JPH0763688A - 表面層欠陥検出装置 - Google Patents

表面層欠陥検出装置

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JPH0763688A
JPH0763688A JP20977193A JP20977193A JPH0763688A JP H0763688 A JPH0763688 A JP H0763688A JP 20977193 A JP20977193 A JP 20977193A JP 20977193 A JP20977193 A JP 20977193A JP H0763688 A JPH0763688 A JP H0763688A
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JP
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light
slit
surface layer
inspection
shielding member
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Application number
JP20977193A
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English (en)
Inventor
Masanori Kobayashi
政憲 小林
Ayumi Hirono
歩 広野
Hiroshi Makino
弘 牧野
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 円筒状の表面層の軸に沿う筋状の凹み及び
軸に垂直な筋状の凹みを検出することが可能で且つ構成
が簡素な表面層欠陥検出装置を提供すること 【構 成】 表面層欠陥検出装置は、被検査体1の円筒
状の表面層に沿ってその軸方向に延びる光源41と、前
記光源41からの出射光を通過させて前記表面層にその
軸方向に沿う所定パターンの検査光を照射させる第1,
2スリットパターン43,44が形成された遮光部材4
2と、前記表面層からの反射光量を検出する受光センサ
51とを備えている。前記第1スリットパターンは、そ
の軸に沿って延びる細長いスリット46から形成され、
第2スリットパターンは、前記第1スリットパターン4
3から円周方向に離れた位置において前記筒状の遮光部
材42の軸に対して所定の傾斜角度を有する複数のスリ
ット47から形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒部材、円柱部材等
の表面層の欠陥を検出する装置に関する。本発明は、複
写機、レーザプリンタ等の画像出力装置で使用される感
光体ドラム、または、定着装置の定着ローラ等の表面層
の欠陥を検出する際に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】前記複写機やレーザプリンタ等に用いら
れる感光体ドラム、定着ロール、または帯電ロールなど
のロール部品(円筒状表面を有する部品)は、金属部品
やゴムロールの表面に感光層や保護層などの円筒状の表
面層が形成されている。その表面層が浸析塗布法などの
塗布方法で作製された場合、その塗布作業においてその
表面層の塗布むらや異物の混入が発生する。また、製品
組み立て工程での取扱時にその表面層に打痕、擦り傷や
凹みなどの欠陥が発生する。これらの円筒状の表面層の
欠陥により、複写機などから出力される画像に黒点、白
点などの画質欠陥が発生する。そのため、ロール部品は
全数表面層の検査が行なわれている。これらの表面層欠
陥に対する従来の検査方法として検査員による目視検査
が行われている。しかしながら、目視による検査では、
検査品質にばらつきや、検査工数の増大、目視疲労によ
る作業能率の悪化、作業者確保の困難、作業者教育時間
の増大などの問題があった。
【0003】そこで目視検査作業の自動化装置として、
下記(J01)の技術が知られている。 (J01)(特開平5−107196号公報記載の技術) 図9は上記公報に記載された従来の表面層欠陥検出装置
を説明するための概略斜視図である。図9において、白
色拡散光源としての蛍光灯01からの出射光は、スリッ
ト02により帯状スリット光として感光体ドラム(すな
わち、被検査体)03表面に照射される。この状態で、
ラインセンサ04の受光視野を前記感光体ドラム03表
面(表面層)上の帯状スリット光の長手方向に伸びる境
界線部分H1に設定した第1検出位置と、受光視野を帯
状スリット光の中心部分H2に設定した第2検出位置と
において、それぞれ検出される光量信号から表面層の欠
陥を検出している。
【0004】すなわち、この公報では、前記第1検出位
置において、表面層の表面の凹凸、機械傷等を検出し、
前記第2検出位置において透明な表面層内部の感光層の
膜厚の変化、表面層中の不純物(異物)の存在等を検出
している。なお、本願発明者の研究の結果、感光体ドラ
ムのような表面の透明層の内部に感光層が存在する場
合、透明層内部の感光層の膜厚の変化は、前記境界部分
H1のさらに外側の部分すなわち、わずかにぼんやりと
明るくなっている部分(暗部)からの反射光量を検出す
るすることにより、より高精度で検出できることが分か
った。ただし、この場合は受光素子の検出光量が少な
く、受光素子の光量蓄積に時間がかかるので、前記膜厚
の変化の検出に時間がかかる。
【0005】前記従来技術(J01)では、感光体ドラム
(被検査体)03の軸に垂直な方向(円周方向)に沿う
筋状の凹みが検出できにくいという問題点があった。次
にこの理由を図10Aにより説明する。図10Aにおい
て、左右方向に延びる光源01およびスリット02は、
