JPH0768394B2 - 多孔性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

多孔性フィルム及びその製造方法

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JPH0768394B2
JPH0768394B2 JP62304052A JP30405287A JPH0768394B2 JP H0768394 B2 JPH0768394 B2 JP H0768394B2 JP 62304052 A JP62304052 A JP 62304052A JP 30405287 A JP30405287 A JP 30405287A JP H0768394 B2 JPH0768394 B2 JP H0768394B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多孔性フィルム及びその製造方法、特に良好
な透湿防漏性・強度、しなやかな風合を有する多孔性フ
ィルム及びその製造方法に関するものであり、本発明の
多孔性フィルムは衛生材料、医療用材料、衣料用材料等
に適用され、特につかいすておむつの透湿防漏フィルム
等に効果的に適用されるものである。
〔従来の技術〕
多孔性フィルムの製造方法に関する従来の技術として
は、特公昭60−26009号公報、特開昭61−144331号公報
に記載のもの等が知られている。
上記公報に記載されている従来の技術について説明する
と、特公昭60−26009号公報には、無機充填剤を含有す
る熱可塑性樹脂の筒状フィルムを、縦(長さ)方向に1
軸延伸し、次いで横方向および縦方向に2軸延伸した
後、冷却してなる多孔性フィルムの製造方法が記載され
ている。
また、特開昭61−144331号公報には、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂にゴム状重合体と結晶性プラスチックの中間的
性質を有する軟質樹脂を配合してなる混合樹脂組成物
と、無機充填剤と、ポリエステル系可塑剤よりなる組成
物のシート状物を、延伸した後、熱固定してなる多孔性
シートの製造方法が記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記の従来の技術は以下のような問題点
を有していた。
即ち、特公昭60−26009号公報に記載されている多孔性
フィルムの製造方法は、均一な厚さのフィルムを得るた
めに縦方向に1軸予備延伸する必要があり、複雑な製造
方法となるばかりでなく、1軸予備延伸を管理する労力
を要する等の問題もある。尚、上記公報には第3成分と
してポリエステル又はモノエステルを含有する多孔性フ
ィルムについては記載されておらず、何等の示唆もな
い。
また、特開昭61−144331号公報に記載されている多孔性
シートの製造方法は、軟質樹脂を配合してなる混合樹脂
組成物を用いる必要があるため、製造コストが高くな
り、つかいすておむつの透湿防漏フィルムの製造方法と
しては採用し得ないばかりでなく、上記公報に記載の方
法で製造した多孔性シートは引裂強度が弱く、特につか
いすておむつの透湿防漏フィルムの如く、止着テープに
より止着テープと共に止着機能を分担する構成素材とし
て使用される場合には、タテ裂け強度が弱いと該止着テ
ープのつけはがし時及び使用時に、透湿防漏フィルムの
該止着テープの周囲部分に、局部的に応力が集中するた
めに止着テープ周囲部分での破れを生じる等の問題もあ
る。
従って、本発明の目的は、柔軟でしなやかな風合を有
し、且つ使用時等において必要充分な強度を有する多孔
性フィルム及びその製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、ポリオレフィン樹脂、充填剤及び第3成分を
含有する組成物を溶融成形してフィルムとなし、次いで
該フィルムを2軸延伸処理して得た多孔性フィルムにお
いて、上記第3成分がポリエステルであり、且つ上記ポ
リエステルは多塩基酸と多価アルコール(ジペンタエリ
スリトールを除く)と炭素数14〜22の1塩基酸とから得
られたポリエステル及び/又は多塩基酸と多価アルコー
ル(ジペンタエリスリトールを除く)と炭素数12〜22の
