JPH0765149B2 - 着色メッキ方法及び被覆物 - Google Patents

着色メッキ方法及び被覆物

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JPH0765149B2
JPH0765149B2 JP2125486A JP12548690A JPH0765149B2 JP H0765149 B2 JPH0765149 B2 JP H0765149B2 JP 2125486 A JP2125486 A JP 2125486A JP 12548690 A JP12548690 A JP 12548690A JP H0765149 B2 JPH0765149 B2 JP H0765149B2
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栄二 西村
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Nippon Mining and Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 鉄に溶融亜鉛メッキを施すとともに褐色に着色させる方
法に関する。
発明の従来技術 従来、溶融亜鉛メッキ法により、溶融亜鉛中にTi及び又
はMn等を0.5%前後添加して、メッキ表面にTi及び又はM
n酸化物の干渉皮膜を形成させて干渉色を発色させてい
た。
発明の問題点 しかしながら、着色した色が長期間担保されないこと及
び干渉色した出ないために褐色の系列がでない等の問題
点が有った。そこで発明者等は、鋭意努力した結果以下
の発明をなした。
発明の構成 (1)Fe1〜15wt%,Mn0.05〜1wt%,残部亜鉛からなる
被覆物の表面を酸化により褐色に着色したことを特徴と
する被覆物。
(2)Mn0.05〜1wt%を含有する溶融メッキ用亜鉛合金
を用い、浴温度430〜600℃で鉄母材にメッキを施し、次
いでこれを440〜600℃の温度雰囲気で30秒〜10数分加熱
し、これを酸と酸化剤を含有した水溶液に浸漬し褐色を
発生させることを特徴とする着色メッキ方法。
(3)メッキ浴温度範囲を430〜480℃で鉄母材にメッキ
を施すことを特徴とする上記(2)記載の着色メッキ方
法。
(4)酸化剤としてKMnO4又はK2Cr2O7のいずれかを用い
る上記(2)記載の着色メッキ方法。
(5)pHを1〜3にコントロールする上記(2)記載の
着色メッキ方法。
発明の具体的説明 本発明で用いる亜鉛は、蒸留亜鉛地金1種(純度98.5%
以上)、最純亜鉛地金(純度99.995%以上)並びに電気
亜鉛地金(純度99.99%以上)が使用され、例えば上記
蒸留亜鉛地金1種では、Pb1.5wt%以下、Cd0.1wt%以
下、Fe0.02wt%以下である。Pb及び/又はCdを意図的に
含めない場合は、Pb含有率が0.005wt%以下の亜鉛地金
を用いることが望ましい。不純物を極力排除したい場合
は、不純物の合計が1.5wt%以下の最純亜鉛地金及び電
気亜鉛地金を用いることが望ましい。
本発明は上記の亜鉛にMnを0.05〜1.0wt%添加、含有さ
せた溶融亜鉛合金の浴を用いてメッキを行なう。Mnを0.
05〜1.0wt%含むと後の酸化処理により好ましい褐色を
呈するからである。メッキを行なうには、上記メッキ浴
に450〜600℃の浴温度で、好ましくは430〜480℃で鉄母
材に少なくとも1分間浸漬する。この温度範囲でめっき
された皮膜には、光学顕微鏡(×200倍)で拡大観察し
て見られるようなクラックは生じない。このようにして
メッキした部材は表面に酸化Mn相その下にZn−Mn相があ
り、Zn−Mn相の下にZn−Mn−Fe合金相が鉄素地まである
構造をなす。メッキ後440〜600℃で30秒〜10秒分、好ま
しくは500〜550℃で2〜5分加熱処理することによって
Zn−Mn相を全てZn−Mn−Fe合金相とする。本発明では、
Fe1〜15wt%、Mn0.05〜1wt%残部亜鉛からなる被覆物で
あることが好ましいことを見い出した。
Fe1〜15wt%であると耐候性の良いものが得られ、ま
た、後の酸化処理により好ましい褐色となるからであ
る。またMn0.05〜1wt%であると上記Fe及びZnと相まっ
て、好ましい耐候性及び、後の酸化処理により好ましい
褐色となる。上記加熱処理のみでは、まだうぐいす色で
ある。この状態でも、大気暴露によって酸化Mn相が溶け
さらにZn−Mn−Fe合金相表面が酸化し1〜2ヵ月後には
褐色に発色する。ここでの褐色とは、ヒュー&トーン図
(カラーイメージ事典p86講談社、発行日平成元年5月2