感光体ドラム03の軸に平行であり、感光体ドラム03
の表面には感光体ドラム03の軸に垂直な(すなわち、
前記スリット02と垂直な)方向の筋状の凹み03aが
存在する。ところで、前記スリット02の左右方向の所
定の一部分を通過して、前記凹み03aに入射した光の
反射方向は左右方向にずれる。このため、前記凹み03
aに入射する光が左右方向の所定の一部分からの光のみ
の場合には、その凹み03aからの反射光量を検出する
ラインセンサ04の受光素子は敏感に前記凹み03aを
検出することができる。しかしながら、図10Aに示す
ように、前記スリット02を通過して凹み03aに入射
する光が左右方向の広い範囲から入射している場合、凹
み03aからの反射光量を検出するラインセンサ04の
受光素子に入射する光量の変化が少なくなる。この場
合、その凹み03aからの反射光量を検出するラインセ
ンサ04の受光素子は敏感に前記凹みを検出することが
できなくなる。
【0006】前記従来技術(J01)の問題点を解決する
ものとして本出願人は、下記(J02)の技術を先に出願
している。 (J02)(図11に示す技術、すなわち、特願平4−2
70227号) 図11において、光照射装置05は、光源06とこの光
源06の周囲を被覆する細長い遮光板07により構成さ
れている。この遮光板07にはその長手方向に沿って長
手方向に垂直なスリット08と遮光部09とが交互に形
成されている。光源06からの光はこの複数のスリット
08により格子状のスリット光として円筒状の被検査体
011表面に照射される。この場合、円筒状の被検査体
011表面には、明部012、暗部013、および中間
の明るさの境界部014が生じる。この境界部014に
被検査体011の軸に垂直な(円周方向に沿う)筋状の
凹み011aが存在すると、その凹み011aによりライ
ンセンサ016に入射する光量が他の部分に比べて増減
する。これにより、ラインセンサ016の光量検出信号
が変化し、被検査体011の軸に垂直な方向に沿う筋状
の凹み011aが検出できる。次にこの理由を、図10
Bにより説明する。図10Bから分かるように、前記凹
み011aに入射する光は、前記凹み011aに近接して
配置された所定のスリット08を通過した光のみであ
る。このため、前記凹み011aに入射する光が左右方
向の所定の一部分からの光のみとなっている。この場合
の凹み011aからの大部分の反射光の方向は正常な反
射面の場合に比べてずれるので、その凹み011aから
の反射光量を検出するラインセンサ04の受光素子は前
記図10Aの場合に比べて敏感に前記凹みを検出するこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記(J01)の表面層
欠陥検出装置は、円筒状の表面層の円周方向に沿う筋状
の凹みを検出しにくいという問題点があり、前記(J0
2)の表面層欠陥検出装置は、円筒状の表面層の軸に沿
う筋状の凹みを検出しにくいという問題点があった。す
なわち、前記(J01)及び(J02)の技術はいずれも、
円筒状の表面層の欠陥の全部を高精度に検出することが
できないという問題点があった。本願発明者は前記問題
点に鑑み、円筒状の表面層の欠陥である前記軸に沿う筋
状の凹み、軸に垂直な筋状の凹み、及び表面層の他の傷
等を検出できる装置として、下記(J03)の技術を創作
した。
【0008】(J03)(図12に示す技術) 図12は本願発明者が創作した表面層欠陥検出装置を説
明するための概略斜視図である。図12において、表面
層欠陥検出装置では、光源021が筒状の遮光部材02
2で覆われている。前記筒状の遮光部材022には、そ
の軸に沿って延びる細長いスリット023aから形成さ
れた第1スリットパターン023と、この第1スリット
パターン023から円周方向に離れた位置において、前
記筒状の遮光部材022の円周方向(軸に垂直な方向)
に延びる複数のスリット024aが軸に沿って列設され
た第2スリットパターン024とを有している。この筒
状の遮光部材022は、回転装置(図示せず)により回
転位置を制御されるようになっている。図12におい
て、被検査体026は右から左に搬送され、リフト装置
027で上昇されて検査位置Aで回転可能に支持され
る。
【0009】前記遮光部材022の回転位置に応じて、
光源021からの出射光は、前記筒状の遮光部材022
に設けられた第1スリットパターン023又は第2スリ
ットパターン024の前記各スリット023a又は02
4aを透過して被検査体026の円筒状の表面層を照射
する。例えば、まず最初に前記検査位置A上方に配置さ
れた光源021からの出射光は第1スリットパターン0
23により一本の帯状スリット光として被検査体026
表面に照射される。そこで、境界線部受光センサ028
は帯状スリット光の境界線部分を走査し、また、正反射
光受光センサ029は帯状スリット光の中心線部分を走
査する。前記被検査体026を回転させながら、その全
表面の走査を行う。この検査により、被検査体026表
面の軸に沿う筋状の凹み及び他の欠陥を検査することが
できる。しかしながら、この場合、被検査体026表面
の軸に垂直な(円周方向に延びる)筋状の凹みの検出感
度は高くない。なお、この図12に示す被検査体026
は、定着ロールであり、その表面層は透明層およびその
内部の感光層を有していない。このため、表面層内部の
感光層の膜厚の検査を行う必要が無いので、境界線部分
の外側の暗部の走査(すなわち、感光層膜厚の検査を高
精度で行える部分の走査)は行っていない。
【0010】次に、前記筒状の遮光部材022を回転さ
せて第2スリットパターン024を透過する格子状スリ
ット光により被検査体026を照明する。このとき、被
検査体026の筒状の表面にはその軸方向に沿って、明
部、暗部、及びそれらの境界部の3種の照明領域ができ
