JPH0767642A - 酵素組成物 - Google Patents
酵素組成物Info
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- JPH0767642A JPH0767642A JP5243994A JP24399493A JPH0767642A JP H0767642 A JPH0767642 A JP H0767642A JP 5243994 A JP5243994 A JP 5243994A JP 24399493 A JP24399493 A JP 24399493A JP H0767642 A JPH0767642 A JP H0767642A
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- Japan
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- chondroitinase
- solution
- enzyme
- enzyme composition
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンドロイチナ−ゼを含有する酵素組成物の
提供。 【構成】 非イオン性界面活性剤を配合し、溶液状態で
pH5〜9を示すように調整したコンドロイチナ−ゼ含
有酵素組成物。 【効果】 有効成分の安定性が高く、容量への吸着が防
止され、メカニカルストレスにより不溶物が生成せず、
椎間板ヘルニア等の治療のための注射用医薬製剤として
有用である。
提供。 【構成】 非イオン性界面活性剤を配合し、溶液状態で
pH5〜9を示すように調整したコンドロイチナ−ゼ含
有酵素組成物。 【効果】 有効成分の安定性が高く、容量への吸着が防
止され、メカニカルストレスにより不溶物が生成せず、
椎間板ヘルニア等の治療のための注射用医薬製剤として
有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンドロイチナーゼを含
む酵素組成物に関する。本発明の酵素組成物は、有効成
分であるコンドロイチナーゼの安定性が高く、容器への
コンドロイチナーゼの吸着が防止され、振動等のメカニ
カルストレスにより不溶物が生成せず、椎間板ヘルニア
その他の疾患を治療する注射剤、その原液あるいはその
他の医薬製剤として有用である。
む酵素組成物に関する。本発明の酵素組成物は、有効成
分であるコンドロイチナーゼの安定性が高く、容器への
コンドロイチナーゼの吸着が防止され、振動等のメカニ
カルストレスにより不溶物が生成せず、椎間板ヘルニア
その他の疾患を治療する注射剤、その原液あるいはその
他の医薬製剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】コンドロイチナーゼABC(Chondroitin
ase ABC)〔EC 4.2.2.4〕は、ムコ多糖を不飽和オリゴ糖
および不飽和二糖に分解する酵素で、哺乳動物軟骨由来
のコンドロイチン硫酸A、鮫軟骨由来のコンドロイチン
硫酸Cおよび哺乳動物皮膚由来のコンドロイチン硫酸B
(デルマタン硫酸)の分解を強力に触媒し、ヒアルロン
酸の分解に対しては弱く触媒する酵素である。本酵素
は、動物組織からムコ多糖類を除去したり、組織中のム
コ多糖を同定するための研究用試薬として、プロテウス
・ブルガリス(Proteus vulgaris)等の細菌の産生する酵
素商品が市販されている。
ase ABC)〔EC 4.2.2.4〕は、ムコ多糖を不飽和オリゴ糖
および不飽和二糖に分解する酵素で、哺乳動物軟骨由来
のコンドロイチン硫酸A、鮫軟骨由来のコンドロイチン
硫酸Cおよび哺乳動物皮膚由来のコンドロイチン硫酸B
(デルマタン硫酸)の分解を強力に触媒し、ヒアルロン
酸の分解に対しては弱く触媒する酵素である。本酵素
は、動物組織からムコ多糖類を除去したり、組織中のム
コ多糖を同定するための研究用試薬として、プロテウス
・ブルガリス(Proteus vulgaris)等の細菌の産生する酵
素商品が市販されている。
【0003】一方、ヒトの腰痛の病因として区分される
椎間板ヘルニア症の治療に、植物パパイヤ由来の蛋白分
解酵素、例えばキモパパインや、バクテリア由来のコラ
ゲナーゼ等を、該ヘルニア症患者の椎間板腔に注入し、
ヘルニア部分を溶解する椎間板溶解療法(ID療法)が
開発され、欧米に於いては、キモパパインが医薬品(商
品名、キモダイアクチン)として市販されている。然る
に、上記蛋白分解酵素を用いるID療法は、脊椎・椎間
板のヘルニア部分のみならず、周辺の構造組織の蛋白部
分をも分解し、神経麻痺や、アレルギー発現等、副作用
を生じやすい欠点を有する。近年、コンドロイチナーゼ
ABCまたはコンドロイチナーゼACを椎間板腔に直接
投与して椎間板ヘルニアを治療する試みが行なわれてお
り椎間板ヘルニアの治療薬としての用途が期待されてい
る〔米国特許 4696816号明細書、 ClinicalOrthopaedic
s, 253,301-308(1990) 〕
椎間板ヘルニア症の治療に、植物パパイヤ由来の蛋白分
解酵素、例えばキモパパインや、バクテリア由来のコラ
ゲナーゼ等を、該ヘルニア症患者の椎間板腔に注入し、
ヘルニア部分を溶解する椎間板溶解療法(ID療法)が
開発され、欧米に於いては、キモパパインが医薬品(商
品名、キモダイアクチン)として市販されている。然る
に、上記蛋白分解酵素を用いるID療法は、脊椎・椎間
板のヘルニア部分のみならず、周辺の構造組織の蛋白部
分をも分解し、神経麻痺や、アレルギー発現等、副作用
を生じやすい欠点を有する。近年、コンドロイチナーゼ
ABCまたはコンドロイチナーゼACを椎間板腔に直接
投与して椎間板ヘルニアを治療する試みが行なわれてお
り椎間板ヘルニアの治療薬としての用途が期待されてい
る〔米国特許 4696816号明細書、 ClinicalOrthopaedic
s, 253,301-308(1990) 〕
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コンドロイチナーゼは
溶液状態でガラス容器やプラスチック容器に吸着して溶
液中の酵素活性が減少し、品質管理において重大な問題
であった。特に低濃度溶液ではその影響が大きい。ま
た、溶液に振とう等のメカニカルストレスを与えると不
溶物が生成する等の問題点を有している。さらに、本酵
素は不安定であって、水溶液の保存、凍結等の操作にお
