特別に高倍率に発泡させたとしても、5倍位にとど
まる。そこで、さらに高倍率に発泡させるために、この
発明では別の手段を用いて発泡させることとするのであ
る。
い。その発泡倍率は、通常の押出発泡では2倍程度であ
り、特別に高倍率に発泡させたとしても、5倍位にとど
まる。そこで、さらに高倍率に発泡させるために、この
発明では別の手段を用いて発泡させることとするのであ
る。
この発明では、一次発泡体におけるPATの結晶化度が30
%以下のものを用いる。結晶化度を30%以下に低く抑え
るには、押出発泡させた直後の高温にある発泡体をPAT
のガラス転移点以下に急冷する。PATのガラス転移点
は、PATを構成している芳香族ジカルボン酸と、二価ア
ルコールの種類とによつて異なるが、おおよその範囲を
云えば、30−100℃である。そこで結晶化度を30%以下
にするために、30℃以下に急冷する。
%以下のものを用いる。結晶化度を30%以下に低く抑え
るには、押出発泡させた直後の高温にある発泡体をPAT
のガラス転移点以下に急冷する。PATのガラス転移点
は、PATを構成している芳香族ジカルボン酸と、二価ア
ルコールの種類とによつて異なるが、おおよその範囲を
云えば、30−100℃である。そこで結晶化度を30%以下
にするために、30℃以下に急冷する。
一次発泡体は急冷されると、結晶化するいとまがないま
まに固化するから、結晶化度が低いものとなる。結晶化
度は、冷却の程度によつて異なり、冷却媒体の種類、冷
却媒体の温度、冷却媒体の接触状況などによつて異なる
結果となる。押し出しによつて作られた一次発泡体に常
温の水を直接接触させて冷却したような場合には、一次
発泡体は結晶化度が数%ないし10数%となり、通常30%
以下となる。しかし、押し出しによつて作られた一次発
泡体を金型上に導いて形を整えるだけとし、しかも金型
を強制的に冷却しないようなときは、発泡体が急冷され
ないから、結晶化度は30%以上となる。だから、押し出
しによつて一次発泡体を作る場合には、一次発泡体を自
然放冷に任せないで、強制冷却した金型に沿つて進行さ
せて、冷却するようにする。
まに固化するから、結晶化度が低いものとなる。結晶化
度は、冷却の程度によつて異なり、冷却媒体の種類、冷
却媒体の温度、冷却媒体の接触状況などによつて異なる
結果となる。押し出しによつて作られた一次発泡体に常
温の水を直接接触させて冷却したような場合には、一次
発泡体は結晶化度が数%ないし10数%となり、通常30%
以下となる。しかし、押し出しによつて作られた一次発
泡体を金型上に導いて形を整えるだけとし、しかも金型
を強制的に冷却しないようなときは、発泡体が急冷され
ないから、結晶化度は30%以上となる。だから、押し出
しによつて一次発泡体を作る場合には、一次発泡体を自
然放冷に任せないで、強制冷却した金型に沿つて進行さ
せて、冷却するようにする。
一般に、樹脂の結晶化度は、密度、X線回折像、核磁気
共鳴スペクトルなどによつて測定することができるが、
樹脂発泡体はその中に気泡を包蔵しているために、これ
らの方法によつて結晶化度を測定することができない。
ところが、好都合にも、PAT発泡体は、融解熱を測定す
るという熱的方法により、結晶化度を1%のオーダーま
でも正確に測定できることが確認された。その原理は、
PAT発泡体を定速で加熱して行くと、初めに非結晶部分
が結晶化して発熱し、その後に結晶が融解して融解熱を
吸収するので、この発熱と吸熱とから結晶過度を計算す
るのである。具体的には、結晶化に際して発せられる冷
結晶化熱量と、融解の際に吸収される融解熱量とを測定
し、これを完全結晶の標準品が示す熱量と対比して結晶
化度を算出する。
共鳴スペクトルなどによつて測定することができるが、
樹脂発泡体はその中に気泡を包蔵しているために、これ
らの方法によつて結晶化度を測定することができない。
ところが、好都合にも、PAT発泡体は、融解熱を測定す
るという熱的方法により、結晶化度を1%のオーダーま
でも正確に測定できることが確認された。その原理は、
PAT発泡体を定速で加熱して行くと、初めに非結晶部分
が結晶化して発熱し、その後に結晶が融解して融解熱を
吸収するので、この発熱と吸熱とから結晶過度を計算す
