JPH0764718B2 - 浴剤組成物 - Google Patents

浴剤組成物

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JPH0764718B2
JPH0764718B2 JP61065950A JP6595086A JPH0764718B2 JP H0764718 B2 JPH0764718 B2 JP H0764718B2 JP 61065950 A JP61065950 A JP 61065950A JP 6595086 A JP6595086 A JP 6595086A JP H0764718 B2 JPH0764718 B2 JP H0764718B2
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    • A61Q19/10Washing or bathing preparations
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は浴剤組成物に係わり、特に香料の保存安定性を
高めると共に、香気の匂い立ちをコントロールし、長時
間に亙って新鮮な香りを楽しむことができるようにもし
た新規な浴剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、浴湯に投入して用いられる浴剤組成物としては種
々のものが知られている。
そしてこれら浴剤組成物の原料として用いられるものの
内、揮発性の高い成分、即ち香料、油脂類等は、浴剤組
成物の調合、充填の工程で揮散する部分が多い。また、
これら揮発性の高い成分は、浴剤組成物の充填後も、そ
の保存中及び使用中も、揮散により濃度の低下を来たす
ばかりでなく、容器の材質を侵し、その上これらの成分
が容器の外に透過してしまう等の問題がある。このた
め、浴剤組成物の包装用容器として使用する材質には、
特別の制約を受け、価格的にも高い資材を使用せざるを
えなかつた。
更に、従来の浴剤組成物では、香気の匂い立ちをコント
ロールし、長時間に亙って新鮮な香りを楽しむことがで
きるものはなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、製造工程及び保存中の揮発性の高い成分の揮
散を抑え、かつ揮発性の高い成分が容器の材質を侵し、
容器の外に透過するのを防止するという問題を解決する
と共に、香気の匂い立ちをコントロールし、長時間に亙
って新鮮な香りを楽しむことができるようにもしたとい
う従来全く存在しなかつた新規な浴剤組成物を提供しよ
うとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するための手段である本発明は、香
料を被膜形成用物質で被覆したカプセルを含有する浴剤
組成物において、香料を、該カプセルに封入する他、該
カプセルに封入することなく浴剤組成物中に配合せしめ
てなることを特徴とする浴剤組成物、及び香料を被膜形
成用物質で被覆したカプセルを含有する浴剤組成物にお
いて、該カプセルとして被膜の膜厚が二以上の異なった
ものを用いることを特徴とする浴剤組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるカプセルの被膜形成用物質としては、天
然または合成の水溶性高分子物質が使用される。天然の
水溶性高分子物質としては、例えばデンプン質、マンナ
ン、海藻類、植物粘質物、蛋白質、ゼラチン等の使用が
可能である。また合成の水溶性高分子物質としては、例
えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、可溶化デンプン、カルボキシメ
チルデンプン等の使用が可能である。
また、カプセル化する成分としては、香料の他、油脂類
等の易揮発性の浴剤成分を用いてもよい。そして油脂類
としては、糠油、米糠エキス、オリーブ油、ホホバ油、
大豆油、流動パラフイン、白色ワセリン等が挙げられ、
また、香料類としては、例えばラベンダー油、ジヤスミ
ン油、レモン油、ローズ油、オレンジ油、パイン油等の
天然香料類及びゲラニオール、シトロネロール、フエニ
ルエチルアルコール、リナロール、ベンジルアセテート
等の合成香料類が挙げられる。
これらの易揮発性の浴剤成分をカプセル化するには、一
般的にスプレードライング法、液中硬化被覆法、コアセ
ルベーシヨン法、液中乾燥法等により行なうことができ
る。
本発明において、易揮発性の浴剤成分を被覆形成用物質
で被覆したカプセルを混合し、含有させる他の原料とし
ては、その浴剤の目的とする効能・効果に応じて、無機
塩類、無機酸類、有機酸類、生薬類、油脂類、香料類、
色素類、アルコール類、多価アルコール類、界面活性剤
類等から選ばれる一種又は二種以上の原料を適宜選択し
て使用すればよい。これらの原料の具体例を挙げると以
下の通りである。
