JPH0768332B2 - 有機導電体およびその製造方法 - Google Patents

有機導電体およびその製造方法

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JPH0768332B2
JPH0768332B2 JP19480087A JP19480087A JPH0768332B2 JP H0768332 B2 JPH0768332 B2 JP H0768332B2 JP 19480087 A JP19480087 A JP 19480087A JP 19480087 A JP19480087 A JP 19480087A JP H0768332 B2 JPH0768332 B2 JP H0768332B2
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organic conductor
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英之 益田
初 里中
豊明 沢田
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、エレクトロニクス材料および光学材料として
利用される有機導電体とその製造方法に関する。
<発明の目的> 本発明は、エレクトロニクス分野において、広範に応用
可能な、新規な有機導電体およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
<従来の技術> 従来、有機導電体用材料としては、ポリアセチレン、ポ
リパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリピ
ロールなどの共役系重合体が用いられ、重合体に電子受
容体、いわゆるドーピング剤を添加して電気伝導度を高
めた有機導電体が知られていた。
しかしながら、上記重合体よりなる有機導電体は一般
に、空気中の酸素の影響を受け不安定であること、加熱
しても溶解することなく固体状態のままで熱分解するた
め、成形性、加工性に劣ること、強度的に脆いという欠
点がある。
その欠点を改良するために多くの改善案がなされてい
る。例えば、チオフェンジイル誘導体、フランジイル誘
導体(特開昭59−11327号公報)などが提案されてい
る。
<発明の解決しようとする問題点> 上記のような有機導電材料としての重合体に添加される
電子受容体、いわゆるドーピング剤はASF5のような超強
酸が高導電性を与える点で最も好ましいものとされてい
る。
特にポリアセチレン、ポリバラフェニレン、ポリフェニ
レンスルフィドにおいては、ASF5の添加によってのみ高
導電性を付与されることになる。しかしながら、ASF5
毒性が強く添加された導電材料は人体に対する安全性に
欠けるという重大な欠点を持っている。
また、ポリアセチレンは空気中の酸素に対して不安定で
あり、ポリパラフェニレンやポリフェニレンスルフィド
も水分の影響を受けて、絶縁体になったりして、不安定
な状態となる。
このように、従来の有機導電材料の殆どが、安全性に欠
け、空気中で不安定であり、加工性が劣っている。その
ため、エレクトロニクス分野において、高い信頼性を求
められる材料としての使用に適さないとして問題があ
る。
このような現状から、安全性があり、しかも安定性や加
工性をあわせ持つ有機導電材料が求められており、本発
明の有機導電体は、このような特性をあわせ持ち、実用
上の利点が多いものを提供しようとするものである。
<発明の構成> 本発明者等は、上記問題に対して、かかる欠点を持つこ
とのない優れた有機導電体を得る目的で鋭意検討を行っ
た結果、一般式(I) (式中、lは1〜6の整数、mは0〜2の整数、Rは炭
素原子数1〜6の直鎖アルキル基、nは10〜300程度の
整数を示す)で表される有機重合体が電子受容体と強く
結合し、良好な有機導電体となることを見い出し、本発
明に至った。
驚くべきことは、本発明の一般式(I) (式中、lは1〜6の整数、mは0〜2の整数、Rは炭
素原子数1〜6の直鎖アルキル基、nは10〜300程度の
整数を示す)で表される有機重合体は分岐アルキル基が
含有されていることである。この分岐アルキル基を含む
チオフェン系重合体は従来全く知られていなかったもの
である。
本発明は、電解重合法によって新規の有機導電体を得る
ものである。
すなわち、電解重合による有機導電体の製造は、通常作
用極と対極とを、炭酸プロピレン等の有機溶媒中に芳香
族系化合物等の重合用単量体と、通電させるための支持
電解質とを溶解させた溶液中に入れ、両電極間に通電さ
せることにより行われる。
本発明で用いられる溶媒としては、アセトニトリル,炭
酸プロピレン,β−ブチロラクタム,N,N−ジメチルホル
ムアミド,ジメチルスルホキシド,N−メチルピロリド
ン,ニトロメタン,テトラヒドロフラン,ニトロベンゼ
ン等があげられ、特にアセトニトリル,炭酸プロピレ
ン,ニトロベンゼンが好ましい。
次に電子受容体、いわゆるトーピング剤としては、支持
電解質を用いる。この支持電解質としては、有機溶媒に
可溶で、かつイオン解離し易い有機4級アンモニウム
塩、無機塩、プロトン酸およびエステル等、種々の化合
物が使用できる。アニオンとしては、例えば、▲BF
- 4▼,▲AsF- 4▼,▲AsF- 6▼,▲PF- 6▼,▲SbF- 6▼,Sb
Cl-,▲ClO- 4▼,▲HSO- 4▼およびSO4 2-等の基を含有す
る。カチオンとしては、例えば、リチウム,ナトリウ
ム,カリウム,4級アンモニウム等を含有する。
さらに、電解重合用の電極基板としては、金、白金、パ
ラジウム等の貴金属、あるいは、これらを適当な基板上
に蒸着、スパッタリング、メッキ等のいずれかの方法に
より堆積したものが使用できる。
重合時のモノマーの溶液濃度は0.01モル/から1.0モ