1価アルコールとから得られたポリエステルであり、上
記2軸延伸処理が、面積延伸倍率1.5倍以上の2軸延伸
処理であることを特徴とする多孔性フィルムを提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記目的を達成する本発明の多孔性フ
ィルムの製造方法であって、ポリオレフィン樹脂、充填
剤及び第3成分としてポリエステルを含有する組成物を
溶融成形してなるフィルムに、1軸ロールにより縦方向
の延伸を行い、この縦延伸後、マンドレルの延伸部にお
いて横方向の延伸を行い且つ該マンドレルの延伸部に続
く冷却部で冷却することにより、該フィルムに2軸延伸
処理を施すことを特徴とする多孔性フィルムの製造方法
を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明の多孔性フ
ィルムは、特にその厚みに制限されるものではなく、多
孔性シートと区別されるものではないが、通常10〜150
μ厚のフィルム(又はシート)として供される。
本発明に使用されるポリオレフィン樹脂とは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィン重合体及び
共重合体を主成分とするものをいい、例えば、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこ
れらの混合物が挙げられ、線状低密度ポリエチレンがし
なやかで強靭な多孔性フィルムを得る上で特に好まし
い。
本発明における充填剤としては、無機及び有機の充填剤
が用いられ、無機充填剤としては、炭酸カルシウム、石
膏、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
バリウム、燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化
亜鉛、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、カ
ーボンブラック等が使用され、有機充填剤としては、木
粉、パルプ粉等が使用される。これらは単独で又は混合
して使用してもよい。
充填剤の平均粒径は30μ以下のものが好ましく、更に好
ましくは10μ以下で、0.5〜5.0μのものが最も好まし
い。
充填剤の表面処理は、樹脂への均一分散に重要であり、
表面処理剤としては脂肪酸又はその金属塩等、表面を疎
水化できるものが好ましい。
本発明に使用される第3成分としてのポリエステルは、
多塩基酸と多価アルコールと炭素数14〜22の1塩基酸と
から得られたポリエステル、及び多塩基酸と多価アルコ
ールと炭素数12〜22の1価アルコールとから得られたポ
リエステルであり、これらの組合せはポリオレフィン樹
脂及び充填剤との親和性のバランスから、ポリエステル
一定重量中のエステル基数及び炭化水素鎖の分岐度を考
慮して選択され、これらは単独で又は混合して使用さ
れ、上記ポリエステルを構成する多塩基酸、多価アルコ
ール、1価アルコール、及び1塩基酸としては以下に挙
げるものが使用される。
本発明に用いられるポリエステルを構成する1塩基酸と
しては、炭素数14〜22の長鎖炭化水素のモノカルボン酸
等、多塩基酸としてはジカルボン酸、トリカルボン酸、
テトラカルボン酸等、1価アルコールとしては炭素数12
〜22の長鎖炭化水素のモノアルコール等、多価アルコー
ルとしてはジペンタエリスリトールを除くジオール類、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール、シュークローズ等が挙げられる。1塩基酸の
炭素数が12以下、又は1価アルコールの炭素数が10以下
の場合、ポリオレフィン樹脂と充填剤への親和性のバラ
ンスがずれるためか、フィルム成形時に第3成分が部分
的に集中し、延伸時にむらが生じたり、又はタテ裂け強
度が低下する。
本発明に用いられるポリエステルは上記の如き多塩基酸
と多価アルコールと、上記の如き1価アルコール及び/
又は1塩基酸とを脱水縮合反応させて得られるポリエス
テルであり、末端がカルボン酸の場合、その大部分がス
テアリルアルコール、オレイルアルコール、ゲルベアル
コール等の長鎖炭化水素のモノアルコールでエステル化
され、末端がアルコールの場合、その大部分がステアリ
