JPH1015775A

JPH1015775A - 切削屑除去装置

Info

Publication number: JPH1015775A
Application number: JP17262396A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Matsumoto; 勝美松本
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-07-02
Filing date: 1996-07-02
Publication date: 1998-01-20

Abstract

(57)【要約】【目的】加工液に含まれる切削屑を除去するとともに、
加工液中の有機物の腐敗を防止する機能を有し、加工液
の効率的なリサイクル利用を可能とする切削屑除去装置
を提供すること。【構成】切削屑除去装置１は、加工液を処理する処理槽
２、貯液槽４内の使用済み加工液を吸引・送出する循環
ポンプ３、循環ポンプ３によって貯液槽４から吸引され
た加工液を処理槽２内に導くメインパイプ５等によって
構成されており、処理槽２の加工液内に超微細な気泡を
充満させ、その超微細な気泡によって、加工液内に含ま
れている細かい切削屑を浮上させて液面付近で除去でき
るようになっているとともに、切削屑が除去された処理
槽２下方の加工液を処理槽２の外部に取り出して回収で
きるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工作機械等で使用され
た加工液を、貯留し、内部に分散しているアルミニウム
やその合金等の切削屑を回収除去することによって、繰
り返し利用可能とする切削屑除去装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】処理槽に回収された使用後の加工液内に
は、通常、アルミニウム等の多くの切削屑や不純物等が
混入しており、再利用に供するためには、それらの切削
屑等を除去する必要がある。このため、従来は、使用後
の加工液を処理槽内に貯留しておき、それを汲み上げて
濾過フィルターで濾過することにより、加工液内の切削
屑等を除去して再利用に供していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の切削屑の除去方法は、処理槽内に貯留された加工液
中の切削屑がすぐに沈殿して処理槽の底に堆積するため
加工液中の切削屑の割合が高くなり、濾過フィルターの
濾過効率が極端に低下して加工液の再利用ができなくな
る、という問題点を有していた。さらに、かかる堆積物
の除去には多くの作業工数が必要であり、非常に煩わし
かった。また、加工液中には油（たとえば潤滑油）等の
有機不純物も多く含まれており、それらの有機不純物の
影響によって加工液が劣化するため、加工液が再利用で
きなくなることもあった。

【０００４】本発明の目的は、加工液に含まれる切削屑
を除去するとともに、加工液中の有機物の腐敗を防止す
る機能を有し、加工液の効率的なリサイクル利用を可能
とする切削屑除去装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる本発明の内、第１
の発明の構成は、少なくとも、切削屑を含んだ加工液を
貯留する貯液槽内の加工液を吸引して空気を混合し、大
量の超微細な気泡とともに送出する循環ポンプと、前記
循環ポンプを介して前記貯液槽と接続されており、かつ
その循環ポンプによって送出された加工液を処理する処
理槽とを有し、前記処理槽の加工液内に超微細な気泡を
充満させ、その超微細な気泡によって、加工液内に含ま
れている細かい切削屑を浮上させて、液面付近で除去す
るとともに、切削屑が除去された処理槽下方の加工液
を、処理槽の外部に取り出し回収する切削屑除去装置に
ある。

【０００６】第２の発明の構成は、第１の発明におい
て、前記パイプが、多くの微細孔を有しており、かつ、
前記処理槽の底面を巡らすように敷設されていることに
ある。

【０００７】第３の発明の構成は、第１の発明、または
第２の発明において、前記処理槽に、未処理の加工液を
前記貯液槽へ返送する返送パイプが設けられていること
にある。

【０００８】

【発明の実施の態様】以下、本発明の切削屑除去装置の
一実施例を図面に基いて詳細に説明する。

【０００９】図１は、切削屑除去装置を、工作機械（図
示せず）から排出された使用済みの加工液（アルミニウ
ム切削屑等等を含んだクーラント液）を貯留する貯液槽
に接続した状態を示したものである。切削屑除去装置１
は、加工液を処理する処理槽２が、循環ポンプ３を介し
て、一定量の加工液を貯留する貯液槽４に接続されてお
り、貯液槽４から処理槽２に導かれた加工液の中からア
ルミニウム切削屑等を除去するとともに、アルミニウム
切削屑等が除去されて浄化された加工液を回収し、再利
用に供することができるようになっている。

【００１０】図２〜図５は、それぞれ、切削屑除去装置
１を斜め上方から見た状態、上方から見た状態、左側面
から見た状態、右側面から見た状態を示したものであ
り、切削屑除去装置１は、加工液を処理する処理槽２、
貯液槽４内の使用済み加工液を吸引・送出する循環ポン
プ３、循環ポンプ３によって貯液槽４から吸引された加
工液を処理槽２内に導くメインパイプ５等によって構成
されている（なお、図２、図３においては、加工液の記
載が省略されている）。

