JPH0762304B2 - 走水防止用ラツピング材 - Google Patents

走水防止用ラツピング材

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JPH0762304B2
JPH0762304B2 JP61079632A JP7963286A JPH0762304B2 JP H0762304 B2 JPH0762304 B2 JP H0762304B2 JP 61079632 A JP61079632 A JP 61079632A JP 7963286 A JP7963286 A JP 7963286A JP H0762304 B2 JPH0762304 B2 JP H0762304B2
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輝弘 小松
久幸 滝川
勲 一貫坂
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金井 宏之
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電力ケーブル、通信ケーブル、光ファイバー
ケーブル等に使用される走水防止用ラッピング材に関す
るものである。
(従来の技術及びその問題点) 現在市販のケーブルの走水防止用ラッピング材として
は、不織布シート上に高吸水性樹脂粉末と接着性樹脂粉
末とを混合した粉体を散布したものである。
しかし、上記従来品は次のような問題を有している。
すなわち、高吸水性樹脂粉末を不織布シート上に固着す
るのに使用する接着性樹脂粉末は、高吸水性樹脂粉末の
脱落防止、給水後の流出防止のために、50%程度混入す
ることが必要であり、また粉体の散布後に更に不織布を
重ねて被覆することが必要である。このため、所定の吸
水性能を得るためには、厚みが厚くなるばかりか、重量
も重くなる。
更に、接着性樹脂粉末の浸透性の問題から、浸透剤処
理、浸透性の良い粉体の混入等の対策が必要であり、製
造工程、重量、厚み等の増加の要因となっている。
本発明は、吸水性能を100%発揮し、ケーブルのラッピ
ング時において必要な引張強度を十分に有する高性能の
走水防止用ラッピング材を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、吸水性繊維と吸水性繊維よりも融点の低い熱
接着性繊維との混合比率、層構成を種々検討することに
より最適な走水防止用ラッピング材を得たものである。
すなわち、本発明は、吸水性繊維と吸水性繊維よりも融
点の低い熱接着性繊維との混合繊維ウエブを二〜三層の
複層構造にし、かつ走水防止用ラッピング材としての重
要な性能である吸水性能、吸水率、厚さ増加率等は吸水
繊維を85%以上含有する繊維層で付与し、ケーブルのラ
ッピング時に要求される引張強度は熱接着性繊維を10%
以上含有する繊維層で付与するようになしたものであ
る。
本発明に用いる吸水性繊維の吸水性能は熱接着性繊維の
混合比率によって大きく変化し、この変化率は第4図,
第5図に示すように特に吸水性繊維の比率が90%前後に
おいて大きい。また、引張強度をラッピング材として必
要な1kg/cm以上、厚さ100μ以下とするには、目付は100
g/m2以下で熱接着性繊維の混合比率を20%以上にするこ
とが必要である。しかし、熱接着性繊維を20%混合する
と、吸水性能は厚さ%で900%→340%、重量%で5800%
→1500%と非常に大きく低下する。よって、走水防止の
面からは何らの効果も発揮し得ないものとなり、このよ
うな単層構造では走水防止用ラッピン材として使用でき
ないものとなる。
本発明は、走水防止用ラッピング材としての性能の吸水
性能と引張強度とを分離して付与した上記構成の複層構
造にしたものである。三層構造としては、中間層にラッ
ピングに耐える引張強度を付与し、上,下層に吸水性能
を付与した積層一体化構造又はこの逆に中間層に吸水性
能を付与し、上,下層にラッピングに耐える引張強度を
付与した積層一体化構造にする。また二層構造として
は、上層に吸水性能を付与し、下層にラッピングに耐え
る引張強度を付与した積層一体化構造にする。
また、上記複層構造としたことによる層間剥離強度の問
題は、必要に応じて、ニードルパンチ加工を施して繊維
を交互に相絡させることにより防止することができる。
ニードルパンチの打込数は50p/cm2前後とするのが適当
であり、打込数を多くすると、吸水による厚さ増加率が
減少するので好ましくない。
(実施例1) 本発明の一実施例を以下図面に基づいて説明する。
第1図は、上層1、下層2及び中間層3の三層構造にし
た走水防止用ラッピング材を示す。上層1及び下層2の
繊維層は吸水性繊維(登録商標ランシール=日本エクス
ラン工業製)7デニール×51mm、50%と、低融点ポリエ
ステル繊維4デニール×51mm、50%とを混合した目付各
々10g/m2のパラレル又はクロスウエブで構成し、中間層
3の繊維層は吸水性繊維(登録商標ランシール=日本エ
クスラン工業製)7デニール×51mm、95%と、低融点ポ
リエステル繊維4デニール×51mm、5%とを混合した目
付60g/m2のパラレル又はクロスウエブで構成する。更
に、上記繊維層を積層した三層構造の繊維ウエブを110
℃に加熱した熱ロールに通過することによって繊維間を
一体に接着した目付80g/m2、厚さ0.4mm、見掛密度0.20g
/cm3の走水防止用ラッピング材を形成した。
(実施例2) 実施例1と同様にして形成した三層の積層繊維ウエブに
ニードルパンチ機で以て打込数50p/cm2、打込深さ12mm