るのである。具体的には、結晶化に際して発せられる冷
結晶化熱量と、融解の際に吸収される融解熱量とを測定
し、これを完全結晶の標準品が示す熱量と対比して結晶
化度を算出する。
実際にPAT発泡体の冷結晶化熱量と融解熱量とを測定す
るには、示差走査熱量測定法によることが望ましい。示
差走査熱量測定法では、測定資料と標準品とのヒーター
が独立に作動し、定速加熱の過程で両者間に温度差が生
じると、どちらかの熱量の増加又は抑制機構が自動的に
働いてこれを打ち消すので、この熱流速度差が直接記録
されるようになつている。結晶化度は理論的には次の数
式に従つて算出される。
るには、示差走査熱量測定法によることが望ましい。示
差走査熱量測定法では、測定資料と標準品とのヒーター
が独立に作動し、定速加熱の過程で両者間に温度差が生
じると、どちらかの熱量の増加又は抑制機構が自動的に
働いてこれを打ち消すので、この熱流速度差が直接記録
されるようになつている。結晶化度は理論的には次の数
式に従つて算出される。
(モル当りの融解熱量−モル当りの冷結晶化熱量)÷
(完全結晶PATのモル当りの融解熱量)×100=結晶化度
(%) ここで、完全結晶PATのモル当りの融解熱量は、高分子
データハンドブツク(培風館発行)によれば、26.9KJと
されているので、これを使用することとする。
(完全結晶PATのモル当りの融解熱量)×100=結晶化度
(%) ここで、完全結晶PATのモル当りの融解熱量は、高分子
データハンドブツク(培風館発行)によれば、26.9KJと
されているので、これを使用することとする。
この発明では、結晶化度が30%以下のPAT発泡体をさら
に二次発泡させる。二次発泡は、PAT発泡体を実質的に
常圧下で60℃以上の水又は水蒸気に接触させ、加熱する
ことによつて行う。水又は水蒸気との接触時間は、得ら
れた二次発泡体が30%以下の結晶化度を持つように調節
する。それには、一般に水又は水蒸気の温度が高いとき
には接触時間を短くし、逆に温度が低いときには長くす
る。なお、二次発泡体の結晶化度は、二次発泡の後10秒
以内に、発泡体を20℃の水中に1分間浸漬して急冷し、
その後上述のような方法に従つて結晶化度を測定する。
に二次発泡させる。二次発泡は、PAT発泡体を実質的に
常圧下で60℃以上の水又は水蒸気に接触させ、加熱する
ことによつて行う。水又は水蒸気との接触時間は、得ら
れた二次発泡体が30%以下の結晶化度を持つように調節
する。それには、一般に水又は水蒸気の温度が高いとき
には接触時間を短くし、逆に温度が低いときには長くす
る。なお、二次発泡体の結晶化度は、二次発泡の後10秒
以内に、発泡体を20℃の水中に1分間浸漬して急冷し、
その後上述のような方法に従つて結晶化度を測定する。
二次発泡に水又は水蒸気を用いる理由は、PAT発泡体の
気泡内に水分子を幾分か進入させるためである。実験に
よれば、気泡内の水分率が3000ppm以上であると、その
後にPAT発泡体をさらに高温に加熱したとき、二次発泡
体はさらによく発泡することが確認されているからであ
る。また、二次発泡を60℃以上に限つた理由は、その温
度以上でないとPATが軟化しないからである。また、二
次発泡を実質的に常圧下に限定した理由は、加圧下の水
又は水蒸気を用いると、PATの気泡が周囲の圧力に押さ
れて膨張しにくくなることが確かめられたからである。
気泡内に水分子を幾分か進入させるためである。実験に
よれば、気泡内の水分率が3000ppm以上であると、その
後にPAT発泡体をさらに高温に加熱したとき、二次発泡
体はさらによく発泡することが確認されているからであ
る。また、二次発泡を60℃以上に限つた理由は、その温
度以上でないとPATが軟化しないからである。また、二
次発泡を実質的に常圧下に限定した理由は、加圧下の水
又は水蒸気を用いると、PATの気泡が周囲の圧力に押さ
れて膨張しにくくなることが確かめられたからである。
気泡内の水分率は色々な方法で測定することができる。
例えば、加熱減量法、カールフイツシヤー法などによつ
て測定することができる。しかし、ここではデユポン90
3型H水分計によつて測定した。その水分計は、オーブ