【００１１】さらに、図６は、貯液槽４内に配置された
循環ポンプ３等を示したものであり（循環ポンプ３は一
部を切断して示してある）、循環ポンプ３は、モータを
内蔵したモータ収納部３ａの前方に、エアレーション室
３ｂが連設された形状を有しており、モータ収納部３ａ
が貯液槽１の外側の基台に固着された状態で設置されて
いる。エアレーション室には、プロペラ状のフィン３ｇ
が内蔵されており、モータ収納部３ａ内のモータの回転
軸に固着された状態になっている。また、エアレーショ
ン室の前方には吸入パイプ３ｃが突設されており、その
先端部は下方に折れ曲がって、貯液槽１の液面下に没入
した状態になっている。さらに、吸入パイプ３ｃの基端
には、エア導入パイプ３ｄが接続されており、その基端
部は、フィン３ｇの中心のモータの回転軸との固着際ま
で延設された状態になっている。なお、エア導入パイプ
３ｄの先端際には、コントロールバルブ３ｅが取り付け
られている。一方、エアレーション室３ｂの上方には吐
出パイプ３ｆが突設されており、その先端はメインパイ
プ５と接続された状態になっている。

【００１２】かかる循環ポンプ３は、吸入パイプ３ｃか
ら吸引した加工液に、エア導入パイプ３ｄによって導入
した空気を混合し、エアレーション室３ｂ内でフィン３
ｇにより空気を大量の超微細な気泡（直径約２mm〜約
０．０１mm）に変え、その超微細な気泡を吐出パイプ３
ｆから加工液とともにメインパイプ５に勢い良く送出す
る機能（以下、エアレーション機能という）を有してい
る。そして、吐出パイプ３ｆから噴出された加工液が、
メインパイプ５に導かれて処理槽２内に流れ込むように
なっている。

【００１３】循環ポンプ３によって吸引された加工液が
流れ込む処理槽２は、分割板６，６・・によって、切削
屑除去室７、浄化液回収室８、切削屑上昇室９の３つに
分割されており、さらに切削屑上昇室９は、仕切板１０
によって、略Ｕ字状に仕切られている。その切削屑上昇
室９の上方から、循環ポンプ３に接続されたメインパイ
プ５が配設されており、切削屑上昇室９の底面に沿って
略Ｕ字状に敷設されている（以下、仕切板１０によっ
て、略Ｕ字状に仕切られた切削屑上昇室９の内、メイン
パイプ５の上流側を上流側上昇室９ａといい、メインパ
イプの下流側を下流側上昇室９ｂという）。なお、切削
屑上昇室９の底面に敷設されたメインパイプ５の表面に
は、多くの空気孔１１，１１・・が穿設されている。

【００１４】また、下流側上昇室９ｂのメインパイプ５
末端際には、切削屑誘導板１２、および浄化液誘導板１
３が、それぞれ上向き、および下向きの傾斜状に設けら
れている。その切削屑誘導板１２上には、回転ブラシ１
４が、メインパイプの敷設方向と略垂直な軸の回りを回
転可能に設置されており、一方、切削屑誘導板１２の下
側の部分は、浄化液誘導板１３と下流側上昇室９ｂ末端
の壁面とによって、浄化液流入室１５を形成している。
かかる浄化液流入室１５と浄化液回収室８とは、浄化液
汲出パイプ１６によって接続されている。

【００１５】なお、切削屑除去室７、浄化液回収室８、
下流側上昇室９ｂには、それぞれ排出パイプ１７、取出
パイプ１８、返送パイプ１９が接続されている。返送パ
イプ１９は貯液槽４内に導かれており、循環ポンプ３に
よって処理槽２内に加工液が過剰に流れ込んだ場合に、
バルブ１９ａを開くことによって貯液槽４に戻すことが
でき、処理槽２から加工液が溢れ出す事態を防止できる
ようになっている。

【００１６】一方、取出パイプ１８には、図７の如く構
成された濾過フィルタ２０が接続されている。濾過フィ
ルタ２０は、円筒形状を有する本体部２０ａと蓋部２０
ｂとからなり、蓋部２０ｂの端縁に穿設された導入口２
０ｃに取出パイプ１８が接続されている。本体部２０ａ
内には、板状金属フィルタの捲回積層物層２０ｄが設け
られており、その捲回積層物層２０ｄと本体部２０ａの
内壁との間には、セラミック粒子層２０ｅが設けられて
いる。また、本体部２０ａの底面２０ｆには、導出パイ
プ２０ｇが接続されており、その導出パイプ２０ｇの先
端は回収タンク（図示せず）へと導かれている。

