JPH0765374B2 - 開閉式屋根 - Google Patents

開閉式屋根

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JPH0765374B2
JPH0765374B2 JP802489A JP802489A JPH0765374B2 JP H0765374 B2 JPH0765374 B2 JP H0765374B2 JP 802489 A JP802489 A JP 802489A JP 802489 A JP802489 A JP 802489A JP H0765374 B2 JPH0765374 B2 JP H0765374B2
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shaped
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は開閉式屋根に係わり、特に、椀型状の球面体に
形成された円形の開口部に、球面体とほぼ同じ曲面で形
成された椀型切片を摺動自在に設け、この椀型切片を回
動させることにより開放・閉塞を行うように構成された
開閉式屋根に関するものである。
〔従来の技術〕
開閉式屋根は、屋外の解放感や陽光、新鮮な空気等を得
られ、かつ雨天による弊害をも排除できるといった相反
する要求を満たすことが可能で、既に様々な構成のもの
が提供、あるいは提案されている。例えば、屋根を、目
的とする屋根架設対象地から単純に横移動させることに
より屋根架設対象地より撤去するもの、または、第9図
に示す如く、屋根を、固定屋根部1と移動屋根部2とに
構成し、移動屋根部2を固定屋根部1上(内)に引き込
むことにより屋根架設対象地Aの上方の一部を開放する
もの、あるいは、屋根を平板状にして折り畳み式に構成
し、それを折り畳んだり展張したりすることにより架設
対象地の上方の解放・閉鎖を行うものなどがある。
しかしながら、上記従来の開閉式屋根にあっては、上述
したような所期の目的は確かに達成するものの、それぞ
れ次の以下のような欠点も有するものであった。すなわ
ち、屋根を単純に平行移動させることにより架設対象地
より撤去するものでは、撤去すべき屋根のための逃がし
部分が必要となるため、貴重なスペースが犠牲となる
他、特に大スパンのものとなった場合には両端軌道間隔
が大きくなるため、両端部の移動速度を精確に同調させ
る必要がある。また第9図のものでは、移動屋根部2を
固定屋根部1上(内)に引き込むため逃がしスペースは
不要となるが、固定屋根部1が移動屋根部2を支持する
形態となるため、固定屋根部1を構造的に強化する必要
があるばかりでなく、移動屋根部2も片持ち形態となる
ので構造強化が必要となり、コスト高となる。また、折
り畳み式のものにあっては、退去スペースは不要とする
ことができるが、収納部などを新たに設ける必要がある
上に作動機構が複雑となり故障も多く、また形態も構造
上、板状のフラットなものに限られ、建造物全体として
見た時の意匠性に欠ける、などといったことである。
そこで本出願人は、これらの欠点を解決し得る開閉式屋
根を先に提案し、既に出願した(昭和63年11月22日出願
「開閉式屋根」)。
この開閉式屋根6は第10図および第11図に示す如く、閉
状態において全体として半径がほぼ屋根厚分だけ異なる
少なくとも2つの椀型の球面体7a,7bを同心的に重ねて
伏せた如きドーム形をなすもので、前記各球面体7a,7b
にそれら各球面体7a,7bの一部を削除したときに得られ
る円形の開口部8a,8bをそれぞれ水平面に対し傾斜させ
て形成し、さらに、各球面体7a,7bを前記それぞれの開
口部8a,8bが互いに傾斜方向を異にして共通開口部8を
形成する如く配するとともに、前記各開口部8a,8bに、
各球面体9a,9bと連続する球面状で前記各開口部の一部
を覆う椀型切片10a,10bを前記各開口部8a,8bの端縁を軌
道9a,9bとして回動自在に設け、前記椀型切片10a,10bを
それぞれ前記軌道9a,9bに沿って移動させることにより
前記共通開口部8を塞ぐように構成したものである。な
お、これら第10,11図中符号10a′,10b′はそれぞれ各椀
型切片10a,10bの端面、符号12はスタジアム3の出入口
を示す。
この開閉式屋根6によれば、i)晴天時等には屋根を解
放して太陽光や自然の風を享受し、また雨天時には屋根
を閉塞して支障なくプレー等を楽しむことができるよう
になるものは勿論、ii)屋根6全体が球面に構成されて
いるため、屋根の開放・閉塞状態あるいは移動中の全て