る。この状態で格子状スリット光センサ031は、被検
査体026表面を走査し、その表面からの反射光量を検
出する。そして、前記被検査体026を回転させなが
ら、その全表面の走査を行う。この検査における被検査
体026の円筒状の表面の軸に垂直な方向(円周方向)
に沿う筋状の凹みは、前記被検査体026表面の明部と
暗部との境界部からの反射光の検出により、最も高感度
で検出することができる。
【0011】このため、この第2スリットパターン02
4を用いた検査すなわち、被検査体026の筒状表面を
格子状スリット光により照明する検査において、被検査
体026を1回転させただけでは、被検査体026表面
の明部及び暗部に存在する前記円周方向の筋状の凹みは
高感度で検出することができない。したがって、前記被
検査体026の筒状表面の前記軸に垂直な方向に沿う筋
状の凹みを、被検査体026の全表面にわたって高感度
で検出するためには、前記被検査体026が第1回目の
回転を行ったときに明部であった部分又は暗部であった
部分が明部及び暗部の境界部分となる状態で再度被検査
体026を回転させて検査を行う必要がある。
【0012】このためには、被検査体026の第2回目
の回転は、被検査体026の第1回目の回転で明部又は
暗部であった部分が境界部分となるように、被検査体0
26の筒状表面に照射される格子状スリット光の位置を
その軸方向にずらせばよい。前記格子状スリット光によ
って照明された被検査体026の円筒状表面の明部、暗
部、及びそれらの境界部の位置を前記被検査体026の
筒状表面に対して、その軸方向にずらせることにより、
前記第1回目の回転で明部又は暗部であった部分を2回
転目の回転で前記境界部とすることができる。そして、
被検査体026の全表面が前記明部及び暗部の境界部分
として走査されるまで、前記格子状スリット光の位置
(すなわち、第2スリットパターン024の位置)を前
記軸方向にずらせては、被検査体026を回転する。こ
のようにして被検査体026を何度か回転走査すること
により、円周方向に沿う筋状の凹みを被検査体026の
全表面にわたって高精度で検出することができる。
【0013】前記格子状スリット光により照明される被
検査体026の筒状表面の明部、暗部、及びそれらの境
界部の位置を軸方向にずらす方法としては、次の方法が
考えられる。 (J031) 前記スリットパターン23、24を有する
筒状の遮光部材022の位置を、軸方向に変位させる方
法。 (J032) 前記回転する筒状の遮光部材022に、前
記第2スリットパターン024の各スリット024aと
同様のスリットを有するとともに各スリットの位置が前
記第2スリットパターン024aと軸方向にずれて配置
され、且つ前記第1スリットパターン023及び第2ス
リットパターン024から円周方向に離れた位置に形成
された別のスリットパターンを1個以上設け、前記1個
以上の別のスリットパターン及び前記第2スリットパタ
ーンを順に用いる方法。
【0014】(前記(J031)の方法の問題点)前記
(J031)の方法では、筒状の遮光部材022をその軸
方向に移動させる機構を設けなければならない。 (前記(J032)の方法の問題点)前記(J032)の方法
では、遮光部材022の円周方向に離れた位置に、多く
のスリットパターンを形成するため、遮光部材022の
サイズが大きくなるとともに強度が弱くなり、遮光部材
022の厚さを薄くできなくなる。また、遮光部材02
2の直径が小さい場合には、多くのスリットパターンを
形成することが困難になる。
【0015】本発明は、前述の事情及び検討結果に鑑
み、下記の記載内容を課題とする。 (O01)円筒状の表面層の軸に沿う筋状の凹み及び軸に
垂直な(円周方向に沿う)筋状の凹みを両方とも検出す
ることが可能で且つ構成が簡素な表面層欠陥検出装置を
提供すること。
【0016】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0017】前記課題を解決するために、本発明の表面
層欠陥検出装置は、被検査体(1)の円筒状の表面層に
沿ってその軸方向に延びる光源(41)と、前記光源
(41)からの出射光を通過させて前記表面層にその軸
方向に沿う所定パターンの検査光を照射させるスリット
パターン(43,44)が形成された遮光部材(42)
と、前記表面層からの反射光量を検出する受光センサ
(51)とを備えた表面層欠陥検出装置において、下記
の要件を備えたことを特徴とする、 (Y01) 前記遮光部材(42)が前記光源(41)を
覆う筒状部材により構成されていること、 (Y02) 前記スリットパターン(43、44)は、前
記筒状の遮光部材(42)の軸に沿って延びる細長いス
リット(46)から形成された第1スリットパターン
(43)と、この第1スリットパターン(43)から円
周方向に離れた位置において前記筒状の遮光部材(4
2)の軸に対して所定の傾斜角度を有する複数のスリッ
ト(47)が軸に沿って列設された第2スリットパター
ンとを有すること、 (Y03) 前記筒状の遮光部材を回転させる回転装置
(33+37+38+49)が設けられていること。
【0018】(課題を解決するための手段の補足説明)
前記本出願の第1発明において、前記「被検査体
(1)」は、中実、中空のいずれでもよく中実円柱もし
くは中空円筒の両方を含む。
【0019】
【作用】
(第1発明の作用)次に、前述の特徴を備えた本発明の
作用を説明する。前述の特徴を備えた本発明の表面層欠
陥検出装置によれば、光源(41)が筒状の遮光部材
(42)で覆われている。回転装置(33+37+38
+49)がこの遮光部材(42)を回転させる。その遮
光部材(42)の回転位置に応じて、光源(41)から
の出射光は、前記筒状の遮光部材(42)に配置された