【００１７】以下、切削屑除去装置１の作動内容につい
て説明する。

【００１８】循環ポンプ３の電源を投入すると、貯液槽
４内にある加工液が吸引されるとともに、その加工液の
内部に超微細な気泡（直径約２mm〜０．０１mm）が混入
される。気泡が混入された加工液は、メインパイプ５を
通って、処理槽２内に導入される。導入された加工液
は、処理槽２の切削屑上昇室９に敷設されたメインパイ
プ５内を末端方向に向かって流れるが（図１等における
矢印ａの方向）、この際、メインパイプ５に穿設された
空気孔１１，１１・・から超微細な気泡Ａ，Ａ・・とと
もに徐々に流出する。このため、処理槽２を満たした加
工液は、上流側上昇室９ａから下流側上昇室９ｂの方向
の流れを伴ったものとなり、また、加工液内に含まれて
いるアルミニウム切削屑等Ｆ，Ｆ・・は、超微細な気泡
Ａ，Ａ・・とともに次第に水面まで浮上する。

【００１９】加工液の流れにしたがって押し流され、か
つ、超微細な気泡Ａ，Ａ・・に伴って水面近傍まで浮上
したアルミニウム切削屑等Ｆ，Ｆ・・は、やがて切削屑
誘導板１２上まで導かれる。そして、切削屑誘導板１２
上に設けられた回転ブラシ１４によって、切削屑除去室
７に掃き出される。掃き出されたアルミニウム切削屑等
Ｆ，Ｆ・・は、一緒に掃き出された少量の加工液ととも
に、排出パイプ１７を通って、処理槽２の外部に排出さ
れ、廃棄される。

【００２０】一方、アルミニウム切削屑等が浮上して取
り除かれた加工液は、流れにしたがって浄化液流入室１
５内へと導かれる。そして、浄化液流入室１５内へ導か
れた加工液は、浄化液汲出パイプ１６によって浄化液回
収室８へと導かれ、浄化液回収室８の下側に接続された
取出パイプ１８から濾過フィルタ２０へ導かれる。な
お、浄化液回収室８内の浄化液汲出パイプ１６先端は上
向きになっており、浄化液流入室１５から浄化液回収室
８に流れる加工液量を調整できるようになっている。

【００２１】取出パイプ１８から濾過フィルタ２０へ導
かれた加工液は、蓋部２０ｂに穿設された導入口２０ｃ
から本体部２０ａ内に導かれる。そして、セラミック粒
子層２０ｅを通過した後、金属フィルタからなる捲回積
層物層２０ｄを通過し、残留している僅かなアルミニウ
ム切削屑等が全て除去され、しかる後、底面２０ｆに接
続された導出パイプ２０ｇから回収タンクへと導かれ
て、再利用に供される。

【００２２】切削屑除去装置１は上記の如く構成されて
いるため、加工液内に含まれるアルミニウム切削屑等
Ｆ，Ｆ・・を非常に効率良く除去することができ、加工
液の再利用がきわめて容易なものとなる。また、加工液
内には、超微細な気泡が充満するため、活性化が図ら
れ、腐敗を起こすこともない。

【００２３】本発明における最も重要なポイントは、循
環ポンプ３で形成される気泡Ａ，Ａ・・の大きさ、およ
びその量にある。コントロールバルブ３ｅの開度、フィ
ン３ｇの回転数、メインパイプ５の空気孔１１，１１・
・の大きさ等を調整することによって、直径が約２mm〜
約０．０１mmの超微細な気泡を勢い良く大量に放出され
ることができれば、かかる気泡によって、アルミニウム
切削屑等を効率よく浮上させ得るのである。

【００２４】なお、本発明の切削屑除去装置の構成は、
上記した実施例の態様に何ら限定されるものではなく、
循環ポンプの形状・構造、設置位置、設置個数、処理槽
の形状・構造、メインパイプの形状・構造、配設態様、
各種パイプの配設態様、濾過フィルタの形状・構造、設
置位置、設置個数等を必要に応じて適宜変更することが
でき、たとえば、処理槽内の適宜位置（たとえば上流側
上昇室等）に別の循環ポンプを独立に設置し、エアレー
ション機能をさらに増加するように構成することも可能
である。また、本発明の切削屑除去装置は、上記の如き
機構で切削屑回収機能を発現するものであるので、切削
屑がアルミニウム切削屑である場合のみならず、他の種
類の切削屑である場合においても、優れた切削屑回収機
能を発現することができる。

