JPH0766902B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JPH0766902B2
JPH0766902B2 JP62045322A JP4532287A JPH0766902B2 JP H0766902 B2 JPH0766902 B2 JP H0766902B2 JP 62045322 A JP62045322 A JP 62045322A JP 4532287 A JP4532287 A JP 4532287A JP H0766902 B2 JPH0766902 B2 JP H0766902B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は性能の良好な積層箔形の固体電解コンデンサに
関する。
[従来の技術] 従来の固体電解コンデンサを構成する陽極基体として
は、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン等の弁作
用を有する金属(以下、弁金属という)が用いられ、こ
のうちタンタル、アルミニウムが多く採用されている。
たとえばアルミニウムを陽極基体とする固体電解コンデ
ンサは、第12図にそのコンデンサの縦断面図を示してあ
るが、図において、アルミ粉の焼結体に誘電体である酸
化アルミ皮膜を形成して陽極基体2を構成し、この酸化
アルミ皮膜上に半導体層3を形成し、さらにこの半導体
層3上に導電体層4,5を積層させることにより構成され
ている。半導体層3として硝酸マンガンの熱分解による
二酸化マンガンがもっぱら使用されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような従来の技術では、熱分解を数
回行なうので工程が煩雑であり、また二酸化マンガンの
電導度が10-1S・cm-1以下であるので高周波数帯域での
等価直列抵抗値が大きくて好ましくないという問題があ
った。本発明は上記の事情に鑑み、高周波数帯域で等価
直列抵抗値の小さい優れた固体電解コンデンサを提供す
ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記の目的を達成するためになされたものであ
って、その要旨は、 (1)陰極端子と電気的かつ機械的に一部分が接続し積
層合体した陰極側の箔と、陽極端子と電気的かつ機械的
に一部分が接続して積層合体し、表面に酸化皮膜層を有
する弁金属箔からなる陽極側の箔とがそれぞれ交互に1
枚づつ順次重なるように挿入配置された固体電解コンデ
ンサにおいて、前記陰極側の箔と前記酸化皮膜層との間
に半導体層が形成されている固体電解コンデンサにあ
る。また、陰極側の箔と陽極側の箔との間にセパレータ
が介在し、半導体層は二酸化鉛、または二酸化鉛と硫酸
鉛を主成分とする混合物からなる層であるのが好まし
い。
(2)一方のリード端子と電気的かつ機械的に一部分が
接続して積層合体し、表面に酸化皮膜層を有する弁金属
箔と、他方のリード端子と電気的かつ機械的に一部分が
接続して積層合体し、表面に酸化皮膜層を有する弁金属
箔とがそれぞれ交互に1枚づつ順次重なるように挿入配
置された固体電解コンデンサにおいて、前記両酸化皮膜
層間に半導体層が形成されている固体電解コンデンサに
ある。また、一方のリード端子を有する弁金属箔と他方
のリード端子を有する弁金属箔との間にセパレータが介
在し、半導体層は二酸化鉛または二酸化鉛と硫酸鉛を主
成分とする混合物からなる層であるのが好ましい。
(3)積層合体する箔のそれぞれの箔間にスペーサを有
し、陰極端子と電気的かつ機械的に一部分が接続してい
る陰極側の箔と、積層合体する箔のそれぞれの箔間にス
ペーサを有し、陽極端子と電気的かつ機械的に一部分が
接続し、表面に酸化皮膜層を有する弁金属箔からなる陽
極側の箔とが、それぞれ交互に1枚づつ順次重なるよう
に挿入配置された固体電解コンデンサにおいて、前記陰
極側の箔と前記酸化皮膜層との間に半導体層が形成され
ている固体電解コンデンサにある。また、陰極側の箔と
陽極側の箔との間にセパレータが介在し、半導体層は二
