JPH0760848A - 樹脂板の連続成形方法および熱成形方法 - Google Patents

樹脂板の連続成形方法および熱成形方法

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JPH0760848A
JPH0760848A JP5212551A JP21255193A JPH0760848A JP H0760848 A JPH0760848 A JP H0760848A JP 5212551 A JP5212551 A JP 5212551A JP 21255193 A JP21255193 A JP 21255193A JP H0760848 A JPH0760848 A JP H0760848A
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JP
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meth
gel coat
resin
coat layer
resin plate
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Application number
JP5212551A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Akihiko Fukada
亮彦 深田
重男 ▲おとめ▼
Shigeo Otome
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に強化繊維パターンや、強化繊維の露出
がなく、形付する場合においてもゲルコート層にクラッ
クの発生がない、ゲルコート層と一体化された樹脂板を
連続成形する方法を提供する。 【構成】 第1フィルム上に、カルボキシル基および/
またはヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系ポリ
マー成分と、一官能(メタ)アクリル系モノマーを主成
分とするモノマー成分からなるアクリルシロップと、多
価金属酸化物もしくは多価金属水酸化物、および/また
は多価イソシアネートからなる増粘剤を含むゲルコート
層を形成し、該ゲルコート層上に繊維強化樹脂層および
第2フィルムを積層載置して、必要に応じ形付した後
に、加熱硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲルコート層を有する
繊維強化型樹脂板の連続成形方法、特に波板状や平板状
の樹脂板を連続成形する方法と、得られた樹脂板が熱可
塑性の場合にこれを用いて行う熱成形方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】本願出願人により既に出願された特開昭
62−236831号には、ガラス繊維で強化された樹脂板の製
造方法が開示されている。この発明は、反応性(メタ)
アクリル系ポリマーと、メチルメタクリレート系モノマ
ーからなるゲルコート層を予備硬化させてガラス繊維強
化樹脂層の片面もしくは両面に形成させ、不飽和ポリエ
ステル樹脂の耐候性不足、採光性能不足を補うものであ
った。しかしながらその後の検討の結果、予備硬化の制
御が難しく、繊維強化樹脂層中のガラス繊維がゲルコー
ト層に入り込み、成形された樹脂板の表面に繊維のパタ
ーンや繊維の露出が見られることがあった。
【0003】また、繊維強化樹脂層の形成に先だってゲ
ルコート層を予備硬化させた場合、予備硬化が進み過ぎ
て、樹脂板を波板状に形付する際にゲルコート層にクラ
ックや折れ目が発生し易いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するものであって、表面に強化繊維パターンや強化繊
維の露出がなく、形付する場合においてもゲルコート層
にクラックや折れ目が発生することのない樹脂板の連続
成形方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂板の連続成
形方法は、移動する第1フィルム上に、カルボキシル基
および/またはヒドロキシル基を有する(メタ)アクリ
ル系ポリマー(1) 、および一官能(メタ)アクリル系モ
ノマーを主成分とするモノマー成分(2) からなるアクリ
ルシロップ(A) と、多価金属酸化物、多価金属水酸化物
および/または多価イソシアネートからなる増粘剤(B)
を含むゲルコート層を形成し、該ゲルコート層上に強化
繊維およびマトリックス樹脂を供給して繊維強化樹脂層
を積層し、さらにこの繊維強化樹脂層の上に第2フィル
ムを載置して、必要に応じて形付を行った後、加熱硬化
させるところに要旨を有する。また、上記繊維強化樹脂
層と第2フィルムとの間にさらに上記ゲルコート層を設
けても良い。さらに、マトリックス樹脂として熱可塑性
樹脂を使用した場合、これらの方法で得られた樹脂板に
