JPH0762817B2 - ペングリップ式入力装置 - Google Patents

ペングリップ式入力装置

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JPH0762817B2
JPH0762817B2 JP28579092A JP28579092A JPH0762817B2 JP H0762817 B2 JPH0762817 B2 JP H0762817B2 JP 28579092 A JP28579092 A JP 28579092A JP 28579092 A JP28579092 A JP 28579092A JP H0762817 B2 JPH0762817 B2 JP H0762817B2
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pen
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input
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一輝 川端
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日本ネサマック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は文字入力装置に関する
ものであり、特に、手書きの文字、記号等を記入と同時
に正確に認識して入力することができる入力装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】原稿等に記載された文字を正しく認識し
て入力するために、OCR(光学式文字読取装置)が利
用されている。OCRを使用すると、キーボード等の入
力装置を用いて手入力作業を行うことなく、文字を入力
することができる。
【0003】例えば、英字原稿を入力する場合、キーボ
ードを使用した手入力では、入力者は原稿中の英文字を
読み取り、読み取った英文字をキーボードから手作業で
入力する必要がある。この際、英字原稿の読み取りスピ
ードやキーボードからの入力スピードは、入力者の英語
力やキーボード操作能力により大きく左右される。
【0004】これに対し、OCRを利用した入力では、
まず、英字原稿がスキャナ等の光学式装置によって画像
情報として読み取られる。この後、所定のプログラムに
したがってCPUによる画像情報の解析が行われ、画像
として読み取られた情報が特定の文字として認識され
る。認識された文字は装置内に取込まれるため、手入力
作業は不要になる。したがって、入力者の英語力やキー
ボード操作能力に左右されずに、文字の入力を行うこと
ができる。
【0005】OCRは文字に限らず、数字や記号等も認
識することができる。このため、文字の認識・入力の他
にも、はがきや手紙に記入された郵便番号の認識(数字
の認識)、試験の採点(記号、数字の認識)等にも利用
されている。
【0006】一方、OCRとは異なり、ペン入力装置の
ように、液晶画面の上で専用の電子ペンを用いて記入を
行うと、記入された文字等が認識されて入力される入力
装置もある。ペン入力装置では、文字を記入すると同時
に入力が行われるため、OCRにように改めてスキャナ
ー等を用いて認識作業を行う必要がない。また、キーボ
ードからの入力も不要であるため、迅速な入力装置とし
て有用性が注目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の入力装置においては、次のような問題があ
った。
【0008】OCRでは光学式の読み取りが行われるた
め、文字等が記入されている原稿の状態が問題になる。
例えば、OCRを利用した試験の採点では、「○、×」
等の採点記号や点数が問題文に重なって記入されている
場合には、正しく認識作業を行うことができない。
【0009】この問題を避けるために、問題文と別箇所
に採点欄を設けてここに採点記号や点数を記入するよう
にし、この採点欄だけをOCRを使用して認識するよう
にしても良い。しかしながら、この場合には常に採点欄
を設ける必要があり、OCRに読み取り箇所を登録する
必要もあるため、認識作業を行う以前での準備が煩雑に
なる。
【0010】さらに、消しゴム等による消し痕、インク
類のもれ・にじみ、問題用紙の破損・しわ等がある場合
にも認識が不充分になる。
【0011】また、次のような問題がある。採点した後
に、あらためてOCRを稼働させて認識作業に入るた
め、採点作業と並行して迅速に入力を行うことができな
かった。
【0012】一方、ペン入力装置では、データ入力が専
用の電子ペン、液晶パネル等を用いて行われるため、認
識作業を行う上では、既存のハードウェアを利用するこ
とができず、専用のコンピュータシステムが必要になっ
ていた。また、このため、製品が高価格になっていた。
【0013】この発明は、上記のような問題を解決し
て、光学式文字読取装置あるいはキーボード等の入力装
置を用いることなく、手書きの文字を記入と同時に正確
に認識して入力することができる入力装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のペングリップ
式入力装置は、筆記具の周辺部に筆記者の少なくとも2
以上の指に対応して設けられ、各指の圧力変化を検出す
る少なくとも2以上の圧力検出手段、筆記具の周辺部を
取囲むように設けられた少なくとも3以上の重力方向検
出手段、前記重力方向検出手段からの出力に基づいて筆
記具の保持状態を認識する保持状態認識手段、前記保持
状態認識手段の出力に基づいて各圧力検出手段の出力が
筆記者のどの指に対応するものであるかを判断するとと
もに、各圧力検出手段からの出力に基づいて単位波形を
作成して波形特性を分析し、予め学習され記憶された当
該筆記者の文字、数字、図形、記号の波形特性と比較照
合することにより、筆記者によって記入された文字、数
字、図形、記号を認識する解析手段、を備えたことを特
徴とする。
【0015】請求項2のペングリップ式補助入力装置
は、重力によって内部の移動体が一端側に移動した場合
と、他端側に移動した場合とで異なる出力を出す重力方
向検出手段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸方向にほ
ぼ垂直となるように、該入力用ペンの周辺に複数個配置
し、前記重力方向検出手段の出力に基づいてペン入力装
置の機能を選択する機能選択手段を備えたことを特徴と
している。