酸化鉛または二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とする混合物か
らなる層であるのが好ましい。
(4)積層合体する箔のそれぞれの箔間にスペーサを有
し、一方のリード端子と電気的かつ機械的に一部分が接
続し表面に酸化皮膜層を有する弁金属箔と、積層合体す
る箔のそれぞれの箔間にスペーサを有し、他方のリード
端子と電気的かつ機械的に一部分が接続し表面に酸化皮
膜層を有する弁金属箔とが、それぞれ交互に1枚づつ順
次重なるように挿入配置された固体電解コンデンサにお
いて、前記両酸化皮膜層間に半導体層が形成されている
固体電解層コンデンサにある。また、一方のリード端子
を有する弁金属箔と他方のリード端子を有する弁金属箔
との間にセパレータが介在し、半導体層は二酸化鉛また
は二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とする混合物からなる層で
あるのが好ましい。
[具体的構成および作用] 以下、本発明の固体電解コンデンサについて説明する。
第9図は典型的なポーラ形の積層箔形コンデンサの縦断
面図を示しており、陰極側の箔8、陽極側の箔9、そし
て陰極側の箔8,…の順に積層して並列構成されている。
また陰極側の箔8…は陰極端子7に、陽極側の箔9…は
陽極端子1に接続されている。第10図は典型的なセパレ
ータを有するポーラ形の積層箔形コンデンサの縦断面図
を示しており、陰極側の箔8、セパレータ10、陽極側の
箔9、セパレータ10、そして陰極側の箔8,…の順に積層
して並列構成されている。また陰極側の箔8…は陰極端
子7に、陽極側の箔9…は陽極端子1に接続されてい
る。
第11図は第9図および第10図に示した積層箔形コンデン
サの等価回路図であり、並列に結合している抵抗の数を
Nとすると、この等価回路の合成抵抗値は1/Nとなる。
本発明のポーラ形の固体電解コンデンサの陽極として用
いられる弁金属基体として、アルミニウム、タンタル、
ニオブ、チタンおよびこれらの金属を基質とする合金等
弁作用を有する金属の何れを用いてもよい。また、本発
明のバイポーラ形コンデンサを構成せしめる場合には両
リード端子に接続した箔とも上述の弁作用を有する金属
の何れかが用いられるが、通常は両方の弁金属は同一の
金属が用いられる。
前述の弁作用を有する金属の中、アルミニウムを使用す
るのが実用上有利である。
ポーラ形コンデンサにおいて、陽極基体表面あるいは陰
極基体表面の酸化皮膜層は基体自体の酸化物層であって
もよく、あるいは基体の表面上に設けられた他の誘電体
酸化物の層であってもよい。望ましくは弁金属自体の酸
化物から成る層である。また、バイポーラ形コンデンサ
においても、弁金属基体表面の酸化皮膜層は前述のポー
ラ形と同様に形成される。いずれの場合にも酸化物層を
設ける方法としては、従来公知の方法を用いることがで
きる。
本発明に使用する箔は、たとえば市販されている湿式ア
ルミニウムコンデンサのエッチングされた箔と同等のも
のを使用することができる。
ポーラ形コンデンサにおいて、陰極箔の枚数は通常、陽
極箔の枚数N(Nは正の整数)に対してN+1枚使用さ
れるが、陰極積層箔と陽極積層箔とを共通に準備する場
合はいずれもN枚となり、したがって、容量自体は上記
組合わせの場合の容量に比して減少するが、生産工程上
有効となるので陰極、陽極とも箔数をN枚として使用し
てもよい。
陰極箔と陽極箔は酸化皮膜層を設ける前後にかしめ付け
や高周波接合等の方法により端子に電気的・機械的に一
部分を接続して積層合体され、また、陰極箔と陽極箔の
間にセパレータが介在している場合は、そのセパレータ
を含んで積層合体される。
第3図は陰極側の箔8…と陽極側の箔9…を交互に1枚
づつ重り合って挿入した時の縦断面模式図である。第4
図は陰極側の箔8…と陽極側の箔9…の間にセパレータ
10…を介在させて、陰極側の箔8…と陽極側の箔9…を
交互に1枚づつ重り合って挿入した時の縦断面模式図で
ある。第5図(a)は陰極側の箔8…の間に1枚のセパ
レータ10を陰極端子7側で折り畳んで介在させ、その折
り畳んだセパレータ10の間に陰極側の箔9…を挿入する