無機塩類 塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カルシウム、硫酸アルミニウム、ポリ
リン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、燐酸ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム等。
無機酸類 硼酸、メタ珪酸、無水珪酸等。
有機酸類 安息香酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、ピロリドンカ
ルボン酸等。
生薬類 ソウジユツ、ビヤクジユツ、カノコソウ、ケイガイ、コ
ウボク、センキユウ、橙皮、トウキ、シヨウキヨウ末、
ニンジン、ケイヒ、シヤクヤク、ハツカ葉、オウゴン、
サンシシ、ブクリヨウ、ドクカツ、シヨウブ、ガイヨ
ウ、マツブサ、ビヤクシ、ジユウヤク、リユウノウ、サ
フラン、オウバクエキス、チンピ、ウイキヨウ、カンピ
末、カミツレ等。
油脂類 糠油、米糠エキス、オリーブ油、ホホバ油、大豆油、流
動パラフイン、白色ワセリン等。
香料類 天然香料:ラベンダー油、ジヤスミン油、レモン油、ロ
ーズ油、オレンジ油、パイン油等。
合成香料:ゲラニオール、シトロネロール、フエニルエ
チルアルコール、リナロール、ベンジルアセテート等。
色素類 赤色2号、黄色4号、緑色3号、青色1号、赤色213
号、橙色215号、黄色202号の1、緑色201号、青色201号
等の厚生省令タール色素別表I及びIIの色素、クロロフ
イル、リボフラビン、アンナツト、カンタキサンチン、
クロシン、コチニール、べにばな、アントラキノン等の
食品添加剤として認められる天然色素。
アルコール類 エタノール、ステアリルアルコール、イソプロピルアル
コール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール
等。
多価アルコール グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等。
界面活性剤類 ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、ポリエチレングルコールモノステアレート等。
その他 イオウ、鉱砂、湯の花、カゼイン、中性白土、サリチル
酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、卵黄末、イリ糠、雲母末、脱脂粉乳、ポリビニルピ
ロリドン等。
さらに本発明の浴剤組成物の原料には、上記したもの以
外にも、必要に応じて殺菌防腐剤、金属封鎖剤、その他
の広い範囲の原料を使用することができる。
次に、本発明の浴剤組成物の製造方法について説明す
る。
先ず、上記した油脂類及び香料類のような易揮発性の浴
剤成分を上記した被膜形成用物質、例えば天然または合
成の水溶性高分子物質で被覆してカプセルをつくる。こ
の被覆の手段としては、カプセル化の一般的方法である
スプレードライング法、液中硬化被覆法、コアセルベー
シヨン法、液中乾燥法等を使用することができる。その
具体例として、液中硬化被覆法によるカプセルを得る例
を示すと次のとおりである。
被膜形成用物質として、天然または合成の水溶性高分子
物質の中から選ばれる1種又は2種以上の物質25〜35
部、好ましくは27〜32部に精製水47〜62部を加え、これ
にグリセリン10〜15部及びソルビトール2〜8部を加
え、65〜75℃にて、4〜8時間、好ましくは5〜7時間
撹拌して溶解混合した後、20〜50mmHgの気圧で5〜8時
間減圧脱泡したのち、この混合物をシームレスカプセル
機の被覆剤供給タンクに入れる。
次に、これとは別に、充填物質として1種または2種以
上の易揮発性の浴剤成分を充填物供給タンクに入れる。
これら被覆形成用物質と、易揮発性の浴剤成分とを等量
ずつシームレスカプセル機〔(株)三協機械製作所製、
SANKYO CAP−2 TYPE〕のノズルより、予め流動パラフイ
ン等の凝固液を貯留した凝固液タンク中に滴下する。こ
のようにして凝固液中に生成したカプセルを濾紙で分離
後、エタノールで洗浄し、常温で乾燥させ、粒子径約3m
mφの被膜率約30%、重量約25mgのカプセルを得た。
なお、上記した被覆手段で得られるカプセルの被膜は、
被膜形成用物質として天然または合成の水溶性高分子物
質を用いても、被覆手段によつては水溶性のものばかり
でなく、不溶性のものとなる場合もある。しかし、この
ような不溶性の被膜のカプセルも、浴湯に投入し、撹拌
その他の物理的手段を加えることにより被膜が破れ、充
填物質は浴湯中に溶解する。
本発明においては、易揮発性の浴剤成分を被膜形成用物
質で被覆したカプセルの粒子径は5μ〜5mm位が適当で
ある。
上記のようにしてつくつたカプセルを、上記したような
浴剤原料と均一に撹拌混合することにより本発明の浴剤
組成物を得る。
この場合、カプセルの混合割合は、浴剤組成物全量の0.