ン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、イソステ
アリン酸等の長鎖炭化水素のモノカルボン酸でエステル
化された末端封鎖ポリエステルが好ましいが、これらの
場合でも全ての末端が封鎖されている必要はない。又、
エステル構成成分として分岐の酸又はアルコールを含ん
だエステルは更に好ましい。
好ましい具体的なポリエステルの例を挙げれば、ジエチ
レングリコールとダイマー酸のポリエステルの両末端の
カルボン酸又はアルコールをステアリルアルコール又は
ステアリン酸で部分的に又は全部を封鎖したポリエステ
ル、1,3−ブタンジオールとアジピン酸のポリエステル
の両末端をヒドロキシステアリン酸で封鎖したポリエス
テル、トリメチロールプロパン−アジピン酸−ステアリ
ン酸からなるヘキサエステル、ペンタエリスリトール−
アジピン酸−ステアリン酸からなるオクタエステル、上
記ポリエステルの構成成分であるアジピン酸の代わりに
ダイマー酸又は水添ダイマー酸を用いたポリエステル、
及びステアリン酸の代わりにイソステアリン酸を用いた
ポリエステル等が挙げられる。
尚、本発明において、第3成分である、多塩基酸と多価
アルコールと炭素数14〜22の1塩基酸とから得られたポ
リエステル及び多塩基酸と多価アルコールと炭素数12〜
22の1価アルコールとから得られたポリエステルは、単
独で又は混合して使用できる。
本発明におけるポリオレフィン樹脂、充填剤及び第3成
分の好ましい配合割合は、ポリオレフィン樹脂100重量
部に対して、充填剤50〜250重量部、第3成分2〜50重
量部である。
ポリオレフィン樹脂、充填剤及び第3成分の混合は通常
の方法で行なえる。例えばヘンシェルミキサー、スーパ
ーミキサー等で予備混合の後、2軸押出機で混練りする
ことができる。
その後、溶融押出によるフィルム成形を行い、該フィル
ムを2軸延伸処理することにより本発明の多孔性フィル
ムが得られる。
以下、本発明の多孔性フィルムの製造に適用される2つ
の2軸延伸方法について図面を参照し乍ら詳述する。
尚、チュウブラーマンドレル法による2軸延伸法の場合
は、延伸前のフィルムは、管状ダイスによるインフレー
ション法により成形された筒状のものに限られるが、テ
ンター法を応用したマンドレル法による2軸延伸法の場
合には、延伸前のフィルムは、管状、シート状の制限を
受けないため、インフレーション法やTダイ法等の方法
により成形されたものを用いうる。
チュウブラーマンドレル法 インフレーション法によって成形された筒状フィルムを
内部抵抗体であるマンドレルにて延伸処理する方法であ
り、図面には、特に自立タイプの装置を記載したので、
以下にはこの装置を用いた実施態様について述べるが、
本発明法はそれに限られるものではない。
第1図は、チュウブラーマンドレル法(本発明法の一実
施例)の実施に好適な装置の一例の概要を、その実施態
様の概要と共に示す斜視図、第2図及び第3図は、何れ
も第1図に示す装置におけるマンドレルの一例の概略形
状を示す側面図である。
本法を実施するには、先ず、特定の第3成分を含有する
組成物を用いて筒状に成形されたフィルム1を、第1図
に示す如く構成された装置の最下部よりマンドレルMの
内部を通してエアー2を注入することにより円筒状に保
持し、この状態で直径D1(第2図参照)の円筒状の予熱
マンドレル部3にその上方から円筒状フィルム1内に該
予熱マンドレル部3が嵌挿されるように導き、該フィル
ム1を延伸が可能な温度に加熱した後、該フィルム1の
融点以下の適性延伸温度に加熱された延伸マンドレル部
4にフィルムを導く。上記マンドレルMは、図示の如
く、上記予熱マンドレル部3とその下方に一体的に設け
られた延伸マンドレル部4とその下方に一体的に設けら
れた後述する冷却マンドレル部8とからなっており、延
伸マンドレル部4は下方に向かって直径が大となる形状
に構成されており、該延伸マンドレル部4の出口部分
(最下段)は直径D2に形成され、従って、この直径D2と
上記予熱マンドレル部3の直径D1との比率、即ち(D2)
/(D1)が横延伸倍率となる。
予熱マンドレル部3及び上記延伸マンドレル部4の加熱
は、マンドレルM外部からの遠赤外線加熱5等により行
っても良いが、マンドレルMを直接加熱する方法により