第1スリットパターン(43)の前記軸に沿って延びる
細長いスリット(46)又は第2スリットパターン(4
4)の前記軸に対して所定の傾斜角度を有し且つ軸に沿
って列設された複数のスリット(47)を通過して、被
検査体(1)の表面層を照明する。
【0020】前記軸方向に延びる細長いスリット(4
6)から形成された第1スリットパターン(43)を用
いたときの被検査体(1)の円筒状表面層からの反射光
を前記受光センサ(51)で検出することにより、前記
円筒状表面層の軸方向に延びる筋状の凹み及びその他の
欠陥の有無の検査を高精度で行うことができる。ただ
し、前記円筒状表面層の軸に垂直な方向に延びる筋状の
凹み(円周方向の筋状の凹み)は高精度で検出できな
い。
【0021】しかしながら、前記軸に対して所定の傾斜
角度を有し且つ軸に沿って列設された複数のスリット
(47)を有する第2スリットパターン(44)を用い
たときの被検査体(1)の円筒状表面層にはその軸に対
して所定角度傾斜した縞状の明部、暗部、及びそれらの
境界部が軸に沿って生じる。このように、被検査体
(1)の円筒状表面層がその軸方向に沿って明部、暗
部、及びそれらの境界部が生じるように照明された状態
で、前記受光センサ(51)によりその軸方向に走査し
た場合、前記明部と暗部との境界部における前記円筒状
表面層の軸に垂直な方向に延びる筋状の凹みの有無の検
査を高精度で行うことができる。したがって、被検査体
(1)を1回転させながら、この検査を行うと、前記円
筒状表面層の軸に垂直な方向に延びる筋状の凹みの有無
を、前記境界部については高精度で検査することができ
る。しかしながら、前記明部及び暗部については、高精
度の検査は行われない。
【0022】そこで、前記1回転の検査の後、前記筒状
の遮光部材(42)を一定角度回転させる。そうする
と、光源(41)と被検査体(1)の円筒状表面層との
間に有る前記所定の傾斜角度を有する複数のスリット
(47)が回転する。このとき、前記光源(41)から
出射して前記スリット(47)を通過し、前記被検査体
(1)の円筒状表面を照射する格子状のスリット光の、
明部、暗部、及びそれらの境界部の軸方向の位置がずれ
る。すなわち、前記第1回転目の被検査体(1)表面の
明部又は暗部であった部分が今度の回転では境界部とな
る。この状態で被検査体(1)を再度回転させながら被
検査体(1)の円筒状表面層の検査を行う。この検査に
より、前記境界部となっている円筒状表面層を高精度で
検査することができる。
【0023】このようにして、被検査体(1)の全表面
が境界部の状態で検査されるまで、前記遮光部材(4
2)を一定角度回転させては、その状態で被検査体
(1)を回転させながら、被検査体(1)の円筒状表面
層の検査を行う。このような検査をくり返して、被検査
体(1)の表面全体を前記境界部の状態で検査したこと
になったとき、円筒状の被検査体(1)の表面の軸に垂
直な方向に延びる筋状の凹みを、被検査体(1)の全表
面にわたって高精度に検出したことになる。
【0024】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例を
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 (実施例)なお、本発明の実施例の説明中において、
「前方」は図中の矢印X1方向、「後方」は図中の矢印
X2(図1参照)方向を意味する。また、「左方」は図
中の矢印Y1方向を意味し、「右方」は図中の矢印Y2
方向を意味するものとする。さらに、「上方」は図中の
Z1方向を意味し、「下方」は図中のZ2方向を意味す
るものとする。さらにまた、図中、「○」の中に「・」
が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味
し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表か
ら裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0025】図1は本発明の表面層欠陥検出装置の一実
施例の概略斜視図である。図2は同実施例の横断面図で
ある。図3および図4は同実施例の検査光の照射状態を
示す図で、図3は遮光部材の軸に対して所定の傾斜角度
を有する複数のスリットから照射している図、図4は筒
状の遮光部材の軸に平行な細長いスリットから照射して
いる図、である。図5は同実施例の遮光部材の第2スリ
ットパターンのスリットの詳細説明図である。図6は同
実施例の第2スリットパターンを透過して被検査体の表
面を照射する格子状スリット光の説明図である。図7は
同実施例の筒状の遮光部材を回転させたときに第2スリ
ットパターンのスリットの被検査体照射光の透過部分が
軸方向に移動することを説明する図である。
【0026】図1および図2において、被検査体1は円
筒体の表面に保護層(表面層)が形成されている定着ロ
ールである。この被検査体1を載置する第1搬送台2は
表面層欠陥検出装置Kのフレームに左側(Y1側)をや
や下方に傾斜させた状態で固定されている。すなわち、
被検査体1は、第1搬送台2の右側部分に載置された場
合、左方に転がって移動するようになっている。この第
1搬送台2の左側には第1リフトL1が配置されてい
る。この第1リフトL1は、下端をフレームに固定され
た垂直な左側シリンダ装置3、右側シリンダ装置4、お
よびそれらのシリンダ装置3,4の上端に支持された被
検査体支持部6で構成されている。なお、前記左側シリ
ンダ装置3および右側シリンダ装置4は、被検査体支持
部6の前後方向(X1−X2方向)の両端部にそれぞれ配
設されている。
【0027】したがって前記被検査体支持部6は、合計
4本のシリンダ装置3,3,4,4の先端に回転可能に