ンと電解セルとで構成されており、オーブン内に発泡体
を入れて乾燥窒素ガスをキヤリヤーとして流し、まず表
面に付着した水分を取り除いてのち、オーブンを加熱し
て発泡体を溶融し、その際発生する水分を測定すること
を原理としている。そこで発生する水含有の窒素ガス
は、これを電解セルに導いて水分を五酸化燐に吸収さ
せ、その後この水分を水素と酸素とに電気分解して、水
の量が測定される。
例えば、加熱減量法、カールフイツシヤー法などによつ
て測定することができる。しかし、ここではデユポン90
3型H水分計によつて測定した。その水分計は、オーブ
ンと電解セルとで構成されており、オーブン内に発泡体
を入れて乾燥窒素ガスをキヤリヤーとして流し、まず表
面に付着した水分を取り除いてのち、オーブンを加熱し
て発泡体を溶融し、その際発生する水分を測定すること
を原理としている。そこで発生する水含有の窒素ガス
は、これを電解セルに導いて水分を五酸化燐に吸収さ
せ、その後この水分を水素と酸素とに電気分解して、水
の量が測定される。
この発明では、水又は水蒸気により二次発泡させると同
時に発泡体内に水分を含ませ、こうして得たシートをさ
らに三次発泡させる。三次発泡は、二次発泡に引き続き
行つてもよく、または二次発泡後に一旦冷却しその後に
行つてもよい。また、三次発泡を型内で行い、発泡と同
時に成形することもできる。三次発泡は水以外の加熱媒
体を用いて行い、しかもその加熱媒体を100℃以上に加
熱して行う。加熱媒体としては、固体、液体、気体の各
種のものを用いることができる。固体としては、アル
ミ、銅、鉄などの各種金属製の板を用いることができ、
液体としてはシリコンオイル、低融点合金の溶融物な
ど、沸点が100℃以上のものを用いることができ、気体
としては窒素、炭酸ガス、空気などを用いることができ
る。これらのうちでは金属製の板を用いることが好まし
い。その理由は、金属製の板を用いると、発泡体の表面
を平滑にしまた発泡体の厚みを均一にしやすいからであ
る。
時に発泡体内に水分を含ませ、こうして得たシートをさ
らに三次発泡させる。三次発泡は、二次発泡に引き続き
行つてもよく、または二次発泡後に一旦冷却しその後に
行つてもよい。また、三次発泡を型内で行い、発泡と同
時に成形することもできる。三次発泡は水以外の加熱媒
体を用いて行い、しかもその加熱媒体を100℃以上に加
熱して行う。加熱媒体としては、固体、液体、気体の各
種のものを用いることができる。固体としては、アル
ミ、銅、鉄などの各種金属製の板を用いることができ、
液体としてはシリコンオイル、低融点合金の溶融物な
ど、沸点が100℃以上のものを用いることができ、気体
としては窒素、炭酸ガス、空気などを用いることができ
る。これらのうちでは金属製の板を用いることが好まし
い。その理由は、金属製の板を用いると、発泡体の表面
を平滑にしまた発泡体の厚みを均一にしやすいからであ
る。
三次発泡では、加熱媒体の温度を100℃以上とする。100
℃以上とする理由は、実験の結果から来ている。すなわ
ち、100℃以上にしないと、現実によく発泡しないから
である。それには、前述のように、二次発泡の際用いた
水又は水蒸気が関与しているように見える。すなわち、
二次発泡の際水又は水蒸気でPATを加熱するので、水又
は水蒸気が気泡内に入つており、これが100℃以上に加
熱されると気泡内で再び気化して気泡を増大させ、これ
によつて発泡がさらに行われる結果となるように見え
る。
℃以上とする理由は、実験の結果から来ている。すなわ
ち、100℃以上にしないと、現実によく発泡しないから
である。それには、前述のように、二次発泡の際用いた
水又は水蒸気が関与しているように見える。すなわち、
二次発泡の際水又は水蒸気でPATを加熱するので、水又
は水蒸気が気泡内に入つており、これが100℃以上に加
熱されると気泡内で再び気化して気泡を増大させ、これ
によつて発泡がさらに行われる結果となるように見え
る。
三次発泡は、PAT発泡体の結晶化度が30%に到達するま
では、何回も重ねて行うことができる。このようにして
得られた発泡体は、少なくとも10倍以上に発泡したもの
となり、よく発泡した場合には30倍以上に発泡すること
となる。しかも、こうして得られた発泡体の気泡は一般
