JPH0761258B2 - 抗菌活性を有する酵母 - Google Patents

抗菌活性を有する酵母

Info

Publication number
JPH0761258B2
JPH0761258B2 JP62274426A JP27442687A JPH0761258B2 JP H0761258 B2 JPH0761258 B2 JP H0761258B2 JP 62274426 A JP62274426 A JP 62274426A JP 27442687 A JP27442687 A JP 27442687A JP H0761258 B2 JPH0761258 B2 JP H0761258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
antibacterial activity
strain
cells
candida
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62274426A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01117778A (ja
Inventor
健一 清水
洋一 横森
勲 川本
勝彦 安藤
裕一 秋山
Original Assignee
協和醗酵工業株式会社
サントネージュワイン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 協和醗酵工業株式会社, サントネージュワイン株式会社 filed Critical 協和醗酵工業株式会社
Priority to JP62274426A priority Critical patent/JPH0761258B2/ja
Publication of JPH01117778A publication Critical patent/JPH01117778A/ja
Publication of JPH0761258B2 publication Critical patent/JPH0761258B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、抗菌活性を有する酵母に関する。酵母は、食
品およびワインなどのアルコール飲料の製造に用いられ
ており、本発明は、食品およびアルコール飲料などの製
造分野に利用できる。また、医薬、農薬などの分野での
利用可能性も有する。
従来の技術 抗菌活性を有する酵母に関しては、ナフサキノン系抗生
物質を生産するオーレオバシディウム(Aureobasidiu
m)属類縁の新菌種酵母〔ジャーナル・オブ・アンチバ
イオティクス(J.Antibiotics)37,No.4,325(198
4)〕、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属およびク
ロエケラ(Kloeckera)属に属する酵母〔アプライド・
エンバイランメンタル・マイクロバイオロジー(App.En
viron.Microbiol.)50,No5,1330(1985)〕およびサッ
カロマイセス属に属する酵母〔エー・エス・ビー・シー
・ジャーナル(ASBC Journal)42,No4,164(1984)〕な
どが知られている。
発明が解決しようとする問題点 一般に、酒類、アルコールの製造には、酵母による発酵
の工程が必須である。この発酵工程においては、しばし
ば野性酵母ならびに乳酸菌、酢酸菌などの野性細菌によ
る汚染が問題となる。このうち、野性酵母による汚染の
問題を解決するために、既に、優良キラーワイン酵母が
実用化されている〔ジャーナル・オブ・ファーメンテー
ション・テクノロジー(J.Ferm.Technol.)63,No5,421
(1985)、ヴァイン・ヴィセンシャフト(Wein Wissens
chaft)No.4,258(1985)、インターナショナル・コン
グレス・オブ・ヴァイン・アンド・ワイン(Internatio
nal Congreess of vine and wine)(OIV総会)要旨集,
p.23(1985)〕。しかし、キラー酵母によって生産、分
泌されるキラー物質は、酵母には有効であるが、細菌に
対して抗菌活性を示さないため、細菌による汚染の問題
は、既知のキラー酵母によって解決することができな
い。
従って、酵母、細菌の両者に対して抗菌活性を有する酵
造用酵母の育種は、酒類、アルコールの製造上大変重要
である。
問題点を解決するための手段 本発明者は、細菌に対して抗菌活性を有する酵母の検索
を行った結果、抗菌活性を有する酵母として、ブドウ果
皮より4株、ブナ樹液より1株をそれぞて取得し、本発