行う方がフィルム1の延伸温度を制御する上で有利であ
り、更に上記の両者の加熱方法を併用する方法がより有
効である。また、この際フィルム1に与える延伸応力
は、フィルム1,9を上部の一対のニップロール6,6′及び
下部の二対の7,7′により把持して供給し延伸すること
により発生する。また縦方向の延伸は、上記ニップロー
ル6,6′の速度V1と上記ニップロール7,7′の速度V2の相
対的な速度差にて行われ、従ってこの速度の比率(V2)
/(V1)が縦延伸倍率となる。予熱マンドレル部3の下
部から、延伸マンドレル部4の出口部分に亘るマンドレ
ルMの形状、即ち延伸マンドレル部4の表面形状は、直
線もしくは曲線の複合によって決定され、この直線もし
くは曲線の変曲点における接線の延長線の交点の角度、
即ち第2図及び第3図に示す角度θ1が、120゜以下で
あることが適性な延伸のための必要条件となる。しか
し、θ1が小さ過ぎると所定の延伸倍率を得る上で延伸
マンドレル部を大きくする必要が生じるため、θ1=60
〜90゜とするのが適当である。また、上記冷却マンドレ
ル部8は、上記延伸マンドレル部4の出口部分の直径D2
と略等しい直径を有する円筒状に構成されており、延伸
後のフィルムは該冷却マンドレル部8で冷却されて、延
伸時の残留応力が除去される。この冷却マンドレル部8
における冷却方式としては、外部からの空冷方式もしく
は内部循環式の水冷方式及びそれらの複合が考えられる
が、水冷方式が効果的である。また、冷却マンドレル部
8を、延伸マンドレル部4の最大径となるD2に比較して
1〜15%程度のヌキ勾配を有するように構成すること
が、マンドレルMの表面とフィルム1との間に発生する
摩擦抵抗を低下させる上で有効である。このようにして
延伸後十分に冷却されたフィルム(多孔性フィルム)9
は、冷却マンドレル部8の最下端部に設置されたカッタ
ー10により2枚に切り開かれ巻き取り工程に導かれる。
なお、この場合、上記マンドレルM部分での残留応力除
去が不十分となるような性質のフィルムには、巻き取り
工程に再加熱ロール11及び再冷却ロール12を設け、切り
開かれたフィルム9に対して再度熱処理を行うことも可
能である。
以上のようにして、均一に延伸された本発明で目的とす
る多孔性フィルムを製造することができる。
テンター法を応用したマンドレル法 上記の方法による場合、延伸前のフィルムの形態は、
筒状のものに限られるが、本方法は、フラットフィルム
及び筒状フィルムの何れも使用可能で、且つ上記の延
伸方法に用いられる装置と同様に簡素な装置で実施可能
であり、且つ装置設置面積等に関しても非常に有利な方
法である。
第4図は、テンター法を応用したマンドレル法(本発明
法の別の実施例)の実施に好適な装置の一例の概要を、
その実施態様の概要と共に示す正面図、第5図はその平
面図である。
本方法は、一般的に使用されている逐次2軸延伸法と同
様、1軸ロール延伸による縦延伸後、横延伸を行う装置
を用いて実施するもので、横延伸は、フィルム31の巾方
向の両端部をベルトやクリップ等により把持し、この状
態のフィルム31を抵抗体となるマンドレルMに導くこと
を特徴とする延伸処理方法で、以下工程順に説明する。
先ず、フラット状のフィルム、またはフラット状に2枚
重ねとした筒状のフィルム31を、縦延伸を行うべき一対
の低速ニップロール32,32′及び一対の高速ニップロー
ル33,33′間に導き、該低速ニップロール32,32′の速度
V3と該高速ニップロール33,33′の速度V4との速度差に
より1軸縦延伸を行う。従って、この場合の縦延伸倍率
は、(V4)/(V3)の比率となる。ただし、この延伸を
省略すれば、横延伸のみを実施することも可能である。
続いて、このフィルム31の巾方向の両端部をベルトやク
リップにより把持し、この状態で予熱マンドレル部34
(第4図上点線aと点線bとの間の円弧部分)に導き、
該予熱マンドレル部34で延伸が可能な温度にフィルム31
を加熱した後、該フィルム31をその融点以下の適性延伸
温度に加熱された延伸マンドレル部35(第4図上点線b
と点線cとの間の円弧部分)に導く。予熱マンドレル部
34のフィルム把持間隔はL1に、該延伸マンドレル部35の
出口部分のフィルム把持間隔はL2にそれぞれ形成されて
おり、従って、上記L1とL2との比率、即ち(L2)/(L