【0016】請求項3の入力装置は、筆記具、筆記具の
周辺部に筆記者の少なくとも2以上の指に対応して設け
られ、各指の圧力変化を検出する少なくとも2以上の圧
力検出手段、筆記具の周辺部を取囲むように設けられた
少なくとも3以上の重力方向検出手段、前記重力方向検
出手段からの出力に基づいて筆記具の保持状態を認識す
る保持状態認識手段、前記保持状態認識手段の出力に基
づいて各圧力検出手段の出力が筆記者のどの指に対応す
るものであるかを判断するとともに、各圧力検出手段か
らの出力に基づいて単位波形を作成して波形特性を分析
し、予め学習され記憶された当該筆記者の文字、数字、
図形、記号の波形特性と比較照合することにより、筆記
者によって記入された文字、数字、図形、記号を認識す
る解析手段、を備えたことを特徴とする。
【0017】請求項4の補助入力装置は、重力によって
内部の移動体が一端側に移動した場合と、他端側に移動
した場合とで異なる出力を出す重力方向検出手段を、ペ
ン入力装置の入力用ペンの軸方向にほぼ垂直となるよう
に、該入力用ペンの周辺に複数個配置し、前記重力方向
検出手段の出力に基づいてペン入力装置の機能を選択す
る機能選択手段を備えたことを特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1のペングリップ式入力装置において
は、筆記具の周辺部に設けられた圧力検出手段により、
筆記具を使用して文字等を記入する際に、筆記具に加わ
る筆記者の指の圧力を継続的に検知する。これにより、
筆記者の筆運びに応じた指の圧力変化が測定される。
【0019】また、保持状態認識手段は、筆記具の周辺
部を取囲むように設けられた重力方向検出手段から出力
を得て筆記具の保持状態を認識する。
【0020】さらに、解析手段は、前記保持状態認識手
段の出力に基づいて、各圧力検出手段が筆記者のどの指
に対応するものであるかを判断する。引続き、前記圧力
検出手段からの出力に基づいて1個の文字等に相当する
単位波形を作成するとともに、単位波形の波形特性を分
析する。これにより、筆記具の保持状態に影響されるこ
となく、筆記者が手書きした文字等の特徴が明らかにな
る。
【0021】この後、記入文字等の波形特性は、予め学
習・記憶された当該筆記者の各種文字等の波形特性と比
較照合される。したがって、筆記者が手書きした文字等
が正しく認識される。
【0022】請求項2のペングリップ式補助入力装置に
おいては、重力によって内部の移動体が一端側に移動し
た場合と、他端側に移動した場合とで異なる出力を出す
重力方向検出手段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸方
向にほぼ垂直となるように、該入力用ペンの周辺に複数
個配置している。したがって、入力用ペンの傾き(ペン
軸を中心にした回転角度)を検出することができる。さ
らに、この検出内容に基づいて、ペン入力装置の複数の
機能を選択することができる。したがって、簡易な構造
により、入力用ペンの回転角度を変えるだけで、複数の
機能を選択することができる。さらに、ペングリップ式
であるから、入力用ペンに取り付けて使用することがで
きる。
【0023】請求項3の入力装置においては、筆記具と
圧力検出手段および重力方向検出手段が一体になって形
成されている。したがって、入力前の準備として圧力検
出手段および重力方向検出手段を筆記具に取り付ける必
要がなく、簡便に用いることができる。
【0024】請求項4の補助入力装置においては、重力
によって内部の移動体が一端側に移動した場合と、他端
側に移動した場合とで異なる出力を出す重力方向検出手
段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸方向にほぼ垂直と
なるように、該入力用ペンの周辺に複数個配置してい
る。したがって、入力用ペンの傾き(ペン軸を中心にし
た回転角度)を検出することができる。さらに、この検
出内容に基づいて、ペン入力装置の複数の機能を選択す
ることができる。したがって、簡易な構造により、入力
用ペンの回転角度を変えるだけで、複数の機能を選択す
ることができる。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例によるペングリップ式入
力装置について図面に基づいて説明する。
【0026】図1は、ペングリップ式入力装置の構成を
表わすブロック図である。ペングリップ2は、筆記具に
装着される。この筆記具を使用して「あいうえお」等の
文字、「123」等の数字、「○×△□」等の図形、
「+−」等の記号を記入する際に、圧力検出手段4、
5、6は筆記具に加わる指の圧力を測定する。圧力検出
手段4は中指の圧力を測定し、圧力検出手段5は人差し
指の圧力を測定し、圧力検出手段6は親指の圧力を測定
する。
【0027】圧力検出手段4、5、6で測定された圧力
は電気信号に変換され、波形として解析手段14に与えら
れる。解析手段14は与えられた波形を解析して、波形が
いずれの文字等に相当するかを判断する。解析手段14に
は、個別の文字等毎に波形の特徴を表す波形特性16が予
め学習されて記憶されている。与えられた波形は1個の
文字等に相当する単位波形に区分され、予め記憶された
各文字等の波形特性と比較照合される。
【0028】なお、ペングリップ2の持ち方を変えると
圧力検出手段4、5、6と各指の対応関係が変化する。
そこで、重力方向検出手段8、9、10と保持状態認識手
段12によって対応関係を補正する。重力方向検出手段
8、9、10は重力の方向を検知するためのセンサで、こ
の実施例では水銀スイッチが使用されている。圧力検出
手段4、5、6と同一面上に設けられており、面の傾き
に応じてONまたはOFFになる。保持状態認識手段12
は、全ての重力方向検出手段8、9、10の状態を総合的
に判断して、圧力検出手段4、5、6がどの指に対応し
ているかを決定する。
【0029】ペングリップ2の具体的な構造を図2に基
づいて説明する。ペングリップ2は、三角柱状の支持体
24と支持体24上に取り付けられた圧力検出手段である磁
気センサ28a、28b、28cおよび水銀スイッチ29a、29b、2
9cで構成される。磁気センサ28a、28b、28cには、磁気
抵抗素子が使用されている。支持体24は、ボールペン、
サインペン、鉛筆、万年筆等の筆記具26に装着すること
ができるように中空になっている。磁気センサ28a、28
b、28cは、支持体24の異なる3つの外面上に各々1個ず
つ取り付けらている。磁気センサ28aは、図3に示すよ
うに、磁気抵抗素子30をシリコンラバー32とマグネット
