JPH0761772A - 金属帯コイルの運搬装置 - Google Patents

金属帯コイルの運搬装置

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JPH0761772A
JPH0761772A JP21186993A JP21186993A JPH0761772A JP H0761772 A JPH0761772 A JP H0761772A JP 21186993 A JP21186993 A JP 21186993A JP 21186993 A JP21186993 A JP 21186993A JP H0761772 A JPH0761772 A JP H0761772A
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Seiji Ebisu
誠治 戎
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無人運転による金属帯コイルの荷卸し作業を
コイル相互の衝突が全くなく、安全性の確保の下に、床
置き1段に限らず多段積みの実現を図らせる。 【構成】 移動手段1と、超音波発信/受信手段17
と、判定手段とを含んで金属帯コイルCの運搬装置が構
成される。超音波発信/受信手段17は、移動手段1の
把持手段9によって把持される金属帯コイルCに対し
て、その移動方向の下流側に取付けられる超音波センサ
を備える。一方、判定手段は超音波発信/受信手段17
を作動させて、把持手段9が目標位置に到達するよりも
先に、この目標位置に金属帯コイルCがあるかないかを
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、倉庫などのコイル置場
所に設置されて自動制御される運搬装置に関し、もっと
詳しくは、高重量の金属帯コイルを相互間の接触、衝突
による事故を防止して安全に荷揚げ、荷卸しすることが
可能な金属帯コイルの運搬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属帯を巻回して形成される金属帯コイ
ルをコイル置場所において、自動運搬管理するための典
型的な先行技術が特開昭59ー212321号公報およ
び特開平2ー255412号公報によって公知である。
それらの先行技術によれば、クレーンで実現される運搬
装置によって金属帯コイルを一旦吊上げて移動し、別の
場所に荷卸しする際、コンピュータによる記憶管理によ
って自動運転させており、無人化による製品保管が図ら
れているが、コンピュータの記憶情報が絶対的に正確で
あるとは限らないために、記憶管理による誤りをチェッ
クすることが一般に行われている。このチェックは、コ
イル置場所の各荷卸し位置に、たとえば近接スイッチ、
リミットスイッチなどのハードセンサを設けて、障害物
としての金属帯コイルが存在するか否かを電気信号の有
無で検出することによって行っており、また当該位置に
反射方式の光電スイッチセンサを動作させるための反射
板を配置して、クレーン上に取付けられた光電スイッチ
によって、金属帯コイルが載置されている場合は反射光
が遮られ、載置されていない場合は反射光が受けられる
ことの別で、その在否を光電変換的に検出することによ
って行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述する従来の検出方
式は、荷卸し位置の数が多くなってくると次のような問
題が生じる。リミットスイッチなどのハードセンサの場
合は、各スイッチの信号をコンピュータに取込むための
電気配線本数が膨大となって配線工事コストが嵩むた
め、現実的には実現困難である。一方、反射板を設置す
る方式では、工事コストは比較的廉価で済むが、反射板
の清掃管理が厄介であるし、コイル置場所での作業に際
し吊荷と作業者が近接するなど危険が伴うばかりでな
く、多大な労力を必要とする。
【0004】最近になって、コイル置場所の有効利用を
図る見地から、金属帯コイルを2段以上に積んで保管す
ることが行われるようになってきているが、先行技術に
よる従来の検出方式では、2段目以上の金属帯コイルに
関連して設置することは実際上不可能であるため、セン