取り付けられている。なお、被検査体支持部6と右側シ
リンダ装置4との取付け構造は回転可能であるととも
に、左右に遊びが設けられている。被検査体支持部6は
細長いほぼ直方体形状であるが、その上面は左右方向
(Y1−Y2方向)中央部に向かって下方に傾斜してお
り、被検査体支持部6上面に前後方向に長い溝7が形成
されている。
【0028】第1リフトL1の左側には、同様の構造の
第2リフトL2および第3リフトL3が配置されている。
さらにその左側には第1搬送台2と同様に、第2搬送台
8が表面層欠陥検出装置Kのフレームに左側(矢印Y1
側)をやや下に傾斜させた状態で固定されている。すな
わち、被検査体1は、第2搬送台8の右端部分に載置さ
れた場合、左方に転がって移動するようになっている。
【0029】図2において、第2リフトL2の前側(矢
印X1側)には前フレーム11が設けられ、その前フレ
ーム11の中間部には検査位置S(図1、2参照)にあ
る被検査体1を押圧する押圧シリンダ装置12が支持さ
れている。押圧シリンダ装置12の被検査体当接部12
aは、ピストン軸12bに回転可能に設けられている。ま
た前フレーム11の上部には断面円弧状の上支持部13
と下支持部14が向かい合う状態で着脱可能にボルトで
固定されている。上支持部13と下支持部14との中間
には蛍光灯用ソケット16が図示しないばね部材又はエ
アシリンダ等により前後方向(X1−X2方向)に伸縮可
能(又は移動可能)に固定されている。
【0030】また、第2リフトL2の後方(矢印X2方
向)には後側フレーム21が設けられている。後側フレ
ーム21中間部の取付け台23にはモータ22が支持さ
れている。このモータ22は、検査位置Sにある被検査
体1を回転させる機能を有している。モータ22の回転
軸24には歯車26が固定されている。この歯車26に
係合している歯車27は、後側フレーム21に固定され
た固定軸28に回転自在に支持されている。被検査体1
を保持するためにその後端部に当接する当接部材29
は、歯車27と1体構造で固定軸28を中心にして回転
する。前記後側フレーム21には前記歯車26の上方
に、前記前フレーム11の下支持部14と同じ構造の下
支持部31がボルト締めされている。さらに蛍光灯用ソ
ケット16に対向する位置に蛍光灯用ソケット32が固
定されている。後側フレーム21の上端にはモータ33
が取付け台34に固定されている。モータ33の回転軸
38先端部には歯車37が固定されている。
【0031】白色拡散光源としての蛍光管41は、蛍光
灯用ソケット16を前方向(X1方向)に収縮(又は移
動)させて蛍光灯用ソケット16と蛍光灯用ソケット3
2の間隔を広げてから、前記蛍光灯用ソケット16,3
2間に配置し、次に蛍光灯用ソケット16を後方向(矢
印X2方向)に伸張(又は移動)させると、蛍光灯用ソ
ケット16および蛍光灯用ソケット32により挟持され
る。
【0032】断面円形の筒状の遮光部材42は下支持部
14、上支持部13、および下支持部31で回転自在に
支持されている。筒状の遮光部材42の軸に平行な細長
い第1スリットパターン43および第2スリットパター
ン44が、筒状遮光部材42円周に配置されている。第
1スリットパターン43が配置されている場所は、第2
スリットパターン44が配置されている場所と筒状遮光
部材42の軸を中心として約180度の位置関係にあ
る。
【0033】図3,4,5において、前記筒状の遮光部
材42の直径は100mm、第1スリットパターン43
は1本の細長いスリット46で構成され、そのスリット
46の幅46aは10〜30mm程度である。また、第
2スリットパターン44は筒状の遮光部材42の軸に対
して所定の傾斜角度を有する多数のスリット47および
その各スリット47間の遮光部48の繰り返しで構成さ
れた格子状のスリットパターンである。前記各スリット
47の円周方向の高さ47aは約30mm、またスリッ
ト47の軸方向の幅47bは約10mm、傾斜幅47cは
約30mm、そして、遮光部48の軸方向の長さ48b
は約30mmである。
【0034】前記第2スリットパターン44を透過した
光によって、前記被検査体1表面には図6に示すような
傾斜した縞状のスリット光が照射される。図6,3にお
いて、明部H3、暗部H4、及び前記明部H3及び暗部H4
の間の境界部H5の寸法は、前記それぞれ光源(蛍光
管)41及び遮光部材42間の距離、遮光部材42及び
被検査体1表面間の距離、第2スリットパターン44の
各スリット47の幅47b(図5参照)及び間隔48b
(図5参照)によって定まる。また、前記遮光部材42
を回転させると、図7に示すように、第2スリットパタ
ーン44の各スリット47の位置も回転する。このと
き、前記図6に示す円筒状の被検査体1表面の前記明部
H3、暗部H4、及びそれらの境界部H5の軸方向(X1−
X2方向)の位置が移動する。
【0035】円筒状の遮光部材42の軸に対する前記ス
リット47の傾斜角47d(図5参照)は0〜90度の
範囲で設定可能であるが、傾斜角度47dが小さすぎる
と格子状パターン(第2スリットパターン)が直線状パ
ターンに近くなり軸方向の光の明暗部が形成されず検査
ができなくなり、傾斜角度47dが大きすぎると遮光部
材42を回転させた時のスリット光の軸方向の移動量が
少なくなるため遮光部材の回転回数が増え検査時間がか
かる。実験から、この傾斜角47dは30度〜60度が
適当であるが、本実施例では遮光部材42の回転角度と
格子状パターン光の軸方向の移動量の換算が容易となる
45度程度とした。前記格子状パターン第2スリットパ
ターン44の形状設定は、円周方向のへこみの検出時間
と検出精度の要因であり、スリット47と遮光部48の
幅により欠陥検出が可能となる明暗部の幅が決まり、こ
の幅により検査ロール上を何回移動するかが決まる。