シート34で覆ったものである。指の圧力は、矢印Y1の方
向に加わる。磁気センサ28b、28cも磁気センサ28aと同
様の構造を持つ。
【0030】水銀スイッチ29a、29b、29cも、支持体24
の異なる3つの外面上に各々1個ずつ取り付けらてい
る。水銀スイッチ29aは、図4に示すように、2本のリ
ード線35のついたガラス容器36の中に水銀38を封入した
ものである。水銀38はガラス容器36の中を自由に移動す
ることができる。図4Aの状態の時には2本のリード線
35が水銀38によってつながるため、スイッチとして機能
する。水銀スイッチ29b、水銀スイッチ29cも水銀
スイッチ29aと同様の構造を持つ。
【0031】図1の各ブロックの機能を、CPUを用い
て実現した場合のハードウェア構成の一例を図5に示
す。CPU40には、磁気センサ28a、28b、28c、水銀ス
イッチ29a、29b、29c、ROM42、RAM44、データデ
ィスク45、キーボード46、CRT48、プリンタ49が接続
されている。CPU40は、ROM42に格納されたプログ
ラムにしたがって各部を制御する。
【0032】ROM42もしくはRAM44に格納されてい
るプログラムには、記入された文字を認識する方法を定
めたプログラム等がある。RAM44は、磁気センサ28
a、28b、28cからの出力、記入文字の波形特性等を記憶
する。水銀スイッチ29a、29b、29cの出力もRAM44に
記憶される。データディスク45は、予め学習された波形
特性等を記憶する。キーボード46は、認識作業を進める
上でコマンド入力が必要な場合に、コマンドを入力する
のに使用される。CRT48は認識作業を進める上で必要
な画面を表示する。プリンタ49は認識された文字等を記
録紙に印刷する。
【0033】次に、ペングリップ式入力装置を用いた文
字等の入力・認識方法について、記号の「○」、「/」
(スラッシュ)および数字の「1」から「9」までを記
入する場合を例にして説明する(以下の説明では、記号
の「○」、「/」および数字の「1」から「9」までを
記号・数字とする)。筆記具にペングリップ2を装着
し、ペングリップ2の部分を中指、人差し指、親指で支
えて記号・数字の記入を行う。
【0034】この際、3本の指がそれぞれ異なる3個の
磁気センサ28a、28b、28cに触れるようにする。指と磁
気センサ28a、28b、28cの対応関係は任意で良い。例え
ば、中指が磁気センサ28aに、人差し指が磁気センサ28b
に、親指が磁気センサ28cにそれぞれ触れるようにして
も良いし、中指が磁気センサ28bに、人差し指が磁気セ
ンサ28cに、親指が磁気センサ28aにそれぞれ触れるよう
にしても良い。
【0035】このペングリップ式入力装置による認識作
業においては、まず最初に、磁気センサ28a、28b、28c
と中指、人差し指、親指の対応関係が次のようにして求
められる。
【0036】ペングリップを装着した筆記具を掌中に保
持している状態を保持状態と定義し、保持状態を図6の
保持状態A、保持状態B、保持状態Cに区分する。保持
状態Aは、水銀スイッチ29aがON、水銀スイッチ29bが
OFFになった状態である。水銀スイッチ29cはペング
リップのわずかな傾きでON、OFFいずれにもなる。
この場合を−で表わすと、上記の保持状態A、B、Cに
ついて、各水銀スイッチ29a、29b、29cのON、OFF
は図7のようになる。
【0037】筆記者の掌中に保持されているペングリッ
プが保持状態A、B、Cのいずれであるかを判別するた
めに、3個の水銀スイッチのON、OFFを求め、下記
のルールにしたがって判断する。すなわち、 水銀スイッチ29aがONの時、水銀スイッチ29bがOFF
なら保持状態A…(1) 水銀スイッチ29aがONの時、水銀スイッチ29bがON、
かつ、水銀スイッチ29cがOFFなら保持状態C…
(2) 水銀スイッチ29aがOFFの時、水銀スイッチ29cがON
なら保持状態B…(3) 水銀スイッチ29aがOFFの時、水銀スイッチ29cがOF
F、かつ、水銀スイッチ29bがONなら保持状態C…
(4) なお、これ以外の場合は、通常の記入状態ではないもの
と見なす。
【0038】水銀スイッチ29a、29b、29cのON、OF
Fに関する情報はCPU40に与えられる。CPU40は上
記のルールに沿ってペングリップ2の保持状態を求めた
後、図8に基づいて磁気センサ28a、28b、28cと中指、
人差し指、親指の対応関係を求める。求められた対応関
係はRAM44に記憶される。
【0039】磁気センサ28a、28b、28cと中指、人差し
指、親指の対応関係が明確になると、次に、記入された
記号・数字の特徴を解析する作業に進む。この解析作業
は下記のようにして行われる。
【0040】記入される記号・数字の違いにより、記入
に要する時間(すなわち磁気センサ28a、28b、28cに圧
力を加えている時間)や指の圧力が変化する。例えば、
数字の「5」は数字の「1」に比べて記入に要する時間
が長く、中指、人差し指、親指の各指に加わる圧力は変
化に富んでいる。
【0041】磁気センサ28a、28b、28cは、これらの圧
力変化を電気的変化として検出することができる。図9
は、ある1個の記号・数字が書かれた際に、磁気センサ
28a、28b、28cで検出された中指(A)、人差し指
(B)、親指(C)の圧力変化を示す図である。圧力変
化のパターンは、指によって異なっている。
【0042】磁気センサ28a、28b、28cから出力された
電気的変化は、図10に示すアダプタ50を用いてデジタ
ル処理され、電圧変化に変換される。アダプタ50は、ア
ンプ51a、51b、51c、アナログマルチプレクサ52、クロ
ック制御回路54、A/D変換回路56、パラレル・シリア
ル変換回路58により構成される。
【0043】アンプ51a、51b、51cは、オフセットなら
びにゲイン調節等のアナログ処理を行い、磁気センサ28
a、28b、28cの出力を電圧変化に変換する。クロック制
御回路54のクロック信号によりアナログマルチプレクサ
52に入る磁気センサ28a、28b、28cが逐次選択され、ア
ンプ51a、51b、51cの出力電圧がA/D変換回路56に加
えられる。
【0044】A/D変換回路56はクロック(サンプリン
グパルス)によって一定時間電圧をホールドし、入力電
圧値をデジタル信号として出力する。パラレル・シリア
ル変換回路58は、その時点で選択されている磁気センサ
28a、28b、28cと電圧値をシリアルデータに変換してC
PU40に送信する。CPU40は、受信したデータを磁気
