JPH0762294A - コンクリート基材の被覆用樹脂組成物 - Google Patents

コンクリート基材の被覆用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0762294A
JPH0762294A JP21052293A JP21052293A JPH0762294A JP H0762294 A JPH0762294 A JP H0762294A JP 21052293 A JP21052293 A JP 21052293A JP 21052293 A JP21052293 A JP 21052293A JP H0762294 A JPH0762294 A JP H0762294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
resin composition
weight
unsaturated
ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21052293A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Yoshida
晴雄 吉田
Tomio Yamamoto
富生 山本
Toshiaki Haniyuda
利明 羽入田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP21052293A priority Critical patent/JPH0762294A/ja
Publication of JPH0762294A publication Critical patent/JPH0762294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装作業時には低臭気であり、かつ空気乾燥
性に優れ、さらに塗装硬化後はコンクリート表面に耐水
性、耐薬品性、耐久性などを付与し、基材への雨水や排
水の浸透を防ぐための優れたコンクリート基材の被覆用
樹脂組成物を得ること。 【構成】 (A)(a)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、R2 は炭素
数4〜15のエーテル基を含有していてもよい飽和脂肪
族炭化水素基、飽和脂環族炭化水素基、不飽和脂肪族炭
化水素基、不飽和脂環族炭化水素基、芳香族置換脂肪族
炭化水素基を示す)で示される少なくとも一種のビニル
ベンジルエーテル系化合物20〜95重量%と(b)ビ
ニルエステル樹脂80〜5重量%からなる重合性樹脂組
成物100重量部に対して、(B)有機過酸化物を0.
1〜10重量部、(C)多価有機金属塩および/または
多価有機金属錯体を0.01〜5重量部および必要に応
じて、N,N−ジアルキル置換芳香族アミンを配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気乾燥性を有する低
臭気性に優れたコンクリート被覆用の重合性樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは耐水性、耐薬品性、耐久性に優
れた塗膜を形成し得るコンクリート基材の被覆用樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントコンクリートあるいはセメント
モルタルは、強度、耐久性に優れることから、各種の土
木・建築用材料として極めて有用である。しかしなが
ら、長期間の使用で、浸透水の膨張・収縮あるいは鉄筋
の錆びの発生により、コンクリートあるいはモルタルに
クラックが入ったり、雨水、各種化学薬品などにより、
表面が腐食されたりして、コンクリートあるいはモルタ
ルが損傷する。これを防ぐため、コンクリートあるいは
モルタルの表面を被覆材あるいは樹脂組成物でさらに被
覆することが望まれる場合が多い。これに使用される被
覆材あるいは樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、ウレ
タン系塗料、エマルジョン塗料などが使用されている
が、エポキシ樹脂では、しばしば硬化剤であるアミン化
合物による作業者のカブレの問題、またウレタン系塗料
では、使用する溶剤の臭気による作業環境の汚染あるい
は接着性の問題、さらにエマルジョン塗料では、塗膜の
耐水性が不十分な問題などがあった。
【0003】一方、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸およ
び必要に応じてさらに多塩基酸を反応させて得られるビ
