JPH0760992A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH0760992A
JPH0760992A JP21254993A JP21254993A JPH0760992A JP H0760992 A JPH0760992 A JP H0760992A JP 21254993 A JP21254993 A JP 21254993A JP 21254993 A JP21254993 A JP 21254993A JP H0760992 A JPH0760992 A JP H0760992A
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JP
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ink
recording head
recovery
head
recording
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JP21254993A
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English (en)
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Yasuyuki Takanaka
康之 高中
Haruhiko Moriguchi
晴彦 森口
Hisashi Fukushima
久史 福島
Koji Arai
康治 新井
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク温度変動による温度差のない高画質画
像を得ること。 【構成】 開閉量可変の電磁弁18は、温度検知部材1
7により検知された温度に基づき電磁弁18の開閉量を
制御する開閉制御手段19によって、インク加圧時およ
び印字時に作動する。すなわち、温度検知部材17の検
知温度に基づいて、記録ヘッド1aの液室内のインク温
度が一定に保たれるように、インク供給管14内の冷却
手段16を通過した低温インクの液室内への供給量を電
磁弁18の開閉量によって制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像信号または原画画
像に応じて被記録材に画像を形成する画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】
(1)コンピュータやワードプロセッサ等と併用され、
あるいは単独で使用される複写機,ファクシミリ等の画
像形成装置において、記録手段である記録ヘッドから被
記録材にインクを吐出して記録を行うインクジェット記
録装置は、高精細画像を高速で記録でき、ノンインパク
トであるため低騒音であり、多色のインクを使用して容
易にカラー画像を記録できる等の利点を有している。特
に、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記
録ヘッドは、エッチング,蒸着,スパッタリング等の半
導体製造プロセスを経て、基板上に製膜された電気熱変
換体,電極,液炉壁,天板等を形成することにより高密
度なインク吐出口を有し、容易に製造することができ
る。一方、被記録材の材質に対して、近年では、通常の
被記録材である紙や樹脂薄板、例えばOHP用紙の他
に、薄紙や加工紙、例えばファイリング用のパンチ孔付
き紙やミシン目付き紙,任意形状の紙、あるいは織布等
を使用することが要求されてきている。また被記録材の
大きさに対しても宣伝広告用の紙や衣類等に使用される
織布では大サイズのものが要求されてきている。
【0003】記録ヘッドが被記録材の搬送方向との交差
方向に走査されるシリアルタイプのインクジェット記録
装置では、被記録材を所定位置にセットした後、画像信
号に基づき、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に
搭載した記録ヘッドによって画像が記録され、一走査分
すなわち記録ヘッドの印字幅分の記録を終了した後に被
記録材を該印字幅分だけ搬送し、その後に次の行の画像
を記録するという動作を繰り返し、被記録材全体の画像
記録が行われる。また、印字中の吐出不良を防止するた
めに、記録開始前等に記録ヘッドに対して回復動作を適
宜行っている。このような熱エネルギを利用するシリア
ルタイプのインクジェット記録装置では、印字中の記録
ヘッドの昇温を抑制するために、ファン等の送風手段を
用い、外部から記録ヘッドを冷却している。
【0004】このようなシリアルタイプの記録方式で
は、記録方式では、記録ヘッドを持ち運びや設置に有利
な小型記録装置に搭載することや、走査距離を長くし
て、小サイズはもちろん記録ヘッドの走査方向の長尺な
大サイズの被記録材に記録できる大型機にも搭載し、共
通の記録ヘッドを用いて様々な用途に応じた記録装置を
実現している。
【0005】(2)インクジェット方式の印字ヘッドに
おいては、インク吐出ノズル後方のインク液室内のイン
クが失われていたり、またインク吐出口近傍におけるイ
ンクの乾燥・固着などの理由によりインク吐出口の目詰
まりを起こし、印字不能に陥ることを防止し、ヘッドを
正常な状態に保つためや、同様の理由により印字不能に
陥ったヘッドを正常な状態に回復させるために、何らか
のヘッド回復手段を必要としている。従来、ヘッドの回
復手段としては、吐出口側から空気圧などによりインク
を吸引する方法や、印字時と同様の駆動をヘッドに繰り
返し印加しインクを吐出させる方法などがあり、それら
を、何らかの条件により自動的に行ったり、またはオペ
レータの指示により行ったりしていた。
【0006】(3)サーマルヘッドやインクジェットヘ
ッドを用いた装置または電子写真記録装置等に用いられ
ているノンインパクトプリント技術は多方面に渡って広
く利用されており、今後益々その分野が拡大してゆくも
のと考えられる。これらは何らかの劣化要因によって画
像劣化を引き起こしたり、信頼性の低下を生んでいた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来技術には次のような問題がある。
【0008】(1)上記熱エネルギーを用いてインクを