【0036】図2において、筒状遮光部材42の後端外
周に設けられた歯車49は、前記モータ33により回転
される歯車37に係合している。図1においては、第1
スリットパターン43が下方に存在し、蛍光管41から
の出射光はスリット46により帯状スリット光として被
検査体1表面に照射される。この状態で、第1受光装置
U1はその受光視野を被検査体1表面上の帯状スリット
光の長手方向に伸びる境界線部分H1(図4参照)に設
定可能な位置に配置されている。また、第2受光装置U
2はその受光視野を被検査体1表面上の帯状スリット光
の中心線部分H2に設定可能な位置に配置されている。
この状態から、モータ33が回転し、歯車37、歯車4
9を介して、筒状遮光部材42が180度回転すると、
第2スリットパターン44が下方に配置され、蛍光管4
1からの出射光はスリット47により格子状スリット光
として被検査体1表面に照射される。第3受光装置U3
はその受光視野を被検査体1表面上の複数の帯状スリッ
ト光に設定可能な位置に配置されている。
【0037】図1において、第1受光装置U1、第2受
光装置U2および第3受光装置U3の構成は、同一であ
る。これら受光装置U1,U2,U3は、受光センサ5
1、この受光センサ51の先端に固定された縮小光学系
52、および受光センサ51の姿勢を制御する姿勢調整
装置53から構成されている。この姿勢調整装置53は
受光センサ51の姿勢を調整することが可能な種々の構
成を採用することが可能であり、例えば従来周知の1軸
制御装置や3軸制御装置等を用いることができる。ま
た、受光センサ51が受光した光量検出信号を送る信号
ラインM1が、第1受光装置U1と欠陥信号抽出部60
とを接続している。同様に、信号ラインM2が、第2受
光装置U2と欠陥信号抽出部60とを接続し、信号ライ
ンM3が、第3受光装置U3と欠陥信号抽出部60とを
接続している。また、欠陥判定処理部61が欠陥信号抽
出部60と接続されている。
【0038】(実施例の作用)次に、前述の構成を備え
た前記実施例の作用を説明する。図1において、第1搬
送台2に載置された被検査体1は、第1搬送台2が左下
がりに傾斜しているので左側に転がりながら搬送され、
第1リフトL1の右側面で停止する。次いで、第1リフ
トL1は左側油圧ピストン3および右側油圧ピストン4
の収縮により降下し、被検査体支持部6上面が第1搬送
台2の位置よりも下位になる。すると、その被検査体支
持部6上面に設けられた溝7に被検査体1が落下し搭載
される。その搭載後第1リフトL1は上昇する。
【0039】第1リフトL1と第2リフトL2とが同じ高
さになると、左側油圧ピストン3の伸張は停止する。し
かしながら、右側油圧ピストン4は更に伸張して、被検
査体支持部6は反時計方向に回転し、左下がりに傾き被
検査体1を第2リフトL2の被検査体支持部6に落とし
込む。次に図2において、第2リフトL2は上昇して、
検査位置Sに被検査体1を搬入する。この被検査体1を
押圧シリンダ装置12が後方に押しつけ、当接部材29
とで挟持する。これにより、被検査体1は検査位置Sに
回転自在に設置される。そして、第2リフトL2は降下
する。
【0040】図8は本発明の表面層欠陥検出装置の実施
例の円筒状表面層の欠陥を検出するためのフローチャー
トである。図8において、円筒状表面層の欠陥の検出フ
ローが開始されると、ステップST1において、モータ
33が回転し、歯車37、歯車49を介して、筒状遮光
部材42が回転する。そして図3に示すように、第2ス
リットパターン44が下方にきて、蛍光管41からの照
射光は、複数のスリット47により格子状スリット光と
して被検査体1表面に照射される。すると、図3,6に
示すように明部H3、暗部H4、および中間の明るさの境
界部H5が被検査体1の照射された表面に形成される。
【0041】筒状遮光部材42が回転を終了するとステ
ップST2に移る。ステップST2において、被検査体1
の照射された表面を被検査体1の軸に平行に第3受光装
置U3が走査する。この走査を行いながらモータ22を
回転させて、歯車26、歯車27を介して当接部材29
を回転させ被検査体1も小回転させる。被検査体1の照
射された表面の前記第3受光装置U3による走査は、被
検査体1が1回転するまで行う。境界部H5に被検査体
1の軸に垂直な方向に沿う(すなわち、円周方向に沿
う)筋状の凹みが存在すると、その凹みにより反射光が
左右に振られて受光センサ51に入射する光量が他の正
常な表面からの反射光量に比べて増減する。これによ
り、受光センサ51の光量検出信号が変化する。その光
量検出信号は信号ラインM3により、欠陥信号抽出部6
0に送信される。欠陥信号抽出部60はこの光量検出信
号を基準値と比較してその差信号を、欠陥判定処理部6
1に送信する。欠陥判定処理部61はその差信号の大小
により、欠陥の判定を行う。これにより、被検査体1の
軸に垂直な筋状の凹みが検出できる。
【0042】前記被検査体1が1回転する間の作業にお
いて、格子状のスリット光により照明された被検査体1
表面の明部H3(図6参照)及び暗部H4の境界部H5に
対しては高精度の欠陥検出を行うことができる。しかし
ながら、格子状のスリット光により照明された被検査体
1表面の前記境界部H5以外の部分すなわち、明部H3及
び暗部H4については高精度の欠陥検出を行うことがで
きない。そこで次に、前記被検査体1の1回転目の検査
では明部H3又は暗部H4であった部分が境界部H5とな
るように、前記遮光部材42を所定角度回転させる。こ
のとき、図7に示すように、前記被検査体1を照明する
光が通過するスリット47の位置が軸方向(X1−X2方
向)に移動する。このとき、前記被検査体1の1回転目
の検査では明部H3又は暗部H4であった被検査体1の表
面部分が境界部H5となる。この状態で前記被検査体1