いて容易に活性が減ずる等の問題点を有し、医療用等に
用いる上ではなはだ不都合であることを見いだした。本
発明は、このような欠点を改善することを目的としてな
されたものである。すなわち、本発明の課題は、安定性
が高く、溶液状態で不溶物を生成せず、容器への吸着が
防止され得るコンドロイチナーゼを含有する組成物を提
供することにある。
溶液状態でガラス容器やプラスチック容器に吸着して溶
液中の酵素活性が減少し、品質管理において重大な問題
であった。特に低濃度溶液ではその影響が大きい。ま
た、溶液に振とう等のメカニカルストレスを与えると不
溶物が生成する等の問題点を有している。さらに、本酵
素は不安定であって、水溶液の保存、凍結等の操作にお
いて容易に活性が減ずる等の問題点を有し、医療用等に
用いる上ではなはだ不都合であることを見いだした。本
発明は、このような欠点を改善することを目的としてな
されたものである。すなわち、本発明の課題は、安定性
が高く、溶液状態で不溶物を生成せず、容器への吸着が
防止され得るコンドロイチナーゼを含有する組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる事実に鑑み、本発
明者らは、コンドロイチナーゼの容器への吸着及び不溶
物生成を防止させることについて研究を重ねたところ、
コンドロイチナーゼにある種の成分を添加すると、容器
への吸着及び振とう等のメカニカルストレスによる不溶
物生成が防止できること、さらに保存時の安定性が向上
することを見いだし本発明に到達した。
明者らは、コンドロイチナーゼの容器への吸着及び不溶
物生成を防止させることについて研究を重ねたところ、
コンドロイチナーゼにある種の成分を添加すると、容器
への吸着及び振とう等のメカニカルストレスによる不溶
物生成が防止できること、さらに保存時の安定性が向上
することを見いだし本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、非イオン性界面活性
剤を配合し、溶液状態でpH5〜9を示すように調整した
コンドロイチナーゼを含有する酵素組成物に関する。本
発明によれば、コンドロイチナーゼに非イオン性界面活
性剤を少なくとも1種添加し、さらに緩衝剤を添加し、
pHを調整することにより、溶液状態において溶解コンド
ロイチナーゼが容器へ吸着すること、及びメカニカルス
トレスによる不溶物の生成を防止することができる。
剤を配合し、溶液状態でpH5〜9を示すように調整した
コンドロイチナーゼを含有する酵素組成物に関する。本
発明によれば、コンドロイチナーゼに非イオン性界面活
性剤を少なくとも1種添加し、さらに緩衝剤を添加し、
pHを調整することにより、溶液状態において溶解コンド
ロイチナーゼが容器へ吸着すること、及びメカニカルス
トレスによる不溶物の生成を防止することができる。
【0007】以下本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明において、コンドロイチナーゼとは、コンド
ロイチン硫酸リアーゼを意味し、具体的にはコンドロイ
チナーゼABC〔EC 4.2.2.4〕またはコンドロイチナー
ゼAC〔EC 4.2.2.5〕が包含されるが、コンドロイチナ
ーゼABCが好ましく、プロテウス・ブルガリス(Prote
us vulgaris)由来の酵素がより好ましい。これらの酵素
は医薬として使用できる程度に精製され、医薬として混
入が許されない物質を実質的に含まない酵素が望まし
い。
る。本発明において、コンドロイチナーゼとは、コンド
ロイチン硫酸リアーゼを意味し、具体的にはコンドロイ
チナーゼABC〔EC 4.2.2.4〕またはコンドロイチナー
ゼAC〔EC 4.2.2.5〕が包含されるが、コンドロイチナ
ーゼABCが好ましく、プロテウス・ブルガリス(Prote
us vulgaris)由来の酵素がより好ましい。これらの酵素
は医薬として使用できる程度に精製され、医薬として混
入が許されない物質を実質的に含まない酵素が望まし
い。
【0008】また、比活性が300U/mg 以上の医薬として
許容されるコンドロイチナーゼとは、比活性が300U(ユ
ニット;単位)/mg 蛋白以上であり、エンドトキシンを
実質的に含まず、核酸、プロテアーゼ含量は検出限界以
下であるコンドロイチナーゼをいい、とりわけ比活性が
300U/mg 以上であり、エンドトキシンを実質的に含ま
ず、核酸、プロテアーゼ含量は検出限界以下であるコン
ドロイチナーゼABCが好ましい。このような比活性が
300U/mg 以上である酵素を使用することにより、注射用
医薬品として生体内に投与した際に周辺組織に影響を与
えること無く、目的部位のプロテオグリカンを適切に分
解することができ、安全性と有効性が高い医薬とするこ
とができる。このようなコンドロイチナーゼABCは後
述の参考例ならびに特願平4-192882号および特願平5-17
7458号の特許出願明細書に記載の方法で得ることができ
る新規な酵素である。参考例の方法で得られるコンドロ
イチナーゼABCは次の特性を有する。なお、本発明に
おけるコンドロイチナーゼABCの力価測定は、コンド
ロイチン硫酸を基質として、37℃で反応させたときに生
成する紫外部に顕著な吸収を有する不飽和二糖類を吸光
光度法で測定することによって行った。1単位(U)は、
1分間に不飽和二糖を1マイクロモル遊離させる酵素量
である。
許容されるコンドロイチナーゼとは、比活性が300U(ユ
ニット;単位)/mg 蛋白以上であり、エンドトキシンを
実質的に含まず、核酸、プロテアーゼ含量は検出限界以
下であるコンドロイチナーゼをいい、とりわけ比活性が
300U/mg 以上であり、エンドトキシンを実質的に含ま
ず、核酸、プロテアーゼ含量は検出限界以下であるコン
ドロイチナーゼABCが好ましい。このような比活性が
300U/mg 以上である酵素を使用することにより、注射用
医薬品として生体内に投与した際に周辺組織に影響を与
えること無く、目的部位のプロテオグリカンを適切に分
解することができ、安全性と有効性が高い医薬とするこ
とができる。このようなコンドロイチナーゼABCは後
述の参考例ならびに特願平4-192882号および特願平5-17
7458号の特許出願明細書に記載の方法で得ることができ
る新規な酵素である。参考例の方法で得られるコンドロ
イチナーゼABCは次の特性を有する。なお、本発明に
おけるコンドロイチナーゼABCの力価測定は、コンド