吐出する画像形成装置においては、印字が進行するに伴
い、記録ヘッドに蓄熱を生じ、記録素子による記録特性
に影響を与える。すなわち、記録ヘッドは、インクを吐
出するための複数の吐出口、該複数の吐出口の各々に連
通するヒータ等の電気熱変換素子を配設した液路、およ
びこの液路の各々に供給されるインクを貯留した共通液
室を有するものであり、記録に伴って電気熱変換素子が
発生する熱エネルギーの一部は、液路および共通液室内
のインクに熱伝達され、インクの温度が上昇する。この
ようなインク温度の変化によりインクの粘度が劣化し、
その結果各吐出口から吐出されるインク滴量が変化し、
これによって印字される画素濃度が変化する。また、イ
ンクが有する色味もインク温度に依存するため、印字濃
度が変化する。
【0009】また、記録ヘッドが待機している間は自然
空冷されることになり、そのため一走査時に画像書き出
しでのインクの温度は低く、書き終わりでは電気熱変換
素子であるヒータによる吐出駆動によりインクの温度が
上昇し、画像の一端と他端で吐出されるインクに温度差
ができ、その結果、画像上では濃度差となって現れ、画
質が低下する。記録ヘッドの待機状態が長時間に及び、
記録ヘッドの非駆動時間が長くなった場合には、その濃
度差は、より顕著となる。さらに、画像信号は記録ヘッ
ドの動作中には送られず、一走査毎の待機中に送られる
が、送信元であるコンピュータや読み取り系(リーダ)
からの画像のデータ処理に時間がかかる場合や、走査方
向の長尺幅の画像である場合にはデータ量が増え、デー
タの転送時間がかかり、記録ヘッドの待機時間は長くな
るので、同様の課題がある。さらにまた、大サイズの記
録紙で記録ヘッドの一走査距離が長くなった場合には、
一走査時での画像書き出しではインク温度は低く、印字
のためのヒータ駆動が頻繁に行われれば書き終わりでは
インク温度は高くなり、温度差は大きくなる。もちろ
ん、外部に設けた送風手段により昇温抑制はなされる
が、一走査距離が長くなった場合には、冷却が間に合わ
なくなることもある。
【0010】前述のデータ入力の待機中には、記録ヘッ
ドは放置状態となり、吐出口内のインクが乾燥したり、
粘度が増加し、印字時には吐出不良を起こすことがあ
る。これを防ぐため、印字前にインク加圧を行わせる
が、温度の低いインクが記録ヘッド内に供給されるた
め、実際の印字時での書き始めは濃度が極端に低下す
る。その後は前述の昇温と同様、濃度が次第に増加して
くる。
【0011】以上の結果、印字画像に濃度ムラとなって
現れたり、カラー記録にあってはカラーバランスをくず
すことになる。
【0012】(2) (イ)ヘッドの回復手段を作動させた結果として、ヘッ
ドが正常な状態にあるかどうかの判断はオペレータが何
らかの印字を行う必要があった。
【0013】(ロ)正常な状態に回復していない場合、
再度同じ回復方法を行うだけであり、1回目と同等な確
率で正常な状態に回復しない可能性があった。
【0014】(ハ)すでに正常な状態に回復しているに
もかかわらず、回復していることがオペレータに分から
ないために、繰り返し回復動作を行ってしまい、インク
を無駄に消費してしまうことがあった。
【0015】(3)したがって、所定の保守が必要であ
ったが、装置が高度化し、複雑になるにつれて、容易に
かつ適切に保守をすることが困難になってきた。特に高
機能な部品、例えばサーマルヘッドやインクジェットヘ
ッド,電子写真感光ドラム,現像剤、または給紙機構等
の耐久劣化の程度を正しく知り、正しく保守を行うこと
は困難である。
【0016】本発明の目的は以上のような問題を解消し
た画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記
録ヘッドと、該記録ヘッドに互いに異なった温度のイン
クを供給するための2つのインク経路と、前記記録ヘッ
ドもしくは前記記録ヘッド内のインクの温度を検知する
温度検知手段と、前記記録ヘッドによる一走査毎に、当
該記録ヘッドの待機時間を検知する待機時間検知手段
と、前記記録ヘッドによる記録開始から次の待機までの
走査時間を検知する走査時間検知手段と、前記温度検知
手段、待機時間検知手段または走査時間検知手段の検知
レベルに応じて、前記2つのインク経路内のインクの流
量を制御して前記記録ヘッドに流入するインクの温度を
制御する手段とを具えたことを特徴とする。
【0018】さらに本発明は、インクを吐出する記録ヘ
ッドと、該記録ヘッドに対して、複数段階の回復能力を
有する回復手段と、前記回復手段による前記記録ヘッド
の回復動作の開始を指示する回復動作開示指示手段と、
前記回復動作後に前記記録ヘッドが回復状態を検知する
ヘッド状態検知手段と、該ヘッド状態検知手段の検知結
果に応じて、再度回復動作が必要と判断したときに前記
回復手段の回復能力を切り換えて当該回復手段による前
記記録ヘッドの回復を行わせる手段とを具えたことを特
徴とする。
【0019】さらに本発明は、所定の構成要素の劣化の
程度を検出する手段を具備したことを特徴とする。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0021】<実施例1>図1は本発明の実施例1〜4
に共通するインクジェット記録装置主要部の構成を示す
斜視図、図2は第1の実施例にかかる記録ヘッド部周辺
の概略断面図である。1は記録手段としての記録ヘッド
部であって、複数の記録ヘッド1aを配設してなる。記
録ヘッドはインク吐出に利用される熱エネルギーを発生
する複数の電気熱変換対およびこれを駆動するための駆
動回路が形成された基板と、この基板上に前記複数の電
気熱変換対の各々に対応した吐出口1bおよび液路、さ
らには各液路に共通する共通液室を構成するための天板
が蓄積されてなる。記録ヘッド1aは2本のチューブ、
すなわち、インク加圧管13およびインク供給管14と
連結し、さらにインク加圧管13および供給管14がイ
ンクタンク20内のインクBと連通して、インク経路が
構成されている(図2参照)。記録紙Aへの記録は、前
記電気熱変換対に通電することにより、吐出口1bより
インクを吐出して行われる。
【0022】2は記録ヘッド部1を載置するヘッドキャ
リッジで、一対の走査レール3a,3b上を転動するベ
アリングを具え、これにより記録ヘッド部1を矢印P−
P′方向に往復動可能に支持している。4aは印字領域