明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、細菌に対して抗菌活性を有するメチュニコ
ヴィア・プルシェリーマ(Metschnikowia pulcherrim
a)、キャンディダ・ピントロペシー(Candida pintolo
pesii)、キャンディダ・フェニカ(Candida fennica)
およびピキア・メンブラネファシエンス(Pichia membr
anaefaciens)、およびキャンディダ・スピーシーズ(C
andida sp.)A−31−2(FERM BP−1441号)を提供す
る。
本発明の酵母菌株は、具体的にはそれぞれ、メチュニコ
ヴィア・プルシェリーマG−94−3、キャンディダ・ス
ピーシーズA−31−2、ピキア・メンブラネファシエン
スS−105−1、キャンディダ・ピントロペシ−B−48
−2、キャンディダ・フェニカN−6−1があげられ、
次のような菌学的性質を示す。
I.メチュニコヴィア・プルシェリーマG−94−3 本菌株は、山形県においてブドウ果皮より分離されたも
ので、その菌学的性質は次の通りである。
麦芽エキス寒天培地上において、25℃で培養したとき、
集落はクリーム色を呈する。培養後2週間めには、赤褐
色の色素の形成がみられる。その赤褐色色素は、カロチ
ノイド系色素ではない。光学顕微鏡観察においては、球
形、亜球形あるいは楕円形の栄養細胞が認められ、真性
菌糸は認められない。栄養細胞は多極出芽により増殖す
る。好気性。
希釈V8寒天培地(Pitt and Miller、1968)において、2
0℃で培養した集落を光学顕微鏡で観察した結果、子の
うが認められる。子のうは、スフェロペドゥンキュレー
ト(sphaeropedunculate)、即ち、球状構造にその直径
より細い円筒形の管を有する形態からなり、球状構造は
直径5〜7μmで、管は長さ9〜25μm、直径1〜1.5
μmである。子のう内には、1〜2個の針状の子のう胞
子を有する。本菌株は、硝酸塩を資化できず、グルコー
スからの強い生酸性は認められない。
本菌株を、ザ・イースツ・ア・タキソノミック・スタデ
ィー第3版(The Yeasts,a taxonomic study,third rev
ised and enlarged dition,Elsevier Science Public
ation B.V.,N.J.W.Kreger−van Rij,1984年)に従って
検索した結果、上記の菌学的性質からメチュニコブィア
・プルシェリーマ(Metschnikowia pulcherrima)と同
定し、メチュニコブィア・プルシェリーマG−94−3
(以下G−94−3という)と命名して、工業技術院微生
物工業技術研究所(微工研)に昭和62年8月7日付でFE
RM BP−1438号として寄託した。
II.キャンディダ・スピーシーズA−31−2 本菌株は、山梨県においてブドウの果皮より分離された
もので、その菌学的性質は次の通りである。
麦芽エキス寒天培地上において、25℃で培養したとき、
集落は光沢のあるクリーム白色を呈し、カロチノイド色
素の生成は認められない。光学顕微鏡観察においては、
亜球形あるいは楕円形で、長さ2.5〜4.5μm、幅1〜3
μmの栄養細胞が認められる。栄養細胞は多極出芽によ
って増殖する。真性菌糸ならびに偽菌糸は認められな
い。好気性。テレオモルフは観察されない。本菌株は、
硝酸塩、イノシトールを資化できない。
本菌株を、「ザ・イースツ・ア・タキソノミック・スタ
ディー 第3版」によって検索した結果、上記の菌学的
性質からキャンディダ(Candida)属に属すると結論さ
れる。
本菌株をキャンディダ・スピーシーズ(Candida sp.)
A−31−2(以下A−31−2という)と命名し、微工研
に、昭和62年8月7日付でFERM BP−1441号として寄託
した。
III.キャンディダ・ピントロペシ−B−48−2 本菌株は、山梨県白根町においてブドウの果皮より分離
されたもので、その菌学的性質は次の通りである。
麦芽エキス寒天培地上において、25℃で培養したとき、
集落はクリーム色を呈する。光学顕微鏡観察において
は、亜球形あるいは卵形の栄養細胞のみ認められ、真性
菌糸ならびに偽菌糸は認められない。栄養細胞は多極出
芽によって増殖する。好気性。テレオモルフは観察され
ず、カロチノイド系色素の生成は認められない。本菌株
は、ディアゾニウム・ブルーB(DBB)試験は陰性で、
硝酸塩を資化できない。イノシトール、エリスリトー
ル、マルトース、マンニトール、ガラクトース、トレハ
ロース、セロビオース、キシロースの各種糖類を資化で
きない。グルコースの発酵能を有するが、サッカロース
の発酵能を欠く。生育温度範囲は10〜37℃。ビタミン要
求性を示し、ビタミン非含有培地では生育できない。
本菌株を、「ザ・イースツ・ア・タキソノミック・スタ