サによるチェックはなしで、コンピュータの記憶管理に
基づく情報だけを判断材料として荷卸しすることにな
り、万が一、コンピュータの記憶管理に誤りがあった場
合、金属帯コイル同士を衝突させて損傷を招く恐れがあ
り、危険性があるために、監視員を置かざるを得ないな
どの問題がある。
【0005】したがって本発明の目的は、前述する従来
の諸問題を解消し、無人運転による金属帯コイルの荷卸
し作業を安全性が高く、かつ経済的に有利な条件の下で
確実、容易に実現することができ、さらに多段積みの荷
卸し作業にも高信頼性下で適用し得る運搬装置を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、コイル置場所
に設けられ、金属帯コイルを把持する把持手段をコイル
置場所の目標位置に移動する移動手段と、把持手段の移
動方向の下流側に取付けられる超音波センサを備える超
音波発信/受信手段と、超音波発信/受信手段を作動さ
せて、把持手段が目標位置に到達するよりも先に、該目
標位置に金属帯コイルがあるか否かを判定する判定手段
とを含むことを特徴とする金属帯コイルの運搬装置であ
る。
【0007】また本発明は、移動手段が走行軸と横行軸
との水平方向に直交差する2つの移動軸を備えることを
特徴とする。
【0008】また本発明は、行列に配置される各目標位
置に対応するアドレスに対して、金属帯コイルの在否が
ストアされる論理アドレスと、コイル置場所に行列配置
され、金属帯コイルが載置される各目標位置に対する移
動原点からの走行軸/移動軸距離がアドレスにストアさ
れる物理アドレスと、論理アドレスと物理アドレスとの
対応するアドレスを参照させるための参照表と、コイル
置場の各目標位置における金属帯コイルの実際の在否
と、論理アドレスの対応番地における在否情報とが合致
しないときに、論理アドレスの在否情報を書き直させる
修正手段とが移動手段の制御部に備えられることを特徴
とする。
【0009】また本発明は、超音波センサが、把持手段
の周りの走行軸方向および横行軸方向の4個所に、検出
軸を垂直下方に指向して設けられ、判定手段が、4個の
超音波センサのうち移動する把持手段における下流側の
超音波センサを選択し、検出作動させることを特徴とす
る。
【0010】
【作用】本発明に従えば、クレーンなどの運搬装置によ
って金属帯コイルを搬送し、コイル置場所の目標位置
で、置台などの上に載置する際、移動方向の下流側、す
なわち、把持手段よりも先行する位置に設けられる超音
波センサからの信号を受ける判定手段が、目標位置に金
属帯コイルがあるか否かを、把持手段が目標位置に到達
するよりも先に判定する。したがって、この判定信号を
チェックすることによって、目的の場所に荷卸しが可能
かどうかを的確に判断でき、把持手段が把持する金属帯
コイルを、空き場所の1段置きは勿論、既存の金属帯コ
イル上の2段置きにも、確実に荷卸しでき、しかも衝
突、接触の事故を未然に防ぐことも可能である。
【0011】また本発明によれば、マイクロコンピュー
タなどの処理部において、万一、記憶情報に誤りがあっ
たとしても、目標位置において逸早く金属帯コイルの存
在を検出して、安全に他の空き位置に搬送換えすること
ができ、同時に論理アドレスにストアされる情報を実態
に合致した正確な情報に書き直させることによって、常
に正しい情報に基づく正常な運搬管理を行わせることが
できる。
【0012】また本発明に従えば、水平方向の走行軸と
横行軸との直交差する直線移動と、両軸方向に設けられ
る4個の超音波センサとを組合せる構成とすることによ
って、把持中の金属帯コイルに対して、常に先行した位
置での確実なチェック機能を果たして、安全かつ効率的
に運搬作業が行える。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である運搬装置全
体の構成を簡略化して示す斜視図である。図1に示され
る運搬装置1は、クラブトロリ式天井クレーンによって
実現される。この天井クレーン1は、コイル置場所2の
建物における両側の壁3の上部に敷設された互いに平行
な一対のランウェイ4,5に対して、クレーンガーダ6
が橋状に跨って走行軸の方向D1とD2とに走行可能に
架設され、該クレーンガーダ6にクラブトロリ7が横行