外においてヘッドキャリッジ2の走査方向のホームポジ
ションである回復動作位置および画像データ入力の待機
位置を確定するホームポジションセンサ、4bは記録紙
Aの余白部を最小にするため、記録ヘッドの走査時に印
字開始の位置を決めるレジセンサである。
【0023】5はヘッドキャリッジ2に取り付けられ、
ヘッドキャリッジモータ6のプーリ部6aとアイドラプ
ーリ6bに懸架されたヘッドキャリッジ2の駆動ベル
ト、7はインクチューブ7aを介し、インクを供給する
供給装置であり、インク切れの際に交換自在なインクカ
ートリッジ7b,インクカートリッジ7bから記録ヘッ
ドへ供給するインクを貯留するインクタンク20を備え
る。インクキャリッジ8はインクキャリッジモータ9お
よび駆動ベルト4と同様の駆動ベルト、アイドラプーリ
によりヘッドキャリッジ2と共に走査レール対3a,3
b上を往復動する。10a,10bは記録紙Aの所定量
を矢印Q方向に間欠的に搬送し、印字位置を正確に位置
決めする駆動ローラ対である。11は記録紙Aを挟んで
記録ヘッド部1と対向位置にあるプラテンであり、印字
中の記録紙Aの浮きを防止して平面に保ち、吐出口1b
とのギャップを一定にし、また記録紙Aが記録ヘッド1
と接触することを防止するため、例えばエアー吸引や静
電吸着等の、吸引吸着手段を有する。
【0024】12は記録ヘッドを常時印字可能にするた
めの動作を行う回復装置であり、吐出口1bに対向する
矢印R−R′方向に移動し、インク吐出の不安定原因で
ある、インクの粘度上昇、吐出口表面へのインク付着、
不純物付着、吐出口内の残留気泡等を除去または防止
し、確実な吐出安定性を得るため、以下の機能を有する
(図2参照)。
【0025】(a)キャップ12a:記録ヘッドを空気
中に長時間放置すると、吐出口内のインクが蒸発して増
粘し、吐出が不安定になる。これを防ぐため、非印字中
は吐出口部を外気と遮断して密閉する。キャップの内部
にはインクで湿潤状態に保たれた吸液材12cがあり、
キャップ内部を高湿度に維持してインクの増粘を最小限
に抑えている。
【0026】(b)インク加圧:長時間放置の場合に
は、キャップをしていても吐出口内のインクは、緩慢で
はるが、蒸発して増粘する。また、吐出口内部に気泡が
残留して安定した吐出を妨げることも皆無ではない。こ
のため印字開始前に供給装置7に設けたポンプを駆動し
てインク加圧を行い、吐出口内部の増粘インクや残留気
泡を吐出口外に排出している。これは、吐出口表面にゴ
ミや毛羽が付着したり、吐出口内にゴミ等が侵入してい
ても、それらを洗い流して安定した吐出を保つ効果もあ
る。
【0027】(c)空気流:インク加圧後、吐出口から
排出されたインクは吐出口表面に残る。そのインクが付
着したままであると、付着インクにより吐出インクが吸
水され、吐出方向にズレが生じたり、吐出速度の低下に
よって飛翔インクの着弾精度が低くなる。このため、イ
ンク加圧後、キャップ上部のエアーノズル12bから吐
出口1b表面に向けて空気流を吹き付け、インクを記録
ヘッド下部へ吹き流す。記録ヘッド下部には、吸液材1
2cが当接しており、流されてきたインクは該吸液材に
吸収され、チューブ12dを伝わって回復装置12の下
方に設けられた廃インクボトルへ送られる。
【0028】(d)空吐出:記録画像の印字デューティ
ーが低いときには吐出口によっては、印字中にほとんど
吐出が行われないために、蒸発によるインク増粘を起こ
す場合がある。これを防ぐため、印字開始前に所定の駆
動パルスを与え、全吐出口に予備的にキャップ12aに
向けてインク吐出を行わせ、いわゆるエージングを行
う。吐出口の周辺雰囲気の湿潤状態を高める場合にはキ
ャッピングして行うこともある。
【0029】(e)ブレード12e:インク吐出によっ
て発生したインクミストが吐出口表面に付着すると、吐
出が不安定になる。これを防ぐため吐出口の表面をワイ
ピングして清掃するゴム製のブレードを設けている。さ
らにブレード12eを吐出口表面に対し進入および後退
させるためのソレノイド12fを有する。
【0030】記録ヘッドへのインク供給は各色毎にイン
クタンクから各記録ヘッドへ、通常は毛管現象により記
録ヘッドから吐出される分だけ自動的に供給される。図
2において7cはモータにより駆動されるギアポンプで
あり、前述の回復動作におけるインク加圧時にインクカ
ートリッジ7bから供給されたインクを貯留するインク
タンク20内のインクをインク加圧管13へ送り出す。
15はインク供給管14の低温保持のための放熱フィン
および送風ファンまたは熱交換器等の冷却手段、17は
記録ヘッド1aの液室内の温度を検知するためのサーミ
スタ等の温度検知部材である。開閉量可変の電磁弁18
は、温度検知部材17により検知された温度に基づき電
磁弁18の開閉量を制御する開閉制御手段19によっ
て、インク加圧時および印字時に作動する。ここで電磁
弁18の、印字中の開度をθで表でば、開度θは記録ヘ
ッド1aの液室内のインク温度Tempの関数fにより
印字中に作動して、インク温度が好適に設定される。関
数fは使用されるインクの粘度、インク供給管14の径
およびインクの温度、流速、圧力により、実験で予め決
定しておく。もちろん装置周辺雰囲気の高低温、高低湿
の環境により、複数の関数を対応させることは、記録ヘ
ッドに対しより適切な温度条件を設定することになり一
層の効果がある。
【0031】図3〜図6は本記録装置の印字動作フロー
チャートの一例であり、同図を参照して本装置の印字動
作を説明する。
【0032】待機給紙装置から給紙された記録紙Aはそ
の先端部が駆動ローラ対10a,10bに挾持されるま
で搬送され、一旦停止し、プラテン11によって吸引吸
着される。ここで画像データ入力のための記録ヘッドの
待機時間をT1、印字中の時間および復動してホームポ
ジションに位置するまでの走査時間をT2とし、これら
の和を動作時間T(=T1+T2)とする。印字動作の
開始に先立ち、まず初期値として、待機時間T1=0、
走査時間T2=0に設定する。
【0033】そして吐出安定性を図るため、インク加
圧、空気流による吐出口表面のクリーニングを行う(S
1,S2)。この時、電磁弁18は全閉しており、高温
インクがインク加圧管13を流れ、記録ヘッド内の増粘
インク、不純物等を洗い流す。インクタンク20内のイ
ンク温度は本記録装置が使用される環境温度であり、加