センサ28a、28b、28c毎にRAM44に記憶する。
【0045】CPU40による解析方法を説明する。CP
U40はRAM44に記憶されたデータを読み出して、指と
の対応関係を明確にしながら磁気センサ28a、28b、28c
の出力を再現する。このようにして再現された中指の再
現波形L3の一例を図11に示す。再現波形L3は、サンプ
リングパルスに基づいて得た電圧値T1…TNを結ぶことに
より形成される。縦線L4はサンプリングパルスのパルス
間隔を示す。なお、1個の記号・数字を記入した場合、
各磁気センサ28a、28b、28cからの出力に対応して、再
現波形L3は3本得られる。
【0046】再現波形L3は、必ずしも1個の記号・数字
に対応するものではなく、筆記された記号・数字の個数
に対応して長くなる。そこで、再現波形L3を1個の記号
・数字に対応させる必要がある。そのためにまず、再現
波形L3を、筆記具を保持しているが記入は行っていない
非記入状態と、筆記具で記入を行った記入状態に区別す
る。
【0047】再現波形L3を、非記入状態を表す非記入型
波形L5と記入状態を表す記入型波形L6に区別する方法
を、図12に基づいて説明する。この区別は、当該波形
の電圧値を所定のしきい値Vthと比較することにより行
う。当該波形の電圧値がしきい値Vthを上回る場合に
は、同波形は記入状態を表わすものと判断される。一
方、当該波形の電圧値がしきい値Vthを下回る場合に
は、同波形は非記入状態を表わしていると判断される。
【0048】この実施例では、しきい値Vthを1.5ボ
ルトに設定している。したがって、電圧値が1.5ボル
ト未満であれば非記入型波形L5に区分される。記入型波
形L6は1.5ボルトから6ボルトの間の電圧変化として
検出されている。一般に、非記入状態では筆圧をあまり
加えていないため、波形には変化が少なく電圧値は低
い。一方、記入状態では、電圧値が記入開始とともに急
激に増加し、筆運びに応じて複雑に変化する。
【0049】次に、記入型波形L6について、時間補正と
スムージングを行う。時間補正は記入時間の差異を補正
するための処理で、記入型波形L6を16の区間K1…K16
に区切る。こうして形成された区間K1…K16が波形特性
を分析する上での基本単位になる。なお、記入時間が所
定の値よりも短い(サンプリングパルスの数が少ない)
場合には、記入型波形L6は8の区間K1…K8に区切られ
る。
【0050】スムージングは微小な電圧変化を除去して
波形を滑らかにするための処理で、電圧の移動平均を求
めて電圧変化を移動平均線で表すようにしたものであ
る。このようにして、記入型波形L6に時間補正とスムー
ジングを施すことにより、図13に示す単位波形L7が得
られる。なお、1個の記号・数字を記入した場合、各磁
気センサ28a、28b、28cからの出力に対応して、単位波
形L7は3本得られる。
【0051】さらに、単位波形L7の波形特性を求める。
波形特性とは波形の特徴を表す指標で、記入時間、山の
数、谷の数、ピークの位置、ボトムの位置、記号化増減
パターン、記号化変化パターンである。ここで、「山」
および「谷」とは、単位波形L7のそれぞれ凸形および凹
形になった変極点を指し、「ピーク」および「ボトム」
とは、それぞれ最も高い山および最も低い谷を指す。こ
れらの波形特性について説明する。
【0052】記入時間は、1個の記号・数字の記入に要
した時間で、単位波形L7の形成に要したサンプリングパ
ルスの数で表す。
【0053】山の数、谷の数は、それぞれ凸形および凹
形になった変極点の数である。図13の単位波形L7の山
の数は2、谷の数は1である。
【0054】ピークの位置、ボトムの位置は、それぞれ
凸形および凹形になった変極点が存在する区間K1…K16
である。図13の単位波形L7のピークの位置は区間K1
2、ボトムの位置は区間K7である。
【0055】記号化増減パターンは、各区間K1…K16内
での電圧の増減を、区間K1から区間K16の順に16桁の
記号の列として表現したものである。記号化は図14に
示す基準に基づいて行われる。例えば、図13の単位波
形L7において、区間K1内では電圧が0.09ボルト増加
しているので、区間K1の増減パターンは記号Cで表され
る。したがって、単位波形L7の記号化増減パターンは、
CBCDNNODCCCDONLMになる。なお、単位
波形L7が8区間K1…K8である場合には、記号化増減パタ
ーンは、区間K1から区間K8の順に8桁の記号の列として
表現される。
【0056】記号化変化パターンは、各区間K1…K16の
電圧変化のパターンについて、区間K1から区間K16の順
に16桁の記号の列で表現したものである。記号化は図
15に示す基準に基づいて行われる。例えば、図13の
単位波形L7において、最初に電圧増加する区間は区間K1
なので、区間K1が記号Sで表される。また、ピークの位
置は区間K12なので、区間K12が記号Xで表される。した
がって、単位波形L7の記号化変化パターンは、S△△*
△△N△△△△X△△△△になる。なお、単位波形L7が
8区間K1…K8である場合には、記号化変化パターンは、
区間K1から区間K8の順に8桁の記号の列として表現され
る。
【0057】以上の処理によって求められた波形特性
が、予め学習・記憶された「○」、「/」および「0」
から「9」までの各記号・数字の波形特性と比較照合さ
れる。これらの各記号・数字の波形特性の学習と記憶に
ついて以下に説明する。
【0058】波形特性の学習と記憶は、認識作業の前に
行われる。筆記者はペングリップ2を用いて「○」、
「/」および「0」から「9」までの各記号・数字につ
き10回ずつ記入を行う。記入された記号・数字は分析
されて、各記号・数字の波形特性がデータディスク45に
記憶される。なお、この場合についても、3本の指と磁
気センサ28a、28b、28cの対応関係は任意で良い。
【0059】記入時間については、1個の記号・数字の
記入開始から記入終了までの平均記入時間、最長記入時
間、最短記入時間がサンプリングパルス数で記憶され
る。図16に、記憶されたデータの一例を示す。
【0060】山の数については、1字中に出現した山の
数が図17のような表の形式で記憶される(データは
「○」、「/」および「0」から「9」までの各記号・
数字につき記憶される)。この表は、例えば数字の
「1」を記入した場合に、親指をモニターする磁気セン
サ(磁気センサ28a、28b、28cのいずれか)では、1字
中に出現した山の数が1個であるのは10回の試行中8
回で、山が0個であるのは10回の試行中2回であるこ
