JPH0760633B2 - 電子管陰極 - Google Patents

電子管陰極

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JPH0760633B2
JPH0760633B2 JP13631389A JP13631389A JPH0760633B2 JP H0760633 B2 JPH0760633 B2 JP H0760633B2 JP 13631389 A JP13631389 A JP 13631389A JP 13631389 A JP13631389 A JP 13631389A JP H0760633 B2 JPH0760633 B2 JP H0760633B2
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electron
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金治郎 佐野
寿夫 中西
豊一 鎌田
孝 新庄
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、受像管などに用いられる電子管陰極に関
し、詳しくは、電子放出特性の向上を図つた電子管陰極
に関する。
[従来の技術] 従来、受像管等に用いられている電子管陰極にはニツケ
ル(Ni)を主成分としてシリコン(Si)等を還元剤とし
て微量含ませた基体金属上に、バリウム(Ba)を含むア
ルカリ土類金属の酸化物層を形成したいわゆる酸化物陰
極が多用されている。
この酸化物陰極は、還元剤と酸化物とを反応させて酸化
物から遊離原子を生成させ、この遊離原子を電子放射の
ドナー(源)として電子を放射せしめるようにしたもの
である。
第2図は従来の電子管陰極の一例を示す概略断面図であ
つて、帽状の基体金属(1)、円筒状のスリープ
(2)、基体金属(1)上に被覆形成された酸化バリウ
ムからなる電子放射物質層(5)から構成されている。
(3)は陰極加熱用のヒータである。
この電子放射物質層(5)は、次のような工程によつて
形成される。すなわち、ニトロセルロース等を溶解した
有機溶剤に炭酸バリウムを混合したあと、吹き付け、電
着等の方法により基体金属(1)上に被着形成される。
このような陰極は、ついで電子管内に組み込まれ、電子
管内を真空にするための排気工程でヒータ(3)によつ
て約1000℃に加熱昇温され、炭酸バリウムは次式で示さ
れるように熱分解によつて酸化バリウムに変換される。
BaCO3→BaO+CO2 ……(A) この酸化バリウムは、陰極の動作中、基体金属(1)と
接する境界(11)において、基体金属(1)の中の還元
剤であるシリコンと次式のような還元反応を起こす。
2BaO+Si=2Ba+SiO2 ……(B) この反応で生成された遊離バリウムが、電子放射のドナ
ーとして作用する。また、この時に次式に示す反応も同
時に起きる。
SiO2+2BaO→Ba2SiO4 ……(C) 以上のように、ドナーとして作用する遊離バリウムは電
子放射の役を担なうが、(B),(C)式に示すように
SiO2,Ba2SiO4なども反応生成物が電子放射物質層(5)
と基体金属(1)との境界(11)で生成される。この反
応生成物は境界付近にどんどん蓄積して中間層と呼ばれ
る障壁となり、シリコンの拡散が妨たげられ、ドナーで
ある遊離バリウムの生成が困難となる。また、この中間
層は高抵抗を有し、電子放射電流の流れを妨げるという
問題点もある。
このような問題点に対して、第3図に示すように基体金
属(1)の表面にスカンジユウム(Sc)または酸化スカ
ンジユウム(Sc2O3)の皮膜(4)を、真空蒸着、メツ
キ法あるいは吹き付け法等で0.1〜10μmの厚さに被着
形成させ、Ba2SiO4等の反応生成物を解離させることが
特願昭62−122659号に開示されている。
しかしながら、この発明では、真空蒸着やメツキ法で皮
膜を形成する場合に成膜時間に長時間を要したり、高価
や設備を必要とする。また、吹き付け法の場合でも、0.
1〜10μmの非常に薄い膜を均一に成膜することは困難
であり、歩止まりも悪かつた。また、真空蒸着やメツキ
法の場合には、基体金属(1)から電子放射物質層
(5)への還元性金属が拡散しにくくなり、電子放射特
性が安定しないという問題点があつた。さらに、長時間
の動作中に電子放射物質層(5)が皮膜(4)上から剥
離してしまうという問題点もあつた。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の電子管陰極は以上のように構成されているので、
量産性、および品質の安定性に欠けるという問題点があ
つた。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、量産性に優れ、かつ電子放射性等の品質の
安定した電子管陰極を得ることを目的とする。
[問題を解決するための手段] この発明にかかる電子管陰極は、基体金属上に酸化スカ
ンジユウムを含むニツケル粉末の焼結層を設け、この焼
結層の上に電子放射物質層を被着形成した点を特徴とす
る。
[作用] この発明におけるニツケル粉末焼結層は、基体金属に強
固に固着すると共に焼結層の中に酸化スカンジユムを適