縦断面模式図であり、第5図(b)は、陽極側の箔9…
の間に1枚のセパレータ10を陽極端子1側で折り畳んで
介在させ、その折り畳んだセパレータ10の間に陰極側の
箔8…を挿入する縦断面模式図であり、第5図(c)は
陰極側の箔8…を1枚づつ、1枚のセパレータ10で反陰
極端子側の箔の先端で折り畳んでセパレータを介在させ
る縦断面模式図であり、第5図(d)は陽極側の箔9…
を1枚のセパレータ10で折り畳んだ縦断面模式図であ
り、第5図(e)は陰極側の箔8…を2枚のセパレータ
10…ではさみ込んだ縦断面模式図であり、第5図(f)
は陽極側の箔9…を2枚のセパレータ10…ではさみ込ん
だ縦断面模式図であり、第5図(g)は陰極箔8…と陽
極箔9…の各々1枚づつにセパレータ10を1枚づつ介在
させた縦断面模式図である。
第5図で陽極と重ならない1番端の箔の外側のセパレー
タ10は第4図(a),(b)に示したように存在しても
しなくてもいずれでも良い。また、弁金属基体は通常陽
極として用いられ、電解酸化等によって酸化物層が形成
される一方、陰極は金属そのままあるいは極めて薄い酸
化物層の形成されたものが使用される。さらに、バイポ
ーラ形コンデンサにおいても、積層箔の組合せおよびセ
パレータの介在方法は前述のポーラ形と同様に行うこと
ができる。
第1図(a)は本発明のポーラ形固体電解コンデンサの
縦断面図であり、また第1図(b)は本発明のバイポー
ラ形固体電解コンデンサの縦断面図である。
第1図(a)において、4枚の陰極側の箔8…は陰極端
子7と箔の一部分が電気的かつ機械的に接続して積層合
体しており、また3枚の陰極側の箔9…も同様に陽極端
子1と接続し積層合体している。これら陰極側の箔8…
と陽極側の箔9…はこれら枚数に限られるものではな
く、必要に応じて枚数を決定すればよい。このように構
成された陰極側の箔8…と陽極側の箔9…は1枚づつ陰
極側の箔8と陽極側の箔9が重なるように配置してお
り、さらに陰極側の箔8…と陽極側の箔9…の表面に形
成した酸化皮膜層11の間には半導体層3が形成されてい
る。第1図(b)においては、第1図(a)の構成の他
に、両リード端子14,16に接続している各々の箔13,15…
の表面にも酸化皮膜層11が形成されており、コンデンサ
を無極性として利用できる。なお、前述の第3図におけ
る酸化物層は第1図(a)の酸化皮膜層11として陽極側
の箔9…の表面に存在している。
第2図(a)は本発明のセパレータを有するポーラ形固
体電解コンデンサの縦断面図であり、また第2図(b)
は本発明のセパレータを有するバイポーラ形固体電解コ
ンデンサの縦断面図である。第2図(a)において、陰
極箔8…と陽極箔9…との間にはセパレータ10…が設け
られており、また第2図(b)においても一方のリード
端子14側の箔13…と他方のリード端子16側の箔15との間
にはセパレータ10が設けられている。ポーラ形、および
バイポーラ形のいずれにおいても、コンデンサの組立て
時に陰極側の箔8と陽極側の箔9、または箔13と箔15が
接触して酸化皮膜層11が疵がつくおそれがあるのでセパ
レータを設けた方が好ましい。
次に、ポーラ形コンデンサにおいて、陰極側の箔8…と
陽極側の箔9…をそれぞれ陰極端子7と陽極端子1に積
層合体して接続した様子を第6図に模式的に示す。第6
図において、陰極側の箔8…と陽極側の箔9…とを交互
に1枚ずつ順次重なるように挿入配置する場合の方法と
して、第7図(a)のように陰極側の箔8…の間には陽
極側の箔9…の厚さと同程度の厚さのスペーサ12を介在
させ、さらに陽極側の箔9…の間には陰極側の箔8…の
厚さと同程度の厚さのスペーサ12…を介在させておくと
両者を挿入配置するときに両者の箔の重さなる面積が増
してコンデンサとしての容量が充分に確保でき望まし
い。しかし、これにこだわることなく第7図(b)のよ
うに陰極側の箔8…が陽極側の箔9…かいずれか一方に
はスペーサ12…を介在せしめ、他方はスペーサ無しの形
式で組み合わせてもよく、さらには第7図(c)のよう
にいずれの側の箔8…,9…にもスペーサを用いることな
く両者の箔8…,9…を組み合わせてもよい。ここで、ス