1)が横延伸倍率となる。この予熱マンドレル部34及び
延伸マンドレル部35の部分の加熱は、外部からの遠赤外
線加熱36(図中、2点鎖線で囲む矩形部分は、加熱手段
を設ける領域を示している)等による加熱方法を用いて
も良いが、マンドレルMでフィルム31を直接加熱する方
法の方がフィルム31の延伸温度を制御する上でより有利
であり、また、上記の2つの加熱方法を併用する方法が
より有効である。また、予熱マンドレル部34から延伸マ
ンドレル部35の出口部分に亘ってフィルム31の巾方向の
両端部を把持するベルトまたはクリップの2つの通路3
7,37が設けられており、該2つの通路37,37の延長線の
交点、即ち第5図におけるθ2は、90゜以下であること
が適性な延伸のための条件となる。しかし、θ2が小さ
過ぎると所定の延伸倍率を得る上で延伸マンドレル部を
大きくする必要が生じるため、θ2=60〜90゜とするの
が適当である。また、マンドレルMは、その延伸マンド
レル部35の後部に一体的に設けた冷却マンドレル部38
(第4図上点線cと点線dとの間の円弧部分)を具備し
ており、延伸後のフィルム31は該冷却マンドレル部38で
冷却されて、延伸時の残留応力が除去される。尚、この
冷却マンドレル部38の巾(第5図参照)は上記L2に略等
しくなしてあり、この冷却マンドレル部38の冷却方式と
しては、外部からの空冷方式もしくは内部循環式の水冷
方式及びそれらの複合が考えられるが、水冷方式が効果
的である。このようにして延伸後十分に冷却されたフィ
ルム39は、冷却マンドレル部38の最後部に設置されたカ
ッター40により、その両端部分43をスリット除去され、
巻き取り工程に導かれる。なお、この場合、上記マンド
レルM部分での残留応力除去が不十分となるような性質
のフィルムには、巻き取り工程に再加熱ロール41及び再
冷却ロール42を設け、スリット除去されたフィルム39に
対して再度熱処理を行うことも可能である。尚、上記予
熱マンドレル部34、上記延伸マンドレル部35及び上記冷
却マンドレル部38におけるフィルム通過部(上記通路3
7,37の間)には、断面(フィルム通過方向に沿う断面)
円弧状の平板を配してある。
以上のようにして均一に延伸された本発明で目的とする
多孔性フィルムを製造することができる。
上記及びの両延伸方法の何れも、縦・横倍率の積に
あたる面積延伸倍率で、1.5〜8.0倍の基本的に低延伸倍
率にて均一なフィルムを得ることを目的とした方法であ
り、これにより、フィルムの柔軟性が付与できるという
利点を有する方法である。また、両方法による場合、設
備コストの安さや設備の設置面積の小ささからも、使い
捨て用品にも十分に使用しうる低廉な価格で目的とする
多孔性フィルムを提供しうる。そして、上記及びの
方法で得られる多孔性フィルムは特に、柔軟性及び充分
な強度を付与されているため、使い捨てオムツを代表例
とする衛生用品の透湿防漏フィルムとして使用する場合
等に適する。
次に、上記及びの方法により厚さ40〜60μの多孔性
フィルムを得ようとする場合の好適な実施条件を挙げ
る。
フィルム厚(延伸前) 50〜100μ 予熱温度 50〜100℃ 延伸温度 30〜80℃ 延伸倍率 縦1.4〜2.5倍 横1.4〜2.5倍 巻取速度 10〜30m/分 〔実施例〕 以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例に使用した第3成分の組成及び特性値を下記
表1に示す。
注) E1,E2,E3,E4:第3成分 SV:ケン化価 AV:酸価 OHV:水酸価 TCN:合計炭素数 TMP:トリメチロールプロパン AA:アジピン酸 ST:ステアリン酸(花王 ルナックS−40) DA:ダイマー酸(ユニオンキャンプ社ユニダイム22) DEG:ジエチレングリコール K−86:ステアリルアルコール(花王 カルコール86) GA:C20ゲルベアルコール(花王 カルコール200G) 実施例1 線状低密度ポリエチレン樹脂(ウルトゼックス2520FP
三井石油化学工業(株)製)100重量部、表面処理炭酸
カルシウム(平均粒径1μ)150重量部、及びE1(第3
成分)25重量部を均一混練後、溶融成形して、厚み80μ
のフィルムを得る。このフィルムを、第1図に示すチュ