に2回転目の回転を与えながら検査を行う。
【0043】そして、前記被検査体1表面のうち、前記
1回転目及び2回転目の検査でも境界部H5とならなか
った部分があれば、さらに、遮光部材2を所定角度回転
させて、被検査体1の境界部H5の位置をずらせる。そ
して、被検査体1に3回転目の回転を与えながら検査を
行う。、このようにして、遮光部材42を所定角度回転
させた状態で被検査体1を1回転させながら行う検査
を、前記被検査体1の全表面が境界部H5として検査さ
れるまで続ける。これで第2スリットパターン44を用
いた検査ST2は終了する。
【0044】なお、本実施例では、第2スリットパター
ン44の格子状スリットの形状から図6に示す検出可能
な明暗部の境界部分H5の幅は約5mm、検出不可能な
領域H4の幅が約20mmとなることから初期位置から
4回の移動、合計5回の検査を行って全表面の検査を行
った。1回の移動で軸方向に5mm動かすには、遮光角
47d(図5参照)が45度であることから遮光部材4
2上でのスリット47の回転方向への移動量は5mmと
なればよい。円筒形状の遮光部材の直径が100mmで
あり遮光部材の回転角θを約6度にすることにより明暗
部の軸方向への移動量は5mmとなる。この場合、スリ
ットの遮光角47d(図5参照)をψとすれば、一般的
には、次式(1)の関係で回転角θ(図7参照)が求め
られる。 θ=(tanψ×遮光部材面上でのスリットの移動量)/(遮光部材の直径) …………(1)
【0045】被検査体1に欠陥が認められれば、表面層
欠陥の検出作業は終了する。被検査体1に欠陥が認めら
れなければ、ステップST3に移る。ステップST3にお
いて、モータ33が回転し、歯車37、歯車49を介し
て、筒状遮光部材42が回転する。そして図4に示すよ
うに、第1スリットパターン43が下方にきて、蛍光管
41からの照射光は、スリット46により帯状スリット
光として被検査体1表面に照射される。筒状遮光部材4
2が回転を終了するとステップST4に移る。
【0046】ステップST4において、前記第1受光装
置U1の受光センサ51は被検査体1表面上の帯状スリ
ット光(第1スリットパターン43によるスリット光)
の長手方向に伸びる境界線部分H1(図4参照)を走査
する。また、同時に前記第2受光装置U2の受光センサ
51は被検査体1表面上の帯状スリット光の中心線部分
H2を走査する。これらの走査は前記第2スリットパタ
ーン44を用いた場合と同様に、被検査体1が1回転す
るまで行う。この走査において、被検査体1表面の帯状
スリット光の長手方向に延びる境界線部分H1に、被検
査体1の軸に平行な筋状の凹みが存在すると、被検査体
1の表面が正常な傾斜角度とは異なるため、反射光が左
右に振られる。その結果、受光センサ51に入射する場
合と、入射しない場合が起こり前記第1受光装置U1の
受光センサ51の光量検出信号が変化する。また、被検
査体1表面にきずや異物が存在すると、そこで強い散乱
光の発生や、逆に光の吸収が起こり、前記第2受光装置
U2の受光センサ51の光量検出信号が変化する。
【0047】これらの受光装置U1,U2の光量検出信号
は前記信号ラインM1により欠陥信号抽出部60に送信
される。欠陥信号抽出部60はこれらの光量検出信号を
基準値と比較してその差信号を、欠陥判定処理部61に
送信する。欠陥判定処理部61はその差信号の大小によ
り、欠陥の判定を行う。これにより、被検査体1の軸に
平行な方向に沿う筋状の凹み及び被検査体1表面のきず
や異物が検出できる。検査の途中で被検査体1に欠陥が
認められれば、円筒状表面層の欠陥の検出作業は終了す
る。被検査体1に欠陥が認められなければ、最後まで検
査を行ってから表面層欠陥検出装置による円筒状表面層
の欠陥の検出フローは終了する。
【0048】本実施例では、被検査体1が定着ロールの
場合であるので、被検査体1の表面層内の最上部の層が
不透明で、表面層内部に照射光が届かず、表面層内部か
らの反射光は存在しない。したがって、表面層内部の検
査精度の高い、境界線部分H1の外側の領域(すなわ
ち、暗部)からの反射光の検査は行わない。しかしなが
ら、被検査体1の表面層内の最上部の層が透明な場合は
その検査を行うことは可能である。この様に、かならず
しも、スリット光の中心線部分(明部)、境界線部分
(境界部)、及び境界線の外側部分の検査を全て行う必
要はない。
【0049】前記被検査体1の表面層欠陥の検出が終了
すると、第2リフトL2が再度上昇して被検査体支持部
6が被検査体1に当接する。ついで押圧シリンダ装置1
2を収縮させて、押圧シリンダ装置12と当接部材29
とによる被検査体1の挟持を解除する。すると、被検査
体1が第2リフトL2の被検査体支持部6に搭載され
る。そして、第2リフトL2は降下し、第3リフトL3の
やや上方で降下を停止する。ついでその被検査体支持部
6が反時計方向に回転し、被検査体1が第3リフトL3
に落下する。第3リフトL3は上昇して第2搬送台8の
やや上方で停止する。ついで、前記第3リフトL3の被
検査体支持部6が反時計方向に回転して、被検査体1が
第2搬送台8に排出される。
【0050】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記(H01)〜(H08)に例示する。
【0051】(H01) 実施例においては遮光部材は円
筒であるが、筒型であれば断面形状は3角形、4角形、
6角形などの多角形でも、また楕円なども使用可能であ
る。 (H02) 実施例においては、筒状の遮光部材を回転さ
せる回転装置が、遮光部材外面に設けられた歯車に、モ
ータで駆動される歯車を係合させる構造となっている
が、歯車に代えて駆動ローラによる構造や、遮光部材内
面に歯車を取り付けた構造などの種々の回転構造が使用
可能である。
