JPH076450Y2 - 窓の開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、排煙窓のように建物の高所に設けられた窓を
遠隔操作によって開閉するようにした窓の開閉装置に関
する。

［従来の技術］ 従来、窓の開閉装置において、開窓方向へ付勢させた窓
板にワイヤーロープを連結し、該ワイヤーロープを、ハ
ンドル操作により回転ドラムに巻き取ることによって閉
窓し、上記ワイヤーロープを回転ドラムから繰り出すこ
とにより開窓するよう形成すると共に、上記回転ドラム
に慣性回転を抑止する為の抑止板を弾設させてなるもの
が知られている（実開昭61−37377号公報参照）。

又、多板式ダンパーのように、ケーシングに固定円板を
固定し回転軸に可動円板を設け、該ケーシング内に高粘
性油を充填し、回転軸の回転により可動円板を軸方向に
移動させ、固定円板と可動円板の間隙を調整することに
より減衰力の変化を調整する構造が知られている（実開
昭51−81892号公報参照）。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上述窓の開閉装置は、抑止板を単に回転
ドラムのワイヤーロープ巻装外周面に弾設させた構造で
ある為、窓の重量に合わせて抑止力を調整することがで
きず、又ワイヤーロープが回転ドラムから繰り出される
ことでワイヤーロープの巻装外径が小さくなると抑止力
が変わるという問題点がある。

又、緩衝装置としてのダンパーの数を減らす目的で、複
数箇の窓板を連結し、各窓板を同時に開閉するようにし
た場合は、初期抑止力が強く、窓板を蹴り出せない等の
問題点がある。

さらに上述の多板式粘性ダンパーの構造を窓の開閉装置
に適用した場合、回転軸の回転をネジで行うので、ネジ
の回転がそのまま可動円板の移動距離となり固定円板と
可動円板の隙間の微調整ができず、回転ドラムに対する
抑止力を正確に調整できないという問題点がある。

本考案は、上述従来の問題点を解決しようとしたもの
で、回転ドラム内にオイルボックスを形成し、ブレーキ
ウィングを操作ボックスに対し非回転にして、かつ軸方
向へ移動自在に支承せしめて上記オイルボックスに内装
し、該オイルボックスとブレーキウィング間にシリコン
オイルを封入することにより、シリコンオイルの流動抵
抗によって、ワイヤーロープの巻装外径の変化に関係な
く、回転ドラムに対する抑止力を常に一定に保ち得るよ
うにすると共に、上記ブレーキウィングを軸方向へ移動
調整可能なるよう、同ウィングのネジ孔にブレーキ調整
ネジを螺合して構成し、上記オイルボックスの内周面に
先細り形状を有する複数箇の羽根を環状に設けるととも
に、該オイルボックスの羽根の凹部に対応させた形状の
羽根を有するブレーキウィングを設けることにより、上
記ブレーキ調整ネジによって、抑止力を任意に微調整で
きるようにし、もって複数箇の窓板を連結した場合、ダ
ンパーの数を減少させることができるようにした窓の開
閉装置を提供しようとするのが、その目的である。

［問題点を解決する為の手段］ すなわち本考案は、開窓方向へ附勢される窓板に連結し
たワイヤーロープをハンドル操作により回転ドラムに巻
き取ることで閉窓し、上記ワイヤーロープを回転ドラム
から繰り出すことにより開窓するよう設け、上記回転ド
ラム内にオイルボックスを一体的に設け、ブレーキウィ
ングを操作ボックスに非回転にして、かつ軸方向へ移動
自在に支承して上記オイルボックスに内装し、両者間に
シリコンオイルを封入すると共に、オイルボックスに対
してブレーキウィングを軸方向へ移動調整可能なるよう
同ブレーキウィングに穿設したネジ孔にブレーキ調整ネ
ジを螺合してなる窓の開閉装置において、上記オイルボ
ックスの内周面に先細り形状を有する複数箇の羽根を環
状に設けるとともに、該オイルボックスの羽根の凹部に
対応させた形状の羽根を有するブレーキウィングを設け
たことにより上記問題点を解決したのである。