とを表している。谷の数についても同様に記憶される。
図18に、記憶されたデータの一例を示す。
【0061】ピークの位置については、山が存在する区
間K1…K16が図19のような表の形式で記憶される(デ
ータは「○」、「/」および「0」から「9」までの各
記号・数字につき記憶される)。この表は、例えば数字
の「1」を記入した場合に、親指をモニターする磁気セ
ンサ(磁気センサ28a、28b、28cのいずれか)では、ピ
ークの位置が区間K4であるのは10回の試行中5回で、
区間K3であるのは10回の試行中2回、区間K2、区間K1
0、区間K12であるのはそれぞれ10回の試行中1回であ
ることを表している。ボトムの位置についても同様に記
憶される。図20に、記憶されたデータの一例を示す。
【0062】記号化増減パターンと記号化変化パターン
については、10回の試行結果が図21のような表形式
で記憶される(データは「○」、「/」および「0」か
ら「9」までの各記号・数字につき記憶される)。
【0063】記入された記号・数字の波形特性を、予め
学習・記憶された波形特性と比較照合する方法につい
て、図22に基づいて説明する。学習により得られた
「○」、「/」および「0」から「9」までの各記号・
数字の波形特性がデータディスク45に記憶されており、
そのデータを読み込んでRAM44に格納する(ステップ
S1)。
【0064】ペングリップ2を装着した筆記具を使用し
て記号・数字が1字記入されると(ステップS2)、水
銀スイッチ29a、29b、29cの出力を基に磁気センサと28
a、28b、28cと指の対応関係が求められる(ステップS
2.5)。次に、磁気センサ28a、28b、28cからの出力
を基に単位波形L7が作成される。単位波形L7の波形特性
が分析され、記入時間、山の数、谷の数、ピークの位
置、ボトムの位置、記号化増減パターン、記号化変化パ
ターンが求められる(ステップS4)。
【0065】比較照合は、図23の評価テーブルに記さ
れた各項目について行われる。まず、記入時間の評価が
行われる(ステップS6)。単位波形L7の記入時間(サ
ンプリングパルス数)を「○」、「/」および「0」か
ら「9」までの各記号・数字の学習データと比較し、平
均値±3の範囲内であれば0.9点の評価点を与える。
例えば、数字の「3」と「8」がこの条件を満たす場合
には、これらの数字に対して0.9点が与えられる。
【0066】また、最小値−3から平均値−3の範囲内
である場合には適合度に応じて0.1点から0.9点の
適合度得点が与えられ、最大値+3から平均値+3の範
囲内である場合には適合度に応じて0.1点から0.9
点の適合度得点が与えられる。得点は図23の評価テー
ブルの「記入時間」欄に記入される。
【0067】次に、山および谷の数の評価が行われる
(ステップS7)。評価方法を示す。中指、人差し指、
親指をモニターする各磁気センサ28a、28b、28cから得
られた単位波形L7の山の数が、それぞれ1個、2個、1
個であったとする。この山の数が図17等の学習データ
とどの程度適合するかを求めるため、適合度得点が算出
される。
【0068】数字の「1」との適合度を求める場合を例
示する。中指において、山が1個出現するのは10回の
試行中2回なので、中指における適合度得点は2(回)
/10(回)=0.2点になる。同様に、人差し指では
0/10=0点になり、親指では8/10=0.8点に
なる。
【0069】すなわち、記入された記号・数字に山がN
個出現したとすると、山の数の適合度得点は、学習デー
タにおいて山がN個出現した回数/学習データを得るた
めの試行回数で求められる。得点は、図23の評価テー
ブルの「山の数」欄に記入される。
【0070】谷の数についても同様に評価が行われる。
すなわち、記入された記号・数字に谷がN個出現したと
すると、谷の数の適合度得点は、学習データにおいて谷
がN個出現した回数/学習データを得るための試行回数
で求められる。得点は、図23の評価テーブルの「谷の
数」欄に記入される。
【0071】次に、ピークおよびボトムの位置の評価が
行われる(ステップS8)。評価方法を示す。中指、人
差し指、親指をモニターする各磁気センサ28a、28b、28
cから得られた単位波形L7のピークの位置が、それぞれ
区間K7、区間K4、区間K12であったとする。このピーク
の位置が図19等の学習データとどの程度適合するかを
求めるため、適合度得点が算出される。
【0072】数字の「1」との適合度を求める場合を例
示する。中指において、ピークの位置が区間K7になるの
は10回の試行中2回なので、中指における適合度得点
は2(回)/10(回)=0.2点になる。同様に、人
差し指では5/10=0.5点になり、親指では1/1
0=0.1点になる。
【0073】すなわち、記入された記号・数字のピーク
の位置が区間KNであると、ピークの位置の適合度得点
は、学習データにおいてピークの位置が区間KNである回
数/学習データを得るための試行回数で求められる。得
点は、図23の評価テーブルの「ピークの位置」欄に記
入される。
【0074】ボトムの位置についても同様に評価が行わ
れる。すなわち、記入された記号・数字のボトムの位置
が区間KNであると、ボトムの位置の適合度得点は、学習
データにおいてボトムの位置が区間KNである回数/学習
データを得るための試行回数で求められる。得点は、図
23の評価テーブルの「ボトムの位置」欄に記入され
る。
【0075】次に、パターン適合度の評価が行われる
(ステップS9)。パターン適合度とは、記入された記
号・数字の記号化増減パターンが、学習で得た各種記号
・数字の記号化増減パターンと適合する度合いである。
この際、記入時間の評価、山および谷の数の評価、ピー
クおよびボトムの位置の評価の合計得点(後述する重み
づけがおこなわれたもの)が、最高得点よりも1点以上
低い記号・数字については、評価の対象外になる。
【0076】評価方法を示す。人差し指をモニターする
磁気センサ(磁気センサ28a、28b、28cのいずれか)か
ら得られた単位波形L7の記号化増減パターンが、BAA
ADCACAALLCCLLであったとする。この記号
化増減パターンが図21等の学習データとどの程度適合
するかを求めるため、適合度得点が算出される。
【0077】数字の「2」との適合度を求める場合を例
示する。区間K1の増減パターン(記号化増減パターンの
左端の記号)が「B」になるのは10回の試行中1回な
ので、区間K1には1(回)/10(回)=0.1点が与
えられる。同様に、区間K2には4/10=0.4点が与
えられ、区間K3は2/10=0.2点が与えられる。こ