可能に搭載される周知の構造である。クラブトロリ7
は、横行台車8と、該台車8自身を横行させる駆動装置
と、巻上げ装置とを備え、横行台車8がクレーンガーダ
6上に設けられる一対の平行なレール10,11に案内
されて、横行軸の方向D3とD4に横行する。この横行
台車8によって懸垂し、巻上げし、巻下げされる基板1
2が設けられ、該基板12に金属帯コイルCを把持する
ための把持手段9が連結される。把持手段9は、相対向
する爪部を接近離間可能に備える門形の把持部13と、
大略的にV字状を成し基板12の下面に取付けられる支
持部14とを、下・上に配設し連結して形成されるコイ
ルリフタによって実現される。
【0014】天井クレーン1は、コイルリフタ9によっ
て金属帯コイルCを巻芯の両端部孔から挿入した爪部で
把持して、床21上に決められる複数個所のコイル荷卸
し位置間を移動し、金属帯コイルCを運搬・載置させる
ことが可能である。
【0015】図2および図3は、図1に示される横行台
車8の正面図および側面図である。横行台車8には、下
方に向けて4個所にU字形の保持金具15,16が垂設
される。それら保持金具15,16は、近接位置で移動
する各部材に対して衝突しないような位置を選定して、
コイルリフタ9の周りの横行方向と走行方向との4個所
に設けられる。各保持金具15,16の各下方先端部に
は、超音波レベル計で実現される超音波発信/受信手段
17が取付け固定される。この超音波レベル計17は、
超音波センサを検出要素として備え、検出軸を垂直下方
に指向させて取付けられる。超音波レベル計17の具体
装置としては、超音波工業株式会社製の型式ULM−5
1が例として挙げられる。超音波レベル計17は、直下
の床3との間の距離が測定可能であって、また、床3上
に金属帯コイルCが置かれている場合は、その周胴にお
ける頂部との間の距離が測定可能であって、さらに、2
段置きの場合にも、2段目に載置される金属帯コイルC
の周胴頂部との間の距離が測定可能である。
【0016】以上は、本実施例の装置構成の概要であ
る。次に、クレーン1の自動制御による金属帯コイルC
の運搬作業の態様を説明する。図4は、クレーン1が設
けられるコイル置場2でのコイル荷卸し位置の配列パタ
ーンが示される平面図である。金属帯コイルCは、床2
1に平行を保持し近接して定置される一対のコイル置台
18上に橋架して載せられる。コイル置台18は、一対
の構造に限らなく、1基だけのものでも良い。このコイ
ル置台18は、上面部が金属帯コイルCの周面に対応す
る部分円柱面に形成され、搭載された金属帯コイルCの
下部が床21に接することなく僅かに浮いた状態で安定
し得るようになっている。
【0017】上記コイル置台18は、床21上に行列関
係にて複数個配設される。クレーン1の走行軸X、すな
わちランウエイ4,5の長手方向に平行な方向の複数列
と、横行軸Y、すなわちクレーンガーダ6の長手方向に
平行な方向の複数行とに分散させて多行多列に配設さ
れ、たとえば図4において下から第1行および第2行に
は、大径の金属帯コイルCに対応するコイル置台18が
等間隔の複数列定置され、下から第3行、第4行には、
中間径の金属帯コイルCに対応するコイル置台18が同
要領で複数列定置され、さらに下から第5行、第6行に
は、小径の金属帯コイルCに対応するコイル置台18が
同じように複数列定置される。
【0018】それ等の2個1組のコイル置台18によっ
て決まる荷卸し位置には、搭載される金属帯コイルCの
中心軸が床21に投影する位置に対応させて、図4の左
から第1列目より順番に、第1行では、第1段用の位置
線A1,B1,…,N1が、第2行では、第1段用の位置
線A2,B2,…,N2が、同じように第6行では、第1
段用の位置線A6,B6,…,N6がそれぞれ画定され
る。さらに、2段置きの場合に対応させて、各第1段用
位置線に対して等分中間線に相当する第2段用の位置線
が、たとえば第1行では、AB1,BC1,…,MN
1で、第6行ではAB6,BC6,…,MN6でそれぞれ画
定される。
【0019】このようにして画定される各位置線An
n,ABn〜MNnにおける中点となる位置を、金属帯
コイルCの荷卸し位置の中心点と決めて、この中心点を
X,Y座標によって目標位置として位置付けさせる。す
