JPH0765125B2 - アルミニウム溶湯の処理方法 - Google Patents

アルミニウム溶湯の処理方法

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JPH0765125B2
JPH0765125B2 JP4914986A JP4914986A JPH0765125B2 JP H0765125 B2 JPH0765125 B2 JP H0765125B2 JP 4914986 A JP4914986 A JP 4914986A JP 4914986 A JP4914986 A JP 4914986A JP H0765125 B2 JPH0765125 B2 JP H0765125B2
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gas
aluminum
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molten aluminum
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繁美 谷本
一雄 豊田
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、アルミニウム溶湯中から水素ガスおよび非
金属介在物を除去するアルミニウム溶湯の処理方法に関
する。
この明細書において、「アルミニウム」という語は、純
アルミニウムのほかにアルミニウム合金も含む意味で用
いられる。また、「不活性ガス」という語は、周期表の
アルゴンガス、ヘリウムガス、クリプトンガス、キセノ
ンガスの他にアルミニウムに対して不活性なチッ素ガス
等も含む意味で用いられる。
従来技術とその問題点 鋳造前のアルミニウム溶湯には、好ましくない不純物と
して溶存水素ガスや、アルミニウムおよびマグネシウム
の酸化物などの非金属介在物が含まれている。上記水素
ガスおよび非金属介在物は、これらを含むアルミニウム
溶湯から得られた鋳塊およびこの鋳塊を材料として得ら
れた製品に欠陥を生じさせる原因となる。そのため、ア
ルミニウム溶湯中から水素ガスおよび非金属介在物を除
去する必要がある。そこで従来、これらを除去する方法
として、アルミニウム溶湯中に、不活性ガスや塩素ガス
等の処理ガスを気泡状態で吹込む方法が採用されてい
る。ところが、大気中には水分が含まれているため、ア
ルミニウム溶湯の表面でアルミニウムと大気中の水分と
が反応し(2Al+3H2O→Al2O3+3H2)、その結果発生す
る水素が溶湯中に侵入するという問題があった。通常、
静置されたアルミニウム溶湯の表面は、ちみつなアルミ
ニウム酸化皮膜で覆われているので、大気中の水分とア
ルミニウムとが反応することはない。ところが、アルミ
ニウム溶湯中に、不活性ガスや塩素ガスなどの処理ガス
を気泡状態で吹込んだ場合、溶湯表面に浮上してくる気
泡によって溶湯表面が乱され、溶湯表面を覆っているア
ルミニウム酸化皮膜が破られて、破られた箇所からアル
ミニウム溶湯表面が大気に露出する。そうすると、破ら
れた箇所に新たな酸化皮膜が生成される前に、大気中の
水分とアルミニウムとが反応して水素ガスが発生し、こ
の水素ガスがアルミニウム溶湯中に侵入する。したがっ
て、上記処理ガスを吹込むことによる水素ガス除去効率
は悪いという問題があった。
この発明の目的は上記問題を解決したアルミニウム溶湯
の処理方法を提供することにある。
問題点を解決するための手段 この発明によるアルミニウム溶湯の処理方法は、処理槽
内に入れられたアルミニウム溶湯中に処理ガスを気泡状
態で吹込んで、アルミニウム溶湯中から水素ガスおよび
非金属介在物を除去するアルミニウム溶湯の処理方法に
おいて、上記処理槽におけるアルミニウム溶湯の表面よ
りも上方の雰囲気を、露点が−30℃以下とされた不活性
ガスが満された雰囲気としてその状態を維持しつつ上記
処理を行なうことを特徴とするものである。
上記において、アルミニウム溶湯中に気泡状態で吹込む
処理ガスとしては、チッ素ガス、アルゴンガス、ヘリウ
ムガスおよびこれらの混合ガスなどの不活性ガス、塩素
ガス、フロンガスならびにこれらの混合ガスなど、アル
ミニウム溶湯中に含まれる溶存水素ガスおよび非金属介
在物の除去に有効なすべてのガスが用いられる。アルミ
