JP2801483B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂発泡体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂の発泡体を製造する方法に関するものである。と
くに、この発明は、均一微細に発泡しており、割れにく
くて寸法安定性のよい熱可塑性ポリエステル樹脂の発泡
体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル樹脂(以下、これ
をPATという)は、芳香族のジカルボン酸と二価アル
コールとの間でエステル化反応を行わせて得られた高分
子量の鎖状ポリエステルである。PATの代表的なもの
は、テレフタール酸にエチレングリコールを反応させて
得られたポリエチレンテレフタレートである。
【0003】PATは、他の樹脂では見られない優れた
特性を持っている。例えば、PATは機械的強度が大き
くて形状安定性がよく、200℃に耐えるほどの優れた
耐熱性を持っている。また、PATは、結晶性の樹脂で
あって、成形方法の如何によって結晶化度の異なる成形
体を生じ、結晶化度が大きくなるほど耐熱性と剛性に富
んだものとなる。逆に、結晶化度を小さくすると、印刷
や接着がし易くなり、二次加工が容易となる。そこで、
結晶化度を変えることによって目的に適した製品とする
ことができる。
【0004】PATは上述のような特性を持っているの
で、これを発泡体にして軽量で強靱な成形体にしようと
企てられた。ところが、PATは発泡させにくいという
欠点を持っている。その理由は、PATが結晶性の樹脂
であるため、これを加熱して行くと、急激に溶融して粘
度の低い液体となるからである。云いかえると、PAT
は発泡に適した粘度を示す温度領域が狭く、従ってPA
Tを丁度発泡させるに適した状態に維持することが困難
だからである。
【0005】しかし、発泡の困難性は、その後の改良に
よって徐々に解消された。改良は、主としてPATに色
々な助剤を添加し、PATの溶融粘度を上昇させること
によって行われた。例えば、PATにエポキシ化合物を
加えたり、PATに周期律表の第Ia族又は第IIa族の
金属化合物を加えたり、PATにジグリシジルテレフタ
レートを加えたり、PATに炭酸ナトリウムを加えたり
して、発泡するに適した組成物とすることが行われた。
【0006】PAT発泡体を得る方法としては、押し出
し発泡法が知られている。押し出し発泡法とは、PAT
を押出機に入れて溶融し、溶融した樹脂に発泡剤を混入
し、押出機の先端に取り付けた口金から樹脂を低圧領域
に押し出して発泡体を作る方法である。
【0007】また、PATを押出発泡させるにあたって
は、押出物を急冷すると、構造材として使用するに適し
た発泡体となることが知られている。それは、特開平3
−199243号公報に記載されている。この公報によ
ると、発泡剤を含有したPATを200℃以上の溶融状
態として押し出し、押出物の発泡した表面がPATの結
晶融点以上にある間に、表面にPATのガラス転移点以
下の液体又は固体を接触させて急冷すると、表面が結晶
しにくくなり、従って得られたPAT発泡体は構造材と
して適したものになる。
【0008】一般に、合成樹脂を発泡させるための発泡
剤は、加熱分解性固体と、気化性液体と、不活性気体と
に大別される。加熱分解性固体とは、樹脂の軟化点以上
において分解して気体を発生し、樹脂中に気泡を生成さ
せる化合物である。その代表的なものは、ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミンである。気化性液体とは、樹脂
の軟化点以上において、樹脂中で気化して気泡を生成さ
せる化合物である。その代表的なものはブタンである。
不活性気体は窒素、二酸化炭素などである。
【0009】PATに対しては、上記3種の発泡剤が何
れも使用できるとされて来た。例えば、特開平3−23
9733号、特開平3−293110号及び特開平4−
70321号公報は、何れも上記3種の発泡剤が広く使
用できると記載し、さらに高分子量の鎖状芳香族ポリカ
ーボネートも発泡剤として使用できると記載している。
