JPH0762193B2 - 超電導Nb―Ti合金及びその製造方法 - Google Patents
超電導Nb―Ti合金及びその製造方法Info
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- JPH0762193B2 JPH0762193B2 JP61091664A JP9166486A JPH0762193B2 JP H0762193 B2 JPH0762193 B2 JP H0762193B2 JP 61091664 A JP61091664 A JP 61091664A JP 9166486 A JP9166486 A JP 9166486A JP H0762193 B2 JPH0762193 B2 JP H0762193B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、超電導マグネットを構成するNb−Ti合金極
細線(フィラメント)の製造素材として好適な超電導Nb
−Ti合金、並びにその製造方法に関するものである。
細線(フィラメント)の製造素材として好適な超電導Nb
−Ti合金、並びにその製造方法に関するものである。
<背景技術> 多フィラメント超電導線は、優れた安定特性を有すると
ともに交流損失が少ないことで知られており、従って最
近では核融合炉、高エネルギー加速器、磁気浮上列車
(リニアモーターカー)或いは医療用機器等の超電導マ
グネット部材として広い用途を誇るようになってきた。
ともに交流損失が少ないことで知られており、従って最
近では核融合炉、高エネルギー加速器、磁気浮上列車
(リニアモーターカー)或いは医療用機器等の超電導マ
グネット部材として広い用途を誇るようになってきた。
ところで、このような超電導線材としては、比較的安価
なことに加えて工業的規模での製造が可能な程度に延性
を備えているとの理由で、現在、Nb−Ti合金(Ti:40〜7
5at%)が多用されている。
なことに加えて工業的規模での製造が可能な程度に延性
を備えているとの理由で、現在、Nb−Ti合金(Ti:40〜7
5at%)が多用されている。
従来、Nb−Ti合金超電導線は、アーク溶解又は電子ビー
ム溶解で作成したNb−Ti合金インゴットを鍛造並びにそ
の他の熱間加工によって棒状とした後、その多数本を安
定化用のCu母材中に埋込んで(具体的にはCu管内に多数
本のNb−Ti合金棒状素材を挿入し)母材とともに線引き
加工してCuマトリックスNb−Ti多芯線を得ると言う方法
で製造されるのが普通であり、その際、断面減少率106
以上の強加工をしてから350〜450℃で時効熱処理をする
ことで“超電導特性を示す臨界電流密度(JC)”の改善
を図っている。
ム溶解で作成したNb−Ti合金インゴットを鍛造並びにそ
の他の熱間加工によって棒状とした後、その多数本を安
定化用のCu母材中に埋込んで(具体的にはCu管内に多数
本のNb−Ti合金棒状素材を挿入し)母材とともに線引き
加工してCuマトリックスNb−Ti多芯線を得ると言う方法
で製造されるのが普通であり、その際、断面減少率106
以上の強加工をしてから350〜450℃で時効熱処理をする
ことで“超電導特性を示す臨界電流密度(JC)”の改善
を図っている。
ここで、上述のようにNb−Ti合金インゴットから棒状の
伸線用素材を作成するに当っては、Nb−Ti合金は熱間加
工性に劣る難加工材料であるので、まず熱間鍛造や熱間
押出し等によって軽度の粗加工を施し、その後は通常の
熱間孔型圧延(2ロールの熱間孔型圧延が適用される)
により伸線用素材として所望される寸法にまで縮径させ
ることが必要であった。
伸線用素材を作成するに当っては、Nb−Ti合金は熱間加
工性に劣る難加工材料であるので、まず熱間鍛造や熱間
押出し等によって軽度の粗加工を施し、その後は通常の
熱間孔型圧延(2ロールの熱間孔型圧延が適用される)
により伸線用素材として所望される寸法にまで縮径させ
ることが必要であった。
しかしながら、前記線引き加工は非常に過酷な加工であ
るので、Cu母材で保護されているとは言え、加工中にお
けるNb−Ti合金線の断線事故を拭い去ることは極めて困
難であった。そして、線引き加工時に断線を生じると、
様々な工夫を凝らしたとしても臨界電流密度(JC)が著
しく低下するのをどうすることも出来なかったのであ
る。
るので、Cu母材で保護されているとは言え、加工中にお