ル/の間で、好ましくは0.05モル/から0.5モル/
の間である。
支持電解質の溶液濃度は、0.005モル/から1.0モル/
の間で、好ましくは0.01モル/から0.05モル/の
間である。この支持電解質のイオンがドーピング剤とし
て機能し、導電体が得られる。
重合反応温度は、一10℃から20℃の間で、好ましくは0
℃から10℃の間である。
電流密度としては、0.5ミリアンペア/cm2から20ミリア
ンペア/cm2の間で、好ましくは1ミリアンペア/cm2から
15ミリアンペア/cm2の間である。
重合雰囲気は、窒素、アルゴン等不活性気体雰囲気で行
うことが好ましい。
<実施例> 以下、本発明を単量体の製造例、および実施例により、
さらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に
限定されるものではない。
単量体製造例1. マグネシウム2.4g(0.1モル)にエーテル40mlを加え、
窒素気流下でイソブチルブロマイ13.7g(0.1モル)を滴
下し、グリニャー試薬とした。この中にジフェニルホス
フィノプロパンニッケルクロライド60mgを含む3−ブロ
モチオフェン16.3g(0.1モル)を滴下した。その後、一
夜室温で撹拌した。この反応液を塩酸30mlを含む氷水で
処理し、エーテルで有機層を抽出し、水洗、乾燥後エー
テルを留去して蒸留すると3−イソブチルチオフェン7.
1gが得られた。(収率50.7%)沸点168〜172℃ NMR(δ,CDCl3) 0.90(d,6H,−CH3) 1.87(m,1H,−CH<) 2.50(d,2H,−CH2−) 6.90(d,2H,HaおよびHb) 7.23(q,1H,Hc) 単量体製造例2〜3 単量体製造例1におけるイソブチルプロマイド0.1モル
を用いる以外は、同単量体製造例と同様に、第1表に示
す化合物を得た。
実施例1 50mlの三つ口フラスコを用い、ネサガラスを作用極、白
金板を対極として、3−イソペンチルチオフェン0.2モ
ル/,テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレ
ート0.03モル/を含む炭酸プロピレン30ml溶液中で、
電流密度5ミリアンペア/cm2,重合温度3℃,アルゴン
気流下で30分間、3−イソペンチルチオフェンの電解重
合を行った。重合後、フィルムはエキサンで洗浄し、基
板からはがし、4端子法により電気伝導度を測定したと
ころ、42S/cmの高導電性のポリ(3−イソペンチルチオ
フェン)が得られた。
この導電体は室温にて、空気中で1年放置した場合に、
外見上の変化は認められず、空気中の酸素に対して安定
であった。第1図に、この実施例1により得られた重合
体の赤外スペクトルチャートを示す。
実施例2 実施例1における3−イソペンチルチオフェン0.2モル
/に代えて、3−イソブチルチオフェン0.2モル/
を用いる以外は実施例1と同様に電解重合を行い、フィ
ルムの電気伝導度を測定したところ、32S/cmの高導電性
のポリ(3−イソブチルチオフェン)が得られた。
この導電体は室温にて、空気中で1年間放置した場合に
も外見上変化が見られず、空気中の酸素に対して安定で
あつた。
実施例3 50mlの三ッ口フラスコを用い、作用極、対極ともに白金
板とし、3−(2−エチルヘキシル)チオフェン0.2モ
ル/、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレ
ート0.03モル/を含むニトロベンゼン30ml溶液中で、
電流密度2ミリアンペア/cm2、温度5℃、アルゴン雰囲
気下で20分間3−(2−エチルヘキシル)チオフェンの
電解重合を行った。生成したフィルムの電気伝導度を測
定したところ、5s/cmの高導電性のポリ(3−(2−エ
チルヘキシル)チオフェン)が得られた。
この導電体は室温にて、空気中で1年間放置した場合に
も外見上の変化が見られず、空気中の酸素に対して安定
であった。
<発明の効果> 本発明の方法により得られた有機重合体は、耐熱樹脂と
しても有用なものである。
この有機重合体にドーピング剤を添加した導電体は、酸
素に対する安定性がある。さらには、十分な強度を持
ち、毒性等の問題はない。
本発明の有機導電体は、フィルム、板あるいはこれらの
複合物として製造でき、色スイッチ、センサー、あるい
はバッテリー用電池の電極等、エレクトロニクス分野を
はじめとして種々の分野において用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1により得られた本発明のポリ(3−
イソペンチルチフオフェン)導電体の赤外吸収スペクト
ルを示すチャート図である。
フロントページの続き (72)発明者 沢田 豊明 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 杉浦 猛雄 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 審査官 佐藤 邦彦 (56)参考文献 特開 昭62−220518(JP,A) 特開 昭62−220517(JP,A) 特開 昭61−209224(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式で表される有機重合体を基材
    とすることを特徴とする有機導電体。
  2. 【請求項2】下記の一般式で表される有機重合体を基材
    とする有機導電体を電解重合法により製造することを特
    徴とする有機導電体の製造方法。
JP19480087A 1987-08-04 1987-08-04 有機導電体およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0768332B2 (ja)

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