JPH0764399A - 現像方法及びその装置 - Google Patents

現像方法及びその装置

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JPH0764399A
JPH0764399A JP23560493A JP23560493A JPH0764399A JP H0764399 A JPH0764399 A JP H0764399A JP 23560493 A JP23560493 A JP 23560493A JP 23560493 A JP23560493 A JP 23560493A JP H0764399 A JPH0764399 A JP H0764399A
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JP
Japan
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magnet
latent image
magnetic brush
vibration
developing device
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JP23560493A
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English (en)
Inventor
Shigekazu Enoki
繁和 榎木
Shingo Kato
眞吾 加藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ブラシの摺刷により形成されたトナー像
を、磁気ブラシで十分にスキャベンジすることによっ
て、画像のシャープ性を向上させる。 【構成】 磁石16が固着された磁石保持部材22を、
該磁石保持部材22に形成された孔22a,22bに嵌
合された偏心カム19a,19bを回転させることによ
って、該部材上の任意の点が円を描くような運動を行わ
せる。こうすることによって、感光体ドラム7上の画像
部は、該感光体ドラム7長手方向及び該長手方向に直行
する方向等多方向から磁気ブラシBでスキャベンジされ
るため、画像のシャープ性が向上する。また、偏心カム
19a,19b及び磁石保持部材22の回転時の慣性力
のバランスをとるように構成することによって、他部品
の振動や騒音等を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写装置、ファクシミ
リ装置、プリンター装置などの画像形成装置に採用され
る現像方法及びその装置に係り、詳しくは、磁石の磁力
で、磁性現像剤からなる磁気ブラシを形成し、該磁石を
振動させて潜像担持体上に形成された潜像を可視像化す
る現像方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、複写装置やファクシミリ
装置等の画像形成装置に採用される現像装置において
は、露光工程によって潜像担持体である感光体上に形成
された静電潜像を現像剤により可視像処理することが行
なわれる。このため、上記感光体上の静電潜像が現像装
置により可視像処理される現像部においては、例えば乾
式現像剤を用いる場合、表面に現像剤を担持した例えば
現像スリーブ等の現像剤担持体を感光体に近接させ、表
面の現像剤を感光体上の静電潜像に対して静電吸着させ
るようになっている。そして、上述した現像剤として
は、誘電体粒子からなるトナーをキャリア等の担持体に
付着させた二成分系現像剤、あるいは上述したキャリア
を用いない一成分系現像剤がある。更に、この一成分系
現像剤には、トナーのみのものと、必要に応じて補助剤
を添加あるいは混合したものとがある。また、トナーと
しては、トナー粒子自体に磁性体を練り込んで内包させ
た磁性トナーと、磁性体を含まない非磁性トナーとに区
別される。
【0003】これらの現像剤のうち、二成分系現像剤
は、例えば、磁性現像剤である場合には、トナーに対す
るキャリアの保持性が良いことから比較的安定したトナ
ーの供給が行え、これによって画像濃度を安定させるに
必要なトナーの供給制御が簡単に行なえる利点がある。
しかし、その反面、キャリアが劣化したり、キャリアと
トナーとの混合比が変化しやすかったりするために、現
像剤の特性管理が面倒であるという欠点や、トナーの補
給部を付設する必要があることから現像装置が大型にな
るという欠点を招くものであった。これに対して、一成
分系現像剤はキャリアを含まないので、上述した欠点が
なく都合が良い。
【0004】ここで、上記二成分系現像剤あるいは一成
分系磁性トナーを用いた現像方法として、潜像担持体に
対向して配設された磁石の磁力により、上記二成分系現
像剤あるいは一成分系磁性トナーで磁気ブラシを形成し
て現像を行う磁気ブラシ現像方法がある。この磁気ブラ
シ現像方法は、エッジ効果と呼ばれる周辺部の強調が少
なく、均一な画像が得られる長所がある。そして、特に
上記一成分系磁性トナーを用いた磁気ブラシ現像方法
は、例えば、上記二成分系現像剤を用いる場合に較べ
て、現像装置の単純化が可能であり、かつ、安定して高
品質の画像が得られるという長所がある。
【0005】ここで、従来上記磁気ブラシ現像方法に関
して、例えば、特公昭40−17227号公報には、静
電潜像形成面と磁気ブラシの磁石との間に非磁性体の網
を配置して、この網あるいは磁石を振動させることによ
って、磁気ブラシを構成するキャリア及びトナーを混合
・攪拌し、ブラシの先端に絶えずトナーを供給して現像
効果を向上させるようにしたものが開示されている。更
に、同公報には、高い周波数でブラシを振動させること
が可能であることや、網目の大きさを変えることでブラ
シ部分の硬さを調節出来ることが開示されている。ま
た、実開昭53−16441号公報には上記特公昭40
−17227号公報同様、静電潜像形成面と磁気ブラシ
の磁石との間に非磁性体を配設するものとして、潜像担
持体表面と一成分系磁性トナー保持体との間に非磁性
で、かつ、表面が絶縁性の電極を配設し、これに現像用
バイアス電圧を印加し得るようにしたものが開示されて
いる。
【0006】また、例えば、特公昭37−12640号
公報には、吸着した磁性現像剤により磁気ブラシを形成
した磁石を振揺させることによって、磁気ブラシを振揺
させつつ感光紙上を摺刷して現像操作を行なうものが開
示されている。また、例えば、特公昭39−8149号
公報には上記特公昭37−12640号公報と同様に、
磁気ブラシを振揺させつつ潜像上を摺刷して現像操作を