0日)5Y/N〜Dk,5YR/Dk;5Gy/Dkで示される色である。ま
たこの色は、従来の干渉色ではない色であり、そのもの
自体の色である。しかしながらこれでは処理時間が長期
になりすぎるため以下の処理を施す。酸化剤と酸を含有
した水溶液の加熱後の部材を浸漬することによって酸化
Mn相を溶かしZn−Mn−Fe合金相表面を酸化し褐色に発色
させる。ここで酸化剤と酸はKMnO4とH2SO4もしくはK2Cr
2O7とHC1又はHNO3の組み合わせが好ましく、pHは1〜3
で数十秒から数分浸漬することによって褐色に発色す
る。pH1未満では表面の亜鉛が溶解除去されてしまい、p
H3より高くては好ましい褐色が得られない。この方法で
短時間で褐色に着色した溶融亜鉛メッキを得ることが出
来る。
実施例1 幅50mm、長さ100mm及び厚さ3.2mmの寸法のss41鋼板を80
℃のアルカリ浴に30分間浸漬して脱脂を行なった後、湯
洗し、次いで10%の塩酸溶液に常温で30分間浸漬してさ
びを除去した。次にこの鋼板を湯洗後、35%ZnCl2−NH4
Cl溶液に60℃で30秒間浸漬してフラックス処理を行なっ
た。このようにして前処理を行なった鋼板を、0.5wt%M
n残部Znの組成のメッキ浴に500℃の温度で5分間浸漬し
てメッキを施し、次いで鋼板を浴から引き上げて500℃
の温度の炉内に60秒間滞留させ加熱処理を行なった。加
熱処理後鋼板を水冷しKMnO44g/1硫酸酸性pH2の水溶液に
1分間浸漬した。
このようにして得られた鋼板面にはヒュー&トーン図
(カラーイメージ事典p86講談社)5Y/Dkの褐色の均一な
色相を呈する酸化膜からなるメッキ相が形成された。こ
の被覆物の組成はMn0.5wt%Fe6wt%残部亜鉛からなるも
のであった。
実施例2 幅50mm、長さ100mm及び厚さ3.2mmの寸法のss41鋼板を80
℃のアルカリ浴に30分間浸漬して脱脂を行なった後、湯
洗し、次いで10%の塩酸溶液に常温で30分間浸漬してさ
びを除去した。次にこの鋼板を湯洗後、35%ZnCl2−NH4
Cl溶液に60℃で30秒間浸漬してフラックス処理を行なっ
た。このようにして前処理を行なった鋼板を、0.5wt%M
n残部がZnの組成のメッキ浴に480℃の温度で1分間浸漬
してメッキを施し、次いで鋼板を浴から引き上げて500
℃の温度の炉内に60秒間滞留させ加熱処理を行なった。
加熱処理後鋼板を水冷しK2Cr2O74g/1硫酸酸性pH2の水溶
液に1分間浸漬した。
このようにして得られた鋼板面にはヒュー&トーン図
(カラーイメージ事典p86講談社)5Y/Dkの褐色の均一な
色相を呈する酸化膜からなるメッキ相が形成された。こ
の被覆物の組成はMn0.5wt%Fe6wt%残部亜鉛からなるも
のであった。この温度条件が得られる着色めっき皮膜は
実施例1,2と異なり、着色表層部の直下にζ相が残部し
ており、このため光学顕微鏡(×200倍)で見られるク
ラックのないものである。
発明の効果 (1)従来行なわれている溶融亜鉛メッキ後下地処理し
塗装する方法に比べ、工程が少なく工期が短縮される。
(2)また密着性の良い褐色の酸化物が形成され、更に
その酸化物が剥離しても下地が酸化され色が復元するた
め長期間色が担保される。
(3)皮膜にクラックがないため機械的強度がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe1〜15wt%,Mn0.05〜1wt%,残部亜鉛か
    らなる被覆物の表面を酸化により褐色に着色したことを
    特徴とする被覆物。
  2. 【請求項2】Mn0.05〜1wt%を含有する溶融メッチ用亜
    鉛合金を用い、浴温度460〜600℃で鉄母材にメッキを施
    し、次いでこれを440〜600℃の温度雰囲気で30秒〜10数
    分加熱し、これを酸と酸化剤を含有した水溶液に浸漬し
    褐色を発生させることを特徴とする着色メッキ方法。
  3. 【請求項3】メッキ浴温度範囲を430〜480℃で鉄母材に
    メッキを施すことを特徴とする特許請求の範囲第2項記
    載の着色メッキ方法。
  4. 【請求項4】酸化剤としてKMnO4又はK2Cr2O7のいずれか
    を用いる特許請求の範囲第2項記載の着色メッキ方法。
  5. 【請求項5】pHを1〜3にコントロールすることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載の着色メッキ方法。
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