ペーサ12は箔状の材料であれば用いることができ、陽極
箔や陰極箔として用いるような金属箔を用いてもよい
が、酸化皮膜を有する積層箔の方は絶縁体材料あるいは
表面が絶縁皮膜で覆われた導電体材料を用いる必要があ
る。また、陰極箔と陽極箔との積層を強固にするためテ
ーピング等により両者の脱離を防ぐことも有効な手段で
ある。
第8図(a),(b),(c)は第7図(a),
(b),(c)に対して、陰極側の箔8…と陽極側の箔
9…との間にセパレータ10…を介在させた状態を模式的
に示した図である。
また、バイポーラ形コンデンサにおいても、前述のポー
ラ形と同様の方法が適用できる。
次に、本発明において使用する半導体層は二酸化鉛もし
くは、二酸化鉛と硫酸鉛を主成分として、従来公知の化
学的析出法、或は電気化学的析出法で作製するのが好ま
しい。
科学的析出法としては、例えば、鉛含有化合物と酸化剤
を含んだ溶液から化学的に析出させる方法があげられ
る。
鉛含有化合物としては、例えばオキシン、アセチルアセ
トン、ピロメコン酸、サリチル酸、アリザリン、ポリ酢
酸ビニル、ポルフィリン系化合物、クラウン化合物、ク
リプテート化合物等のキレート形成性化合物に鉛の原子
が配位結合もしくはイオン結合している鉛含有化合物、
クエン酸鉛、酢酸鉛、塩基性酢酸塩、塩化塩、臭化塩、
過塩素酸鉛、塩素酸鉛、リードサルファメイト、六弗化
ケイ素鉛、臭素酸鉛、ホウフッ化鉛、酢酸鉛水和物、硝
酸鉛等があげられる。これらの鉛含有化合物は、反応母
液に使用する溶剤によって適宜選択される。また、これ
らの鉛含有化合物は2種以上混合して使用しても良い。
反応母液中の鉛含有化合物の濃度は、飽和溶解度を与え
る濃度から0.05モル/の範囲内であり、好ましくは飽
和溶解度を与える濃度から0.1モル/の範囲内であ
り、より好ましくは飽和溶解度を与える濃度から0.5モ
ル/の範囲である。反応母液中の鉛含有化合物の濃度
が0.05モル/未満では、性能の良好な固体電解コンデ
ンサを得ることができない。また反応母液中の鉛含有化
合物の濃度が飽和溶解度を越える場合は、増量添加によ
るメリットが認められない。
酸化剤としては、例えばキノン、クロラニル、ピリジン
−N−オキサイド、ジメチルスルフォキサイド、クロム
酸、過マンガン酸カリ、セレンオキサイド、酢酸水銀、
酸化バナジウム、塩素酸ナトリウム、塩化第二鉄、過酸
化水素、過酸化ベンゾイル、次亜塩素酸カルシウム、亜
塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、過塩素酸カルシ
ウム等が挙げられる。これらの酸化剤は、使用する溶剤
によって適宜に選択すればよい。また酸化剤は、2種以
上混合して使用してもよい。
酸化剤の使用割合は、鉛含有化合物の使用モル量の5〜
0.1倍モルの範囲内であることが好ましい。酸化剤の使
用割合が鉛化合物の使用モル量の5倍モルより多い場合
は、コスト的にメリットはなく、また0.1倍モルより少
ない場合は、性能の良好な固体電解コンデンサが得られ
ない。
二酸化鉛を主成分とする半導体層を形成する方法として
は、例えば鉛含有化合物を溶かした溶液と酸化剤を溶か
した溶液を混合して反応母液を調製した後、反応母液に
前記した箔の積層体を浸漬して化学的に析出させる方法
が挙げられる。
一方、電気化学的析出法としては、例えば本発明者等が
先に提案した高濃度の鉛イオンを含んだ電解液中で電解
酸化により二酸化鉛を析出させる方法等が挙げられる
(特願昭61−26952)。
また、半導体層を本来、半導体の役割を果たす二酸化鉛
と絶縁物質である硫酸鉛を主成分とする層で構成すると
硫酸鉛の配合により、コンデンサの漏れ電流値を低減せ
しめることができる。一方、硫酸鉛の配合により半導体
層の電気伝導度が低くなるため損失係数値が大きくなる
が、従来の固体電解コンデンサと比較しても高水準の性
能を維持発現することができる。従って、半導体層を、
二酸化鉛と硫酸鉛の混合物で構成する場合、二酸化鉛を
10重量部以上100重量部未満に対して硫酸鉛を90重量部
以下という広範囲の組成で良好なコンデンサ性能を維
持、発現することができるが、好ましくは二酸化鉛20〜