けるNb−Ti合金線の断線事故を拭い去ることは極めて困
難であった。そして、線引き加工時に断線を生じると、
様々な工夫を凝らしたとしても臨界電流密度(JC)が著
しく低下するのをどうすることも出来なかったのであ
る。
そこで、多フィラメント超電導線製造時における断線事
故を防止する手段として、極細超電導線の束を可撓性に
富む金属の箔や薄肉条で固定してからCuマトリックスに
包み込む方法も提案されたが(特開昭50−25190号)、
この方法では格別な金属箔や金属薄肉条を準備しなけれ
ばならない上、特定の条件で極細超電導線の束を固定す
るのに多大な手間を必要とし、工業生産上決して好まし
い手段とは言えなかった。
故を防止する手段として、極細超電導線の束を可撓性に
富む金属の箔や薄肉条で固定してからCuマトリックスに
包み込む方法も提案されたが(特開昭50−25190号)、
この方法では格別な金属箔や金属薄肉条を準備しなけれ
ばならない上、特定の条件で極細超電導線の束を固定す
るのに多大な手間を必要とし、工業生産上決して好まし
い手段とは言えなかった。
<問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、Nb−Ti合金超電
導線の線引き加工時の断線事故を確実に解消し性能の良
い超電導線を能率良く安定して製造し得る方法を見出す
べく、そのためにはNb−Ti合金超電導線の線引き素材そ
のものの特性改善が欠かせないとの認識の下に該線引き
素材たる“Nb−Ti合金棒”の製造条件、並びにそれに伴
う伸線加工性等の諸性能に関する種々の試験を試みなが
ら研究を行ったところ、以下に示される如き知見が得ら
れたのである。即ち、 (a) 約10mmφのNb−Ti合金棒をCu管内に挿入して約
10μmφにまで伸線加工する過程におけるNb−Ti合金材
破断形態の詳細な観察結果から明らかになったことであ
るが、極細線状態でのNb−Ti合金材破断は「初期には断
面形状が真円(○)であったものが伸線加工により矩形
(口)或いは楕円形 となり、その結果破断に至る」との過程をたどるもので
あり、上記異形断面への変形が破断の大きな原因となっ
ていること。
導線の線引き加工時の断線事故を確実に解消し性能の良
い超電導線を能率良く安定して製造し得る方法を見出す
べく、そのためにはNb−Ti合金超電導線の線引き素材そ
のものの特性改善が欠かせないとの認識の下に該線引き
素材たる“Nb−Ti合金棒”の製造条件、並びにそれに伴
う伸線加工性等の諸性能に関する種々の試験を試みなが
ら研究を行ったところ、以下に示される如き知見が得ら
れたのである。即ち、 (a) 約10mmφのNb−Ti合金棒をCu管内に挿入して約
10μmφにまで伸線加工する過程におけるNb−Ti合金材
破断形態の詳細な観察結果から明らかになったことであ
るが、極細線状態でのNb−Ti合金材破断は「初期には断
面形状が真円(○)であったものが伸線加工により矩形
(口)或いは楕円形 となり、その結果破断に至る」との過程をたどるもので
あり、上記異形断面への変形が破断の大きな原因となっ
ていること。
(b) ところが、加工進行後の極細線状態でのNb−Ti
合金材断面形状はNb−Ti合金丸棒素材の集合組織と極め
て密接な関係を有しており、該集合組織が、特に軸方向
が<110>、(100)面が円周方向に均一に分布する“<
110>繊維組織”又は“<110>円錐組織”になっている
と、加工が終了するまで前記断面形状の真円状態には殆
ど変化が見られず、そのままの形状が保たれ易いこと。
合金材断面形状はNb−Ti合金丸棒素材の集合組織と極め
て密接な関係を有しており、該集合組織が、特に軸方向
が<110>、(100)面が円周方向に均一に分布する“<
110>繊維組織”又は“<110>円錐組織”になっている
と、加工が終了するまで前記断面形状の真円状態には殆
ど変化が見られず、そのままの形状が保たれ易いこと。
なお、ここで“<110>繊維集合組織”とは、第1図
(a)で示す如くに「<110>繊維軸が線材の軸方向に
完全に平行であるもの」を言い(図中の矢印は<110>
繊維軸の方向を示している)、また“<110>円錐集合
組織”とは、第1図(b)又は第1図(c)に示す如く
に「素材中心部においては<110>繊維軸が線材軸に完
全に平行であり、それよりも円周部に近づくにしたがっ
て該繊維軸は傾きはするが、その傾き角が円周方向に一