に小さく、また均一に揃つている。また、このようにす
れば、大きな発泡体を容易に得ることができる。
では、何回も重ねて行うことができる。このようにして
得られた発泡体は、少なくとも10倍以上に発泡したもの
となり、よく発泡した場合には30倍以上に発泡すること
となる。しかも、こうして得られた発泡体の気泡は一般
に小さく、また均一に揃つている。また、このようにす
れば、大きな発泡体を容易に得ることができる。
この発明の実施にあたつては、PAT中に種々の添加剤を
入れることができる。例えば、気泡調整剤として少量の
タルク粉末を加えたり、PATの溶融特性を改善するため
に、無水ピロメリツト酸のような一分子中に酸無水物基
を二個以上含んでいる化合物や、炭酸ナトリウムのよう
な周期律表中のI、II、III族の金属化合物や、着色
剤、帯電防止剤、難燃剤などを加えることができる。
入れることができる。例えば、気泡調整剤として少量の
タルク粉末を加えたり、PATの溶融特性を改善するため
に、無水ピロメリツト酸のような一分子中に酸無水物基
を二個以上含んでいる化合物や、炭酸ナトリウムのよう
な周期律表中のI、II、III族の金属化合物や、着色
剤、帯電防止剤、難燃剤などを加えることができる。
また、この発明方法を実施したあとで、得られた発泡体
を高温例えば200℃以上に保持して、PATの結晶化度を高
め、これによつて高発泡の耐熱性PAT発泡体を得ること
もできる。
を高温例えば200℃以上に保持して、PATの結晶化度を高
め、これによつて高発泡の耐熱性PAT発泡体を得ること
もできる。
(発明の効果) この発明方法によれば初めの材料として、既に普通の方
法により一次発泡させて得られたPATの一次発泡体を用
い、これに二次発泡と三次発泡とを行わせるので、大き
く発泡した低密度の発泡体を得ることができる。しか
も、一次発泡体は、結晶化度が30%以下のものを用いる
から、PATが低い温度で発泡しやすくなつており、従つ
て二次発泡では60℃というような低い温度でも一次発泡
体を発泡させることができる。また、二次発泡では水又
は水蒸気を実質的に常圧下でPATに接触させることとし
たから、一次発泡体は気泡を外圧によつて押し潰される
ことなく円滑によく発泡するに至る。さらに、二次発泡
では水又は水蒸気を一次発泡体に接触させることとした
から、二次発泡体の気泡内には水分が進入している。三
次発泡では、100℃以上の温度にある水以外の加熱媒体
に二次発泡体を接触させて加熱するから、気泡内に進入
している水分が気化又は膨張して気泡を膨らませ、また
二次発泡体では結晶化度を30%以下に維持したから二次
発泡体をさらによく発泡させることができる。また、こ
うして得られたPAT発泡体は、均一微細な気泡を持つた
ものとなる。従つて、この発明方法によれば、均一微細
に発泡した低密度の発泡体を得ることができる。しか
も、この発泡体は、PATで作られているから、PAT自体が
強靭で耐熱性の大きい樹脂であるために、得られた発泡
体は、強靭で耐熱性と断熱性にすぐれ、しかも軽量であ
るなどすぐれた性質を持つので、板又は容器として各方
面に利用できるものである。
法により一次発泡させて得られたPATの一次発泡体を用
い、これに二次発泡と三次発泡とを行わせるので、大き
く発泡した低密度の発泡体を得ることができる。しか
も、一次発泡体は、結晶化度が30%以下のものを用いる
から、PATが低い温度で発泡しやすくなつており、従つ
て二次発泡では60℃というような低い温度でも一次発泡
体を発泡させることができる。また、二次発泡では水又
は水蒸気を実質的に常圧下でPATに接触させることとし
たから、一次発泡体は気泡を外圧によつて押し潰される
ことなく円滑によく発泡するに至る。さらに、二次発泡
では水又は水蒸気を一次発泡体に接触させることとした
から、二次発泡体の気泡内には水分が進入している。三
次発泡では、100℃以上の温度にある水以外の加熱媒体
に二次発泡体を接触させて加熱するから、気泡内に進入
している水分が気化又は膨張して気泡を膨らませ、また
二次発泡体では結晶化度を30%以下に維持したから二次
発泡体をさらによく発泡させることができる。また、こ