ニルエステル樹脂は、注型材料、成形材料、塗料、接着
剤のみならず耐食ライニング材などとして、極めて重要
な存在であるが、ビニルエステル樹脂単独では、高粘度
で作業性に乏しいため、通常はスチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレンあるいは各種の(メタ)アクリ
ル酸エステルなどで希釈して、重合性樹脂組成物として
使用されている。
【0004】特にスチレンは、廉価であり、ビニルエス
テル樹脂の希釈効果が大きいこと、硬化物の耐アルカリ
性などの耐薬品性に優れることなどから多用されている
ものの、特有の臭気があり、また空気中の酸素による重
合阻害効果のため、硬化物の表面がいつまでもべたつく
問題を有する。
【0005】このため、スチレンそのものの使用量を減
ずる方法、ワックスなどを添加して、硬化時の表面層を
空気から遮断する方法、空気乾燥性のあるポリオールの
ポリアリルエーテルあるいはジシクロペンタジエン誘導
体を併用する方法などの様々な方法が試みられている
が、例えばビニルエステル樹脂を本発明のコンクリート
被覆用樹脂組成物として使用する場合、樹脂組成物の粘
度が高くなることによる作業性の低下、ワックスの分離
による浮き斑の発生、着色顔料の色分かれの発生あるい
は二次接着性の低下などを来たすことから、美装性の点
でも問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ビニル
ベンジルエーテル系化合物の一部が低臭気で、かつ空気
乾燥性に優れたビニルモノマーであること、またこれを
不飽和重合性化合物と組み合わせることにより、ビニル
ベンジルエーテル系化合物の特長を生かした重合性組成
物となり得ることを見出し、先に提案した(特願平4−
338929号)。本発明は、かかる状況を踏まえて、
塗装作業時には低臭気であり、かつ空気乾燥性に優れ、
さらに塗装硬化後はコンクリート基材表面に耐水性、耐
薬品性、耐久性などを付与し、基材への雨水や排水の浸
透を防ぐための優れたコンクリート基材の被覆用樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって、上記目
的を達成し得るコンクリート基材の被覆用樹脂組成物が
提供される。すなわち、本発明は、(A)(a)一般式
(I)
【化2】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、R2 は炭素
数4〜15のエーテル基を含有していてもよい飽和脂肪
族炭化水素基、飽和脂環族炭化水素基、不飽和脂肪族炭
化水素基、不飽和脂環族炭化水素基、芳香族置換脂肪族
炭化水素基を示す)で示される少なくとも一種のビニル
ベンジルエーテル系化合物20〜95重量%と(b)エ
ポキシ樹脂に不飽和一塩基酸または不飽和一塩基酸と多
塩基酸を反応させて得られるビニルエステル樹脂80〜
5重量%からなる重合性樹脂組成物100重量部に対し
て、(B)重合開始剤として、有機過酸化物を0.5〜
10重量部、(C)重合促進剤として、多価有機金属塩
および/または有機金属錯体を0.01〜5重量部配合
してなるコンクリート基材の被覆用樹脂組成物に関す
る。
【0008】本発明において、一般式(I)で示される
ビニルベンジルエーテル系化合物としては、例えばビニ
ルベンジル−n−ブチルエーテル、ビニルベンジル−s
ec−ブチルエーテル、ビニルベンジル−n−ペンチル
エーテル、ビニルベンジル−ネオペンチルエーテル、ビ
ニルベンジル−n−ヘキシルエーテル、ビニルベンジル
−iso−ヘキシルエーテル、ビニルベンジル−sec
−ヘキシルエーテル、ビニルベンジル−n−オクチルエ
ーテル、ビニルベンジル−(2−エチルヘキシル)エー
テル、ビニルベンジルメタクリルエーテル、ビニルベン
ジル−(β−メトキシメチル)エーテル、ビニルベンジ
ル−(n−ブトキシプロピル)エーテル、ビニルベンジ
ルベンジルエーテル、ビニルベンジルシクロヘキシルエ
ーテル、ビニルベンジルジシクロペンテニルエーテル、
ビニルベンジルジシクロペンテニルメチルエーテル、ビ
ニルベンジル(β−ジシクロペンテニルオキシエチル)エ
ーテル、ジビニルベンジルエーテル、ビニルベンジル−
(β−フェノキシエチル)エーテル、ビニルベンジルフ
ェネチルエーテルなどが挙げられる。これらのビニルベ
ンジルエーテル系化合物は、単独で使用してもよく、ま
た二種以上を併用してもよい。
【0009】これらのビニルベンジルエーテル系化合物
は、通常Williamsonのエーテル合成反応、す
なわち相当するアルコールのアルカリ金属アルコキサイ