の点数を区間K16まで求めて合計点を求め、合計点を
0.1倍して人差し指に関するパターン適合度得点とす
る。得点は、図23の評価テーブルの「パターン適合
度」欄(B)に記入される。他の指に対応する記号化増
減パターンついても同様に評価が行われる。以上で、単
位波形L7と学習データとの比較照合が終了する。
【0078】この後、図23の評価テーブル中の各得点
に対して、所定の加重値が乗じられて重みづけが行われ
る。重みづけされた評価テーブルの一例を図24に示
す。例えば、数字の「2」の記入時間の得点について
は、上記の方法で求められた適合度得点0.6点が重み
づけにより0.97倍された結果、0.58点になって
いる(0.6点×0.97=0.58)。空欄は評価の
対象にならなかった項目である。なお、加重値は当初は
1.00点に設定し、後述する基準に沿って変更する。
【0079】総合得点が最も高い記号・数字(図24の
場合は「2」)が記入された記号・数字であると判断さ
れて、CRT48に表示される(ステップS10)。ペン
グリップ式入力装置の認識結果が正しければ、記入者は
キーボード46から「Y」を入力する。これにより、CR
T48に表示された記号・数字が確定されて入力される。
誤りであれば「N」を入力し、続いて正しい記号・数字
を入力する(ステップS11、12)。
【0080】この操作により、データディスク45に記憶
されており、ステップS1で読み込まれている学習デー
タと加重値が更新される。すなわち、記入時間、山およ
び谷の数、ピークおよびボトムの位置については記憶さ
れる学習データが1回試行分だけ追加されて、11回試
行による学習データとして記憶される。パターン適合度
については、学習データの中で最も古いデータが削除さ
れ、今回の記入記号・数字に関するデータが記憶される
(ステップS13)。
【0081】加重値の変更については、次の通りであ
る。正答を導く上で貢献度の高かった項目には、現行の
加重値に0.01点が加算され、正答を導く上で貢献度
の低かった項目では、現行の加重値から0.02点が減
算される。
【0082】例えば、正答の「2」を「9」と誤認した
場合、「2」と「9」の評価テーブル中の記入時間、山
および谷の数、ピークおよびボトムの位置、パターン適
合度の得点を比較する。その中で、「2」よりも「9」
の方に得点が高かった項目について、当該項目の加重値
を0.02点減点する。記入時間がこれに該当するな
ら、この項目の加重値を現行の0.97点から0.95
点に変更する。
【0083】一方、「9」よりも「2」の方に得点が高
かった項目については、当該項目の加重値を0.01点
加点する。人差し指における山の数がこれに該当するな
ら、この項目の加重値を現行の0.93点から0.94
点に変更する。
【0084】こうして、学習データと加重値が更新され
ると、ステップS2で記入された記号・数字の1字分の
認識が終了する。更新された学習データと加重値は、デ
ータディスク45に出力される(ステップS3)。
【0085】引続いて記入する場合には、次の1字を記
入する(ステップS2)。これについても、ステップS
2.5からステップS13の一連の作業が行われ、記入
された記号・数字が認識される。以上のようにして、記
号・数字の記入と比較照合、学習データの更新が繰り返
しながら、記入された記号・数字の認識が1字毎に進め
られる。
【0086】なお、このペングリップ式入力装置におい
て、水銀スイッチ29a、29b、29cは入力機能選択手段で
あるファンクションスイッチの機能も有している。すな
わち、中指、人差し指、親指の3本の指の電圧値がいず
れもしきい値Vth未満の場合には、水銀スイッチ29a、29
b、29cはファンクションスイッチとして機能する。
【0087】ファンクションスイッチには、認識対象の
指定機能がある。この機能は、認識する対象を数字か記
号のいずれかから選択して指定する機能である。例え
ば、記号の「○」、「×」は記入されず、数字の「0」
から「9」だけが記入される場合には、認識対象を数字
だけに限定する機能である。こうすることで、学習デー
タの中から数字に関するデータだけが読み込まれ、記入
された数字の波形特性と比較照合される。
【0088】認識対象の指定機能を選択するためには、
磁気センサ28a、28b、28cから全ての指を離した上でペ
ングリップ2の持ち方を調節して、水銀スイッチ29a、2
9b、29cが保持状態Aになるようにする。これにより、
認識対象として数字が選択される。一方、水銀スイッチ
29a、29b、29cが保持状態Bになった場合には、認識対
象として記号が選択される。所望の認識対象になれば、
任意の磁気センサを1個だけ1.0秒間以上押える。C
PU40で5ボルト以上の電圧が1秒間検出されると選択
された認識対象が確定する。
【0089】上記の実施例においては、記号・数字の記
入と比較照合、学習データの更新を繰り返しながら、記
入された記号・数字の認識が1字毎に進められた。しか
しながら、複数の記号・数字を記入した後に認識作業を
まとめて行うようにしても良い。
【0090】また、上記の実施例においては、筆記者が
筆記した記号・数字を学習させ、これを学習データとし
て記憶するようにしている。しかしながら、他の実施例
では、予め多数の試験者により学習を行って学習データ
を複数パターン得るようにしておき、筆記者によって記
入された記号・数字については、どのパターンに合致す
るかを判定して最も良く合致する学習パターンを使用し
て認識作業を行うようにしても良い。
【0091】なお、上記の実施例では、記号および数字
を記入したが、文字、図形等を記入しても良い。
【0092】また、上記の実施例では、指の圧力を検知
するセンサとして磁気抵抗素子を利用した磁気センサ28
a、28b、28cを用いたが、ホール素子を利用した磁気セ
ンサを用いても良いし、圧電セラミック等の圧力セン
サ、加圧電導性ゴム、コンデンサマイクのように静電容
量もしくは電磁誘導を利用したセンサを用いても良い。
さらに、それぞれの指毎に異なるセンサを用いるように
しても良い。
【0093】なお、上記の実施例では、ペングリップ2
に磁気センサ28a、28b、28cを3個設けたが、4個以上
であっても良いし2個以下であっても良い。ペングリッ
プ2の形状や磁気センサ28a、28b、28cの設置位置につ
いても、上記実施例のみに限定されない。
【0094】また、上記の実施例では、水銀スイッチ29
a、29b、29cを設け重力方向を検出することによりペン
グリップ2の保持状態を認識するようにしているが、別