具体的に云えば、これらの公報は、加熱分解性の固体発
泡剤として、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、ヒドラゾカーボンアミド、炭酸ナ
トリウムを使用可能だとして例示している。また、気化
性の気体発泡剤として、ヘキサン、ペンタン、ブタンの
ような飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサンのような飽
和脂環族炭化水素、ベンゼン、キシレンのような芳香族
炭化水素、塩化メチレン、モノクロロトリフルオロメタ
ンのようなハロゲン化脂肪族炭化水素を例示している。
また、不活性の気体発泡剤として、二酸化炭素、窒素な
どを例示している。これらの公報は、このような広汎な
化合物を羅列するだけで、発泡剤としての性能の優劣に
ついては全く考慮していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、均一微細
に発泡していて物性の良好なPAT発泡体を得ようとす
るものである。すなわち、PAT発泡体の中には、気泡
が不揃いであったり、使用中に収縮して寸法安定性が悪
かったり、また割れ易いものがあったりするが、この発
明はこのような欠点のないPAT発泡体を提供しようと
するものである。
【0011】
【課題解決のための手段】この発明者は、均一微細に発
泡していて割れにくく、しかも寸法安定性のよいPAT
発泡体を得るには、成形過程の検討も必要であるが、そ
れよりもPATと発泡剤との選択が重要であると考え
た。この考えに基づいて色々なグレードのPATと種々
の発泡剤とを用いて押出発泡を試み、得られたPAT発
泡体の性質を検討した。その結果、PATとしては特定
の固有粘度を持ったものを選んで用いる必要があり、発
泡剤としては既に知られたものの中から特定のものを選
んで用いる必要のあることを見出した。すなわち、PA
Tとしては固有粘度が0.70−0.83の範囲内にあ
るものを用い、発泡剤としてはジフルオロエタン、テト
ラフルオロエタン、及びジメチルエーテルの3種の化合
物の中から選んで、そのうちの1つ又は2つ以上のもの
を混合して用いると、均一微細に発泡していてしかも物
性の良好なPAT発泡体の得られることを見出した。
【0012】PATの固有粘度は、フェノール/テトラ
クロルエタン(重量比3/2)の混合溶媒中で35℃で
測定した溶液粘度から求めた。
【0013】この発明で用いることのできる発泡剤は、
ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン及びジメチル
エーテルの3種類のものである。この3種類の発泡剤
は、PAT以外の樹脂に対しては余り良好な発泡剤には
なり得ない。例えば、これら3種の化合物は、スチレン
系樹脂に対して発泡剤として働くものではあるが、気泡
を粗くしたり、添加量を多くしても低い倍率に発泡させ
るだけとなったり、また発泡後に発泡体中に残留して発
泡体の寸法安定性を悪くした。ところが、この3種の化
合物は、PATに対してはこれを均一微細に発泡させ、
また得られた発泡体の寸法安定性を良好にするという、
意外な効果をもたらすものであることが見出された。
【0014】さらに、この発明は、特開平3−1992
43号公報が教えるように、PATを押出発泡させた直
後に、押出物を急冷して押出物表面がなるべく結晶化し
ないようにすることを必要としている。そのために、こ
の発明では押出物を0°〜35℃の温度の液体又は固体
に接触させることを必要としている。
【0015】この発明は、樹脂として固有粘度が0.7
0−0.83のPATを用い、発泡剤としてジフルオロ
エタン、テトラフルオロエタン又はジメチルエーテルを
単独又は混合して用い、上記樹脂を押出機に入れて樹脂
を溶融するとともに樹脂内に上記発泡剤を圧入し、得ら
れた発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂の融点から樹脂の融点
プラス15℃の温度までの範囲内の温度にして押出機か
ら押し出して発泡させ、押出物を0°〜35℃の温度の
液体又は固体に接触させて表面から急冷することを特徴