ロイチン硫酸を基質として、37℃で反応させたときに生
成する紫外部に顕著な吸収を有する不飽和二糖類を吸光
光度法で測定することによって行った。1単位(U)は、
1分間に不飽和二糖を1マイクロモル遊離させる酵素量
である。
【0009】(i) 分子量が、SDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(SDS-PAGE)による測定(還元および非還元
のいずれにおいても)およびゲル濾過法による測定にお
いて約100,000 である。 (ii) 等電点が約pH 8.2および約pH 8.5である。 (iii) 至適pHは 8.0〜8.2(基質:コンドロイチン硫酸
C,緩衝液:トリス−塩酸緩衝液) 、至適温度は37℃で
ある。pH5〜9において25℃で24時間保持した場合約80
%以上の残存活性を示し、pH7.0 、50℃で1時間保持し
た場合完全に失活する。 (iv) Zn2+、Ni2+、Fe3+、およびCu2+によって活性が阻
害される。 (v) N末端アミノ酸がアラニンであり、C末端アミノ
酸がプロリンである。コンドロイチナーゼABCの両末
端の配列は、次のアミノ酸残基よりなる。 Ala-Thr-X-Asn-Pro-Ala-Phe-Asp-Pro ・・・・・-Ser-L
eu-Pro (X:未同定) (vi) SDS-PAGEにより単一のバンドを示し、高速液体ク
ロマトグラフィー (ゲル濾過およびカチオン交換) にお
いても単一のピークを示す。 (vii) エンドトキシンを実質的に含まず、核酸、プロテ
アーゼ含量は検出限界以下である。 (viii)結晶化し得る。 (ix) 比活性が300U/mg 以上である。
ゲル電気泳動(SDS-PAGE)による測定(還元および非還元
のいずれにおいても)およびゲル濾過法による測定にお
いて約100,000 である。 (ii) 等電点が約pH 8.2および約pH 8.5である。 (iii) 至適pHは 8.0〜8.2(基質:コンドロイチン硫酸
C,緩衝液:トリス−塩酸緩衝液) 、至適温度は37℃で
ある。pH5〜9において25℃で24時間保持した場合約80
%以上の残存活性を示し、pH7.0 、50℃で1時間保持し
た場合完全に失活する。 (iv) Zn2+、Ni2+、Fe3+、およびCu2+によって活性が阻
害される。 (v) N末端アミノ酸がアラニンであり、C末端アミノ
酸がプロリンである。コンドロイチナーゼABCの両末
端の配列は、次のアミノ酸残基よりなる。 Ala-Thr-X-Asn-Pro-Ala-Phe-Asp-Pro ・・・・・-Ser-L
eu-Pro (X:未同定) (vi) SDS-PAGEにより単一のバンドを示し、高速液体ク
ロマトグラフィー (ゲル濾過およびカチオン交換) にお
いても単一のピークを示す。 (vii) エンドトキシンを実質的に含まず、核酸、プロテ
アーゼ含量は検出限界以下である。 (viii)結晶化し得る。 (ix) 比活性が300U/mg 以上である。
【0010】本発明において、コンドロイチナーゼに配
合される必須の添加成分は、非イオン性界面活性剤であ
り、望ましい添加成分は緩衝剤である。これらのほかに
等張化のために必要な成分(塩化ナトリウムなどの塩
類;糖類など)を含有していてもよい。本発明の組成物
は溶液状態でpH5〜9を示すように調整されている。な
お、本発明の組成物を溶解する溶媒は医薬品用の精製水
であることが好ましい。
合される必須の添加成分は、非イオン性界面活性剤であ
り、望ましい添加成分は緩衝剤である。これらのほかに
等張化のために必要な成分(塩化ナトリウムなどの塩
類;糖類など)を含有していてもよい。本発明の組成物
は溶液状態でpH5〜9を示すように調整されている。な
お、本発明の組成物を溶解する溶媒は医薬品用の精製水
であることが好ましい。
【0011】非イオン性界面活性剤としては、医薬、特
に注射薬として許容されるものであれば限定されない
が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポ
リソルベート)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、シ
ョ糖脂肪酸エステルあるいはポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコールなどが好ましい。ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリオキ
シエチレンソルビタン(重合度約20)のモノラウレー
ト、モノパルミテート、モノオレエート、モノステアレ
ートまたはトリオレエート等を挙げることができる。市
販品としては、ポリソルベート80(Tween 80) (ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレエート(20 E.O.))、ポリ
ソルベート60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレート(20E.O.))、ポリソルべート40(ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート (20 E.O.)) 、Twee
n 21, 81, 65, 85等を例示することができる。ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油としては、市販品のHCO−1
0、HCO−50、HCO−60等を例示することができ
る。またショ糖脂肪酸エステルとしては、市販品のDK
エステルF−160 等を例示することができる。ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、
市販品のプルロニックF−68等を例示できる。
に注射薬として許容されるものであれば限定されない
が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポ
リソルベート)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、シ
ョ糖脂肪酸エステルあるいはポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコールなどが好ましい。ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリオキ
シエチレンソルビタン(重合度約20)のモノラウレー
ト、モノパルミテート、モノオレエート、モノステアレ
ートまたはトリオレエート等を挙げることができる。市
販品としては、ポリソルベート80(Tween 80) (ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレエート(20 E.O.))、ポリ
ソルベート60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレート(20E.O.))、ポリソルべート40(ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート (20 E.O.)) 、Twee
n 21, 81, 65, 85等を例示することができる。ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油としては、市販品のHCO−1
0、HCO−50、HCO−60等を例示することができ
る。またショ糖脂肪酸エステルとしては、市販品のDK
エステルF−160 等を例示することができる。ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、
市販品のプルロニックF−68等を例示できる。
【0012】緩衝剤としては生理学上許容されるもので
あればよく、特に限定されないが、塩酸、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸、
リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、アミノ酢
酸、安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウ
ム、乳酸、乳酸ナトリウム、エタノールアミン、アルギ
ニンまたはエチレンジアミンの一種以上を含有する緩衝
剤が例示される。特にリン酸ナトリウム緩衝剤及びリン
酸カリウム緩衝剤が好ましい。この緩衝剤によって本発
明の組成物を溶液状態においてpH領域を5〜9、好まし
くは6〜8に調整、保持することができる。pH5より低
い場合および9より高い場合にはコンドロイチナーゼが
失活したり、溶液状態で不溶物が生成することがある。
あればよく、特に限定されないが、塩酸、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸、
リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、アミノ酢
酸、安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウ
ム、乳酸、乳酸ナトリウム、エタノールアミン、アルギ
ニンまたはエチレンジアミンの一種以上を含有する緩衝
剤が例示される。特にリン酸ナトリウム緩衝剤及びリン
酸カリウム緩衝剤が好ましい。この緩衝剤によって本発
明の組成物を溶液状態においてpH領域を5〜9、好まし
くは6〜8に調整、保持することができる。pH5より低
い場合および9より高い場合にはコンドロイチナーゼが
失活したり、溶液状態で不溶物が生成することがある。
【0013】前記した添加成分は、コンドロイチナーゼ
1重量部に対して非イオン性界面活性剤については0.06
重量部(倍量)以上で効果が認められるが、好ましくは
0.6〜300 重量部(倍量)の割合で配合される。なお、
以下の実施例で原料として使用される精製されたコンド
ロイチナーゼABC溶液は30U/ml=0.1mg/ml の濃度で
あった。組成物中の緩衝剤の濃度は1mM以上、好まし
くは10〜50mMである。
1重量部に対して非イオン性界面活性剤については0.06
重量部(倍量)以上で効果が認められるが、好ましくは
0.6〜300 重量部(倍量)の割合で配合される。なお、
以下の実施例で原料として使用される精製されたコンド
ロイチナーゼABC溶液は30U/ml=0.1mg/ml の濃度で
あった。組成物中の緩衝剤の濃度は1mM以上、好まし
くは10〜50mMである。
【0014】さらに本発明の組成物には、保存剤あるい
は無痛化剤を含んでいてもよい。本発明の組成物を、そ
のまま医薬品として投与するための最終剤形として用い
てもよく、他の最終剤形医薬品の原料として使用しても
よい。本発明の組成物は、椎間板ヘルニア等の治療のた
めの注射用医薬製剤として用いられる。
は無痛化剤を含んでいてもよい。本発明の組成物を、そ
のまま医薬品として投与するための最終剤形として用い
てもよく、他の最終剤形医薬品の原料として使用しても
よい。本発明の組成物は、椎間板ヘルニア等の治療のた
めの注射用医薬製剤として用いられる。
【0015】次に、本発明の実施例について説明する。
各実施例に用いたコンドロイチナーゼABCは特願平4-
192882号および特願平5-177458号の特許出願明細書に記
載された酵素であり、参考例の方法によって得られたも
のである。
各実施例に用いたコンドロイチナーゼABCは特願平4-
192882号および特願平5-177458号の特許出願明細書に記
載された酵素であり、参考例の方法によって得られたも
のである。
【0016】
【実施例1】ガラス容器への吸着防止効果 :コンドロイチナーゼAB
C 0.4単位及び4単位を0.1M塩化ナトリウム水溶液に溶
かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(1.33及び13.3μ
g)の 0.075〜75倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを
6.9 に調整して酵素組成物を得た。この溶液をガラス製
アンプルに充填し、このアンプルを20℃、20時間保存し
た後、溶液中に残存した酵素の力価を測定してポリソル
ベート80による容器への吸着防止効果を調べた。その結
果を表1に示した。
C 0.4単位及び4単位を0.1M塩化ナトリウム水溶液に溶
かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(1.33及び13.3μ
g)の 0.075〜75倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを
6.9 に調整して酵素組成物を得た。この溶液をガラス製
アンプルに充填し、このアンプルを20℃、20時間保存し
た後、溶液中に残存した酵素の力価を測定してポリソル