うして得られたPAT発泡体は、均一微細な気泡を持つた
ものとなる。従つて、この発明方法によれば、均一微細
に発泡した低密度の発泡体を得ることができる。しか
も、この発泡体は、PATで作られているから、PAT自体が
強靭で耐熱性の大きい樹脂であるために、得られた発泡
体は、強靭で耐熱性と断熱性にすぐれ、しかも軽量であ
るなどすぐれた性質を持つので、板又は容器として各方
面に利用できるものである。
また、この発明方法によれば、実質的に常圧下で60℃以
上の水又は水蒸気に一次発泡体を接触させることにより
二次発泡を行い、100℃以上の温度にある水以外の加熱
媒体に二次発泡体を接触させることにより三次発泡を行
うので、一次発泡に続けて二次発泡と三次発泡とを行う
ことができることとなり、従つて連続的に実施できる点
で工業的に実施容易である。これらの点で、この発明方
法は大きな利益をもたらす。
上の水又は水蒸気に一次発泡体を接触させることにより
二次発泡を行い、100℃以上の温度にある水以外の加熱
媒体に二次発泡体を接触させることにより三次発泡を行
うので、一次発泡に続けて二次発泡と三次発泡とを行う
ことができることとなり、従つて連続的に実施できる点
で工業的に実施容易である。これらの点で、この発明方
法は大きな利益をもたらす。
次に実施例と比較例とを挙げて、この発明の優れている
所以を具体的に説明する。以下で単に部というのは重量
部の意味である。
所以を具体的に説明する。以下で単に部というのは重量
部の意味である。
実施例1 (一次発泡体の製造) PATとしてポリエチレンテレフタレート(帝人社製、商
品名TR8580)を用い、下記の組成物を作つた。
品名TR8580)を用い、下記の組成物を作つた。
PAT 100部 タルク 0.6部 無水ピロメリツト酸 0.35部 炭酸ナトリウム 0.1部 上記の組成物を65mmφの押出機に入れ、押出機の供給部
温度を280℃、圧縮部の温度を285℃、溶融部の温度を27
0℃、ヘツド部の温度を275℃、口金の温度を270℃とし
て、スクリユー回転数25rpmとした。また、押出機の途
中から発泡剤としてブタンを1.3重量部の割合で圧入し
て押し出した。口金は円環状のものを用い、口径60mmφ
でスリツト幅を0.4mmとした。また、口金の先には、直
径205mmφで長さが740mmのプラグを設け、これを25℃の
水で急冷した。こうして得た発泡シートを切り開いて平
坦なシートとし、これを一旦ロール状に巻き取り、これ
を一次発泡体とした。一次発泡体は、厚みが1.3mm、密
度が0.27g/ccであつた。また、結晶化度は8%であつ
た。一次発泡体の水分率は2400ppmであつた。
温度を280℃、圧縮部の温度を285℃、溶融部の温度を27
0℃、ヘツド部の温度を275℃、口金の温度を270℃とし
て、スクリユー回転数25rpmとした。また、押出機の途
中から発泡剤としてブタンを1.3重量部の割合で圧入し
て押し出した。口金は円環状のものを用い、口径60mmφ
でスリツト幅を0.4mmとした。また、口金の先には、直
径205mmφで長さが740mmのプラグを設け、これを25℃の
水で急冷した。こうして得た発泡シートを切り開いて平
坦なシートとし、これを一旦ロール状に巻き取り、これ
を一次発泡体とした。一次発泡体は、厚みが1.3mm、密
度が0.27g/ccであつた。また、結晶化度は8%であつ
た。一次発泡体の水分率は2400ppmであつた。
(二次発泡体の製造) その後、一次発泡体を100℃の水蒸気に3分間接触させ
て更に発泡させて二次発泡体を得た。二次発泡体は、厚
みが4.4mm、密度が0.079g/cc、結晶化度は22%であつ
た。
て更に発泡させて二次発泡体を得た。二次発泡体は、厚
みが4.4mm、密度が0.079g/cc、結晶化度は22%であつ
た。
(三次発泡体の製造) 二次発泡体の製造5分後に、二次発泡体を180℃の鉄板
2枚でプレス圧力21g/cm2で30秒間はさみ三次発泡体を
得た。三次発泡シートは、幅が600mm、長さが1000mm、
厚みが7.3mm、密度が0.048g/cc、発泡倍率は28倍であつ
た。なお、三次発泡を行なつた時の発泡体の水分率は、
8700ppmであつた。