ディー 第3版」に従って検索したところ、上記の菌学
的性質からキャンディダ・ピントロペシー(Candida pi
ntolopesii var.pintolopesii)と同定し、キャンディ
ダ・ピントロペシーB−48−2(以下B−48−2とい
う)と命名して、微工研に昭和62年8月7日付でFERM B
P−1440号として寄託した。
IV.ピキア・メンブラネファシエンスS−105−1 本菌株は、山梨県一宮町においてブナの樹液より分離さ
れたもので、その菌学的性質は次の通りである。
麦芽エキス寒天培地上において、25℃で培養したとき、
集落は、鈍い光沢のあるクリーム黄色を呈する。
光学顕微鏡観察においては、亜球形あるいは長楕円形の
栄養細胞ならびに通常4個の子のう胞子を内在する楕円
形あるいは長楕円形の子のうが認められる。栄養細胞は
多極出芽によって増殖する。子のう胞子は無色で、球形
あるいは半球形を呈する。真性菌糸は認められない。偽
菌糸はよく発育し、それら細胞内に頻繁に子のう胞子が
観察される。好気性。カロチノイド系色素の生成は認め
られない。本菌株は硝酸塩を資化できず、マルトース、
ガラクトース、トレハロース、マンニトール、サリシン
およびグルコン酸カリウムを資化できない。グルコース
の発酵能はなく、強い生酸性も観察されない。
本菌株を、「ザ・イースツ・ア・タキソノミックス・ス
タディー 第3版」に従って検索した結果、上記の菌学
的性質からピキア・メンブラネファシエンス(Pichia m
embranaefaciens)と同定し、ピキア・メンブラネファ
シエンスS−105−1(以下S−105−1という)と命名
して,微工研に、昭和62年8月7日付で,FERM BP−1439
号として寄託した。
V.キャンディダ・フェニカN−6−1 本菌株は、山梨県においてブドウの果実より分離された
もので、その菌学的性質は次の通りである。
麦芽エキス寒天培地上において、25℃で培養したとき、
集落は白色を呈する。光学顕微鏡観察においては、真性
菌糸がよく発育し、まれに偽菌糸も観察される。栄養細
胞は、真性菌糸あるいは偽菌糸より、出芽型に形成され
る。同時に、栄養細胞は多極出芽型の増殖様式を示す。
栄養細胞は球形、卵形あるいは楕円形を呈する。好気
性。テレオモルフは観察されず、カロチノイド系色素の
生成は見られない。
本菌株は、DBB試験は陰性を示し、硝酸塩を資化できな
い。また、イノシトール、L−ラムノース、ラクトー
ス、ガラクチトールの各種糖類は資化できないが、エリ
スリトール、ラフィノースは資化できる。
本菌株を、「ザ・イースツ・ア・タキソノミック・スタ
ディー 第3版」に従って検索した結果、上記の菌学的
性質から、キャンディダ・フェニカ(Candida fennic
a)と同定し、キャンディダ・フェニカN−6−1(以
下N−6−1という)と命名して,微工研に昭和62年8
月7日付でFERM BP−1442号として寄託した。
ここで得られたG−94−3株は、広い抗細菌スペクトル
を有し、N−6−1株は細菌、酵母に、A−31−2株は
細菌、酵母、カビに対して抗菌活性を示す。また、B−
48−2、S−105−1の2株はメチレンブルー存在下で
のみバチルス・ズブティリス(Bacillus subtilis)に
抗菌活性を示す。これらの酵母菌株、特にG−94−3お
よびA−31−2は、例えば、細胞融合、遺伝子操作など
による、醸造用酵母への上記の抗菌活性の導入の際の材
料として用いることができる。また、これらの生産する
抗菌性物質または酵母菌対そのものを農薬、動物薬、医
薬、食品保存料などとして利用できる。
本発明の抗菌活性を有する酵母の培養は、通常の酵母の
培養方法に従って行うことができる。たとえば炭素源と
しては、グルコース,フラクトース、シュークロース、
グリセリン、マルトース、ガラクトース、ソルビトール
などのうち各酵母菌株が資化可能なものと用いる。窒素
源としては、NH4Cl、(NH4)2SO4、カザミノ酸、酵母エキ
ス、ペプトン、肉エキス、マルトエキス、バクトトリプ
トン、コーンスティプリカー、ソイビーンミール、ファ
ーマメディアなどが、その他の栄養源としては、K2HP
O4、KH2PO4、NaCl、MgSO4、ビタミンB1、MgCl2、ピオチ
ンなどが使用できる。また、ブドウなどの果実より得た
果汁またはこれを濃縮したものを培地として用いること
もできる。培養はpH2〜8、温度10〜35℃(好適にはpH
5.0〜6.5、温度20〜30℃)で24〜90時間行われる。いず
れの菌株においても静置培養した場合、抗菌活性は微弱
または不検出なので、静置培養よりも通気培養が望まし
い。
また、いずれの菌株においても、スラントなど固体培地
上で保存すると、抗菌活性が低下(特にB−48−2、S