50重量部に対して硫酸鉛80〜50重量部、より好ましくは
二酸化鉛25〜35重量部に対して硫酸鉛75〜65重量部の範
囲で漏れ電流値と損失係数値のバランスがとりわけ良好
となる。二酸化鉛が10重量部未満であると導電性が悪く
なるために損失係数値が大きくなり、また容量が充分出
現しない。
二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とする半導体層は、例えば鉛
イオン及び過硫酸イオンを含んだ水溶液を反応母液とし
て化学的析出によって形成することができる。又、過硫
酸イオンを含まない適当な硬化剤を加えてもよい。
母液中の鉛イオン濃度は、飽和溶解度を与える濃度から
0.05モル/、好ましくは飽和溶解度を与える濃度から
0.1モル/、より好ましくは飽和溶解度を与える濃度
から0.5モル/の範囲内である。鉛イオンの濃度が飽
和溶解度より高い場合には、増量添加によるメリットが
ない。また、鉛イオンの濃度が0.05モル/より低い場
合には、母液中の鉛イオン濃度が薄すぎるため半導体析
出回数を多くしなければならないという難点がある。
一方、母液中の過硫酸イオン濃度は鉛イオンに対してモ
ル比で5から0.05の範囲内である。過硫酸イオンの濃度
が鉛イオンに対してモル比で5より多いと、未反応の過
硫酸イオンが残るためコスト高となり、また過硫酸イオ
ンの濃度が鉛イオンに対してモル比で0.05より少ない
と、未反応の鉛イオンが残り導電性が悪くなるので好ま
しくない。
鉛イオン種を与える化合物としては、例えばクエン酸
鉛、過塩素酸鉛、硝酸鉛、酢酸鉛、塩基性酢酸鉛、塩素
酸鉛、リードサルファメイト、六弗化ケイ素鉛、臭素酸
鉛、塩化鉛、臭化鉛等が挙げられる。これらの鉛イオン
種を与える化合物は2種以上混合して使用してもよい。
一方、過硫酸イオン種を与える化合物としては、例えば
過硫酸カリ、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等
が挙げられる。これらの過硫酸イオン種を与える化合物
は、2種以上混合して使用してもよい。
一方、酸化剤としては、例えば過酸化水素、次亜塩素酸
カルシウム、亜塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、
過塩素酸カルシウム等が挙げられる。
以上述べた如く構成される本発明の固体電解コンデンサ
は、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装
ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフィルムによ
る外装などの外装により各種用途の汎用コンデンサ製品
とすることができる。
[実 施 例] 以下、実施例および比較例を示して、本発明をさらに詳
しく説明する。
実施例 1 長さ1cm、幅0.5cmの陰極用アルミ箔の小片5枚を重ね、
スペーサなしで積層した後、一端に陰極端子をかしめ付
けし、電気的・機械的に一部分を合体させた。一方、交
流により電気化学的にエッチング処理したエッチングア
ルミ箔から長さ1cm、幅0.5cmの小片を4枚切り出した。
この4枚の小片をスペーサなしで積層して一端に陽極端
子をかしめ付けし、電気的・機械的に一部分を合体させ
た。続いて、ホウ酸およびホウ酸アンモニウムの水溶液
中で電気化学的に処理してアルミナの酸化物層を形成
し、一部分が陽極端子によって合体した4枚の低圧用エ
ッチングアルミ化成箔(約1μF/cm2)を得た。引き続
き前述した陰極合体箔間に陽極エッチングアルミ化成箔
を1枚づつ順に挿入して陰極箔が交互に並んだ積層体を
作製した。尚、積層体の一部をテーピングし積層体のず
れによる陰極箔の位置のゆがみを防いだ。さらに酢酸鉛
の1モル/の水溶液に積層体を浸漬し、酢酸鉛に対し
て0.5倍モルの過酸化水素の希釈水溶液を加えた。1時
間放置した後、積層体上に析出した二酸化鉛層を水で充
分洗浄した後、120℃で減圧乾燥した。この操作を2回
くり返した後、端子部を除いて樹脂封口し、固体電解コ
ンデンサを作製した。
実施例 2 長さ1cm、幅0.5cmの陰極用アルミ箔の小片5枚と長さ1.