2枚でプレス圧力21g/cm2で30秒間はさみ三次発泡体を
得た。三次発泡シートは、幅が600mm、長さが1000mm、
厚みが7.3mm、密度が0.048g/cc、発泡倍率は28倍であつ
た。なお、三次発泡を行なつた時の発泡体の水分率は、
8700ppmであつた。
実施例2 一次発泡体及び二次発泡体の製造については、実施例1
と同じである。
と同じである。
(三次発泡体の製造) 鉄板の加熱温度を120℃とした以外は実施例1と同じ条
件で三次発泡体を作つた。得られた三次発泡体は、幅が
600mm、長さが1000mm、厚みが5.9mm、密度が0.059g/c
c、発泡倍率は23倍であつた。
件で三次発泡体を作つた。得られた三次発泡体は、幅が
600mm、長さが1000mm、厚みが5.9mm、密度が0.059g/c
c、発泡倍率は23倍であつた。
実施例3 一次発泡体については、実施例1と同じである。
(二次発泡体の製造) 二次発泡体の製造は、水蒸気に5分間接触させることと
した以外は実施例1と同様に処理した。得られた二次発
泡体は、厚みが4.1mm、密度が0.070g/cc、結晶化度は26
%であつた。
した以外は実施例1と同様に処理した。得られた二次発
泡体は、厚みが4.1mm、密度が0.070g/cc、結晶化度は26
%であつた。
(三次発泡体の製造) 三次発泡体の製造は、実施例1と同じである。得られた
三次発泡体は、幅が600mm、長さが1000mm、厚みが7.9m
m、密度が0.044g/cc、発泡倍率は31倍であつた。なお、
水分率は9000ppmであつた。
三次発泡体は、幅が600mm、長さが1000mm、厚みが7.9m
m、密度が0.044g/cc、発泡倍率は31倍であつた。なお、
水分率は9000ppmであつた。
実施例4 一次発泡体及び二次発泡体の製造については、実施例1
と同じである。
と同じである。
(三次発泡体の製造) 三次発泡体の製造は、鉄板の接触時間を10秒とした以外
は実施例1と同様に処理した。得られた三次発泡体は、
幅が600mm、長さが1000mm、厚みが6.8mm、密度が0.052g
/cc、発泡倍率は26倍であつた。
は実施例1と同様に処理した。得られた三次発泡体は、
幅が600mm、長さが1000mm、厚みが6.8mm、密度が0.052g
/cc、発泡倍率は26倍であつた。
実施例5 一次発泡体及び二次発泡体の製造については、実施例1
と同じである。
と同じである。
(三次発泡体の製造) 三次発泡体の製造は、鉄板のかわりに空気を200℃に加
熱したオーブンを使用することとした以外は実施例1と
同様に処理した。得られた三次発泡体は、幅が600mm、
長さが1000mm、厚みが5.9mm、密度が0.060g/cc、発泡倍
率は23倍であつた。
熱したオーブンを使用することとした以外は実施例1と
同様に処理した。得られた三次発泡体は、幅が600mm、
長さが1000mm、厚みが5.9mm、密度が0.060g/cc、発泡倍
率は23倍であつた。
実施例6 一次発泡体の製造については、実施例1と同じである。
(二次発泡体の製造) 一次発泡体を80℃の温水に30分間接触させてさらに発泡
させ、二次発泡体を得た。二次発泡体は厚みが2.7mm、
密度が0.13g/cc、結晶化度が10%であつた。
させ、二次発泡体を得た。二次発泡体は厚みが2.7mm、
密度が0.13g/cc、結晶化度が10%であつた。
(三次発泡体の製造) 二次発泡体の製造5分後に、二次発泡体を140℃の鉄板
2枚の間に挾み、21g/cm2の圧力で6秒間加圧し、その
1秒あとに180℃の容器状の凹凸を持つた鉄板2枚の間
に挾み、21g/cm2の圧力で16秒間加圧して、容器状の三
次発泡体を得た。この容器は、幅が120mm、長さが155m
m、深さが3mmであつて、底の厚みが5.6mm、密度が0.063
g/cc、発泡倍率が22倍であつた。なお、三次発泡を行つ
た時の発泡体の水分率は、9200ppmであつた。
2枚の間に挾み、21g/cm2の圧力で6秒間加圧し、その
1秒あとに180℃の容器状の凹凸を持つた鉄板2枚の間
に挾み、21g/cm2の圧力で16秒間加圧して、容器状の三
次発泡体を得た。この容器は、幅が120mm、長さが155m