ベート80による容器への吸着防止効果を調べた。その結
果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】振とうによる不溶物生成防止効果 :コンドロイチナーゼ
ABC40単位を0.1M塩化ナトリウム水溶液に溶かし、表
2に示す非イオン性界面活性剤を酵素蛋白量(133μg)の
0.0075〜 7.5倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを6.
9 に調製した溶液をガラス製アンプルに充填した。この
アンプルを振とう(振とう恒温器、 160回/分、8時
間)後、不溶物生成の有無を観察した。その結果を表2
に示した。
ABC40単位を0.1M塩化ナトリウム水溶液に溶かし、表
2に示す非イオン性界面活性剤を酵素蛋白量(133μg)の
0.0075〜 7.5倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを6.
9 に調製した溶液をガラス製アンプルに充填した。この
アンプルを振とう(振とう恒温器、 160回/分、8時
間)後、不溶物生成の有無を観察した。その結果を表2
に示した。
【0019】
【表2】
【0020】
【実施例3】輸送中の振動による不溶物生成防止効果(その1) :コ
ンドロイチナーゼABC5単位を0.1M塩化ナトリウム水
溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(16.7μ
g)の 0.060〜 6.0倍量添加し、さらにリン酸緩衝液で
pHを6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填し
た。このアンプルをトラックによって輸送し(輸送温
度、25℃以下;輸送期間、7日間)、輸送距離800km お
よび1200kmにおける不溶物生成の有無を観察した。その
結果を表3に示した。
ンドロイチナーゼABC5単位を0.1M塩化ナトリウム水
溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(16.7μ
g)の 0.060〜 6.0倍量添加し、さらにリン酸緩衝液で
pHを6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填し
た。このアンプルをトラックによって輸送し(輸送温
度、25℃以下;輸送期間、7日間)、輸送距離800km お
よび1200kmにおける不溶物生成の有無を観察した。その
結果を表3に示した。
【0021】
【表3】
【0022】
【実施例4】輸送中の振動による不溶物生成防止効果(その2) :コ
ンドロイチナーゼABC50単位を0.1M塩化ナトリウム水
溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(167μ
g)の0.0060〜0.60倍量添加し、さらにリン酸緩衝液で
pHを6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填し
た。この溶液をトラックによって輸送し(輸送温度、25
℃以下;輸送期間、7日間)、輸送距離800 kmおよび12
00kmにおける不溶物生成の有無を観察した。その結果を
表4に示した。
ンドロイチナーゼABC50単位を0.1M塩化ナトリウム水
溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(167μ
g)の0.0060〜0.60倍量添加し、さらにリン酸緩衝液で
pHを6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填し
た。この溶液をトラックによって輸送し(輸送温度、25
℃以下;輸送期間、7日間)、輸送距離800 kmおよび12
00kmにおける不溶物生成の有無を観察した。その結果を
表4に示した。
【0023】
【表4】
【0024】
【実施例5】輸送中の振動による不溶物生成防止効果(その3) :コ
ンドロイチナーゼABC 140単位を0.1M塩化ナトリウム
水溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(467μ
g)の32倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを6.9 に
調整した溶液をガラス製アンプルに充填した。このアン
プルをトラックによって輸送し(輸送温度、22.6℃以
下;輸送期間、16日間)、輸送距離800〜2000kmの各距
離において不溶物生成の有無を観察した。また、輸送後
(輸送距離2000km) における溶液の酵素の力価を測定
し、残存率を算出した。その結果を表5及び表6に示し
た。
ンドロイチナーゼABC 140単位を0.1M塩化ナトリウム
水溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(467μ
g)の32倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを6.9 に
調整した溶液をガラス製アンプルに充填した。このアン
プルをトラックによって輸送し(輸送温度、22.6℃以
下;輸送期間、16日間)、輸送距離800〜2000kmの各距
離において不溶物生成の有無を観察した。また、輸送後
(輸送距離2000km) における溶液の酵素の力価を測定
し、残存率を算出した。その結果を表5及び表6に示し
た。
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【実施例6】輸送中の振動による不溶物生成防止効果(その4) :コ
ンドロイチナーゼABC5単位を0.1M塩化ナトリウム水
溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(16.7μ
g)の30〜300 倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを
6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填した。こ
のアンプルをトラックによって輸送し(輸送温度、11.7
℃以下;輸送期間、19日間)、輸送距離800 〜2000kmの
各距離において不溶物生成の有無を観察した。また、輸
送後(輸送距離2000km) におるけ溶液の酵素の力価を測