の方法によりペングリップ2の保持状態を認識するよう
にしても良い。
【0095】なお、上記の実施例では、水銀スイッチ29
a、29b、29cを3個設けたが、4個以上であっても良
い。
【0096】また、上記の実施例では、ペングリップ2
は筆記具に装着されたが、ペングリップ2は筆記具と一
体になっていても良い。
【0097】さらに、上記の実施例では、波形特性とし
て記入時間、山の数、谷の数、ピークの位置、ボトムの
位置、記号化増減パターン、記号化変化パターンが評価
されたが、この他の指標を波形特性としても良い。
【0098】なお、上記の実施例においては、ファンク
ションスイッチには認識対象の指定機能が備えられてい
た。しかしながら、ファンクションスイッチに備えられ
た機能は、これに限らず別の機能であっても良い。
【0099】次に、この発明の一実施例によるペングリ
ップ式補助入力装置を図25に示す。ペングリップ72
は、円柱上の中空の支持体74と支持体74上の外周を取囲
むように取り付けられた水銀スイッチ76で構成される。
ペングリップ72はペン入力装置の入力用ペンである電子
ペン78に装着される。
【0100】水銀スイッチ76は、図25Cに示すよう
に、リード線80…87のついたドーナツ状のガラス容器88
の中に水銀90を封入したものである。リード線80…87は
2本で1組になっており、スイッチの機能を果してい
る。各組のリード線80…87は通常はOFFであるが、電
子ペン78を回転させると、水銀90がガラス容器88の中を
移動して1組のリード線(リード線80…87のいずれか)
を繋げる。水銀によって繋がったリード線はONにな
る。図25Cの状態の時にはリード線80がONで、その
他はOFFになっている。リード線80…87のON、OF
Fは、後述する入力機能の選択に利用される。
【0101】CPUには、電子ペン78、水銀スイッチ7
6、ROM、RAM、キーボード、CRT、プリンタが
接続されており、ONになっているリード線の番号がC
PUに与えられる。
【0102】ペン入力装置の使用者は電子ペン78を用い
て入力を行う際に、ペングリップ72を電子ペン78に装着
する。電子ペン78の保持状態を変えるとONになるリー
ド線80…87が切り替わるが、これを利用して所望の入力
モードを選択する。
【0103】例えば、ペン入力装置を用いてCAD図面
の作成を行う場合、線種の切り換えに水銀スイッチ76が
使用される。電子ペン78を回転させ、水銀スイッチ76の
リード線80をONにすると細実線が選択される。同様
に、リード線81がONで太実線が、リード線82がONで
細破線が、リード線83がONで太破線が選択される。
【0104】選択されている線種は、CRTに表示され
る。キーボードのリターンキーを押すと、選択された線
種が確定する。
【0105】この実施例では、水銀スイッチ76にリード
線80…87が8組設けられたが、9組以上であっても7組
以下であっても良い。また、第一の実施例で示した形状
を有する水銀スイッチ29aを所定数だけ設けて、水銀ス
イッチ76に代えても良い。
【0106】また、上記の実施例では、ペングリップ2
は筆記具に装着されたが、ペングリップ2は筆記具と一
体になっていても良い。
【0107】さらに、上記の実施例においては、水銀ス
イッチ76には線種の切り換え機能が備えられていた。し
かしながら、水銀スイッチ76に備えられた機能は、これ
に限らず別の入力機能であっても良い。ここで、入力機
能とは、例えば、英字、かな、数字等の入力文字種の選
択機能、CRT表示色の選択機能等のような、ペン入力
装置に適用されたアプリケーションの入力機能を指す。
【0108】なお、上記の実施例においては、選択され
た入力機能を確定するためにキーボードのリターンキー
を押したが、他の操作により確定を行っても良い。ま
た、特に確定操作を行わなくても、水銀スイッチ76によ
って選択された機能がそのまま確定されても良い。
【0109】また、上記の実施例では、水銀スイッチ29
a、29b、29cの出力をアダプタ50によりシリアル変換し
てCPU40に送信したが、シリアル変換せずにバスに直
接接続しても良い。
【0110】
【発明の効果】請求項1のペングリップ式入力装置は、
圧力検出手段によって筆記具に加わる筆記者の指の圧力
変化を測定し、保持状態認識手段によって筆記具の保持
状態を認識し、解析手段によって前記圧力検出手段と指
を正しく対応付けるとともに、圧力検出手段の出力に基
づいて単位波形を作成して波形特性を分析した後、予め
学習・記憶された当該筆記者の各種文字等の波形特性と
比較照合するため、筆記者が手書きした文字等を正しく
認識する。
【0111】したがって、光学式文字読取装置(OC
R)あるいはキーボード等の入力装置を用いることな
く、手書きの文字を正確かつ迅速に認識して入力するこ
とができる。
【0112】請求項2のペングリップ式補助入力装置に
おいては、重力によって内部の移動体が一端側に移動し
た場合と、他端側に移動した場合とで異なる出力を出す
重力方向検出手段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸方
向にほぼ垂直となるように、該入力用ペンの周辺に複数
個配置している。したがって、入力用ペンの傾き(ペン
軸を中心にした回転角度)を検出することができる。さ
らに、この検出内容に基づいて、ペン入力装置の複数の
機能を選択することができる。したがって、簡易な構造
により、入力用ペンの回転角度を変えるだけで、複数の
機能を選択することができ、操作が容易である。さら
に、ペングリップ式であるから、入力用ペンに取り付け
て使用することができる。
【0113】請求項3の入力装置は、筆記具と圧力検出
手段および重力方向検出手段が一体になって形成されて
いるため、入力前の準備として圧力検出手段および重力
方向検出手段を筆記具に取り付ける必要がない。したが
って、迅速に入力操作に入ることができる。
【0114】請求項2の補助入力装置においては、重力
によって内部の移動体が一端側に移動した場合と、他端
側に移動した場合とで異なる出力を出す重力方向検出手
段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸方向にほぼ垂直と
なるように、該入力用ペンの周辺に複数個配置してい
る。したがって、入力用ペンの傾き(ペン軸を中心にし
た回転角度)を検出することができる。さらに、この検
出内容に基づいて、ペン入力装置の複数の機能を選択す
ることができる。したがって、簡易な構造により、入力