圧されるインクの温度は、記録ヘッドの印字中のインク
温度で約45〜50℃である。また記録ヘッド13の吐
出口13aはキャップ部15aによってキャッピングさ
れており、ホームポジションセンサ4aにより記録ヘッ
ドが正規の位置でキャッピングされていることを検知し
ている。
【0034】次に、画像データの入力待ち状態となり
(S3,S4)、記録ヘッドは放置状態になる。ここで
一定時間を経過しても画像データが入力されない場合は
キャッピング状態に戻り、記録ヘッドの長時間放置を避
け、再度動作開始から始める。記録ヘッドは、吐出が行
われず、放置が長時間に及ぶ場合には、最初の吐出が不
安定になる。そこで記録ヘッドの放置時間に対して吐出
安定性を損なわない最大時間(以下、発一時間と呼ぶ)
を設定し、前記一定時間は各部材の動作時間を考慮し
て、発一時間よりもやや小さい値に設定してある。
【0035】次にコンピュータやリーダ等のデータ送信
元と本記録装置の印字制御部との間で画像データの通信
が行われ、記録ヘッド1aの一走査分のデータが入力さ
れるとS5に進む。この間の通信時間が記録ヘッド1a
の待機時間として、図4に示す待機時間計測フローに従
い、データ入力時に並列して作動する計測回路により検
知される。すなわち、S6で一走査分のデータ入力終了
かを判断し、NOであればT1にδ(増分時間)をプラ
スして(S7)、S6へ戻る。待機時間T1は、空気流
によるクリーニング後のホームポジションセンサ4aの
検知状態の持続時間であり、一走査分のデータ入力が終
わり、ヘッドキャリッジ2が移動するまで、初期値(=
0)に増分時間δを順次加算して決まる。増分時間δ
は、例えば連続した周期性矩形パルス波の1周期に予め
設定しておけばよい。
【0036】データ入力後、動作時間Tに対して、発一
性を判断する(S8)。最初の1走査目では、走査時間
T2は0であり、動作時間Tは待機時間T1と同じであ
る。2走査目からは走査時間T2が加算される。参照す
べき時間として、周辺雰囲気の環境変動を見込んで、例
えば先の発一時間の半分の時間T*を設定しておく。T
<T*であれば、インクの増粘や記録ヘッドの空冷等は
ほとんどないと判断し、キャップ12aを解除し(S
9)、空吐出を行い(S10)、一走査分の画像記録を
行う(S11)。逆にT>T*であれば、インク増粘や
記録ヘッドの空冷は進行していると判断し、印字前の空
吐出のみでは記録ヘッドの吐出安定性を保証できないの
で、電磁弁18を全閉し(S12)、装置起動の最初に
行ったのと同様のインク加圧(S13)および空気流に
よるクリーニングを行う(S14)。その後はT<T*
の場合と同じく、S9に進む。高温のインクを加圧して
いるため、印字直前の記録ヘッドの温度が低下すること
はなく、画像の書き始めで濃度が低下することもない。
【0037】ヘッドキャリッジ2およびインクキャリッ
ジ8は各々独立のキャリッジモータ6および9によって
等速に矢印P(図1)方向へ往動し、レジセンサ4bに
より印字開始位置のタイミングが決められ、記録ヘッド
1aの吐出口1bの配列長分(印字幅分)かつ印字すべ
き走査長だけ記録が行われる。この一走査分の画像記録
が終わると、ヘッドキャリッジ2およびインクキャリッ
ジ8は復動し、所定の位置(ホームポジション)に戻さ
れる。ここで、印字中の時間および復動してホームポジ
ションに戻る時間である走査時間T2が、図5に示す計
測フローにより、計測されている。すなわち、ヘッドキ
ャリッジ2およびインクキャリッジ8がホームポジショ
ンにあるかを判断し(S15)、なければT2にδをプ
ラスし(S16)、S15に戻る。また復動時におい
て、記録紙Aは駆動ローラ対10a,10bにより、印
字幅分だけ搬送されて再び停止する。また復動の際に
は、ブレード12eは吐出口1bに対し侵入した位置に
突設しており、印字時のインク吐出により、吐出口表面
に付着したインクミストをワイピングして吐出口を清掃
する(S17)。なお、キャリッジの往動時にはソレノ
イド12fによりブレード12eは後退しており、吐出
口1bには接触しない位置にある。
【0038】ホームポジションにおいては記録ヘッド1
aをキャッピングし(S18)、画像記録を終了するか
否かを判断し、終了するならばキャッピング状態で印字
動作を終了する。一方、画像データに対し継続した画像
記録を行うのであれば、次の走査分のデータ入力のため
の待機状態になる。前述したのと同様に2走査目の一走
査分のデータが入力され、この場合の待機時間T1が計
測される。そして、発一性を判断するが、動作時間Tは
2走査目のデータの待機時間T1と一走査目の走査時間
T2との和になっており、参照時間T*と比較し、その
結果に応じて回復動作を切り換える。その後は前述と同
様の動作を繰り返す。
【0039】動作時間Tは画像記録に関与しない吐出口
に対しては非駆動時間であり、発一性に対し、入力され
る画像データ量によって変動する通信のための記録ヘッ
ドの待機時間および記録すべき画像に対応した走査時間
に応じて効率のよい、適応性ある回復動作を行うことが
できる。特に、文字画像や単一の罫線画像、あるいはカ
ラー画像において特定色の画像を記録する場合には、発
一性が問題となる。このように走査時間を検知して吐出
安定性を判断することは、記録画像によってまちまちで
ある吐出口の非駆動時間に対し、選択的に回復動作を行
うことができる。また、インク加圧に使用されたインク
は廃インクとして廃棄されるが、空吐出や通常の一走査
印字で消費されるインクの数倍〜数十倍程あり、記録ヘ
ッドの回復動作に必要とはいえ、頻繁に行うことは省資
源的見地から避けるべきであり、記録ヘッドの使用状態
により空吐出とインク加圧を切り換えることは、インク
の省力化に有効である。
【0040】次に印字中のインクの流れについて説明す
る。インク供給管14はインク加圧管13よりも流抵抗
を小さく設定しており、電磁弁18が開いていれば、記
録ヘッド1aへのインクの供給はインクタンク20から
インク供給管14を通して毛管現象により行われる。流
抵抗は、例えば管路の断面積が大きいほど、また管路長
が短いほど、小さくなるので、2本のインクチューブ1
3と14の関係を管路長と断面積の寸法で決めればよ
い。図6に示す制御フローにより、印字中(S20)
は、電磁弁18を作動させる。すなわち、温度検知部材