行なうものとして、複数極を有する回転円柱磁石を内包
し、比較的低速で回転運動して揺動可能な円筒スリーブ
に、印画紙の輸送方向と直角の方向に往復移動を与える
ことで、現像むらを無くし、鮮明な画像を得るようにし
たものが開示されている。
【0007】ところで、近年、事務用機器の小型化(ダ
ウンサイジング)傾向にあって、画像形成装置も材料技
術の進歩とともに、いわゆる装置断面のダウンサイジン
グが盛んに行なわれている。例えば、感光体ドラムの径
を従来40mmであったものを30mmにしたり、20
mmにしたりすることが行なわれている。現像装置も同
様に、例えば、従来30mmであった現像ローラーの径
を20mmとして小型化を図ることが行なわれている。
ここで、一般的な現像装置であって、回転するスリーブ
を有し、このスリーブ上に現像剤を吸引して磁気ブラシ
を形成し、この磁気ブラシで現像を行い、現像剤をスリ
ーブ上から脱離させるサイクルを連続的に行なう磁気ブ
ラシ現像装置においては、現像剤を直接保持するスリー
ブ、スリーブ内に収容されてスリーブ軸方向に延在し、
スリーブ上に磁気ブラシを形成するための磁力を発生す
るマグネットロール、スリーブの軸受それぞれの回転軸
方向における位置関係は、軸受はマグネットロールの外
側、スリーブの端部は軸受の外側、軸の支持部はさらに
その外側となることは必然であった(例えば、特公昭4
1−3428号公報第4図、及び特公昭62−5799
1号公報第3図参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば、上
記特公昭37−12640号公報や上記特公昭39−8
149号公報に示されたような、磁気ブラシを形成した
磁石を振揺させ、磁気ブラシで潜像上を摺刷して現像操
作を行う構成の現像装置においては、画像のシャープ性
に欠けることがあるという問題点があった。そして、こ
のシャープ性に欠ける画像の発生原因について鋭意検討
したところ、本発明者らは、磁気ブラシの摺刷により形
成されたトナー像が、磁気ブラシによって十分にスキャ
ベンジされないことがその発生原因であるということを
見出した。
【0009】また、例えば、上記特公昭41−3428
号公報第4図、及び特公昭62−57991号公報第3
図に示されたような上記現像装置における位置関係は、
トナーの補給部を有する二成分現像装置であるか、ある
いはトナーの補給部を有しない一成分現像装置であるか
にかかわらず、現像装置が現像剤を直接保持して回転す
るスリーブを有し、上記現像サイクルを連続的に行なう
磁気ブラシ現像装置である限り、その現像装置の基本構
造であるため変わることは有り得ない。つまり、一般的
な現像マグネットロールを実用に供するための基本構造
によって、必然的に現像装置の幅方向の寸法は画像幅よ
りはるかに大なる寸法を必要としていたので、近年の小
型化傾向の中にあっても、現像装置の幅方向に関しては
小型化は困難であるという問題点があった。
【0010】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、磁気ブラシの摺刷に
より形成されたトナー像を、磁気ブラシで十分にスキャ
ベンジすることによって、画像のシャープ性を向上させ
ることのできる現像方法及びその装置を提供することで
ある。また、特に請求項2の発明の目的とするところ
は、装置の構成、特に潜像担持体長手方向における長さ
である装置の幅を小型化することができる現像方法を提
供することである。また、特に請求項5の発明の目的と
するところは、磁気ブラシを形成する磁石の振動による
騒音等の発生を極力小さくすることのできる現像装置を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、磁石の磁力で磁性現像剤から
なる磁気ブラシを形成し、該磁石を振動させて潜像担持
体上に形成された潜像を可視像化する現像方法におい
て、該磁気ブラシに該潜像担持体の幅方向の振動と該幅
方向と直交する方向の振動とを合成した振動を行わせ、
かつ、該直交する方向の振動を、該潜像担持体上の該磁
気ブラシとの対向部を通過する潜像形成領域の所定割合
の部分が、該磁気ブラシによって、該潜像担持体の移動
方向と同じ向きのスキャベンジと該潜像担持体の移動方
向と逆向きのスキャベンジとを受けるような振動とした
ことを特徴とするものである。請求項2の発明は、請求
項1の現像方法において、上記該潜像担持体幅方向にお
ける長さが、該潜像担持体上の上記潜像形成領域の該幅
方向における幅より短くなるように設定された上記磁石
を、上記磁気ブラシが該潜像形成領域の該幅方向におけ
る全幅にわたって該潜像形成領域に対向するように該幅
方向に振動させることを特徴とするものである。請求項
3の発明は、磁石と、該磁石を振動させる磁石振動手段
とを備え、該磁石の磁力で磁性現像剤からなる磁気ブラ
シを形成し、該磁石を振動させて潜像担持体上に形成さ
れた潜像を可視像化する現像装置において、該磁石振動
手段を、回転駆動源と、該回転駆動源からの回転を、該
潜像担持体の幅方向の振動と該幅方向と直交する方向の
振動とを合成した振動であって、該潜像担持体上の該磁
気ブラシとの対向部を通過する潜像形成領域の所定割合
の部分が、該磁気ブラシによって、該潜像担持体の移動
方向と同じ向きのスキャベンジと該潜像担持体の移動方
向と逆向きのスキャベンジとを受けるような振動に変換
して、該磁石に伝達する回転・振動変換機構とで構成し
たことを特徴とするものである。請求項4の発明は、請
求項3の現像装置において、上記回転・振動変換機構
を、上記回転駆動源側の構成部材と上記磁石側の構成部
材とに分離可能に構成したことを特徴とするものであ
る。請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、
上記回転・振動変換機構の上記回転駆動源側の構成部材
を、上記回転駆動源による駆動で偏心軸周りで偏心回転
する偏心回転部材で構成し、上記磁石側の構成部材を、
該偏心回転部材が摺動可能に嵌合する凹部を備えた振動
部材で構成し、該偏心回転部材の回転中心位置と、最大
変位量を与える点と、該偏心回転部材側の重心位置と
を、互いに同一直線上にあり、かつ、該回転中心位置に
対して該最大変位量を与える点と該偏心回転部材側の重
心位置とが反対側になるように設定したことを特徴とす
るものである。
【0012】
【作用】請求項1又は3の発明において、潜像担持体上
の磁気ブラシとの対向部を通過する潜像形成領域は、回
転・振動変換機構で回転駆動駆動源の回転から変換され
た、磁気ブラシの該潜像担持体の幅方向の振動と該幅方