定であるような結晶集合組織」を言う。
(a)で示す如くに「<110>繊維軸が線材の軸方向に
完全に平行であるもの」を言い(図中の矢印は<110>
繊維軸の方向を示している)、また“<110>円錐集合
組織”とは、第1図(b)又は第1図(c)に示す如く
に「素材中心部においては<110>繊維軸が線材軸に完
全に平行であり、それよりも円周部に近づくにしたがっ
て該繊維軸は傾きはするが、その傾き角が円周方向に一
定であるような結晶集合組織」を言う。
(c) 従って、伸線用超電導Nb−Ti合金素材の集合組
織を軸方向が<110>、(100)面が円周方向に均一に分
布する“<110>繊維組織”又は“<110>円錐組織”に
すると、格別な手立てを講じなくても断線の懸念が無い
安定した伸線作業を実施することが出来、高性能の超電
導線を能率良く高い歩留の下で製造することが可能とな
ること。
織を軸方向が<110>、(100)面が円周方向に均一に分
布する“<110>繊維組織”又は“<110>円錐組織”に
すると、格別な手立てを講じなくても断線の懸念が無い
安定した伸線作業を実施することが出来、高性能の超電
導線を能率良く高い歩留の下で製造することが可能とな
ること。
(d) 上述のような“<110>繊維集合組織”又は
“<110>円錐集合組織”を備えた伸線用超電導Nb−Ti
合金素材は、Nb−Ti合金素材の調整のための熱間加工と
して少なくともその最終仕上げ段階が“円周方向に均一
でメタルフローが軸対象となるような熱間加工”を、即
ち“円周方向を拘束した熱間加工(例えば押出し、スウ
ェージング、3ロールの孔型圧延等)”を採用すること
で実現される上、難加工材であるNb−Ti合金に対するこ
れらの熱間加工は、熱間加工工程の最終仕上げ段階で少
なくとも10%以上の加工度が確保される程度だけ施せば
良いことから、出発材(イッゴット等)が大寸法のもの
であっても生産性面での支障なく工業的に十分適用する
ことが可能であること。
“<110>円錐集合組織”を備えた伸線用超電導Nb−Ti
合金素材は、Nb−Ti合金素材の調整のための熱間加工と
して少なくともその最終仕上げ段階が“円周方向に均一
でメタルフローが軸対象となるような熱間加工”を、即
ち“円周方向を拘束した熱間加工(例えば押出し、スウ
ェージング、3ロールの孔型圧延等)”を採用すること
で実現される上、難加工材であるNb−Ti合金に対するこ
れらの熱間加工は、熱間加工工程の最終仕上げ段階で少
なくとも10%以上の加工度が確保される程度だけ施せば
良いことから、出発材(イッゴット等)が大寸法のもの
であっても生産性面での支障なく工業的に十分適用する
ことが可能であること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであっ
て、 伸線用超電導Nb−Ti合金を、25〜60%(以下、成分割合
を表わす%は重量%とする)のNbを含むとともに残部が
実質的にTiから成る成分組成にするとともに、その集合
組織を軸方向が<110>、(100)面が円周方向に均一に
分布する<110>繊維組織又は<110>円錐組織に構成す
ることにより、格別な手立てを要しなくても、断線の懸
念無く高性能の超電導線を作業性良く製造し得るように
した点、 を特徴とするものであり、更には、 25〜60%のNbを含むとともに残部が実質的にTiから成る
合金に、円周方向に均一で軸対象なメタルフローとな
り、かつ加工度が10%以上の最終仕上げ段階を包含した
熱間加工を施すことによって、その集合組織が、軸方向
が<110>、(100)面が円周方向に均一に分布する<11
0>繊維組織又は<110>円錐組織であるところの、断線
の懸念無く高性能の超電導線を作業性良く製造し得る伸
線用超電導Nb−Ti合金素材を、工業的規模で安定に量産
できるようにした点、 をも特徴とするものである。
て、 伸線用超電導Nb−Ti合金を、25〜60%(以下、成分割合
を表わす%は重量%とする)のNbを含むとともに残部が
実質的にTiから成る成分組成にするとともに、その集合
組織を軸方向が<110>、(100)面が円周方向に均一に
分布する<110>繊維組織又は<110>円錐組織に構成す
ることにより、格別な手立てを要しなくても、断線の懸
念無く高性能の超電導線を作業性良く製造し得るように
した点、 を特徴とするものであり、更には、 25〜60%のNbを含むとともに残部が実質的にTiから成る