ドもしくは相当するアルコールをアルカリの存在下でハ
ロエチルベンジルハライドあるいはビニルベンジルハラ
イドと縮合して得られるものであって、例えば本発明者
らの特願平4−338929号公報の他、ジェー・ジー
・アブラモ(J.G.Abramo)らのジャーナル・
オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Ch
em.)第27巻,2595頁(1962年)あるいは
米国特許第3,190,925号明細書に記載の各種ビ
ニルベンジルエーテル化合物の合成、特開昭56−15
4427号公報などに記載の相間移動触媒を用いたベン
ジルエーテル化合物の合成に準じた方法で製造すること
ができる。
【0010】本発明で使用されるビニルエステル樹脂
は、エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸または不飽和一塩
基酸と多塩基酸とを反応させて得られるものである。使
用されるエポキシ樹脂としては、特に制限はなく、例え
ばビスフェノールA系エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフ
ェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエチレ
ンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどのアル
キレンオキサイドとの付加物のジグリシジルエーテル、
ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂などが挙
げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用しても
よく、また二種以上を併用してもよい。
【0011】ビニルエステル樹脂を製造するに際して使
用される不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、桂皮酸などが挙げられ、特にアク
リル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。これらの
不飽和一塩基酸は、二種以上混合して使用してもよい。
【0012】不飽和一塩基酸と併用される多塩基酸とし
ては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、1,12−ドデカン二酸の他ダイマー酸
などが挙げられる。これらの多塩基酸は、二種以上混合
して使用してもよい。
【0013】エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸または不
飽和一塩基酸と多塩基酸とを反応させる際、エポキシ樹
脂の全エポキシ基と全酸成分のカルボキシル基との割合
は、当量比で0.95〜1.05、好ましくはほぼ当量
で使用される。また、これらのエポキシ基とカルボキシ
ル基との反応の終点は、反応生成物の酸価を測定するこ
とにより知ることができ、酸価が50以下、好ましくは
15以下である。
【0014】また、エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸ま
たは不飽和一塩基酸と多塩基酸とを反応させるに際して
は、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ
ブチルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムクロライ
ド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイドなどの
オニウム塩、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ルなどの三級アミン、塩化リチウム、塩化第二鉄などの
ハロゲン化金属塩、水酸化リチウムなどのアルカリ金属
水酸化物などの公知の触媒を、例えばカルボン酸全量に
対して、0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5
モル%使用することにより、反応時間を短縮することも
できる。
【0015】ビニルエステル樹脂を製造する際には、重
合によるゲル化を防止するために、カテコール、レゾル
シン、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウムもしくは
アンモニウム塩などの熱重合禁止剤を生成するビニルエ
ステル樹脂に対して、0.001〜0.5重量%存在さ