定して残存率を算出した。その結果を表7及び表8に示
した。
ンドロイチナーゼABC5単位を0.1M塩化ナトリウム水
溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(16.7μ
g)の30〜300 倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを
6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填した。こ
のアンプルをトラックによって輸送し(輸送温度、11.7
℃以下;輸送期間、19日間)、輸送距離800 〜2000kmの
各距離において不溶物生成の有無を観察した。また、輸
送後(輸送距離2000km) におるけ溶液の酵素の力価を測
定して残存率を算出した。その結果を表7及び表8に示
した。
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【実施例7】輸送中の振動による不溶物生成防止効果(その5) :コ
ンドロイチナーゼABC 50 単位を0.1M塩化ナトリウム
水溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(167μ
g)の 3.0〜30倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを
6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填した。こ
のアンプルをトラックによって輸送し(輸送温度、11.7
℃以下;輸送期間、19日間)、輸送距離800 〜2000kmの
各距離において不溶物生成の有無を観察した。また、輸
送後(輸送距離2000km) における溶液の酵素の力価を測
定して残存率を算出した。その結果を表9及び表10に
示した。
ンドロイチナーゼABC 50 単位を0.1M塩化ナトリウム
水溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵素蛋白量(167μ
g)の 3.0〜30倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpHを
6.9 に調整した溶液をガラス製アンプルに充填した。こ
のアンプルをトラックによって輸送し(輸送温度、11.7
℃以下;輸送期間、19日間)、輸送距離800 〜2000kmの
各距離において不溶物生成の有無を観察した。また、輸
送後(輸送距離2000km) における溶液の酵素の力価を測
定して残存率を算出した。その結果を表9及び表10に
示した。
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【実施例8】コンドロイチナーゼABC30単位を0.1M塩
化ナトリウム水溶液に溶かし、プルロニックF68を酵素
添加量(100μg)の15倍量添加し、さらにリン酸緩衝液
でpH7に調整した溶液をガラス製アンプルに充填して医
薬製剤を得た。
化ナトリウム水溶液に溶かし、プルロニックF68を酵素
添加量(100μg)の15倍量添加し、さらにリン酸緩衝液
でpH7に調整した溶液をガラス製アンプルに充填して医
薬製剤を得た。
【0034】
【実施例9】コンドロイチナーゼABC80単位を0.1M塩
化ナトリウム水溶液に溶かし、HCO−60を酵素添加量
(267μg)の15倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpH7
に調整した溶液をガラス製アンプルに充填して医薬製剤
を得た。
化ナトリウム水溶液に溶かし、HCO−60を酵素添加量
(267μg)の15倍量添加し、さらにリン酸緩衝液でpH7
に調整した溶液をガラス製アンプルに充填して医薬製剤
を得た。
【0035】
【実施例10】コンドロイチナーゼABC30単位を0.1M
塩化ナトリウム水溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵
素添加量(100μg)の15倍量添加し、さらにリン酸緩衝
液でpH7に調整した溶液をガラス製アンプルに充填して
医薬製剤を得た。
塩化ナトリウム水溶液に溶かし、ポリソルベート80を酵
素添加量(100μg)の15倍量添加し、さらにリン酸緩衝
液でpH7に調整した溶液をガラス製アンプルに充填して
医薬製剤を得た。
【0036】
【実施例11】コンドロイチナーゼABC60単位を0.1M
塩化ナトリウム水溶液に溶かし、ポリソルベート80、プ
ルロニックF68をそれぞれ酵素添加量(200μg)の 7.5倍
量ずつ添加し、さらにリン酸緩衝液でpH7に調整した溶
液をガラス製アンプルに充填して医薬製剤を得た。
塩化ナトリウム水溶液に溶かし、ポリソルベート80、プ
ルロニックF68をそれぞれ酵素添加量(200μg)の 7.5倍
量ずつ添加し、さらにリン酸緩衝液でpH7に調整した溶
液をガラス製アンプルに充填して医薬製剤を得た。
【0037】
【実施例12】コンドロイチナーゼABC50単位を0.1M
塩化ナトリウム水溶液に溶かし、HCO−60、DKエス
テルF−160 をそれぞれ酵素添加量(167μg)の 7.5倍
量ずつ添加し、さらにリン酸緩衝液でpH7に調整した溶
液をガラス製アンプルに充填して医薬製剤を得た。
塩化ナトリウム水溶液に溶かし、HCO−60、DKエス
テルF−160 をそれぞれ酵素添加量(167μg)の 7.5倍
量ずつ添加し、さらにリン酸緩衝液でpH7に調整した溶
液をガラス製アンプルに充填して医薬製剤を得た。
【0038】
【参考例】次に、本発明に使用する精製コンドロイチナ
ーゼABCの製造法の一例について参考例を挙げて具体
的に説明する。プロテウス・ブルガリス(NCTC 4636, A
TCC 6896, IFO 3988) を従来知られている通常の方法
(J.Biol.Chem.,243 (7), 1523-1535(1968))で培養して
湿菌体を得た。この湿菌体200gに5mMリン酸緩衝液 (pH
6.5 〜7.0)600ml を加えて懸濁させ、ダイノミル(DY
NO MILL,登録商標名)により菌体を破砕し遠心
分離して、酵素抽出液を得た(工程1)。
ーゼABCの製造法の一例について参考例を挙げて具体
的に説明する。プロテウス・ブルガリス(NCTC 4636, A
TCC 6896, IFO 3988) を従来知られている通常の方法