合金に、円周方向に均一で軸対象なメタルフローとな
り、かつ加工度が10%以上の最終仕上げ段階を包含した
熱間加工を施すことによって、その集合組織が、軸方向
が<110>、(100)面が円周方向に均一に分布する<11
0>繊維組織又は<110>円錐組織であるところの、断線
の懸念無く高性能の超電導線を作業性良く製造し得る伸
線用超電導Nb−Ti合金素材を、工業的規模で安定に量産
できるようにした点、 をも特徴とするものである。
なお、この発明においてNb−Ti合金のNb含有割合を25〜
60%と定めたのは、Nb含有割合が25%未満であったり、
60%を越えたりすると所望の超電導特性を示さなくなる
からである。
60%と定めたのは、Nb含有割合が25%未満であったり、
60%を越えたりすると所望の超電導特性を示さなくなる
からである。
また、前記「熱間加工」は、少なくとも最終の仕上げが
円周方向に均一で軸対象なメタルフローとなる加工(例
えば熱間押出し、スウェージング、3ロール孔型圧延
等)を含むものであれば良く、もちろん熱間加工の全部
がこのような加工であっても良いが、少なくとも最終の
仕上げ段階で“円周方向に均一で軸対象なメタルフロー
となる加工”を10%以上の加工度で施すことが肝要であ
る。なぜなら、最終の仕上げ段階での上記のような加工
の加工度が10%未満であると、前記所望の集合組織の確
実な実現が困難だからである。そして該加工度の上限は
設備能力によって定まるものでしかなく(例えば加工
度:90%の加工でも何ら差し支えない)、技術的な臨界
を見出すことはできない。
円周方向に均一で軸対象なメタルフローとなる加工(例
えば熱間押出し、スウェージング、3ロール孔型圧延
等)を含むものであれば良く、もちろん熱間加工の全部
がこのような加工であっても良いが、少なくとも最終の
仕上げ段階で“円周方向に均一で軸対象なメタルフロー
となる加工”を10%以上の加工度で施すことが肝要であ
る。なぜなら、最終の仕上げ段階での上記のような加工
の加工度が10%未満であると、前記所望の集合組織の確
実な実現が困難だからである。そして該加工度の上限は
設備能力によって定まるものでしかなく(例えば加工
度:90%の加工でも何ら差し支えない)、技術的な臨界
を見出すことはできない。
次に、この発明を実施例により更に具体的に説明する。
<実施例> 実施例 1 まず、常法通りの真空アーク溶解(3回溶解)にて、N
b:52.0%を含有するとともに残部がTi及び不可避的不純
物から成るNb−Ti合金インゴット(17Kg)を溶製し、次
いで1000℃に加熱した後、70mmφにまで鍛伸した。
b:52.0%を含有するとともに残部がTi及び不可避的不純
物から成るNb−Ti合金インゴット(17Kg)を溶製し、次
いで1000℃に加熱した後、70mmφにまで鍛伸した。
続いて、これを800℃に加熱してから再度熱間加工を施
し、20mmφの2種類の伸線用素材としたが、このときの
熱間加工方法としてはそれぞれ次のうちの一方を採用し
た。
し、20mmφの2種類の伸線用素材としたが、このときの
熱間加工方法としてはそれぞれ次のうちの一方を採用し
た。
押出し加工、 通常の2ロール孔型圧延。
次いで、上記各伸線用素材を常温にて10mmφにまでスウ
ェージ加工してから内径:10.5mmφ、外径:12.5mmφのCu
管内に挿入し、外径:1.4mmφまで伸線加工を行い、得ら
れた単芯線を束ねて再度Cu管に挿入し伸線加工を行って
(束伸法)、約10μmφの極細線とした。
ェージ加工してから内径:10.5mmφ、外径:12.5mmφのCu
管内に挿入し、外径:1.4mmφまで伸線加工を行い、得ら
れた単芯線を束ねて再度Cu管に挿入し伸線加工を行って
(束伸法)、約10μmφの極細線とした。
そして、これら一連の工程中において、 ○ 20mmφ伸線用素材断面における反射域の{011}極
点図、 ○ 1.4mmφまで伸線加工したNb−Ti合金線の断面形
状、 ○ 約10μmφまで伸線加工したときの断線率、 を調査したところ、第2図に示す如き結果が得られた。
点図、 ○ 1.4mmφまで伸線加工したNb−Ti合金線の断面形
状、 ○ 約10μmφまで伸線加工したときの断線率、 を調査したところ、第2図に示す如き結果が得られた。
第2図で示される結果からは次のことが確認できる。即
ち、 i)押出し材のように、20mmφの伸線用丸棒素材段階で
<110>繊維組織及びその円錐集合組織を有するもの