ニウム溶湯中の水素は、処理ガスの気泡内に拡散し、処
理ガス気泡が溶湯中を通って溶湯表面まで浮上するにさ
いして処理ガス気泡により連行され、雰囲気中に放出さ
れる。アルミニウム溶湯中の非金属介在物は、処理ガス
気泡によって溶湯表面のドロス層まで運ばれる。雰囲気
中に放出された水素含有処理ガスおよび溶湯表面に浮か
んでいる非金属介在物を含むドロスは適当な公知の方法
によって除去される。なお、非金属介在物の除去効率
は、この発明の方法で実施した場合も、従来の方法で実
施した場合もほとんど変わらない。
また、上記において、露点が−30℃以下とされた不活性
ガスは、たとえば不活性ガスタンクまたはボンベから処
理槽に送る途中で、乾燥剤が入れられた除湿器内を通過
させることによって得られる。除湿器内に入れられる乾
燥剤としては、公知のものを用いることができるが、そ
の中でも合成ゼオライトを用いることが好ましい。ま
た、処理後のアルミニウム溶湯を、磁気ディスク、感光
ドラム、ボンディングワイヤ、レーザー・ビーム・プリ
ンタの回転多面鏡等の電子機器や、シンクロトロンの粒
子加速用パイプ、薄膜製造装置、表面分析装置、核融合
装置等の真空用機器や、高純度アルミニウム箔や、航空
機などの製造に使用するさいには、処理後の溶湯中の水
素ガス量は0.10cc/100g・Al、特に粒子加速用パイプの
場合には0.05cc/100g・Al程度となっていることが要求
される。したがって、これらの場合には、処理槽内を満
たす不活性ガスの露点を−50℃以下にするのがよい。
処理槽内におけるアルミニウム溶湯表面よりも上方の雰
囲気を、露点が−30℃以下とされた不活性ガスが満たさ
れた雰囲気としてその状態で維持するための具体的方法
としては、処理作業中上記不活性ガスを外部から連続的
また間欠的に上記雰囲気に供給するか、処理槽の密閉度
を高めて処理前に供給した上記露点の低い不活性ガスが
洩れないようにしておき、処理作業中ずっと上記雰囲気
が保たれるようにする。
実 施 例 以下、この発明の実施例を比較例とともに図面を参照し
ながら説明する。
実施例1〜3および比較例1 この実施例および比較例は第1図に示す装置を用いて行
なったものである。第1図において、水素ガスおよび非
金属介在物を含んでいる処理すべきアルミニウム溶湯
(1)は溶湯処理槽(2)内に、溶湯(1)表面が槽
(2)の上端よりも若干下方にくるように入れられてい
る。処理槽(2)の上端開口は蓋(3)で密閉されてい
る。蓋(3)の中央には孔(4)があけられており、こ
の孔(4)が着脱自在の栓(5)で密閉されている。孔
(4)の大きさは後述する回転子(10)が通るような大
きさである。栓(5)の中央部に貫通孔(6)があけら
れ、この貫通孔(6)に回転自在な回転軸(7)が通さ
れている。回転軸(7)はモータ(8)によって回転さ
せられるようになっている。回転軸(7)の内部には長
手方向に伸びる処理ガス供給路(9)が設けられてい
る。ガス供給路(9)の上端は図示しない処理ガス供給
装置に接続されている。回転軸(7)の下端部は処理槽
(2)内の底部近くまで伸びており、その先端に回転子
(10)が取付けられている。回転子(10)の下面中央部
には、上端にて処理ガス供給路(9)に連なった処理ガ
ス吹出口(11)が形成されている。また、回転子(10)
の周面には、円周方向に所定間隔をおいて複数の縦溝
(12)が設けられている。縦溝(12)の上端は回転子
(10)の上面に開口し、下端は下面に開口している。ま
た、孔(4)の右側において、露点が−30℃以下とされ
た不活性ガス(以下乾燥不活性ガスという)を処理槽
(2)内に供給する乾燥不活性ガス供給管(13)が蓋
(3)を貫通して配置されている。供給管(13)は、図
示しない乾燥不活性ガス供給装置に接続されている。ま
た、孔(4)の左側において、排気管(14)が蓋(3)
を貫通して配置されている。排気管(14)は、この発明
の処理を開始するにあたり、予め供給管(13)を通して
処理槽(2)内に供給される乾燥不活性ガスによって処
理層(2)内から追い出される、元々処理槽(2)内に
存在した大気と、処理作業の間中処理槽(2)内に送り
込まれる乾燥不活性ガスのうちの過剰なものと、処理ガ
スの過剰なものとを処理層(2)内から外部に排出する
ためのものである。
このような装置を使用し、処理槽(2)内に純度99.99w
t%のアルミニウム溶湯(1)を500Kg入れて700〜730℃