とする、PAT発泡体の製造方法に関するものである。
【0016】この発明で用いることのできるPATは、
前述のように、芳香族のジカルボン酸と二価アルコール
とのエステル化反応によって生成された高分子量の鎖状
ポリエステルである。ジカルボン酸としては、テレフタ
ール酸が最も多く用いられているが、イソフタール酸、
2、6−ナフタレンジカルボン酸を用いることもでき
る。その他、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシジカルボン酸
を用いることもできる。他方、二価アルコールとしては
エチレングリコールが多く用いられるが、トリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキ
サンジメチロール、トリシクロデカンジメチロール、
2、2′−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、4、4′−ビス(β−ヒドロキシ)ジフ
ェニルスルホン、ジエチレングリコール、ブチレングリ
コールを用いることもできる。このようなPATは市販
されている。この発明では市販されているPATの中か
ら、固有粘度が0.70−0.83のものを選んで用い
る。
【0017】PATは高温で加水分解し易い樹脂である
から、これを発泡させる場合には予めこれを乾燥してお
くことが望ましい。乾燥は、例えば除湿乾燥機を用いる
のがよい。その場合の乾燥条件は、例えば露点が−30
℃の空気を160℃に加熱しておき、この空気中にPA
Tを約4時間露出しておく程度で足りる。
【0018】発泡剤として用いる3種の化合物のうち、
ジフルオロエタンは、これを正確に云えば1、1−ジフ
ルオロエタンであって、弗化エチリデンとも云うべきも
のである。この化合物は、沸点が−24.7℃の気体
で、極めて安定な化合物である。なお、ジフルオロエタ
ンには1、2−ジフルオロエタンと云えるものもある
が、この化合物は不安定であって、自然に分解するので
使用できない。また、テトラフルオロエタンは、一般に
フロン152aと云われており、分子式C2 4 2
表される化合物であって、沸点が−24.95℃であ
る。ジメチルエーテルは沸点が−23.6℃の芳香を放
つ気体である。この発明では、この3種の化合物を1つ
1つ単独で、又は2種以上混合して用いることができ
る。
【0019】この発明では、発泡剤のほかに種々の助剤
をPATに添加することができる。例えば、気泡調整剤
として少量のタルク粉末を加えたり、PATの溶融特性
を改善するために、無水ピロメリット酸のような酸二無
水物、周期律表Ia又はIIa族の金属化合物、炭酸ナト
リウム等を単独で又は混合してから加えることができ
る。その量は、PAT100重量部に対し0.1−5重
量部の範囲内である。
【0020】この発明では、PATを押出機に入れて溶
融するとともに、溶融したPATに発泡剤を圧入するこ
とが必要とされる。このためには、押出機内でPATを
少なくとも200℃に加熱して溶融し、よく混練してお
き、押出機の途中から上記発泡剤を押出機内に圧入し
て、溶融PATに発泡剤を含ませる。発泡剤の含有量は
PAT100重量部に対して0.5〜5重量部とされ
る。そのうちでも好ましいのは0.8〜3重量部であ
る。こうして発泡剤を含むに至ったPATは、その後押
出機の先端に付設された口金から押し出される。口金に
は得ようとする発泡体断面に相似形状の開口が設けら
れ、この開口からPATは押し出される。
【0021】PATの押出温度は、一般的に云えばPA
Tの融点以上であればよい。その温度は通常200℃以
上である。しかし、この発明方法では、良質の発泡体を
得るために押出温度に上限を設ける。すなわち、押出温
度は、PATの融点プラス15℃の温度を上限とする。
この15℃という限定は、良質の発泡体を得るために、
この発明者が実験から導き出した数値である。こうし
て、この発明では発泡剤含有の溶融PATをPATの融
点からPATの融点プラス15℃の温度までの範囲内の
温度にして押出機から押し出す。
【0022】この発明では、押出物、すなわち押し出さ
れたPATが、発泡して表面温度がなおPATの融点以