向と直交する方向の振動とを合成した振動により、該幅
方向及び該幅方向と直交する方向からのスキャベンジを
受ける。また、潜像担持体上の磁気ブラシとの対向部を
通過する潜像形成領域の所定割合の部分は、該潜像担持
体の幅方向と直交する方向の該磁気ブラシの振動によ
り、潜像担持体の移動方向と同じ向きのスキャベンジと
該潜像担持体の移動方向と逆向きのスキャベンジとを受
ける。以上のように潜像担持体上の潜像形成領域は多方
向からのスキャベンジを受け、潜像形成領域上の画像の
シャープ性が向上する。なお、従来、磁気ブラシで潜像
上を摺刷して現像操作を行なうものとして、図16に示
すように、磁気ブラシを形成する現像剤担持体としての
現像スリーブ161,162を、潜像担持体としての感
光体ドラム160に対向させて複数配設し、それぞれの
現像スリーブ161,162の回転方向を互いに逆向き
にしたものが知られている。この構成においても、感光
体160上の潜像形成領域は、現像スリーブ161によ
り感光体160の移動方向と同じ向きのスキャベンジを
受け、また、現像スリーブ162により感光体160の
移動方向と逆向きのスキャベンジを受ける。しかしなが
ら、感光体160上の潜像形成領域は、感光体160の
移動方向と平行な方向にしかスキャベンジを受けないの
で、請求項1又は3の発明におけるように画像のシャー
プ性を向上させることができない。請求項2の発明にお
いては、潜像担持体幅方向における長さが、該潜像担持
体上の上記潜像形成領域の該幅方向における幅より短く
なるように設定された磁石は、その磁力で磁性現像剤か
らなる磁気ブラシを形成する。そして、磁気ブラシが対
向する潜像担持体上の潜像は、この磁気ブラシによって
可視像化される。ここで、磁気ブラシが潜像形成領域の
潜像担持体幅方向における全幅にわたって該潜像形成領
域に対向するように該幅方向に磁石を振動させるので、
磁石の該幅方向における長さが潜像担持体上の潜像形成
領域の該幅方向における幅より短くなるように設定され
ていても、潜像形成領域全域の潜像を可視像化できる。
請求項4の発明においては、上記回転・振動変換機構
を、上記回転駆動源側の構成部材と上記磁石側の構成部
材とに分離可能に構成したので、該回転駆動源側の構成
部材と該磁石側の構成部材とを分離できる。よって、現
像装置が着脱可能な複写機などの本体に、該回転駆動源
側の構成部材を固定的に設ける一方、該磁石側の構成部
材を現像装置に固定的に設け、該磁石側の構成部材のみ
を現像装置と共に該本体に対して着脱できるようにする
ことができる。請求項5の発明においては、上記回転駆
動源側の構成部材を構成する偏心回転部材の回転中心位
置と、最大変位量を与える点と、該偏心回転部材側の重
心位置とを、同一直線上にあり、かつ、該回転中心位置
に対して該最大変位量を与える点と該偏心回転部材側の
重心位置とが反対側になるように設定したので、該偏心
回転部材が磁石側の構成部材を構成する振動部材の凹部
に嵌合して回転するときに生じる磁石の質量分の慣性力
と、該偏心回転部材側の慣性力とのバランスをとること
ができる。 (以下、余白)
【0013】
【実施例】以下、本発明を画像形成装置であるプリンタ
ー装置(以下、プリンターという)に採用される現像装
置に適用した実施例について説明する。図1は本実施例
に係るプリンターの外観を示す概略構成図である。プリ
ンター1の上面には蓋2が開閉自在に取り付けられてい
る。プリンター1の上面の操作部分は、図1(a)に示
すように蓋2を閉めた状態のときは、この蓋2によって
覆われるようになっている。図1(b)は蓋2を開放し
た状態のプリンター1の概略構成図である。このとき、
蓋2の図中手前面には印字用紙Pをプリンター1内部に
案内する用紙ガイド21が設けられており、この用紙ガ
イド21に沿って上方から印字用紙Pを所定の位置まで
挿入して印字の準備を行なうようになっている。そし
て、操作表示部3から所定の指示を与える等の操作によ
り、図示しないパーソナルコンピューター等から出力さ
れたデーターが印字された印字用紙Pが、プリンター1
の前面に設けられた排出口4から排出される。また、プ
リンター1はボタン5を押し下げることによってプリン
ター1の上部筐体を開放し、この中の各種部品をプリン
ター1の外に取り出せるように構成されている。
【0014】図2は上記プリンター1の横断面図であ
る。蓋2の用紙ガイド21に沿って所定の位置まで挿入
された印字用紙Pはレジストローラー6の位置で所定の
タイミングを取って装置内へ搬送され、装置内を移動し
て潜像担持体としての感光体ドラム7の表面に形成され
たトナー像が転写される。感光体ドラム7は帯電手段8
により、例えば−700Vの表面電位を与えられる。次
いで、レーザービーム等の露光手段9により像露光され
て、例えば画像部が−100Vの表面電位の静電潜像と
される。この静電潜像は現像装置10内に収容された負
に帯電した一成分磁性現像剤としてのトナーTで反転現
像されて可視化される。現像の際は地肌汚れを防止する
ために、例えば−500Vの現像バイアスがこの現像装
置10に印加される。現像されたトナー像は転写手段1
1により印字用紙Pに写し取られる。そしてこの印字用
紙Pは定着手段12の一対の熱ローラーの間を通ること
でトナー像が定着されてプリンター1の前面に設けられ
た排出口4から排出される。転写手段11によりトナー
像が印字用紙Pに写し取られた感光体ドラム7は、その
上の残留トナーがクリーニング手段13により除去され
て、繰り返し使用される。
【0015】図3はプリンター1の上部筐体を開放して
現像装置10を取り出した状態を示す図である。現像装
置10はプリンター1の上方へ略垂直に引き出すことで
後述する磁石駆動モーターMとの結合が解けるようにな
っている。なお、現像装置10は、この例に限らず感光
体ドラム7、クリーニング手段13等々と共に一体で取
り出せるような構成のものであっても良い。また、現像
装置10は、トナーTを貯留する部分と現像機構部分と
に分けて構成され、トナー貯留部分のみを取り出して交
換できるような構成のものであってもかまわない。
【0016】図4は現像装置10の全体構成を示す概略
構成図である。この現像装置10の側面には、プリンタ
ー1に装着したとき所定の位置に納まるように現像装置
10を案内するための、例えば図に示すような溝等で構
成されるガイド手段14が設けられている。このガイド
手段14は、例えば、プリンター1本体内部に設けられ
た凸状の位置決め部材(図示せず)に沿うことにより現
像装置10がプリンター1本体内部の所定の位置に納ま
るような関係とされる。現像装置10の前面には、内部