［実施例］ 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述すれば、第１
図ないし第３図に示したように、操作ボックス１内に支
持板２がビス３にて固定され、回転ドラム４が、その一
端中心から突設した中空の軸部4aを上記支持板２の軸孔
2aに嵌合し、他端中心に穿設した軸孔4bに、操作ボック
ス１から突設したボス部1aを嵌合することによって操作
ボックス１内に回転自在に支持されている。

上記回転ドラム４にはワイヤーロープ５の一端が巻装さ
れ、該ワイヤーロープ５の他端は操作ボックス１から外
側へ延出され第４図、第５図に示したように連結され
て、かつ開窓方向へ付勢されている複数箇の窓板６‥‥
に連結させてある。

上記窓板６‥‥と窓枠７を連結して緩衝装置としてのダ
ンパー８が配設されている。

又、上記回転ドラム４はハンドル９にて回転操作される
よう、その軸部4aにハンドル軸10が連結させてある。

上記回転ドラム４内にはオイルボックス11が形成させて
ある。このオイルボックス11は、後述するブレーキウィ
ング14を別部材のボックス11a,11bにて挾持内装したの
ち回転ドラム４の凹部4cに嵌着し、該凹部4cの開口部に
固定板12を固定してオイルシール13‥‥を行い一体に形
成している。

上記オイルボックス11の内周面には先細り形状を有する
複数箇の羽根11c‥‥が環状にかつ軸方向へ適宜間隔毎
の突設させてある。

上記ブレーキウィング14には環状をなす複数箇の羽根14
a‥‥が上記オイルボックス11の羽根11c‥‥間の凹部に
対応させてある。

又、上記ブレーキウィング14の上端部は、上記回転ドラ
ム４の中心に穿設した軸孔4d内へ延設させてあると共
に、下端部は真円以外の楕円形、又は任意の多角形柱14
bに形成させてあって、上記オイルボックス11から下方
へ延出させてあり、該オイルボックス11の上下両端の開
口部をＯリング等でオイルシール15、16でシールするこ
とによってオイルボックス11とブレーキウィング14との
間に密封形成される空所ａにシリコンオイルｂが封入さ
れている。

又、操作ボックス１のボス部1a中心には、上記多角形柱
14bの外形に対応した内形を有した多角形孔1bが凹設さ
せてあり、多角形孔1bに上記多角形柱14bを嵌合してブ
レーキウィング14はオイルボックス11に対して非回転に
して、かつ軸方向へ移動自在に、上記操作ボックス１に
支承されている。

これにより、ブレーキウィング14の羽根14a‥‥と、回
転ドラム４と共に回転するオイルボックス11の各羽根11
c‥‥との間に封入されたシリコンオイルｂの流動抵抗
によって回転ドラム４の回転を抑止する。

又、上記ブレーキウィング14の中心にはネジ孔14cが貫
通させてあり、該ネジ孔14cにブレーキ調整ネジ17を嵌
合貫通させ、その先端を、上記多角形孔1bの底面に突き
合わせてあり、該ブレーキ調整ネジ17を回転することに
より、オイルボックス11に対してブレーキウィング14が
軸方向（第３図において上下方向）へ移動し、上記両羽
根11c、14aの間隔が変えられることでシリコンオイルｂ
の流動抵抗が変化し、回転ドラム４の抑止力が任意に調
節されるように構成されている。

又、上記操作ボックス１内にあって、回転ドラム４の一
側方部には、平面及び側面が略Ｌ字形状に曲成されてい
る作動レバー18が第２図に示す矢印Ｃ←→Ｃ′方向へ回
転自在に、その一端が回転軸19にて操作ボックス１に、
かつ介在したバネ20により図示の矢印Ｃ′方向へ付勢し
て軸支されており、該作動レバー18に付設したラッチ21
を、上記回転ドラム４のギヤ4dと噛み外し自在に噛合さ
せてあり、この噛み合った状態で、回転ドラム４は第２
図の矢印ｄ方向、つまりワイヤーロープ５の巻き取り方
向へ回転可能で、反矢印ｄ方向へは回転しないようにし
てある。