なわち、天井クレーン1におけるクラブトロリ7の移動
原点Pを基準として、走行軸X方向に何メートル、横行
軸Y方向に何メートルかを測定することによって、各目
標位置を2次元的に設定することが可能であり、この座
標が後述する物理アドレス24に、目標位置情報として
ストアされることになる。一方、各位置線An〜Nn,A
n〜MNnに金属帯コイルCが存在しているかいないか
が、在否情報として後述する論理アドレス23にストア
される。
【0020】図5は、金属帯コイルCをクレーン1によ
って運搬する際の荷卸し可否の説明図である。各位置線
1,B1,L1,M1,N1については、コイルCが存在
しているので、運搬中の金属帯コイルCの荷卸しは禁止
(NG)であり、位置線C1についてのみ許容(OK)
である。また、第2段置きの場合には、位置線AB1
MN1については許容(OK)され、位置線BC1,LM
1については禁止(NG)される。
【0021】クレーン1が金属帯コイルCを把持し移動
する過程において、荷卸しに備えて金属帯コイルCの在
否を確認する必要があり、その判断の態様に関して、図
6〜図8によって説明する。図6は、超音波レベル計1
7の取付け態様が示されるコイルリフタ9の平面図、図
7は超音波レベル計17によるコイル検出動作を説明す
る斜視図、図8は同じく超音波レベル計17の検出特性
線図である。コイルリフタ9が把持中の金属帯コイルC
を中心として、走行軸X方向の前後両側と、横行軸Y方
向の前後両側との位置に超音波レベル計17の超音波セ
ンサ17Sが検出軸を垂直下方に指向して配設される。
クレーン1がX,Y軸の4方向のいずれに移動している
かによって、その移動方向の下流側、すなわち、金属帯
コイルCに対して先行している超音波センサ17S、た
とえば図6では右側のセンサによって、目標位置にコイ
ルが存在するかどうかを検出すれば、コイル衝突を避け
て移動することが可能である。
【0022】上述するコイル在否の検出は、図7に示さ
れるように走行軸X方向に走行中のときは、金属帯コイ
ルCの軸方向に走行することによって、コイル端部をセ
ンサが指向した場合に、床21と金属帯コイルCの頂部
との間に生じる急峻な距離の変化が検出され、一方、横
行軸Y方向に走行している場合は、距離の変化が急峻
に、かつ、徐々に現れて検出される。たとえば、1.5
mφの金属帯コイルCを、軸直角の径方向(Y)に走行
中の超音波センサによって距離測定したときの特性が図
8に示される。超音波センサ17Sが床面から9.45
mの高さで40m/minで移動していて、1.5m高
さの頂部を検出するのに約900msの時間を要したこ
とになり、その際の応答時センサ移動距離は約700m
mとなることが判った。すなわち、当該センサ17Sを
用いたときは、最大40m/minで移動した場合に、
検出可能な最小コイル外径または幅は700mmである
と言えるのである。換言すれば、コイル外径または幅が
700mm以下のものを検出せねばならない場合には、
この移動速度を40m/min以下にする必要があるこ
とを意味しているのである。
【0023】図9は、本発明の実施例に係るブロック示
電気制御回路図である。クレーン1を自動運転するため
の制御回路は、4個の超音波レベル計17-1〜17
-4と、処理部19と、メモリ20と、クレーン駆動手段
22とを含んで構成される。処理部19は中央演算処理
装置CPU、このCPUを作動させるためのプログラム
が書込まれるメモリ等の要素を備え、4個の超音波レベ
ル計17-1〜17-4からの距離信号を受けて、メモリ2
0との間での各データの授受、クレーン駆動手段22へ
の作動指令の出力を行う。
【0024】メモリ20には、論理アドレス23と、物
理アドレス24と、参照表25とを備える。図10に
は、論理アドレス23のテーブルが、また図11には物
理アドレス24のテーブルがそれぞれ示される。論理ア
ドレス23は、図4に示される各荷卸し位置、すなわち
各目標位置に対応して行列的に設けられるアドレスに対
して、目標位置情報A1〜N1、AB1〜MN2,…,AF
〜NF、ABF〜MNFが付されるとともに、各アドレス
に対して金属帯コイルCが存在しているか否かの情報が
書込まれる。一方、物理アドレス23は、論理アドレス