5〜20%位適当である。
また、カプセルは1種類だけでなく、充填物質の異なる
カプセルを2種以上混合してもよく、被膜形成用物質の
膜厚の異なるカプセルを2種以上混合してもよい。
〔発明の効果〕
本発明の浴剤組成物は、易揮発性の浴剤成分を被膜形成
用物質で被覆することによりカプセルとし、該カプセル
をこれ以外の浴剤原料に混合したものであるため、従来
の粉末状若しくは固形状の浴剤組成物とは異なり、製造
工程中も、また製品の保存状態においても易揮発性の成
分が揮散しにくく、経時安定性に優れている。このた
め、浴剤組成物の調合、充填の工程での易揮発性の成分
の揮散による種々の取扱い上の問題を取除き、浴剤組成
物の充填後も、その保存中及び使用中に香料等の易揮発
性成分の濃度の低下を来たすこともなく、また、香料等
の易揮発性成分が容器の材質により透過する等の問題も
ない。
また、本発明では、被膜形成用物質の被膜の形成工程に
おいて被膜の膜厚を二以上の異なつたものとしたカプセ
ルを用いることにより、香気の匂い立ちをコントロール
することができ、さらに被膜の膜厚の異なるものにそれ
ぞれ別の香料を封入したカプセルを用いることにより、
一回の浴剤組成物の使用で2以上の香りを楽しむことも
できるという、従来全く得られなかつた効果が奏される
のである。
ここで、本発明の浴剤組成物と、従来の浴剤組成物中に
香料等の易揮発性の原料を均一に混合した浴剤組成物と
の香料残存率を比較した結果を示すと、次の通りであ
る。
(a)本発明浴剤組成物 被膜形成用物質としてゼラチン37部、精製水47部、グリ
セリン12部、ソルビトール4部を70℃で6時間撹拌して
溶解混合した後、35mmHgで5時間減圧脱泡し、シームレ
スカプセル機〔SANKYO CAP−2 TYPE、(株)三協機
械製作所製〕の被膜剤供給タンクに入れる。別に、レモ
ン系調合香料84部、テレビン油11部、液状ラノリン5部
を充填物供給タンクに入れる。また、流動パラフインを
凝固液タンクに入れる。シームレスカプセル機のノズル
より、被膜形成用物質及び充填物質をほぼ等量ずつ凝固
液中に滴下し、これにより得られたカプセルを凝固液と
分離し、エタノールで洗浄し、室温にて乾燥させること
により、粒子径3mmφ、被膜率30%、重量25mgのカプセ
ルを得た。
次に、乾燥硫酸ナトリウム96.46部に上記の方法で得た
カプセル3.14部、黄色202号の10.4部を添加し、均一に
撹拌混合して本発明の浴剤組成物を得、これを試料1と
した。
(b)従来の粉末浴剤組成物 乾燥硫酸ナトリウム97.4部にレモン系調合香料1.85部、
テレビン油0.25部、液状ラノリン0.1部、黄色202号の1
0.4部を添加し、均一に撹拌混合して従来の粉末浴剤組
成物を得、これを試料2とした。
上記の試料1及び試料2を製造後直ちにそれぞれ420gず
つ紙缶に充填し、苛酷条件(40℃、75%RH)及び室温に
保存した。保存後1ケ月毎に8か月間、試料中の香料含
有量を精油定量(日局生薬試験法)により測定し、保存
開始前の試料中の香料含有量を100%として香料残存率
を算出した。
評価の結果は、第1表に示す通りである。なお、第1表
に示す数値は5検体の平均値である。
第1表の結果より、本発明の浴剤組成物は、従来の粉末
浴剤組成物と比較して、香料含有量の低下が少なく経時
的に安定であることがわかる。
〔実施例〕
つぎに実施例を示して本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれにより制限されるものではない。な
お、実施例中、特に記載しない以外は、部は重量部、%
は重量%である。
実施例1 レモン系調合香料充填カプセルを液中硬化被覆法でつく
つた。
即ち、ゼラチン37.0部、精製水47.0部、グリセリン12.0
部、ソルビトール4.0部(合計100.0部)を約50℃に加温
して溶解混合し被膜形成用物質とした。またレモン系調
合香料99.6部にジブチルヒドロキシトルエン0.4部を添
加し、均一に撹拌混合して充填物質とした。これらの被
膜形成用物質及び充填物質をシームレスカプセル機〔SA
NKYO CAP−2 TYPE、(株)三協機械製作所製〕の各
原料タンクに入れ、ノズルより被膜形成用物質、充填物