せておくことが望ましい。
【0016】また、ビニルエステル樹脂を製造する際の
反応温度としては、50〜150℃、好ましくは70〜
130℃である。
【0017】さらに、ビニルエステル樹脂を製造する際
に、ビニルベンジルエーテル系化合物を希釈モノマー兼
反応溶媒として使用することにより、反応系の粘度を下
げ、好ましくないゲル化反応の発生を防止することもで
きる。
【0018】本発明の重合性樹脂組成物は、(a)の一
般式(I)で示されるビニルベンジルエーテル系化合物
20〜95重量%と(b)のビニルエステル樹脂80〜
5重量%からなる。(a)のビニルベンジルエーテル系
化合物が95重量%を超える場合には、硬化物の架橋密
度が小さいため、硬化物の耐薬品性、機械強度などが劣
る。一方、(a)のビニルベンジルエーテル系化合物が
20重量%に満たない場合には、重合性樹脂組成物の粘
度が高く作業性が劣るものとなる。
【0019】本発明で重合開始剤として使用される有機
過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロ
パーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−
t−ブチルパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシ
ドなどを用いることができ、その使用量は、重合性樹脂
組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜5重量部である。有機過酸化物の使用
量が0.1重量部未満では、有機過酸化物からのラジカ
ル発生量が不十分となり、重合性樹脂組成物が十分硬化
しない場合がある。一方、有機過酸化物の使用量が10
重量部を超える場合には、急激な硬化、あるいは硬化剤
の分解による発泡などが発生することから好ましくな
い。
【0020】本発明においては、重合性樹脂組成物に有
機過酸化物と共に重合促進剤として、多価有機金属塩お
よび/または多価有機金属錯体および必要に応じてさら
に、N,N−ジアルキル置換芳香族アミンを配合して被
覆用樹脂組成物とする。これらを配合することにより、
室温もしくはそれに近い温度で重合性樹脂組成物を硬化
させると共に、空気中の酸素による重合阻害を排除し、
被覆物の表面のベタツキを解消する。
【0021】多価有機金属塩および/または多価有機金
属錯体は、一般にドライヤーを兼ねるもので、高級脂肪
酸の多価金属塩、もしくは多価金属錯体であって、例え
ばナフテン酸、オクテン酸のカルシウム、銅、ジルコニ
ウム、マンガン、コバルト、鉛、鉄、バナジウム塩が挙
げられる。また多価金属錯体としては、例えばコバル
ト、マンガンなどのアセチルアセトナートなどが挙げら
れる。
【0022】また、必要に応じて多価有機金属塩および
/または多価有機金属錯体と併用されるN,N−ジアル
キル置換芳香族アミンとしては、N,N−ジメチルアニ
リン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−
p−トルイジン、N,N−(ジヒドロキシエチル)−p
−トルイジンなどが挙げられる。これらのN,N−ジア
ルキル置換芳香族アミンは一種または二種以上の組み合
わせで使用することができる。
【0023】重合促進剤としての多価有機金属塩および
/または多価有機金属錯体の使用量は、重合性樹脂組成
物100重量部に対して、0.01〜5重量部、好まし
くは0.1〜3重量部である。重合促進剤の使用量が
0.01重量部未満では、重合促進剤としての効果が乏
しく、5重量部を超えて使用しても、それ以上の効果は
認められない。
【0024】また、必要に応じて多価有機金属塩および
/または多価有機金属錯体と併用されるN,N−ジアル
キル置換芳香族ジアミンの使用量は、重合性樹脂組成物
100重量部に対して、0.01〜10重量部、好まし
くは0.1〜2重量部である。N,N−ジアルキル置換
芳香族ジアミンの使用量が0.01重量部未満では促進
効果が十分でなく、10重量部より多く使用しても促進
効果は改善されず、むしろ可塑効果のために強度の低下
を招く。
【0025】これらの重合開始剤および重合促進剤の使
用量は、コンクリート被覆作業を行う環境温度あるいは
所望する作業時間に合わせて、前記各使用量の範囲内で
適宜設定することができる。
【0026】本発明のコンクリート基材の被覆用樹脂組
成物には、不活性な顔料、染料、酸化防止剤、流動制御
剤、チキソトロピー剤、紫外線吸収剤、可塑剤、ワック
ス、あるいは鱗片状、微粒子状および/もしくは粒状の