の状態にあって優れた耐力を発揮するものとなる。ii
i)椀型切片10a,10bが円形の軌道に沿って移動するため
極めてスムーズな動きをすることができる。iv)椀型切
片10a,10bは開状態時には他の球面体と同心的に重なる
位置に退去するため別途退去スペースを必要とせず貴重
な敷地面積等を犠牲にすることがない。v)各軌道9a,9
bがそれぞれ独立しているために椀型切片10a,10bどうし
は干渉し合わず、軌道9a,9b上を左右双方に自由に移動
させて開閉パターンを変化させることも可能となる。v
i)天井を形成する屋根部と周囲を囲繞する側壁部との
区別がなく、しかもその区別されない屋根の一部が傾斜
した円軌道に沿って移動するために意匠的にも斬新であ
るばかりでなく、その中央部を頂点として全体的に天井
が高くなり、特に野球場や総合運動場等の如き大空間ス
タジアムやイベント会場にも好適なものとなる。加え
て、vii)構成的には単純ながらも各切片が互いに交差
する如く一見複雑な移動をするものであるため、見る者
に、全く予期しない機能性を予感させることもできる
等、種々の優れた効果を奏することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記の如く優れた作用を有する開閉式屋根6
にあっても下記の如き課題が残されていた。
すなわち、第10図に示した開閉式屋根6において、開放
時の開口面積をさらに広く確保しようとした場合、各開
口部8a,8bの傾斜を緩くして水平に近付ける方策が考え
られる。例えば第12図の如くである。しかしながらこの
ようにした場合、第10図と照らし合わせて見れば明らか
なように、屋根の開放時には、一方の球面体(例えば球
面体7b)に他方の球面体に載る椀型切片(図示例では椀
型切片10a)が重なるため、球面体7bの開口部8bのみを
広げても開口端部の上方は椀型切片10aにより覆われて
しまい、あまり意味をもたないものとなってしまうとい
ったことである。このことは、他方の球面体7aにおいて
も同様である。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、上述の如
く優れた効果を有する前記開閉式屋根6にあって、その
卓越した作用は継承しつつ屋根開放時に開口面積を効率
よくかつ確実に確保することのできる開閉式屋根の実現
を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る開閉式屋根は、上部に円形の傾斜開口部を
有し、半径が互いに異なる2つの椀型状の球面体を、前
記開口部が交差して共通開口部が形成される如く同心的
に重ねて伏せた形態をなし、前記各開口部に各球面体と
連続する球面状に形成されて開口部の一部を覆う第1の
椀型切片を前記各開口部を軌道として回動自在に設け、
前記各第1の椀型切片における前記軌道に接しない側の
端面には、該端面に沿う切片軌道を形成するとともにこ
れら切片軌道に沿って移動する第2の椀型切片をそれぞ
れ設け、さらに前記各球面体の内壁側に、前記開口部に
沿って回動する前記第1の椀型切片が開口部最下位に位
置したときに前記切片軌道と連続して前記第2の椀型切
片を各球面体内下方に導くための誘導格納軌道をそれぞ
れ形成したものである。
〔作用〕
屋根を開放するには、各第1の椀型切片をそれぞれのメ
イン軌道に沿って開口部上を半回転させ、閉状態時にあ
った位置と対向したした位置に移動させる。このとき、
これら第1の椀型切片上に載置されている各第2の椀型
切片は屋根閉塞時の状態のままとしておく。このよう
に、第1の椀型切片を開放位置に位置させると、これら
第1の椀型切片に形成された、第2の椀型切片のための
切片軌道が、各球面体の内壁部に形成された誘導格納軌
道と連結され、連続した円軌道を構成する。そして今度
は、それら第2の椀型切片をその円軌道(切片軌道+誘
導格納軌道)に沿って移動させれば、第2の椀型切片は
それぞれ第1の椀型切片上より退去して各球面体の内部
下方に格納され、これにより共通開口部は広く開放され
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
第1図ないし第7図は本発明の一実施例で、本発明を、
先に第10図、第11図で示した開閉式屋根6上記同様、野
球場等のスタジアムに適用した例を示すものである。な
お、上記第9,10図に示し、説明したものと同様の構成要
素には同符号を付して説明を簡略化するものとする。
第1図は本発明に係る開閉式屋根14の閉塞状態を示して
いるもので、この屋根14は、第3図および第4図にも示