は、1.4mmφにまで伸線加工した後も断面形状が真円を
保っており、10mmφまでの伸線加工性も優れているこ
と、 ii)一方、2ロール孔型圧延材のように円周方向に均一
でない集合組織を有するものは、伸線加工中に断面形状
が矩形となり、10mmφまでの伸線加工後はかなりの率で
断線してしまうこと。
ち、 i)押出し材のように、20mmφの伸線用丸棒素材段階で
<110>繊維組織及びその円錐集合組織を有するもの
は、1.4mmφにまで伸線加工した後も断面形状が真円を
保っており、10mmφまでの伸線加工性も優れているこ
と、 ii)一方、2ロール孔型圧延材のように円周方向に均一
でない集合組織を有するものは、伸線加工中に断面形状
が矩形となり、10mmφまでの伸線加工後はかなりの率で
断線してしまうこと。
実施例 2 まず、実施例1と同様の方法にて、押出し加工材と2ロ
ール孔型圧延材の2種のNb−Ti合金丸棒素材(20mmφ)
を作製した。
ール孔型圧延材の2種のNb−Ti合金丸棒素材(20mmφ)
を作製した。
次に、これを内径:21mmφ、外径:25mmφのCu管に挿入
し、伸線加工を行って単芯線となし、続いてこの線材の
126本を外径:73mmφ、内径:60mmφのCuビレットに挿入
した後真空中での電子ビーム溶接にて蓋をして熱間押出
しビレットを得た。
し、伸線加工を行って単芯線となし、続いてこの線材の
126本を外径:73mmφ、内径:60mmφのCuビレットに挿入
した後真空中での電子ビーム溶接にて蓋をして熱間押出
しビレットを得た。
このようにして作られたビレットを500℃に2時間加熱
・保持してから、押出しによる30mmφまでの減面加工を
行った。
・保持してから、押出しによる30mmφまでの減面加工を
行った。
次いで、更に伸線加工を施し、途中の時効熱処理を経て
最終線径:0.32mmφ、フィラメント径:10μmφの極細多
芯線を作製した。
最終線径:0.32mmφ、フィラメント径:10μmφの極細多
芯線を作製した。
このときの ○ フィラメント径:30〜10μmφでの断線率、 ○ フィラメント径:30〜10μmφでの臨界電流密度、 の調査結果を第3図に示す。
第3図に示される結果からは、押出し加工にて作製され
たNb−Ti合金丸棒を素材とした超電導線はフィラメント
断線が少なくて臨界電流密度も高く、優れた超電導特性
を示すのに対して、2ロール孔型圧延加工材を用いた線
材ではフィラメントの断線が30μmφ程度の太いサイズ
において既に発生し、断線の増加とともに臨界電流値も
劣化することが確認できる。
たNb−Ti合金丸棒を素材とした超電導線はフィラメント
断線が少なくて臨界電流密度も高く、優れた超電導特性
を示すのに対して、2ロール孔型圧延加工材を用いた線
材ではフィラメントの断線が30μmφ程度の太いサイズ
において既に発生し、断線の増加とともに臨界電流値も
劣化することが確認できる。
<総括的な効果> 以上に説明した如く、この発明によれば、優れた伸線加
工性を有し、特性の優れた超電導線を作業性良く安定製
造し得るNb−Ti合金素材を提供することが可能となり、
高性能の核融合炉、高エネルギー物理機器、磁気浮上列
車、船舶の高速推進機、電子顕微鏡、NMR(核磁気共鳴
装置)、送電ケーブル等の開発・普及の促進に大きく役
立つことが期待できるなど、産業上極めて有用な効果が
もたらされるのである。
工性を有し、特性の優れた超電導線を作業性良く安定製
造し得るNb−Ti合金素材を提供することが可能となり、
高性能の核融合炉、高エネルギー物理機器、磁気浮上列
車、船舶の高速推進機、電子顕微鏡、NMR(核磁気共鳴
装置)、送電ケーブル等の開発・普及の促進に大きく役
立つことが期待できるなど、産業上極めて有用な効果が
もたらされるのである。
第1図は、<110>繊維軸の方向と線材軸の方向との関
係を説明した概略模式図であり、第1図(a)は<110
>繊維集合組織を、そして第1図(b)及び第1図
(c)は<110>円錐集合組織をそれぞれ示す、 第2図は、伸線用素材の種類による{110}極点図、伸
線過程の断面形状、及び伸線性の比較結果を示す図表、 第3図は、Nb−Ti合金押出し材と2ロール孔型圧延材よ
り作製した超電導線材の臨界電流密度及びフィラメント
断線率に及ぼすフィラメント径の影響を示すグラフであ
る。
係を説明した概略模式図であり、第1図(a)は<110