無機骨剤の他、ガラスフレーク、ガラスマット、ガラス
クロスなど、ビニロン繊維、ポリエステル繊維およびこ
れらの繊維布などの有機繊維系補強剤を必要に応じて使
用してもよい。
【0027】本発明において、コンクリート基材とは、
通常セメントを使用したセメントコンクリートを言い、
ブロックコンクリート、無筋コンクリート、鉄筋コンク
リートなどが含まれるが、本発明ではその他ポリマーセ
メントコンクリート、ポリマー含浸コンクリートあるい
はレジンコンクリートなども包含する。
【0028】本発明におけるコンクリート基材の被覆方
法としては、スプレー、刷毛塗りなど通常の方法で行う
ことができる。
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳しく
説明する。なお、実施例中、部とあるのは、特に断らな
い限り、重量部を示す。また、特性の評価は、以下に示
す方法で行った。 粘度:B型粘度計を使用し、25℃で測定した。 臭気:5人の測定者による官能基検査の他に、5gの重
合性樹脂組成物を直径45mmのブリキパンに入れ、2リ
ットルの容器に密閉し、23℃で2時間放置してから、
ガステック(株)製のスチレン用吸引式検知管(ビニル
ベンジルエーテル系化合物については、タイプ124L
を、スチレンではタイプ124を使用)を用いて、容器
登頂部よりガスを吸引し、検知管の表示濃度により、揮
散性を測定した。 硬化性:JIS K6901に準じて、被覆用樹脂組成
物のゲル化時間(GT)、キュア時間(CT)、最高発
熱温度(PET)を測定した。 注型板の作製方法:JIS K6911に準じて、ガラ
ス板2枚で囲まれた型枠に被覆用樹脂組成物を注入し、
23℃で24時間硬化させることにより、3mm板を調製
した。 硬化物の機械強度:JIS K6911に準じて、前記
3mm板から強度測定用供試体を調製し、試験速度2mm/
分で曲げ試験を行った。 硬化物の吸水率:JIS K6911に準じて、前記3
mm板から供試体を調製し、常態吸水率は23℃/24時
間の水中浸漬、煮沸吸水率は沸騰水/2時間の浸漬を行
い、浸漬前後の重量変化率(%)をもって示した。 硬化物の耐薬品性:120mm角の3mm板に厚さ0.3m
m、内径100mmのシリコンゴムリングを乗せ、板中央
部に所定の各種薬液を2ミリリットルを流延し、ゴムリ
ングをガラス板で密閉被覆して、23℃/24時間放置
後の硬化物の表面状態を観察した。 セメントと被覆用樹脂組成物との接着強度:JIS R
5201の9.4に基づき調整された日本テストパネル
工業(株)製の試験用セメントモルタルブロックに、所
定の被覆用組成物を塗布、硬化させる。所定時間放置
後、硬化物に直径20mmのドリーを速硬化性エポキシ樹
脂を用いて接着し、23℃で一日放置後、ドリーの周囲
をセメントモルタル層まで切削除去し、次いでエルコメ
ーター・インストルメント社製の密着度試験機を用い
て、セメントモルタルと硬化層との接着強度を測定し
た。 指触乾燥性:直径45mmのブリキパンに被覆用樹脂組成
物を2mmの深さに入れ、23℃の恒温室に放置し、表面
の硬化乾燥時間を測定した。
【0029】合成例1ビニルベンジルベンジルエーテル(以下、VBBEと略
称する)の合成 還流冷却器、加熱温度調節器、滴下ロート、撹拌装置を
付した5リットルの4口フラスコに、ベンジルアルコー
ル557g(5.16モル)、テトラブチルアンモニウ
ムブロマイド48.3g(0.15モル)、2,4−ジ
ニトロフェノール2g、50%水酸化ナトリウム水溶液
800g、トルエン1.5リットルを仕込み、撹拌下、
50℃でm−体/p−体の組成比(%)が30/70の
クロロメチルスチレン763g(5モル)を20分かけ
て滴下ロートより滴下した。滴下終了後、4時間この温
度で反応させてから、水層部を分離し、トルエン層を洗
浄水が中性を示すまで水洗した。トルエン溶液を無水硫
酸ナトリウム上で一夜乾燥した後、ろ過し、トリメチル
ハイドロキノン100ppm を添加後、トルエンを溜去し
てLC(液体クロマトグラフィー)分析で純度97%の
極めて臭気の少ないVBBEを1070g得た。粘度は
6cps であった。
【0030】合成例2ビニルベンジル−n−ブチルエーテル(以下、VBnB
Eと略称する)の合成 合成例1と同じ反応装置に、n−ブタノール222g
(3モル)、テトラブチルアンモニウムブロマイド50g
(0.15モル)、フェノチアジン0.202g、50%
水酸化ナトリウム1.5リットル、トルエン0.9リッ
トルを仕込み、撹拌下、50℃でm−体/p−体の組成
比(%)が30/70のクロロメチルスチレン457.