上の高温にあるとき、これを急冷する。急冷のために押
出物を0°〜35℃の温度の液体又は固体に接触させ
る。液体としては水が好適であり、固体としては熱伝導
性の良好な金属、とくにアルミニウム、ステンレス、銅
などが好適である。固体は、その表面が押出物の表面に
よく接触できるような形状にすることが好ましい。
【0023】例えば、押出物が円筒状シートとして押し
出される場合には、急冷用の固体としてはマンドレルを
用い、押し出されてくる円筒状のPATシートをマンド
レルに沿って進行させるようにし、且つマンドレルを水
で冷却することとする。この場合、マンドレルの長さを
なるべく長くする。また、押出物が平板状シートとして
押し出されてくる場合には、急冷用固体としては対をな
すロールを用い、ロール面にシートを密接させながら進
行させるようにし、且つロールを水で冷却するようにす
る。この場合、ロールの直径をなるべく大きくする。こ
うして、PAT発泡体の表皮部分の結晶化度を低く押さ
える。
【0024】押し出されたPATは、急冷された結果、
表面では結晶化する遑がなくて固化するから結晶化度の
低いものとなるが、内部には急冷の効果が届き難いので
内部は結晶化度が高いものとなる。結晶化度が低い表面
部分は、通常表面から0.5mm以内の部分である。こ
のため、得られた発泡体は表面が印刷又は接着し易く、
割れにくくなっており、全体としては曲げ強度が大き
く、釘などを打ち込み易くてしかも釘が抜け難くなるな
どの物性のすぐれたものとなる。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、PATとして固有粘
度が0.70−0.83のものを用いるので、押出発泡
させるときにPATが発泡に適した粘度を示すこととな
り、従って発泡させ易い。また、発泡剤としてジフルオ
ロエタン、テトラフルオロエタン、又はジメチルエーテ
ルを単独若しくは混合して用いるので、発泡剤を少量使
用するだけでPATが均一微細によく発泡し、従って外
観のよいPAT発泡体を得ることができる。また、発泡
に際しては、得られた発泡剤含有の溶融PATをPAT
の融点から融点プラス15℃の温度までの範囲内の温度
にして押出機から押し出すから、溶融PATは容易且つ
確実に発泡することとなる。また、発泡剤として上述の
ものを使用するから、PATが発泡したあとは発泡剤が
PATから短時間のうちに揮散するので、発泡PAT中
での発泡剤の残留量が少なく、従って寸法安定性のよい
PAT発泡体を得ることができる。その上に発泡した押
出物を0°〜35℃の温度の液体又は固体に接触させて
表面から急冷することとしたので、得られたPAT発泡
体は、表面において結晶化度が低く、内部において結晶
化度が高くなり、従って表面の加工がし易くてしかも割
れにくいものとなり、全体としては機械的強度の大きい
ものとなっている。この発明は、このような良質のPA
T発泡体が得られるという点で大きな利益を与えるもの
である。
【0026】
【実施例】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明
の特徴と効果とを具体的に説明する。その場合、以下で
単に部と云うのは重量部のことである。また、得られた
発泡体についてその物性を測定しているが、その測定方
法は次のとおりである。
【0027】曲げ強度は、JIS A 9511に準拠
した。但し、曲げ速度を10mm/min、試験片を3
0幅×原厚み(mm)とし、スパン間隔を80mm、治
具先端の加圧くさびを10R、支持台を10Rとした。
【0028】また、寸法変化率は、発泡体を200℃の
恒温槽に10時間入れ、その後の収縮率を測定した。
【0029】
【実施例1】PATとしては、固有粘度が0.81のP
ETすなわちポリエチレンテレフタレート(帝人社製の
TR8580)を用い、発泡剤としてはジフルオロエタ
ン(C2 4 2 、商品名フロン152a)を用いた。
このPETは融点が255℃であった。
【0030】まず、PETを除湿乾燥機に入れ、露点が
−30℃の空気を循環させながら、160℃で4時間乾
燥した。
【0031】上記のPET100部に、タルク粉末0.