質を凝固液である流動パラフイン中に滴下し、生成した
カプセルを紙で分離し、エタノールで洗浄し、常温で
乾燥させることにより、粒子径3mmφ、被膜率30%、重
量25mgのレモン系調合香料充填カプセルを得た。
つぎに乾燥硫酸ナトリウム95.7%、上記のようにして得
たレモン系調合香料充填カプセル2.0%、黄色202号の1
0.3%、軽質無水ケイ酸0.4%、テレビン油0.1%、ゆず
系調合香料1.5%(合計100.0%)を均一に撹拌混合して
レモン系調合香料充填カプセル含有浴剤組成物を得た。
この浴剤組成物を浴湯180当り20g添加すると、直接混
合したゆず系調合香料の香りが数分間持続し、その後レ
モン系調合香料の香りに変化し、一度の入浴で2種類の
香りを楽しむことができた。
実施例2 ホホバ油、生薬抽出エキス、ジヤスミン系調合香料充填
カプセルを次のようにして、pH調節法による複合コアセ
ルベーシヨン法でつくつた。
ゼラチン10部に精製水90部を添加し、1時間膨潤後50℃
に加温溶解させて被膜形成用物質Aを調製した。
また、これとは別にアラビアゴム10部を精製水90部に均
一に分散させ被膜形成用物質Bを調製した。
次に、ホホバ油30部、生薬抽出エキス30部、ジヤスミン
系調合香料39.7部及びジブチルヒドロキシトルエン0.3
部からなる易揮発性の充填物質を調製した。
被膜形成用物質A42.9部に充填物質12.8部を添加し、湯
煎で40℃〜50℃に加温しながらケミスターラーで2000rp
mで約5分間撹拌して粒径100μ程度になるように分散乳
化させた。次に被膜形成用物質B42.9部を添加し、ケミ
スターラーで2000rpmで10分間撹拌した。次に約40℃の
温水を全体量が2倍容量になるだけの量を加えて撹拌し
た後、10%酢酸溶液を滴下してpH4〜4.3になるように調
製し、40〜50℃に保ちながらケミスターラーで2000rpm
で20分間撹拌してコアセルベートを生成させた。次にこ
の溶液を氷水で冷却し、5℃に保ちながらケミスターラ
ーで2000rpmで10分間撹拌後、30%ホルマリン溶液1.4部
を添加して被膜の架橋を強化させた。更に、pH8.5にな
るように10%水酸化ナトリウムを滴下するとゼラチンが
効果された。このようにして得たカプセル分散液を遠心
分離機〔国産遠心器(株)、卓上型高速遠心機H−200
型〕で分離後、ろ過して分取し、低温恒温器(IL−82
型、ヤマト科学株式会社)に一昼夜入れ、ゼラチン−ア
ラビアゴム系の被膜で上記の易揮発生の充填物質を被覆
した粒径100〜1000μのカプセルを収率約50%で得た。
つぎに乾燥硫酸ナトリウム60.0%、硫酸マグネシウム3
5.0%、青色2号0.35%、上記のようにして得たホホバ
油、生薬抽出エキス、ジヤスミン系調合香料充填カプセ
ル4.55%、液状ラノリン0.1%(合計100.0%)を均一に
撹拌混合して、揮発し易い生薬抽出エキスの安定性を改
善した浴剤組成物を得た。なお、本浴剤組成物に含有さ
れるカプセルの被膜は水不溶性のゼラチン−アラビア系
のものであるが、浴湯に添加した際に浴湯を湯かき棒等
で撹拌すると、水圧で被膜が破れ、充填物質が浴湯に溶
解する。
実施例3 粒径の異なる2種類のローズ系香料充填カプセルを次の
ようにして液中硬化被覆法でつくつた。
ゼラチン37.0部、精製水47.0部、グリセリン12.0部、ソ
ルビトール4.0部(合計100.0部)を約50℃に加温して溶
解混合し被膜形成用物質とした。またローズ系香料99.6
部にジブチルヒドロキシトルエン0.4部を添加し、均一
に撹拌混合して充填物質とした。これらの被膜形成用物
質、充填物質をシームレスカプセル機〔(株)三協機械
製作所製、SANKYO CAP−2 TYPE〕の各原料タンクに
入れ、ノズルより被膜形成用物質、充填物質を凝固液で
ある流動パラフイン中に滴下し、生成したカプセルを
紙で分離し、エタノールで洗浄し、常温で乾燥させるこ
とにより、粒子径3mmφ、被膜率30%、重量25mgのロー
ズ系香料充填カプセルを得た。つぎにノズルを別のもの
に変更し、上記と同様な操作により粒子径5mmφ、被膜
率40%、重量45mgのローズ系香料充填カプセルを得た。
つぎに、乾燥硫酸ナトリウム91.1%、上記のようにして