17で記録ヘッド1a内のインク温度Tempを検知し
(S21)、開閉量制御手段19によりθ=f(Tem
p)として電磁弁18の検知温度における開度θを設定
し(S22)、その開度θになるように弁を作動する
(S23)。冷却手段16により、記録ヘッド1aに供
給されるインクは約5〜15℃であり、開度θを変化さ
せて、低温インクを供給する。走査長が長距離に及び、
一走査中の後半ほどから記録ヘッド1aが昇温し始める
と電磁弁18の開度θは次第に大きくなり、低温インク
の流量を増やして液室内のインク温度の上昇を抑えるこ
とができる。また、走査長が長く、元々低濃度の画像を
印字する場合には、吐出口の駆動がほとんどないため記
録ヘッドは空冷され、温度が低下し、印字の濃度が低下
してくる。このときは電磁弁18を全閉して、インク加
圧管13により、高温のインクを供給すればよい。この
ように、昇温した記録ヘッドに対し、低温インクの流入
量を変え、液室内のインク温度を制御することで、濃度
ムラの少ない高画質画像が実現できる。
【0041】なお、電磁弁18は空吐出後に作動し、そ
れまではT>T*またはT<T*にかかわらず全閉して
いる。空吐出を行わせることにより、吐出駆動されるヒ
ータで記録ヘッド1aおよび液室内のインクを加熱する
と共に消費されたインクの供給を高温インクで行うの
で、その後の画像書き始めでは、インクの温度が高く、
濃度が低下することもないので一走査の温度差は少なく
なる。
【0042】以上のようにして全画像の記録が終了する
と、駆動ローラ10a,10bにより記録紙Aは記録装
置外部に排紙されて、全動作が終了する。
【0043】<実施例2>図7に他のインク供給系の構
成を示す。
【0044】図7において、20aは高温インクB1を
貯留するインクタンク、20bは低温インクB2を貯留
するインクタンクである。電磁弁18の動作や他の構成
は前述の実施例と同じである。インクタンクは容量が大
きく、一旦所定の温度に設定すれば記録装置の動作中の
温度は変動が少なく、安定してインクの温度を制御でき
る。
【0045】<実施例3>図8は、図7に対し、インク
加圧管13に電磁弁18と同様の電磁弁18aおよび電
磁弁18,18aを制御する開閉量制御手段19aを設
けた場合の図である。この場合、2本のインクチューブ
の流抵抗を考慮せずとも、各々のインクチューブに設け
た電磁弁18,18aの開度により記録ヘッド1aに流
入するインクの温度を制御できる。すなわち、電磁弁1
8aの開度をθaとし、制御関数をfaとすれば、θa
=fa(Temp)であり、開度θおよびθa相互の関
係でインク温度を制御している。
【0046】<実施例4>被記録材に織布を用いた場合
には、ゴミが付着しやすく毛羽立ちやすいので、これら
の不純物が吐出口表面に付着する。また衣類の素材とし
ての織布では、走査方向に相当の長尺物を使用するの
で、画像の書き出しと書き終わりでは濃度差が顕著であ
る。そこで、本実施例においては、一走査の画像記録終
了後画像データ入力前に、記録ヘッドに付着した不純物
を洗い流すために毎回にインク加圧、空気流によるクリ
ーニングの動作を行わせる。その後は実施例1で説明し
たように画像データ入力後に行う動作時間Tによる判断
および印字中のインク温度Tempにより供給するイン
クの温度を制御することにより、記録ヘッドを回復する
と共に濃度差の少ない画像を提供できる。さらに織布で
は、紙に比べ、着弾したインクの滲みが大きく、画像が
不鮮明になりがちである。印字中にインクの温度が高く
なり、インクの飛翔滴量が増加すれば、その分インクの
打ち込み量が増すので、滲みが顕著である。本記録装置
では、インクの温度制御を行っているので、画像品位が
低下することもない。
【0047】以上説明したように、実施例1〜4によれ
ば、互いに温度の異なった、すなわち、高温部と低温部
のインク供給系を有し、記録ヘッドの一走査毎に記録ヘ
ッドの待機時間および走査時間を検知し、その検知した
値により記録ヘッドの吐出安定性の程度を判断し、該程
度に応じて回復動作の程度を設定し、また、印字中は記
録ヘッド内のインク温度を検知し、該検知レベルに応じ
て記録ヘッドへの流入インク温度を制御する。したがっ
て、多用化する原画画像(画像データ)の被記録材に対
応して回復動作を行い、効率よく吐出安定性が維持でき
ると共に、濃度差の少ない高画質画像を提供できる。特
に、大型記録装置においては、小サイズから大サイズの
記録紙に印字を行うため、各々のサイズ、各々の記録画
像、各々の素材に対し吐出安定性と高画質を保証でき
る。
【0048】<実施例5>図9は実施例5〜7に共通す
るヘッド回復装置のブロック図である。同図において、
101は、ヘッドが印字不能に陥ることを防止し、正常
な状態に保つためや、印字不能に陥ったヘッドを正常な
状態に回復させるためのヘッド回復手段であり、102
は、前記ヘッド回復手段の回復能力の強さを切り換える
ための回復能力切り換え手段であり、103は、オペレ
ータの指示、もしくは自動的に回復動作の開始を指示す
る回復動作開始指示手段であり、104は、ヘッドが正
常な状態に回復しているかどうかを判断するためのヘッ
ド状態検知手段であり、105は、前記ヘッド状態検知
手段の出力に応じて、再度回復が必要かどうかを判断す
る再回復判断手段であり、106は、前記判断手段の出
力と、前記回復動作開始指示手段の出力とに応じて、前
記回復能力切り換え手段に、回復能力の強さを指示する
指示手段である。
【0049】(印字ヘッド構成)図10は本実施例に用
いられているインクジェット方式の一種であるインクを
ヒータで加熱して発生した泡(バブル)の力でインクを
吐出する方式を用いた印字ヘッドの概略構成を示した斜
視図である。
【0050】同図において、201は、印字ヘッドであ
り、202は、インク吐出ノズルであり、本実施例にお
いては128本の前記インクノズルは1列に63.5μ
mの間隔で並んでいる。203は、インク吐出口、20
4は、シリコン(Si)基板208上に成膜されたイン
ク加熱用のヒータであり、前記ヒータは、前記インクノ
ズル1本に1つずつ設けられている。
【0051】205は、不図示のインクタンクから共通
液室209へインクを供給するインク供給チューブであ
る。供給されたインクは毛細管現象により前記インクノ
ズル202へと供給される。206は、インク吐出口近