さらに加熱成形を施すものである熱成形方法も本発明に
含まれる。
【0006】
【作用】本発明の最大の特徴は、ゲルコート層の構成成
分である(メタ)アクリル系ポリマーに二重結合ではな
くカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を導入
し、これら官能基と増粘剤の作用によってゲルコート層
を増粘するところにある。このため、本発明のゲルコー
ト層は予備硬化の必要がなく、従って予備硬化の制御が
不必要となり、波板状に形付する場合にクラックが発生
することはなくなった。さらにゲルコート層に強化繊維
のパターンが生じたり繊維が露出することもなく、表面
平滑性および鮮映性に優れた樹脂板が得られるようにな
った。また繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂として熱
可塑性樹脂を用いた場合には、得られた樹脂板を二次熱
成形に用いることもできる。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0007】本発明で使用される第1フィルムおよび第
2フィルムは、樹脂板を構成する繊維強化樹脂層および
ゲルコート層が加熱硬化するまでの間一定形状に保ち、
これらの層を挟んで連続的に移動させるためのものであ
る。このようなフィルムとしては、ゲルコート層に使用
されるアクリルシロップに侵されない熱可塑性の素材が
好ましく、例えばナイロン、ビニロン、ポリビニルアル
コール、ポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムが
挙げられる。特に伸張性フィルムを用いた場合には、樹
脂板を種々の形状に成形する時にフィルムが伸張して成
形形状に追随できるため好ましい。これらのフィルム
は、樹脂板から剥離することなく付着させたまま保護フ
ィルムとして利用することもでき、樹脂板の加熱硬化後
または成形後に剥離して循環再利用することもできる。
【0008】本発明のゲルコート層を構成する主成分
は、 (1) カルボキシル基および/またはヒドロキシル基を有
する(メタ)アクリル系ポリマー (2) 一官能(メタ)アクリル系モノマーを主成分とする
モノマー成分 とからなるアクリルシロップ(A) と、多価金属酸化物、
多価金属水酸化物および/または多価イソシアネートか
らなる増粘剤(B) であり、(A) および(B) 成分にラジカ
ル重合開始剤等を配合したものがゲルコート層成分とな
る。(1) のカルボキシル基および/またはヒドロキシル
基を有する(メタ)アクリル系ポリマーとは、(メタ)
アクリレートを主たる構成モノマーとするもので、この
(メタ)アクリレートに、後述の増粘剤との反応点とな
るカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を与え
るため、カルボキシル基および/またはヒドロキシル基
を有するビニルモノマーを共重合させて得られるもので
ある。(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリ
レートが好ましいが、メチルアクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート等のアルキル(メタ)アクリレート類を使用する
こともでき、1種または2種以上を使用する。
【0009】カルボキシル基を有するビニルモノマーと
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不
飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等の不飽和ジカルボン酸、これら不飽和ジカルボン酸
のハーフエステル化物等が挙げられ、ヒドロキシル基を
有するビニルモノマーとしては、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が利
用でき、これらの1種または2種以上を上記(メタ)ア
クリレートに共重合させることにより、(1) の(メタ)
アクリル系ポリマーを得ることができる。
【0010】上記(メタ)アクリル系ポリマーが、カル
ボキシル基を含有するときには酸価が5〜100 となるよ
うに、ヒドロキシル基を含有するときには水酸価が5〜
100となるように、また両方の官能基を含有する場合に
は酸価と水酸価を合わせて5〜100 とすることが好まし
い。重合方法は公知の溶液、塊状、乳化重合法を用いる
ことができる。生成ポリマーの分子量は重量平均分子量
で5万〜100 万、より好ましくは10万〜50万であり、数
平均分子量は2万〜20万、より好ましくは4万〜15万と
するのが良い。
【0011】上記(メタ)アクリル系ポリマー(1) は、
(2) の一官能(メタ)アクリル系モノマーを主成分とす
るモノマー成分と混合されてアクリルシロップ(A) を構
成する。アクリルシロップ(A) としての粘度は25℃で0.