度に分散させて保有しており、さらに、この焼結層は適
度な表面荒さと空孔があるため、電子放射物質を強固に
被着することができると共に、還元性金属の拡散を容易
にすることができる。このため、中間層が形成されるの
を防止できるとともに、製作が容易で、剥離することが
なく、電子放射特性も安定する。
[発明の実施例] 以下、この発明の一実施例を図によつて説明する。第1
図は、この実施例を示す概略構造断面図で、第2図およ
び第3図の従来例と同一構成部分には、同一符号を付し
て説明を省略する。
図において、(6)はニツケル粉末焼結層で、基体金属
(1)上に、酸化スカンジユウム(6b)が分散して含ま
れたニツケル粉末(6a)の焼結層である。
このニツケル粉末焼結層(6)は、次のように形成され
る。平均粒径が10〜30μmのニツケル粉末(6a)に、重
量比で1〜10%の酸化スカンジユウム粉末(6b)を加
え、この混合粉末をニトロセルロースを溶解した有機溶
媒に加えて懸濁液とし、スプレー等の方法で基体金属
(1)上に20〜30μmの厚さで塗布する。次いで、水素
雰囲気あるいは真空雰囲気中で、役1000℃で10分間の熱
処理を施すことにより基体金属(1)上に酸化スカンジ
ユウム(6b)を含んだニツケル粉末(6a)が溶着したニ
ツケル粉末焼結層(6)が形成される。
このニツケル粉末焼結層(6)の上に、従来例と同様
に、電子放射物質を例えば、スプレーにより50〜100μ
mの厚さになるように塗布する。この電子放射物質層
(5)は少なくともバリウム(Ba)を含有し、他にスト
ロンチウム(Sr)あるいはカルシウム(Ca)を含むアル
カリ土類金属酸化物を主成分とする。
このように、この実施例によれば、酸化スカンジユウム
粉末(6b)をニツケル粉末(6a)に分散混合させ、スプ
レー等の簡単な方法により基体金属(1)上に被着した
後、非酸化性雰囲気中で熱処理を行うという簡単なプロ
セスであるため量産性が向上した。また、焼結層である
ため、その層内が適度の空孔を備えている。したがつ
て、基体金属(1)からの還元性金属が電子放射物質層
(5)へ拡散しやすく、従来問題となつていた初期の電
子放射特性のバラツキを低減できた。
また、ニツケル粉末焼結層(6)と電子放射物質層
(5)との界面は、適度な凹凸があるため電子放射物質
層(5)の被着力が向上し、電子放射物質の剥離が低減
できた。
次に、動作中の中間層生成の抑制作用について説明す
る。その要旨とするところは、特願昭62−122059号に開
示されているとおりであり、ここでは簡単に述べる。ニ
ツケル粉末焼結層(6)内の酸化スカンジウム(6b)
は、ニツケル粉末(6a)あるいは、基体金属(1)のニ
ツケルと次のような反応を起こす。
Sc2O3+10Ni→2ScNi5+30 ……(D) この反応での生成物ScNi5は、中間層の成分であるBa2Si
O4と次の様な反応をおこす。
16ScNi5+9Ba2SiO4→4Ba3Sc4O9+6Ba+9Si+80Ni ……
(E) このようにBa2SiO4は解離され、蓄積されないので、中
間層の生成が抑制される。
[発明の効果] この発明によれば、酸化スカンジユウムを含んだニツケ
ル粉末の焼結層を基体金属上に形成し、その層上に電子
放射物質を被覆形成したものであるから効率よく安価に
製作できるとともに、電子放射特性の安定した信頼性の
高い電子管陰極が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例の概略拡大断面図、第2
図は従来の電子管陰極の概略拡大断面図、第3図は改良
された従来の電子管陰極の拡大概略断面図である。 (1)……基体金属、(5)……電子放射物質層、
(6)……ニツケル粉末焼結層、(6a)……ニツケル粉
末、(6b)……酸化スカンジユウム。 なお、各図中、同一符号は同一、または相当部分を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新庄 孝 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電機 株式会社京都製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−193031(JP,A) 特開 昭63−257156(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニツケルを主成分とし、少なくともシリコ
    ンを含有している陰極基体金属と、この基体金属の面上
    に形成された酸化スカンジユウムが分散されているニツ
    ケル粉末焼結層と、この焼結層の面上に形成された少な
    くともバリウムを含むアルカリ土類金属酸化物からなる
    電子放射物資層とを備えた電子管陰極。
JP13631389A 1989-05-30 1989-05-30 電子管陰極 Expired - Lifetime JPH0760633B2 (ja)

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JPH031420A JPH031420A (ja) 1991-01-08
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