傍の温度測定するためにインク吐出口列端部に設けられ
た温度センサであり、本実施例においては、図示された
以外に反対側端部のインク吐出口近傍にも前記温度セン
サ206があり、合わせて2つ設けられている。207
は、インクノズルを支持するためのアルミニウム(A
l)ベースである。
【0052】(ヘッド回復手段)ヘッド回復手段につい
て説明する。図11は本実施例に用いられているヘッド
回復手段に前記印字ヘッド201が装着された様子を示
す図である。同図において、301は、前記印字ヘッド
201の吐出口が乾燥しないように蓋をするためのキャ
ップ支持部であり、302は、前記印字ヘッドの吐出口
面を密着して封止できるようにするためのゴムなど弾性
体でできているキャップであり、303は、スポンジな
どの吸収体でできているインク吸収体であり、304
は、前記印字ヘッドの吐出面に前記キャップ302を密
着させた状態でインクを吸引するための負圧を発生させ
るチューブポンプであり、前記チューブポンプは不図示
のステッピングモータにより回転させられる。
【0053】305は、前記キャップ支持部301と前
記チューブポンプ304につながれていて、前記チュー
ブポンプにて吸引されたインクが流れるためのチューブ
である。306は、前記チューブポンプ304に付設さ
れていて前記チューブ305をつぶしていくコロであ
る。
【0054】(ヘッド状態検知手段)本実施例ではヘッ
ド状態の検知は前記温度センサ206を用いて行うもの
で、それについて説明する。
【0055】前記印字ヘッド201において、前記イン
ク加熱用ヒータ204にヘッド駆動用のパルス状の信号
を印加すると、前記ヒータは発熱を開始し、ヘッドが正
常な状態にあれば、ヒータ上にあるインクが加熱発泡さ
れバブルを発生し、インク吐出口からインクが吐出され
る。この時発生した熱が熱伝導作用により前記温度セン
サ206へと伝熱し、温度センサの温度も上昇する。こ
のようにヘッドが正常な状態にあれば、熱を伝導させる
媒体は比較的伝導率の悪いインクであり、しかも、吐出
が正常に行われているならば、前記インク供給チューブ
205を通じて比較的低温の新しいインクが供給される
ので温度センサの温度上昇は低くなる。
【0056】しかし、ヘッドの状態が正常でなく、ヒー
タ上にインクがない場合や吐出口が目詰まりしていて吐
出が行われていない状態では熱伝導率の比較的良いノズ
ル裏面の前記Alベースもしくは十分に温まっているイ
ンクを通して温度センサに熱が伝導されるので前記温度
センサ206の検出温度は高くなる。
【0057】図12はヘッドが正常な場合とそうでない
場合との温度センサ206における検出温度上昇の違い
を示した図であり、同図(a)は正常な場合であり、
(b)は異常な場合である。4kHzの駆動周波数が5
000発のパルスを128個すべてのヒータに印加した
場合であり、図に示すようにヘッドが正常な場合には温
度上昇は15度に対し、正常でない場合には20度の上
昇となる。ヘッド状態検知手段104は、温度センサ2
06からの検出温度に基づく図12のような温度上昇の
差の程度によりヘッドの状態を検知する。
【0058】(回復能力の切り換え)本実施例において
は、回復能力の強弱は前記負圧発生用のチューブポンプ
304の回転数に依っている。すなわち、回復能力“通
常”における回復時のチューブポンプの回転数は2回転
であり、回復能力“強”における同回転数は4回転であ
る。
【0059】(動作例)図13を用いて動作例について
説明する。
【0060】不図示のプリント開始手段により、プリン
ト開始指示が発生した場合(S5−1)、直前の回復処
理もしくはプリント動作を行ってからの放置時間を計算
し(S5−2)、3日以内であればそのままプリント動
作に移り(S5−4)、3日以上5日以内ならば、前述
した回復能力“通常”の回復処理を行った後に(D5−
3)、プリント動作(S5−4)に移る。
【0061】また不図示の回復実行手段により、マニュ
アル回復指示が発生した場合(S5−5)、もしくは今
まで装着されていたヘッドと別のヘッドが装着されたと
不図示の判断手段で判断され、新ヘッド装着判断が発生
した場合(S5−6)、もしくは前記ステップS5−2
において放置時間が5日以上と判断された場合には、ま
ず前述した回復能力“通常”回復処理を行うと同時に回
復能力“強”回復処理の回数を示す回復能力指示手段内
の強回復処理回数n(レジスタ)に0を代入する(S5
−7)。その後に前述したヘッド状態検知を行い(S5
−8)、正常と判断されたならば(S5−9)、前記プ
リント開始指示があったかどうかを判断し(S5−1
4)、有ったならば、プリント動作(S5−4)、無か
ったならば、正常スタンバイ状態に戻る(S5−1
0)。なお、前記ステップS5−4のプリント動作終了
後も前記正常スタンバイ状態(S5−10)へと戻る。
【0062】前記ステップS5−9にてヘッド状態異常
と判断された場合は、前記強回復処理回数nの値により
n<2ならば(S5−11)、回復能力“強”回復処理
を行い、それと同時に前記強回復回数nに1を加える
(S5−12)。その後に再度前記ステップS5−8へ
戻り、ヘッド状態の検知を行い、正常か異常かの判断を
行う(S5−9)。
【0063】また、前記ステップS5−11にてn≧2
ならば、ヘッド異常のエラーメッセージを表示する(S
5−13)。
【0064】(実施例5の効果)この結果、ヘッドが正
常状態に回復しているか否かの判断を自動的に行い、そ
れにより、回復していないならば回復能力を強くして再
度回復を行うことで、正常な状態に回復する可能性を高
めることと、正常に回復しているにも関わらず再度回復
を行ったりすることや、初めから余計目に回復動作を行
うことによるインクの無駄な消費を防ぐことができると
いう効果がある。
【0065】<実施例6> (回復能力の切り換え)本実施例においては、回復能力
の強弱は図11において不図示のステッピングモータの
回転数の立ち上げ曲線と最高速度とに依っている。すな
わち、ステッピングモータの回転数の立ち上げ曲線を急
峻にし、かつ最高速度を速くすると前記コロ306が前
記チューブ305を潰す衝撃力が上がり、それにより発
生する負圧の立ち上がりが急峻となり、回復能力は強く
なる。
【0066】本実施例においては、回復能力“通常”の