5 〜100 ポイズ(以下Pと略す)、より好ましくは1〜
10Pが適している。
【0012】(2) のモノマー成分とは、分子中に重合性
不飽和基を1個有する一官能の(メタ)アクリル系モノ
マーを主成分とする。前記(メタ)アクリル系ポリマー
(1)の主たる構成モノマーとして例示した(メタ)アク
リレートを挙げることができる。また前記カルボキシル
基もしくはヒドロキシル基を含有するビニルモノマー、
あるいはその他のアルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーとして例示したモノマー種を1種以上混合して、モノ
マー成分(2) とすることができる。ただし、後述の増粘
剤(メタ)アクリル系ポリマー(1) との反応を阻害しな
いように、モノマー成分(2) 中のカルボキシル基および
/またはヒドロキシル基の量は(メタ)アクリルポリマ
ー(1) 中のこれら官能基量より少なくする方が好まし
い。
【0013】上記一官能(メタ)アクリル系モノマーに
加えて、架橋性モノマーとして多官能モノマーを併用す
ることもできる。多官能モノマーとしては、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。
【0014】ここで、モノマー成分(2) 中の一官能モノ
マーと多官能モノマー成分の比は、100 :0 〜80:20
(重量%)が好ましい。ただゲルコート層を三次元的に
熱硬化させる場合には、架橋性の多官能モノマーの存在
が不可欠なため、一官能モノマーと多官能モノマーの比
を97:3 〜80:20(重量%)とするとよい。
【0015】上記(メタ)アクリル系ポリマー(1) とモ
ノマー成分(2) とを混合することによってアクリルシロ
ップ(A) が構成される。本発明での好ましい混合比は、
ポリマー対モノマーが50:50〜10:90(重量部)であ
り、より好ましくは30:70〜10:90(重量部)である。
【0016】このアクリルシロップ(A) に増粘剤成分
(B) が配合され、ゲルコート材料としての粘度が調整さ
れる。増粘剤成分(B) としては、カルボキシル基に作用
するMgO、CaO等の多価金属酸化物、またはMg
(OH)2 、Ca(OH)2 等の多価金属水酸化物と、
ヒドロキシル基に作用するp−フェニレンジイソシアネ
ート、2,4−あるいは2,6−トルエンジイソシアネ
ート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイ
ソシアネート類、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等
の多価イソシアネート化合物を使用することができる。
【0017】すなわち、アクリルシロップ中の(メタ)
アクリル系ポリマーとしてカルボキシル基を導入したも
のを用いたときには、金属酸化物かまたは金属水酸化物
を増粘剤として用いればよく、このときアクリルシロッ
プ 100重量部に対し 0.2〜5重量部使用することが好ま
しい。また、アクリルシロップ中の(メタ)アクリル系
ポリマーとしてヒドロキシル基を導入したものを用いた
ときには、前記多価イソシアネート化合物を用いればよ
く、1〜20重量部(対アクリルシロップ 100重量部)が
適量である。アクリルシロップ中の(メタ)アクリル系
ポリマーがカルボキシル基とヒドロキシル基の両者を導
入したものである場合は、金属酸化物かまたは金属水酸
化物と、多価イソシアネート化合物を適宜混合して使用
すると良い。
【0018】このように構成されたゲルコート材料に
は、モノマーを重合させるための硬化剤としてラジカル
重合開始剤が配合される。硬化剤としては、ベンゾイル
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキ
サイド等の有機過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−
メトキシバレロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイ
ン、ベンジルジメチルケタール等の光重合開始剤等を使
用することができる。適切な使用量はアクリルシロップ
100重量部に対し、0.2 〜5重量部である。
【0019】上記ゲルコート材料は移動中の第1フィル
ム上に公知の方法で塗工される。塗布厚は特に限定され
ないが0.1 〜1.5mm が好ましい。塗工後のゲルコート層
を、例えば40〜80℃の熱板上を通過させることにより増
粘させることができる。増粘後のゲルコート材料の粘度
は5万〜150 万Pが適しており、より好ましい粘度は10
万〜100 万Pである。
【0020】次に、ゲルコート層の上に繊維強化樹脂層
を形成するために、強化繊維およびマトリックス樹脂が
供給される。強化繊維としては、ガラス、炭素、金属、
セラミックス等の無機繊維や、アラミド、ポリエステル
を始めとする種々の有機繊維等が利用できる。繊維形態
は、例えばロービング、ロービングクロス、マット、織
物、チョップドストランド、サーフェシングマット等各
種形状のものが使用できる。
【0021】マトリックス樹脂の種類は本発明では特に
限定されない。例えば、平板状あるいは波板状のまま製
品として使用される樹脂板を製造する際のマトリックス
樹脂としては、従来公知のFRPに用いられる不飽和ポ
リエステル樹脂や、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の
他、公知の加熱架橋硬化型アクリルシロップを使用する
ことができる。
【0022】また特に平板状あるいは波板状の樹脂板
を、真空成形やスタンパブル成形あるいは折れ曲げ成形
等の熱成形方法で二次加工する場合には、マトリックス
樹脂として加熱可塑化が可能な樹脂が用いられ、例えば
公知の熱可塑性アクリルシロップや、上述の本発明のア
クリルシロップ(A) 等が好ましく使用される。
【0023】強化繊維の量は、マトリックス樹脂 100重
量部に対して10〜 100重量部が適しており、より好まし
い配合量は20〜70重量部である。第1フィルム上のゲル
コート層の上に、繊維強化樹脂層を形成するための方法
は、強化繊維の形態に応じて種々選択することができ
る。例えば、短繊維をマトリックス樹脂と共に直接ゲル
コート層の上に散布したり、マット状の強化繊維をゲル
コート層の上に置いてその後にマトリックス樹脂を塗工
して接触含浸させたり、樹脂を塗工した後に強化繊維を
含浸させても良い。
【0024】本発明のゲルコート層や繊維強化樹脂層に
は、これまで説明した必須成分の他、必要に応じて硬化
剤、硬化促進剤や、各種着色剤、紫外線吸収剤等を添加
してもよい。
【0025】繊維強化樹脂層が形成された後に第2フィ
ルムを載せることによって、片面がゲルコートされた樹
脂板用の材料が完成する。加熱硬化工程は、樹脂板用材
料を40〜 180℃の加熱炉に導くことにより達成すること
ができる。ここで、第2フィルムを載せる前に、繊維強
化樹脂層の上にさらにゲルコート層を設けても良い。こ
の時設けられる第2のゲルコート層は、既に片面に施さ
れたゲルコート層と同一の構成成分のゲルコート層で
も、あるいは異なった構成のゲルコート層でもよく、こ
の積層によって、両面がゲルコートされた樹脂板を得る
ことができる。
【0026】形付工程は、平板状の樹脂板を製造する場
合には不必要であるが、波板状の樹脂板を製造する場合
には所望の波形を付与する必要があり、異形ロールや形
板を用いてフィルムに挟んだまま、あるいはフィルムを
除去して形付すればよい。第1および第2フィルムに伸
張性フィルムを用いた場合には厳しい形付工程において
も形状に追随するので、フィルムに挟んだまま形付する
ことができる。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお、以下「部」とあ
るのは「重量部」のことである。
【0028】実施例1 2リットルのセパラブルフラスコに、メチルメタクリレ
ート1266.7g、メタクリル酸80.0g、チオクレゾール0.