に収容したトナーTが自重による移動で通過して現像装
置10外部に排出される排出口としての開口部15が設
けられている。この開口部15の下方には、トナーTを
その磁力で保持して現像装置10外部に磁気ブラシを形
成する磁石16が設けられている。なお、図示の例にお
いては、磁石16として例えば永久磁石が用いられてい
る。
【0017】この磁石16は、磁石振動手段によって、
その任意の点が円運動するように振動可能にされてい
る。図5は磁石16を振動させる磁石振動手段の概略構
成図である。以下、磁石振動手段の構成について説明す
る。板状のシャーシ等の固定部材17の長手方向一端部
には、回転駆動源としての駆動モーターMが駆動シャフ
ト18aを固定部材17のモーター取付面17aと反対
の面17b側に突出させて取り付けられている。そし
て、この駆動シャフト18aには偏心回転部材としての
駆動側偏心カム19aが固着されている。また、固定部
材17の長手方向他端部の駆動シャフト突出面17b側
には、固定シャフト18bがカシメ等で固着されてお
り、該固定シャフト18bには偏心回転部材としての従
動側偏心カム19bが回転自在に取り付けられている。
そして、駆動側偏心カム19a及び従動側偏心カム19
bは、磁石が固定される板状の磁石保持部材22に形成
された孔22a,22bにそれぞれ摺動回転自在に嵌合
されている。以上の駆動側偏心カム19a、従動側偏心
カム19b、及び孔22a,22bが形成された磁石保
持部材22が回転・振動変換機構を構成している。な
お、上記磁石16は、例えば両面接着テープ等で磁石保
持部材22に固着されている。
【0018】なお、本実施例においては図6に示すよう
に、上記固定部材17の長手方向他端部にも上記駆動モ
ーターMと同一の駆動モーターM’を該駆動モーターM
と同様にして取り付け、従動側偏心カム19bを駆動モ
ーターM’の駆動シャフト18cに取り付けて上記駆動
側偏心カム19aの回転と同期させて回転させるように
してもよい。また、上記駆動モーターMの回転をギヤあ
るいはベルト等を用いて上記従動側偏心カム19bに伝
えるように構成し、従動側偏心カム19bを上記駆動側
偏心カム19aの回転と同期させて回転させるようにし
てもよい。
【0019】なお、本発明者らの実験によれば、磁石1
6を振動するための駆動モーターMとしては、1.5V
の単3乾電池2本で作動するモーターであれば現像動作
を行なわせる上での問題は無いという結果が得られた。
【0020】なお、本実施例においては図7に示すよう
に、上記偏心カム19a,19b及び上記孔22a,2
2bの互いに摺動する面をそれぞれ嵌合可能なようにテ
ーパー状に形成しても良い。こうすることによって、該
偏心カム19a,19bと該孔22a,22bとの嵌合
を容易に行えるようになる。また、図8に示すように、
例えば上記従動側偏心カム19bが嵌合される孔22b
を長孔形状に構成しても良い。こうすることによって、
機械的寸法精度を厳密にとる必要がなくなり、製造コス
トを抑えることができるので、上記磁石保持部材22を
低価格なものとすることができる。また、該従動側偏心
カム19bが該孔22b内で余裕をもってスムーズに摺
動することができるようになる。
【0021】以上の構成において、磁石保持部材22
は、図9に示すようないわゆる平行4節両クランク機構
における上側リンク90aの運動と同様の運動をする。
すなわち、図9においては、4本のリンクが連結された
平行4節両クランク機構を示している。ここで、図中上
下に配設されたリンク90a,90bは互いに同一長さ
に構成され、平行に配設されている。また、図中左右に
配設されたリンク90c,90dも互いに同一長さに構
成され、平行に配設されている。そして、下側リンク9
0bは固定されており、左右側リンク90c,90dは
下側リンク90bとの連結部を中心にして図中の矢印方
向に回転するようになっている。この構成においては、
左右側リンク90c,90dがそれぞれ矢印方向に回転
することにより、上側リンク90aはその任意の点が円
を描くような運動をする。ここで、図5に示した構成に
おいては偏心カム19a,19bがそれぞれ図9中の左
右側リンク90c,90dに相当し、駆動モーターMを
回転させると、偏心カム19a,19bの偏心量γ(図
5参照)を半径とした回転運動が磁石保持部材22に伝
えられ、該磁石保持部材22は任意の点Aが直径2γの
円を描くような運動をする。
【0022】なお、本実施例においては、磁石保持部材
22に上記平行4節両クランク機構における運動と同様
の運動をさせるために、偏心カム19a,19bを用い
ているが、これに代えて上記図9に示したようなリンク
機構を用いてもよい。また、図10に示すように、例え
ば、磁石16の側部及び下部に、摺動溝102a,10
2bが形成されたガイド部材101a,101bを取り
付け、それぞれのガイド部材101a,101bの摺動
溝102a,102bに偏心軸103a,103bを嵌
合させ、それぞれの偏心軸103a,103bを駆動モ
ーターM1,M2で所定の同期をとって回転駆動させる
ようにしてもよい。
【0023】ところで、上記図5に示した構成において
は、偏心カム19a,19bの回転により磁石16が取
り付けられた磁石保持部材22が円運動を行うとき、磁
石16の質量分の慣性力でプリンター1内の他部品が振
動してしまい、騒音等が発生することがある。そこで、
本実施例においては図11に示すように、偏心カム19
a,19bにバランサー部材23を取り付け、偏心カム
19a,19bの回転中心位置190と、最大変位量を
与える点191と、バランサー部材23が取り付けられ
た偏心カム19全体の重心位置192とを、互いに同一
直線上にあり、かつ、該回転中心位置190に対して該
最大変位量を与える点191と該重心位置192とが反
対側になるように設定する。この構成においては、バラ
ンサー部材23が取り付けられた偏心カム19a,19
bを、磁石保持部材22の孔22a,22bに嵌合させ
て回転させると、偏心カム19a,19bの最大変位量
を与える点191側には磁石16の質量分の慣性力がか
かる。ところが、バランサー部材23を含む偏心カム側
の重心位置192は、回転中心位置190に対して上記
最大変位量を与える点191と反対側にあるため、上記
磁石16の質量分の慣性力と、回転による偏心カム側自
体の慣性力とを互いに釣合わせることができる。よっ
て、偏心カム19a,19bの回転により磁石16が取
り付けられた磁石保持部材22が円運動を行うときに発
生するプリンター1内の他部品の振動や騒音等を抑える
ことができる。