(J.Biol.Chem.,243 (7), 1523-1535(1968))で培養して
湿菌体を得た。この湿菌体200gに5mMリン酸緩衝液 (pH
6.5 〜7.0)600ml を加えて懸濁させ、ダイノミル(DY
NO MILL,登録商標名)により菌体を破砕し遠心
分離して、酵素抽出液を得た(工程1)。
【0039】この菌体抽出液から核酸を除くために硫酸
プロタミンを用いた。上記酵素抽出液に最終濃度 0.5%
となるように5%硫酸プロタミン溶液を加え、4℃で約
30分間撹拌し、生じた沈澱を遠心分離によって除去し、
上澄液を得た(工程2)。
プロタミンを用いた。上記酵素抽出液に最終濃度 0.5%
となるように5%硫酸プロタミン溶液を加え、4℃で約
30分間撹拌し、生じた沈澱を遠心分離によって除去し、
上澄液を得た(工程2)。
【0040】得られた上澄液に約5倍量の水を加えカラ
ムクロマトグラフィーで精製した。すなわち、CMセフ
ァロースを充填したカラムに5mMリン酸緩衝液(pH6.5〜
7.0)を流して平衡状態とした後、上記上澄液を流し吸着
させた。その後カラムを同じ緩衝液で洗浄し、次いで
0.025M 食塩を含む同じ緩衝液で洗浄し、次に0.1Mの食
塩を含む上記緩衝液で溶出し、酵素活性を有する画分を
得た(工程3)。
ムクロマトグラフィーで精製した。すなわち、CMセフ
ァロースを充填したカラムに5mMリン酸緩衝液(pH6.5〜
7.0)を流して平衡状態とした後、上記上澄液を流し吸着
させた。その後カラムを同じ緩衝液で洗浄し、次いで
0.025M 食塩を含む同じ緩衝液で洗浄し、次に0.1Mの食
塩を含む上記緩衝液で溶出し、酵素活性を有する画分を
得た(工程3)。
【0041】この酵素活性画分に約5倍量の水を加え、
予め5mMリン酸緩衝液(pH6.5〜7.0)で平衡化したS−セ
ファロースカラムに吸着させた。その後、カラムを上記
緩衝液で洗浄し、次いで0.025M食塩を含む上記緩衝液で
洗浄し、次に 0.025〜約0.35Mの食塩を含む上記緩衝液
で濃度勾配法により溶出した(工程4)。溶出したコン
ドロイチナーゼABCは単一バンド(SDS-PAGE)を示し、
かつ核酸(DNA) 、プロテアーゼ等が除去されており、比
活性は380U/mg であって、従来のコンドロイチナーゼA
BCにくらべて比活性は約3倍程度以上高く、高純度の
酵素となった。
予め5mMリン酸緩衝液(pH6.5〜7.0)で平衡化したS−セ
ファロースカラムに吸着させた。その後、カラムを上記
緩衝液で洗浄し、次いで0.025M食塩を含む上記緩衝液で
洗浄し、次に 0.025〜約0.35Mの食塩を含む上記緩衝液
で濃度勾配法により溶出した(工程4)。溶出したコン
ドロイチナーゼABCは単一バンド(SDS-PAGE)を示し、
かつ核酸(DNA) 、プロテアーゼ等が除去されており、比
活性は380U/mg であって、従来のコンドロイチナーゼA
BCにくらべて比活性は約3倍程度以上高く、高純度の
酵素となった。
【0042】この酵素溶液(リン酸緩衝液(pH7.0)) に
15%となるようにポリエチレングリコール (分子量 4,0
00) を添加し、室温で約1週間放置したところ、白色乃
至無色で針状もしくは柱状のコンドロイチナーゼABC
結晶が生成した。各工程におけるコンドロイチナーゼA
BCの精製度を表11に、エンドトキシン含量及びプロ
テアーゼ残存量を表12に示す。
15%となるようにポリエチレングリコール (分子量 4,0
00) を添加し、室温で約1週間放置したところ、白色乃
至無色で針状もしくは柱状のコンドロイチナーゼABC
結晶が生成した。各工程におけるコンドロイチナーゼA
BCの精製度を表11に、エンドトキシン含量及びプロ
テアーゼ残存量を表12に示す。
【0043】
【表11】
【0044】
【表12】 * コンドロイチナーゼABC 100単位(U) 当りのエン
ドトキシン含量; トキシカラーシステム (生化学工業
(株) 製) を用いて測定。EUはエンドトキシン単位(Endo
toxin Unit)を示す。 ** FITC−カゼインを基質として測定 工程4により得られた酵素溶液中のエンドトキシン含量
は、上記のように5.0pg/100U 程度の極微量で実質的に
含有されておらず、また核酸(DNA)についてスレッ
シュホールド法〔DNA測定装置:スレッシュホールド
(モレキュラーデバイス社製)〕で測定したが、DNA
は検出されなかった(検出限界以下)。
ドトキシン含量; トキシカラーシステム (生化学工業
(株) 製) を用いて測定。EUはエンドトキシン単位(Endo
toxin Unit)を示す。 ** FITC−カゼインを基質として測定 工程4により得られた酵素溶液中のエンドトキシン含量
は、上記のように5.0pg/100U 程度の極微量で実質的に
含有されておらず、また核酸(DNA)についてスレッ
シュホールド法〔DNA測定装置:スレッシュホールド
(モレキュラーデバイス社製)〕で測定したが、DNA
は検出されなかった(検出限界以下)。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではコンド
ロイチナーゼに非イオン性界面活性剤を配合し、さらに
溶液状態でpH6〜8を示すように調整した酵素組成物と
することにより、溶液中のコンドロイチナーゼのガラス
容器への吸着が防止され、輸送による振動等のメカニカ
ルストレスが酵素組成物溶液に与えられても不溶物が生
成せず、さらに保存安定性の向上した、すぐれた酵素組
成物が得られる。本酵素組成物は注射用医薬製剤として
有用である。
ロイチナーゼに非イオン性界面活性剤を配合し、さらに
溶液状態でpH6〜8を示すように調整した酵素組成物と
することにより、溶液中のコンドロイチナーゼのガラス
容器への吸着が防止され、輸送による振動等のメカニカ
ルストレスが酵素組成物溶液に与えられても不溶物が生
成せず、さらに保存安定性の向上した、すぐれた酵素組
成物が得られる。本酵素組成物は注射用医薬製剤として
有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 非イオン性界面活性剤を配合し、溶液状
態でpH5〜9を示すように調整したコンドロイチナーゼ
を含有する酵素組成物。 - 【請求項2】 コンドロイチナーゼが、比活性が300U/m
g 以上の医薬として許容されるコンドロイチナーゼであ