すように上部に円形の傾斜開口部8a,8bを有し、半径が
互いに異なる2つの椀型状の球面体7a,7bを、前記開口
部8a,8bが交差して共通開口部8が形成される如く同心
的に重ねて伏せた形態をなすものであって、前記各開口
部8a,8bには各球面体7a,7bと連続する球面状に形成され
て各開口部8a,8bの一部を覆う第1の椀型切片10a,10bが
前記各開口部8a,8bを軌道9a,9bとして回動自在に設けら
れている。
ここで、以後の説明において用語の混乱を避けるため、
球面体7a,7bにそれぞれ形成されたこれら前記軌道9a,9b
を“メイン軌道”と称することにする。
第3図および第4図はそれぞれ、一方の球面体7a(およ
びそれに係る椀型切片10a等)と他方の球面体7b(およ
びそれに係る椀型切片10b等)とを別々に示したもので
ある。
いまここで、これら2つの球面体7a,7bのうち、内側に
形成された球面体(以後、“内球面体”と称す)7bに付
いて説明すると、該内球面体7bは第4図に示すように、
球面の一部を構成する椀型(ドーム型)の上部を斜めに
削除することにより円形の開口部8bを形成するものであ
るが、その開口部8bが形成される角度は上記第10図のも
のに比してより水平に近いものとなっている。すなわ
ち、開口部8bはより広い面積を開口されたものとなって
いるわけである。この開口部8bの開口端縁には例えばレ
ール式のメイン軌道9bが形成されており、このメイン軌
道9b上に、内球面体7bと連続する曲面に形成された第1
の椀型切片10bが摺動自在に設けられている。第1の椀
型切片10aの下端面には、前記メイン軌道9bに摺動可能
かつ脱落不能に係合する車輪を主体とした駆動装置(図
示せず)が構成されており、この駆動装置の作動によっ
て第1の椀型切片10bはメイン軌道9b上を自由に回動で
きるものとなっている。またこの場合の駆動装置として
は、上記車輪式のものの他、移動をよりスムーズにする
ため、空気浮上式のものや磁気浮上式のものとすること
も可能である。メイン軌道9bは開口部8bの端縁の全周に
わたり形成されたものであり完全なる円を形成して無端
のものである。従って第1の椀型切片10bは、このメイ
ン軌道9bに沿って内球面体7b上を自由に回動することが
できる。
ここで前記第1の椀型切片10bは、この第4図等に示さ
れるように前記メイン軌道9bに接しない側の端面10b′
が先の第10図等に示した椀型切片に比して傾斜してお
り、かつメイン軌道9bが形成する円の半周分以上を占め
る大きさのものとなっている。また、この第1の椀型切
片10bは第5図等に示すように、外面は内球面体7b外面
と面一となるが内面が内球面体7b内面よりさらに内側に
形成されており、球面体7bの壁厚に対しほぼ2倍の厚み
(7b+16b+α)を有した構成となっている。そして、
この第1の椀型切片10bの前記端面10b′(すなわちメイ
ン軌道9bに接しない側の端面)には切片軌道15bがこの
端面10b′の全長にわたって形成されている。この切片
軌道15bは前記メイン軌道9bと同様レール式のものでも
よいし、他の構造のものでもよい。図示例はレール式の
ものである。この切片軌道15bは第5図に示すように、
前記端面10b′における球面体7bの内側に突出して形成
された部分に対応して構成されている。この切片軌道15
bの両端は端面10b′の両端と共に終端するものである
が、その終端部は、いわゆるストッパーを設ける等の端
部処理はなされていない。
そして、前記第1の椀型切片10bの端面10b′上には第4
図等に示す如く前記切片軌道15bに係合する第2の椀型
切片16bが設けられている。この第2の椀型切片16bはや
はり球体の一部を構成する形態となるものであるが、そ
の外周面の半径は少なくとも内球面体7bの内周面の半径
よりも小さく設定されている。そしてまた、この第2の
椀型切片16bは、そのように球体の一部を構成する形態
となることから、図示しない駆動装置の作動により切片
軌道15bに沿った摺動が可能なものとなっている。また
ここで、この第2の椀型切片16bにおける前記切片軌道1
5bと接しない端面16b′は、第1の椀型切片10bがメイン
軌道9bの最上位置にあるときにおいて、第7図にも示す
ように少なくとも内球面体7bの底面(地面)の中心垂線
に至る位置にまで達するものとなっている。すなわち、
端面16b′と端面16a′とが互いにラップする如くして、
雨仕舞を確保するためである。
さらに、内球面体7bの内壁面には誘導格納軌道17bが形
成されている。この誘導格納軌道17bは、第6図および