33g、アゾビスイソブチロニトリル0.33gを仕込み、窒
素置換した後80℃で重合させた。粘度が約60P(25℃)
に達した所でメチルメタクリレート 666.7gを一気に添
加し急冷して反応を停止させた。このアクリルシロップ
は、25℃での粘度が3P、酸価が25、固形分濃度が15%
であり、シロップ中のメタクリル系ポリマーの数平均分
子量は5万、重量平均分子量は23万、酸価は78であっ
た。
【0029】図1に示す樹脂板の連続成形ラインにおい
て、一定方向に2m/分の速度で移動する第1フィルム
(ビニロン製)上に、上記アクリルシロップ100 部に対
し、硬化剤ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂製:ナ
イパーBO)2部、促進剤トリフェニルホスフィン 0.5
部とMgO 1.5部を添加混合したゲルコート層構成成分
をナイフコーターで0.5mm 厚さに塗布し、60℃の熱鉄板
上のヒーターゾーンを5分間で通過させた。ゲルコート
層はタックフリーの状態で50万Pにまで増粘していた。
【0030】この増粘したゲルコート層の上に、上記ア
クリルシロップ100 部に対し、パーカドックス16(化
薬アクゾ製)2部、アクセレーターNLF−10(化薬
アクゾ製)0.5 部を含むマトリックス樹脂液を1000g/m2
の割合で連続的に供給し、さらにその上に長さ50mmに切
断されたガラス繊維ロービングチョップを300g/m2 の量
で均一に散布して、樹脂含浸繊維強化樹脂層(FRP層
と称す)を形成した。
【0031】次いでこの上に第2フィルム(ビニロン
製)をかぶせ、気泡を除去した後、80℃の硬化炉内を20
分間通過させて硬化した樹脂板を得た。得られた樹脂板
のゲルコート層の表面は、ガラス繊維パターンのない、
表面平滑性および鮮映性に優れたものであった。サンシ
ャインウエザオメーターを用いて得られた樹脂板の促進
耐候性試験を行ったが、1000時間後もゲルコート層表面
の変化は認められなかった。
【0032】実施例2 硬化炉内でFRP層樹脂がゲル化する地点に設置した形
板を通過させて形付けを行ったこと以外は実施例1と同
様にして、波板状の樹脂板を得た。得られた樹脂板のゲ
ルコート層の表面は、ガラス繊維パターンや、折れ目、
クラックのない、表面平滑性に優れたものであった。ま
た促進耐候性試験においても、1000時間後も変化が認め
られず、優れた耐候性を示した。
【0033】実施例3 2リットルのセパラブルフラスコにメチルメタクリレー
ト1266.7g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート66.7
g、アゾビスイソブチロニトリル0.33gを仕込み、実施
例1と同様の条件で重合してアクリルシロップを得た。
このアクリルシロップは25℃での粘度が 3.2P、水酸価
が15、固形分濃度が15%であり、シロップ中のメタクリ
ル系ポリマーの数平均分子量は5万、重量平均分子量は
30万、水酸価は20であった。
【0034】実施例1と同様の樹脂板の連続成形ライン
において、一定方向に2m/分の速度で移動する第1フ
ィルム(ビニロン製)上に、上記アクリルシロップ100
部に対し、硬化剤ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂
製:ナイパーBO)2部、促進剤トリフェニルホスフィ
ン 0.5部とヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリ
ウレタン製:コロネート2094)を10部添加混合したゲル
コート層構成成分をナイフコーターで0.5mm 厚さに塗布
し、70℃の熱鉄板上のヒーターゾーンを5分間で通過さ
せた。ゲルコート層はタックフリーの状態で、30万Pに
まで増粘していた。
【0035】このゲルコート層の上に、上記アクリルシ
ロップ100 部に対し、ナイパーBO(日本油脂製)2
部、トリフェニルホスフィン0.5 部を含むマトリックス
樹脂液を1000g/m2の割合で連続的に供給し、長さ50mmに
切断されたガラス繊維ロービングチョップを300g/m2
量で均一に散布して、FRP層を形成した。次いでこの
上に第2フィルム(ビニロン製)をかぶせ、気泡を除去
した後、80℃の硬化炉内を20分間通過させて硬化した樹
脂板を得た。得られた樹脂板のゲルコート層の表面は、
ガラス繊維パターンのない、表面平滑性および鮮映性に
優れたものであった。また促進耐候性試験においても、
1000時間後も変化が認められず、優れた耐候性を示し
た。
【0036】実施例4 硬化炉内でFRP層樹脂がゲル化する地点に設置した形