る請求項1記載の酵素組成物。 - 【請求項3】 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油、シヨ糖脂肪酸エステルまたはポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングルコールである請求項
1記載の酵素組成物。 - 【請求項4】 比活性が300U/mg 以上の医薬として許容
されるコンドロイチナーゼ1重量部に対し、非イオン性
界面活性剤 0.6〜300 重量部を含み、さらにリン酸緩衝
剤を含み、その濃度が10〜50mMであり、pH5〜9を示す
ように調整され、これらの成分が医薬品用の精製水に溶
解された注射用医薬製剤である請求項1記載の酵素組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5243994A JPH0767642A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 酵素組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5243994A JPH0767642A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 酵素組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0767642A true JPH0767642A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=17112138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5243994A Pending JPH0767642A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 酵素組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0767642A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0875253A2 (en) * | 1997-05-02 | 1998-11-04 | Seikagaku Corporation | Chondroitinase compositions |
JP2001509513A (ja) * | 1997-07-11 | 2001-07-24 | シーヴイ テクノロジーズ インコーポレイテッド | サメ軟骨から得られ、過剰なphfまたは過剰な細胞内カルシウムに関係する病気の治療に用いられる製剤 |
WO2019167983A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 生化学工業株式会社 | 医薬組成物、包装体及びその製造方法 |
WO2019167991A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 生化学工業株式会社 | 包装体およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-09-03 JP JP5243994A patent/JPH0767642A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0875253A2 (en) * | 1997-05-02 | 1998-11-04 | Seikagaku Corporation | Chondroitinase compositions |
US6007810A (en) * | 1997-05-02 | 1999-12-28 | Seikagaku Corporation | Chondroitinase compositions |
EP0875253A3 (en) * | 1997-05-02 | 2000-11-22 | Seikagaku Corporation | Chondroitinase compositions |
JP2001509513A (ja) * | 1997-07-11 | 2001-07-24 | シーヴイ テクノロジーズ インコーポレイテッド | サメ軟骨から得られ、過剰なphfまたは過剰な細胞内カルシウムに関係する病気の治療に用いられる製剤 |
WO2019167983A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 生化学工業株式会社 | 医薬組成物、包装体及びその製造方法 |
WO2019167991A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 生化学工業株式会社 | 包装体およびその製造方法 |
JPWO2019167983A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2021-03-04 | 生化学工業株式会社 | 医薬組成物、包装体及びその製造方法 |
JPWO2019167991A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2021-03-18 | 生化学工業株式会社 | 包装体およびその製造方法 |
US11648299B2 (en) | 2018-02-28 | 2023-05-16 | Seikagaku Corporation | Pharmaceutical composition, package and method for producing the same |
US12090228B2 (en) | 2018-02-28 | 2024-09-17 | Seikagaku Corporation | Package and method for producing the same |
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040329 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040528 |
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A02 | Decision of refusal |
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