5g(3モル)を20分かけて滴下ロートより滴下し
た。滴下終了後、4時間この温度で反応させた。反応終
了後、合成例1と同様に処理することにより、LC純度
95%、粘度5.3cps の極めて臭気の少ないVBnB
Eを562g得た。
【0031】合成例3ビニルベンジル(β−ジシクロペンテニルオキシエチ
ル)エーテル(以下、VBDCPOEと略称する)の合
窒素導入管、還流冷却装置、温度計、温度調節器、撹拌
装置を付した1リットルの4口フラスコに、エチレング
リコール300g(4.83モル)、ジシクロペンタジ
エン528g(4モル)、p−トルエンスルフォン酸・
1水和物22.8g(0.12モル)を仕込み、窒素ガ
スを吹き込みながら、116〜125℃で4時間反応さ
せることにより、褐色の反応生成物を得た。LC分析か
ら反応生成物には、70.9%でエチレングリコールモ
ノジシクロペンテニルエーテルが含まれていた。反応生
成物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、次
いで水洗後、有機層を真空蒸留することにより、119
〜128℃/3mmHgのエチレングリコールモノジシクロ
ペンテニルエーテル489g(仕込みジシクロペンタジ
エンに基づく収率63%)を得た。合成例1と同じ反応
装置を付した3リットルの4口フラスコに、エチレング
リコールモノジシクロペンテニルエーテル485g
(2.5モル)、テトラブチルアンモニウムブロマイド
41.7g(0.125モル)、フェノチアジン0.2
g、50%水酸化ナトリウム1.25リットル、トルエ
ン0.75リットルを仕込み、撹拌下、50℃でm−体
/p−体の組成比(%)が30/70のクロロメチルス
チレン382g(2.5モル)を20分かけて滴下ロー
トより滴下した。滴下終了後、4時間この温度で反応さ
せた。反応終了後、合成例1と同様に処理することによ
り、LC純度95%、粘度25cps の極めて臭気の少な
いVBDCPOEを765g得た。
【0032】合成例4ビニルエステル樹脂A(以下、樹脂Aと略称する)の合
合成例1と同じ装置を付した2リットルの4口フラスコ
に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂X−2317(旭
化成(株)製、エポキシ当量185)370g(1.0
モル)、メタクリル酸86g(1.0モル)、トリメチル
ハイドロキノン0.126gを仕込み、少量の空気を流
しながら100〜110℃に加熱した。これにさらにメ
タクリル酸86g(1.0モル)、2,4,6−トリス
(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール1.26
gからなる溶液を30分かけて滴下し、その後120〜
130℃で3時間反応させて、酸価10の樹脂Aを得
た。
【0033】合成例5ビニルエステル樹脂B(以下、樹脂Bと略称する)の合
合成例1と同じ反応装置にビスフェノールAにプロピレ
ンオキサイドを付加させたエポキシ樹脂EP−4000
(旭電化(株)製、エポキシ当量330)3300g
(5.0モル)、メタクリル酸430g(5.0モ
ル)、ハイドロキノン1.248gを仕込み、少量の空
気を流しながら、100℃に加熱した。これにさらにメ
タクリル酸430g(5.0モル)、2,4,6−トリス
(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール12.4
8gからなる溶液を一度に添加し100〜129℃で3
時間反応させ、酸価5の樹脂Bを得た。
【0034】合成例6重合性樹脂組成物C(以下、樹脂Cと省略する)の合成 合成例1と同じ反応装置を付した1リットルの4口フラ
スコに、ビスフェノールA系エポキシ樹脂エピコート8
34(油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ当量25
8)258g(0.5モル)、メタクリル酸86g(1.0
モル)、合成例1で得られたVBBE282g、トリメ
チルハイドロキノン0.03g、2,4,6−トリス
(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール0.3g
を仕込み、110〜120℃で2時間反応させて、酸価
6の樹脂Cを得た。粘度は10PSであった。
【0035】実施例1 合成例1で得られたVBBE40重量%および合成例5
で得られた樹脂B60重量%からなる重合性樹脂組成物
100部に対して、ナフテン酸コバルト(コバルト含量
6%)0.5部を加えてよく混合して被覆用樹脂組成物を
得た。この被覆用樹脂組成物単独、被覆用樹脂組成物に
タルク20部および5号珪砂50部、もしくはタルク5
0部を各々添加後、さらにメチルエチルケトンパーオキ
シド1.5部を加えて、アンダーコート用の被覆用樹脂
組成物とした。これを常態放置したセメントモルタルに
約1mm厚になるように塗布し、23℃で一夜放置して硬
化させた。形成された硬化塗膜上に、さらにVBBE4