【0024】ここで、磁気ブラシBの任意の箇所の感光
体ドラム7上における軌跡を見てみると図12(a)の
ようになる。すなわち、図12(a)は、例えば感光体
ドラム表面の移動速度V=37mm/sec(6ppm)、磁石
16の回転周波数ω=50Hz、偏心カム19a,19b
の回転偏心量φ=2mmのときの磁気ブラシBの任意の箇
所の感光体ドラム7上における軌跡を示したものであ
り、このときの該軌跡は図示のように螺旋状になる。そ
して、この場合の感光体ドラム移動方向に対する順方向
での磁気ブラシBのスキャベンジ(正スキャベンジ)の
ピッチP1は、V/2ω+φで求められ、37/(2×
50)+2=2.37mmとなる。また、この場合の感光
体ドラム移動方向に対する逆方向での磁気ブラシBのス
キャベンジ(逆スキャベンジ)のピッチP2は、V/2
ω−φで求められ、37/(2×50)−2=1.63
mmとなる。ここで、P2/P1を求めてみると、1.6
3/2.37≒0.69となり、図12(a)の場合
は、感光体ドラム7上の一度磁気ブラシBが通過した画
像部の約7割が、もう一度逆方向から磁気ブラシBでス
キャベンジされることがわかる。
【0025】なお、図12(b)は、従来の磁石16が
感光体ドラム7の長手方向にのみ振動する構成におい
て、例えば感光体ドラム表面の移動速度V=37mm/sec
(6ppm)、磁石16の振動周波数ν=50Hzのときの
磁気ブラシBの任意の箇所の感光体ドラム7上における
軌跡を示したものであり、このときの該軌跡は図示のよ
うに波形となる。そして、この場合の感光体ドラム移動
方向における該軌跡のピッチPは、V/νで求められ、
37/50=0.74mmとなり、感光体ドラム7上の一
度磁気ブラシBが通過した画像部は再度逆方向から磁気
ブラシBでスキャベンジされることがない。
【0026】また、本実施例においては、印字用紙P上
の画像幅と磁石16の長さとの長手方向における関係を
示した図13に示すように、磁石16の長手方向の長さ
(図中、マグネット幅と示す)は、印字用紙Pにトナー
像を転写する最大幅であり、感光体ドラム7上の潜像形
成領域の感光体ドラム7軸方向における幅(図中、画像
域と示す)よりも短くなるように設定されている。
【0027】そして、磁石16は上記磁石振動手段によ
って、磁気ブラシが感光体ドラム7上の潜像形成領域の
感光体ドラム7幅方向における全幅、すなわち図13中
の画像域全域にわたって対向し、上述のように磁石16
上の任意の点が円を描くように運動するようになってい
る。図示の例では、上記感光体ドラム7幅方向における
振幅量は駆動側偏心カム19a及び従動側偏心カム19
bの偏心量に応じて設定できる。なお、実用的な感光体
ドラム7幅方向における振幅量としては5mm以下、好
ましくは3mm以下が設定される。
【0028】ここで、磁石16は図5で詳細に説明され
た機構により適当な振動数と振幅を与えられて任意の点
が円を描くように上下左右に振動するが、感光体ドラム
7幅方向における振幅(図13中、マグネット振幅と示
す)を例えば2mmに設定し、最大通紙幅を例えばA4
サイズ(210mm×297mm)とする。この場合、
感光体ドラム7としては、当然のことながら幅が210
mmを越えるものが選ばれる。そして、A4サイズの両
側にそれぞれ幅5mmの余白部分を設けて残りを画像域
とすると画像域の幅は200mmとなり、このときの磁
石16の長さは、上述したように磁石16の感光体ドラ
ム7幅方向における振幅は2mmに設定されていること
から、画像域の幅200mmから該振幅2mmを減じた
値、すなわち198mmとすれば画像域は完全にカバー
することができる。
【0029】ここで、通常、この磁石16、駆動機構及
びトナータンクを外装部材で包んで現像装置10とする
ので、現像装置10の全幅は上記磁石16の幅(198
mm)と感光体ドラム7幅方向における振幅(2mm)
とを合わせた長さ(200mm)より増えることにな
る。現像装置10の外装部材としては、一般に厚さ1m
m程度の樹脂材料を用いることが多い。更に、外装部材
と磁石16との隙間にはスポンジ等のトナー漏れ防止用
シール部材が取り付けられる。これらを合わせても磁石
16の幅と振幅とを合わせた長さに付加される長さは数
mmでよい。従って、この例では、現像装置10の幅は
最大通紙幅にほぼ等しい長さにすることが可能である。
つまり、従来の装置のように感光体ドラム7の幅を越え
る長さは全く必要としない。
【0030】以上の構成において、現像装置10をプリ
ンター1の所定位置に装着し、偏芯カム19a,19b
と、磁石16が取り付けられた磁石保持部材22の孔2
2a,22bとが嵌合した状態で駆動モーターMの駆動
を開始すると、磁石保持部材22の孔22a内面と偏芯
カム19aの外周面とがこすれあい、磁石16は磁石保
持部材22を介してその任意の点が円を描くように振動
する。ここで、磁石16は偏芯カム19a,19bの偏
芯量に応じて、磁気ブラシが感光体ドラム7上の潜像形
成領域の感光体ドラム7幅方向における全幅に対応する
ように振動することにより、感光体ドラム7上の潜像形
成領域全域を磁気ブラシにより摺刷することができる。
【0031】また、本実施例において、端部にいくに従
って末広がりに形成される磁気ブラシを用いて現像を行
う場合は、磁石16の長さと振幅を上記説明のように設
定してあると、磁気ブラシは感光体ドラム7上の潜像形
成領域外も摺刷することができる。従って、磁気ブラシ
が上記のように末広がりに形成される場合には、磁気ブ
ラシの磁石16長手方向端部よりも広がった分を考慮し
て、更に短い磁石16を用いることができる。
【0032】なお、図示の現像装置10には、図4に示
すようにその上端部20aが開口部15の下方に取り付
けられており、現像装置10外部において磁石16を覆
うように配設された現像グリッド20も設けられてい
る。現像グリッド20には多数の六角形の孔が形成され
ており、図示しない電源により現像バイアス電圧が印加
されている。そして、本実施例においては、現像グリッ
ド20の材質としては導電性であれば、磁性、非磁性を
問わず自由に用いることができる。但し、磁性体を用い
る場合は磁気シール作用が強くなりすぎないようにその
厚さを0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下とす
るのが望ましい。また、現像グリッド20に設ける孔と
しては代表直径で3mm以下、好ましくは2mm以下と
するのが良い。また、この孔が現像グリッド20の全面
積に占める割合、即ち開口率としては、30%以上とす
るのが望ましい。特に、画質を良好にするには60%以