ウブラーマンドレル法により、下記の延伸条件で2軸延
伸した。
フィルム幅(延伸後) 600mm×2枚 予熱温度 85℃ 延伸温度 70℃ 延伸倍率 縦1.7倍×横1.8倍 巻取速度 15m/分 得られた多孔性フィルムの性能を下記表2に示す。下記
表2に示す各性能項目の試験方法(測定方法)は、次の
通りである。
透湿度:JIS Z−0208に準じる。
縦裂け強度:JIS P−8116に準じる。
柔軟性:感応評価(A=著しく柔らかい、B=柔らか
い、C=硬い) 延伸ムラ:外観評価(A=均一、B=ややムラ有り、C
=著しいムラ) 実施例2 延伸倍率を縦1.5倍、横1.5倍とした以外は、実施例1と
全く同様にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔性
フィルムの性能を下記表2に示す。
実施例3 第3成分として、E1の代わりにE2を使用し、延伸倍率を
縦1.5倍、横1.5倍とした以外は、実施例1と全く同様に
して多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの
性能を下記表2に示す。
実施例4 第3成分として、E1の代わりにE3を使用し、延伸倍率を
縦1.5倍、横1.5倍とした以外は、実施例1と全く同様に
して多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの
性能を下記表2に示す。
実施例5 第3成分として、E1の代わりにE4を使用し、延伸倍率を
縦1.5倍、横1.5倍とした以外は、実施例1と全く同様に
して多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの
性能を下記表2に示す。
実施例6 第3成分として、E1の代わりにE3を使用し、また、線状
低密度ポリエチレン樹脂として(ウルトゼックス1020L
三井石油化学工業(株)製)を使用し、延伸倍率を縦
1.5倍、横1.5倍とした以外は、実施例1と全く同様にし
て多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの性
能を下記表2に示す。
比較例1 第3成分を使用しなかった以外は、実施例1と全く同様
にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルム
の性能を下記表2に示す。
比較例2 延伸を1軸ロール延伸により行い、延伸倍率を縦1.5倍
とした以外は、実施例1と全く同様にして多孔性フィル
ムを得た。得られた多孔性フィルムの性能を下記表2に
示す。
比較例3 延伸を1軸ロール延伸により行い、延伸倍率を縦2.0倍
とした以外は、実施例1と全く同様にして多孔性フィル
ムを得た。得られた多孔性フィルムの性能を下記表2に
示す。
比較例4 第3成分として、E3を使用し、延伸を1軸ロール延伸に
より行い、延伸倍率を縦1.5倍とした以外は、実施例1
と全く同様にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔
性フィルムの性能を下記表2に示す。
比較例5 第3成分として、E3を使用し、延伸を1軸ロール延伸に
より行い、延伸倍率を縦2.0倍とした以外は、実施例1
と全く同様にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔
性フィルムの性能を下記表2に示す。
上記表2に示す結果から次のことが判る(尚、つかいす
ておむつ等の衛生材料で使用される透湿防漏シートにお
いては、JIS Z−0208に準じて測定した透湿度が1.0g/
100cm2hr以上あれば、使用時のムレ防止の効果が認めら
れる)。比較例3及び5で得られたフィルムは、透湿度
についてはまず良好な範囲にあるが、タテ裂け強度は極
めて弱く、止着テープと共に止着機能を分担すべき分野
では使用に耐えない。また、比較例2及び4で得られた
フィルムは、タテ裂け強度はそこそこあるものの、透湿
度は極めて小さく、使用時のムレ防止は殆ど期待できな
い。
一方、実施例1〜6で得られたフィルムにおいては、透
湿度とタテ裂け強度に大幅な向上が認められた。即ち、
1.0g/100cm2hr以上の透湿度を有する比較例3及び5で
得られたフィルムに対してタテ裂け強度は約2〜4倍の