5部と、無水ピロメリット酸0.3部と炭酸ナトリウム
0.05部とを加えて混合物とした。この混合物を口径
が65mmで、L/Dが35の押出機に入れ、スクリュ
ー回転数25rpmで混合物を混練し、押出機バレルの
途中からフロン152aを混合物中に圧入し、フロン1
52aの混合物100部に1部の割合で含ませた。この
とき押出機は、供給部を280°に、圧縮部を285℃
に溶融部を255℃にヘッド部を255℃に維持した。
【0032】こうして、発泡剤を含んだPETをフラッ
ト口金から平板状に押し出した。口金はスリット幅を6
5mm、間隙を1.0mmとし、255℃に維持した。
口金を出たPETは直ちに発泡した。発泡したPETを
すぐに幅50cm、長さ90cmの冷却用金属板の間に
挟み、冷却用金属板に密接させながら進行させた。冷却
用金属板は、その内部に20℃の水を通して冷却した。
こうして、幅が110mm、厚みが16mmのPET発
泡体を得た。
【0033】得られたPET発泡体は均一微細に発泡し
ており、外観は美麗であった。この発泡体は平均密度が
0.19g/ccで、曲げ強度が71.9Kgf/cm
2 、曲げたわみ量が27.7mmであって割れにくくて
機械的強度の大きいものであった。また、寸法変化率は
発泡体の流れ方向に0.1%増加、発泡体の幅方向に
0.4%収縮、発泡体の厚み方向に0.5%増加した
が、寸法安定性は良好であった。
【0034】
【実施例2】 実施例1において、発泡剤を変更してテ
トラフルオロエタン(フロン134a)を用い、これを
1.5重量%の割合で圧入し、タルク粉末を1.0重量
部使用することとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。
【0035】得られた発泡体は、幅が110mm、厚み
が16mmであった。
【0036】この発泡体は均一微細に発泡しており外観
は美麗であった。また、この発泡体は平均密度が0.1
9g/cc、曲げ強度が87.6Kgf/cm2 、曲げ
たわみ量が25.3mmであって割れにくく、機械的強
度の大きいものであった。また、寸法変化率は発泡体の
流れ方向に0.1%増加、発泡体の幅方向に0.5%収
縮、発泡体の厚み方向に0.6%増加したが、寸法安定
性は良好であった。
【0037】
【比較例1】発泡剤としてイソブタンを0.9重量%の
割合で圧入することとした以外は、実施例2と全く同様
に実施したところ、表面の荒れた外観の悪い製品しか得
られなかった。
【0038】
【比較例2】押出機の溶融部、ヘッド部、口金を何れも
260℃とした以外は、比較例1と全く同様に実施し
た。
【0039】得られた発泡体は、幅が110mm、厚み
が16mmであった。この発泡体は平均密度が0.19
g/cc、曲げ強度が95.6Kgf/cm2 、曲げた
わみ量が10.3mmであった。また、この発泡体は切
断面が欠けやすく、脆性が大きかった。
【0040】
【比較例3】PATとして固有粘度が1.10のPET
(帝人社製、TR 8510)を使用することとした以
外は、実施例1と全く同様に実施した。
【0041】得られた発泡体は、幅が110mm、厚み
が16mm、平均密度が0.19g/cc、曲げ強度が
65.2Kgf/cm2 、曲げたわみ量が33.8mm
であった。また、寸法変化率は、発泡体の流れ方向に
1.0%増加、発泡体の幅方向に3.6%収縮、発泡体
の厚み方向に6.7%増加したので、寸法安定性が悪か
った。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂として固有粘度が0.70−0.8
    3の熱可塑性ポリエステル樹脂を用い、発泡剤としてジ
    フルオロエタン、テトラフルオロエタン、又はジメチル
    エーテルを単独若しくは混合して用い、上記樹脂を押出
    機に入れて樹脂を溶融するとともに樹脂内に上記発泡剤
    を圧入し、得られた発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂の融点
    から樹脂の融点プラス15℃の温度までの範囲内の温度
    にして、押出機から押し出して発泡させ、押出物を0°
    〜35℃の温度の液体又は固体に接触させて表面から急
    冷することを特徴とする、熱可塑性ポリエステル樹脂発
    泡体の製造方法。
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