上とするのが好ましい。また、この現像グリッド20に
設ける孔の形状は、図4に示された六角形に限らず任意
の形状をもちいることが可能である。
【0033】上記現像装置10においては、現像装置1
0内のトナーTの流れを示す説明図である図14に示す
ように、磁石16の磁力によって、現像グリッド20に
形成された孔を通る磁気ブラシBが形成されており、開
口部15はこの磁気ブラシBによって塞さがれる。この
状態において、磁気ブラシBは上記現像グリッド20に
設けられた多数の孔の抵抗により、磁界と直交する方向
の動きが封じられている。このため、磁気ブラシBは自
由な動きができず、トナーTが図示矢印のように自重に
より開口部15を通って現像装置10外部に漏れ出よう
としてもこれを阻止する。ここで、トナーTの流出を阻
止する力は、外部から少々の衝撃が加えられてもトナー
漏れ防止が十分に維持されるほど強力である。なぜな
ら、開口部15から流出するトナーTは磁気ブラシB
と、開口部15の下方で磁石16を覆うように配設され
た現像グリッド20とで受けとめられ、トナーTが開口
部15から流出するときの圧力は磁気ブラシBと現像グ
リッド20とに分散されるからである。つまり、フレキ
シブルな磁気ブラシBのみにトナーTの流出圧力が加わ
るときに比べて、剛性の高い現像グリッド20が磁気ブ
ラシBの内側に設けられているので、その力が大変強力
になるのである。
【0034】この構成においては、現像動作が行われて
磁気ブラシBを構成するトナーTが消費され、磁気ブラ
シBの強度が低下していくにしたがって、現像装置10
内のトナーTが徐々に開口部15を通過していき、この
トナーTで再び磁気ブラシBが形成される。そして、再
び磁気ブラシBが形成された後は、上記同様磁気ブラシ
Bと現像グリッド20によってトナーTの流出が防止さ
れる。 (以下、余白)
【0035】そして、静電潜像の現像時にトナーTを直
接担持する磁石16が振動すれば、磁気ブラシBは現像
グリッド20により断続的に切断される。この結果、切
断された磁気ブラシBは一時的に現像グリッド20上で
保持されたり、その周辺部分で浮遊したりする動作を繰
り返す。この現象によって現像動作時に静電潜像へ磁気
ブラシBから供給されたトナーTは、静電潜像とソフト
な接触が保証されるので、諧調性に優れた良好な画像を
得ることができる。また、磁石16は感光体ドラム7の
長手方向(図中奥行方向)に加えて図中上下方向へも振
動させられるので、現像に伴う一方向スキャベンジの不
具合が減じられる。この結果、文字等の画像のシャープ
性が向上することになる。本発明者らの実験によれば、
現像グリッド20として、厚さ0.1mmの電鋳ニッケ
ル板に開口率約90%、その代表直径約2mmの孔を設
けたものを用い、磁石16の回転偏心量を2mm、振動
数を50Hzに設定して線速37mmで6ppmのレー
ザープリンターで画像を出したところ、良好な画質を得
ることができた。
【0036】なお、以上の説明においては、現像グリッ
ド20の配置として、その上端部20aが開口部15の
下方に取り付けられ、現像装置10外部において磁石1
6を覆うように配設された例をあげて説明したが、上端
部20aを開口部15の上方に取り付けて、現像装置1
0外部において開口部15と磁石16とを覆うように現
像グリッド20を配設してもかまわない。これでもトナ
ーTが開口部15から流出する時の圧力は磁気ブラシB
に加えて現像グリッド20でも受けとめられるので、ト
ナーTの無駄な流出が防止される。なお、この場合、最
初に開口部15から流出したトナーTは磁石16に直ち
に捕獲されて磁気ブラシBを形成し、その後に開口部1
5から流出したトナーTは上記磁気ブラシBによって一
旦遮られた後、現像グリッド20に受けとめられること
によって停止することになる。そして、この状態で磁石
16が振動すれば、現像グリッド20の孔を通って磁気
ブラシBが外に伸び現像動作を行なうこととなる。ま
た、図15に示すように磁石16を、感光体ドラム7の
回転中心と磁石16の中央部とを結ぶ線に直交する線に
対してその下部を上部より接近させ、該直交する線とで
角度θを形成するように現像装置10内で傾けて配設す
れば、現像装置10上部に設けられたトナーホッパから
磁石16へのトナーTの供給をよりスムーズにできるよ
うになる。更に、このように構成して磁石16を振動さ
せることにより、図中のY,Z両方向同時に変位を与え
ることができる。
【0037】ところで、上記実施例においては、磁性現
像剤として一成分磁性トナーを用いたが、これに代え、
トナーと現像で消費される磁性キャリア粒子とからなる
一成分系磁性現像剤を用いてもよい。これにおいても、
通常の二成分現像剤を用いるものとは異なり、比較的大
径のキャリアを繰り返し使用するもののように、キャリ
ア劣化やキャリアとトナーとの混合比の変動などの不具
合が生じない。
【0038】以上、本実施例によれば、磁石16が固着
された磁石保持部材22は偏心カム19a,19bの回
転により、図9に示すようないわゆる平行4節両クラン
ク機構における上側リンクの運動と同様の運動をし、そ
の結果、感光体ドラム7上の画像部は、感光体ドラム7
の移動方向と平行な方向や感光体ドラム7の長手方向等
様々な方向から磁気ブラシBでスキャベンジされる。ま
た、感光体ドラム7上の一度磁気ブラシBが通過した画
像部の例えば約7割を、一度磁気ブラシBでスキャベン
ジした後、もう一度逆方向から磁気ブラシBでスキャベ
ンジすることができる。従って、従来に比べて画像のシ
ャープ性を向上させることができる。
【0039】また、磁石16の長手方向の長さは感光体
ドラム7上の潜像形成領域の感光体ドラム7軸方向にお
ける幅よりも短くなるように設定されており、磁石16
の振幅は上記感光体ドラム7上の潜像形成領域の感光体
ドラム7軸方向における幅と上記磁石16の長手方向の
長さとの差分になるように設定されており、磁石16を
振動させる磁石振動手段は磁石16の長手方向端部では
なく磁石16背部に設けられているので、磁石16の幅
と振幅とを合わせた長さに、一般に数mmの現像装置1
0の外装部材の厚さのみを付加した長さを現像装置10
の全幅とすることができる。そして、この全幅は最大通
紙幅にほぼ等しい長さにすることが可能であり、現像装
置10の幅方向の小型化を図ることができる。更に、本
実施例において、通紙幅全部を画像域とする場合でも、
磁石16の幅と振幅とを合わせた長さに付加する長さ
は、上記と同様に現像装置10の外装部材の厚さ、すな
わち数mmのみでよい。この場合は、最大通紙幅に数m