と同様に目標位置情報A1〜N1、AB1〜MN1,…,A
F〜NF1、ABF〜MNFが付されるとともに、その各位
置におけるX,Y座標が書込まれる。参照表25は、前
記両メモリ23,24のアドレス割付けの細目を書いた
表で、論理アドレス23の各アドレスに対応する物理ア
ドレス24のアドレスを参照して、書込まれている情報
を処理部19に送り込ませるようになっている。
【0025】図12は、処理部19に組込まれるプログ
ラムの動作順序を示すフローチャートであり、ステップ
n1〜n13で構成される。図12を参照して、金属帯
コイルCを目標位置に自動搬送する処理手順を以下説明
する。プログラムの開始に先立って、クレーン1は移動
原点Pに戻されて、ここで金属帯コイルCをコイルリフ
タ9によって吊上げ保持している。ステップn1に進ん
で、吊上げている金属帯コイルCの寸法が大径、中間
径、小径の何れであるかを決定して処理部19にインプ
ットする。これによって、目標位置のコイル径毎のグル
ープが選択され、ステップn2に移行して、論理アドレ
ス23から空いている目標位置を検索する。
【0026】続いて、ステップn3に移って物理アドレ
ス24から該当する空の目標位置の座標が読出される。
この読出しが行われると、次のステップn4に進んでク
レーン1の移動ルートが決定され、ステップn5に移っ
てクレーン1が走行/横行によって移動開始する。目標
位置を含むグループに近付いた所定個所に到達すると、
ステップn6に移って目標位置に対する進入を開始す
る。続いて、ステップn7に進んで移動方向前方の超音
波レベル計17を決定し作動させる。この超音波レベル
計17によって、次のステップn8において目標位置
に、すでに金属帯コイルCが置かれているかどうかが検
出され、判定手段によってコイル在否が判定される。
【0027】目標位置に金属帯コイルCが存在しない場
合は、ステップn9,n10,n11に順次移行して、
目標位置に到達した後、金属帯コイルCを降ろしてコイ
ル置台18に載せ、次いでクレーン1を移動原点Pに復
帰動させる。
【0028】一方、ステップn8で判定手段によってコ
イルの存在が判定されると、ステップn12に進み、ク
レーン1の移動を一旦停止させる。この停止によって、
コイル相互の衝突は回避される。続いて、ステップn1
3に移行して、修正手段によって修正を行わせる。この
修正手段は、論理アドレス23の対応するアドレスの情
報が「コイルなし」となっていたのを「コイル有り」に
修正して、コイル置場2内の実際のコイル在否条件と論
理アドレス23の在否条件を合致させるものであって、
自動的に処理することが可能であるが、運転員のマニュ
アル操作によって行わせるようにしてもよい。
【0029】ステップn13での修正作動と相前後し
て、ステップn2に移行して次の空の目標位置を検索す
る。以後、ステップn3およびステップn8に順次移行
して、次の空目標位置にクレーン1を移動させ、金属帯
コイルCが存在しないことを確認して、ステップn9お
よびステップn11に順次移行させて、金属帯コイルC
の荷卸し、クレーン1の原点復帰を行わせる。
【0030】以上の動作によって、自動運搬のサイクル
が終了し、初期状態に復するため、以降、ステップn1
から始まって次の新しい金属帯コイルCの運搬が同じ要
領で行われる。
【0031】ここで、ステップn8でのコイル在否の判
定に際して、たとえば床上に置く(置台を介して)場合
であれば床との距離が測定結果とほぼ合致するかどうか
をチェックする。また、金属帯コイルC12(図1参
照)の上に2段に置くような場合であれば、少なくとも
前記測定結果の距離が、床との距離に加えて金属帯コイ
ル1個分の直径にほぼ合致するか否かをチェックし、障
害物としての金属帯コイルがないことを確認して荷卸し
するものである。
【0032】なお、この実施例は天井クレーンについて
説明したが、本発明は天井クレーンに限らなく、ジブク
レーンなど、他の移動手段を採用し得ることは言うまで
もない。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、移動
手段において把持手段に把持される金属帯コイルが、移
動によって目標位置に到達するよりも先に、判定手段に