m、深さが3mmであつて、底の厚みが5.6mm、密度が0.063
g/cc、発泡倍率が22倍であつた。なお、三次発泡を行つ
た時の発泡体の水分率は、9200ppmであつた。
比較例1 実施例1と同じ条件で一次発泡体、二次発泡体を作つた
が、三次発泡は行なわなかつた。得られた発泡体の発泡
倍率は17倍であつた。
が、三次発泡は行なわなかつた。得られた発泡体の発泡
倍率は17倍であつた。
比較例2 一次発泡体の製造については、実施例1と同じである。
(二次発泡体の製造) 二次発泡体の製造は水蒸気に7分間接触させることとし
た以外は、実施例1と同様に処理した。得られた二次発
泡体は、厚みが5.4mm、密度が0.065g/cc、発泡倍率が21
倍、結晶化度は32%であつた。
た以外は、実施例1と同様に処理した。得られた二次発
泡体は、厚みが5.4mm、密度が0.065g/cc、発泡倍率が21
倍、結晶化度は32%であつた。
比較例3 一次発泡体の製造については実施例1と同じであり、二
次発泡体の製造については比較例2と同じである。
次発泡体の製造については比較例2と同じである。
(三次発泡体の製造) 三次発泡体の製造は、実施例1と同じである。得られた
三次発泡体は、幅が600mm、長さが1000mm、厚みが5.4m
m、密度が0.065g/cc、発泡倍率は21倍で三次発泡はしな
かつた。
三次発泡体は、幅が600mm、長さが1000mm、厚みが5.4m
m、密度が0.065g/cc、発泡倍率は21倍で三次発泡はしな
かつた。
比較例4 一次発泡体の製造については実施例1と同じであり、二
次発泡体の製造については実施例3と同じである。
次発泡体の製造については実施例3と同じである。
(三次発泡体の製造) 鉄板の加熱温度を90℃とした以外は、実施例1と同じ条
件で三次発泡体を作つた。得られた三次発泡体は、幅が
600mm、長さが1000mm、厚みが4.1mm、密度が0.070g/c
c、発泡倍率は19倍で三次発泡はしなかつた。
件で三次発泡体を作つた。得られた三次発泡体は、幅が
600mm、長さが1000mm、厚みが4.1mm、密度が0.070g/c
c、発泡倍率は19倍で三次発泡はしなかつた。
Claims (2)
- 【請求項1】結晶化度が30%以下の熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂発泡体を、実質的に常圧下で60℃以上の水又は
水蒸気に接触させることにより加熱し、発泡させて結晶
化度を30%以下に維持し、次いでこの発泡体を100℃以
上の温度にある水以外の加熱媒体に接触させて加熱し、
さらに発泡させることを特徴とする、熱可塑性ポリエス
テル系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項2】発泡した直後の軟化している熱可塑性ポリ
エステル系樹脂発泡体を、そのガラス転移点以下に急冷
して、結晶化度が30%以下の熱可塑性ポリエステル系樹
脂発泡体を作り、この発泡体を実質的に常圧下で60℃以
上の水又は水蒸気に接触させることにより加熱し、発泡
させて結晶化度を30%以下に維持し、次いでこの発泡体
を100℃以上の温度にある水以外の加熱媒体に接触させ
て加熱し、さらに発泡させることを特徴とする、熱可塑
性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2036768A JPH0768395B2 (ja) | 1990-02-16 | 1990-02-16 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 |
ZA911114A ZA911114B (en) | 1990-02-16 | 1991-02-14 | Process of producing thermoplastic polyester series resin foamed material |
AU71109/91A AU642962B2 (en) | 1990-02-16 | 1991-02-15 | Process of producing thermoplastic polyester series resin foamed material |