2cm、幅0.6cmのポリプロピレン製ネット(厚み50μm)
をセパレータとして8枚用意し、陰極用アルミ箔5枚の
各箔間にセパレータを2枚入れるという具合に重ね、ス
ペーサなしで積層した後、一端に陰極端子をかしめ付け
し、電気的・機械的に一部分を合体させた。一方、交流
により電気化学的にエッチング処理したエッチングアル
ミ箔から長さ1cm、幅0.5cmの小片を4枚切り出した。こ
の4枚の小片をスペーサなしで積層して一端に陽極端子
をかしめ付け、電気的・機械的に一部分を合体させた。
続いて、ホウ酸およびホウ酸アンモニウムの水溶液中で
電気化学的に処理してアルミナの酸化物層を形成し、一
部分が陽極端子によって合体した4枚の低圧用エッチン
グアルミ化成箔(約1μF/cm2)を得た。引き続き前述
した陰極合体箔間に陽極エッチングアルミ化成箔を1枚
づつ順に挿入して陰極箔が交互に並んだ積層体を作製し
た。そして実施例1と同様にして積層体上に二酸化鉛層
を形成し、更に同様の処理をして固体電解コンデンサを
作製した。
実施例 3 実施例1で半導体層を形成する溶液を、酢酸鉛三水和物
3.8モル/水溶液と過硫酸アンモニウム4.0モル/水
溶液との混合液とした以外は実施例1と同様にして固体
電解コンデンサを作製した。尚、生成した半導体層は、
二酸化鉛と硫酸鉛からなり、二酸化鉛がおおよそ25重量
%含むことを、質量分析X線分析および赤外分光分析よ
り確認した。
実施例 4 実施例2でポリプロピレン製ネットの代わりにレーヨン
セパレータを使用し、また半導体層を形成する溶液を、
酢酸鉛三水和物3.8モル/水溶液と過硫酸アンモニウ
ム4.0モル/水溶液との混合液とした以外は実施例2
と同様にして固体電解コンデンサを作製した。尚、生成
した半導体層は、二酸化鉛と硫酸鉛からなり、二酸化鉛
がおおよそ25重量%含むことを、質量分析X線分析およ
び赤外分光分析より確認した。
実施例 5 実施例3で半導体層形成の際に過酸化水素水を0.05モル
/加えた以外は実施例3と同様にして固体電解コンデ
ンサを作製した。このときの半導体層は二酸化鉛と硫酸
鉛から成る組成物であって、二酸化鉛がおおよそ50重量
%含まれることを確認した。
実施例 6 実施例4で半導体層形成の際に過酸化水素水を0.05モル
/加えた以外は実施例4と同様にして固体電解コンデ
ンサを作製した。このときの半導体層は二酸化鉛と硫酸
鉛から成る組成物であって、二酸化鉛がおおよそ50重量
%含まれることを確認した。
実施例 7 実施例3で、合体したアルミ化成箔を作製する際に、長
さ0.1cm、幅0.5cmのアルミ箔をスペーサとして合体させ
た以外は、実施例3と同様にして固体電解コンデンサを
作製した。
実施例 8 実施例4で、合体したアルミ化成箔を作製する際に、長
さ0.1cm、幅0.5cmのアルミ箔をスペーサとして合体させ
た以外は、実施例4と同様にして固体電解コンデンサを
作製した。
比較例 1 従来公知のアルミ粉の焼結体を陽極基体として酸化皮膜
を設けた後、硝酸マンガン水溶液へ浸漬し、また熱分解
するという操作を5回行なって二酸化マンガンから成る
半導体層を形成した。その後カーボンペースト、および
銀ペーストを付着させ乾燥した後ハンダ浴に浸漬して陰
極を取り出した。次に樹脂封口して固体電解コンデンサ
を作製した。
以上、実施例1〜8および比較例1から得られたコンデ
ンサの特性値を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の固体電解コンデンサは陰極側の箔と表面に酸化
皮膜層を有する陰極側の箔の間、一方のリード端子と接
続した箔および他のリード端子と接続した箔のそれぞれ
の表面に酸化皮膜層を有する箔の間、陰極側の箔の間に
スペーサを設けた陰極側の箔と表面に酸化皮膜層を有す
る陰極側の箔の間、または一方のリード端子と接続した
箔および他方のリード端子と接続した箔にはそれぞれ箔
間にスペーサが設けられ、さらに表面に酸化皮膜層を有
する箔と箔との間、にそれぞれ二酸化鉛を主成分とする
半導体層あるいは二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とする混合
物の半導体層を設けることによって、高周波数帯域での
等価直列抵抗が著しく小さな性能の良好な固体電解コン
デンサが得られる。そして、その固体電解コンデンサの
容積も小さく、工業的利用価値も極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はポーラ形およびバイポーラ形固体電解コンデン