よって金属帯コイルがこの目標位置にあるか否かを判定
することが可能であり、したがって金属帯コイルが床上
1段置きの場合はもとより、2段に積まれる場合であっ
ても、当該場所の金属帯コイルの有無が逸早く判別でき
て、たとえばコンピュータの記憶管理不良等に起因する
荷卸し時の金属帯コイル同士の衝突を未然に防止するこ
とができ、かつクレーンにて該金属帯コイルを搬送しな
がらチェックできるので、全体の搬送時間に対し影響が
なく、また従来多く利用されている反射板を使用する方
法に比較し、清掃といった労力も必要とせず、またハー
ドセンサを取付ける場合の様な大ががりな電気配線工事
費用も必要でないので、安全性、経済性を格段に向上す
ることができるため、工業的価値は非常に大きいもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である搬送装置全体の構成を
簡略化して示す斜視図である。
【図2】図1に示される横行台車8の正面図である。
【図3】図1に示される横行台車8の側面図である。
【図4】図1に示されるコイル置場2でのコイル荷卸し
位置の配列パターンを示す平面図である。
【図5】図1に示されるクレーン1で運搬する金属帯コ
イルCの荷卸し可否の説明図である。
【図6】図2に示される超音波レベル計17の取付け態
様を示す平面図である。
【図7】図6図示の超音波レベル計17によるコイル検
出動作を説明する斜視図である。
【図8】図7に対応するコイル検出特性線図である。
【図9】本発明の実施例に係る運搬装置のブロック示電
気制御回路図である。
【図10】図9における論理アドレス23の図表であ
る。
【図11】図9における物理アドレス24の図表であ
る。
【図12】図9における処理部19に組込まれるプログ
ラムの動作順序を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 運搬装置 2 コイル置場 7 クラブトロリ 8 横行台車 9 把持手段 17 超音波発信/受信手段 18 コイル置台 19 処理部 20 メモリ 21 床 22 クレーン駆動手段 23 論理アドレス 24 物理アドレス 25 参照表 C 金属帯コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル置場所に設けられ、金属帯コイル
    を把持する把持手段をコイル置場所の目標位置に移動す
    る移動手段と、 把持手段の移動方向の下流側に取付けられる超音波セン
    サを備える超音波発信/受信手段と、 超音波発信/受信手段を作動させて、把持手段が目標位
    置に到達するよりも先に、該目標位置に金属帯コイルが
    あるか否かを判定する判定手段とを含むことを特徴とす
    る金属帯コイルの運搬装置。
  2. 【請求項2】 移動手段が走行軸と横行軸との水平方向
    に直交差する2つの移動軸を備えることを特徴とする請
    求項1記載の金属帯コイルの運搬装置。
  3. 【請求項3】 行列に配置される各目標位置に対応する
    アドレスに対して、金属帯コイルの在否がストアされる
    論理アドレスと、 コイル置場所に行列配置され、金属帯コイルが載置され
    る各目標位置に対する移動原点からの走行軸/移動軸距
    離がアドレスにストアされる物理アドレスと、 論理アドレスと物理アドレスとの対応するアドレスを参
    照させるための参照表と、 コイル置場の各目標位置における金属帯コイルの実際の
    在否と、論理アドレスの対応番地における在否情報とが
    合致しないときに、論理アドレスの在否情報を書き直さ
    せる修正手段とが移動手段の制御部に備えられることを
    特徴とする請求項2記載の金属帯コイルの運搬装置。
  4. 【請求項4】 超音波センサが、把持手段の周りの走行
    軸方向および横行軸方向の4個所に、検出軸を垂直下方
    に指向して設けられ、判定手段が、4個の超音波センサ
    のうち移動する把持手段における下流側の超音波センサ
    を選択し、検出作動させることを特徴とする請求項2記
    載の金属帯コイルの運搬装置。
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