向上が認められ、また比較例2及び4で得られたフィル
ムに対してはタテ裂け強度の向上は約1.5〜3倍のレベ
ルであるが、透湿度は約3〜5倍の向上が認められた。
〔発明の効果〕
本発明の多孔性フィルムは、柔軟でしなやかな風合を有
し、且つ使用時等において必要充分な強度を有するもの
で、本発明の製造方法によれば斯かる多孔性フィルムを
効果的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チュウブラーマンドレル法(本発明法の一実
施例)の実施に好適な装置の一例の概要を、その実施態
様の概要と共に示す斜視図、第2図及び第3図は、何れ
も第1図に示す装置におけるマンドレルの一例の概略形
状を示す側面図、第4図は、テンター法を応用したマン
ドレル法(本発明法の別の実施例)の実施に好適な装置
の一例の概要を、その実施態様の概要と共に示す正面
図、第5図はその平面図である。 M……マンドレル 1、9、31、39……フィルム 3、34……予熱マンドレル部 4、35……延伸マンドレル部 8、38……冷却マンドレル部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂、充填剤及び第3成分
    を含有する組成物を溶融成形してフィルムとなし、次い
    で該フィルムを2軸延伸処理して得た多孔性フィルムに
    おいて、上記第3成分がポリエステルであり、且つ上記
    ポリエステルは多塩基酸と多価アルコール(ジペンタエ
    リスリトールを除く)と炭素数14〜22の1塩基酸とから
    得られたポリエステル及び/又は多塩基酸と多価アルコ
    ール(ジペンタエリスリトールを除く)と炭素数12〜22
    の1価アルコールとから得られたポリエステルであり、
    上記2軸延伸処理が、面積延伸倍率1.5倍以上の2軸延
    伸処理であることを特徴とする多孔性フィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステルを構成する酸、アルコールの
    少なくとも一つが分岐鎖を有する特許請求の範囲第
    (1)項記載の多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂、充填剤及び第3成分
    の配合割合が、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し
    て、充填剤50〜250重量部、第3成分2〜50重量部であ
    る特許請求の範囲第(1)項又は第(2)項記載の多孔
    性フィルム。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン樹脂、充填剤及び第3成分
    を含有する組成物を溶融成形してフィルムとなし、次い
    で該フィルムを2軸延伸処理して得た多孔性フィルムに
    おいて、上記第3成分がポリエステルであり、且つ上記
    ポリエステルは多塩基酸と多価アルコール(ジペンタエ
    リスリトールを除く)と炭素数14〜22の1塩基酸とから
    得られたポリエステル及び/又は多塩基酸と多価アルコ
    ール(ジペンタエリスリトールを除く)と炭素数12〜22
    の1価アルコールとから得られたポリエステルであり、
    上記2軸延伸処理が、面積延伸倍率1.5倍以上の2軸延
    伸処理である多孔性フィルムの製造方法であって、ポリ
    オレフィン樹脂、充填剤及び第3成分としてポリエステ
    ルを含有する組成物を溶融成形してなるフィルムに、1
    軸ロールにより縦方向の延伸を行い、この縦延伸後、マ
    ンドレルの延伸部において横方向の延伸を行い且つ該マ
    ンドレルの延伸部に続く冷却部で冷却することにより、
    該フィルムに2軸延伸処理を施すことを特徴とする多孔
    性フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】2軸延伸処理が、面積延伸倍率8倍以下で
    なされる特許請求の範囲第(4)項記載の多孔性フィル
    ムの製造方法。
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