用ペンの回転角度を変えるだけで、複数の機能を選択す
ることができ、操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるペングリップ式入力
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ペングリップを示す図である。図2Aはペング
リップの斜視図、図2Bはペングリップを装着した筆記
具を示す平面図、図2Cは図2Bの線L1―L1に沿った断
面をペン先の方向から見た断面図である。
【図3】磁気センサを示す図である。図3Aは磁気セン
サの上面図、図3Bは図3Aの線L2―L2に沿った断面図
である。
【図4】水銀スイッチを示す図である。図4Aは水銀ス
イッチがONになった状態、図4Bは水銀スイッチがO
FFになった状態である。
【図5】この発明の一実施例によるペングリップ式入力
装置のハードウェア構成を示す図である。
【図6】ペングリップの保持状態と水銀スイッチのO
N、OFFを説明するための図である。図6A、B、C
はそれぞれ図2Bの線L8―L8に沿った断面をペン先の方
向から見た断面図である。
【図7】ペングリップの保持状態と水銀スイッチのO
N、OFFを説明するための別の図である。保持状態A
は図6Aに、保持状態Bは図6Bに、保持状態Cは図6
Cに対応する。
【図8】磁気センサと指の対応関係を説明するための図
である。保持状態Aは図6Aに、保持状態Bは図6B
に、保持状態Cは図6Cに対応する。
【図9】磁気センサの出力を示す図である。図9Aは中
指の圧力変化を示す出力、図9Bは人差し指の圧力変化
を示す出力、図9Cは親指の圧力変化を示す出力であ
る。
【図10】磁気センサの電気的変化を電圧変化に変換す
るためのアダプタの構成を示す図である。
【図11】磁気センサの出力をCPUによって再現した
再現波形を示す図である。
【図12】再現波形を非記入状態を表す波形と記入状態
を表す波形に区分した図である。
【図13】単位波形を示す図である。
【図14】波形特性を記号化するための基準を示す図で
ある。
【図15】波形特性を記号化するための基準を示す別の
図である。
【図16】学習データとして記憶された波形特性(記入
時間)を示す図である。
【図17】学習データとして記憶された波形特性(山の
数)を示す図である。
【図18】学習データとして記憶された波形特性(谷の
数)を示す図である。
【図19】学習データとして記憶された波形特性(ピー
クの位置)を示す図である。
【図20】学習データとして記憶された波形特性(ボト
ムの位置)を示す図である。
【図21】学習データとして記憶された波形特性(記号
化増減パターンおよび記号化変化パターン)を示す図で
ある。
【図22】ペングリップ式入力装置により入力された文
字を認識する手順を示すフローチャートである。
【図23】波形特性を評価する際に用いる評価テーブル
を示す図である。
【図24】波形特性の評価が完了した時点での評価テー
ブルを示す図である。
【図25】この発明の実施例に係るペングリップ式補助
入力装置を示す図である。図25Aはペングリップの斜
視図、図25Bはペングリップを装着した電子ペンを示
す平面図、図25Cは水銀スイッチを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
2、72・・ペングリップ 26・・・・筆記具 28a、28b、28c・・・・磁気センサ 29a、29b、29c、76・・水銀スイッチ L7・・・・単位波形 78・・・・電子ペン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筆記具の周辺部に筆記者の少なくとも2以
    上の指に対応して設けられ、各指の圧力変化を検出する
    少なくとも2以上の圧力検出手段、 筆記具の周辺部を取囲むように設けられた少なくとも3
    以上の重力方向検出手段、 前記重力方向検出手段からの出力に基づいて筆記具の保
    持状態を認識する保持状態認識手段、 前記保持状態認識手段の出力に基づいて各圧力検出手段
    の出力が筆記者のどの指に対応するものであるかを判断
    するとともに、各圧力検出手段からの出力に基づいて単
    位波形を作成して波形特性を分析し、予め学習され記憶
    された当該筆記者の文字、数字、図形、記号の波形特性
    と比較照合することにより、筆記者によって記入された
    文字、数字、図形、記号を認識する解析手段、を備えた
    ことを特徴とするペングリップ式入力装置。
  2. 【請求項2】重力によって内部の移動体が一端側に移動
    した場合と、他端側に移動した場合とで異なる出力を出
    す重力方向検出手段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸
    方向にほぼ垂直となるように、該入力用ペンの周辺に複
    数個配置し、 前記重力方向検出手段の出力に基づいてペン入力装置の
    機能を選択する機能選択手段を備えたこと を特徴とするペングリップ式補助入力装置。
  3. 【請求項3】筆記具、 筆記具の周辺部に筆記者の少なくとも2以上の指に対応
    して設けられ、各指の圧力変化を検出する少なくとも2
    以上の圧力検出手段、 筆記具の周辺部を取囲むように設けられた少なくとも3
    以上の重力方向検出手段、 前記重力方向検出手段からの出力に基づいて筆記具の保
    持状態を認識する保持状態認識手段、 前記保持状態認識手段の出力に基づいて各圧力検出手段
    の出力が筆記者のどの指に対応するものであるかを判断
    するとともに、各圧力検出手段からの出力に基づいて単
    位波形を作成して波形特性を分析し、予め学習され記憶
    された当該筆記者の文字、数字、図形、記号の波形特性
    と比較照合することにより、筆記者によって記入された
    文字、数字、図形、記号を認識する解析手段、を備えた
    ことを特徴とする入力装置。
  4. 【請求項4】重力によって内部の移動体が一端側に移動
    した場合と、他端側に移動した場合とで異なる出力を出
    す重力方向検出手段を、ペン入力装置の入力用ペンの軸
    方向にほぼ垂直となるように、該入力用ペンの周辺に複
    数個配置し、 前記重力方向検出手段の出力に基づいてペン入力装置の
    機能を選択する機能選択手段を備えたことを特徴とする
    補助入力装置。
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