−105−1ではかなり低下が急速)するので、グリセリ
ン中で低温保存(最終グリセリン濃度10〜40%で−30〜
−80℃)することが望ましい。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例1 畑より摘みとった果粒2個分のブドウ果皮およびブナ林
において採取したブナの樹液約0.5gをそれぞれペニシリ
ンG100単位/ml、ストレプトマイシン100μg/ml含有のYP
D培地(グルコース2%、ペプトン2%、酵母エキス1
%、pH6.0)3mlに加えて、よく振り混ぜた後、25℃で7
日間静置培養した。その後、培養液をYPD寒天培地(YPD
培地に寒天2%を添加したもの、pH6.0)上に、シャー
レ1個当り酵母細胞数100〜150細胞になるように希釈し
て塗布し、25℃でインキュベートした。5日後生じたコ
ロニーをグルコースを1%含有するニュートリエントブ
ロス寒天培地(極東粉末ブイヨン2%、寒天2%、pH6.
0;以下NB寒天培地という)に105細胞/mlになるようにバ
チルス・ズブティリスIAM1070を接種したプレート上に
レプリカし、25℃で2〜4日間培養した。抗菌活性を示
すコロニー(コロニー周辺に、バチルス・ズブティリス
の生育阻止円が認められたもの。栄養の取り合いによる
バチルス・ズブティリスの生育不良のケースを除外する
ために、阻止円が明瞭なもののみを選出した)を分離
し、単細胞分離を行った後、以下の3つの方法で抗菌活
性を検定した。
以下の3つの方法で、単細胞分離を行った種々酵母の抗
菌活性を検定し、抗菌活性を示す酵母としてG−94−
3、A−31−2、S−105−1、B−48−2およびN−
6−1を選択した。
(1)方法I YPD寒天培地上で25℃で3日間培養した酵母菌株を、1
白金耳ずつ、第1表に示した被検菌105細胞/mlを含む寒
天培地上に塗布し、30℃で2日間、被検菌にロイコノス
トック・オエノスを用いた場合は25℃で3〜4日間それ
ぞれ培養した。ここでいう被検菌105細胞/mlを含む寒天
培地とは、乳酸菌以外の細菌は1%グルコースおよび50
mMクエン酸−リン酸緩衝液を含有するNB寒天培地、乳酸
菌はBL寒天培地(pH7.2、ただしロイコノストック・オ
エノスについては塩酸でpH4.8に調整する。栄研製)、
カビはマルトエキス寒天培地(マルトエキス2%、ペプ
トン0.1%、グルコース2%、寒天2%;pH5.0)、酵母
は100mMクエン酸−リン酸緩衝液含有YPD寒天培地(pH6.
0)にそれぞれ105細胞/mlになるように被検菌を接種し
たものである。
培養後、塗りつけた酵母菌株の周辺に生ずる、被検菌の
増殖阻止領域を観察した。抗菌活性は、被検菌の増殖阻
止の程度によって次のように表示した。
+++:活性非常に強い、++:活性強い、 +:活性中程度、±:微弱な活性あり、 −:活性なし (2)方法II(ウェル・テスト−1) YPD培地中で28℃、2日間振とう培養した各酵母菌株
を、各々5mlのYPD培地を含むL型試験管に、1×106
胞/mlの菌濃度になるよう接種し、28℃で振とう培養を
行った。培養はG−94−3は24時間、B−48−2、S−
105−1およびN−6−1は36時間、A−31−2は60時
間行った。培養後、各培養液を0.45μのセルロースアセ
テート製メンブレインフィルターで過し、凍結乾燥に
より約5倍に濃縮した後、各濃縮液を、方法Iと同様
な、被検菌105細胞/mlを接種した寒天平板上にあけた穴
(直径10mm)の中に、200μlずつ各々注入し、30℃で
培養した。2日後、穴の周囲に生じた、被検菌の増殖阻
止円の直径を測定して、抗菌活性の強さとした(活性の
ないものは−として表示した)。
(3)方法III(ウェル・テスト−2) 被検菌を接種した寒天培地中にメチレンブルーを含有
(酵母、カビ用のプレートでは0.003%、細菌用のプレ
ートでは、0.0015%)する以外は方法IIと同様にして抗
菌活性を測定した。ただし、この方法では、穴の周囲に
生じた、死菌体に取り込まれたメチレンブルーによる円
の直径を測定して抗菌活性の強さとした(活性のないも
のは−として表示した)。
方法I、II、IIIにより抗菌活性を検定した結果を第1
表に示す。A−31−2株は細菌、酵母、カビに対して抗
菌活性を示す。N−6−1株は細菌、酵母に対して抗菌
活性を示し、G−94−3株は細菌に対して抗菌活性を示
す。またS−105−1およびB−48−2株は、メチレン
ブルー存在下でのみバチルス・ズブティリスに抗菌活性
を示す。
実施例2 YPD培地中で28℃、2日間振とう培養した各酵母菌株
を、各々5mlのYPD培地を含むL型試験管2本ずつに、1
×106細胞/mlの菌濃度になるように接種し、28℃で、一
方は振とう培養し、一方は通気培養した。培養開始後2
