JPH07634U - 切削屑回収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工液３内に含まれている細かいアルミの切
削屑１２を回収する。 【構成】 加工液を溜めておく貯液槽１に、その貯液槽
１内の加工液３を吸引して空気を混合させ、大量の極微
細な気泡１１と共に貯液槽１内へ噴出させる循環ポンプ
５を接続し、貯液槽１内の加工液３内に極微細な気泡１
１を充満させると共に渦流を与え、アルミの切削屑１２
を浮上させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、工作機械等で使用された加工液を、繰り返し利用するために一括 して回収し、それを溜めておく貯液槽内で、例えばアルミニウムやその合金等の 切削屑を回収する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

貯液槽に回収された加工液内には、多くの不純物や切削屑が混入しているので 、一旦濾過しなければ再利用できない。そこで貯液槽内に加工液を溜めておき、 それを汲み上げて濾過装置で濾過して再供給している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の貯液槽では、アルミニウムやその合金等の切削屑がすぐに沈澱してしま い、一旦沈澱した切削屑は槽の底に堆積し、逐次増加する。このため堆積した切 削屑を除去しなければならず、多くの作業工数を必要としていた。又、加工液内 には油（例えば潤滑油）などの有機不純物も多く含まれているから、これらの有 機不純物や堆積した切削屑の影響により、加工液の劣化が早められてしまう。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、アルミを主とした切削屑を回収すると共に、有機物の腐敗防止を図 る装置であって、その構成は、切削屑を含んだ加工液を溜めておく貯液槽に、そ の貯液槽内の加工液を吸引して空気を混合させ、大量の極微細な気泡と共に貯液 槽内へ噴出させる循環ポンプを接続し、貯液槽の廃液内に極微細な気泡を充満さ せると共に渦流を与え、加工液内に含まれている細かいアルミニウムやその合金 等の切削屑を前記極微細な気泡と共に浮上させて液面付近で一括回収するもので ある。ここで極微細な気泡とは、直径２ｍｍ以下程度のものを言う。

【０００５】

【作用】 極微細な気泡が充満した渦流が形成されるので切削屑が堆積しにくく、堆積し てもすぐに浮遊し、その浮遊中に極微細な気泡に包まれてその気泡と一緒に浮上 して液面近くに集合する。又極微細な気泡の形態にて廃液内に大量の空気が含ま れ、その空気により腐敗が防止されると共に活性化が図られ、長期間に亘って繰 り返し使用を可能とする。

【０００６】

【実施例】

本考案に係る切削屑回収装置を、切削屑がアルミニウム（以下アルミという） の切削屑である実施例を図面に基いて説明する。 １は貯液槽、２は濾過装置である。貯液槽１には、図示しない工作機械から流 出された使用済みの加工液３が逐次供給されて常に一定量が貯えられるようにな っており、又貯液槽１内から汲み上げて濾過装置へ送り出す複数の汲み上げポン プ４．４・・が装備されている。濾過装置２は周知のものであり、ここではその 説明を省略する。

【０００７】 ５は循環ポンプであり、この循環ポンプ５は、モータ収納部５ａが貯液槽１の 壁面へ、液面より上に位置するよう取り付けられ、ポンプ本体５ｂは液面下に没 入されていて、ポンプ本体５ｂの真下に延設された吸入パイプ６の途中にエア導 入パイプ７が接続されている。このエア導入パイプ７の先端は貯液槽１の外に引 き出され、先端部にはコントロールバルブ８が取り付けられている。又ポンプ本 体５ｂの側面から伸びた吐出パイプ９の先端は槽内の底面に固定され、噴出され た加工液が内壁に沿って槽内を一巡するようになっている。この循環ポンプ５は 、吸入パイプ６から吸引した加工液３に、エア導入パイプ７から導入した空気を 混合し、ポンプ本体５ｂ内でフィン１０により空気を大量の極微細な気泡に変え 、その極微細な気泡１１を吐出パイプ９から加工液３と共に貯液槽１内へ勢い良 させる機能を有している。但しこの循環ポンプ５は、最初からコントロールバル ブ８を開いたまま運転すると、吸入パイプ６内に空気が導入されてしまい加工液 を吸入することすらできない。前記機能を発揮させるには、先ずコントロールバ ルブ８を閉塞した状態で加工液３のみを循環させ、順調に動作したことが確認さ れたら少しづつコントロールバルブ８を開き、噴出される加工液３内に細かい気 泡１１が混合されるよう調整する。