mが付加された幅の現像装置となるが、なおそれでも種
々の駆動機構が現像剤担持体軸方向端部に設けられた現
像装置に比べてはるかに小型な現像装置とすることがで
きる。
【0040】また、上記特公昭40−17227号公報
の現像装置においては、磁力の強いキャリアを用いた二
成分現像方式であるため、網の抵抗による駆動負荷を少
なくするために網は非磁性であることが要求されてい
た。更に、二成分現像方式のためトナー飛散が激しいと
いう欠点があった。しかしながら本実施例によれば、一
成分磁性トナー(一成分系磁性現像剤)を用いるので、
従来の二成分現像剤を用いる装置に比べて現像剤の飛散
が押さえられ、また、駆動負荷もはるかに小さいため、
小型の駆動装置を使用することができ、画像形成装置の
より一層の小型化に寄与することができ、更に、トナー
の信頼性を高くすることができる。
【0041】また、上記実開昭53−16441号公報
に開示された現像装置においては、現像スリーブを有す
る構造のため、装置は複雑で、現像装置の幅方向を小型
化するには障害があるという欠点があった。しかしなが
ら図示の例によれば、現像スリーブを有さず、磁気ブラ
シは磁石16上に直接担持されているので、現像剤担持
体を簡単な構造とすることができ、現像装置10の幅方
向の小型化を図ることができる。
【0042】また、上記特公昭37−12640号公報
に開示された現像装置の構造においては、上記従来の磁
気ブラシ現像装置の基本構造と異なり上記スリーブを有
しておらず、そのため軸受を必要としないため、現像装
置の幅方向を小型化するものとして期待される。しか
し、この現像装置においては、磁石として電磁石を利用
してそれに給電する電圧の大小と停止で磁性体粉末の捕
捉状態を変化させたり、交換を行なったりしており、一
般に磁性部材にエナメル銅線を多く巻き付けて構成する
電磁石に十分な磁力を与えて現像装置に用いるために
は、長手方向に多数の銅線を巻き付ける必要があるの
で、必ずしも現像装置の幅方向の小型化に有利ではない
という欠点があった。しかしながら図示の例によれば、
磁石16として永久磁石を採用しているので、小型の磁
石を用いることができ現像装置10の幅方向を小さくす
ることができる。
【0043】また、上記特公昭39−8149号公報に
開示された現像装置においては、磁石は印画紙と同程度
の幅を有し、スリーブは磁石を内包して揺動可能に構成
されていることから、装置自体は幅方向に長くなってし
まい小型化には向いていないという欠点があった。更
に、磁気ブラシはスリーブ上に形成されており、磁石に
直接保持されていないため、スリーブが往復移動すると
トナーはスリーブ上で横滑りして摩耗し、特性が変化し
てしまうので、信頼性が低いという欠点があった。更
に、磁気ブラシはスリーブの揺動によってスリーブ上を
移動するものの、その移動はスリーブの摩擦抵抗を受け
て時間的に遅れたり、移動距離が減少したりするという
不具合を発生することがあるという欠点があった。しか
しながら図示の例によれば、上記のように現像装置10
の幅方向の小型化を図ることができ、また、磁気ブラシ
は磁石16上に直接担持されているので、トナーの特性
が摩擦等により変化することがなく、更に、磁石の移動
に伴って、時間的に遅れたり移動距離が減少したりする
ことなく移動できる。
【0044】また、本実施例によれば、偏心カム19
a,19bにバランサー部材23を取り付けることによ
って、偏心カム19a,19bと、磁石16が取り付け
られた磁石保持部材22とが回転するときの、磁石16
の質量分の慣性力と回転による偏心カム側自体の慣性力
とを互いに釣り合わせることができるので、偏心カム1
9a,19b、及び磁石16が取り付けられた磁石保持
部材22をスムーズに回転させることができ、プリンタ
ー1内の他部品の振動や騒音等を抑えることができる。
【0045】ところで、従来の磁気ブラシ現像方法とこ
れに用いる現像装置には、一般にトナーの補給機構等に
可動部が存在しているので、機械的に複雑になり、更
に、装置を稼動するとトナーに負荷が加わってトナーの
劣化を早めるという欠点があり、そのため、可動部をな
くして装置を簡易化することが望まれていた。そこで、
例えば、特公昭58−52587号公報には、上記欠点
を解決するために、収納容器の下方に磁性トナーの排出
口を設け、この排出口の近傍に磁石を配置して、磁性ト
ナーを自重により磁気ブラシ形成領域に移動させて排出
口外部に磁気ブラシを形成し、かつ、磁石の磁力によっ
て排出口からのトナー流出を阻止し、また、上記磁石を
振動させることで磁性トナーの流れをなめらかにした現
像装置が開示されている。これによれば、磁性トナーは
自重により磁気ブラシ形成領域に移動できるため、特別
にトナー補給機構を設ける必要がない。また、例えば、
特公昭55−6228号公報には上記特公昭58−52
587号公報同様、収納容器の下方に磁性トナーの排出
口を設け、この排出口の近傍に磁性トナーを保持するた
めの磁石を配置した現像装置が開示されている。ところ
が、上記特公昭58−52587号公報及び特公昭55
−6228号公報に示された現像装置においては、可動
部を持たないことによる有利性があるものの、磁性トナ
ーは排出口で磁石のみによって保持されているので、振
動に伴うトナー飛散に対する考慮は必ずしも十分と言え
ず、現像装置が振動するとトナー飛散によって装置周辺
を汚染することがあるという欠点があった。
【0046】しかしながら、図示の例によれば、上記特
公昭58−52587号公報及び特公昭55−6228
号公報に示された磁性トナーを排出口で磁石のみによっ
て保持する現像装置はと異なり、トナーTが開口部15
から流出する時の圧力は磁気ブラシBに加えて現像グリ
ッド20でも受けとめられるので、現像装置が振動して
もトナーTの無駄な流出、すなわちトナー飛散を抑える
ことができ、よって装置周辺を汚染することがなく、ま
た、良好な現像像を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】請求項1又は3の発明によれば、潜像担
持体上の潜像形成領域は潜像担持体の幅方向及び該幅方
向と直交する方向からのスキャベンジを受け、また、潜
像担持体上の磁気ブラシとの対向部を通過する潜像形成
領域の所定割合の部分は潜像担持体の移動方向と同じ向
きのスキャベンジと該潜像担持体の移動方向と逆向きの
スキャベンジとを受けるので、潜像形成領域上の画像の
シャープ性を向上させることができるという効果があ
る。請求項2の発明によれば、潜像担持体上の潜像形成
領域の該方向における幅より短くなるように設定された