得た3mmφのローズ系香料充填カプセル2.8%、5mmφの
ローズ系香料充填カプセル3.3%、ローズ系香料2.0%、
テレビン油0.1%、黄色202号の10.3%、軟質無水ケイ酸
0.4%(合計100.0%)を均一に撹拌混合してローズ系香
料充填カプセル含有浴剤組成物を得た。
この浴剤組成物を浴湯180当り20g添加した時、直接混
合したローズ系香料の香りが数分間持続し、その後最初
の香りが消えた時期に3mmφの微小カプセルの被膜が溶
解して再度新しいローズの香りが立ち、それが数分間持
続し、その後さらに5mmφの微小カプセルの被膜が溶解
して再度新しいローズの香りが立ち、入浴中の30〜40分
間にわたつて新鮮なローズの香りを楽しむことができ
た。
実施例4 実施例3に記載したと同様にして粒子径3mmφのローズ
系香料充填カプセルをつくつた。
別に、ホホバ油充填カプセルを、pH調節法による複合コ
アセルベーシヨン法により次のようにしてつくつた。
ゼラチン10部に精製水90部を添加し、1時間膨潤後50℃
にて溶解させ被膜形成用物質Aを調製した。またこれと
は別に、アラビアゴム10部を精製水90部に均一に分散さ
せ被膜形成用物質Bを調製した。
次に、ホホバ油99.5部にジブチルヒドロキシトルエン0.
5部を添加して易揮発性の充填物質を調製した。
被膜形成用物質A42.9部に充填物質12.8部を添加し、湯
煎で40〜50℃に加温しながらケミスターラーで2000rpm
で5分間撹拌して粒径100μ程度になるように分散乳化
させた。次に被膜形成用物質B42.9部を添加し、ケミス
ターラーで2000rpmで10分間撹拌した後、約40℃の温水
を全体量の2倍容量添加した。次にpH4.0〜4.3になるよ
うに10%酢酸溶液を滴下し、40〜50℃に保ちながらケミ
スターラーで2000rpmで20分間撹拌してコアセルベート
を生成させた。次に氷水で冷却し、5℃に保ちながらケ
ミスターラーで2000rpmで10分間撹拌後、30%ホルマリ
ン溶液1.4部を添加して被膜の架橋を強化させた。次にp
H8.5になるように10%水酸化ナトリウム溶液を滴下する
とゼラチンが硬化された。このようにして得たカプセル
分散液を遠心分離後、濾過して分取し、低温恒温器(IL
−82型、ヤマト科学株式会社製)に一昼夜入れ、ゼラチ
ン−アラビアゴム系の被膜で易揮発生の充填物質を被覆
した粒径100〜1000μのホホバ油充填カプセルを収率約5
0%で得た。
つぎに乾燥硫酸ナトリウム82.6%、セスキ炭酸ナトリウ
ム10.0%、ローズ系香料2.0%、上記のようにして得た
ローズ系香料充填カプセル3.5%、上記のようにして得
たホホバ油充填カプセル1.0%、テレビン油0.1%、軽質
無水ケイ酸0.4%、緑色204号0.4%(合計100.0%)を均
一に撹拌混合して、ローズ系香料充填カプセルとホホバ
油充填カプセルを含有する浴剤組成物を得た。
この浴剤組成物を浴湯180当り20g添加すると、最初に
直接混合したローズ系香料の香りが数分間持続し、その
後最初の香りが消えた時期にローズ系香料充填カプセル
の被膜が溶解して再度新しいローズの香りが立つた。ま
たホホバ油充填カプセルのゼラチン−アラビアゴム系の
被膜は水不溶性であり、また比重が水よりも軽いため、
この浴剤組成物を浴湯に添加した際には、このホホバ油
充填カプセルは、溶解することなく水面に浮いている。
入浴者は、このホホバ油充填カプセルの被膜を湯かき棒
等で撹拌し破壊してホホバ油の保湿効果を得ることがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】香料を被膜形成用物質で被覆したカプセル
    を含有する浴剤組成物において、香料を、該カプセルに
    封入する他、該カプセルに封入することなく浴剤組成物
    中に配合せしめてなることを特徴とする浴剤組成物。
  2. 【請求項2】香料を被膜形成用物質で被覆したカプセル
    を含有する浴剤組成物において、該カプセルとして被膜
    の膜厚が二以上の異なったものを用いることを特徴とす
    る浴剤組成物。
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