第7図等に示すように、前記第1の椀型切片10bが内球
面体7bの最下位置に位置したときに、前記切片軌道15b
の端部と接続されるとともにその切片軌道15bと連続し
た形態となるように形成されたものとなっている。すな
わち第1の椀型切片10bが内球面体7bの最下位置に位置
した状態では、切片軌道15bと誘導格納軌道17bとにより
連続した円軌道が構成されることとなるわけである。
一方、他方の球面体(以後、“外球面体”と称す)7a
は、第3図に示す如きもので、前記内球面体7bと同様、
第1の椀型切片10a、第2の椀型切片16a、椀型切片10a
を回動させるためのメイン軌道9a、第2の椀型切片16a
を移動させるための切片軌道15a、および誘導格納軌道1
7aを備えたものとなっている。これらそれぞれの構成要
素の構造は寸法的な違いを除いては前記内球面体7bに係
る上記各構成要素と同一であり、上記内球面体7aの構成
説明において付与した符号に付記されたアルファベット
記号“a",“b"を入れ換えて読み替えればよい。
この外球面体7aは、前記内球面体7bよりも全体的に一回
り大きいものであり、前記内球面体7bを包み込む形態で
形成される。ただしここで、該外球面体7aの内壁面に
も、内側に突出した状態で誘導格納軌道17aが形成され
ているから、前記内球面体7bの外径はこの誘導格納軌道
17aの厚さ分だけ小さいものとなっている。そして、こ
のように外球面体7aと内球面体7bが組み合わされること
によって第1図に示されるように本開閉式屋根14が構成
されるが、先に説明したように外球面体7aと内球面体7b
との間には双方の球面体7a,7bの全周にわたって前記誘
導格納軌道17aの厚さ分のギャップが形成されたものと
なっている。
次に、上記の如く構成された開閉式屋根14の作用につい
て説明する。
第1図は該開閉式屋根14の閉状態を示したもので、この
状態では、屋根14全体がほぼドーム状となり、グランド
4および観客席5は完全にその周囲および上部が囲繞さ
れたものとなる。
該屋根14をこのような状態とするには、各第2の椀型切
片16a,16bを、共に第1の椀型切片10a,10bの最上位すな
わち切片軌道15a,15bの中央点に位置させた状態にて、
双方の第1の椀型切片10a,10bを内外両球面体7a,7bの開
口部8a,8bにおける最も高いところに位置させる。各第
1の椀型切片10a,10bは駆動装置を作動させることによ
りそれぞれメイン軌道9a,9bに沿って摺動移動すること
ができる。
ここにおいて、各第1の椀型切片10a,10bは先に説明し
たように各メイン軌道9a,9bの半周分以上形成されたも
のであるから、上記状態において、各第1の椀型切片10
a,10bの両端部は互いにラップされるものとなる。さら
に、各第1の椀型切片10a,10b上にある各第2の椀型切
片16a,16bは、共通開口部8の中央部にて双方の端面16
a′,16b′が平行に向き合うものとなる。双方の第2の
椀型切片16a,16b間には前記誘導格納軌道17aの厚み分の
ギャップが形成されているから、前記端面16a′,16b′
間にもギャップが生じるが、双方の第2の椀型切片切片
16a,16bを上記状態の時に互いに若干ラップするように
構成するか、あるいは、それら第2の椀型切片16a,16b
のうち外側に位置される方の端面(ここでは端面16
a′)にそのギャップを塞ぐためのカーテン状の閉塞部
材を設けてもよい。
一方、該屋根14を第2図に示すように開状態とするに
は、まず、第1の椀型切片10a,10bの双方を、それぞれ
両球面体7a,7bの開口部8a,8bにおける最も低いところま
で回転移動させる。このとき、第2の椀型切片16a,16b
は上記閉状態のときと同じ状態のままである。両球面体
7a,7bは、半径が異なる同心の球体を構成するものであ
るから、この状態において、一方の第1の椀型切片10a
は球面体7bの外側に被るように、また他方の第1の椀型
切片10bはもう一方の球面体7aの内側に入り込むように
なる。このとき、各第1の椀型切片10a,10bはそれぞれ
独立した円を構成するメイン軌道9a,9bに沿って移動
し、かつ双方の第1の椀型切片10a,10bは互いに干渉さ
れないものであるから、それぞれ独立した動作を行わせ
ることが可能である。これにより例えば、閉状態から開
状態にする際、両第1の椀型切片10a,10bを同一回転方
向に移動させれば、向き合った状態で重合していた第2
の椀型切片16a,16bの端面16a′,16b′は回転しながら平
行に離れてゆき、これをスタジアム3内の観客からみれ