でニードルパンチを行い、実施例1と同様に熱処理を行
い、目付80g/m2、厚さ0.4mm、見掛密度0.20g/cm3の走水
防止用ラッピング材を形成した。
(実施例3) 第2図は、上層5、下層6及び中間層4の三層構造にし
た走水防止用ラッピング材を示す。中間層4の繊維層は
吸水性繊維(登録商標ランシール=日本エクスラン工業
製)7デニール×51mm、40%と、低融点ポリエステル繊
維4デニール×51mm、60%とを混合した目付35g/m2のパ
ラレル又はクロスウエブで構成し、上層5及び下層6の
繊維層は吸水性繊維(登録商標ランシール=日本エクス
ラン工業製)7デニール×51mm、85%と、低融点ポリエ
ステル繊維4デニール×51mm、15%とを混合した目付各
々30g/m2のパラレル又はクロスウエブで構成する。更
に、上記繊維層を積層した三層構造の繊維ウエブを110
℃に加熱した熱ロールに通過することによって繊維間を
一体に接着した目付95g/m2、厚さ0.4mm、見掛密度0.24g
/cm3の走水防止用ラッピング材を形成した。
(実施例4) 第3図は、上層7と下層8との二層構造にした走水防止
用ラッピング材を示す。上層7の繊維層は吸水性繊維
(登録商標ランシール=日本エクスラン工業製)7デニ
ール×51mm、85%と、低融点ポリエステル繊維4デニー
ル×51mm、15%と混合した目付30g/m2のパラレル又はク
ロスウエブで構成し、下層8の繊維層は吸水性繊維(登
録商標ランシール=日本エスクラン工業製)7デニール
×51mm、40%と、低融点ポリエステル繊維4デニール×
51mm、60%とを混合した目付35g/m2のパラレル又はクロ
スウエブで構成し、更に、上記二層構造の繊維ウエブを
110℃に加熱した熱ロールに通過することによって繊維
間を一体に接着した目付65g/m2、厚さ0.3mm、見掛密度
0.22g/cm3の走水防止用ラッピング材を形成した。
(比較例) 次に、比較のため、上記吸水性繊維(登録商標ランシー
ル=日本エクスラン工業製)7デニール×51mm、80%
と、低融点ポリエステル繊維4デニール×51mm、20%と
を混合した目付80g/m2のパラレルウエブを実施例と同条
件で熱処理し、目付80g/m2、厚さ0.4mmの走水防止用ラ
ッピング材を形成した。
上記実施例1、2、3及び4で得られた本発明品A,B,F,
Gと比較例品Cと、従来の走水防止用ラッピング材の市
販品D,Eを用いて下記の吸水試験を実施した。
試験方法: 瞬間吸水性(%) 10cm角のサンプルを1秒間蒸留水に
浸漬後、金網上に10分間放置し、重量増加率と厚さ増加
率を測定した。
飽和吸水性(%) 10cm角のサンプルを蒸留水に10分間
浸漬後、サンプルの一隅を保持して吊り下げ1分間水切
りをして、重量増加率と厚さ増加率を測定した。
吸水試験の結果は下表の通りであった。
表から明らかなように、本発明品は、同じ目付での比較
で、市販品の2倍以上の吸水性能を有し、かつ引張強度
に優れたものであり、約0.2mmの厚さまで制御可能であ
り、理想的な走水防止用ラッピング材であった。また吸
水性繊維の混合比率を85%以上にした繊維ウエブを上,
下層に配置すると、水との反応が早くなり、瞬間膨張が
行われるため、走水防止をより完全に行うことができる
ことが判明した。これに対して、比較例品は単層構造の
欠点である引張強度を熱接着性繊維を増加して補ったた
め、吸水性能が大幅に低下し、走水防止の効果が得られ
なかった。
(発明の効果) 本発明は、吸水性繊維と低融点の熱接着性繊維との混合
比率を特定割合にした複層構造にしたので、ラッピング
時において必要な引張強度を十分に有し、かつ厚さ増加
率が優れ、給水性能が大幅に向上して、走水を完全に阻
止できる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す走水防止用ラッピング
材の概略構成図、第2図及び第3図は同他の実施例を示
す概略構成図、第4図は吸水性繊維比率と厚さ増加率と
の関係を示す曲線図、第5図は吸水性繊維比率と重量増
加率との関係を示す曲線図である。 1,5,7……上層 2,6,8……下層 3,4……中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 5/26 7421−4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性繊維と吸水性繊維より融点の低い熱
    接着性繊維との混合繊維ウエブを二〜三層積層して複層
    構造にした走水防止用ラッピング材であって、上記複層
    は吸水性繊維を85%以上含有する層と、吸水性繊維より
    融点の低い熱接着性繊維を10%以上含有する層とを有し
    て成ることを特徴とする走水防止用ラッピング材。
  2. 【請求項2】三層構造の上,下層を構成する繊維の混合
    比率が吸水性繊維85%以上、吸水性繊維より融点の低い
    熱接着性繊維15%以下である特許請求の範囲第1項記載
    の走水防止用ラッピング材。
  3. 【請求項3】三層構造の中間層を構成する繊維の混合比
    率が吸水性繊維90%以上、吸水性繊維より融点の低い熱
    接着性繊維10%以下である特許請求の範囲第1項記載の
    走水防止用ラッピング材。
  4. 【請求項4】複層の構成繊維をニードルパンチ加工によ
    り相互に交絡した特許請求の範囲第1項、第2項又は第
    3項記載の走水防止用ラッピング材。
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