サの縦断面図、第2図はセパレータを有するポーラ形お
よびバイポーラ形固体電解コンデンサの縦断面図、第3
図は陰極側および陽極側の箔の組合せを示す縦断面模式
図、第4図はセパレータを有する陰極側および陽極側の
箔の組合せを示す縦断面模式図、第5図はセパレータを
有する陰極側および陽極側の箔の組み合せを示す縦断面
模式図、第6図は一部分合体した陰極基体および陽極基
体の斜視図、第7図はスペースの介在状況およびスペー
サの有無の状況を示す縦断面模式図、第8図は第7図に
おいてセパレータを有する場合の縦断面模式図、第9図
は固体電解コンデンサの積層状態を示す縦断面図、第10
図はセパレータを有する固体電解コンデンサの積層状態
を示す縦断面図、第11図は第9図および第10図のコンデ
ンサの等価回路図、第12図は従来の固体電解コンデンサ
の縦断面図である。 1……陽極端子、2……陽極基体 3……半導体層、4,5……導電体層 6……ハンダ層、7……陰極端子 8……陰極側の箔、9……陽極側の箔 10……セパレータ、11……酸化皮膜層 12……スペーサ、13,15……箔 14,16……リード端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−20650(JP,A) 特開 昭54−12447(JP,A) 特開 昭51−74269(JP,A) 実開 昭52−52037(JP,U) 特公 昭44−265(JP,B1)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極端子と電気的かつ機械的に一部分が接
    続し積層合体した陰極側の箔と、陽極端子と電気的かつ
    機械的に一部分が接続して積層合体し、表面に酸化皮膜
    層を有する弁金属箔からなる陽極側の箔とがそれぞれ交
    互に1枚づつ順次重なるように挿入配置された固体電解
    コンデンサにおいて、前記陰極側の箔と前記酸化皮膜層
    との間に二酸化鉛を主成分とする半導体層あるいは二酸
    化鉛と硫酸鉛を主成分とする混合物の半導体層が形成さ
    れていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】陰極側の箔と陽極側の箔との間にセパレー
    タが介在している特許請求の範囲第1項記載の固体電解
    コンデンサ。
  3. 【請求項3】積層合体する箔のそれぞれの箔間にスペー
    サを有し、陰極端子と電気的かつ機械的に一部分が接続
    している陰極側の箔と、積層合体する箔のそれぞれの箔
    間にスペーサを有し、陽極端子と電気的かつ機械的に一
    部分が接続し、表面に酸化皮膜層を有する弁金属箔から
    なる陽極側の箔を有する特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】一方のリード端子と電気的かつ機械的に一
    部分が接続して積層合体し、表面に酸化皮膜層を有する
    弁金属箔と、他方のリード端子と電気的かつ機械的に一
    部分が接続して積層合体し、表面に酸化皮膜層を有する
    弁金属箔とがそれぞれ交互に1枚づつ順次重なるように
    挿入配置された固体電解コンデンサにおいて、前記両酸
    化皮膜層間に二酸化鉛を主成分とする半導体層あるいは
    二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とする混合物の半導体層が形
    成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】一方のリード端子を有する弁金属箔と他方
    のリード端子を有する弁金属箔との間にセパレータが介
    在している特許請求の範囲第4項記載の固体電解コンデ
    ンサ。
  6. 【請求項6】積層合体する箔のそれぞれの箔間にスペー
    サを有し、一方のリード端子と電気的かつ機械的に一部
    分が接続し、表面に酸化皮膜層を有する弁金属箔と、積
    層合体する箔のそれぞれの箔間にスペーサを有し、他方
    のリード端子と電気的かつ機械的に一部分が接続し、表
    面に酸化皮膜層を有する弁金属箔を有する特許請求の範
    囲第4項または第5項記載の固体電解コンデンサ。
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