>繊維集合組織を、そして第1図(b)及び第1図
(c)は<110>円錐集合組織をそれぞれ示す、 第2図は、伸線用素材の種類による{110}極点図、伸
線過程の断面形状、及び伸線性の比較結果を示す図表、 第3図は、Nb−Ti合金押出し材と2ロール孔型圧延材よ
り作製した超電導線材の臨界電流密度及びフィラメント
断線率に及ぼすフィラメント径の影響を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市橋 弘行 兵庫県尼崎市西長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 永田 正之 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 武井 廣見 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 大松 一也 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特公 昭48−14397(JP,B1) 加藤健三著「金属塑性加工学」(昭46− 6−25)丸善、P.21〜28
Claims (2)
- 【請求項1】重量割合にて25〜60%のNbを含むとともに
残部が実質的にTiから成り、かつその集合組織が、軸方
向が〈110〉、(100)面が円周方向に均一に分布する
〈110〉繊維組織又は〈110〉円錐組織であることを特徴
とする、伸線用超電導Nb−Ti合金。 - 【請求項2】重量割合にて25〜60%のNbを含むとともに
残部が実質的にTiから成る合金に、“円周方向に均一で
軸対象なメタルフローとなり、かつ加工度が10%以上の
最終仕上げ段階を包含した熱間加工”を施すことを特徴
とする、軸方向が〈110〉、(100)面が円周方向に均一
に分布する〈110〉繊維組織又は〈110〉円錐組織である
集合組織を有した伸線用超電導Nb−Ti合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61091664A JPH0762193B2 (ja) | 1986-04-21 | 1986-04-21 | 超電導Nb―Ti合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61091664A JPH0762193B2 (ja) | 1986-04-21 | 1986-04-21 | 超電導Nb―Ti合金及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6333534A JPS6333534A (ja) | 1988-02-13 |
JPH0762193B2 true JPH0762193B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=14032749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61091664A Expired - Lifetime JPH0762193B2 (ja) | 1986-04-21 | 1986-04-21 | 超電導Nb―Ti合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762193B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7227059B2 (ja) * | 2019-04-05 | 2023-02-21 | Thk株式会社 | 中空軸部材の製造方法および転動装置の製造方法 |
-
1986
- 1986-04-21 JP JP61091664A patent/JPH0762193B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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加藤健三著「金属塑性加工学」(昭46−6−25)丸善、P.21〜28 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6333534A (ja) | 1988-02-13 |
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