4、36、48、60時間目に、各々のL型試験管から、それ
ぞれ0.5mlの培養液を採取し、0.45μのセルロースアセ
テート製メンブレインフィルターで過し、各液を、
105細胞/mlのバチルス・ズブティリスIAM1070を接種し
たNB寒天培地(1%グルコースと50mMクエン酸−リン酸
緩衝液含有、pH6.0)およびキャンディダ・グラブラー
タIFO0622を接種したYPD寒天培地(100mMクエン酸−リ
ン酸緩衝液含有、pH6.0)上にあけた穴の中に、200mlず
つ各々注入し、30℃で培養した。抗菌活性の判定は、A
−31−2、G−94−3およびN−6−1については実施
例1 方法IIに従ってB−48−2、S−105−1につい
ては方法IIIに従ってそれぞれ行った。結果を第2表に
示す。
いずれの酵母菌株においても振とう培養の方が抗菌活性
が高い。A−31−2株では抗細菌活性は、60時間目まで
上昇し続けた。また、抗酵母活性は36時間目以降一定に
推移した。G−94−3株では24時間目に、その他の3株
では36時間目に活性のピークを有していた。
実施例3 各酵母菌株の示す抗菌活性が、培養液中に存在する有機
酸や高級アルコールなどによるものではないことを確認
するために、実施例2と同様に各酵母菌株を培養し、各
酵母菌株の抗菌活性最高時の培養液、つまり、A−31−
2は60時間目、G−94−3は24時間目、B−48−2、S
−105−1およびN−6−1は36時間目に採取した培養
液の有機酸、高級アルコールなどの分析およびバチルス
・ズブティリスIAM1070およびキャンディダ・グラブラ
ータIFO0622に対する抗菌活性の検定を行った。対照と
して、各アルコール類、有機酸類を、各々培養液の分析
値と等量ずつ、YPD培値に添加したサンプルについても
同様に抗菌活性の検定を行った。
抗菌活性の検定法は、B−48−2,S−105−1については
方法IIIにより、その他の菌株については方法IIによっ
て行った。また酢酸、エタノール、β−フェネチルアル
コールについては方法IIとIIIによって検定した。
有機酸分析は液体クロマトグラフィー法(カラム:Shode
x C−811、検出器:可視、UV検出器UVIDEC100−VI、検
出法:BTB発色法)、エタノールの分析はガスクロマトグ
ラフィー法〔カラム:20%APS−2−1/FlusionT(60〜80
mesh)、検出器:FID検出器〕、高級アルコールの分析は
ガスクロマトグラフィー法〔カラム:PEG HT 5%−Unipo
rt HP 60/80、検出器:FID検出器(220℃)、カラム温
度:65〜190℃(5℃/minの昇温系)、Injector温度:220
℃〕によって行った。
培養液の分析結果を第3表に、抗菌活性の検定結果を第
4表にそれぞれ示す。
エタノールは2.0%(V/V)の濃度、酢酸は1000mg/l、β
−フェネチルアルコールは300mg/lの濃度でもバチルス
・ズブティリスIAM1070およびキャンディダ・グラブラ
ータIFO0622に抗菌活性を示さなかった。
また、その他のアルコール類、有機酸類についても、こ
れら5株の示す抗菌活性への寄与は全く認められなかっ
た。
これらのことから、これら酵母菌株の示す抗菌活性は、
酢酸をはじめとする有機酸、高級アルコール、エタノー
ルなどによるものではないことが明らかである。
発明の効果 本発明の酵母菌株を利用すれば、野性細菌、野性酵母な
どの汚染を防ぐことができ、酒類、アルコールの製造上
大きな利点となる。また、本発明は、酵母菌体そのもの
の農薬、動物薬への利用、生産される抗菌性物質の農
薬、動物薬、医薬、食品添加物などへの利用の可能性を
提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 裕一 東京都国立市西2―22―26 ファイン国立 302号 審査官 佐伯 裕子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細菌に対して抗菌活性を有するメチュニコ
    ヴィア・プルシェリーマ(Metschnikowia pulcherrim
    a)。
  2. 【請求項2】メチュニコヴィア・プルシェリーマG−94
    −3(微工研条寄第1438号)である請求項1記載のメチ
    ュニコヴィア・プルシェリーマ。
JP62274426A 1987-10-29 1987-10-29 抗菌活性を有する酵母 Expired - Lifetime JPH0761258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62274426A JPH0761258B2 (ja) 1987-10-29 1987-10-29 抗菌活性を有する酵母