場合、立ち上げ所要パルスは30パルス、最高スピード
は800PPSである。また、回復能力“強”の場合、
立ち上げ所要パルスは20パルス、最高スピードは10
00PPSである。
【0067】<実施例7>図14は本実施例の動作例を
説明する図である。
【0068】(動作例)不図示のプリント開始手段によ
り、プリント開始指示が発生した場合(S7−1)、直
前の回復処理もしくはプリント動作を行ってからの放置
時間を計算し(S7−2)、3日以内であればそのまま
プリント動作に移り(S7−4)、3日以上5日以内な
らば、前述した回復能力“通常”の回復処理を行った後
に(S7−3)、プリント動作(S7−4)に移る。
【0069】また不図示の回復実行手段により、マニュ
アル回復指示が発生した場合(S7−5)、もしくは今
まで装着されていたヘッドと別のヘッドが装着されたと
不図示の判断手段で判断され、新ヘッド装着判断が発生
した場合(S7−6)、もしくは前記ステップ7−2に
おいて放置時間が5日以上と判断された場合には、まず
前述した回復能力“通常”の回復処理を行うと同時に回
復能力“強”の回復処理の回数を示す強回復処理回数n
に0を代入する(S7−7)。その後に前述したヘッド
状態検知を行い(S7−8)、正常と判断されたならば
(S7−9)、前記プリント開始指示が有ったかどうか
を判断し(S7−14)、有ったならば、プリント動作
(S7−4)、無かったならば、正常スタンバイ状態に
戻る(S7−10)。なお、前記ステップS7−4のプ
リント動作終了後も前記正常スタンバイ状態ステップ
(S7−10)へと戻る。
【0070】前記ステップS7−9にてヘッド状態異常
と判断された場合は、前記強回復処理回数nの値により
その後の処理が場合分けされる(S7−11)。すなわ
ち、n=0ならば、回復能力“強”回復処理(1)を行
い、それと同時に前記強回復回数nに1を加える(S7
−12)。またn=1ならば、回復能力“強”回復処理
(2)を行い、それと同時に前記強回復回数nに1を加
える(S7−15)。両者の場合とも、その後に再度前
記ステップS7−8へ戻り、ヘッド状態の検知を行い、
正常か異常かの判断を行う(S7−9)。
【0071】また、前記ステップS7−11にてn≧2
ならば、ヘッド異常のエラーメッセージを表示する(S
7−13)。
【0072】(回復能力の切り換え)ここで、前記
“強”回復処理(1)と、前記“強”回復処理(2)と
違いについて説明する。
【0073】前記実施例5で示したような系において
は、強回復処理(1)は前記チューブポンプ304を3
回転させる場合であり、強回復処理(2)は前記チュー
ブポンプ304を4回転させる場合である。
【0074】また前記実施例6で示したような系におい
ては、強回復動作(1)は立ち上げ所要パルス25パル
ス、最高スピード900PPSであり、強回復処理
(2)は立ち上げ所要パルス30パルス、最高スピード
1000PPSである。
【0075】以上説明したように、実施例5〜7によれ
ば、ヘッドが最上状態に回復しているか否かの判断を行
い、それにより、回復していないならば回復能力を強く
して再度回復を行うことで、正常な状態に回復する可能
性を高めることができ、さらに正常に回復しているにも
関わらず再度回復を行ったりすることや、初めから余計
目に回復動作を行うことによるインクの無駄な消費を防
ぐことができる。
【0076】<実施例8>図15に本実施例で用いたサ
ーマルプリンタの概念図を示す。図15において、31
は画像情報に応答する駆動信号によって駆動される発熱
素子を有するサーマルヘッドであって、ペーパーカセッ
ト32から取り出された用紙上にインク転写フィルム3
3のインクを前記画像情報に応じて転写する。転写後の
用紙は排紙機構34に排出される。ここで用いたサーマ
ルヘッド31は図16に示す通り、累積印加パルス数に
応じて発熱素子の抵抗値が変化(増加)する。このよう
なサーマルヘッドを定電圧駆動していると、徐々に発熱
量が減少し、それに伴なって画像濃度が低下する。
【0077】図17はサーマルヘッド31の発熱素子の
抵抗値の測定回路を示す。サーマルヘッド31はドット
数に応じた数の発熱素子31Aおよびその駆動ドライバ
(トランジスタ)31Bと、画像信号を駆動ドライバ3
1Bに供給するためのシフトレジスタ31Cとを有す
る。発熱素子31Aと駆動ドライバ31Bの直列回路の
一端には電圧Vdが印加され、他端はスイッチ35を介
して、通常の記録動作時はグランドに接続され、発熱素
子の抵抗測定時には電圧測定回路36の入力側の抵抗3
7に接続される。電圧測定回路36は、抵抗37の両端
電圧を測定し、演算回路38に入力する。演算回路38
は電圧測定回路36からの電圧測定値と、前記Vdとか
ら、発熱素子31Aの抵抗値を演算する。比較演算器4
0は発熱素子31Aの抵抗値の初期値を記憶したメモリ
39からのデータと演算回路38からの抵抗値演算値と
を比較して、その結果を例えば図16の関係に適用する
ことによって発熱素子31Aの劣化の程度を演算する。
【0078】この結果演算器40の演算結果に基づい
て、印加電圧調整回路41は、発熱素子31Aへの印加
電圧Vdを適正に調整することによって縦続的に高画質
を得ることが可能となる。発熱素子の抵抗値を知ること
なく、むやみに印加電圧を調整すると、過電流によって
発熱素子を破壊したり、極端に寿命を短縮したりしてし
まう。こうたことなく、適正な印加電圧を調整すること
によって高画質を維持したままでサーマルヘッドを長寿
命に用いることが可能となり、またさらに寿命となった
場合にも適確に交換することができる。このため、従来
のように異なった原因のために画像が乱れているにも拘
らず、高価なサーマルヘッドを交換してしまうようなこ
とも回避することができる。
【0079】<実施例9>図18は本実施例にかかるイ
ンクジェットプリンタの概略図である。42はインクジ
ェットヘッドであって、レール43上を往復動し、駆動
ローラ44によって紙送りされる用紙45上に画像を記
録する。ここで用いたインクジェットヘッド42は電圧
を印加するとインクが加熱されて発泡し、インクが飛翔
し、記録を行うタイプである。この印加電圧を徐々に上
げてゆきインクが発泡し飛翔を開始する最低の電圧を今
ここでVthと定義すると、このインクジェットヘッド4
2の耐久劣化の程度はVthを測定することによって検出