に保持しておき、この溶湯(1)よりも上方の雰囲気に
供給管(13)を通して第1表に示す露点を有する乾燥N2
ガスまたは乾燥していないN2ガス(露点15℃)を供給し
つつ、モータ(8)により回転軸(7)を軸線のまわり
に回転させることにより回転子(10)を回転させなが
ら、吹出口(11)からアルミニウム溶湯(1)中にArか
らなる処理ガスを吹き込むことによってアルミニウム溶
湯(1)に、第1表に示す条件で水素ガス除去処理を施
した。
処理ガスの吹き込みは、処理ガス供給装置から処理ガス
供給路(9)を通して処理ガスを送り込むことによって
行なった。処理ガスは、処理ガス吹出口(11)の下端開
口から回転子(10)の底面に供給される。そして、回転
子(10)の回転により生じる遠心力および縦溝(12)の
作用によって、回転子(10)の周縁から微細な気泡状と
された処理ガスがアルミニウム溶湯(1)の全体にいき
わたるように放出される。
その後、溶湯(1)中からの水素ガス除去効率を調べる
ために、テレガス法によって処理前後の溶湯中の水素ガ
ス量を測定した。このようにして、水素ガス除去処理時
間と処理後の溶湯中の水素ガス量との関係を調べた。そ
の結果を第2図にまとめて示す。
実施例4〜6および比較例2 処理槽(2)内にA6063合金の溶湯(1)を500kg入れた
こと、および水素ガス除去処理条件が第2表に示す通り
であることを除いては、上記実施例1〜3および比較例
1と同様に水素ガス除去処理を行なった。そして、上記
実施例1〜3および比較例1と同様に水素ガス除去処理
時間と処理後の溶湯中の水素ガス量との関係を調べた。
その結果を第3図にまとめて示す。
第2図および第3図から明らかなように、処理槽(2)
における溶湯(1)よりも上方の雰囲気に乾燥不活性ガ
スを供給しながら水素ガスの除去処理を行なった場合に
は、乾燥していない不活性ガスを供給しながら水素ガス
の除去処理を行なった場合に比べて除去効率は飛躍的の
向上している。また、供給する乾燥不活性ガスの露点が
低いほど、換言すれば乾燥不活性ガス中の水分量が少な
いほど水素ガスの除去効率が向上している。
発明の効果 この発明の処理方法によれば、処理槽内に入れられたア
ルミニウム溶湯中に処理ガスを気泡状態で吹込んで、ア
ルミニウム溶湯中から水素ガスおよび非金属介在物を除
去するアルミニウム溶湯の処理方法において、上記処理
槽におけるアルミニウム溶湯の表面よりも上方の雰囲気
を、露点が−30℃以下とされた不活性ガスが満された雰
囲気としてその状態を維持しつつ上記処理を行なうこと
を特徴とするものであるから、処理槽内のアルミニウム
溶湯の表面よりも上方の雰囲気中の水分量が極めて少な
くなる。したがって、上述した2Al+3H2O→Al2O3+3H2
という反応の結果生じる水素量が少なくなり、溶湯中に
侵入する水素量も減少して水素ガス除去効率が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法の実施に用いる装置の垂直断面
図、第2図は第1図に示す装置を用いて高純度アルミニ
ウム溶湯に水素ガス除去処理を施した場合の処理時間と
処理後の溶湯中の水素ガス量との関係を示すグラフ、第
3図は第1図に示す装置を用いてA6063合金溶湯に水素
ガス除去処理を施した場合の処理時間と処理後の溶湯中
の水素ガス量との関係を示すグラフである。 (1)……アルミニウム溶湯、(2)……処理槽。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理槽内に入れられたアルミニウム溶湯中
    に処理ガスを気泡状態で吹込んで、アルミニウム溶湯中
    から水素ガスおよび非金属介在物を除去するアルミニウ
    ム溶湯の処理方法において、上記処理槽におけるアルミ
    ニウム溶湯の表面よりも上方の雰囲気を、露点が−30℃
    以下とされた不活性ガスが満された雰囲気としてその状
    態を維持しつつ上記処理を行なうことを特徴とするアル
    ミニウム溶湯の処理方法。
JP4914986A 1986-03-05 1986-03-05 アルミニウム溶湯の処理方法 Expired - Lifetime JPH0765125B2 (ja)

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