上記作動レバー18は、上記バネ20と、操作ボックス１に
設けた開放ボタン22と復帰ボタン23によって、ラッチ21
がギヤ4dと噛み外しされるよう作動するようにしてあ
る。

上記開放ボタン22と復帰ボタン23は実願昭62−87984号
に記載されているように形成されている。

すなわち、作動レバー18の他端が開放ボタン22と復帰ボ
タン23の夫々の側面にバネ力によって突き合わせられて
おり、この突き合わせた状態で、介在した圧縮バネ24の
バネ力に抗して開放ボタン22を操作ボックス１内に押し
込むことで、同開放ボタン22の切欠部22aに作動レバー1
8の他端が嵌合し、該作動レバー18はバネ力によって図
示のＣ′方向へ回転し、第２図中二点鎖線で示したよう
にラッチ21がギヤ4dから外れ、これにより回転ドラムは
反矢印方向へ逆転可能となり、ワイヤーロープ５が繰り
出され、閉窓されるようにしてある。

一方、復帰ボタン23は、介在した圧縮バネ25のバネ力に
抗して操作ボックス１内へ押し込むことで、同ボタン23
の側部に形成してある突部23aの傾斜面23bで作動レバー
18の他端がバネ力に抗して外側へ押圧移動され、これに
より作動レバー18は矢印Ｃ方向へ回転復帰し、ラッチ21
がギヤ4dと噛合されるよう形成されている。尚、第１図
において1cは操作ボックス１のカバーを示す。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る窓の開閉装置は構成し
たから、回転ドラム４に対するワイヤーロープ５の巻装
外径に関係なく、回転ドラム４に対する抑止力を一定に
保ち得るので、複数箇の窓板６‥‥を連動可能に連結し
た場合、抑止力を適当値に調整することによりダンパー
８の数を減らすことができて、かつ窓板６‥‥の蹴り出
しも適正に行い得る。

又、ブレーキウィング14をオイルボックスの羽根の凹部
に対応させた先細り形状に形成したことにより、ブレー
キ調整ネジ17の軸方向の変化量よりもオイルボックス11
とブレーキウィング14との間隙の変化量を小さくするこ
とができ、窓の蹴り出し力をさらに細かく調整でき、窓
板の連結数、窓板重量に応じた適正な抑止力が得られ、
また抑止力を得る為の機構が回転ドラム４に内装される
為、ワイヤーロープ５の巻き取り量により抑止力が変化
することなく、また該巻き取り量を減らすことなく、操
作ボックス１の小型化を図り得る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る窓の開閉装置の実施例を示す縦断
側面図、第２図は第１図II−II線矢視図、第３図は同実
施例における回転ドラムと抑止力機構部分の縦断側面
図、第４図は同実施例の使用例を示す正面図、第５図は
窓板の連結状態とダンパーを示す斜視図である。 １……操作ボックス ４……回転ドラム ５……ワイヤーロープ ６……窓板 ９……ハンドル 11……オイルボックス 14……ブレーキウィング 14c……ネジ孔 17……ブレーキ調整ネジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開窓方向へ付勢される窓板に連結したワイ
   ヤーロープをハンドル操作により回転ドラムに巻き取る
   ことで閉窓し、上記ワイヤーロープを回転ドラムから繰
   り出すことにより開窓するよう設け、上記回転ドラム内
   にオイルボックスを一体的に設け、ブレーキウィングを
   操作ボックスに非回転にして、かつ軸方向へ移動自在に
   支承して上記オイルボックス内に内装し、両者間にシリ
   コンオイルを封入すると共に、オイルボックスに対して
   ブレーキウィングを軸方向へ移動調整可能なるよう同ブ
   レーキウィングに穿設したネジ孔にブレーキ調整ネジを
   螺合してなる窓の開閉装置において、上記オイルボック
   スの内周面に先細り形状を有する複数箇の羽根を環状に
   設けるとともに、該オイルボックスの羽根の凹部に対応
   させた形状の羽根を有するブレーキウィングを設けたこ
   とを特徴とする窓の開閉装置。