US07/655,691 US5234640A (en) | 1990-02-16 | 1991-02-15 | Process of producing thermoplastic polyester series resin foamed |
CA002036548A CA2036548C (en) | 1990-02-16 | 1991-02-18 | Process of producing thermoplastic polyester series resin foamed material |
DE69111636T DE69111636T2 (de) | 1990-02-16 | 1991-02-18 | Verfahren zur Herstellung von geschäumtem Material aus der Serie von thermoplastischem Polyester. |
EP91301250A EP0442759B1 (en) | 1990-02-16 | 1991-02-18 | Process of producing thermoplastic polyester series resin foamed material |
US07/792,577 US5128383A (en) | 1990-02-16 | 1991-11-15 | Process of producing thermoplastic polyester series resin foamed material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2036768A JPH0768395B2 (ja) | 1990-02-16 | 1990-02-16 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03239733A JPH03239733A (ja) | 1991-10-25 |
JPH0768395B2 true JPH0768395B2 (ja) | 1995-07-26 |
Family
ID=12478942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2036768A Expired - Lifetime JPH0768395B2 (ja) | 1990-02-16 | 1990-02-16 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0768395B2 (ja) |
ZA (1) | ZA911114B (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5112364B2 (ja) * | 2009-03-09 | 2013-01-09 | 積水化成品工業株式会社 | ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の製造方法 |
JP6129037B2 (ja) * | 2012-09-28 | 2017-05-17 | 積水化成品工業株式会社 | 複合体用発泡体、複合体及び輸送機器構成用部材 |
-
1990
- 1990-02-16 JP JP2036768A patent/JPH0768395B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1991
- 1991-02-14 ZA ZA911114A patent/ZA911114B/xx unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
ZA911114B (en) | 1991-11-27 |
JPH03239733A (ja) | 1991-10-25 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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