磁石を、磁気ブラシが潜像形成領域の潜像担持体幅方向
における全幅にわたって該潜像形成領域に対向するよう
に該方向に振動させることにより、潜像形成領域全域の
潜像を可視像化できるので、現像装置の幅を磁石の長さ
と振幅とを合わせた長さとほぼ同じにすることができ、
現像装置の幅方向を小型化することができるという効果
がある。請求項4の発明によれば、磁石側の構成部材を
現像装置と共に着脱可能にすることができるので、回転
駆動源側の構成部材は複写機などの本体に残し、磁石側
の構成部材のみを現像装置の他の構成部品と共に交換、
又は使い捨てにできるという効果がある。請求項5の発
明によれば、偏心回転部材が磁石側の構成部材を構成す
る振動部材の凹部に嵌合して回転するときに生じる磁石
の質量分の慣性力と、該偏心回転部材側の慣性力とのバ
ランスをとることができるので、偏心回転部材等をスム
ーズに回転させることができ、画像形成装置内の他の部
材を振動させたり、騒音を発生させたりすることを防止
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例に係る蓋を閉めた状態のプリン
ターの概略構成図。(b)は蓋を開放した状態のプリン
ターの概略構成図。
【図2】図1中のプリンターの横断面図。
【図3】プリンターの中から現像装置を取り出した状態
を示す説明図。
【図4】現像装置の全体構成を示す概略構成図。
【図5】磁石を振動させる磁石振動手段についての概略
構成図。
【図6】同磁石振動手段の従動側偏心カム側の構成の変
形例についての説明図。
【図7】同磁石振動手段の偏心カムと磁石保持部材の孔
との構成の変形例についての説明図。
【図8】同磁石振動手段の磁石保持部材の孔の構成の変
形例についての説明図。
【図9】平行4節両クランク機構の動作説明図。
【図10】同磁石振動手段の変形例についての説明図。
【図11】同磁石振動手段の偏心カムの構成の変形例に
ついての説明図。
【図12】(a)は実施例に係る現像装置における磁気
ブラシの任意の箇所の感光体ドラム上における軌跡につ
いての説明図。(b)は従来の現像装置における磁気ブ
ラシの任意の箇所の感光体ドラム上における軌跡につい
ての説明図。
【図13】画像幅と磁石幅との寸法関係を示す説明図。
【図14】現像装置内のトナーの流れを示す説明図。
【図15】実施例に係る現像装置における磁石の配設位
置の変形例についての説明図。
【図16】従来の現像装置における現像スリーブについ
ての概略構成図。
【符号の説明】
B 磁気ブラシ M 駆動モーター T トナー P 印字用紙 1 プリンター 2 蓋 3 操作表示部 4 排出口 5 ボタン 6 レジストローラー 7 感光体ドラム 8 帯電手段 9 露光手段 10 現像装置 11 転写手段 12 定着手段 13 クリーニング手段 14 ガイド手段 15 開口部 16 磁石 17 固定部材 17a モーター取付面 17b 駆動シャフト突出面 18a 駆動シャフト 18b 固定シャフト 18c 駆動シャフト 19a 駆動側偏芯カム 19b 従動側偏芯カム 20 現像グリッド 20a 現像グリッド上端部 21 用紙ガイド 22 磁石保持部材 22a 孔 22b 孔 23 バランサー部材 90a 上側リンク 90b 下側リンク 90c 左側リンク 90d 右側リンク 101a ガイド部材 101b ガイド部材 102a 摺動溝 102b 摺動溝 103a 偏心軸 103b 偏心軸 190 回転中心位置 191 最大偏心量付与点 192 重心位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁石の磁力で磁性現像剤からなる磁気ブラ
    シを形成し、該磁石を振動させて潜像担持体上に形成さ
    れた潜像を可視像化する現像方法において、 該磁気ブラシに該潜像担持体の幅方向の振動と該幅方向
    と直交する方向の振動とを合成した振動を行わせ、か
    つ、該直交する方向の振動を、該潜像担持体上の該磁気
    ブラシとの対向部を通過する潜像形成領域の所定割合の
    部分が、該磁気ブラシによって、該潜像担持体の移動方
    向と同じ向きのスキャベンジと該潜像担持体の移動方向
    と逆向きのスキャベンジとを受けるような振動としたこ
    とを特徴とする現像方法。
  2. 【請求項2】上記該潜像担持体幅方向における長さが、
    該潜像担持体上の上記潜像形成領域の該幅方向における
    幅より短くなるように設定された上記磁石を、上記磁気
    ブラシが該潜像形成領域の該幅方向における全幅にわた
    って該潜像形成領域に対向するように該幅方向に振動さ
    せることを特徴とする請求項1の現像方法。
  3. 【請求項3】磁石と、該磁石を振動させる磁石振動手段
    とを備え、該磁石の磁力で磁性現像剤からなる磁気ブラ
    シを形成し、該磁石を振動させて潜像担持体上に形成さ
    れた潜像を可視像化する現像装置において、 該磁石振動手段を、回転駆動源と、該回転駆動源からの
    回転を、該潜像担持体の幅方向の振動と該幅方向と直交
    する方向の振動とを合成した振動であって、該潜像担持
    体上の該磁気ブラシとの対向部を通過する潜像形成領域
    の所定割合の部分が、該磁気ブラシによって、該潜像担
    持体の移動方向と同じ向きのスキャベンジと該潜像担持
    体の移動方向と逆向きのスキャベンジとを受けるような
    振動に変換して、該磁石に伝達する回転・振動変換機構
    とで構成したことを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】上記回転・振動変換機構を、上記回転駆動
    源側の構成部材と上記磁石側の構成部材とに分離可能に
    構成したことを特徴とする請求項3の現像装置。
  5. 【請求項5】上記回転・振動変換機構の上記回転駆動源
    側の構成部材を、上記回転駆動源による駆動で偏心軸周
    りで偏心回転する偏心回転部材で構成し、上記磁石側の
    構成部材を、該偏心回転部材が摺動可能に嵌合する凹部
    を備えた振動部材で構成し、該偏心回転部材の回転中心
    位置と、最大変位量を与える点と、該偏心回転部材側の
    重心位置とを、互いに同一直線上にあり、かつ、該回転
    中心位置に対して該最大変位量を与える点と該偏心回転
    部材側の重心位置とが反対側になるように設定したこと
    を特徴とする請求項4の現像装置。
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