ば、ちょうど中央部に開口して現れた空の部分が次第に
回転しながら平行に広がって行くように見えることとな
る。また、両第1の椀型切片10a,10bを対抗方向に移動
させた時には、開口した空の部分が次第に扇形に広がっ
てゆく如く望めるようなものとなるわけである。
さて、上記状態では共通開口部8の大部分が開放された
こととなるが、その一部は第2図に鎖線で示す如く第2
の椀型切片16a,16bにより覆われた状態にある。そして
このとき、第1の椀型切片10a,10bに形成された切片軌
道15a,15bは、第2図、第6図に示すようにそれぞれ前
記誘導格納軌道17a,17bと接合されることにより、一方
の切片軌道15aは誘導格納軌道17aと連続した円形軌道
を、また他方の切片軌道15bは誘導格納軌道17bと連続し
た円軌道を構成することになる。
このような状態となったならば、第2の椀型切片16a,16
bを各切片軌道15a,15bに沿ってそれぞれ移動させる。第
2の椀型切片16a,16bは第6図に示すように各切片軌道1
5a,15bに沿って移動し、やがて第1の椀型切片10a,10b
の端部にまで至ると、連続する誘導格納軌道17a,17bの
乗り換え、今度はそれら各誘導格納軌道17a,17bに沿っ
て各球面体7a,7b内面を円弧を描きながら下降して行
き、球面体7a,7bの内面下部に格納される(第7図参
照)。このとき、外球面体7aの内側には内視鏡球面体7b
が形成されているが、内球面体7bは誘導格納軌道17aの
さらに内側に形成されているため、第2の椀型切片17a
は内球面体7bと干渉し合うことなく外球面体7a内壁部に
格納される。
これによって、共通開口部8はさらに広く開放されるこ
ととなり、グランド4および観客席5により広い開放空
間を提供することきができる。
この屋根14を上記開放状態か再び閉塞状態とするには上
記開放操作と逆の要領で行えばよい。すなわち、各第2
の椀型切片16a,16bをそれぞれ誘導格納軌道17a,17bに沿
って移動させることにより各球面体7a,7b内面に沿って
上昇させた後、切片軌道15a,15b上(第1の椀型切片10
a,10b上)に乗り移らせ、それらを第1の椀型切片10a,1
0bの中央部に位置させ、その後、それら双方の第1の椀
型切片10a,10bを各メイン軌道9a,9bに沿って半回転させ
ればよいわけである。
上記の如く構成された開閉式屋根14では、本出願人が先
に提案した前記開閉式屋根6(第9,10図)が創出する作
用を同様に発揮しながら、屋根開放時における開口率を
大きくすることができる。しかも、屋根の閉状態時には
各第1の椀型切片10a,10b上に存在する第2の椀型切片1
6a,16bが、開状態時には、それぞれ他の軌道(誘導格納
軌道17a,17b)に乗り換えて各球面体7a,7b内部に格納さ
れてしまうなど、見る者に全く予期されない優れた機能
性とダイナミックな美しさ与え強く印象付けることもで
きる。
なお、2つの球面体7a,7b間に形成されるギャップに関
し、第◇図に示すように、各球面体7a,7b内面側におけ
る誘導格納軌道17a,17bが形成されない部分について
は、誘導格納軌道17a,17bと同一厚さとなるよう肉厚に
形成し、各第1の椀型切片10a,10bの重量を受けるよう
に構成することもできる。このようにした場合には、該
屋根14の剛性を高める作用もある。さらにその場合、そ
の肉厚とした部分の上面にメイン軌道9a,9bと並ぶ補助
軌道18a,18bをそれぞれ設けることもできる。
また、第1の椀型切片10a,10bにおける端面10a′,10b′
と、これに切片軌道15a,15bを介して載置される第2の
椀型切片16a,16b外面との間には段差が生じることにな
るが、この段差は、例えば第1の椀型切片10a,10bの外
周面を前記端面10a′,10b′から上方に、第2の椀型切
片16a,16bの外面と滑らかにつながるように延出形成す
ることにより目立たないようにすることも可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明の開閉式屋根によれば、晴
天時等には屋根を解放して太陽光や自然の風を享受し、
また雨天時には屋根を閉塞して支障なくプレー等を楽し
むことができるようになるものは無論であるが、移動部
である椀型切片を第1の椀型切片と第2の椀型切片との
2つで構成し、かつ第2の椀型切片を屋根開放時には誘
導格納軌道により各球面体内部に格納する如く構成した
ので、屋根開放時における開口部を極めて広くとること
ができ、観客等に、より広い開放空間を提供することが