板を通過させて、形付けを行ったこと以外は、実施例3
と同様にして波板状の樹脂板を得た。得られた樹脂板の
ゲルコート層の表面は、ガラス繊維パターンや、折れ
目、クラックのない、表面平滑性に優れたものであっ
た。また促進耐候性試験においても、1000時間後も変化
が認められず、優れた耐候性を示した。
【0037】実施例5 実施例1と同様のアクリルシロップを用いて、アクリル
シロップ100 部に対し、硬化剤ベンゾイルパーオキサイ
ド(日本油脂製:ナイパーBO)2部、促進剤トリフェ
ニルホスフィン 0.5部、可塑剤ジブチルフタレート20部
とMgO 1.5部を添加混合したゲルコート層構成成分を
作成し、実施例1と同じ連続成形ラインで一定方向に2
m/分の速度で移動する第1フィルム(ビニロン製)上
に、ナイフコーターで0.5mm 厚さに塗布し、60℃の熱鉄
板上のヒーターゾーンを5分間で通過させた。ゲルコー
ト層はタックフリーの状態で40万Pにまで増粘してい
た。このゲルコート層の上に、上記アクリルシロップ10
0 部に対し、ナイパーBO(日本油脂製)2部、トリフ
ェニルホスフィン0.5 部、ジブチルフタレート20部を含
むマトリックス樹脂液を1000g/m2の割合で連続的に供給
し、長さ50mmに切断されたガラス繊維ロービングチョッ
プを300g/m2 の量で均一に散布して、FRP層を形成し
た。次いでこの上に第2フィルム(ビニロン製)をかぶ
せ、気泡を除去した後、80℃の硬化炉内を20分間通過さ
せて硬化した樹脂板を得た。得られた樹脂板を遠赤外線
ヒーターを用いて180 ℃で加熱軟化させ、ゲルコート面
を下にして排気口のついた圧空成形用金型に上から3kg
/cm2の圧空をかけて成形し冷却固化させた。金型の形状
は深さ5cm、コーナー部の最小半径が10Rである雌箱
型のものを用い、金型温度は90℃とした。
【0038】得られた成形品の表面は、ガラス繊維パタ
ーンのない表面の平滑なもので、ゲルコート面に割れも
全く認められなかった。また鮮映性に優れたものであ
り、肉厚の部分的バラツキも小さかった。サンシャイン
ウエザオメーターにより、この成形品の促進耐候性試験
を行ったが、1000時間後もゲルコート層表面の変化は見
られなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、表面平滑性および耐候性に優れた樹脂板が極めて簡
便かつ安価に製造できる。また、マトリックス樹脂に熱
可塑性樹脂を用いた場合には、二次熱成形も可能であ
り、多様な形状の成形も対応できるものである。従って
本発明方法によって得られる樹脂板は、採光部、採光屋
根、温室、ベランダ屋根、歩道橋側板等各種用途に有効
に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂板の成形方法を示す概略説明図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する第1フィルム上に、カルボキシ
    ル基および/またはヒドロキシル基を有する(メタ)ア
    クリル系ポリマー(1) 、および一官能(メタ)アクリル
    系モノマーを主成分とするモノマー成分(2) からなるア
    クリルシロップ(A) と、多価金属酸化物もしくは多価金
    属水酸化物、および/または多価イソシアネートからな
    る増粘剤(B) を含むゲルコート層を形成し、該ゲルコー
    ト層上に強化繊維およびマトリックス樹脂を供給して繊
    維強化樹脂層を積層し、さらにこの繊維強化樹脂層の上
    に第2フィルムを載置して、必要に応じて形付を行った
    後、加熱硬化させることを特徴とする樹脂板の連続成形
    方法。
  2. 【請求項2】 上記繊維強化樹脂層と第2フィルムとの
    間に、さらに前記ゲルコート層と同一または異なったゲ
    ルコート層を設けたものである請求項1に記載の樹脂板
    の連続成形方法。
  3. 【請求項3】 上記マトリックス樹脂として熱可塑性樹
    脂を用い、請求項1または2に記載の連続成形方法で製
    造された樹脂板に、さらに加熱成形を施すことを特徴と
    する熱成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007297616A (ja) * 2006-04-04 2007-11-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd メタクリル系樹脂成形物の製造方法

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