0重量%、合成例4で得られた樹脂A60重量%からな
る重合性樹脂組成物100部に対して、6%ナフテン酸
コバルト0.5部を加えて十分混合した後、メチルエチ
ルケトンパーオキシド1.5部を添加したトップコート
用の被覆用樹脂組成物を約0.3mm厚になるように塗布
し、23℃で硬化させた。硬化物を23℃で1週間放置
後、ドリーを速硬化性エポキシ樹脂で接着し、1日放置
後、接着強度を測定した。その結果を表1に示した。
【0036】実施例2,実施例3 実施例1と同様に、ビニルベンジルエーテル系化合物と
して、VBnBE,VBDCPOEを用い、樹脂A、樹
脂Bと組み合わせて各々アンダーコート、トップコート
用の被覆用樹脂組成物を調製し、セメントモルタルとの
接着強度を測定した。その結果を表1に示した。
【0037】実施例4 アンダーコートとして、VBBEと樹脂Bの組み合わせ
からなる被覆用樹脂組成物を用い、トップコートとし
て、樹脂Cを用いて、実施例1と同様に硬化させて、セ
メントモルタルとの接着強度を測定した。その結果を表
1に示した。
【0038】比較例1 アンダーコートとして、VBBEと樹脂Bの組み合わせ
からなる被覆用樹脂組成物を用い、トップコートとし
て、融点53℃のワックスをスチレンモノマー100部
に対して、0.1部含むスチレンモノマーと樹脂Aとの
組み合わせからなる被覆用樹脂組成物を用いて、実施例
1と同様に硬化させて、セメントモルタルとの接着強度
を測定した。その結果を表1に示した。接着強度は発現
するものの、スチレンモノマーの臭気、揮散量共大きい
欠点があることを示している。
【0039】比較例2 ビニルエステル樹脂を併用することなく、VBDCPO
Eのみを使用して硬化を行った場合の結果を表1に示し
たが、VBDCPOEのみでは、硬化物が極めて軟質で
あると共に、耐薬品性が不十分なことを示している。
【0040】比較例3 アンダーコートとして、VBnBEと樹脂Bとを重量比
(%)で15/85とした被覆用樹脂組成物を用い、ト
ップコートとして、VBnBEと樹脂Aとを重量比
(%)で15/85とした被覆用樹脂組成物を使用し、
セメントモルタルとの接着強度を測定した。その結果を
表1に示した。アンダーコート、トップコートとも高粘
度で塗工作業性が悪いのみならず、接着強度試験では、
アンダーコートとトップコートとの界面で剥離が生じ
た。
【0041】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明のコンクリート基材の被覆用樹脂
組成物は、空気乾燥性と低臭気性を兼備しており、さら
に硬化物は、耐水性、耐薬品性、耐久性が優れているこ
とから床塗装材料を始めとして、土木建築用の被覆材料
として有用であり、ことに低臭気であることから、塗装
時の作業環境も保持し得る利点を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、R2 は炭素
    数4〜15のエーテル基を含有していてもよい飽和脂肪
    族炭化水素基、飽和脂環族炭化水素基、不飽和脂肪族炭
    化水素基、不飽和脂環族炭化水素基、芳香族置換脂肪族
    炭化水素基を示す)で示される少なくとも一種のビニル
    ベンジルエーテル系化合物20〜95重量%と(b)エ
    ポキシ樹脂に不飽和一塩基酸または不飽和一塩基酸と多
    塩基酸を反応させて得られるビニルエステル樹脂80〜
    5重量%からなる重合性樹脂組成物100重量部に対し
    て、 (B)重合開始剤として、有機過酸化物を0.1〜10
    重量部、 (C)重合促進剤として、多価有機金属塩および/また
    は多価有機金属錯体を0.01〜5重量部配合してなる
    コンクリート基材の被覆用樹脂組成物。
JP21052293A 1993-08-25 1993-08-25 コンクリート基材の被覆用樹脂組成物 Pending JPH0762294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21052293A JPH0762294A (ja) 1993-08-25 1993-08-25 コンクリート基材の被覆用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21052293A JPH0762294A (ja) 1993-08-25 1993-08-25 コンクリート基材の被覆用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0762294A true JPH0762294A (ja) 1995-03-07

Family