【０００８】 このように構成した貯液槽１は、循環ポンプ５から噴出される加工液３内に混 入されている大量の極微細な気泡１１が貯液槽１内に放出され、同時に加工液３ が撹拌され、加工液３内に混入しているアルミの切削屑１２を浮遊させる。又加 工液３内に充満した気泡１１は浮遊しているアルミの切削屑１２を抱き込んで次 第に上昇し、液面付近に集合する（図２）。又気泡１１が充満することによって 加工液３の活性化が図られ、腐敗を起こすこともなくなる。

【０００９】 本考案の最も重要なポイントは気泡１１の大きさ及びその量にある。大量の微 細な気泡１１が勢い良く放出されれば、加工液３内に大量の微細な気泡１１が充 満し、アルミの切削屑１２を浮上させ得るのである。浮上して一か所に集合した アルミの切削屑１２は網で簡単に掬える状態にあり、工場等での自動回収はバキ ューム装置で吸引すれば良い。

【００１０】 具体的なバキューム装置の一例を挙げれば、図３に示すように、バキュームポ ンプ１３の吸入口に回収ボックス１４を取付け、その回収ボックス１４を液面よ りやや下に配置する。回収ボックス１４は底をパンチングメタル１４ａで形成し 、その回収ボックス内に不織布から成るフイルタ１４ｂを敷設しておけば、アル ミの切削屑１２はフィルタ１４ｂを通過できず、液面に集合したアルミの切削屑 １２を回収ボックス１４内へ効率良く回収できる。

【００１１】 実施例では一つの循環ポンプのみで撹拌も行なわれるように構成されているが 、より撹拌力を高めるため、複数の循環ポンプを使用したり、循環ポンプに加え て撹拌用のポンプを使用することもできる。又本考案の装置は、新設される設備 は勿論、既設の貯液槽に、従来の装置はそのまま撤去せず残しておき、循環ポン プを追加して装置を構成することも可能である。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によれば、アルミを主とした切削屑を浮遊させ、それを気泡と一緒に浮 上させるので、液面において容易に回収できる。又空気の吹き込み作用で活性化 も図れるから、有機不純物が腐敗して悪臭を発生させることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る切削屑回収装置を示す説明図であ
る。

【図２】貯液槽内の加工液、気泡及びアルミの切削屑の
動きを示す説明図である。

【図３】バキューム装置の説明図である。

【符号の説明】

１・・貯液槽、２・・濾過装置、３・・加工液、４・・
汲み上げポンプ、５・・循環ポンプ、５ａ・・モータ収
納部、５ｂ・・ポンプ本体、６・・吸入パイプ、７・・
エア導入パイプ、８・・コントロールバルブ、９・・吐
出パイプ、１０・・フィン、１１・・気泡、１２・・ア
ルミの切削屑、１３・・バキュームポンプ、１４・・回
収ボックス、１４ａ・・パンチングメタル、１４ｂ・・
フィルタ。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０３Ｄ 1/14 Ａ 7614−4Ｄ Ｂ２３Ｑ 11/10 Ｚ (72)考案者 石原 孝行 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 柿森 英明 愛知県豊田市曙町３丁目16番地 リックス 株式会社豊田営業所内 (72)考案者 松本 勝美 名古屋市緑区鶴ケ沢一丁目917番地

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 切削屑を含んだ加工液を溜めておく貯液
   槽に、その貯液槽内の加工液を吸引して空気を混合さ
   せ、大量の極微細な気泡と共に貯液槽内へ噴出させる機
   能を備えた循環ポンプを接続し、貯液槽の廃液内に極微
   細な気泡を充満させると共に渦流を与え、加工液内に含
   まれている細かい切削屑を前記極微細な気泡と共に浮上
   させて液面付近で一括回収する切削屑回収装置。