でき、しかも第1の椀型切片、第2の椀型切片共に、屋
根の開放時には相手の球面体と同心的に重なる位置に退
去するため別途退去スペースを必要とせず貴重な敷地面
積等を犠牲にすることがない。
さらには、屋根全体が球面に構成されているため屋根の
開放・閉塞状態あるいは移動中の全ての状態にあって優
れた耐力を発揮し、また、全ての椀型切片は円形の軌道
に沿って移動するため極めてスムーズな動きをすること
ができるばかりでなく、各軌道がそれぞれ独立している
ために全ての椀型切片どうしは干渉し合わず、軌道上を
左右双方に自由に移動させて開閉パターンを変化させる
ことも可能となる。また、屋根の閉状態時には第1の椀
型切片上にあった第2の椀型切片が、開状態時には他の
軌道(誘導格納軌道)に乗り換えてそれぞれの球面体内
部に格納されてしまうなど、見る者に全く予期しない機
能性を予感させることもできるばかりでなく、意匠的に
も極めて斬進なものとなる。加えて、中央部を頂点とし
て全体的に天井が高いものとなるため、特に野球場や総
合運動場の如き大空間スタジアムやイベント会場にも好
適なものとなる等、種々の優れた効果を奏することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の一実施例を説明するもの
で、第1図は本実施例による開閉式屋根が適用されたス
タジアムを屋根が閉塞された状態で示す全体斜視図、第
2図は同じく屋根が開放された状態で示すスタジアムの
全体斜視図、第3図および第4図はそれぞれ各球面体お
よび切片の構造を模式的に示す斜視図、第5図ないし第
7図はそれぞれ本実施例に係る開閉式屋根の作用を示す
もので、第5図および第6図は共に球面体における誘導
格納軌道の近傍を示す部分斜視図、第7図は一方の球面
体に係る動作を示す作用図、第8図は球面体の他の構成
例で、球面体の誘導格納軌道の近傍を示す部分斜視図、
第9図は従来の開閉式屋根の一例を示す側面図、第10図
および第11図は共に本出願人が先に提案した開閉式を屋
根を示す全体斜視図、第12図は球面体と開口部との関係
を説明する作用図である。 6……開閉式屋根(従来例)、7a……球面体(外球面
体)、7b……球面体(内球面体)、8a,8b……開口部、
8……共通開口部、9a,9b……メイン軌道(軌道)、10
a,10b……第1の椀型軌道、14……開閉式屋根(本発
明)、15a,15b……切片軌道、16a,16b……第2の椀型軌
道、17a,17b……誘導格納軌道。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に円形の傾斜開口部を有し、半径が互
    いに異なる2つの椀型状の球面体を、前記開口部が交差
    して共通開口部が形成される如く同心的に重ねて伏せた
    形態をなし、前記各開口部には各球面体と連続する球面
    状に形成されて開口部の一部を覆う第1の椀型切片が前
    記各開口部を軌道として回動自在に設けられ、前記各第
    1の椀型切片における前記軌道に接しない側の端面に
    は、該端面に沿う切片軌道が形成されるとともにこれら
    切片軌道に沿って移動する第2の椀型切片がそれぞれ設
    けられ、さらに前記各球面体の内壁側には、前記開口部
    に沿って回動する前記第1の椀型切片が開口部最下位に
    位置したときに、前記切片軌道と連続して前記第2の椀
    型切片を各球面体内下方に導くための誘導格納軌道がそ
    れぞれ形成されていることを特徴とする開閉式屋根。
JP802489A 1988-11-22 1989-01-17 開閉式屋根 Expired - Lifetime JPH0765374B2 (ja)

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JP802489A JPH0765374B2 (ja) 1989-01-17 1989-01-17 開閉式屋根
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US07/439,302 US4942698A (en) 1988-11-22 1989-11-21 Openable roof and structure therewith
GB8926388A GB2225041B (en) 1988-11-22 1989-11-22 Openable roof and structure therewith

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