【００２５】また、上記実施例においては、工作機械か
ら排出された使用済みのクーラント液中のアルミニウム
切削屑等の除去に、本発明の切削除去装置を利用した例
について説明したが、本発明の切削除去装置は、使用済
みのクーラント液等の加工液中の切削屑の除去ばかりで
なく、工場廃水からの汚泥等の除去、プールあるいは池
等に発生した藻やアオコ等の除去、有機溶剤あるいは水
中に分散した塗料等の除去、水中に分散した油分の除去
等種々の用途に応用することができる。

【００２６】

【発明の効果】第１の発明によれば、超微細な気泡にと
もなって浮上した加工液中の切削屑が液面付近で除去さ
れるとともに、その切削屑が除去された加工液が処理槽
の外部に取り出し回収されて再利用に供されるので、加
工液中の切削屑を非常に効率良く除去することができ、
加工液の再利用がきわめて容易なものとなる。さらに、
加工液内には、超微細な気泡が充満し、活性化が図ら
れ、腐敗を起こさないので、加工液が悪臭を発生させた
りしないし、加工液のリサイクル使用回数も増大する。

【００２７】また、第２の発明によれば、多くの微細孔
を有し、かつ、処理槽の底面を巡らすように敷設された
メインパイプによって、切削屑を浮上させる気泡を適当
な大きさ、かつ、適当な量に調整し易いので、第１の発
明の切削屑回収機能が一層効果的なものとなる。

【００２８】さらに、第３の発明によれば、循環ポンプ
により処理槽内に加工液が過剰に流れ込んだ場合に、返
送パイプによって、その過剰な加工液を貯液槽に戻すこ
とができるので、第１の発明、第２の発明の切削屑回収
機能が一層保証されたものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】切削屑除去装置が貯液槽に接続された状態を示
す説明図である。

【図２】切削屑除去装置を斜めから見た状態を示す説明
図である。

【図３】切削屑除去装置の処理槽を上から見た状態を示
す説明図である。

【図４】切削屑除去装置の処理槽の右側面を示す説明図
である。

【図５】切削屑除去装置の処理槽の左側面を示す説明図
である。

【図６】貯液槽内に配置された循環ポンプ等を示す説明
図である。

【図７】濾過フィルタを示す説明図である。

【符号の説明】

１・・切削屑除去装置、２・・処理槽、３・・循環ポン
プ、３ａ・・モータ収納部、３ｂ・・エアレーション
室、３ｃ・・吸入パイプ、３ｄ・・導入パイプ、３ｅ・
・コントロールバルブ、３ｆ・・吐出パイプ、３ｇ・・
フィン、４・・貯液槽、５・・メインパイプ、６・・分
割板、７・・切削屑除去室、８・・浄化液回収室、９・
・切削屑上昇室、９ａ・・上流側上昇室、９ｂ・・下流
側上昇室、１０・・仕切板、１１・・空気孔、１２・・
切削屑誘導板、１３・・浄化液誘導板、１４・・回転ブ
ラシ、１５・・浄化液流入室、１６・・浄化液汲出パイ
プ、１７・・排出パイプ、１８・・取出パイプ、１９・
・返送パイプ、２０・・濾過フィルタ、２０ａ・・本体
部、２０ｂ・・蓋部、２０ｃ・・導入口、２０ｄ・・捲
回積層物層、２０ｅ・・セラミック粒子層、２０ｆ・・
底面、２０ｇ・・導出パイプ、Ｌ・・加工液、Ａ・・気
泡、Ｆ・・アルミニウム切削屑等。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも、切削屑を含んだ加工液を貯留する貯液槽内の加工液を吸
引して空気を混合し、大量の超微細な気泡とともに送出
する循環ポンプと、前記循環ポンプを介して前記貯液槽と接続されており、
かつその循環ポンプによって送出された加工液を処理す
る処理槽とを有し、前記処理槽の加工液内に超微細な気泡を充満させ、その
超微細な気泡によって、加工液内に含まれている細かい
切削屑を浮上させて、液面付近で除去するとともに、切削屑が除去された処理槽下方の加工液を、処理槽の外
部に取り出し回収することを特徴とする切削屑除去装
置。
【請求項２】前記パイプが、多くの微細孔を有してお
り、かつ、前記処理槽の底面を巡らすように敷設されて
いることを特徴とする請求項１に記載の切削屑除去装
置。
【請求項３】前記処理槽に、未処理の加工液を前記貯
液槽へ返送する返送パイプが設けられていることを特徴
とする請求項１、または２に記載の切削屑除去装置。