することができる。具体的には、テストプリントモード
を設定し、徐々にインクジェッドヘッドへの印加電圧を
上げながら、インクの飛翔が開始する条件をテストプリ
ント画像を光学センサで検知することによってVthを測
定した。Vthを測定した後、Vthに応じた適正な印加電
圧は約1.2×Vthとして演算し、この演算した印加電
圧をインクジェットヘッドに適用することによって最も
長寿命化が図れる。
【0080】<実施例10>電子写真複写装置における
感光ドラムの耐久劣化はほぼ回転数で決まる。コピー枚
数のカウンタは従来からも装着されていたが、連続コピ
ーの場合と単数枚コピーの場合とでは用紙1枚当りの感
光ドラムの回転数が異なる。従って、図19に示すよう
に、感光ドラム46の回転をセンサ47によって検出
し、その累積回転数をセンサ47の出力に基づいて累積
回転数検出回路48によって求める。この累積回転数と
感光ドラムの寿命回転数とを比較することによって感光
ドラムの余命の長さを知ることができる。このように、
従来は高価な感光ドラムの交換時期が不明確であったた
め、不必要に早く交換して不経済であったり、寿命を超
えているにも拘らず交換しないことによって低画質であ
ったりしたが、このような欠点を本発明によって解決し
た。
【0081】まお、実施例8〜10では述べなかった
が、画像形成装置において、記録用紙を給紙する給紙ロ
ーラの表面摩擦係数が劣化によって小さくなって給紙の
信頼性が著しく低下することがあった。そこで反射型光
学センサで給紙ローラの表面の全反射光量を検知するこ
とによって、同ローラの表面が平滑になってきた程度を
知ることができ、これによって給紙ローラの押圧力を調
整したり、あるいは交換をしたりすることを適切に行う
ことができる。
【0082】以上説明した通り実施例8〜10によれ
ば、致命的な欠陥を引き起こす部品の劣化の程度を適確
に知ることが可能となる。そのため、調整、設定、部品
交換等を無駄なく、最適に行うことができ、常に安定し
て高性能な状態を維持できる画像形成装置が得られる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
品質な画像を形成することができる。
【0084】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜4に共通するインクジェッ
ト記録装置主要部の構成を示す斜視図である。
【図2】記録ヘッド周辺部の概略断面図である。
【図3】印字動作のフローチャートである。
【図4】時間計測のフローチャートである。
【図5】時間計測の他のフローチャートである。
【図6】印字中のインク温度制御のフローチャートであ
る。
【図7】他のインク供給系の構成を示す図である。
【図8】さらに他のインク供給系の構成を示す図であ
る。
【図9】本発明の実施例5〜7に共通する構成のブロッ
ク図である。
【図10】同実施例5〜7で用いられている印字ヘッド
の概略斜視図である。
【図11】ヘッド回復装置の概略図である。
【図12】温度センサによるヘッドの温度検知結果を表
した図である。
【図13】本発明の第5の実施例におけるヘッド回復動
作のフローチャートである。
【図14】本発明の第7の実施例におけるヘッド回復動
作のフローチャートである。
【図15】本発明の第8の実施例のサーマルプリンタの
概念図である。
【図16】サーマルヘッドにおける印加パルス数と抵抗
値との関係を示す図である。
【図17】発熱素子の抵抗値の測定回路を示す図であ
る。
【図18】本発明の第9の実施例のインクジェットプリ
ンタの概略図である。
【図19】本発明の第10の実施例のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 記録ヘッド部 1a 記録ヘッド 1b 吐出口 7 供給装置 12 回復装置 13 インク加圧管 14 インク供給管 15 発熱体 16 冷却手段 17 温度検知手段 18 電磁弁 19 開閉量制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 康治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギーを利用してインクを吐出す
    る記録ヘッドと、該記録ヘッドに互いに異なった温度の
    インクを供給するための2つのインク経路と、前記記録
    ヘッドもしくは前記記録ヘッド内のインクの温度を検知
    する温度検知手段と、前記記録ヘッドによる一走査毎
    に、当該記録ヘッドの待機時間を検知する待機時間検知
    手段と、前記記録ヘッドによる記録開始から次の待機ま
    での走査時間を検知する走査時間検知手段と、前記温度
    検知手段、待機時間検知手段または走査時間検知手段の
    検知レベルに応じて、前記2つのインク経路内のインク
    の流量を制御して前記記録ヘッドに流入するインクの温
    度を制御する手段とを具えたことを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記待機時間検知手
    段または走査時間検知手段の検知レベルに応じて前記記
    録ヘッドの回復手段の動作を切り換える手段を有するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 インクを吐出する記録ヘッドと、該記録
    ヘッドに対して、複数段階の回復能力を有する回復手段
    と、前記回復手段による前記記録ヘッドの回復動作の開
    始を指示する回復動作開示指示手段と、前記回復動作後
    に前記記録ヘッドが回復状態を検知するヘッド状態検知
    手段と、該ヘッド状態検知手段の検知結果に応じて、再
    度回復動作が必要と判断したときに前記回復手段の回復
    能力を切り換えて当該回復手段による前記記録ヘッドの
    回復を行わせる手段とを具えたことを特徴とする画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 所定の構成要素の劣化の程度を検出する
    手段を具備したことを特徴とする画像形成装置。
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