【0052】(H03) 実施例においては、第1リフト
L1、第2リフトL2、および第3リフトL3が被検査体
1を検査位置Sに搬入、上昇、搬出させているが、1台
のリフトで構成することも可能である。ただし、リフト
が検査位置Sに上昇した時に、リフトの被検査体支持部
6の下端と第1搬送台2および第2搬送台8の上面との
間に大きな隙間が発生し、その隙間から第1搬送台2お
よび第2搬送台8の被検査体1が第2リフトL2の被検
査体支持部6の下方へ落下することがないように構成し
なければならない。また、検査位置Sに被検査体1を搬
入できるならば、搬入ロボットや他の形式の搬送装置を
採用することも可能である。 (H04) 前記実施例において、図8に示すフローチャ
ートのステップST4の境界線部分からの反射光の検査
(第1受光装置U1による検査)とステップST5の中心
線部分からの反射光の検査(第2受光装置U2による検
査)とを同時に実行することが可能である。さらに、受
光装置をもう1台使用するか又は前記第3受光装置を用
いて、境界線部分の外側からの反射光の検査も同時に行
うようにすることが可能である。
【0053】
【発明の効果】前述の本発明の表面層欠陥検出装置は、
下記の効果を奏することができる。 (E01)回転装置を用いて筒状の遮光部材を回転させる
ことにより、被検査体の円筒状の表面層に照射される傾
斜した格子状スリット光(縞状検査光)の明暗部の境界
部の位置を軸方向に移動させることができる。このた
め、遮光部材の所定角度の回転を所定回数行うことによ
り、被検査体の全表面を前記境界部とした状態で検査す
ることができる。すなわち、遮光部材を回転させる構成
だけで、被検査体表面の全面を前記境界部とした状態で
検査することができる。したがって、簡素な構成の表面
層欠陥検出装置により、円筒状の表面層の軸に沿う筋状
の凹み及び軸に垂直な(円周方向に沿う)筋状の凹みを
両方とも高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の表面層欠陥検出装置の一実施
例の概略斜視図である。
【図2】 図2は同実施例の横断面図である。
【図3】 図3は同実施例の検査光の照射状態を説明す
るための図で、筒状の遮光部材の軸に対して所定の傾斜
角度を有する複数のスリット(第2スリットパターンの
スリット)から照射している図である。
【図4】 図4は同実施例の検査光の照射状態を説明す
るための図で、筒状の遮光部材の軸に平行な細長いスリ
ット(第1スリットパターンのスリット)から照射して
いる図である。
【図5】 図5は同実施例の遮光部材の第2スリットパ
ターンのスリットの説明図である。
【図6】 図6は同実施例の第2スリットパターンを透
過して被検査体の表面を照射する格子状スリット光の説
明図である。
【図7】 図7は同実施例の筒状の遮光部材を回転させ
たときに第2スリットパターンのスリットの被検査体照
射光の透過部分が軸方向に移動することを説明する図で
ある。
【図8】 図8は同実施例の円筒状の表面層欠陥を検出
するためのフローチャートである。
【図9】 図9は従来の表面層欠陥検出装置を説明する
ための概略斜視図である。
【図10】 図10は被検査体の円筒状表面層の円周方
向に延びる筋状の凹みを検出するのに適した照明方法の
説明図で、図10Aは軸方向に延びる帯状のスリット光
を照射した場合前記凹みが検出し難いことを説明するた
めの図、図10Bは円周方向に延びる複数のスリットが
を透過する格子状スリット光を照射した場合前記凹みが
検出し易くなることを説明するための図である。
【図11】 図11は本願発明者が考えた表面層欠陥検
出装置を説明するための概略斜視図である。
【図12】 図12は本願発明者が考えた他の表面層欠
陥検出装置を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
1…被検査体、41…蛍光管(光源)、42…遮光部
材、43,44…スリットパターン、46,47…スリ
ット、48…遮光部、51…受光センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体の円筒状の表面層に沿ってその
    軸方向に延びる光源と、前記光源からの出射光を通過さ
    せて前記表面層にその軸方向に沿う所定パターンの検査
    光を照射させるスリットパターンが形成された遮光部材
    と、前記表面層からの反射光量を検出する受光センサと
    を備えた表面層欠陥検出装置において、下記の要件を備
    えたことを特徴とする表面層欠陥検出装置、 (Y01) 前記遮光部材が前記光源を覆う筒状部材によ
    り構成されていること、 (Y02) 前記スリットパターンは、前記筒状の遮光部
    材の軸に沿って延びる細長いスリットから形成された第
    1スリットパターンと、この第1スリットパターンから
    円周方向に離れた位置において前記筒状の遮光部材の軸
    に対して所定の傾斜角度を有する複数のスリットが軸に
    沿って列設された第2スリットパターンとを有するこ
    と、 (Y03) 前記筒状の遮光部材を回転させる回転装置が
    設けられていること。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040854A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Showa Denko Kk 表面検査方法および同装置
KR101878574B1 (ko) * 2016-12-28 2018-07-13 부산대학교 산학협력단 곡면체의 간섭패턴 제작장치 및 그 방법

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