ID=16590764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21052293A Pending JPH0762294A (ja) 1993-08-25 1993-08-25 コンクリート基材の被覆用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0762294A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999062977A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-09 Nippon Nsc Ltd. Compositions de materiaux a durcissement provoquee par polymerisation radicalaire, procede de renforcement de structures de beton et structures de beton ainsi renforcees
JP2012052034A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP2012052033A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
KR101325238B1 (ko) * 2011-06-29 2013-11-04 강원대학교산학협력단 콘크리트 구조물의 표면 강화공법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999062977A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-09 Nippon Nsc Ltd. Compositions de materiaux a durcissement provoquee par polymerisation radicalaire, procede de renforcement de structures de beton et structures de beton ainsi renforcees
JP2012052034A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP2012052033A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
KR101325238B1 (ko) * 2011-06-29 2013-11-04 강원대학교산학협력단 콘크리트 구조물의 표면 강화공법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09111108A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
JP4973914B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及び防水材組成物
JPH0762294A (ja) コンクリート基材の被覆用樹脂組成物
JP2005255937A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びパテ塗料
JP2021524528A (ja) エポキシ変性アクリル樹脂、その製造方法、エネルギー硬化性のエポキシ変性アクリル樹脂含有組成物および使用
JPH0151487B2 (ja)
JP4441868B2 (ja) 土木建築材用硬化性樹脂組成物、塗布用土木建築材および土木建築物
JPS58204057A (ja) 床および壁面コ−テイング用プライマ−組成物
JPH11148045A (ja) 活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びそれを用いた被膜形成方法
JP3244077B2 (ja) ビニルエステル樹脂組成物
JP3791072B2 (ja) 樹脂組成物およびパテ塗料
JP2536100B2 (ja) 樹脂組成物及びコンクリ―ト組成物
JP3503126B2 (ja) 空気乾燥型接着性樹脂組成物
JPH0621134B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP3019412B2 (ja) ビニルエステル樹脂組成物
JPH0335991B2 (ja)
JP2001247636A (ja) 繊維強化用樹脂組成物及び繊維強化樹脂並びに該繊維強化用樹脂組成物を用いたコンクリート構造物の補強補修工法
JPS6013868A (ja) 嫌気硬化性を有する粘着剤組成物
JPH10297982A (ja) コンクリートプライマー樹脂組成物及びその構造体
JP3487376B2 (ja) 空気乾燥性樹脂組成物
JPH1087764A (ja) ビニルエステル樹脂組成物及びこれを用いたコンクリートライニング材
JP4275218B2 (ja) プライマー施行方法
JPS63305177A (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH11100418A (ja) 光硬化型樹脂組成物及び塗料
JPS62153340A (ja) 硬化性組成物