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62274426A JPH0761258B2 (ja) 1987-10-29 1987-10-29 抗菌活性を有する酵母

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6322125A Division JP2526029B2 (ja) 1994-12-26 1994-12-26 抗菌活性を有する酵母

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01117778A JPH01117778A (ja) 1989-05-10
JPH0761258B2 true JPH0761258B2 (ja) 1995-07-05

Family

ID=17541509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62274426A Expired - Lifetime JPH0761258B2 (ja) 1987-10-29 1987-10-29 抗菌活性を有する酵母

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0761258B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6887149B2 (ja) * 2016-06-10 2021-06-16 国立大学法人北見工業大学 発酵阻害物質への耐性を有する新規ピキア属酵母
CN115851460A (zh) * 2022-08-10 2023-03-28 丁辰 一种具有激活哺乳动物干细胞分化功能的菌株、组合物及其应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55136231A (en) * 1979-01-25 1980-10-23 Unicler Medicine made of pichia or its extract

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55136231A (en) * 1979-01-25 1980-10-23 Unicler Medicine made of pichia or its extract

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01117778A (ja) 1989-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11242502B2 (en) Low urea-producing and flavor-producing Wickerhamomyces anomalus strain and use thereof in food production
Pérez-Nevado et al. Cellular death of two non-Saccharomyces wine-related yeasts during mixed fermentations with Saccharomyces cerevisiae
Walker Yeasts
CN103865855A (zh) 枯草芽孢杆菌菌株及其应用
CN110760404B (zh) 一种芽孢杆菌混菌麸曲及其制备工艺、应用
RU2370531C1 (ru) Штамм дрожжей metschnikowia pulcherrima - продуцент кормового белка
Hidalgo et al. Occurrence of the killer character in yeasts associated with Spanish wine production
JPH0761258B2 (ja) 抗菌活性を有する酵母
JP2526029B2 (ja) 抗菌活性を有する酵母
Bechem et al. Characterization of palm wine yeasts using osmotic, ethanol tolerance and the isozyme polymorphism of alcohol dehydrogenase
JP3217140B2 (ja) 新規キラー酵母
EP0502525A1 (de) Biotechnologisches Verfahren zur Herstellung von S-(+)-2,2-Dimethylcyclopropancarboxamid und R-(-)-2,2-Dimethylcyclopropancarbonsäure
Balakrishnan et al. Response of the entomopathogenic fungi Beauveria bassiana and Metarhizium anisopliae to molasses media fortified with supplements.
DE2363285A1 (de) Verfahren zur herstellung von lapfelsaeure durch mikrobiologische fermentation und mittel zur durchfuehrung des verfahrens
RU2370527C1 (ru) Штамм дрожжей metschnikowia pulcherrima - продуцент кормового белка
Dabhole et al. Production and effect of killer toxin by Saccharomyces cerevisiae and Pichia kluyveri on sensitive yeasts and fungal pathogens
RU2370530C1 (ru) Штамм дрожжей metschnikowia pulcherrima - продуцент кормового белка
Rodriguez et al. A malic acid dependent mutant of Schizosaccharomyces malidevorans
KR20170031449A (ko) 사카로미세스 세레비지애 n9를 이용한 증류식 소주 및 이의 제조 방법
US11716995B2 (en) Method of producing an antimicrobial agent
RU2036230C1 (ru) Штамм дрожжей saccharomyces vini раса "дербентская яблочная" для производства плодово-ягодных вин
RU2811442C1 (ru) Штамм дрожжей saccharomyces cerevisiae уз-55 для производства спирта
Jiang et al. Potential application of indigenous Pichia kluyveri for enhanced wine aroma quality
CN107164248B (zh) 酵母菌dd12-7菌株及其应用
Boeck et al. A32390A, A NEW BIOLOGICALLY ACTIVE METABOLITE I. DISCOVERY AND FERMENTATION STUDIES